JP4088729B2 - ブロック共重合体及び推進薬 - Google Patents

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    • C06EXPLOSIVES; MATCHES
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    • C06B45/06Compositions or products which are defined by structure or arrangement of component of product comprising solid particles dispersed in solid solution or matrix not used for explosives where the matrix consists essentially of nitrated carbohydrates or a low molecular organic explosive the solid solution or matrix containing an organic component
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    • C06B45/105The resin being a polymer bearing energetic groups or containing a soluble organic explosive

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアジド基を含有する高エネルギの重合体に関するものである。さらに本発明は、固体燃料ロケットモータ等に用いられる推進薬に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、酸素含有粒子とバインダとを主成分とするいわゆるコンポジット推進薬について、推進薬としてのエネルギを増大させるために、アジド基を持つ高分子をバインダとして使用する研究が行われている。この様なアジド基を持つ高分子としては、側鎖にアジドメチル基を有するポリエーテルが一般的であり、その代表例としては、3,3−ビスアジドメチルオキセタン(BAMO)を開環重合させたポリエーテル、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン(AMMO)を開環重合させたポリエーテル、グリシジルアジドポリマー(GAP)等がある。
【0003】
側鎖にアジドメチル基を有するこれらのポリエーテルをバインダとして用いる場合の欠点としては、低温における推進薬の機械物性が悪いことであり、これを改良するために、ランダム共重合の手法で重合体の分子鎖を柔らかくすることが行われてきた。すなわち、そのような重合体の例としては、BAMOとTHF(テトラハイドロフラン)との共重合体、 BAMOとAMMOとの共重合体、THFを共重合成分として導入したGAP(以下THFGAPと呼ぶ)等があり、これらをバインダとして用いたロケットモータ用推進薬が種々提案されている(特公平7−507号公報、特公平4−75878号公報参照)。
【0004】
しかし、THFのようにアジド基を持たないモノマーを共重合成分とすることの欠点は、共重合体中のアジド基の量がそれだけ減少するために、重合体全体としては高エネルギの性質が損なわれ、ひいてはそれを使用した推進薬のエネルギがそれだけ低下することである。
さらに、ブロック共重合の手法の提案もなされている。すなわち、特開平8−109093号公報では、ポリエーテルとGAPとのブロック共重合体ジオールが、特開平9−143261号公報では、2塩基酸と2価アルコールとのポリエステルとBAMO系ポリマーとのブロック共重合体ジオールが提案され、推進薬の機械物性の改良を試みている。
【0005】
しかし、これらの公報では、線状構造の重合体(ジオール)に着目しており、当該重合体を用いて推進薬を作成するには、別途、3官能以上のアルコール及び/又は3官能以上のイソシアネート等を添加して、3次元架橋を施さねばならず、この結果、この架橋部分が剛直構造になって低温での機械物性に悪影響を及ぼしたり、添加する3官能以上のアルコール及び/又は3官能以上のイソシアネート等の量が多くなって高エネルギの性質を持つアジド基の濃度が相対的に減少し、これらの結果、必ずしも、良好な低温機械物性と高エネルギの性質との両立ができていない欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記欠点に鑑み、エネルギをできるだけ低下させることなく、重合体全体として分子鎖を柔軟にすること、および、該重合体をバインダとして用いることにより、低温での機械物性が良好であって、高エネルギの推進薬を提供することを課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ね、重合体の特に分岐構造部分に着目し、分岐構造部分を特定の化学構造とすることによって柔軟することで、当該重合体の直鎖部分がアジド基を豊富に有する比較的剛直な分子鎖であっても、当該重合体が全体として柔軟構造を持つこと、および当該重合体をバインダとして用いることにより、低温での機械物性が良好であって、高エネルギの推進薬が得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、特定の比率の多価アルコールとカプロラクトンからなる中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合した前記(a)、(b)及び(c)の構造式を有するアジド基含有ポリエーテルブロックとからなるブロック共重合体、特に前記ポリカプロラクトンブロックが分岐構造を持つブロック共重合体を提供するものである。さらに、本発明は、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、シクロテトラメチレンテトラニトラミン、及びシクロトリメチレントリニトラミンから選ばれた酸素含有粒子とバインダとからなり、該バインダはアジド基含有重合体とイソシアネート化合物との3次元架橋したウレタン化物を含有する推進薬において、該ウレタン化物の架橋点が柔軟構造を持つことを特徴とする推進薬を提供するものであり、特に、前記アジド基含有重合体が、中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合した前記アジド基含有ポリエーテルブロックとからなることを特徴とする該推進薬を提供するものである。
【0008】
すなわち、本発明は、
〔1〕中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合したアジド基含有ポリエーテルブロックとからなるブロック共重合体であって、前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、繰り返し単位として、
【化11】
のいずれか1種以上からなり、前記ブロック共重合体の平均分子量が1500〜6000であることを特徴とするブロック共重合体。
〔2〕前記ポリカプロラクトンブロックが、3価以上のアルコールから重合開始されたことによって分岐構造を持つことを特徴とする上記〔1〕記載のブロック共重合体。
〔3〕前記ポリカプロラクトンブロックが、以下の式(1)又は式(2):
【化12】
【化13】
(ただし、ここでRは3価又は4価のアルコール残基を表し、n1〜n4はそれぞれ0以上の整数であって、n1〜n4(式(1)においてはn1〜n3)の総和は2〜10の整数であり、[e]はこの部分に前記アジド基含有ポリエーテルブロックが結合することを示す)で表されることを特徴とする上記(2)記載のブロック共重合体。
【0009】
〔4〕前記3価又は4価のアルコール残基Rが、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパンからなる群のいずれか1種の多価アルコールの残基であることを特徴とする上記〔3〕記載のブロック共重合体。
〕前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、繰り返し単位として、
【化14】
のいずれか1種以上を含み、さらに、該ポリエーテルブロックが、
【化15】
をも含むブロックであることを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一記載のブロック共重合体。
【0010】
〕酸素含有粒子とバインダとからなり、該バインダがアジド基含有重合体とイソシアネート化合物とが3次元架橋したウレタン化物を含有する推進薬において、前記アジド基含有重合体が、中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合したアジド基含有ポリエーテルブロックとからなる数平均分子量が1500〜6000のブロック共重合体であって、前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、繰り返し単位として、
【化16】
のいずれか1種以上からなり、前記酸素含有粒子が、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、シクロテトラメチレンテトラニトラミン、及びシクロトリメチレントリニトラミンからなる群から選ばれたいずれか1種以上であることを特徴とする推進薬。
〔7〕前記ポリカプロラクトンブロックが、多価アルコールと該アルコール1分子当たり2〜10のカプロラクトンを付加したものであることを特徴とする〔6〕記載の推進薬。
〔8〕前記イソシアネート化合物が、前記ブロック共重合体の水酸基及び添加物に存在する水酸基の合計量の0.9〜1.1倍(官能基の等量比)の範囲内であることを特徴とする〔6〕又は〔7〕記載の推進薬。
【0011】
〕前記ポリカプロラクトンブロックが、3価以上のアルコールから重合開始されたことによって分岐構造を持つことを特徴とする上記〔6〕〜〔8〕記載の推進薬。
10〕前記ポリカプロラクトンブロックが上記の式(1)又は式(2)〔ただし、ここでR、 n1〜n4及び[e]は上記〔3〕と同義である〕で表されることを特徴とする上記〔〕記載の推進薬。
11〕前記3価又は4価のアルコール残基Rが、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパンからなる群のいずれか1種の多価アルコールの残基であることを特徴とする上記〔10〕記載の推進薬。
12〕前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、繰り返し単位として、
【化17】
のいずれか1種以上を含み、さらに、該ポリエーテルブロックが
【化18】
をも含むブロックであることを特徴とする上記〔〕〜〔11〕のいずれか一記載の推進薬。
【0012】
13〕前記ウレタン化物の前駆体として、1分子当り2〜4個の水酸基を持ち数平均分子量が300〜2000のポリカプロラクトンをさらに含有することを特徴とする上記〔〕〜〔12〕のいずれか一記載の推進薬。
14〕前記酸素含有粒子が推進薬中に60〜85重量%含有されることを特徴とする上記〔〕〜〔13〕のいずれか一記載の推進薬。
【0013】
別の態様では、本発明は
15〕前記ポリカプロラクトンブロックが、2価以上の多価アルコールとε−カプロラクトンとの開環重付加反応生成物であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕記載のブロック共重合体;
16〕前記ポリカプラクトンブロックが、ε−カプロラクトンと2価〜4価の多価アルコール、場合によっては5価以上の多価アルコールとの開環重付加反応生成物であることを特徴とする上記〔1〕、〔2〕及び〔15〕のいずれか一記載のブロック共重合体;
17〕前記ポリカプロラクトンブロックが、ε−カプロラクトンと2価〜4価の多価アルコール、場合によっては5価以上の多価アルコールとの開環重付加反応生成物で、該多価アルコールは遊離の水酸基を2個以上有する炭化水素であることを特徴とする上記〔1〕、〔2〕、〔15〕及び〔16〕のいずれか一記載のブロック共重合体;
【0014】
18〕前記ポリカプロラクトンブロックが、ε−カプロラクトンと2価〜4価の多価アルコール、場合によっては5価以上の多価アルコールとの開環重付加反応生成物で、該多価アルコールは遊離の水酸基を2個以上含有する炭素原子を2〜25個有する直鎖あるいは分岐鎖のアルキル〔該アルキル中の炭素鎖は、該鎖中任意に1箇所以上で酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を介して連結されているものであってよい〕であることを特徴とする上記〔1〕、〔2〕、〔15〕〜〔17〕のいずれか一記載のブロック共重合体;
19〕前記ポリカプロラクトンブロックが、ε−カプロラクトンと2価〜4価の多価アルコールとの開環重付加反応生成物で、該多価アルコールは、(i) 遊離の水酸基を2個有する炭素原子数2〜5個の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル、(ii)遊離の水酸基を3個有する炭素原子数3〜10個の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル、及び(iii) 遊離の水酸基を4個有する炭素原子数4〜20個の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル〔該アルキル中の炭素鎖は、任意に1箇所以上で酸素原子を介して連結されているものであってよい〕からなる群から選ばれたものであることを特徴とする上記〔1〕、〔2〕、〔15〕〜〔18〕のいずれか一記載のブロック共重合体;
【0015】
20〕前記ポリカプロラクトンブロックが、平均分子量450〜1500を有し、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール及びポリカプロラクトンテトラオールからなる群から選ばれたものであることを特徴とする上記〔1〕、〔2〕、〔15〕〜〔19〕のいずれか一記載のブロック共重合体;
21〕前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、(i) 前記ポリカプロラクトンにアジド基含有オキセタンを開環重付加反応させて得た生成物あるいは(ii)前記ポリカプロラクトンにエピクロロヒドリンを開環重付加反応させた後、アジ化ナトリウムを作用させて得た生成物であることを特徴とする上記〔1〕、〔2〕、〔15〕〜〔20〕のいずれか一記載のブロック共重合体;
22〕(i) 前記ポリカプロラクトンにアジド基含有オキセタンを開環重付加反応させる場合及び/又は(ii)前記ポリカプロラクトンにエピクロロヒドリンを開環重付加反応させる場合に、アジド基非含有環状エーテル共存下に該反応が行われていたものであることを特徴とする上記〔21〕記載のブロック共重合体;
23〕該アジド基非含有環状エーテルが、THF、オキセタン、エチレンオキサイド及びジオキサンから成る群から選ばれたものであることを特徴とする上記〔22〕記載のブロック共重合体;
【0016】
24〕該アジド基非含有環状エーテルは、アジド基含有オキセタンあるいはエピクロロヒドリンにたいしてモル比で1対1より少ないものであることを特徴とする上記〔22〕又は〔23〕記載のブロック共重合体;
25〕分岐構造を持ち、分岐点の近傍に柔軟なカプロラクトン開環物の鎖を有することを特徴とする上記〔1〕〜〔〕及び〔15〕〜〔24〕のいずれか一記載のブロック共重合体;
26〕ポリカプロラクトンの分子鎖のブロックに、化学結合した前記(a)、(b)及び(c)の構造式を有するアジド基含有ポリエーテルブロックを導入することを特徴とする上記上記〔1〕〜〔〕及び〔15〕〜〔25〕のいずれか一記載のブロック共重合体の製造法;
27〕任意にアジド基非含有環状エーテル共存下あるいは非共存下、(i) 前記ポリカプロラクトンにアジド基含有オキセタンを開環重付加反応させるか、あるいは(ii)前記ポリカプロラクトンにエピクロロヒドリンを開環重付加反応させた後、アジ化ナトリウムを作用させることにより前記アジド基含有ポリエーテルブロックを製造することを特徴とする上記〔26〕記載の製造法;及び
28〕2価以上の多価アルコールとε−カプロラクトンとを開環重付加反応させ、前記ポリカプロラクトンを製造することを特徴とする上記〔26〕又は〔27〕記載の製造法を提供する。
【0017】
さらに、別の態様では、本発明は
29〕(i)(a)中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合した前記(a)、(b)及び(c)の構造式を有するアジド基含有ポリエーテルブロックとからなるブロック共重合体と(b) 硬化剤とから得られたバインダと(ii) 、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、シクロテトラメチレンテトラニトラミン、及びシクロトリメチレントリニトラミンからなる群から選ばれたいずれか1種以上である酸素含有粒子とからなることを特徴とする柔軟構造を持つ推進薬;
30〕(a) 中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合した前記アジド基含有ポリエーテルブロックとからなるブロック共重合体と(b) 硬化剤と(c) 前記酸素含有粒子とからなることを特徴とする柔軟構造を持つ推進薬;
31〕少なくとも(a) 中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合した前記アジド基含有ポリエーテルブロックとからなるブロック共重合体と(b) 硬化剤と(c) 前記酸素含有粒子とを成型せしめて得られたことを特徴とする推進薬;
32〕上記〔1〕〜〔〕及び〔15〕〜〔25〕のいずれか一記載のブロック共重合体と前記酸素含有粒子及び硬化剤、さらに必要に応じ可塑剤等の添加剤とを含有することを特徴とする推進薬;
33〕前記硬化剤が、イソシアネート化合物であることを特徴とする上記〔29〕〜〔32〕のいずれか一記載の推進薬;
34〕前記イソシアネート化合物が、2官能のイソシアネート、例えば炭化水素ジイソシアネート、代表的には、非環式炭化水素ジイソシアネート、飽和あるいは不飽和環式炭化水素ジイソシアネートから選ばれたものであることを特徴とする上記〔33〕記載の推進薬;
35〕前記イソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルイソシアナート)及びキシリレンジイソシアネートから成る群から選ばれたものであることを特徴とする上記〔34〕記載の推進薬;
36〕前記可塑剤が、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、そして硝酸エステル基またはニトロ基を持つもの、アジド基を持つもの、例えばトリメチロールエタントリナイトレート、ビス−2,2−ジニトロプロピルアセタールとビス−2,2−ジニトロプロピルフォルマールとの混合物、GAP可塑剤(平均分子量が概ね1000以下であって水酸基を持っていないGAPであり、例えば3M社製L−12616として入手可能)から成る群から選ばれたものであることを特徴とする上記〔32〕〜〔35〕のいずれか一記載の推進薬;
37〕硬化触媒、結合剤、燃料金属粒子、燃焼触媒、老化防止剤等のその他の通常の添加剤をさらに含有していることを特徴とする上記〔〕〜〔14〕及び〔33〕〜〔36〕のいずれか一記載の推進薬;
38〕前記酸素含有粒子、上記〔1〕〜〔〕及び〔15〕〜〔25〕のいずれか一記載のブロック共重合体及びイソシアネート化合物、さらに必要に応じてその他の添加物とを適切な温度で混合し、(i) 流動性のあるスラリが得られる場合、所望の型に注型し、あるいは (ii) 流動性の不足する場合は所望の型に充填した後、圧縮操作を行い成型し、該注型あるいは成型後は適切な温度で適切な期間保持して硬化させ、所定の形状を持った推進薬とすることを特徴とする推進薬の製造方法;及び
39〕上記〔〕〜〔14〕及び〔29〕〜〔37〕のいずれか一記載の推進薬を製造することを特徴とする上記〔38〕記載の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のブロック共重合体は、ポリカプロラクトンを用い、当該ポリカプロラクトンの分子鎖のブロックに、化学結合したアジド基含有ポリエーテルブロックを導入することにより得ることができる。
本発明のブロック共重合体の合成に用いるポリカプロラクトンとしては、2価以上の多価アルコール、好ましくは2価〜4価、場合によっては5価以上の多価アルコールから出発し、これにε−カプロラクトンを開環重付加反応させたものが用いられる。
該多価アルコールとしては、遊離の水酸基を2個以上有する炭化水素が挙げられ、好ましくは遊離の水酸基を2個以上含有する炭素原子を2〜25個有する直鎖あるいは分岐鎖のアルキル〔該アルキル中の炭素鎖は、該鎖中任意に1箇所以上で酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を介して連結されているものであってよい〕が挙げられる。
【0019】
前記2価〜4価の多価アルコールとしては、2価では、遊離の水酸基を2個有する炭素原子数2〜5個の直鎖あるいは分岐鎖のアルキルが挙げられ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等が例示でき、また、3価では、遊離の水酸基を3個有する炭素原子数3〜10個の直鎖あるいは分岐鎖のアルキルが挙げられ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が例示でき、4価では、遊離の水酸基を4個有する炭素原子数4〜20個の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル〔該アルキル中の炭素鎖は、任意に1箇所以上で酸素原子を介して連結されているものであってよい〕が挙げられ、例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン〔別名:2,2´−[オキシビス(メチレン)]ビス[2−メチル−1,3−プロパンジオール]〕、さらに、ジトリメチロールプロパン〔別名:2,2´−[オキシビス(メチレン)]ビス[2−エチル−1,3−プロパンジオール]〕等がそれぞれ例示できるが、これらに限定されない。本発明においては、3〜4価の多価アルコールを用いることが特に好ましい。
【0020】
これらの多価アルコールに対し、ε−カプロラクトンを開環重付加反応させ、本発明のブロック共重合体に用いるポリカプロラクトンを合成する。
その開環重付加反応の触媒としては、ラクトンの開環重付加反応に通常用いられる触媒を使用することができ、例えば、テトラエチルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン系化合物、オクチル酸第一スズ、ジブチルスズオキサイド等の有機スズ化合物、塩化第一スズ、臭化第一スズ等のハロゲン化第一スズ等が挙げられる。
触媒の使用量は仕込み原料に対して適宜選択することが可能であり、例えば、0.1〜10000ppm、好ましくは1〜5000ppmである。触媒の使用量が0.1ppm未満ではε−カプロラクトンの開環重付加反応が著しく遅く、経済的でない。逆に10000ppm以上では開環重付加反応は速くなるが、耐久性等に問題が生じる場合がある。こうした点を考慮して、触媒の使用量は上記に限定されることなく、最適な結果が得られるように種々変えることも可能である。
反応温度は特に制限されないが、通常90〜240℃、好ましくは100〜220℃である。反応温度が90℃未満ではε−カプロラクトンの開環重付加反応が遅く、240℃以上では開環重付加反応したポリカプロラクトンの解重合反応が生じるので、いずれも好ましくない。反応中は窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気で合成することがポリカプロラクトンの色相等に良い結果を与える。
【0021】
当該ポリカプロラクトンに組込まれるε−カプロラクトンの数は、所期の目的が達成される限り特に限定されないが、通常多価アルコール1分子当り2〜10が望ましい。この値が2未満では、本発明のブロック共重合体の分子鎖が柔軟化しにくい。また、この値が10を越える場合は、使用できない訳ではないが、本発明のブロック共重合体に含有されるアジド基の含有率が減少し、高エネルギのブロック共重合体を提供しにくくなる。当該ポリカプロラクトンに組込まれるε−カプロラクトンの数は、当該開環重付加反応の際の多価アルコールとε−カプロラクトンとの仕込み比を変えることで選択できる。
【0022】
上記の様なポリカプロラクトンは、必要とするものをそのつど合成できるが、既製品を用いることもできる。既製品の内、2官能のポリカプロラクトン、すなわち、ポリカプロラクトンジオールとしては、ダイセル化学工業(株)製の商品名プラクセル205(平均分子量500)、同210(平均分子量1000)等が例示でき、3官能のポリカプロラクトン、すなわち、ポリカプロラクトントリオールとしては、同じく商品名プラクセル303(平均分子量300)、同305(平均分子量500)、同308(平均分子量800)等が例示でき、さらに4官能のポリカプロラクトン、すなわち、ポリカプロラクトンテトラオールとしては、同じく商品名プラクセル405D(平均分子量500)、同410D(平均分子量1000)等が例示できる。本発明においては、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオールを用いるのが特に好ましい。
【0023】
以上のようにして、合成されたポリカプロラクトン、または、既製品のポリカプロラクトンを用い、さらに当該ポリカプロラクトンの分子鎖のブロックに化学結合した前記(a)、(b)及び(c)の構造式を有するアジド基含有ポリエーテルブロックを導入して、本発明のブロック共重合体を得ることができる。該化学結合したアジド基含有ポリエーテルブロックを当該ポリカプロラクトンの分子鎖のブロックに導入するには、当該分野で知られた様々な方法あるいは該方法を適宜改変した方法を適用して行うことができ、例えば、(i) 当該ポリカプロラクトンを重合開始剤としてこれにアジド基含有オキセタンを開環重付加反応させるか、あるいは (ii) 当該ポリカプロラクトンに対し、エピクロロヒドリンを開環重付加反応させた後、アジ化ナトリウムを作用させてエピクロロヒドリン開環物の有機塩素をアジド基で置換し、アジド基含有ポリエーテルブロックを導入するとよい。これらのモノマーの開環重付加反応は前記ポリカプロラクトンの複数の水酸基の位置から連続して起こり、最終的には付加したモノマーの開環体の末端に水酸基が生じる。
【0024】
その開環重付加反応の具体的な方法としては、当該ポリカプロラクトンと当該モノマーと重合触媒と溶媒とを仕込み反応させる。
重合触媒は、ラクトンと環状エーテルとの間の開環重付加反応を触媒することが知られているものから選択して使用することができ、プロトン酸試薬、ルイス酸試薬などが挙げられ、好ましくはハロゲン化金属及び有機金属化合物、例えば、BF3、AlCl3、TiCl4、SnCl4やAlR’Cl、AlR’Cl、AlR’3(R’:エチル又はメチル基)、特に好ましくは三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体などが挙げられるが、これに限定されない。
三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体の量(モル数)はポリカプロラクトンの水酸基のモル数の0.01〜1.0倍が好ましい。この値が0.01未満では、反応速度が小さくなるため実用的ではない。この値が1.0を越えると副反応が生じる場合がある。
反応温度は−10〜40℃、特に15〜35℃が好ましい。反応温度が−10℃未満では反応速度が小さくなるため実用的ではない。反応温度が40℃を越えると重合速度が早すぎ、温度が制御できなくなる場合がある。
反応の際に用いる溶媒としては四塩化炭素、塩化メチレン等の有機塩素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられるが、これらに限定されない。溶媒は反応原料の10重量倍以下が望ましい。
10重量倍を越えても、反応できないわけではないが、反応装置の容積当りの反応原料の量が少なくなり、経済性が悪くなる。なお、反応系の粘度が低い場合は、溶媒は場合によっては使用しなくても良い。
【0025】
上記アジド基含有オキセタンとしては、公知のものあるいは市販のものが挙げられ、例えば、任意にC1-4 低級アルキル基で置換されていてよいアジドC1-4低級アルキル置換オキセタンが挙げられ、好ましくはBAMO、AMMOまたはそれらの混合物を用いることができる。
BAMOを用いると、アジド基含有ポリエーテルブロックの繰り返し単位として、
【化19】
が導入され、
AMMOを用いると、アジド基含有ポリエーテルブロックの繰り返し単位として、
【化20】
が導入される。
【0026】
BAMO、AMMOの混合物を用いると上記(a)、(b)が混じって導入される。
また、前記ポリカプロラクトンに対し、エピクロロヒドリンを開環重付加反応させた後、アジ化ナトリウムを作用させた場合は、
【化21】
がアジド基含有ポリエーテルブロックの繰り返し単位として導入される。
さらに、BAMO等の上記アジド基含有オキセタン及び/又はエピクロロヒドリンの開環重付加反応の際に、これらに加えて、THF、オキセタン、エチレンオキサイド、ジオキサン等のアジド基非含有環状エーテルを添加することもでき、この場合は当該環状エーテルの開環体、すなわち、
【化22】
などがアジド基含有ポリエーテルブロックの中に組込まれ、これにより本発明のブロック共重合体の柔軟性がさらに増し、これを用いた推進薬の低温での機械物性がさらに良好になる。
【0027】
THF、オキセタン、エチレンオキサイド、ジオキサン等のアジド基非含有環状エーテルの量はアジド基含有オキセタン及び/又はエピクロロヒドリンの量に比してモル比で1対1よりも少なくする方が好ましい。このモル比よりもTHF等のアジド基非含有環状エーテルの量が多くなると、使用できないわけではないが、本発明のブロック共重合体の高エネルギの特徴が希薄になる。
本発明のブロック共重合体の数平均分子量は1500〜6000、好ましくは2000〜4000であることが望ましい。この値が1500未満でも使用できないことはないが、当該ブロック共重合体を推進薬として用いる際の硬化剤であるイソシアネート化合物の添加量が多くなって、組成中のアジド基濃度が下がり、高エネルギの推進薬を提供しにくくなる。この値が6000を越える場合でも使用できないことはないが、当該ブロック共重合体を一成分として、推進薬を製造する際の混合操作・注型操作時の粘度が高くなり、作業しにくくなる。
【0028】
本発明のブロック共重合体は分岐構造を持っているものが特に好ましい。すなわち、3〜4官能のアルコールから出発して、ポリカプロラクトントリオールまたはポリカプロラクトンテトラオールを作成し、これを基に作成した本発明のブロック共重合体(トリオール体またはテトラオール体)は、分岐点の近傍に柔軟なカプロラクトン開環物の鎖が存在し、これにより、アジド基含有ポリエーテルブロックが比較的剛直な鎖であっても、共重合体全体としては、剛直な鎖の部分が分離して存在するので、柔軟構造を保ちながらもアジド基密度を上げることができ、その結果、高エネルギの性質を保つことができる。
一方、これに比較して従来型の分岐構造を持ったアジド基含有ポリエーテル、例えば、トリメチロールプロパンの3個の水酸基から直接重合開始させて作成したBAMO/THF共重合体トリオールや、ジグリセリンの4個の水酸基から直接重合開始させて作成したTHFGAPテトラオール等では、THFの共重合によりアジド基含有ポリエーテルの鎖が柔軟化されているといっても、分岐点の近傍に直接アジド基含有ポリエーテルの鎖が結合しているので、分岐点近傍では剛直な部分ができる確率が大きくなり、これが低温での機械物性に悪影響を及ぼしていると考えられる。
【0029】
第2の本発明は、酸素含有粒子とバインダとからなり、該バインダはアジド基含有重合体とイソシアネート化合物との3次元架橋したウレタン化物を含有する推進薬において、該ウレタン化物の架橋点が柔軟構造を持つ推進薬に関するものであるが、当該推進薬は、これまで説明した第1の本発明であるところのブロック共重合体を利用することで製造できる。すなわち、本発明のブロック共重合体と酸素含有粒子、硬化剤、さらに可塑剤等の添加剤とを混合し成型する。
【0030】
以下、本発明の推進薬について詳細に説明する。前記酸素含有粒子としては、アミン硝酸塩化合物、硝酸エステル化合物、アミン過塩素酸塩化合物、ニトロ化合物、ニトロ・硝酸エステル化合物、フロキサン化合物、ニトラミン化合物、ニトロ・ニトラミン化合物、ニトロ・ニトラミン・硝酸エステル化合物などが挙げられるが、特に、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、シクロテトラメチレンテトラニトラミン(HMX)、シクロトリメチレントリニトラミン(RDX)からなる群から選択されたいずれか1種以上が使用される。前記酸素含有粒子の粒径は概ね1〜500μmの中で適宜分布を持たせて選択するとよい。前記酸素含有粒子の推進薬中の含有量は60〜85重量%、好ましくは70〜80重量%の中で通常選択する。この値が85を越えると、固体粒子が多くなることにより推進薬の成型がしにくい。この値が60未満では燃焼ガスが酸素不足状態になり、推進薬としてのエネルギが低下する。
【0031】
前記硬化剤は、本発明のブロック共重合体を硬化させるものであり、例えば、イソシアネート化合物が用いられる。本発明のブロック共重合体は1分子当り複数個の水酸基を持っており、この水酸基とイソシアネート基とは反応しウレタン結合が生じる。本発明においては、前述のとおり、ブロック共重合体として特に分岐構造を持つものが有効であり、この場合、該ブロック共重合体は1分子当り3個以上の水酸基を持っているので、イソシアネート化合物としては2官能のイソシアネートを用いることで充分3次元架橋が起こり、推進薬の組成物は硬化する。2官能のイソシアネートは3官能以上のイソシアネートに比して一般的に分子量が小さく、この結果、組成物全体中でのアジド基濃度を高く保つことができ、推進薬のエネルギが高くなるので好ましい。2官能のイソシアネートとしては、炭化水素ジイソシアネート、例えば、非環式炭化水素ジイソシアネート、飽和あるいは不飽和環式炭化水素ジイソシアネートなどが挙げられ、例えば、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、トリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルイソシアナート)、キシリレンジイソシアネート等が使用できるが、これらに限定されない。
【0032】
これらの中では、HMDIがその分子量も小さく、柔軟な分子構造を持つので好ましい。なお、場合によっては3官能のイソシアネートが使用できない訳ではない。イソシアネート化合物の使用量としては、適宜使用する本発明のブロック共重合体に応じて選択することができ、例えば、それに含まれるイソシアネート基の量が、本発明のブロック共重合体の水酸基およびその他の添加物等に存在する水酸基の合計量の概ね0.9〜1.1倍(官能基の当量比)の範囲で、推進薬の機械物性が良好になるように、適宜調整すると良い。
なお、分岐構造を持たない本発明のブロック共重合体(ジオール体)に関しては、これと3官能のイソシアネート等とを組み合わせて使用することもできるが、当該ジオール体を使用するならば、これと、分岐構造を持つ本発明のブロック共重合体(トリオール体及び/又はテトラオール体等)とを併用し、2官能のイソシアネートで硬化させて、3次元架橋の程度を調整するために使用することが望ましい。
【0033】
この様な、3次元架橋の程度を調整するために用いる、その他の物質として、各種の多価アルコールを用いることができる。架橋の程度を増加させる目的では、トリメチロールプロパン、グリセリン等の良く知られた3価以上のアルコールも使用できるが、本発明の場合は、柔軟な分子鎖を持ち、本発明のブロック共重合体と相溶性の良い、前記ポリカプロラクトントリオールや前記ポリカプロラクトンテトラオールが特に好適に使用できる。逆に架橋の程度を減らす目的で、前記ポリカプロラクトンジオールも好適に使用できる。これらの架橋の程度を調整するための(ブロック共重合体の中に組込まれていない)ポリカプロラクトンの分子量としては、300〜2000が好ましい。この値が300未満では、架橋点が柔軟化しにくく、2000を越えるとポリカプロラクトンの融点が高くなり推進薬の通常の混合工程で液状にならないことがあるため、使用しにくい。架橋の程度を調整するためのポリカプロラクトンの使用量は、本発明のブロック共重合体の使用量の0.2倍以下とするのが好ましい。この値が0.2を越えても使用できないわけではないが、高エネルギの推進薬の特徴が失われる。
3次元架橋の程度は機械物性が良好になるように適宜調整すると良い。また、場合によっては、ジイソシアネートとトリイソシアネートとを併用することで3次元架橋の程度を調整することもできる。
【0034】
前記可塑剤としては、融点が低く、本発明のブロック共重合体と相溶するものが適当であり、この結果、低温でも推進薬が柔軟性を失わず、良好な機械物性を保つことができる。この様な可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステルなどから選択でき、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル等が挙げられる。また、可塑剤として、硝酸エステル基またはニトロ基を持つもの、アジド基を持つもの等も使用でき、これらの例としては、TMETN(トリメチロールエタントリナイトレート)、BDNPA/F(ビス−2,2−ジニトロプロピルアセタールとビス−2,2−ジニトロプロピルフォルマールとの混合物)、GAP可塑剤(平均分子量が概ね1000以下であって水酸基を持っていないGAPであり、例えば3M社製L−12616として入手可能)等がある。以上の可塑剤は2種以上を併用することができる。可塑剤の使用量としては、推進薬の成分の内、酸素含有粒子、燃料金属粒子、燃焼触媒等の混合成型時の固体粉末成分を除いた残りの量、すなわちバインダの量を100重量%として、この中の10〜70重量%、さらに好ましくは30〜60重量%とするのが良い。この値が10重量未満でも使用できるが、用途によっては低温での機械物性が不足する。この値が70重量%を越えると推進薬が高温において柔らかくなりすぎる。
【0035】
本発明の推進薬に対し、さらに、硬化触媒、結合剤、燃料金属粒子、燃焼触媒、老化防止剤等のその他の通常の添加剤を加えることは差し支えない。
硬化触媒は、推進薬の混合成型後の硬化時間を短縮するためのもので、一例としては、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)等の有機スズ化合物、トリフェニルビスマス等の有機ビスマス化合物が使用できる。
結合剤は、酸化剤粒子とバインダとを結合するもので、HX752(3M社製)等のアジリジン系、TEPAN(テトラエチレンペンタミンとアクリロニトリルとの反応生成物)、TEPANOL(テトラエチレンペンタミンとアクリロニトリルとグリシドールとの反応生成物)等のアミン系、DHE(ジヒドロキシエチル−5,5−ジメチルヒダントイン)等のヒダントイン系等が、適宜使用できる。
【0036】
燃料金属粒子としては、アルミニウム粉が一般的であるが、燃焼時に白煙を発するので、白煙を望まない場合はこれを使用しない。
燃焼触媒は、推進薬の燃焼速度を調整するためのもので、必要に応じて、酸化鉄等の鉄化合物、酸化クロム、重クロム酸アンモニウム、亜クロム酸銅等のクロム化合物、ステアリン酸鉛等の鉛化合物、弗化リチウム等のリチウム化合物等が使用できる。
老化防止剤としては、N−フェニル−N´−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン系、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のフェノール系、2−メルカプトベンツイミダゾール等のベンツイミダゾール系で代表される一般的なゴム用老化防止剤が使用できる。
【0037】
本発明の推進薬は、前記酸素含有粒子、本発明のブロック共重合体及びイソシアネート化合物、さらに必要に応じてその他の添加物とを適切な温度で混合し、(i)流動性のあるスラリが得られる場合、所望の型に注型し、あるいは (ii) 流動性の不足する場合は所望の型に充填した後、圧縮操作を行い成型し、該注型あるいは成型後は適切な温度で適切な期間保持して硬化させ、所定の形状を持った推進薬を得る。例えば、本発明の推進薬を製造するには、前記酸素含有粒子、本発明のブロック共重合体、イソシアネート化合物及びその他の添加物とを40〜60℃程度の温度で混合し、流動性のあるスラリにした後、所望の型に注型する。注型後は50〜60℃程度の温度で5〜15日程度保持して硬化させ、所定の形状を持った推進薬を得ることができる。場合によっては、上記注型法のかわりに、圧填法も使用でき、この場合は、同様に、前記酸素含有粒子、本発明のブロック共重合体、イソシアネート化合物及びその他の添加物とを40〜60℃程度の温度で混合した後、この混合物は流動性が不足しているので、所望の型に充填した後、圧縮操作を行い、その後同様に50〜60℃程度の温度で5〜15日程度保持して硬化させ推進薬を得ることができる。以上のようにして製造された推進薬は、低温での機械物性が良好であり、燃焼により放出されるエネルギーも大きく、固体燃料ロケットモータ用として好適に使用できる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]
ダイセル化学工業(株)製のポリカプロラクトンテトラオール、商品名プラクセル405D(数平均分子量500)212gと、モノマーであるエピクロロヒドリン1074g、溶媒の四塩化炭素1738gとをフラスコに仕込み、窒素気流下、20℃に保った。攪拌しながら、これに重合触媒の三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体12.1gと塩化メチレン104gとの混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、フラスコ内温度を30℃で制御しながら、滴下開始から8時間重合した。この時の反応液をガスクロにより分析した結果、モノマー(エピクロロヒドリン)のポリマーへの転化率は約95%であった。この反応液をビーカーに入れ、2500gの蒸留水を添加し10分間攪拌して反応を停止させた。さらに4%炭酸水素ナトリウム水溶液2500gを添加し10分間攪拌して中和した。
【0039】
上記反応液の有機層を分液ロートで取り出し、有機層1容量に対し5倍容量の蒸留水で洗浄し、再度有機層を取り出した。この洗浄操作を合計3回繰り返した後、有機層をロータリエバポレータにかけ、揮発分をカットし、ポリカプロラクトン/ポリエピクロロヒドリンブロック共重合体(収率95.6%)を、ほぼ無色で透明の粘性液体として得た。
このポリカプロラクトン/ポリエピクロロヒドリンブロック共重合体の赤外線吸収スペクトルを測定した結果を図1に示した。1730cm-1付近にエステルカルボニルの吸収、1110cm-1付近に脂肪族エーテルの吸収、750cm−1付近に炭素−塩素結合の吸収がそれぞれ観察され、当該共重合体であることを確認した。
【0040】
この共重合体の水酸基価を滴定にて測定したところ、104mgKOH/gであり、この値から求めた数平均分子量は2160であった。
この共重合体の一部450gと溶媒のDMF(ジメチルホルムアミド)4000gとをフラスコに仕込み、これにアジ化ナトリウム275gを加え、窒素を液中に吹き込みながら、85〜90℃の温度で27時間攪拌保持し、当該共重合体のポリエピクロロヒドリンブロックに存在している塩素をアジド基に置換した。冷却後、この反応粗液1容量に対し、塩化メチレン1容量と蒸留水1容量とを加え、塩化メチレン層に反応生成物を抽出した。この塩化メチレン層1容量に対し、蒸留水5容量を加えて洗浄し、塩化メチレン層を取り出した。この洗浄操作を合計3回繰り返した後、塩化メチレン層をロータリエバポレータにかけて、揮発分をカットし、本発明のポリカプロラクトン/グリシジルアジドポリマーブロック共重合体テトラオールを淡褐色透明の粘性液体として取得した。
【0041】
上記、本発明のポリカプロラクトン/グリシジルアジドポリマーブロック共重合体の赤外線吸収スペクトルを測定した結果を図2に示した。1730cm-1付近のエステルカルボニルの吸収、1110cm-1付近の脂肪族エーテルの吸収はいずれも図1のポリカプロラクトン/ポリエピクロロヒドリンブロック共重合体と同様に観察された。一方、図1で観察された750cm-1付近の炭素−塩素結合の吸収は図2では消失しており、かわりに2100cm-1付近に脂肪族アジドの強く鋭い吸収が観察された。この結果、ポリカプロラクトン/ポリエピクロロヒドリンブロック共重合体から、本発明のポリカプロラクトン/グリシジルアジドポリマーブロック共重合体が合成されたことを確認した。
【0042】
さらに、上記、本発明のブロック共重合体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、複雑な比較的幅広いピークが複数箇所に見られた。それらのピークの化学シフトおよび面積比は下記のとおりであった。
【0043】
化学シフト(ppm) 面積比
0.8〜0.9 1.0
1.3〜1.5 1.5
1.5〜1.7 1.6
2.2〜2.4 0.8
3.2〜3.5 11.1
3.5〜3.9 10.1
3.9〜4.1 1.5
【0044】
さらに、この共重合体の水酸基価を測定したところ、92mgKOH/gであり、この値から求めた数平均分子量は2440であった。なお、ゲルパーミエイションクロマトグラフィにて測定したポリスチレン基準の重量平均分子量は2510であった。また、DSC(示差走査熱量計)にて10℃/分の昇温速度で測定したガラス転移温度(JIS−K7121に規定されている補外ガラス転移開始温度)は−58℃であった。
以上の概要を表1に示した。
【0045】
[実施例2]
仕込みモノマーとしてエピクロロヒドリンのかわりに、エピクロロヒドリン/THFの8/2(モル比)混合物を用いる他は実施例1と同様の実験を繰り返した。最終的に得られた本発明のポリカプロラクトン/THFGAPブロック共重合体テトラオールの水酸基価は84mgKOH/gであり、この値から求めた数平均分子量は2660であった。また、DSCにて同様に測定したガラス転移温度は−60℃であった。
以上の概要を表1に示した。
【0046】
[実施例3]
仕込みモノマーとしてエピクロロヒドリンのかわりに、エピクロロヒドリン/THFの6/4(モル比)混合物を用いる他は実施例1と同様の実験を繰り返した。最終的に得られた本発明のポリカプロラクトン/THFGAPブロック共重合体テトラオールの水酸基価は87mgKOH/gであり、この値から求めた数平均分子量は2580であった。また、DSCにて同様に測定したガラス転移温度は−66℃であった。
以上の概要を表1に示した。
【0047】
[比較例1]
実施例1で使用したポリカプロラクトンテトラオール212g(0.424モル)のかわりに、ジグリセリン70.4g(0.424モル)を用い、モノマーとしてエピクロロヒドリン1216gを用いて、実施例1と同様の方法でGAPテトラオールを得た。このGAPの水酸基価は89mgKOH/gであり、この値から求めた数平均分子量は2520であった。また、DSCにて同様に測定したガラス転移温度は−52℃であった。
以上の概要を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
[実施例4]
ダイセル化学工業(株)製のポリカプロラクトントリオール、商品名プラクセル305(数平均分子量500)185gとBAMO489g、THF140g(BAMO/THFのモル比は6/4)、塩化メチレン1150gとをフラスコに仕込み、窒素気流下、25℃に保った。攪拌しながら、これに重合触媒の三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体26.3gと塩化メチレン105gとの混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、フラスコ内の温度を35℃に保ち、攪拌しながら7日間重合した。この反応液をビーカーに入れ、2000gの蒸留水を添加し10分間攪拌して反応を停止させた。さらに4%炭酸水素ナトリウム水溶液2000gを添加し10分間攪拌して中和した。
【0050】
上記反応液の有機層を分液ロートで取り出し、有機層1容量に対し5倍容量の蒸留水で洗浄し、再度有機層を取り出した。この洗浄操作を合計3回繰り返した後、有機層をロータリエバポレータにかけ、揮発分をカットし、本発明のポリカプロラクトン/ポリ(BAMO・THF)ブロック共重合体トリオールを得た。この共重合体の水酸基価を滴定にて測定したところ、83mgKOH/gであり、この値から求めた数平均分子量は2030であった。また、DSC(示差走査熱量計)にて10℃/分の昇温速度で測定したガラス転移温度は−61℃であった。
以上の概要を表2に示した。
【0051】
【表2】
【0052】
[実施例5〜8、比較例2]
以上の実施例1〜4及び比較例1にて合成したアジド基含有ポリマーを用い、一般的な混合、注型法に従って、推進薬を作成した。すなわち、表3に示した重量比でそれぞれ原料を混合した。この際、表に示したように、硬化物の架橋の程度を調整するために、ダイセル化学工業(株)製のポリカプロラクトンジオール、商品名プラクセル220(数平均分子量2000)、同ポリカプロラクトントリオール、商品名プラクセル308(数平均分子量800)を添加した。表の混合物はいずれも流動性を持っており、注型成型後、60℃で7日間硬化させ、それぞれ推進薬を作成した。
【0053】
これらの推進薬について、引張試験、燃焼試験を行い、その結果を表4に示した。燃焼試験により、本発明の推進薬は良好に燃焼することが確認できた。また、引張試験の結果で特徴的なことは、比較例2の推進薬では、−30℃から−45℃に低温になるにつれ、伸度(最大応力時歪)が低下し、弾性率が急激に増加している。一方、本発明の推進薬では、当該温度変化によって、伸度は増加し、弾性率は概ね穏やかな増加に留まっている。すなわち、比較例の推進薬は、−45℃で柔軟性を失っているのに対し、本発明の推進薬は−45℃でもなお柔軟性を有しており、低温物性が良好なことが確認できた。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】
上記のように、本発明のブロック共重合体は、分岐構造を持つポリカプロラクトンブロックにより、重合体全体が柔軟構造を持つので、ブロック共重合体中のアジド基濃度を上げて高エネルギ化しやすい。また、当該ブロック共重合体を一成分にした本発明の推進薬は、分子量の小さいジイソシアネート化合物により直接に硬化可能であって、架橋点付近の分子鎖が柔軟化されているので、高エネルギでありながら、低温での機械物性は良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリカプロラクトン/ポリエピクロロヒドリンブロック共重合体(本発明のブロック共重合体の前駆体)の赤外線吸収スペクトル図である。
【図2】本発明のポリカプロラクトン/グリシジルアジドポリマーブロック共重合体の赤外線吸収スペクトル図である。

Claims (14)

  1. 中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合したアジド基含有ポリエーテルブロックとからなるブロック共重合体であって、前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、繰り返し単位として、
    のいずれか1種以上からなり、前記ブロック共重合体の平均分子量が1500〜6000であることを特徴とするブロック共重合体。
  2. 前記ポリカプロラクトンブロックが、3価以上のアルコールから重合開始されたことによって分岐構造を持つことを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体。
  3. 前記ポリカプロラクトンブロックが、以下の式(1)又は式(2):
    (ただし、ここでRは3価又は4価のアルコール残基を表し、n1〜n4はそれぞれ0以上の整数であって、n1〜n4(式(1)においてはn1〜n3)の総和は2〜10の整数であり、[e]はこの部分に前記アジド基含有ポリエーテルブロックが結合することを示す)で表されることを特徴とする請求項2記載のブロック共重合体。
  4. 前記3価又は4価のアルコール残基Rが、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパンからなる群のいずれか1種の多価アルコールの残基であることを特徴とする請求項3記載のブロック共重合体。
  5. 前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、繰り返し単位として、
    のいずれか1種以上を含み、さらに、該ポリエーテルブロックが、
    をも含むブロックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載のブロック共重合体。
  6. 酸素含有粒子とバインダとからなり、該バインダがアジド基含有重合体とイソシアネート化合物とが3次元架橋したウレタン化物を含有する推進薬において、前記アジド基含有重合体が、中央のポリカプロラクトンブロックと該ブロックに化学結合したアジド基含有ポリエーテルブロックとからなる数平均分子量が1500〜6000のブロック共重合体であって、前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、繰り返し単位として、
    のいずれか1種以上からなり、前記酸素含有粒子が、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、シクロテトラメチレンテトラニトラミン、及びシクロトリメチレントリニトラミンからなる群から選ばれたいずれか1種以上であることを特徴とする推進薬。
  7. 前記ポリカプロラクトンブロックが、多価アルコール1分子当たり2〜10のカプロラクトンが付加したものであることを特徴とする請求項6記載の推進薬。
  8. 前記イソシアネート化合物が、前記ブロック共重合体の水酸基及び添加物に存在する水酸基の合計量の0.9〜1.1倍(官能基の等量比)の範囲内であることを特徴とする請求項6又は7記載の推進薬。
  9. 前記ポリカプロラクトンブロックが、3価以上のアルコールから重合開始されたことによって分岐構造を持つことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一記載のブロック共重合体。
  10. 前記ポリカプロラクトンブロックが以下の式(1)又は式(2):
    (ただし、ここでRは3価又は4価のアルコール残基を表し、 n1〜n4はそれぞれ0以上の整数であって、n1〜n4(式(1)においてはn1〜n3)の総和は2〜10の整数であり、[e]はこの部分に前記アジド基含有ポリエーテルブロックが結合することを示す)で表されることを特徴とする請求項9記載の推進薬。
  11. 前記3価又は4価のアルコール残基Rが、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパンからなる群のいずれか1種の多価アルコールの残基であることを特徴とする請求項10記載の推進薬。
  12. 前記アジド基含有ポリエーテルブロックが、繰り返し単位として、
    のいずれか1種以上を含み、さらに、該ポリエーテルブロックが
    をも含むブロックであることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一記載の推進薬。
  13. 前記ウレタン化物の前駆体として、1分子当り2〜4個の水酸基を持ち数平均分子量が300〜2000のポリカプロラクトンをさらに含有することを特徴とする請求項6〜12のいずれか一記載の推進薬。
  14. 前記酸素含有粒子が推進薬中に60〜85重量%含有されることを特徴とする請求項6〜13のいずれか一記載の推進薬。
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