JP4091730B2 - 接触型帯電器及び画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像記録装置などに用いられる接触型帯電器及び画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像記録装置に用いられる帯電器は、コロナ放電により被帯電体としての感光体を帯電させるコロトロン、スコロトロンや、ローラ帯電器等の接触型帯電器などがあり、従来はコロトロン、スコロトロンが主流であった。
ローラ帯電器とは、帯電ローラとしての導電性ゴムローラを感光体と接触させ,感光体と帯電ローラの微小空隙で放電を起こして感光体表面を帯電させる帯電器であり、コロトロンと比較してオゾンが著しく低減(1/100〜1/500に低減)される。
【0003】
電子写真学会誌pp48−53(1991)では、帯電ローラを図10に示すように3層構成とすることが提案されている。この帯電ローラ1010は、芯材1011を保護層1014、中抵抗層1013及び導電性弾性層1012の3層で被覆した構成であり、直流と交流が重畳された電圧を芯材1011に印加する電源1003が設けられる。この帯電ローラ1010が感光体のピンホールと接触した場合、中抵抗層1013によってピンホールでの過電流による電源1003の電圧降下が防止される。
【0004】
特許第263168号公報においては、図11に示すように、電源1103に接続され、基板1101と感光層1102で構成された感光体1100の表面を帯電させる接触型帯電器1110において、感光体1100とアースとの間にコイル1120を設けることが提案されている。この接触型帯電器1110は、感光層1102の表面を帯電する際に、感光層1102のピンホールによって過電流が生じると、コイル1120のインピーダンスが非常に大きくなり、感光体1100に過電流が流れ込むことを防止する。
特許第2788824号公報においては,転写装置ではあるが、転写装置とアースの間にチョークコイルを設けることが提案されている。
【0005】
コロトロン、スコロトロンやローラ帯電器はオゾンを発生するので、オゾンが全く発生しない帯電器が強く望まれ,最近では電荷注入方式の接触型帯電器が注目されている。電荷注入方式の接触型帯電器とは、放電を起こさないで、直接電荷を感光層に注入する方式であり、原理的にオゾンを発生しない。電荷注入方式の接触型帯電器では、感光体との接触抵抗や微小空隙の容量が電荷を感光体に注入する際の注入速度に影響を与えるため、接触抵抗は低いほど良い。そのため、特開平6−75459号公報記載の電荷注入方式の接触型帯電器では、帯電ローラの導電性ゴムを全体に導電性が付与された高分子材料で構成している。
また、特開平7−140729号公報記載の電荷注入方式の接触型帯電器では、吸水性のスポンジローラを用いて感光体に電荷を注入している。
【0006】
特開平8−297394号公報記載の電荷注入方式の接触型帯電器では、中抵抗(抵抗値104〜107Ω)の部材を感光体に接触させて電荷注入を行っている。このように中抵抗の部材で感光体に電荷注入を行うと、その注入速度が非常に遅くなるが、特開平8−297394号公報記載のものでは、更に感光層表面に導電性微粒子を分散させ、フローティングの容量を作り込むことによって電荷注入速度の低下を抑制している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
コロナ放電により被帯電体を帯電させるコロトロン、スコロトロンは、空気中に電界をかけることからオゾンやNOxなど有害物質を大量に発生し、帯電効率が低いために消費電力が多く、4〜6kVの高圧電源が必要であるためにコストが高く、更に人体に対して危険性があるといった欠点があった。近年の環境に対する配慮から、このような帯電器を改善することは急務であり,ローラ帯電器へと移行されつつある。
【0008】
ローラ帯電器は、帯電ローラと感光体が接触しているので,感光体にピンホールがあると、帯電ローラと感光体の接触部(ニップ)において帯電ローラからピンホールに過電流が流れ込んで電源電圧が低下し、十分な感光体の帯電ができなくなり、帯電の面内均一性が低かった。最悪の場合は過電流により感光体に損傷を与えてしまうことが起きていた。
【0009】
電子写真学会誌pp48−53(1991)や特許第263168号公報に記載されているローラ帯電器では、帯電ローラは感光体と帯電ローラとの間の微小空隙に電圧を加えコロナ放電を起こすことから,原理的にオゾン発生をゼロにはできない。また、オゾンが感光体近傍で発生するため、オゾンによる感光体の劣化は依然として課題として残る。
【0010】
特開平6−75459号公報や特開平7−140729号公報に記載されている電荷注入方式の接触型帯電器では、抵抗の低い接触型帯電器が感光体のピンホールと接触すると電荷の集中が起き、感光体の均一な帯電ができなくなるという問題がある。この問題は、電荷注入方式の接触型帯電器では感光体と接触型帯電器の接触部(ニップ)で直接電荷の授受を行うために、コロナ放電を利用する帯電ローラと違って致命的な影響を画像記録装置に与え、帯電の不均一な部分が画像としては白抜けとなってしまう。また、感光体のピンホールで過電流が流れて感光体の損傷も考えられる。
【0011】
特開平8−297394号公報記載の電荷注入方式の接触型帯電器では、中抵抗の部材で感光体に電荷注入を行うので、その注入速度が非常に遅くなる。また、特開平8−297394号公報記載のものでは、感光層表面に導電性微粒子を分散させるので,導電性微粒子での光の吸収や散乱が避けられず、画像記録装置の解像度や階調を低下させる一因となっていた。また、従来の有機感光層を用いる有機感光体(OPC)をそのまま流用することができず、画像記録装置自体としてはコストアップの要因になっていた。
【0012】
他に上記帯電ローラで用いられた技術を電荷注入方式の接触型帯電器に転用することが考えられるが、感光体や接触型帯電器にコイルを外付けする場合、接触型帯電器と感光体との接触部(ニップ)に感光層のピンホールが来ると過電流が発生し、コイルの自己インダクタンスL、接触型帯電器の抵抗Rによる時定数によって徐々に感光体に電圧が印加されると思われるが、実際はピンホールの大きさが非常に小さい(一般的にピンホールはμmオーダーである)ためにピンホール上を接触型帯電器が摺動する間は感光体にほとんど電圧が印加されず、感光体への電荷注入が起こらない。そのため、やはり画像にライン状の白抜けが発生してしまう。
【0013】
また、中抵抗層を内部に持つ接触型帯電器を用いる場合は、接触型帯電器自体の抵抗が中抵抗層で決まり低抵抗にならないので、電荷注入速度が非常に遅くなる。これを避けるためには、特開平8−297394号公報記載のもののように感光層表面に導電性微粒子を分散させる必要が生じ、高解像,高階調の画像が得られないといった問題があった。
【0014】
本発明は、被帯電体にピンホールがあった場合でも均一に被帯電体を帯電でき、被帯電体を削るといった物理的損傷を被帯電体に与えず、更に安価に製造でき、加えて良好な画像が得られる接触型帯電器及び画像記録装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、被帯電体の表面と接触し、この被帯電体に所定の表面電位を与える接触型帯電器において、前記被帯電体と接触する面に並列に配置された複数のインダクタンス素子を有するものである。
【0016】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の接触型帯電器において、前記インダクタンス素子がコイルであるものである。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の接触型帯電器において、接触型帯電器は帯電ブラシであって、前記インダクタンス素子が帯電ブラシの導電性繊維であるものである。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項1または2記載の接触型帯電器において、接触型帯電器は帯電ブラシであって、前記インダクタンス素子が帯電ブラシの導電性繊維に接続された微細構造であるものである。
【0019】
請求項5に係る発明は、請求項1または2記載の接触型帯電器において、接触型帯電器は磁気ブラシであって、前記インダクタンス素子が磁気ブラシの磁性導電粒子であるものである。
【0020】
請求項6に係る発明は、請求項1または2記載の接触型帯電器において、接触型帯電器は磁気ブラシであって、前記インダクタンス素子が磁気ブラシの磁性導電粒子に接続された微細構造であるものである。
【0021】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の接触型帯電器を搭載したことを特徴とする画像記録装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施例を示す。この第1実施例は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像記録装置に用いられる接触型帯電器の例である。この第1実施例は図1(a)に示すように帯電ブレード110を有するものであり、図1(b)は帯電ブレード110をその表面のうち被帯電体としての有機感光体(OPC)100と接触する面(以後接触面と記述する)C側から斜めに見た拡大斜視図である。
【0025】
OPC100は、ドラム形状のAlからなる導電性基体101と有機感光層からなる感光層102から構成されているが、必要に応じてAl基体101と有機感光層102との間に注入阻止層を設けても良い。帯電ブレード110は、金属基板111が絶縁性ゴム112で被覆され、この絶縁性ゴム112の接触面Cに複数の平面コイル状の金属配線120が並列に配置された構成であり、金属配線120がインダクタンスを有するインダクタンス素子となっている。尚、金属配線120は、図示されていないが、絶縁性ゴム112を貫通する導電性ゴムあるいは導電粒子、又は帯電ブレード110の側面に設けられた配線や導電性ゴムからなる接続部により金属基板111と導通している。
【0026】
また、帯電ブレード110の金属基板111は直流電源103に接続されて直流電源103から金属基板111、上記接続部を介して金属配配線120に直流電圧が印加され、金属配配線120がOPC100と接触してOPC100に直接電子を注入し(つまり負帯電の電荷を注入し)、有機感光層102の表面を所定の電位に帯電させる。
【0027】
ここで、有機感光層102にピンホールPがある場合の本実施例及びOPCの簡略化した等価回路を図2に示す。図2においては、金属配線120を除く帯電ブレード110の抵抗をRb、金属配線120の抵抗をRc、金属配線120の自己インダクタンスをLc、電源103の電圧をVa、OPC100の容量をCdで表し、並列な金属配線120のうち金属配線120aは有機感光層102と接触するが、右端の金属配線120bは有機感光層102のピンホールPと接触するものとする。
【0028】
金属配線120aには各々のOPC100の容量Cdを充電するための電流が流れるが、有機感光層102のピンホールPが帯電ブレード110の接触面Cに来ると、金属配線120bには充電されるべきOPC100の容量Cdが存在しないため、通常の充電電流よりも遥かに大きな電流が流れようとする。しかしながら、金属配線120bは自己インダクタンスLcを持つためにインピーダンスが急激に大きくなり、金属配線120bにほとんど電流を流さないように作用する。その結果、Vaの低下が防止される。
【0029】
また、Vaが低下しないためにピンホールPと接触しない金属配線120aには通常と同じ電圧が印加され、金属配線120aが接触する領域(つまりピンホールPのない領域)の有機感光層102は通常と同じように帯電される。その結果、OPC100は、ピンホールPによる極小さいスポット状の帯電不良は残るが、その他は一様な帯電がなされる。ここで、ある径以下のスポット状の帯電不良は画像認識上許容され、本実施例では、ピンホールによる帯電不良はほとんど許容限界内であるため、実質的にOPC100の均一帯電がなされたと考えて良い。
【0030】
よって、本実施例の帯電ブレード110を用いると、有機感光層102にピンホールがあった場合もOPC100の均一な帯電がなされ、接触型帯電器として本実施例の帯電ブレード110を組み込んだ電子写真方式の画像記録装置はライン状の白抜けが発生せず良好な画像が得られる。また、OPC100としては従来用いられたOPC(導電性微粒子が分散されていない有機感光層を使用したOPC)をそのまま転用でき、導電性微粒子による光の吸収や散乱がないので画像記録装置としては画質の劣化が起こらない。
【0031】
尚、厳密にはOPC100は容量と抵抗が並列した形で記述され、接触型帯電器110及びOPC100の等価回路が図2に示す等価回路とは異なるが、図2のモデルは接触型帯電器110やOPC100を簡略化して本実施例の効果を定性的に説明するために用いたに過ぎず、本発明を何ら制限するものではない。当然のこととして接触型帯電器110及びOPC100の等価回路が図2の等価回路より複雑なモデルで記述される場合も、本質的には本実施例と同じ効果が期待されるので、本発明に含まれるものである。
【0032】
次に、帯電ブレード110の作製方法の実施例を図3に従って詳細に述べる。この実施例は、本発明の第2実施例である。
(a)帯電ブレード110の金属基板111としてはアルミ,SUS,リン青銅等を用いる。
(b)金属基板111の片面をシリコーンゴム,ウレタンゴム,EPDMゴム等の絶縁性ゴム112で0.5〜5mmの厚さに被覆する。尚、絶縁性ゴム112の硬度は十分なニップ幅が取れるように調整する必要がある。また、金属基板111と絶縁性ゴム112の側面のうち一面には金属配線120と金属基板111を導通するための接続部としての導電性ゴム121を被覆する。この導電性ゴム121としてはシリコーンゴム,ウレタンゴム,EPDMゴム等にカーボンブラックを分散させて導電性を付加したゴムか、上記の絶縁性ゴムにテトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の電子受容性化合物とテトラチアフルバレン(TTF)等の電子供与性化合物から構成される電荷移動錯体を高分子ネットワークに置換したゴムが良い。
(c)その後、絶縁性ゴム112上にAlまたはAl合金からなる金属層130を真空蒸着によって1〜10μmの厚さで成膜する。金属層130とし用いることができる他の金属,合金としてはCr,Ni,Mo,W等の金属,合金があり、これらの場合は厚さを1μm以下にするのが良い。
(d)その後、ポジ型レジストをスピンナーやロールコーターによって1〜3μm塗布し,プリベーク後マスクアライナーによって平面コイルのパターンを露光し、現像液により光を照射した領域のレジストを溶解し、ポストベークによって平面コイルのレジストパターン131を完成させる。尚、個々の平面コイル131を接続する配線のためのレジストパターンも同時に作り込んでおく。
(e)最後に、ウエットエッチング液を用いて金属層130をエッチングして金属配線120とする。金属層120をAlから構成した場合はリン酸/酢酸系エッチング液を使うのが良い。また、平面コイル120を接続する配線も平面コイル120と同時に作ることによって金属配線120と金属基板111を接続する。
【0033】
これにより、複数の金属配線120が形成されるが、感光層102のピンホールと接触する金属配線120bは感光体100の帯電に寄与しないため、見かけ上感光体100の均一帯電を行うためには個々の金属配線120の大きさ(つまり平面コイルの大きさ)を極微小に作らなければならない。画像認識の点から10〜20μm角よりも小さな平面コイルが望ましく、金属配線120の幅としては1〜5μmが良い。これらのデザインルールは通常のアライナーを用いたフォトリソグラフィー、エッチングで十分に実用的な値である。
【0034】
また、帯電ブレード110が有機感光層102を削らないためには帯電ブレード110の有機感光層102に対する良好な摺動性を確保する必要がある。そのためには帯電ブレード110に大きな突起を設けないようにする必要があり、金属配線120の厚さを10μm以下にするのが良い。尚、帯電ブレード110とOPC100との摺動性を向上させるため、絶縁性ゴム112の接触面に予めテフロン等の低摩擦微粒子を分散させても良い。
【0035】
次に、上記実施例に用いられるOPC100について述べる。
ドラム形状のAl基体101上に酸化チタン微粒子をバインダー樹脂に分散させたホール注入阻止層をディップコーティング法により厚さ1〜5μmで形成し,その上に電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)からなる積層の有機感光層102を形成した。CGLは、電荷発生材料(CGM)をプチラール樹脂,熱硬化型の変性アクリル樹脂,フェノール樹脂などのバインダー樹脂に分散させたものからなり、ディッピングコーティング法により厚さ0.1〜1μmで形成した。
【0036】
CGMとしては、波長740〜780nm付近に感度を持つスクエアリリウム色素,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,アズレニウム塩色素,及びアゾ顔料等、635〜650nm付近に感度のあるチアピリリウム塩や多環キノン系,ペリレン系又はアゾ顔料系等が使用できる。
【0037】
CTLは、ホールのキャリア輸送材料(CTM)をビスフェノール系ポリカーボネイト樹脂等のバインダー樹脂に分散させたものからなり、膜厚が10〜40μm程度でディッピングコーティング法によって形成した。CTMとしては、オキサジアゾール誘導体,ピラリゾン誘導体,トリフェニルメタン誘導体,オキサゾール誘導体,トリアリールアミン誘導体,ブタジエン誘導体などが用いられる。
【0038】
尚、本例は光によって発生するキャリアのうちホールを用いるOPC100であるが、電子を発生するCGM、電子を輸送するCTMも若干ではあるが開発されており、OPC100は光生成キャリアのうち電子を用いるOPCであっても何ら構わない。その場合は直流電源103の正負が逆となり、OPCが正帯電のものとして使用されるが、帯電ブレードとしては上記実施例がそのまま使用できる。
【0039】
また、本例は機能分離型のOPCを例に取り説明を行ったが、本発明で帯電させるOPCは、機能分離型に限定されるわけではなく、単層型のOPCであっても何ら構わない。また、本例はドラム形状のOPCであるが、本発明で帯電させるOPCはAl基体の代わりに表面に導電層を形成したベルトを採用してベルト状のOPCとしても良い。また、本発明で帯電させるOPCはシート状のOPCでも良い。
【0040】
更に、本発明はOPCの帯電に用いられる接触型帯電器に限定されるわけではなく、Se系,a−Si,ZnO等の無機感光体であっても同じ接触型帯電器が使用できるので、感光体の種類が本発明の範囲を限定するものではない。加えて図1の帯電ブレード110は直流電源103に接続されているが、電源103は、直流電源に限定されるものではなく、直流と交流が重畳された電圧を出力する電源でも構わないものとする。
【0041】
図3に従って作製された帯電ブレード110を用い、実際にCTL/CGL/ホール注入阻止層からなるOPCの帯電を行ったところ、OPCの有機感光層にピンホールがあった場合もライン状の帯電不良はほとんど発生せず、スポット状の帯電不良も画像認識上で気になるものではなかった。
【0042】
このように、第1実施例によれば、被帯電体としてのOPC100の表面と接触し、この被帯電体100に所定の表面電位を与える接触型帯電器において、前記被帯電体100と接触する面に並列に配置された複数のインダクタンス素子としての金属配線120を有するので、被帯電体にピンホールがある場合、ピンホールと接触したインダクタンス素子のみのインピーダンスが急激に大きくなり、このインダクタンス素子にはほとんど電流が流れず、印加電圧は低下しない。一方並列に配置された他のインダクタンス素子には通常の電圧が印加されるので、均一な帯電が実現できる。
【0043】
また、この第1実施例によれば、インダクタンス素子120がコイルであるので、被帯電体にピンホールがある場合でも上記均一な帯電作用を確実に実現できる。
【0046】
図4は本発明の第3実施例を示す。この第3実施例は、帯電ブラシの例である。この帯電ブラシ410はSUSからなる金属芯411にコイル420状になっている導電性繊維412が複数植えられた構造である。導電性繊維412としては直径が5〜20μmの導電性レーヨン,導電性ナイロン,導電性ポリエステル等が使用でき、コイル420の径としては画像認識上はできるだけ小さい方が望ましいが、導電性繊維の太さから20〜50μm程度にするのが良い。
【0047】
導電性繊維412の植毛の密度としては一般的な帯電ブラシと同様に50〜300本/mm2程度にするのが良い。導電性繊維412でコイル420を形成する方法は、種々あるが、例えば次のような方法が用いられる。すなわち、図5に示すように、直径10〜30μm程度のナイロンやレーヨン,ポリエステル等からなる絶縁性繊維530に、直径5〜20μmの導電性繊維512を巻き付け、その後これらを導電性繊維512または絶縁性繊維530の軟化温度以上に加熱して両方の繊維を融着させ、コイル520状の導電性繊維512を得る。
【0048】
特に、コイル520の自己インダクタンスLを大きくするため、絶縁性繊維530の中に表面を絶縁処理したFe,Co,Ni等の金属ないし合金の微粒子を分散させても良い。この絶縁性繊維530の中に分散された微粒子は表面が絶縁処理されているため、帯電部材としては導電性繊維512のみが寄与するが、コイル520の芯材である絶縁性繊維530の透磁率が向上するため、コイル520のLが大きくなる。その結果、コイル520の径を小さくできるので、より望ましい。
【0049】
その後、必要に応じて、コイル520の一部に可撓性を有する絶縁性樹脂531を薄く塗布し、加熱によって絶縁性樹脂531を硬化させ、次工程の切断によってコイル520の両端でのみ導通が取れるようにする。
上記の方法でコイル520に形成された導電性繊維512を1〜2mmの長さに切断し、電気植毛により金属芯411に植え付けることによって、帯電ブラシが作られる。
また、上記の方法でコイル520に形成された導電性繊維512をパイル地にしてテープ状に切断したのち、金属芯411に巻き付けて帯電ブラシを作製しても良い。
【0050】
このようにして作られた帯電ブラシ410は第1実施例のように金属芯411に電源103から電圧を印加してOPC100の帯電に用いた結果、第1実施例と同様に有機感光層102にピンホールがあってもOPC100の均一帯電を実現できた。また、OPC100と導電性繊維512が接触するため、帯電ブレードよりも摩擦係数が小さくなり、接触型帯電器が有機感光層102を削ってしまうような不具合が発生しにくかった。更に、フォトリソグラフィーやエッチング等の微細加工を用いなかったため、第1実施例の帯電ブレードよりも安価に製造することができた。
【0051】
この第3実施例のロール状帯電ブラシは、回転自在に設けられ、図示しない駆動部により回転駆動され、若しくはOPC100に従動して回転する。尚、第3実施例はロール状の帯電ブラシであるが、本発明を適用した固定ブラシであっても第3実施例と同様な効果が得られ、帯電ブラシの形状は何ら問わないものとする。
【0052】
この第3実施例によれば、インダクタンス素子が帯電ブラシの導電性繊維512であるので、帯電ブラシにおいて第1実施例と同様に被帯電体にピンホールがある場合でも均一な帯電作用を確実に実現できる。また、帯電ブレードよりも摩擦係数を小さくでき、接触型帯電器が有機感光層を削ってしまうような不具合を起こさない。また、フォトリソグラフィーやエッチング等の微細加工を用いないため、安価に製造することができる。
【0053】
図6は本発明の第4実施例を示す。この第4実施例は、帯電ブラシの例である。この帯電ブラシ610は微細構造620が接続された導電性繊維612がSUSの金属芯611に植え付けられた構造をしている。ここで、導電性繊維612に接続された微細構造620がインダクタンス素子となっている。
【0054】
導電性繊維612としては直径が5〜100μmの導電性レーヨン,導電性ナイロン,導電性ポリエステル等が使用される。微細構造620は、第3実施例と同様にしてコイルを作製しても良いが、その他には カーボンファイバー,カーボンウイスカー,カーボンナノチューブによってインダクタンス素子を作製することができる。特に、アセチレンやベンゼン等を用いた化学気相成長法(CVD)によって作製されたカーボンファイバー,カーボンウイスカー,カーボンナノチューブは、直径がμmオーダー以下となり、コイル径の小さなインダクタンス素子を作ることができる。そのため、有機感光層上においてピンホールと接触したインダクタンス素子の占める面積(つまり帯電されない面積)が小さくなり、より均一な帯電が実現できる。
【0055】
また、カーボンファイバー,カーボンウイスカー,カーボンナノチューブは、引っ張り強度が高く、OPCと接触した場合も破断する心配がなく、接触型帯電器の寿命を向上させることができる。
実際にアセチレンを用いて1000〜1500℃の温度でCVD法により カーボンファイバーを作製し、直径が0.3〜0.5μmのカーボンファイバーのみを選別した。これらのカーボンファイバーをコイル状にした後に可撓性を有する絶縁性樹脂を含浸させ、比較的低温の加熱によりその絶縁性樹脂を半硬化させ、カーボンファイバーを固定して微細なコイルとした。
【0056】
その後、このカーボンファイバーからなる微細なコイルを長さ100〜200μmで切断し、この微細なコイルの両端を有機溶剤に浸漬して絶縁性樹脂を剥離した。そして、この微細なコイルを120℃で加熱して絶縁性樹脂を完全に硬化させ、有機溶剤に不溶化させた後、カーボンブラックを分散させた直径10μmの導電性レーヨンに電気植毛により植え付け、その後導電性レーヨンをパイル地にしてテープ状に切断したのち、SUS製の金属芯に巻き付けて帯電ブラシを作製した。
【0057】
このようにして作られた帯電ブラシは第1実施例のように金属芯611に電源103から電圧を印加してOPC100の帯電に用いた結果、有機感光層102にピンホールがあった場合、第1実施例よりも均一な帯電が実現できた。また、OPC100の寿命に相当する帯電時間(A4 PPC用紙で2万枚相当の画像記録時間)の耐久試験を行ったが、試験後においてもOPC100を正常に帯電し、カーボンファイバーに外観上の異常は見られなかった。
【0058】
この第4実施例のロール状帯電ブラシは、回転自在に設けられ、図示しない駆動部により回転駆動され、若しくはOPC100に従動して回転する。尚、第4実施例はロール状の帯電ブラシであるが、本発明を適用した固定ブラシであっても第4実施例と同様な効果が得られ、帯電ブラシの形状は何ら問わないものとする。
【0059】
第4実施例によれば、インダクタンス素子が帯電ブラシ610の導電性繊維612に接続された微細構造620であるので、より小さなインダクタンスを作ることができる。その結果、感光層上においてピンホールと接触するインダクタンス素子の占める面積を更に小さくでき、より均一帯電が実現できる。
【0060】
図7は本発明の第5実施例を示す。この第5実施例は、磁気ブラシの例である。この磁気ブラシ710は、磁界発生手段としてのマグネットロール711と、このマグネットロール711を囲む非磁性の導電性スリーブ712と、帯電部材である磁性導電粒子713から構成される。
【0061】
ここで、磁性導電粒子713は、コイル720の形状をしているため、インダクタンス素子となる。磁性導電微粒子713としては、Fe,Co,Ni等の強磁性の金属や合金が用いられ、コイル720状に作られる。
【0062】
導電性スリーブ712は、図示しない駆動部により回転駆動され、マグネットロール711による磁界で磁性導電微粒子713を磁気的に吸引して担持する。導電性スリーブ712には電源から電圧が印加され、導電性スリーブ712上の磁性導電微粒子713がOPCの表面に接触してOPCの表面を所定の電位に帯電させる。
【0063】
磁性導電微粒子713をコイル720にする方法としては、種々あるが、例えば次のような方法がある。
すなわち、図8に示すように、直径10〜20μm程度のナイロンやレーヨン,ポリエステル等からなる絶縁性繊維830に、直径5〜10μmの強磁性の金属あるいは合金の磁性導電細線831を巻き付け、その後これらを絶縁性繊維830の軟化温度以上に加熱し、絶縁性繊維830と磁性導電細線831を融着してコイル820を得る。
【0064】
特に、コイル820の自己インダクタンスLを大きくするため、絶縁性繊維830の中に表面を絶縁処理したFe,Co,Ni等の金属ないし合金の微粒子を分散させても良い。絶縁性繊維830の中に分散された微粒子は表面が絶縁処理されているため、帯電部材としては磁性導電細線831のみが寄与するが、コイル820の芯材である絶縁性繊維830の透磁率が向上するため、コイル820のインダクタンスが大きくなる。その結果、コイル820の径を小さくできるので、より望ましい。
その後、必要に応じて、コイル820の一部に絶縁性樹脂832を薄く塗布し、次工程の切断によってコイル820の両端でのみ導通が取れるようにする。
【0065】
上記の方法で作製されたコイル820を10〜100μmの長さに切断して磁性導電粒子813を得る。
また、本例では、コイルの芯材は、可撓性を持つ必要がないので、例えば表面を絶縁処理した強磁性の金属ないし合金自体が使用でき、更に大きなインダクタンスを実現できる。その結果、有機感光層のピンホールによる過渡電流を遮断し易くなり、有機感光層の表面のより均一な帯電が可能となる。
【0066】
尚、コイルの芯材として強磁性の金属ないし合金を使用する場合、コイルの芯材に磁性導電細線を巻いたのち、これを絶縁性樹脂で被覆して磁性導電細線を固定化し、このコイルを切断した後に芯材の両端を絶縁処理することが望ましい。
このようにして作られた磁気ブラシ710は第1実施例のように導電性スリーブ712に電源103から電圧を印加してOPC100の帯電に用いた結果、第1実施例と同様に有機感光層にピンホールがあっても均一な帯電が実現できた。更に、OPCと磁性導電粒子が接触するため、帯電ブレードよりも摩擦係数を小さくでき、有機感光層を削ってしまうような不具合が発生しにくかった。更に、帯電ブレードや帯電ブラシよりもニップ幅を大きくでき、OPCとの接触面積が増加し、より効率的なOPCへの電荷注入が可能あった。
【0067】
第5実施例によれば、インダクタンス素子が磁気ブラシ710の磁性導電粒子713であるので、磁気ブラシにおいて第1実施例と同様に被帯電体にピンホールがある場合でも均一な帯電作用を確実に実現できる。また、有機感光層と磁性導電粒子が接触するため、帯電ブレードよりも摩擦係数を小さくでき、有機感光層を削ってしまうような不具合を起こしにくい。更に、帯電ブレードや帯電ブラシよりもニップ幅を大きくでき、感光層との接触面積を広くでき、より効率的な電荷注入が行える。
【0068】
図9は本発明の第6実施例を示す。この第6実施例は、磁気ブラシの別の例である。この磁気ブラシ910は、磁界発生手段としてのマグネットロール911と、このマグネットロール911を囲む非磁性の導電性スリーブ912と、帯電部材である磁性導電粒子913から構成される。ここで、磁性導電粒子913は、微細構造920が接続されており、この微細構造920がインダクタンス素子である。
【0069】
導電性スリーブ912は、図示しない駆動部により回転駆動され、マグネットロール911による磁界で磁性導電微粒子913を磁気的に吸引して担持する。導電性スリーブ912には電源から電圧が印加され、導電性スリーブ912上の磁性導電微粒子913に接続された微細構造920がOPCの表面に接触してOPCの表面を所定の電位に帯電させる。
【0070】
磁性導電微粒子913は、Fe,Co,Ni等の強磁性の金属や合金が用いられ、大きさとしては10〜100μmである。微細構造920は、第5実施例と同様にしてコイルを作製しても良いが、その他には カーボンファイバー,カーボンウイスカー,カーボンナノチューブによってインダクタンス素子を作製することができる。特に、微細構想(微細なコイル)620として、アセチレンやベンゼン等を用いた化学気相成長法(CVD)によって作製されたカーボンファイバー,カーボンウイスカー,カーボンナノチューブを用いた場合には、第4実施例で述べたように、より均一な帯電、寿命向上といった利点がある。
【0071】
実際にベンゼンとアセチレンを用いて800〜1600℃の温度でCVD法により カーボンファイバーを作製し、直径が0.2〜0.4μmのカーボンファイバーのみを選別した。これらのカーボンファイバーをコイル状にした後、これに可撓性を有する絶縁性樹脂を含浸させ、比較的低温の加熱によりその絶縁性樹脂を半硬化させ、カーボンファイバーを固定して微細なコイルとした。
【0072】
その後、このカーボンファイバーからなる微細なコイルを長さ100μm以下に切断し、この微細なコイルの両端を有機溶剤に浸漬し、絶縁性樹脂を剥離した。その後、この微細なコイルを120℃で加熱して絶縁性樹脂を完全に硬化させ、有機溶剤に不溶化させた後、Fe2O3系の直径40μmの磁性導電粒子に導電性接着剤で接着した。
【0073】
このような磁性導電粒子を用いた磁気ブラシ910は第1実施例のように導電性スリーブ912に電源103から電圧を印加してOPC100の帯電に用いた結果、有機感光層102にピンホールがあった場合、第1実施例よりも均一な帯電を実現できた。また、OPCの寿命に相当する帯電時間(A4 PPC用紙で2万枚相当の画像記録時間)の耐久試験を行ったが、試験後においても正常の帯電がなされ、カーボンファイバーに外観上の異常は見られなかった。
【0074】
この第6実施例によれば、インダクタンス素子が磁気ブラシ910の磁性導電粒子913に接続された微細構造920であるので、より小さなインダクタンスを作ることができる。その結果、感光層上においてピンホールと接触するインダクタンス素子の占める面積を更に小さくでき、より均一帯電を実現できる。
【0075】
次に、本発明の他の各実施例について説明する。これらの実施例は、従来のコロトロンを搭載した電子写真方式の複写機からなる画像記録装置において、それぞれコロトロンの代りに上記第1実施例〜第6実施例をそれぞれ搭載したものである。これらの複写機では、それぞれ感光体が上記第1実施例〜第6実施例の接触型帯電器により均一に帯電された後に光書き込み装置などの露光手段で露光されて静電潜像が形成され、この感光体上の静電潜像が現像装置で現像されて転写手段により転写紙等の転写材に転写される。
【0076】
これらの複写機において、テストチャートを用紙に複写した結果、複写した全ての用紙において、ライン状の白抜けは発生せず、コロトロンを用いた従来の複写機と同等の解像度、階調を有していた。よって、これらの複写機は、良好な画像記録が行えることが確認された。尚、プリンタ、ファクシミリ等の画像記録装置においても、帯電器として上記第1実施例〜第6実施例の接触型帯電器のいずれかを搭載することにより同様の効果が期待できる。
【0077】
上記第1実施例〜第6実施例及び上記他の実施例においては帯電は電荷注入によって行われたが、比較的大きな帯電電圧(600V〜1kV程度)が必要とされる場合はOPCの帯電は主に感光体と接触型帯電器の微小空隙でのコロナ放電によってなされる。
【0078】
本発明の別の実施例は、従来のコロトロンを搭載した電子写真方式の複写機からなる画像記録装置において、それぞれコロトロンの代りに上記第1実施例〜第6実施例の接触型帯電器をそれぞれ搭載して該接触型帯電器により微小空隙でのコロナ放電によってOPCを帯電させるものである。これらの複写機では、それぞれ感光体が上記第1実施例〜第6実施例の接触型帯電器により微小空隙でのコロナ放電によって均一に帯電された後に光書き込み装置などの露光手段で露光されて静電潜像が形成され、この感光体上の静電潜像が現像装置で現像されて転写手段により転写紙等の転写材に転写される。
【0079】
接触型帯電器により微小空隙でのコロナ放電によってOPCを帯電させる場合においても、上記第1実施例〜第6実施例の接触型帯電器を用いると、有機感光層のピンホールが接触型帯電器とOPCとのニップに来ると、ピンホールに接触したインダクタンス素子にのみ電流が流れず、その他のインダクタンス素子には通常と同じ電圧が印加される。その結果、OPCと接触型帯電器の間のコロナ放電は維持され続け、OPCの均一な帯電が実現できる。よって、帯電電圧が異なる複数の複写機に同じ接触型帯電器を搭載でき、量産効果により接触型帯電器を安価に製造できる。
【0080】
上記本発明の他の実施例である複写機及び本発明の別の実施例である複写機によれば、上記第1実施例〜第6実施例の接触型帯電器のいずれかを搭載したので、均一な帯電ができる。また、従来の導電性微粒子が分散されていない有機感光層をそのまま転用でき、導電性微粒子による光の吸収や散乱がないので、画像記録装置としては画質の劣化が起こらない。また、帯電電圧が大きく異なる画像記録装置にも同じ接触型帯電器を搭載することができ、接触型帯電器のコストが低下して画像記録装置を安価に製造できる。
【0081】
以上のように、本発明は電荷注入やコロナ放電といった帯電方式に制限されるものではなく、本発明の構造が含まれる全ての接触型帯電器は本発明に含まれる。また、本発明は感光体以外の被帯電体を帯電する接触型帯電器に適用することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上のように請求項1に係る発明によれば、被帯電体にピンホールがある場合、ピンホールと接触したインダクタンス素子のみのインピーダンスが急激に大きくなり、このインダクタンス素子にはほとんど電流が流れず、印加電圧は低下しない。一方、並列に配置された他のインダクタンス素子には通常の電圧が印加されるので、均一な帯電が実現できる。
【0083】
請求項2に係る発明によれば、被帯電体にピンホールがある場合でも請求項1記載の接触型帯電器の均一な帯電作用を確実に実現できる。
【0086】
請求項3に係る発明によれば、帯電ブラシにおいて請求項1記載の接触型帯電器と同様に被帯電体にピンホールがある場合でも均一な帯電作用を確実に実現できる。また、帯電ブレードよりも摩擦係数を小さくでき、接触型帯電器が被帯電体を削ってしまうような不具合を起こさない。また、フォトリソグラフィーやエッチング等の微細加工を用いないため、安価に製造することができる。
【0087】
請求項4に係る発明によれば、より小さなインダクタンスを作ることができる。その結果、被帯電体上においてピンホールと接触するインダクタンス素子の占める面積を更に小さくでき、より均一帯電が実現できる。
【0088】
請求項5に係る発明によれば、磁気ブラシにおいて請求項1記載の接触型帯電器と同様に被帯電体にピンホールがある場合でも均一な帯電作用を確実に実現できる。また、被帯電体と磁性導電粒子が接触するため、帯電ブレードよりも摩擦係数を小さくでき、被帯電体を削ってしまうような不具合を起こしにくい。更に、帯電ブレードや帯電ブラシよりもニップ幅を大きくでき、被帯電体との接触面積を広くでき、より効率的な電荷注入が行える。
【0089】
請求項6に係る発明によれば、より小さなインダクタンスを作ることができる。その結果、感光層上においてピンホールと接触するインダクタンス素子の占める面積を更に小さくでき、より均一帯電を実現できる。
【0090】
請求項7に係る発明によれば、均一な帯電ができる。また、従来の導電性微粒子が分散されていない有機感光層をそのまま転用でき、導電性微粒子による光の吸収や散乱がないので、画像記録装置としては画質の劣化が起こらない。また、帯電電圧が大きく異なる画像記録装置にも同じ接触型帯電器を搭載することができ、接触型帯電器のコストが低下して画像記録装置を安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図及び斜視図である。
【図2】有機感光層にピンホールPがある場合の同第1実施例及びOPCの簡略化した等価回路を示す回路図である。
【図3】本発明の第2実施例の各工程を示す図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図5】導電繊維でコイルを形成する方法の例を説明するための図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す及びその一部を示す断面図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す断面図である。
【図8】磁性導電微粒子をコイルにする方法の例を説明するための図である。
【図9】本発明の第6実施例を示す断面図である。
【図10】従来の帯電ローラの例を示す断面図である。
【図11】従来の接触型帯電器の例を示す断面図である。
【符号の説明】
100 OPC
101 導電性基体
102 感光層
103 電源
110 帯電ブレード
111 金属基板
112 絶縁性ゴム
120 金属配線
121 導電性ゴム
130 金属層
131 平面コイル
410 帯電ブラシ
411 金属芯
412 導電性繊維
420 コイル
610 帯電ブラシ
611 金属芯
612 導電性繊維
620 微細構造
710 磁気ブラシ
711 マグネットロール
712 導電性スリーブ
713 磁性導電粒子
720 コイル
910 磁気ブラシ
911 マグネットロール
912 導電性スリーブ
913 磁性導電粒子
920 微細構造
Claims (7)
- 被帯電体の表面と接触し、この被帯電体に所定の表面電位を与える接触型帯電器において、前記被帯電体と接触する面に並列に配置された複数のインダクタンス素子を有することを特徴とする接触型帯電器。
- 請求項1記載の接触型帯電器において、前記インダクタンス素子がコイルであることを特徴とする接触型帯電器。
- 請求項1または2記載の接触型帯電器において、接触型帯電器は帯電ブラシであって、前記インダクタンス素子が帯電ブラシの導電性繊維であることを特徴とする接触型帯電器
- 請求項1または2記載の接触型帯電器において、接触型帯電器は帯電ブラシであって、前記インダクタンス素子が帯電ブラシの導電性繊維に接続された微細構造であることを特徴とする接触型帯電器
- 請求項1または2記載の接触型帯電器において、接触型帯電器は磁気ブラシであって、前記インダクタンス素子が磁気ブラシの磁性導電粒子であることを特徴とする接触型帯電器
- 請求項1または2記載の接触型帯電器において、接触型帯電器は磁気ブラシであって、前記インダクタンス素子が磁気ブラシの磁性導電粒子に接続された微細構造であることを特徴とする接触型帯電器
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載の接触型帯電器を搭載したことを特徴とする画像記録装置。
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