JP4089132B2 - 熱伝導度検出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガスクロマトグラフ分析装置に使用される熱伝導度検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスクロマトグラフ装置は一定速度で流れるキャリアガス(ヘリウム、水素等)中に分析しようとするガス状態の試料を注入し、これを分離カラムに送ることによって試料を成分ごと分離した上で検出器に送ることでガス中の成分を検出する装置である。ここでガスクロマトグラフ装置に用いられる検出器のひとつに熱伝導度検出器がある。
【0003】
熱伝導度検出器の原理図を図5に示す。フィラメント2a,2bが金属ブロック3a、3bによって封入されており、一方の金属ブロック3a内に分析ガス(試料ガスがキャリガス中に混合されているガス)、他方の金属ブロック3b内に純キャリアガスが送り込まれるようにしてある。これら2つの金属ブロックによりTCDセル(熱伝導度検出器セル)が構成される。TCDセルを構成するフィラメント2a、2bは調整用に用いられる他の抵抗2c、2dとの組み合わせによりブリッジ回路を形成しており、このブリッジ回路に電流1を流すことによりフィラメント2a、2bが加熱される。このとき試料を含んだ分析ガスと試料を含まない純キャリアガスとがそれぞれの金属ブロック内でフィラメント近傍を流れる際に加熱されているフィラメントを冷却することになるが、分析ガスとキャリアガスとの熱伝導度の相違に起因してフィラメントを冷却する能力に差が生じるので2つのフィラメント間で温度差が生じ、この温度差に応じてフィラメントの電気抵抗値に差が生じる。この抵抗差に基づく信号を検出部4にて取り出すことにより分析ガスに対応した信号を検出することができる。
【0004】
熱伝導度検出器では、上述したようにTCDセルを構成する2つの加熱されたフィラメントの温度差に基づいて生じた電気抵抗値から分析ガスの検出を行うことから、TCDセルの温度をいかに安定に保ち、外気温度の影響を受けないようにするかが問題となる。そこで、温調機能を備えた熱容量の大きい温調ブロックをベース台とし、この上にTCDセルを載置して室温より高い温度で一定温度に保持するように制御し、さらに他の周囲をカバーで覆い、カバー内に断熱材を充填するようにして温度の安定化を図っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の熱伝導度検出器ではTCDセルを一定温度に保持するためにTCDセルを載置する温調ブロックの温調を行う。このとき温調ブロックの温度の安定度に依存してTCDセルの温度の安定度も定まる。実際に用いる温調ブロックは適当な熱容量のものが用いられる。即ち、熱容量が大きくなるほど温度の安定性はよくなるが、加熱開始から設定温度にて安定するまでに長時間が必要となる。そのため、分析を開始するまでの待時間も長時間となり実用上問題がある。一方、熱容量が小さいほど設定温度になる時間は短縮できるが、その温度での安定性は低下する。
したがって、短時間で設定温度に至り、かつ恒温性も高いというような相反する課題を同時に満足したTCDセルの構造とすることが困難であった。
本発明は、このような問題を解決し、短時間でTCDセルを設定温度に保持できるようにした熱伝導度検出器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明の熱伝導度検出器は、内部に感温素子を有するTCDセルと、前記TCDセルが載置されるとともにこのTCDセルを温度調節するための温度調節手段を取り付けたベースとを備え、前記温度調節手段により一定温度に保持されたTCDセルに分析ガスを流して内部の感温素子と接触させ、感温素子の抵抗値の変化に基づいて分析ガス中の被測定物質の検出を行う熱伝導度検出器であって、前記TCDセルは前記ベースに断熱薄材を介して載置され、前記温度調節手段は分析開始前に、分析時設定温度よりも高い温度で一定時間保持したのちに分析時設定温度に再設定する制御を行うことを特徴とする。
本発明の熱伝導度検出器では、断熱薄材により温調ブロックの温度変動がTCDセルに直接伝わりにくいようにし、その一方で加熱開始時に設定温度より高い温度で一定時間加熱してTCDセルを一時的に設定温度より高温状態にする。そして少なくとも加熱当初は、高温状態から設定温度に近づけるようにする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例である熱伝導度検出器の概略構成図である。サンプル側ブロック11は金属ブロックで構成され、内部にフィラメント2aが封入され、分析ガス導入口16から送り込まれたガスがフィラメント2aの周囲を通過して分析ガス排出口18から排出されるように構成されている。フィラメント2aはフィラメント線14から電流が供給されることにより加熱される。フィラメント線14は図5に示したブリッジを構成するように図示しない外部の抵抗と結線されている。 同様にリファレンス側ブロック12は内部にフィラメント2bが封入され、キャリアガス導入口20から送り込まれたガスがフィラメント2bの周囲を通過してキャリアガス排出口22から排出されるように構成されている。フィラメント2bもフィラメント線14から電流が供給されることにより加熱されるようになっており、図5に示したブリッジを構成するように図示しない抵抗と結線されている。これらサンプル側ブロック11とリファレンス側ブロック12とによりTCDセル13(熱伝導度検出器セル)が構成される。
温調ブロック26は熱伝導度のよい金属(銅など)からなり、その上に断熱性薄材28が敷かれている。断熱性薄材28としては加熱温度に耐える程度の耐熱性が必要であり、例えばポリイミドフィルムが好適である。温調ブロック26のブロック内部には図示しないヒータ線および温度センサが取り付けられており、これらと結線されたヒータ制御器24によって温度制御がなされる。
外気温度(熱伝導度検出器が設置された場所の室温)の影響を受けてTCDセル温度が変動しないようにするためTCDセルカバー30によりTCDセル13の周囲が覆われるとともにTCDセルカバー30の内空間にはガラスウール等の断熱材32が充填されている(図では省略してある)。
【0008】
次に、本発明で行われる温度制御部の動作について説明する。
まず、本発明の特徴を明らかにするための比較例として、加熱開始当初からヒータ制御器24の温度設定を本来の設定温度に維持したままTCDセル13を加熱した場合の設定温度とTCDセル13の温度変化との様子を図4に示す。
ヒータ制御器24による温調としては通常オンオフ制御とPID制御が考えられる。オンオフ制御により行う場合、加熱を開始するとヒータには当初フルパワーの電力が投入される。やがて温調ブロック26が設定温度に到達すると加熱パワー(ヒータ電力)がオフ状態になる。その後オン状態とオフ状態を繰り返しつつ設定温度に暫時近づいていく。PID制御による温調を行う場合でも、加熱当初はフルパワーの電力が投入され、温調ブロック26が設定温度に近づくと、オーバーシュートを抑える(あるいはオーバーシュートを起こさない)方向に制御が働くので加熱パワー(ヒータ出力電力)が制限される。
加熱パワーがオフあるいは制限された時点では、断熱薄材28の存在によりTCDセル13の温度自体はいまだ設定温度には達していない。それゆえ、その後は破線で示すように低温側から暫時、到達温度に近づいていくことになる。その際、温調ブロック13の温度変化をなます目的で設けられた断熱薄材28の影響を受け、さらにはオンオフの繰り返し(PID制御の場合には制限されたパワー)によりTCDセル温度の安定を待つことになるので、TCDセルは低温側からゆっくり昇温することになり安定までに長時間を有する。この場合実験では2時間程度の待時間が必要になった。つまり、断熱薄材28の存在により温調動作によって発生する温度変化を吸収することはできるが、加熱開始からTCDセルの安定までの時間を短縮することができない。
そこで、断熱薄材28を取り付けるとともに、制御動作を図2に示すように変更する。即ち、ヒータ制御器24に設定温度Aを入力すると(st1)、ヒータ制御器24は入力された設定温度Aを読み取り、そして加熱開始時点では一時的に設定温度を本来の設定温度Aではなく、A+αに設定温度を読み替えて一定時間の加熱を開始する(st2)。この加熱時間はTCDセルの熱容量やヒータ電力により異なるので、予め予備実験等により最適時間を求めるのがよい。このとき必要なことはTCDセル13の温度がA+αで加熱する期間の終了時点で本来の到達温度よりも一時的に高い温度になっておく必要がある。通常、設定温度より高める温度αとしては10℃ぐらい、又、A+αでの加熱時間としては10分ぐらいあればよい。この時間経過後は本来の設定温度Aに再設定する(st3)。このような制御を行ったときの設定温度とTCDセル13の温度変化との様子を図3に示す。図に見られるようにTCDセル13の温度は加熱当初の高め設定(A+α)の影響を受けて一時的に最終到達温度以上になる。その後、設定温度がAとなるように再設定されると暫時高温側から最終到達温度に至る。高温側から最終到達温度に近づけることにより最終到達温度に至る時間は大幅に短縮することができ、2時間程度必要であった待時間は1時間以下に抑えることができる。即ち、設定温度Aで加熱開始当初から温調を行えば、TCDセルは断熱薄材28の存在の影響で昇温させるには時間がかかってしまうのであるが、予め過剰に間屡させておいて高温側から近づけることにより時間短縮を図ることができるのである。
【0009】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の熱伝導度検出器では、断熱薄材を用いるとともに分析開始前の準備工程時に設定温度より高い温度で一時的に保持するようにしたので、熱伝導度のTCDセルの温度が安定するまでの待時間を大幅に短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である熱伝導度検出器の概略構成を示す図。
【図2】本発明で実行する温調ブロックの温度制御のフローチャート図。
【図3】本発明を実施した場合の温調ブロックの設定温度とTCDセルの温度との関係を示す図。
【図4】従来方式での温調ブロックの設定温度とTCDセルの温度との関係を示す図。
【図5】熱伝導度検出器の検出信号を得るブリッジ回路の構成図。
【符号の説明】
2a、2b:フィラメント
11:サンプル側ブロック
12:リファレンス側ブロック
13:TCDセル
24:ヒータ制御器
26:温調ブロック
28:断熱薄材
30:TCDセルカバー
32:断熱材

Claims (1)

  1. 内部に感温素子を有するTCDセルと、前記TCDセルが載置されるとともにこのTCDセルを温度調節するための温度調節手段を取り付けたベースとを備え、前記温度調節手段により一定温度に保持されたTCDセルに分析ガスを流して内部の感温素子と接触させ、感温素子の抵抗値の変化に基づいて分析ガス中の被測定物質の検出を行う熱伝導度検出器であって、前記TCDセルは前記ベースに断熱薄材を介して載置され、前記温度調節手段は分析開始前の準備工程時に、分析時設定温度よりも高い温度に設定温度を読み替えて一定時間経過したのちに分析時設定温度に再設定する制御を行うことを特徴とする熱伝導度検出器。
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