JP4093841B2 - 投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置、より詳細には、投射表示用のライトバルブに対する投射光の光束の形状寸法を整形するための手段を備えた投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大画面表示手段として、大画面のCRTやPDP(プラズマディスプレイ)に比べて小型で軽量な投射型表示装置が使用される場合が多い。投射型表示装置には、液晶等のライトバルブを用いて画像を表示し、この画像を拡大投影する方式を採用したものがある。投射型表示装置において、例えば、特許文献1には、「カラースクロール方式」と呼ばれる方式を用いた投射型表示装置が開示されている。
【0003】
図10は、カラースクロール方式の投射型表示装置の構成例を説明するための図で、図中、10は三原色光束形成部、11は光束整形板、12はダイクロイックミラー系、20はライトバルブ、30は光束整形部、31はレンズ群、32はコールドミラー、40は光源部、41は白色光源、42は楕円面反射鏡、50は三原色光束形成部、51は回転プリズム、52及び53はレンズ、60は投射レンズ系、S1,S2,S3は光束整形板11が有する光束成型用のスリットである。
【0004】
光源部40は、白色光源41と楕円面反射鏡42から構成される。光源部40から出射した白色光束は、光整形部30において、一連のレンズ群31、及びコールドミラー32を経て、投射用の方形形状の光束に整形され、三原色光束形成部10に入射する。三原色光束形成部10は、光束整形板11及びダイクロイックミラー系12を有している。三原色光束形成部10において、ダイクロイックミラー系12は、光束整形部30から入射した方形形状の白色光を赤、緑、青の三原色に分離する。そして分離された三原色の光は、光束整形板11が備えた光束整形用のスリットS1〜S3でそれぞれ整形され、出射する。
【0005】
三原色光束形成部10から出射した三原色光は、カラースクロール部50に入射する。カラースクロール部50において、入射した三原色光は回転プリズム51で作用を受けて出射光路をスクロールさせながらレンズ52,53に順次入射する。そしてレンズ52,53の作用によって、三原色光はライトバルブ20上に照射される。ライトバルブ20における三原色光束の照射領域は、回転プリズム51の回転によってスクロールされる。ライトバルブ20は、三原色光束の照射領域と色に応じて、色毎の映像情報を表示する。そしてライトバルブ20を出射した光束は、投射レンズ系60によってスクリーン等の被投射手段に投射される。
【0006】
上記のごとくの構成を有する投射型表示装置により、赤、緑、青(以下、R、G、Bとする)の光を、1つのライトバルブ(液晶パネル)20上の異なる領域に同時に照射する。このときに回転プリズム51を回転させることで、ライトバルブ20上のR、G、Bの照射領域を時間と共に移動(スクロール)させる。ライトバルブ20は、照射光の種類と照射位置の画像情報に応じて駆動し、フルカラーの画像表示を実現する。
【0007】
上記特許文献1で開示された「カラースクロール方式」では、R,G,Bの光の照射領域がライトバルブ上で重複しないように、ライトバルブを照射する光束の形状寸法を整形する必要があった。
【0008】
図11は、図10に示したカラースクロール方式の投射型表示装置における三原色光束形成部の構成を説明するための図で、図中、12aはB反射ダイクロイックミラー部、12bはR反射ダイクロイックミラー部、12c,12dはミラー部である。上記のごとくの投写型表示装置において、通常は三原色光束形成部10のダイクロイックミラー系12とカラースクロール部50の回転プリズム51との間の光路上に、光束整形用スリットS1〜S3を有する光束整形板11を設け、この光束整形板11によってライトバルブ20上における、R,G,Bの光束形状寸法を最適な形状に整形している。
【0009】
すなわち、図10の光束整形部30からダイクロイックミラー系12に入射した白色光束は、B反射ダイクロイックミラー部12aでB(青)成分が反射し、さらにミラー部12cで反射してスリットS3に入射し、その光束形状が整形される。またR(赤)成分は、R反射ダイクロイックミラー部12bで反射し、さらにミラー部12dで反射してスリットS1に入射して整形される。またG(緑)成分は、ダイクロイックミラー系12で作用を受けずに直進し、スリットS2に入射して整形される。
【0010】
図12は、従来の光束整形板11の具体的な構成例を示す図で、光束整形板の平面概略図を図12(A)に、正面概略図を図12(B)に、側面概略図を図12(C)に示すものである。光束整形板11とライトバルブ20との間の光路長DR,DG,DBは、R,G,Bの各光束の種類(色)に関係なく互いに等距離となるように設置されていた。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−319148号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図13は、従来の方式で光束整形板を設置したときに生じる問題について説明するための図で、ライトバルブに結像する光束の形状を模式的に示す図である。図13において、21はライトバルブ基板、22はライトバルブの有効表示部、L1,L2,L3はそれぞれライトバルブに照射したR,G,Bの光束を示す。上記のごとくに、光束整形板11とライトバルブ20との間の光路長が各色で同一となるように構成すると、ライトバルブ20上の光束の形状寸法が色毎に異なってしまうとういう問題が生じる。この場合、光束整形板11とライトバルブ20との距離(光路長)を特定の色に合わせて最適化するように構成すると、光束が回転プリズム51とレンズ52,53の色収差の影響を受けて、ライトバルブ20における各色の光束形状が異なってしまう。
【0013】
例えば、図13に示すように、G光束L2に合わせて光路長を最適化すると、R光束L1においてはライトバルブまでの光路長が最適距離より長くなり、B光束L3の光路長は最適距離より短くなってしまう。この結果、図13に示すように、ライトバルブ上に結像する光束L1,L2,L3の形状寸法が色毎に異なってしまい画質が劣化する。
【0014】
すなわち、図13に示すごとくにライトバルブ20に結像する光束L1,L2,L3の形状が異なる場合、ライトバルブ上のR,G,Bの投射領域に重複が生じて画質が劣化する。またR,G,B各色の光束形状が異なることによって色毎の輝度の差異が発生し、これを補正する為にライトバルブの駆動制御が複雑になる。さらにライトバルブから外れた投射光が、迷光となって画質を劣化させるという問題が生じる。
【0015】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、R,G,Bの三原色に分離された光束をスクロールしてライトバルブに結像し、ライトバルブで変調された画像を投射する投射型表示装置において、ライトバルブに結像させる光学系の色収差の影響を軽減させ、ライトバルブ上において光束の最適な結像状態を得られるようにした投射型表示装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の投射型表示装置は、入射光を変調して投射画像を形成するライトバルブと、光源と、光源から出射した光束を三原色に分離し、各色の光束形状を整形して出射させる三原色光束形成部と、三原色光束形成部からの光束を入射させ、各色の光束をスクロールさせながらライトバルブに結像させるカラースクロール部と、ライトバルブで変調されて出射した光束を投射する投射光学系とを備え、三原色光束形成部は、入射光束を三原色の光束に分離する分離手段と、分離手段で分離した各光束の形状を整形するための開口部(スリット)を各色ごとに備える光束整形手段とを有する。この光束整形手段は、ライトバルブと開口部との間の光路長が最適となるように、三原色の各色ごとに該光路長を個別に設定する。このようにライトバルブと開口部との間の光路長を最適化することにより、各色毎にライトバルブ上の結像位置と領域を最適に設定することができる。また、ライトバルブ上のR、G、Bの投射領域の寸法形状を等しくすることが容易となり、従来技術で問題となっていたライトバルブ上の、R、G、Bの投射領域に重複に起因する画質劣化、R、G、Bの光束の形状寸法が異なることに起因するR、G、B毎の輝度の差異、及びライトバルブから外れた投射光に起因する迷光、等の問題を容易に抑制することができる。
【0017】
本発明の投射型表示装置は、三原色の光に対応した光束整形手段の各開口部がそれぞれ個別に光軸と平行に移動可能に構成され、開口部の移動によってライトバルブと開口部との間の光路長が三原色の各色において最適となるように調整できるようにしたものである。
【0018】
さらに本発明の投射型表示装置は、上記の光束整形手段が、開口部を通過した光束のライトバルブにおける結像状態を調整するための結像位置確認孔を三原色の各色ごとに有している。そして結像位置確認孔を通過した各色の光束がライトバルブに結像する状態に基づいて、ライトバルブと開口部との間の各光路長が最適となるように調整できるようにしたものである。
【0019】
さらに上記の結像位置確認孔として、三原色の各色毎にそれぞれ3つの孔を形成し、1つに色に対応する3つの孔を第1から第3の結像位置確認孔とするとき、第1の結像位置確認孔は、ライトバルブとの間の光路長が、ライトバルブと結像位置確認孔に対応する開口部との光路長D1に等しく、第2の結像位置確認孔は、ライトバルブとの間の光路長D2が、D2=D1−d1(d1>0)であって、かつ第3の結像位置確認孔は、ライトバルブとの間の光路長D3が、D2=D1+d2(d2>0)である。そしてライトバルブ上には、ライトバルブと開口部との光路長が最適かどうかを判断する基準線等の基準マークを設け、結像位置確認孔を通過した各色の光束がライトバルブに結像する位置と基準マークとの関係に基づいて、開口部の位置を調整できるようにする。このような結像状態確認孔を用いることで、光束整形板の設置位置の把握、適正位置への調整を容易に行なうことができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明による投射型表示装置の実施例を添付された図面を参照しながら具体的に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同様の機能を有する部分は同じ符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
(実施例1)
図1は、本発明の投射光学装置の第1の実施例を説明するための図で、カラースクロール方式の投射光学装置における光束整形板の構成例を示すものである。図1において、光束整形板の平面概略図を図1(A)に、正面概略図を図1(B)に、側面概略図を図1(C)に示す。本実施例は、上述した図10に示すごとくの構成を有するカラースクロール方式の投射型表示装置において、三原色の光束を整形する光束整形板11を各色毎に位置調整可能としたものである。
【0022】
すなわち、本実施例の投射型表示装置は、図10に示す構成のように、入射光を変調して投射画像を形成するライトバルブ20と、光源部40と、光源部40から出射した光束を三原色に分離し、各色の光束形状を整形して出射させる三原色光束形成部10と、三原色光束形成部10からの光束を入射させ、各色の光束をスクロールさせながらライトバルブ20に結像させるカラースクロール部50と、ライトバルブ20で変調されて出射した光束を投射する投射光学系である投射レンズ系60とを備え、三原色光束形成部10は、入射光束を三原色の光束に分離する分離手段であるダイクロイックミラー系12と、ダイクロイックミラー系12で分離した各光束の形状を整形するためのスリットS1〜S3による開口部を各色ごとに備える光束整形手段(光束整形板)とを有している。
【0023】
そして図1に示したように、本実施例の光路整形板は、R,G,Bの光束にそれぞれ対応して配設されたR用光束整形板11a,G用光束整形板11b,B用光路整形板11cを有する。
【0024】
これら各色毎の光束整形板(R用光束整形板11a,G用光束整形板11b,B用光束整形板11c)とライトバルブ20との位置関係は、
ライトバルブ20とR用光束整形板11aとの間の光路長:DR
ライトバルブ20とG用光束整形板11bとの間の光路長:DG
ライトバルブ20とB用光束整形板11cとの間の光路長:DB
とするとき、DR<DG<DBとなるように配置されている。
【0025】
更に本実施例では、各光束整形板(R用光束整形板11a,G用光束整形板11b,B用光束整形板11c)が、それぞれ光軸と平行な方向に移動可能に構成され、ライトバルブ20上の各光束の結像状態が最適となるように、ライトバルブ20と各光束整形板11a〜11cとの間の光路長を調整することができる。
【0026】
図2は、第1の実施例においてライトバルブと光束整形板との光路長を各光束ごとに調整して得られたライトバルブ上の結像状態を示す図で、図中、21はライトバルブ基板、22はライトバルブの有効表示部である。上記のごとくに、DR<DG<DBの条件を維持しながら、ライトバルブ10と各光束整形板11a〜11cとの距離を調整することにより、各色の光束L1〜L3の形状が均一な結像状態を得ることができる。
【0027】
なお、本実施例では、ライトバルブ20に透過型液晶を用いているが、透過型に限らず、反射型についても同様な構成を適用できる。またライトバルブとして、液晶パネル(透過型、反射型(LCOS))、DMD(TM)が適用可能であり、光学光路についてはレンズやミラーを利用して種々変形させたものを適用できる。これらは第2の実施例以降についても同様である。
【0028】
(実施例2)
図3は、本発明の投射光学装置の第2の実施例を説明するための図で、カラースクロール方式の投射光学装置における光束整形板の他の構成例を示すものである。図3において、光束整形板の平面概略図を図3(A)に、正面概略図を図3(B)に、側面概略図を図3(C)に示す。本実施例は、実施例1と同様に、R,G,Bの光束にそれぞれ対応して配設されたR用光束整形板11a,G用光束整形板11b,B用光束整形板11cを有し、それぞれの光束整形板が光軸と平行な方向に移動可能に構成されている。
【0029】
そして本実施例において、各光束整形板11a〜11cには、スリットS1〜S3の他にライトバルブ上の結像状態の確認を目的とした結像状態確認用の孔(結像状態確認孔)O1,O2,O3が設けられている。本実施例では、各結像状態確認孔O1〜O3は、スリットS1〜S3の開口をその長手方向に延長した領域内に設けられている。
【0030】
上記第1の実施例では、スリットS1〜S3を通過した光束によって、ライトバルブ20上の結像状態の良否判定を行うのに対し、本実施例では、結像状態確認孔O1〜O3を通過した光束がライトバルブ20上に結像した状態を評価することによって、ライトバルブ上の照明光の良否判定を行う。
【0031】
図4は、第2の実施例におけるライトバルブ上の結像状態を示す図で、図中、P1,P2,P3は結像状態確認孔O1〜O3をそれぞれ通過した光束である。結像状態確認孔O1〜O3を通過する光束は、ライトバルブ20の縁部に結像するようになっている。このときライトバルブ20と光束整形板11a〜11cのスリットS1〜S3との間の光路長と、ライトバルブ20と結像状態確認孔O1〜O3との光路長は、同一色の光束においてはそれぞれ同じである。また、ライトバルブ20の縁部には、結像状態確認孔O1〜O3を通過する光束の最適結像位置を指示する基準線23が設けられている。なお、本発明においては、基準線に限定されることなく、最適結像位置を示す何らかの基準となるマークを設けるようにしてもよい。
【0032】
ライトバルブ20において、結像状態確認孔O1〜O3を通過した光束P1〜P3の結像位置が、基準線23に対して上方向にずれている場合は、ライトバルブ20と光束整形板11a〜11cとの間の光路長が最適な光路長よりも大きいことを示している。また結像状態確認孔O1〜O3を通過する光束P1〜P3の結像位置が、基準線23に対して下方向にずれている場合は、ライトバルブ20と光束整形板11a〜11cとの間の光路長が最適な光路長よりも小さいことを示している。
【0033】
本実施例における結像状態確認孔O1〜O3を通過した光束は、スリットS1〜S3を通過した照明用光束に比較して、その大きさ及び明るさが小さい。従って結像状態確認孔O1〜O3を用いることにより、スリットS1〜S3を通過した光束の結像に比べて、「像の明るさ」、「像の大きさ」、及び「像の縁のぼやけ方」による結像状態の確認が容易となる。なお、本実施例において、結像状態確認孔O1〜O3は円形形状としているが、「像の縁のぼやけ方」が明確になるように、三角形、四角形等の角を持った形状を用いてもよい。
【0034】
図5は、第2の実施例においてライトバルブ20と光束整形板11a〜11cとの間の光路長を各光束ごとに調整して得られたライトバルブ上の結像状態を示す図である。結像状態確認孔O1〜O3を通過した光束P1〜P3の結像状態を確認しながら、各光路整形板11a〜11cを光軸方向に位置調整し最適化することによって、図5に示すごとくにライトバルブ上の照明光の光束L1〜L3を均一にすることができる。
【0035】
(実施例3)
図6は、本発明の投射光学装置の第3の実施例を説明するための図で、カラースクロール方式の投射光学装置における光束整形板の他の構成例を示すものである。図6において、光束整形板の平面概略図を図6(A)に、正面概略図を図6(B)に、側面概略図を図6(C)に示す。本実施例の光束整形板は、実施例1及び2と同様に、R,G,Bの光束にそれぞれ対応して配設されたR用光束整形板11a,G用光束整形板11b,B用光束整形板11cを有し、それぞれの光束整形板が光軸と平行な方向に移動可能に構成されている。
【0036】
さらに本実施例では、それぞれの光束整形板11a〜11cがそれぞれ3つの部材(R用の部材a1〜a3,G用の部材b1〜b3,及びB用の部材c1〜c3)により構成され、それぞれの部材にはライトバルブ上の結像状態の確認を目的とした形状寸法が等しい結像状態確認用の孔(結像状態確認孔)(R用結像状態確認孔O11〜013、G用結像状態確認孔O21〜O23、B用結像状態確認孔O31〜O33)が設けられている。
【0037】
各束光整形板11a〜11cをそれぞれ構成する3つの部材a1〜a3,b1〜b3,c1〜c3は、ライトバルブ20からの距離が互いに異なる3つの部材であって、光束整形用のスリットS1〜S3が設けられた部材(第1部材)a1,b1,c1、第1部材よりd(d>0)だけライトバルブに近い部材(第2部材)a2,b2,c2、及び第1部材よりdだけライトバルブから遠い部材(第3部材)a3,b3,c3よりそれぞれなるものである。
【0038】
R用の光路を例として説明する。R用の第1部材a1の結像状態確認孔O11とライトバルブ20との間の光路長D1は、ライトバルブ20と光束整形用のスリットS1間の光路長D0に等しい。また、第2部材a2に設けられた結像状態確認孔O12とライトバルブト20との間の光路長D2は、D2=D1−d(d>0)であって、さらに第3部材a3に設けられた結像状態確認孔O13とライトバルブ20との間の光路長D3は、D3=D1+d(d>0)となっている。G用の光路及びB用の光路においても同様の構成となっている。
【0039】
すなわち、本実施例は、各光束整形板11a〜11cのそれぞれが3つの結像状態確認孔を備えている点が第2の実施例と異なっている。3つの結像状態確認孔は、ライトバルブ20からの距離が互いに異なるため、3つの結像状態確認孔を透過した光束のライトバルブ20上の結像の位置、明るさ、及び大きさが互いに異なる。
【0040】
図7ないし図9は、第3の実施例におけるライトバルブ上の結像状態を示す図で、図中、P11,P12,P13はG用光路整形板11bの結像状態確認孔O21,O22,O23をそれぞれ通過した光束である。ここでは、G光を例にして説明し、R光及びB光についてはG光と同様であるため、その図示及び説明を省略する。本実施例においても、実施例2と同様に、結像状態確認孔O21〜O23を通過する光束P11〜P13の最適結像位置を指示する基準線23がライトバルブ20の縁部に表示されている。図7に示すように、結像状態確認孔O21〜O23を通過した光束による結像のうち、第1部材b1の結像状態確認孔O21を通過した光束P11の結像が基準線23上に存在する場合、G用光束整形板11bはほぼ最適位置にある。
【0041】
また、図8に示すように、結像状態確認孔O21〜O23を通過した光束による結像のうち、第2部材b2の結像状態確認孔O22を通過した光束P12の結像が基準線23上に存在する場合、G用光束整形板11bは、ライトバルブ20に対して最適位置からdだけ遠い位置にある。また、図9に示すように、結像状態確認孔O21〜O23を通過した光束による結像のうち、第3部材b3の結像状態確認孔O23通過した光束P13の結像が基準線23上に存在する場合、G用光束整形板11bは、ライトバルブに対して最適位置からdだけ近い位置にある。
【0042】
上記のように、3つの結像状態確認孔を透過した光束のライトバルブ上の結像状態を比較することにより、最適状態に対する光束整形板の位置を容易に把握することができ、光束整形板の位置を調整することができる。なお、第1〜第3部材の配置順序は、必ずしも実施例3の構成に限定されることはない。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、R,G,Bの三原色に分離された光束を走査してライトバルブに結像し、ライトバルブで変調された画像を投射する投射型表示装置において、ライトバルブに結像する光学系における色収差の影響を軽減させ、ライトバルブ上において走査光束の最適な結像状態が得られるようにすることができる。
【0044】
すなわち、光路整形板を光軸方向に調整可能とすることにより、各色毎にライトバルブ上の結像位置と領域を最適に調整することができる。また、ライトバルブ上のR、G、Bの投射領域の寸法形状を等しくすることが容易となり、従来技術で問題となっていたライトバルブ上の、R、G、Bの投射領域に重複に起因する画質劣化、R、G、Bの光束の形状寸法が異なることに起因するR、G、B毎の輝度の差異、及びライトバルブから外れた投射光に起因する迷光、等の問題を容易に抑制することができる。
【0045】
更に、結像状態確認孔を用いることで、光束整形板の設置位置の把握、適正位置への調整を容易に行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射光学装置の第1の実施例を説明するための図である。
【図2】第1の実施例においてライトバルブと光束整形板との光路長を各光束ごとに調整して得られたライトバルブ上の結像状態を示す図である。
【図3】本発明の投射光学装置の第2の実施例を説明するための図である。
【図4】第2の実施例におけるライトバルブ上の結像状態を示す図である。
【図5】第2の実施例においてライトバルブと光束整形板との間の光路長を各光束ごとに調整して得られたライトバルブ上の結像状態を示す図である。
【図6】本発明の投射光学装置の第3の実施例を説明するための図で、カラースクロール方式の投射光学装置における光束整形部の他の構成例を示す図である。
【図7】第3の実施例におけるライトバルブ上の結像状態を示す図である。
【図8】第3の実施例におけるライトバルブ上の結像状態を示す図である。
【図9】第3の実施例におけるライトバルブ上の結像状態を示す図である。
【図10】カラースクロール方式の投射型表示装置の構成例を説明するための図である。
【図11】図10に示したカラースクロール方式の投射型表示装置における三原色光束形成部の構成を説明するための図である。
【図12】従来の光束整形板の具体的な構成例を示す図である。
【図13】従来の方式で光路整形板を設置したときに生じる問題について説明するための図で、ライトバルブに結像する光束の形状を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10…三原色光束形成部、11…光束整形板、11a…R用光束整形板、11b…G用光束整形板、11c…B用光路整形板、12…ダイクロイックミラー系、20…ライトバルブ、21…ライトバルブ基板、22…ライトバルブの有効表示部、23…基準線、40…光源部、a1〜a3…R用の部材、b1〜b3…G用の部材、c1〜c3…B用の部材、O1,O2,O3…各色の光束、L1〜L3結像状態確認用の孔(結像状態確認孔)、O11〜O13…R用結像状態確認孔、O21〜O23…G用結像状態確認孔、O31〜O33…B用結像状態確認孔、P1〜P3…結像状態確認孔を通過する光束、P11〜P13…結像状態確認孔を通過する光束、S1〜S3…スリット。
Claims (5)
- 入射光を変調して投射画像を形成するライトバルブと、光源と、該光源から出射した光束を三原色に分離し、各色の光束形状を整形して出射させる三原色光束形成部と、該三原色光束形成部からの光束を入射させ、各色の光束をスクロールさせながら前記ライトバルブに結像させるカラースクロール部と、前記ライトバルブで変調されて出射した光束を投射する投射光学系とを備える投射型表示装置において、前記三原色光束形成部は、入射光束を三原色の光束に分離する分離手段と、該分離手段で分離した各光束の形状を整形するための開口部を各色ごとに備える光束整形手段とを有し、該光束整形手段は、ライトバルブと前記開口部との間の光路長が最適となるように、三原色の各色ごとに該光路長を個別に設定することを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1に記載の投写型表示装置において、前記光束整形手段は、前記三原色の光に対応した各前記開口部がそれぞれ個別に光軸と平行に移動可能に構成され、該開口部の移動によってライトバルブと前記開口部との間の光路長が三原色の各色において最適となるように調整できるようにしたことを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項2に記載の投射型表示装置において、前記光束整形手段は、前記開口部を通過した光束の該ライトバルブにおける結像状態を調整するための結像位置確認孔を三原色の各色ごとに有し、該結像位置確認孔を通過した各色の光束が前記ライトバルブに結像する状態に基づいて、前記ライトバルブと前記開口部との間の各光路長が最適となるように調整できるようにしたことを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項3に記載の投射型表示装置において、前記結像位置確認孔は、三原色の各色毎にそれぞれ3つの孔が形成され、1つに色に対応する該3つの孔を第1から第3の結像位置確認孔とするとき、該第1の結像位置確認孔は、前記ライトバルブとの間の光路長が、該ライトバルブと該結像位置確認孔に対応する前記開口部との光路長D1に等しく、該第2の結像位置確認孔は、前記ライトバルブとの間の光路長D2が、D2=D1−d1(d1>0)であって、かつ前記第3の結像位置確認孔は、前記ライトバルブとの間の光路長D3が、D2=D1+d2(d2>0)であることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項4に記載の投射型表示装置において、前記ライトバルブ上に、前記ライトバルブと前記開口部との光路長が最適かどうかを判断する基準マークを設け、前記結像位置確認孔を通過した各色の光束が前記ライトバルブに結像する位置と前記基準マークとの関係に基づいて、前記開口部の位置を調整できるようにしたことを特徴とする投射型表示装置。
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