JP4091615B2 - 傘の骨組みアセンブリおよびそれを備えた傘 - Google Patents

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Description

本発明は、傘の骨組みアセンブリおよびそれを備えた傘に関し、特に、風力などによる振動を有効に低減させる傘の骨組みアセンブリおよびそれを備えた傘に関する。
現在、折り畳みのできる傘は、図1に示すように、管径の異なる多数のパイプ101からその長手方向に沿って収縮したり伸展したりすることができる入れ子構造(図示せず)で互いに嵌挿してなっているシャフト1と、シャフト1の頂部に固設された上ろくろ2と、上ろくろ2の下方に位置するようにシャフト1に沿って上下摺動可能に遊嵌している下ろくろ3と、下ろくろ3の上下摺動によって展開されたり折り畳まれたりすることができるように上ろくろ2と下ろくろ3とに枢着されている傘地骨組み41とを備えた骨組アセンブリと、傘地骨組み41の上面に載置された傘地42とからなっている。それにより、前記下ろくろ3が、閉傘状態から上ろくろ2の近傍へと押されると、開傘状態になり、開傘状態からシャフト1の手元方向に摺動させられると、閉傘状態になることができる。
しかしながら、前記入れ子構造になっている複数のパイプ101は管径が下から上へとだんだん細くなっていき、開傘時に、下ろくろ3が複数のシャフト1のもっとも上の細いものにある。そのため、下ろくろ3の内孔201の内壁面とパイプ101との間に大きい隙間が形成されており、強風または強雨などによる外力が傘地42に掛かると、下ろくろ3がガタガタと振動し、それ自体が壊れやすいばかりでなく、傘地骨組み41などの構造にも悪影響を与える欠点がある。
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、開傘時に、下ろくろにおける内孔の内壁面とシャフトとの間に隙間がなくて振動しにくい傘の骨組みアセンブリおよびそれを備えた傘を提供しようとすることを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、それぞれ上下2端を有する少なくとも上段の上パイプと該上パイプより内径の大きい下段の下パイプとの2管を入れ子式に伸縮自在に嵌挿してなっているシャフトと、前記上パイプの上端近傍に設けられ、且つ円筒状の上段部と該上段部から垂下してなった該上段部より内径の大きい下段部とからなっている上ろくろと、前記上ろくろの下方に配置され、且つ前記シャフトの外周に遊嵌している下ろくろと、前記上ろくろと前記下ろくろとに枢着されていて前記下ろくろの前記シャフトに沿った上下摺動によって開閉される傘地骨組みと、前記上ろくろと前記下ろくろとの間にあり且つそれらに出入り可能に内嵌することができるように前記上パイプに外嵌している振動抑止部材と、上下両端がそれぞれ前記上ろくろ内および前記振動抑止部材に固設されていて該振動抑止部材を前記下ろくろへ移動させるように付勢することができる弾性部材を有する抑止装置とからなっており、前記下ろくろが前記上パイプの上端まで押されてそこに係止されるように傘が開かれた場合、前記振動抑止部材が前記下ろくろに内嵌して該下ろくろと前記上パイプとの間を充填し、前記下ろくろをがたつかないようにさせる一方、傘が閉じられた場合、前記振動抑止部材が前記下パイプに押されて弾性部材の付勢力に抗しながら上ろくろに内嵌するようにしたことを特徴とする傘の骨組みアセンブリを提供する。
さらに、本発明は、前記傘の骨組みアセンブリと、該骨組みアセンブリの傘地骨組みに載置された傘地とからなった傘を提供する。
本発明の骨組みアセンブリおよび傘は、開傘状態での前記振動係止部材が前記下ろくろに内嵌して前記下ろくろと前記上パイプとの間の隙間を充填することにより、前記下ろくろが風力や雨力などの外力でがたつくことを防止できる。
以下、図面を参照しながら,本発明に係る傘の実施形態を説明する。
まず、本発明の第1の実施形態の傘は、図2に示すように、骨組みアセンブリと骨組みアセンブリに設けられた傘地42とを備えている。骨組みアセンブリは、シャフト10と、シャフト10上に固設された上ろくろ20と、上ろくろ20の下方に位置するようにシャフト10の外周に遊嵌している下ろくろ30と、上ろくろ20と下ろくろ30とに枢着されている傘地骨組み41と、シャフト10に外嵌している抑止装置50と備えている。
シャフト10は、それぞれ上下2端を有するように少なくとも上段の上パイプ11と、上パイプ11より内径の大きい下段の下パイプ12との2管を入れ子式に伸縮自在に嵌挿してなっている。ここで、本実施形態の下パイプ12は二段式のタイプであり、上パイプ11の外周に外嵌している第1管121と、第1管121の外周に外嵌している第2管122とで構成されている。
上ろくろ20は、シャフト10の上パイプ11の上端に設けられ、円筒状の上段部21と、上段部21から垂下してなった上段部21より内径の大きい下段部22と、下段部22からシャフト10に対して離れながら下がるように延びてなったハジキ23とを含んでいる。ハジキ23の下端近傍には外方に向かう鈎部が形成してある。
下ろくろ30は、その内部に内孔31が形成され、さらに、下ろくろ本体32を上下貫通していて開傘時にハジキ23と嵌合できる係合孔321が形成してある。具体的には、この係合孔321は、内孔31を構成する内周壁に上下方向に延びる設けた溝と、この溝の下部に設けた径方向に貫通する孔とからなる。そして、この孔の上部に残留縁に、ハジキ23の鈎部が着脱可能に係合する。
傘地骨組み41は、上ろくろ20の上段部21と下ろくろ30とに枢着されていて、下ろくろ30がシャフト10に沿って上下摺動されることによって開閉されることができる。傘地骨組み41の上面には傘地42が載置されている。そして、複数の傘地骨組み41と傘地42とで骨組ユニット40を構成する。
抑止装置50は、上ろくろ20と下ろくろ30との間にあり且つこれらの内部に出入り可能に内嵌できるように上パイプ11に外嵌している振動抑止部材52と、上下両端がそれぞれ上ろくろ20内および振動抑止部材52に固設されていて振動抑止部材52を下ろくろ30へ移動させるように付勢することができる弾性部材51を有する。ここで、弾性部材51は、上ろくろ20における上段部21との連結で該上ろくろ20内に固設されているが、上パイプ11との連結で固設されてもよい。
ユーザは、開傘時には、まずシャフト10を上下の方向(即ち軸方向)に展開(伸張)させる。その時、振動抑止部材52は弾性部材51の付勢力により上ろくろ20内から進出するうえ、弾性部材51が何にも付勢することのないように伸張する。シャフト10を展開すると、引き続いて、図3に示すように、下ろくろ30を上側の上ろくろ20の方へ押す。その時、振動抑止部材52は下ろくろ30に内嵌して下ろくろ30の摺動と共に上ろくろ20の方へ移動する。下ろくろ30が上パイプ11の上ろくろ20の直下まで押し上げられると、ハジキ23の下端が上方から係合孔321内に貫入すると共に、弾性部材51が振動抑止部材52の上動により圧縮されて、該振動抑止部材52に閉傘時の下動力を付勢する。即ち、開傘した後、振動抑止部材52は下ろくろ30に内嵌して下ろくろ30と上パイプ11との間の隙間を充填したので、下ろくろ30の風力や雨力などの外力にがたつくことを防止できる。
図4に示すように、閉傘時には、ハジキ23の鈎部を押してから下ろくろ30をシャフト10の手元の方へ移動させ、傘地骨組み41を閉傘状態にさせる。傘をすぼめた(骨組ユニット40を集束させた)後、さらに第1管121と第2管122とをそれらの端縁が上ろくろ20の直下まで近寄るように縮める。そうすると、振動抑止部材52は第2管122の上動に押されて弾性部材51の付勢力に抗しながら上ろくろ20に内嵌し、弾性部材51を上ろくろ20内に極端に圧縮して内蔵する。この時、振動抑止部材52は極端に圧縮されている弾性部材51にシャフト10の手元方向への移動力を付勢されている。
本発明の第2の実施形態の傘は、図5に示すように、骨組みアセンブリと骨組みアセンブリに設けられた傘地42Aとを備えている。骨組みアセンブリは、シャフト10Aと、シャフト10A上に固設された上ろくろ20Aと、上ろくろ20Aの下方に位置するようにシャフト10Aの外周に遊嵌している下ろくろ30Aと、上ろくろ20Aと下ろくろと30Aとに枢着されている傘地骨組み41Aと、シャフト10Aに外嵌している抑止装置50Aと備えている。本実施形態において、第1の実施形態における構造および部材と異なるところは、互いに係止できるハジキ23と係合孔321の代わりに、上パイプ11Aから弾性的に突出して開傘時の下くろく30Aを下から停止するハジキ13Aが設けてあることだけにある。
即ち、上パイプ11Aの下ろくろ30Aにおける開傘時の下ろくろ30Aの直下にスリット111Aが形成してある。ハジキ13Aは薄い板材からなった湾曲状のものであり、且つ、上パイプ11A内の壁面にその下端が突っ張るように当接すると共にその頂部がスリット111Aから外へ弾性的に突出することができるように設けられている。それにより、開傘時に、ハジキ13Aのスリット111Aから突出した頂部により下ろくろ30Aを下から停止することができる。また、開傘状態の傘を閉傘しようとする場合、ハジキ13Aの頂部を上パイプ11Aの内部に押し込んでから下ろくろ30Aを下方へ引くことで済む。
本発明の傘の骨組みアセンブリおよびそれを備えた傘は、前記下ろくろに内嵌して、前記下ろくろと前記上パイプの間の隙間を充填することができる構成の簡単な前記振動抑止部材を有するので、前記下ろくろの風力や雨力などの外力にがたつくことを防止でき、少しのコストで傘の使用寿命を大きく延ばすことが可能となる。
従来の傘の要部を示す側面図 本発明の第1の実施形態における傘の要部を示す分解断面図 本発明の第1の実施形態における傘が開かれた状態を示す要部断面図 本発明の第1の実施形態における傘が閉じられた態を示す要部断面図 本発明の第2の実施形態における傘を示す要部断面図
符号の説明
10、10A…シャフト
11、11A…上パイプ
111A…スリット
12…下パイプ
13A…ハジキ
121…第1管
122…第2管
20、20A…上ろくろ
21…上段部
22…下段部
23…ハジキ
30、30A…下ろくろ
31…内孔
32…下ろくろ本体
321…係合孔
40…骨組ユニット
41、41A…傘地骨組み
42、42A…傘地
50、50A…抑止装置
51…弾性部材
52…振動抑止部材

Claims (4)

  1. それぞれ上下2端を有する少なくとも上段の上パイプと該上パイプより内径の大きい下段の下パイプとの2管を入れ子式に伸縮自在に嵌挿してなっているシャフトと、
    前記上パイプの上端近傍に設けられ、且つ円筒状の上段部と該上段部から垂下してなった該上段部より内径の大きい下段部とからなっている上ろくろと、
    前記上ろくろの下方に配置され、且つ前記シャフトの外周に遊嵌している下ろくろと、
    前記上ろくろと前記下ろくろとに枢着されていて前記下ろくろの前記シャフトに沿った上下摺動によって開閉される傘地骨組みと、
    前記上ろくろと前記下ろくろとの間にあり且つそれらに出入り可能に内嵌することができるように前記上パイプに外嵌している振動抑止部材と、上下両端がそれぞれ前記上ろくろ内および前記振動抑止部材に固設されていて該振動抑止部材を前記下ろくろへ移動させるように付勢することができる弾性部材を有する抑止装置とからなっており、
    前記下ろくろが前記上パイプの上端まで押されてそこに係止されるように傘が開かれた場合、前記振動抑止部材が前記下ろくろに内嵌して該下ろくろと前記上パイプとの間を充填し、前記下ろくろをがたつかないようにさせる一方、傘が閉じられた場合、前記振動抑止部材が前記下パイプに押されて弾性部材の付勢力に抗しながら上ろくろに内嵌するようにしたことを特徴とする傘の骨組みアセンブリ。
  2. それぞれ上下2端を有する少なくとも上段の上パイプと該上パイプより内径の大きい下段の下パイプとの2管を入れ子式に伸縮自在に嵌挿してなっているシャフトと、
    前記上パイプの上端近傍に設けられ、且つ円筒状の上段部と該上段部から垂下してなった該上段部より内径の大きい下段部とからなっている上ろくろと、
    前記上ろくろの下方に配置され、且つ前記シャフトの外周に遊嵌している下ろくろと、
    前記上ろくろと前記下ろくろとに枢着されていて前記下ろくろの前記シャフトに沿った上下摺動によって開閉される傘地骨組みと、
    前記傘地骨組みに載置された傘地と、
    前記上ろくろと前記下ろくろとの間にあり且つそれらに出入り可能に内嵌することができるように前記上パイプに外嵌している振動抑止部材と、上下両端がそれぞれ前記上ろくろ内および前記振動抑止部材に固設されていて該振動抑止部材を前記下ろくろへ移動させるように付勢することができる弾性部材を有する抑止装置とからなっており、
    前記下ろくろが前記上パイプの上端まで押されてそこに係止されるように傘が開かれた場合、前記振動抑止部材が前記下ろくろに内嵌して該下ろくろと前記上パイプとの間を充填し、前記下ろくろをがたつかないようにさせる一方、傘が閉じられた場合、前記振動抑止部材が前記下パイプに押されて弾性部材の付勢力に抗しながら上ろくろに内嵌するようにしたことを特徴とする傘。
  3. 前記上ろくろは、さらに、前記下段部から前記シャフトに対して離れながら下がるように延びてなったハジキを含んでおり、且つ、前記下ろくろには、傘が開かれた場合、前記ハジキと係合する係合孔が形成してあることを特徴とする請求項2に記載の傘。
  4. 前記シャフトは、さらに、前記上パイプに設けられており、傘が開かれた場合、前記上パイプから弾性的に突出して前記下ろくろを停止させるハジキを備えたことを特徴とする請求項2に記載の傘。
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