JP4092945B2 - 漏れ防止部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧力計等の高圧流体の測定機器からの継続的な流体の漏れを防止する漏れ防止部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大気圧より高い圧力で加圧されている流体(以下、「高圧流体」と云う。)を使用する産業機器や汎用機器等において、通常、その高圧流体の状態を把握するため、圧力計,圧力検出センサ等の測定機器が取り付けられている。これらの測定機器が破損したとき、高圧流体が継続的に漏れ、前記測定機器の周囲に流体が放出されることがある。特に、流体が燃料である場合は、燃料漏れが継続すると、火災になるおそれがある。また、前記測定機器からの流体の漏れは微量であることが多く、検出が困難である。従来の流体の漏れ防止対策は、ガス漏れの検知機器や防油提内の漏れ油のレベル検知機器等で対応している。そして、漏れが検知されると、バルブ等を閉めていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、測定機器からの高圧流体の継続的な漏れを防止することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、圧力計等の高圧流体の測定機器と高圧流体の供給側との間に継手を介して介在させる漏れ防止部材であって、前記測定機器は、前記継手を接続し、かつ流体の通路を設けるとともに流体入口を設けた接続部材を備え、前記漏れ防止部材は、高圧流体の圧力を伝達するために、流体が充填可能で、かつ変形自在な弾性部材により構成されるとともに、前記継手に形成された収容部内へ収容可能なキャップ状に成形加工され、このキャップ状部の前記測定機器側の開口部の周縁には、前記接続部材の前記流体入口側の端面と当接する脚部が形成され、前記キャップ状部の前記供給側の底面部には、前記供給側からの流体圧力を受けるための受圧面が形成され、前記キャップ状部の内容積が、前記キャップ状部内へ充填する流体の容量と前記測定機器内の流体容量がほぼ同量となるように、所定の内容積を持つように形成され、さらに前記キャップ状部内と前記測定機器内とが、前記開口部と前記流体入口とを介して連通しており、前記キャップ状部内に充填した流体が前記測定機器内へ流入可能となるように、前記キャップ状部が前記収容部内に配置され、通常の測定時、前記キャップ状部が前記供給側からの圧力により、前記受圧面側から前記測定機器側へ向かう前記キャップ状部の弾性変形により、前記キャップ状部内に充填された流体が前記測定機器内へ流入することにより、高圧流体の圧力を前記測定機器へ伝達し、前記測定機器が破損して前記測定機器内の充填流体が外部へ流出したとき、前記キャップ状部が前記供給側からの圧力により、前記受圧面側から前記測定機器側へ向かって弾性変形するとともに前記キャップ状部内の充填流体が前記測定機器内へ流入し、その弾性変形により前記キャップ状部の一部分が遮蔽膜部を形成し、この遮蔽膜部が前記開口部および前記流体入口を遮断し、かつ前記供給側からの流体の前記測定機器内への流入を阻止し、さらに前記弾性変形により前記キャップ状部の側部の外周面が前記収容部の内周面に押し付けられるともに前記脚部が前記端面に押し付けられ、前記測定機器内と前記キャップ状部内の充填容量以上の流体が前記測定機器から外部へ流出しないように構成したことを特徴としている。
【0005】
さらに、請求項2に記載の発明は、前記漏れ防止部材のキャップ状部の内容積が、前記測定機器内の流体容量より多くなるように、所定の内容積を持つように構成され、前記漏れ防止部材の開口部の外周縁に前記収容部の内周面と当接する当接部材を備えるとともに、この当接部材と前記漏れ防止部材の外周面との間にポケット部を形成したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、圧力計等の大気圧より高い高圧流体の測定機器からの流体の漏れ防止部材において、好適に実施することができる。この実施の形態における漏れ防止部材は、前記測定機器と高圧流体の供給側,たとえば供給配管とを接続するとき、この供給配管と前記測定機器との間に介在するものとして設けられている。
【0009】
前記漏れ防止部材は、前記供給配管と前記測定機器との間に介在し、前記供給配管内の高圧流体の圧力を前記測定機器へ伝達する機能を備えている。すなわち、前記漏れ防止部材は、圧力に応じて変形あるいは変位する部位を有することにより、圧力を伝達する機能を備えている。
【0010】
さらに、前記漏れ防止部材は、前記測定機器の破損時、高圧流体の圧力により押圧されて変形あるいは変位することにより、前記測定機器の流体入口を遮断する機能を備えている。すなわち、前記漏れ防止部材の一部分で前記流体入口を塞ぐことにより、流体の流出を防止する機能を備えている。
【0011】
ここにおいて、前記漏れ防止部材は、前記供給配管と前記測定機器との間に配置するのが好適であるが、前記供給配管あるいは前記測定機器のいずれかに内蔵することも好適である。
【0012】
つぎに、前記漏れ防止部材の構成について説明する。前記漏れ防止部材は、弾性部材により構成される。この弾性部材は、たとえばゴム材料,可塑性のプラスチック材料等を成形加工して作られている。前記弾性部材は、たとえばキャップ状に構成されており、所定の内容積を持つように作られている。
【0013】
前記内容積は、つぎのようにして決定される。まず、高圧流体が液体である場合について説明する。前記内容積は、前記測定機器内に空気等が存在しても高圧液体の圧力を正確に表示あるいは圧力信号を出力するため、空気等が圧縮されてその占める容積が減少するのを前記漏れ防止部材の内容積で補うように、前記測定機器の内容積とほぼ同量の内容積とするのが好ましい。ここにおいて、ほぼ同量の内容積で充分であるが、それ以上とすることも好適である。
【0014】
そして、前記漏れ防止部材内には流体,すなわちこの場合液体が充填される。つぎに、液体が充填された状態の前記漏れ防止部材は、前記測定機器の入口側において、充填液体が前記測定機器内の流体と連通するように取り付けられる。
【0015】
一方、高圧流体が気体である場合について説明すると、高圧気体の圧力を正確に表示あるいは圧力信号を出力するため、前記測定機器内の気体と前記漏れ防止部材内の気体が同一に圧縮されるように、前記内容積は、前記測定機器の内容積とほぼ同量の内容積とするのが好ましい。ここにおいて、ほぼ同量の内容積で充分であるが、それ以上とすることも好適である。
【0016】
そして、前記漏れ防止部材内には流体,すなわちこの場合気体(好ましくは、高圧気体と同一の気体)が充填される。つぎに、気体が充填された状態の前記漏れ防止部材は、前記測定機器の入口側において、充填気体が前記測定機器内の気体と連通するように取り付けられる。
【0017】
このような構成の漏れ防止部材の作用について説明する。まず、通常の測定状態について説明する。この通常の測定において、前記供給配管側が高圧液体であり、前記漏れ防止部材内の充填液体と前記測定機器内の液体が同一であるとき、高圧液体の圧力は、前記供給配管側から前記漏れ防止部材に伝わり、つぎに前記漏れ防止部材が変形あるいは変位することにより、前記充填液体に伝わり、さらに前記測定機器側へ伝わる。そして、前記測定機器の表示部に,たとえば高圧液体の圧力値が表示される。
【0018】
つぎに、前記通常の測定において、前記供給配管側が高圧気体であり、前記漏れ防止部材内の充填気体と前記測定機器内の気体が同一であるとき、前記高圧液体の場合と同様に、高圧気体の圧力は、前記測定機器側へ伝わる。そして、前記測定機器の表示部に,たとえば高圧気体の圧力値が表示される。
【0019】
ここにおいて、前記供給配管側の流体が液体であり、前記測定機器内の流体が気体あるいは液体と気体の混合状態であり、同一でないときの前記漏れ防止部材の作用について詳細に説明する。前記測定機器内に空気等の気体,すなわち圧縮されて容積の小さくなる気体が存在すると、その気体は高圧液体により圧縮され、その分だけ容積が減少する。この減少分だけ充填液体が前記測定機器内へ流入し、圧力値を正確に表示させることになる。このとき、前記漏れ防止部材の弾性変形により前記流入が可能となる。すなわち、キャップ状の前記漏れ防止部材が,いわゆる押しつぶされるように変形し、充填液体を前記測定機器内へ流入させる。そして、前記測定機器の表示部に,たとえば高圧液体の圧力値が表示される。
【0020】
つぎに、前記測定機器の破損時について説明する。まず、前記供給配管側が高圧液体であり、前記漏れ防止部材内の充填液体と前記測定機器内の液体が同一であるときについて説明する。前記測定機器が破損すると、前記測定機器内の液体が漏れて外部へ放出される。すると、前記漏れ防止部材は、高圧液体の圧力により押圧されて変形することにより,すなわちキャップ状の前記漏れ防止部材が押しつぶされるように変形する。これにより、前記漏れ防止部材の一部分が膜状態となり、前記測定機器の流体入口を塞ぎ、それ以上の液体の継続的な漏れを阻止する。
【0021】
具体的に説明すると、前記測定機器からの液体の許容される漏れ量は、前記漏れ防止部材内の流体充填容量と前記測定機器内の液体容量との合計容量以内となる。これにより、前記測定機器が破損したときにおいて、高圧液体の漏れを所定量以内とし、漏れの状態が継続することがなくなる。
【0022】
つぎに、前記供給配管側が高圧気体であり、前記漏れ防止部材内の充填気体と前記測定機器内の気体が同一であるとき、前記高圧液体の場合と同様に、前記漏れ防止部材の一部分が膜状態となり、前記測定機器の流体入口を塞ぎ、それ以上の気体の継続的な漏れを阻止する。
【0023】
ここにおいて、前記供給配管側の流体が液体であり、前記測定機器内の流体が気体あるいは液体と気体の混合状態であり、同一でないときは、前記測定機器が破損すると、前記測定機器内の流体(気体あるいは液体と気体の混合状態の流体)が漏れて外部へ放出される。すると、前記漏れ防止部材は、前記高圧液体の場合と同様に、前記測定機器の流体入口を塞ぎ、それ以上の液体の継続的な漏れを阻止する。
【0030】
以上のように、この実施の形態によれば、測定機器からの高圧流体の継続的な漏れを防止することができる。
【0031】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。好適な第一実施例として、測定機器であるブルドン管方式の油圧力計の入口側に装着する漏れ防止部材に適用して説明する。図1は、弾性部材により形成された漏れ防止部材の構成を概略的に示す断面説明図である。そして、図1は、前記漏れ防止部材が油の圧力を測定するときに配置される通常の状態を示している。
【0032】
図1において、この第一実施例における漏れ防止部材1は、油圧力計2と高圧流体である燃料油の供給側,たとえば供給配管3とを接続するとき、この供給配管3と前記油圧力計2との間に介在するものとして設けられている。ここにおいて、前記油圧力計2は、後述する継手6を接続するための接続部材10を備えている。この接続部材10には、その内部に燃料油が流通可能な通路(符号省略)が設けられているとともに、前記供給配管3側の端部に流体入口4が設けられている。そして、前記接続部材10には、前記流体入口4側に前記漏れ防止部材1の後述する脚部15と当接する端面16が形成されている。すなわち、前記接続部材10の先端部(符号省略)は、後述する脚部15と嵌合するような形状に形成されている。
【0033】
前記漏れ防止部材1は、前記供給配管3と前記油圧力計2との間に介在し、前記供給配管3内の燃料油の圧力を前記油圧力計2へ伝達する機能を備えている。さらに、前記漏れ防止部材1は、前記油圧力計2の破損時、燃料油の圧力により押圧されて変形することにより、前記油圧力計2の流体入口4を遮断する機能を備えている。すなわち、前記漏れ防止部材1の一部分で前記流体入口4を塞ぐことにより、流体の流出を防止する機能を備えている(この流出防止機能については、後述する図2に基づいて詳細に説明する。)。
【0034】
さて、前記漏れ防止部材1の構成について説明する。前記漏れ防止部材1は、弾性部材により構成される。この弾性部材は、たとえばゴム材料,可塑性のプラスチック材料等である。前記漏れ防止部材1は、前記弾性部材を成形加工し,いわゆるキャップ状とし、所定の内容積を持つように作られている。ここで、前記漏れ防止部材1のキャップ状形状の詳細について説明する。このキャップ状形状において、まずそのキャップ状部の前記油圧力計2側の開口部5の周縁には、前記漏れ防止部材1と前記油圧力計2とを接続したとき、前記接続部材10の前記端面16と当接する脚部15が形成されている。この脚部15は、前記接続部材10の先端部に嵌合するように形成されており、その上方への突出高さは、前記接続時、その上端面(符号省略)が前記端面16と当接する高さとなっている。つぎに、前記キャップ状部の前記供給配管3側の底面部には、前記供給配管3側からの流体圧力を受けるための受圧面11が形成されている。
【0035】
前記内容積は、つぎのようにして決定される。前記内容積は、前記油圧力計2内に空気等が存在しても燃料油の圧力を正確に表示するため、空気等が圧縮されてその占める容積が減少するのを前記漏れ防止部材1の内容積で補うように、前記油圧力計2内のブルドン管(図示省略)の内容積とほぼ同量の内容積としている。
【0036】
前記漏れ防止部材1は、キャップ状に形成され、その開口部5が前記油圧力計2側となるように、中空の継手6内に配置される。この継手6は、筒状に構成され、この継手6の中央部分には、前記漏れ防止部材1を収容する収容部7が形成されている。前記継手6は、前記収容部7から前記油圧力計2との接続側の開口へ向かって、前記油圧力計2と接続する第一ネジ部8を備えるとともに、前記収容部7から前記供給配管3との接続側の開口へ向かって、前記供給配管3と接続する第二ネジ部9を備えている。そして、前記継手6の内径と長さは、前記漏れ防止部材1の内容積を確保できる内径と長さとなるように構成されている。
【0037】
つぎに、前記漏れ防止部材1の前記継手6内への配置について説明する。まず、前記供給配管3に前記第二ネジ部9をネジ込み、前記供給配管3と前記継手6とを接続する。つぎに、前記継手6の上方から,すなわち前記第一ネジ部8側から前記漏れ防止部材1を前記開口部5が上向きとなる状態で押し込んで配置する。このとき、前記漏れ防止部材1は、弾性部材であるので、前記継手6の内径より若干太くても前記収容部7内へ配置される。そして、前記漏れ防止部材1内へ前記開口部5から燃料油を充填する。
【0038】
つぎに、前記漏れ防止部材1内の充填油が前記油圧力計2内の油と連通するように,すなわち前記開口部5と前記流体入口4とが連通するように、前記油圧力計2の接続部10と前記第一ネジ部8にネジ込み、前記油圧力計2と前記継手6とを接続する。このとき、前記漏れ防止部材1の脚部15が前記接続部材10の先端部に嵌合し、前記脚部15の上端面が前記接続部材10の端面16と当接する。
【0039】
このような構成の前記漏れ防止部材1の作用について説明する。まず、通常の測定状態について説明する。この通常の測定において、前記供給配管3側が燃料油であり、前記漏れ防止部材1内の充填油と前記油圧力計2内の油が同一の燃料油であるとき、燃料油の圧力は、前記供給配管3側から前記漏れ防止部材1の受圧面11に伝わる。つぎに、燃料油の圧力は、前記漏れ防止部材1が変形することにより、前記充填油に伝わり、さらに前記流体入口4側へ伝わる。そして、前記油圧力計2の表示部12に燃料油の圧力値が表示される。
【0040】
ここにおいて、前記油圧力計2内が空気等あるいは油と空気等の混合状態であり、燃料油と同一でないときの前記漏れ防止部材1の作用について詳細に説明する。前記油圧力計2内に圧縮されて容積の小さくなる空気等が存在すると、その空気等は高圧の燃料油により圧縮され、その分だけ容積が減少する。この減少分だけ前記漏れ防止部材1内から充填油が前記油圧力計2内へ流入し、圧力値を正確に表示させる。このとき、前記漏れ防止部材1の弾性変形により前記流入が可能となる。すなわち、キャップ状の前記漏れ防止部材1が,いわゆる押しつぶされるように変形し、充填油を前記油圧力計2内へ流入させる。そして、前記表示部12に燃料油の圧力値が表示される。
【0041】
つぎに、前記油圧力計2の破損時について説明する。すなわち、前記油圧力計2内において、燃料油が流通する部位(前記ブルドン管等)が破損したときの作用について図2に基づいて説明する。図2は、前記漏れ防止部材1により、燃料油の漏れを防止している状態を示す拡大断面図である。
【0042】
図2において、まず、前記供給配管3側が燃料油であり、前記油圧力計2が破損すると、前記油圧力計2内の油が漏れて外部へ放出される。すると、前記漏れ防止部材1は、燃料油の圧力により押圧されて、前記受圧面11側から前記油圧力計2側へ向かって変形する。これにより、前記漏れ防止部材1が,いわゆる押しつぶされるように変形し、前記漏れ防止部材1の一部分が膜状態(以下、「遮蔽膜部13」と云う。)となり、前記開口部5および前記流体入口4をともに塞ぐことになる。したがって、それ以上の燃料油の継続的な漏れを阻止する。
【0043】
このとき、前記漏れ防止部材1の側部14の外周面(符号省略)が前記収容部7の内周面(符号省略)に燃料油の圧力により押し付けられる。これと同時に、前記漏れ防止部材1の脚部15も同様に、前記接続部10の前記流体入口4側の端面16へ押し付けられる。これにより、燃料油の漏れは完全に防止される。
【0044】
以上のように、この第一実施例によれば、前記油圧力計2からの漏れ量は、前記漏れ防止部材1内に充填した油の容量と前記油圧力計2内の油の容量との合計容量以内となる。これにより、前記油圧力計2が破損したときにおいて、燃料油の継続的な漏れを防止することができる。
【0045】
つぎに、前記弾性部材の形状の変形例である第二実施例について説明する。図3は、第二実施例における弾性部材により形成された漏れ防止部材の構成を概略的に示す断面説明図である。前記第一実施例と同一の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。そして、図3は、前記漏れ防止部材が油の圧力を測定するときに配置される通常の状態を示している。
【0046】
図3において、この第二実施例における漏れ防止部材1は、前記第一実施例と同様、キャップ状に形成されているが、この漏れ防止部材1の内容積を前記第一実施例における内容積より多くした構成としている。すなわち、前記内容積は、前記油圧力計2の内容積以上としている。これにより、前記漏れ防止部材1を前記油圧力計2の入口側へ介在させるに当たり、多品種の前記油圧力計2内の内容積に対応できるので、前記油圧力計2の適用機種を増やすことができる。そして、前記供給配管3と前記油圧力計2との間に介在するものとして設けられている。
【0047】
この第二実施例における漏れ防止部材1は、キャップ状とし内容積を多くするため、その先端部17までの長さを長くしたので、前記継手6内での安定性を維持するため、前記内周面当接する当接部材18を備えている。この当接部材18と前記漏れ防止部材1の外周面19との間には、ポケット部20が形成されている。
【0048】
つぎに、前記漏れ防止部材1の前記継手6内への配置について説明する。まず、前記供給配管3に前記第二ネジ部9をネジ込み、前記供給配管3と前記継手6とを接続する。つぎに、前記第一ネジ部8側から前記漏れ防止部材1を前記開口部5が上向きとなる状態で押し込んで配置する。このとき、前記当接部材18は、前記収容部7内において、前記内周面と当接した状態とする。すなわち、前記漏れ防止部材1は、その開口部5が前記油圧力計2側となるように、前記継手6内に配置される。そして、前記先端部17は、前記継手6を貫通し、さらに前記供給配管3内まで挿入されている。
【0049】
つぎに、前記漏れ防止部材1内へ前記開口部5から燃料油を充填する。そして、前記漏れ防止部材1内の充填油が前記油圧力計2内の油と連通するように,すなわち前記開口部5と前記流体入口4とが連通するように、前記接続部10を前記第一ネジ部8にネジ込み、前記油圧力計2と前記継手6とを接続する。
【0050】
ここにおいて、実施に応じ、前記継手6を前記漏れ防止部材1より長く形成し、その継手6内に前記漏れ防止部材1を配置することも、前記漏れ防止部材1を前記継手6内に一体として収容できるので好適である。
【0051】
このような構成の前記漏れ防止部材1の作用について説明する。まず、通常の測定状態について説明する。この通常の測定においては、前記第一実施例の作用と同じであるので、その詳細な説明は省略する。燃料油の圧力は、前記供給配管3側から前記漏れ防止部材1に伝わり、つぎに前記漏れ防止部材1が変形することにより、前記充填油に伝わり、さらに前記流体入口4側へ伝わる。そして、前記表示部12に燃料油の圧力値が表示される。
【0052】
つぎに、前記油圧力計2の破損時について、図4に基づいて説明する。図4は、この第二実施例における前記漏れ防止部材1により、燃料油の漏れを防止している状態を示す断面図である。
【0053】
図4において、まず、前記供給配管3側が燃料油であり、前記油圧力計2が破損すると、前記油圧力計2内の油が漏れて外部へ放出される。すると、前記漏れ防止部材1は、燃料油の圧力により押圧されて変形する,すなわち前記外周面19に燃料油の圧力がかかり変形する。これにより、前記漏れ防止部材1は,いわゆる偏平に押しつぶされるように変形する。そして、前記漏れ防止部材1の一部分が前記遮蔽膜部13となり、前記開口部5および前記流体入口4をともに塞ぐことになる。したがって、それ以上の燃料油の継続的な漏れを阻止する。
【0054】
このとき、前記漏れ防止部材1の周囲に設けられた前記当接部材18が、前記ポケット部20側から燃料油の圧力により、前記内周面へ押し付けられる。さらに、この第二実施例における前記脚部15も前記第一実施例と同様に、前記端面16へ押し付けられる。これにより、燃料油の漏れは完全に防止される。
【0055】
以上のように、この第二実施例によれば、前記油圧力計2からの漏れ量は、前記漏れ防止部材1内に充填した油の容量と前記油圧力計2内の油の容量との合計容量以内となる。これにより、前記油圧力計2が破損したときにおいて、燃料油の継続的な漏れを防止することができる。
【0085】
【発明の効果】
この発明によれば、測定機器からの高圧流体の継続的な漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施例における漏れ防止部材の構成を概略的に示す断面説明図である。
【図2】 第一実施例における漏れ防止部材により、燃料油の漏れを防止している状態を示す拡大図である。
【図3】 第二実施例における漏れ防止部材の構成を概略的に示す断面説明図である。
【図4】 第二実施例における漏れ防止部材により、燃料油の漏れを防止している状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 漏れ防止部材
2 油圧力計(測定機器)
3 供給配管(高圧流体の供給側)
4 流体入口
5 開口部
6 継手
7 収容部
11 受圧面
13 遮蔽膜部
14 漏れ防止部材1の側部
15 脚部
16 端面
18 当接部材
19 外周面
20 ポケット部

Claims (2)

  1. 圧力計等の高圧流体の測定機器2と高圧流体の供給側3との間に継手6を介して介在させる漏れ防止部材1であって、前記測定機器2は、前記継手6を接続し、かつ流体の通路を設けるとともに流体入口4を設けた接続部材10を備え、前記漏れ防止部材1は、高圧流体の圧力を伝達するために、流体が充填可能で、かつ変形自在な弾性部材により構成されるとともに、前記継手6に形成された収容部7内へ収容可能なキャップ状に成形加工され、このキャップ状部の前記測定機器2側の開口部5の周縁には、前記接続部材10の前記流体入口4側の端面16と当接する脚部15が形成され、前記キャップ状部の前記供給側3の底面部には、前記供給側3からの流体圧力を受けるための受圧面11が形成され前記キャップ状部の内容積が、前記キャップ状部内へ充填する流体の容量と前記測定機器2内の流体容量がほぼ同量となるように、所定の内容積を持つように形成され、さらに前記キャップ状部内と前記測定機器2内とが、前記開口部5と前記流体入口4とを介して連通しており、前記キャップ状部内に充填した流体が前記測定機器2内へ流入可能となるように、前記キャップ状部が前記収容部7内に配置され、通常の測定時、前記キャップ状部が前記供給側3からの圧力により、前記受圧面11側から前記測定機器2側へ向かう前記キャップ状部の弾性変形により、前記キャップ状部内に充填された流体が前記測定機器2内へ流入することにより、高圧流体の圧力を前記測定機器2へ伝達し、前記測定機器2が破損して前記測定機器2内の充填流体が外部へ流出したとき、前記キャップ状部が前記供給側3からの圧力により、前記受圧面11側から前記測定機器2側へ向かって弾性変形するとともに前記キャップ状部内の充填流体が前記測定機器2内へ流入し、その弾性変形により前記キャップ状部の一部分が遮蔽膜部13を形成し、この遮蔽膜部13が前記開口部5および前記流体入口4を遮断し、かつ前記供給側3からの流体の前記測定機器2内への流入を阻止し、さらに前記弾性変形により前記キャップ状部の側部14の外周面が前記収容部7の内周面に押し付けられるともに前記脚部15前記端面16に押し付けられ、前記測定機器2内と前記キャップ状部内の充填容量以上の流体が前記測定機器2から外部へ流出しないように構成したことを特徴とする漏れ防止部材。
  2. 前記漏れ防止部材1のキャップ状部の内容積が、前記測定機器2内の流体容量より多くなるように、所定の内容積を持つように構成され、前記漏れ防止部材1の開口部5の外周縁に前記収容部7の内周面と当接する当接部材18を備えるとともに、この当接部材18と前記漏れ防止部材1の外周面19との間にポケット部20を形成したことを特徴とする請求項1に記載の漏れ防止部材。
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