JP4090834B2 - 物品検索システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、日常生活において紛失等した物品を探し出すための物品検索システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
日々の生活の中で、ある物品の所在が分からなくなったとき、人は自分の記憶をたどってどこにあるのかを思い出そうとする。しかし、思い出そうとする出来事が遠い過去の出来事であったり、無意識的に行った行動であった場合、記憶が曖昧となっており物の所在がわからなくなる事がある。
【0003】
さらに、記憶に頼って探し出す場合、そのときの行動をもう一度再現したり考えられる場所をくまなく探すなどの方法をとるが、多くの時間を浪費し確実に見つかる保証もない。
【0004】
そこで、このような所在の分からなくなった物品を検索する技術として、タグシステムが提供されている。このタグシステムは、外部信号受信装置と外部信号に応じて動作する発光素子及び発音素子とを備えたタグを物品に取り付け、外部からタグに対して信号を送信することにより、光や音によって所在を知らせるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−207657号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、音で知らせる形式の場合、音が小さすぎては人に聴こえず、大きすぎても問題があるため、適当な音量で知らせるのが困難であるといった問題があった。また、音だけでは大まかな所在を確認することはできるが、結局音がする周辺を目で見て探さなければならないといった問題があった。
【0007】
一方、光で知らせるものは発光素子が見えていることが必要最低条件であり、タグが下を向いている場合や、収納されてしまっている場合には見つけることができないといった問題があった。
【0008】
本発明は係る問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、音や光に頼るのではなく、物品の所在を正確に求めてユーザに知らせることのできる物品検索システム、物品検索方法、物品検索プログラム及び物品検索プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の物品検索システムは、検索対象物に取り付けられ、外部と無線による情報通信が可能なデータタグと、このデータタグと指向性を有して赤外線で通信を行う1または複数台の観察機と、検索対象物の入力を行うとともに、検索結果を表示する端末装置と、前記観察機及び端末装置と接続され、前記端末装置から入力された検索対象物の検索を行う検索装置とからなる物品検索システムにおいて、前記観察機は、通信の対象となる領域である水平方向の通信幅を規制する幅方向規制用スリットと、通信の対象となる領域である垂直方向の通信幅を規制する高さ方向規制用スリットとを有し、前記幅方向規制用スリットを水平方向に駆動させることで水平方向の通信方向を順次変更可能に設けられているとともに、前記高さ方向規制用スリットを垂直方向に駆動させることで垂直方向の通信方向を順次変更可能に設けられており、前記検索装置は、前記端末装置から入力された検索対象物に取付けられたデータタグと通信に成功した1または複数台の観察機の位置及び通信方向のデータを受信し、受信した観察機の位置及び通信方向のデータから前記検索対象物の水平方向及び垂直方向の位置を特定し、その位置情報を前記端末装置に出力することを特徴としている。
【0010】
このような特徴を有する本発明によれば、検索装置は、端末装置からの検索対象物の指示に基づき、検索対象物に取り付けられたデータタグとの通信を各観察機に対して要求し、この要求に対して、検索対象物に取付けられたデータタグとの通信結果を各観察機から受信すると、その受信した通信結果に基づき、データタグと通信に成功した少なくとも2台以上の観察機の位置及び方向に基づいて検索対象物の位置を演算により求める。そして、その求めた検索対象物の位置情報を端末装置に送信する。端末装置では、受信した位置情報を、例えば部屋の見取り図上に重ねて表示する。このように、本発明の物品検索システムでは、所在の分からなくなった物品の所在場所(位置情報)を、検索対象物として部屋の見取り図とともに表示するので、ユーザは、紛失した物品を簡単に探し出すことができる。
【0011】
この場合、前記観察機は、前記データタグと赤外線で通信するとともに、前記幅方向規制手段及び高さ方向規制手段をスリットで構成する。これにより、部屋等に設置された観察機によって、部屋の中をくまなく検索することができる。なお、端末装置としては、近時急速に普及している携帯電話機やPDA等の携帯情報機器を用いることが可能である。
【0012】
また、本発明の物品検索方法は、この方法を実行するためのプログラムとして実現することができる。
【0014】
なお、この物品検索プログラムは、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することができる。
【0015】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態の物品検索システムの全体構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施の形態の物品検索システムは、基本構成として、ユーザが使用するパソコンや携帯電話機、PDA等の端末装置1、サーバ2、2台以上の観察機3,3・・・、及びデータタグ4により構成されている。
【0018】
端末装置1は、LANインターフェース(以下「LAN_IF」と略記する。)11、メモリ12、CPU13、モニタ14を備えており、ユーザからの入力を受け付けたりユーザに情報を提示するために用いられる。
【0019】
サーバ2は、LAN_IF21、メモリ22、CPU23を備えており、端末装置1及び観察機3との間で通信を行い、データの記録、処理等を行うものである。
【0020】
観察機3は、LAN_IF31、自己のID情報が記憶されたメモリ32、CPU33、赤外線送信部34、赤外線受信部35を備えており、サーバ2及びデータタグ4との間で通信を行うものである。
【0021】
データタグ4は、自己のID情報が記憶されたメモリ42、CPU43、赤外線送信部44、赤外線受信部45を備えている。
【0022】
図3は、上記構成の物品検索システムの配置状態の一例を示している。
【0023】
観察機3は、1つの部屋に1または複数台(この例では、部屋の角隅の3箇所にそれぞれ1台ずつ、計3台)設置されている。端末装置1は、例えばリビングなどユーザが目に付きやすく、入力も行いやすい場所に設置する。サーバ2は、例えば床下や天井などどこに設置してもよい。データタグ4は、例えば物忘れしやすい財布、薬袋、眼鏡ケース、リモコン送信機などに取り付けておく。また、設置された観察機3の位置は、ユーザが端末装置1によって入力しておく。観察機3の取付角度は、各観察機3,3・・・が相互に通信を行い、通信方向と、入力されたレイアウトにより取付角度を求める。
【0024】
ただし、本実施の形態では、検索物品の高さ情報の取得は行わない。すなわち、観察機3は、図示しないスリットによって幅方向(水平方向)の通信方向が規制されている。従って、幅方向が規制された赤外線は、図4に示すように、高さ方向については全て通信を行う照射となる。
【0025】
図2は、サーバ2に設けられたメモリ22のデータ構成例を示している。メモリ22には、あらかじめ端末装置1より設定された物品リストとこれに取り付けられているデータタグのIDとの関係を示す物品リスト51、及びあらかじめ端末装置1より設定された各観察機3の位置と向いている方向との対応関係を示す観察機情報リスト52を記憶するリスト記憶エリア221と、検索したデータタグ4のIDを検索タグID53として記憶するタグID記憶エリア222と、観察機3とデータタグ4との通信結果54を記憶する通信結果記憶エリア223とが設けられている。
【0026】
次に、上記構成の物品検索システムにおいて、データタグ4が取り付けられた「眼鏡ケース」の場所を特定する場合を例に挙げ、図7に示す観察機の動作フローチャートを適宜参照して、本システムの動作説明を行う。
【0027】
ここで、ユーザの部屋の間取りは図5に示すようになっているものとする。すなわち、サニタリーを除けば、各部屋(和室及びリビング)には、それぞれ3台の観察機3が各部屋の角隅部にそれぞれ配置されている。また、図5中に示した(x,y)は、各観察機3の位置を表している。また、観察機3の向きとは、図5のx軸を0°、y軸を90°としたときの観察機3の向いている方向のことである。
【0028】
ユーザが端末装置1にて物品検索要求を行うと、端末装置1は、サーバ2のメモリ22に記憶されている物品リスト51を取得し、モニタ14に表示する。
【0029】
ユーザが画面表示された物品リスト51の中から「眼鏡ケース」51aを指定すると、端末装置1はサーバ2に対して指定された「眼鏡ケース」に対応するデータタグID「103」を送信する。サーバ2は、受信したID「103」を検索データタグID53として記憶し、全観察機3,3・・・に対してデータタグ4との通信要求を行う。なお、端末装置1は、「眼鏡ケース」に対応するデータタグID「103」を送信する代わりに、物品名のテキストをサーバ2に送信するようにしてもよい。この場合には、サーバ2でその物品に対応するデータタグIDをメモリ22の物品リスト51から抽出し、抽出したID「103」を検索データタグID53として記憶し、全観察機3,3・・・に対してデータタグ3との通信要求を行う。
【0030】
全観察機3,3・・・は、サーバ2からデータタグ4との通信要求を受け取ると(ステップS1でYesと判断されると)、データタグ4との通信を開始する(ステップS2)。
【0031】
すなわち、観察機3は、データタグ4からの返信によるデータタグIDを受信しない場合(ステップS3でNoと判断された場合)には、図示しないスリットを水平方向に駆動させることで通信方向(通信角度)を順次変更する(ステップS4)。こうして連続的に通信方向を変化させ、観察機3が通信可能な全ての方向について通信を行っても、データタグ4からの返信によるデータタグIDを受信しない場合(ステップS5でNoと判断される場合)には、通信を終了する(ステップS7)。
【0032】
一方、観察機3がデータタグ4からの返信によるデータタグIDを受信した場合(ステップS3でYesと判断された場合)には、自己の観察機IDとそのスキャン方向とをサーバ2に送信して(ステップS6)、通信を終了する(ステップS7)。
【0033】
ここで、観察機3がデータタグ4と通信する様子を、図6を用いて説明する。
【0034】
サーバ2からデータタグ検索要求を受け取った各観察機3(3A,3B,3C)は、図6(a)に示すように通信方向のスキャン(水平方向への首振り移動)を行いながら、データタグ4から返信がある方向を求める。その結果、ID「103」のデータタグ4が取り付けられた「眼鏡ケース」がその部屋にある場合には、最終的に図6(b)に示すように、各観察機3A,3B,3Cからの方向(θa,θb,θc)が得られる。
【0035】
各観察機3A,3B,3Cが全ての通信方向について通信を試みた結果、図2に示すように、サーバ2のメモリ22には、観察機IDと、データタグ4との相対的な角度とがタグ通信結果54として得られる。この結果から検索データタグIDに関する観察機3A,3B,3Cを抽出し、各観察機3A,3B,3Cの位置、及び各観察機3A,3B,3Cが向いている方向から、データタグ4が取り付けられた「眼鏡ケース」の場所を特定することができる。
【0036】
例えば、図6(b)中の値が
Ax=0,Ay=200,θa=38.9°,αa=90° ・・(1)
Bx=400,By=0,θb=46.3°,αb=180° ・・(2)
Cx=400,Cy=800,θc=30.2°,αc=−90°・・(3)
である場合、式(1),(2)から(x,y)=(160,451)、式(2),(3)から(x,y)=(190,439)の2点の交点座標が得られる。理想的には1点のみ出力することが望ましいが、スリット幅、角度の誤差などで上記のように異なる値が得られた場合はその中心の座標を検索データタグ4の位置とする。
【0037】
サーバ2は、このようにして求めた検索データタグ4の位置情報(場所)を端末装置1に送信する。端末装置1は、この位置情報をモニタ14の画面に表示する。これにより、ユーザは「眼鏡ケース」の場所を特定することができる。この場合、画面表示の方法は、室内の間取り図とともにグラフィカルに行ってもよいし、あるいは、あらかじめ机、テレビなどの場所を設定しておくことで、「△△部屋の机の上」などと文字で表示してもよい。
【0038】
なお、各観察機3から検索データタグ4の方向を求める方法としては、(a)単純に、狭角の通信を少しずつずらしていく方法(図6に示す本実施の形態の方法)、(b)広い角度で通信を試みておおよその方向を調べ、再度狭角で分解能を上げて角度を求める方法、などの方法が考えられる。
【0039】
また、本実施の形態では、検索物品の高さ方向は省略し、平面位置を求めるようにしているが、観察機3のスリットにZ方向(高さ方向)を走査するZ軸方向スリットを取り付けることにより、高さ方向の情報を含めた3次元上の位置を得ることができる。
【0040】
以上説明した物品検索システムは、データタグと観察機とを用いて検索対象物を検索する処理を機能させるためのプログラムで実現されている。
【0041】
このプログラムは、例えばコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
【0042】
本発明では、この記録媒体として、図1に示されているサーバ2で処理が行なわれるために必要なメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また、図示していない外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロコンピュータがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示しないプログラム記憶エリアにロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0043】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、FD(フレキシブルディスク)やHD(ハードディスク)等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0044】
また、本発明においては、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成である場合、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め装置本体に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0045】
さらに、本発明では、プログラム自体として、図1に示されているサーバ2で実行される処理そのものであってもよいし、あるいはインターネットを含む通信ネットワークとアクセスすることで取り込める、あるいは取り込めたものであってもよいし、こちらから送り出すものであってもよい。さらには、この取り込んだプログラムに基づいて、上記物品検索システム内で処理された結果、つまり生成されたものであってもよい。あるいは、こちらから送り出す際に上記物品検索システム内で処理された結果、つまり生成されたものであってもよい。なお、これらのものはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、観察機と検索物品に取り付けられたデータタグとの相対角度から検索物品の所在を正確に求めて表示出力できるので、所在の分からなくなった物品を簡単に探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物品検索システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】サーバに設けられたメモリのデータ構成例を示す説明図である。
【図3】本発明の物品検索システムを構成する端末装置、サーバ、観察機の配置状態の一例を示す説明図である。
【図4】観察機から照射される赤外線の幅方向の通信方向が規制されている様子を示す説明図である。
【図5】ユーザの部屋の間取りと観察機の配置状態とを示す説明図である。
【図6】観察機がデータタグの方向を求める過程を示す説明図である。
【図7】観察機の処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 端末装置
2 サーバ
3 観察機
4 データタグ
11,21,31,41 LANインターフェース(LAN_IF)
12,22,32,42 メモリ
13,23,33,43 CPU
14 モニタ
34,44 赤外線送信部
35,45 赤外線受信部

Claims (2)

  1. 検索対象物に取り付けられ、外部と無線による情報通信が可能なデータタグと、このデータタグと指向性を有して赤外線で通信を行う1または複数台の観察機と、検索対象物の入力を行うとともに、検索結果を表示する端末装置と、前記観察機及び端末装置と接続され、前記端末装置から入力された検索対象物の検索を行う検索装置とからなる物品検索システムにおいて、
    前記観察機は、通信の対象となる領域である水平方向の通信幅を規制する幅方向規制用スリットと、通信の対象となる領域である垂直方向の通信幅を規制する高さ方向規制用スリットとを有し、前記幅方向規制用スリットを水平方向に駆動させることで水平方向の通信方向を順次変更可能に設けられているとともに、前記高さ方向規制用スリットを垂直方向に駆動させることで垂直方向の通信方向を順次変更可能に設けられており、
    前記検索装置は、前記端末装置から入力された検索対象物に取付けられたデータタグと通信に成功した1または複数台の観察機の位置及び通信方向のデータを受信し、受信した観察機の位置及び通信方向のデータから前記検索対象物の水平方向及び垂直方向の位置を特定し、その位置情報を前記端末装置に出力することを特徴とする物品検索システム。
  2. 前記端末装置が携帯情報機器であることを特徴とする請求項1に記載の物品検索システム。
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