JP4088087B2 - 医療用磁気誘導装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用磁気誘導装置、更に詳しくは被検体内に挿入されて検査、治療又は処置などの医療行為を行うカプセル型医療機器、光学内視鏡、超音波内視鏡、腹腔内処置器具、カテーテル等の挿入部を、複雑な体内管路に磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、内視鏡（光学内視鏡及び超音波内視鏡）やカテーテル、ガイドワイヤなどは、細長な管状部材である挿入部を体腔内に挿入し、目的部位を検査、治療又は処置する医療機器である。
また、挿入部としてカプセル型医療機器は、患者等に飲み込ませて体腔内を通過させながら目的部位を検査、治療又は処置する飲み込み型の医療機器である。
【０００３】
上記内視鏡やカテーテル、ガイドワイヤなどの医療機器は、体腔内管路が複雑に屈曲しているため、挿入作業に熟練した者でないと、挿入に時間がかかり、煩雑である。一方、上記カプセル型医療機器は、体腔内管路内を誘導しなければ目的部位まで到達できなかったり、ただ通過してしまうことになる。
【０００４】
これに対処するために、例えば、日本国特許第３０１７７７０号公報は、上記カプセル型医療機器、内視鏡やカテーテル、ガイドワイヤ等の挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置を提案している。
上記日本国特許第３０１７７７０号公報に記載されている医療用磁気誘導装置は、患者ベッドを挟んで相対する一組の電磁石を備え、この一組の電磁石に通電することで、上記挿入部に設けた磁石に作用する磁界を発生させるものである。
【０００５】
上記日本国特許第３０１７７７０号公報に記載の医療用磁気誘導装置は、上記一組の電磁石に通電する電流の向きを反転させたり、電流を変化させたり等することで、発生させる磁界を変化させ、上記挿入部を所望の目的部位まで誘導するようになっている。
しかしながら、上記日本国特許第３０１７７７０号公報に記載の医療用磁気誘導装置は、上記一組の電磁石を患者ベッドの垂直方向（Ｚ軸）、水平方向（Ｘ軸、Ｙ軸）に移動可能であるが、磁界を発生させる電磁石が一組であり、発生させる磁界を垂直方向である一軸方向にしか変化させることができない。
【０００６】
一方、これに対して、例えば、日本国特許特開２００１−１７９７００（Ｐ２００１−１７９７００Ａ）に記載されている医療用磁気誘導装置は、発生させる磁界を垂直方向及び水平方向の３軸方向に変化させて、上記カプセル型医療機器等のマイクロマシンを磁気的に誘導するものが提案されている。
上記日本国特許特開２００１−１７９７００（Ｐ２００１−１７９７００Ａ）に記載の医療用磁気誘導装置は、発生させる磁界を垂直方向及び水平方向の３軸方向に変化させるので、上記挿入部を３次元的に誘導することが容易である。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記日本国特許特開２００１−１７９７００（Ｐ２００１−１７９７００Ａ）に記載の医療用磁気誘導装置は、発生させる磁界を垂直方向及び水平方向の２軸方向に変化させるため、装置が大型化して患者に恐怖感（抵抗感）を与える虞れがある。
また、上記日本国特許特開２００１−１７９７００（Ｐ２００１−１７９７００Ａ）に記載の医療用磁気誘導装置は、取り扱い等について考慮されていない。
【０００８】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、患者に抵抗感を与えず、小型で取り扱い易い医療用磁気誘導装置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明の第１の医療用磁気誘導装置は、被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、を備え、前記磁界発生手段は、略キュービック状を呈すると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする。
本発明の第２の医療用磁気誘導装置は、被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、を備え、前記磁界発生手段は、箱型容器状を呈すると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする。
本発明の第３の医療用磁気誘導装置は、被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、を備え、前記磁界発生手段は、椅子型の台と一体化して構成されると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
（第１の実施の形態）
図１ないし図８は本発明の第１の実施の形態に係り、図１は本発明の第１の実施の形態の磁気誘導装置を示す斜視図、図２は図１の磁界発生部の分割構成を示す斜視図、図３はカプセル型医療機器を示す構成図、図４は回転磁界中のカプセル型医療機器を示す説明図、図５は小腸内を移動するカプセル型医療機器を示す説明図、図６は内視鏡を示す説明図、図７は挿入方向を変更されている際の内視鏡の挿入部先端側を示す説明図、図８は磁気誘導装置の変形例を示す斜視図であり、図８（ａ）は患者が収納されている際の磁気誘導装置の斜視図、図８（ｂ）は同図（ａ）の磁界発生部の分割構成を示す斜視図である。
【００１１】
図１に示すように本発明の第１の実施の形態の医療用磁気誘導装置（以下、単に磁気誘導装置）１は、患者収納領域として患者が座れるような椅子型に形成され、磁界発生部２を設けた椅子型装置本体１Ａを有して構成される。
前記磁界発生部２は、互いに向かい合う一対の電磁コイル３ａがヘルムホルツコイル３を形成し、このヘルムホルツコイル３を３組組み合わせて台４上に略キュービック状に構成されている（図２参照）。
【００１２】
前記磁界発生部２は、電源ケーブル５（５ａ，５ｂ）を介して前記３組のヘルムホルツコイル３に図示しない制御部が接続されるようになっている。この制御部は、前記３組のヘルムホルツコイル３に通電する電流を例えば、電流の向きを反転させたり、電流を変化させたりすることで、前記３組のヘルムホルツコイル３が３次元的に回転磁界を形成するように制御を行うようになっている。
【００１３】
このことにより、前記磁気誘導装置１は、前記磁界発生部２が形成する回転磁界により、カプセル型医療機器１０（図３参照）に設けた磁石に作用して体腔内での進行方向を誘導すると共に、カプセル型医療機器１０を体腔内中で移動させるための動力発生手段を構成している。また、前記磁気誘導装置１は、前記磁界発生部２が形成する回転磁界により、内視鏡（図６参照）やカテーテル、ガイドワイヤ等の挿入部（管状部材）に設けた磁石に作用して体腔内での進行方向を誘導するようになっている。尚、図１中、挿入部としては、カプセル型医療機器が描かれている。
【００１４】
また、前記磁界発生部２は、前記略キュービック状の４面にそれぞれ前記電磁コイル３ａの存在しない部分の患者の首、両脚及び両腕が自在に抜き差し可能な切欠部１１を形成している。尚、図１中、前記磁界発生部２は、患者の臀部及び背面に当たる部分に切欠部１１を形成していないが、前記電磁コイル３ａの存在しない部分で且つ患者が楽であれば、切欠部１１を形成しても構わない。
【００１５】
前記椅子型装置本体１Ａは、患者の両脚を乗せるための脚置き部１２が前記台上の前記磁界発生部２の下部に延出して形成されている。このため、前記椅子型装置本体１Ａは、患者の両脚が前記切欠部１１から延び出されたとき、前記脚置き部１２に患者の両脚を置くことができ、患者のみならず検査等を行うユーザにとっても楽である。
【００１６】
本実施の形態では、前記椅子型装置本体１Ａは、前記磁界発生部２が必要時に一部を分割可能に構成する。即ち、図２に示すように前記磁界発生部２は、台４上に一体化した磁界発生部２Ａと、患者の首、両脚が抜き差し可能な切欠部１１を形成している磁界発生部２Ｂとの２つに分割可能に構成されている。尚、前記磁界発生部２Ｂは、前記磁界発生部２Ａに掛止される掛止部材１３を設けている。
【００１７】
このことにより、前記椅子型装置本体１Ａは、前記磁界発生部２Ｂを取り外して前記磁界発生部２Ａに患者を座らせた後、前記切欠部１１に首及び両脚をくぐらせながら前記磁界発生部２Ｂを取り付けて、掛止部材１３で掛止することで、簡単に前記磁界発生部２を形成することが可能である。
【００１８】
このように構成された磁気誘導装置１は、患者が挿入部として例えば、カプセル型医療機器を飲み込み、前記椅子型装置本体１Ａに座って検査、治療又は処置などの医療行為を行われる。
【００１９】
このとき、上述したようにユーザは、椅子型装置本体１Ａから磁界発生部２Ｂを取り外して患者を磁界発生部２Ａに患者を座らせた後、患者の首及び両脚をくぐらせながら磁界発生部２Ｂを取り付ける。そして、ユーザは、椅子型装置本体１Ａの磁界発生部２Ａ，Ｂの電源ケーブル５ａ，５ｂを制御部に接続して用いる。
【００２０】
先ず、図３ないし図５を参照してカプセル型医療機器１０を用いた場合を説明する。図３に示すようにカプセル型医療機器１０は、磁気誘導装置１の磁界発生部２が形成する回転磁界に作用するための永久磁石（以下、単に磁石）２１を内蔵して構成される。尚、ここで使用する磁石は、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、鉄・クロム・コバルト磁石、プラチナ磁石、アルニコ（AlNiCo）磁石などの永久磁石である。ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石などの希土類系磁石は、磁力が強く、カプセルに内蔵する磁石を小さくできるメリットがある。一方、フェライト磁石は、安価であるというメリットがある。更に、プラチナ磁石は、耐腐食性が優れており、医療用に適している。
【００２１】
また、カプセルに内蔵する磁石は、永久磁石に限らず、コイルで形成されるものでも良い。この場合、カプセルは、内蔵電池等の電源からの電流によってコイルに磁力を発生させても良いし、内蔵コンデンサなどに一次的に蓄積した電力でコイルを磁石化させる方法でも良い。更に、カプセルは、内蔵電源でなく、内部コイルによって発電させ、この電力をコンデンサに蓄えて別のコイルを磁石化させる方法でも良い。この場合、カプセルは、内蔵電池の容量制限が無くなり、長時間の稼動が可能になる。尚、発電用のコイルと磁石用のコイルとは、兼用しても良い。
【００２２】
カプセル型医療機器１０は、例えば、照明光学系２２、対物光学系２３ａを有する撮像装置２３を備えて構成される。更に、カプセル型医療機器１０は、検査、治療又は処置などの医療行為が可能な図示しない処置装置を備えて構成される。尚、この処置部は、例えば、薬剤を散布可能な投薬部や鉗子等の処置具を有する処置具部又は切開／凝固処置等を行うための超音波処置部や高周波電気処置部或いは熱処置部やレーザ処置部等である。
【００２３】
前記カプセル型医療機器１０は、体腔内のガスや体液等の流体が連通可能な螺旋溝２４ａを外周面に形成した螺旋部２４が設けられている。この螺旋部２４は、カプセル本体１０ａの外表面に一体的に設けても良いし、或いはカプセル本体１０ａに着脱自在に装着可能な構成であっても良い。
【００２４】
そして、ユーザは、図示しない電源をオンし、磁気誘導装置１を作動させる。すると、椅子型装置本体１Ａは、制御部から磁界発生部２の３組のヘルムホルツコイル３にそれぞれ電流が供給され、図４に示すように３次元的に回転磁界３０を形成するように制御される。尚、図４中、回転磁界３０は、模式的に描かれている。
【００２５】
カプセル型医療機器１０は、回転磁界３０に磁石２１が作用すると、この磁石２１が受ける作用により回転するようになっている。そして、カプセル型医療機器１０は、螺旋溝２４ａに連通する体腔内のガスや体液等の流体により、回転力が推進力に変換されて、進退動可能になっている。
【００２６】
尚、カプセル型医療機器１０は、進行方向を変える際に回転磁界３０の回転に伴い、磁石２１がこの回転平面と回転磁場の回転平面とが一致するように回転しながら進行方向（向き）を変更するようになっている。
【００２７】
このようにしてカプセル型医療機器１０は、例えば、図５に示すように小腸３１等の屈曲した体内管路を目的部位まで導かれ、検査、治療又は処置などの医療行為を行うことが可能である。
【００２８】
次に、図６及び図７を参照して内視鏡等の医療機器を用いた場合を説明する。尚、本実施例では、内視鏡を用いた場合を説明する。図６に示すように内視鏡４０は、磁気誘導装置１の磁界発生部２が形成する均一磁界に作用するための（永久）磁石４１を管状部材である挿入部４２の先端部４２ａに設けて構成される。尚、この磁石４１は、挿入部先端部４２ａに内蔵しても良いし、或いは着脱自在に装着可能な構成であっても良い。
【００２９】
そして、ユーザが例えば、患者の口から内視鏡４０の挿入部４２を挿入していく。このとき、ユーザは、図示しない電源をオンし、磁気誘導装置１を作動させる。すると、椅子型装置本体１Ａは、制御部から磁界発生部２の３組のヘルムホルツコイル３にそれぞれ電流が供給され、３次元的に均一磁界を形成するように制御される。そして、内視鏡４０は、均一磁界に磁石４１が作用すると、この磁石４１が受ける作用により挿入部先端部４２ａの向き、即ち挿入方向を変えられるようになっている。
【００３０】
このようにして内視鏡４０は、例えば、図７に示すように小腸３１等の屈曲した体内管路を目的部位まで導かれ、検査、治療又は処置などの医療行為を行うことが可能である。
【００３１】
この結果、本実施の形態の磁気誘導装置１は、磁界発生部２が分割可能に構成されているので患者が抵抗感なく、患者収納領域に入ることが楽であり、小型で取り扱い易いという効果を得る。
【００３２】
また、磁気誘導装置は、椅子型装置本体を図８に示すように磁界発生部が分割可能ではなく、開閉可能に構成しても良い。図８（ａ）に示すように磁気誘導装置５１は、磁界発生部５２が開閉可能に構成された椅子型装置本体５１Ａを有して構成される。
【００３３】
即ち、前記磁界発生部５２は、図８（ｂ）示すように台４上で一体的に設けられ、患者の両腕のうち、どちらか一方の片腕、首及び両脚が抜き差し可能な切欠部１１を形成している３つの部分がそれぞれ台４上で開閉可能に構成されている。
【００３４】
これにより、前記椅子型装置本体５１Ａは、前記３つの部分を開けて、患者を座らせた後、前記切欠部１１に患者の片腕、首及び両脚をくぐらせながら前記３つの部分を閉じることで、簡単に前記磁界発生部５２を形成することが可能である。従って、前記磁気誘導装置は、磁界発生部５２が前記椅子型装置本体５１Ａに一体化しているので、開閉するだけで済み、取り扱いが楽である。
【００３５】
この結果、本変形例の磁気誘導装置５１は、上記第１の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、更に取り扱いが楽である。
尚、前記椅子型装置本体５１Ａは、患者の両脚を乗せるための脚置き部１２を設けていないが、この脚置き部１２を前記椅子型装置本体１Ａと同様に設けて構成しても構わない。
【００３６】
（第２の実施の形態）
図９ないし図１２は本発明の第２の実施の形態に係り、図９は本発明の第２の実施の形態の磁気誘導装置を示す説明図、図１０は患者が収納されている際の磁気誘導装置の斜視図、図１１は磁気誘導装置の変形例を示す斜視図、図１２は図１１の磁気誘導装置の動作を示す説明図であり、図１２（ａ）は磁気誘導装置の便座の通路から患者へ経肛門的にカプセル型医療機器を挿入する際の説明図、図１２（ｂ）は同図（ａ）の斜視図である。
【００３７】
上記第１の実施の形態は、椅子型に構成された椅子型装置本体を用いて構成されているが、本第２の実施の形態は患者が容器内に収容される箱型状容器を用いて構成される。それ以外の構成は、上記第１の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【００３８】
即ち、図９に示すように本第２の実施の形態の磁気誘導装置６１は、患者収納領域として患者が容器内に収容されるバスタブ（箱型容器）状に構成され、磁界発生部６２を設けた箱型装置本体６１Ａを有して構成される。前記箱型装置本体６１Ａは、この容器内に患者が座れる便座６３を設けて構成される。
【００３９】
尚、前記便座６３は、患者がそのまま排泄可能に構成されている。また、この便座６３は、この内部に磁性体で形成した図示しない網を張っており、挿入部として上記第１の実施の形態で説明したカプセル型医療機器１０を回収可能である。
【００４０】
また、前記磁界発生部６２は、上記第１の実施の形態で説明したのと同様なヘルムホルツコイル３を３組組み合わせて構成される。
前記磁界発生部６２は、３組のヘルムホルツコイル３のうち、水平方向の２組を前記箱型装置本体６１Ａの互いに相対する容器壁６４に組み込まれて構成される。
【００４１】
一方、前記磁界発生部６２は、患者の垂直方向（Ｚ軸）方向に配置されるヘルムホルツコイル３（電磁コイル３ａ）の１組を上側が開閉可能で、患者の首が抜き差し可能な切欠部６６を形成した蓋部６５内に組み込まれ、他方を前記便座６３内に組み込まれて構成される。
【００４２】
このことにより、前記箱型装置本体６１Ａは、前記蓋部６５を開けて患者が容器内に入り前記便座６３に座った後、前記切欠部６６に患者の首をくぐらせながら前記蓋部６５を閉じることで、図１０に示すように簡単に前記磁界発生部６２を形成することが可能である。
【００４３】
従って、前記磁気誘導装置６１は、前記箱型装置本体６１Ａの容器壁６４にヘルムホルツコイル３が組み込まれて構成されているので、患者に電磁コイル３ａの存在を感じさせることがないので、患者が違和感無く医療行為を受けられる。
【００４４】
そして、ユーザは、前記箱型装置本体６１Ａの磁界発生部６２の電源ケーブル５を制御部に接続して上記第１の実施の形態で説明したのと同様に、挿入部として例えば、カプセル型医療機器１０を用いて、検査、治療又は処置などの医療行為を行える。
この結果、本第２の実施の形態の磁気誘導装置６１は、上記第１の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、患者に違和感なく用いることが可能である。
【００４５】
また、磁気誘導装置は、箱型装置本体を図１１に示すように２軸方向に回動自在に構成しても良い。
図１１に示すように磁気誘導装置７１は、箱型容器７２が２つの回転軸７３ａ，７３ｂに回動自在に軸支された箱型装置本体７１Ａを有して構成される。
【００４６】
前記箱型容器７２は、上記第２の実施の形態で説明したのと同様に、前記磁界発生部６２を形成しているヘルムホルツコイル３（電磁コイル３ａ）が容器壁６４、蓋部６５及び便座６３に組み込まれて構成される。そして、前記箱型装置本体７１Ａは、前記箱型容器７２の下部に、前記２つの回転軸７３ａ，７３ｂを回転自在に回動駆動させる図示しない回動駆動部を設けて構成される。
【００４７】
このことにより、前記磁気誘導装置７１は、前記回動駆動部の駆動により前記箱型容器７２が回転自在に回動駆動されることで、上記第１の実施の形態で説明した前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部に対する重力方向を制御することが可能である。尚、前記回動駆動部は、図示しないが上記第１の実施の形態で説明した制御部の制御により、前記磁界発生部６２で形成される回転磁界３０に同期して駆動制御されるようになっている。
【００４８】
また、前記磁気誘導装置７１は、図１２（ａ）に示すように前記便座６３の通路７４から患者へ経肛門的に前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部を挿入可能になっている。尚、前記便座６３の通路７４から患者へ経肛門的に入れられるのは、前記挿入部でなくとも、座薬等でも良い。
【００４９】
このとき、前記磁気誘導装置７１は、図１２（ｂ）に示すように前記回動駆動部の駆動により、前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部を挿入可能な回転角度に調節されつつ、回動駆動される。
【００５０】
これにより、本変形例の磁気誘導装置７１は、上記第２の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部や座薬等を患者に経肛門的に楽に入れることが可能である。また、本変形例の磁気誘導装置７１は、胃、小腸通過不要で時間短縮が可能なので、トータル検査時間の短縮化が可能となる。
【００５１】
（第３の実施の形態）
図１３ないし図１９は本発明の第３の実施の形態に係り、図１３は本発明の第３の実施の形態の磁気誘導装置を示す斜視図、図１４は図１３の磁気誘導装置を患者の足側から見た説明図、図１５は磁気誘導装置の変形例を示す斜視図、図１６は図１５の磁気誘導装置を脚部側から見た説明図、図１７は磁気誘導装置の更なる変形例を示す斜視図、図１８は回動駆動部の回動駆動により患者ベッドが磁気発生部と共に回動駆動する磁気誘導装置の動作を示す説明図であり、図１８（ａ）はベッド型装置本体の下部が右側に傾いて、磁気発生部と共に患者ベッドの脚置き部が上側に持ち上がると共に、背もたれ部が下側に下がった状態の磁気誘導装置を示す説明図、図１８（ｂ）はベッド型装置本体の下部が左側に傾いて、磁気発生部と共に患者ベッドの脚置き部が床に付くと共に、背もたれ部が上側に上がった状態の磁気誘導装置を示す説明図、図１８（ｃ）はベッド型装置本体の下部が左右方向に傾いて、磁気発生部と共に患者ベッドの脚置き部が左側に向くと共に、背もたれ部が右側に向いた状態の磁気誘導装置を示す説明図、図１９は回動駆動部の回動駆動により磁気発生部が固定されて回動駆動せず、患者ベッドのみが回動駆動する磁気誘導装置の動作を示す説明図であり、図１９（ａ）はベッド型装置本体の下部が右側に傾いて、患者ベッドの脚置き部が床に付くと共に、背もたれ部が上側に上がった状態の磁気誘導装置を示す説明図、図１９（ｂ）はベッド型装置本体の下部が左側に傾いて、磁気発生部が動くことなく、患者ベッドの脚置き部が床に付くと共に、背もたれ部が上側に上がった状態の磁気誘導装置を示す説明図である。
【００５２】
上記第１，第２の実施の形態は、椅子型や箱型等に構成された装置本体に磁界発生部を設けて構成されているが、本第３の実施の形態は患者ベッドに磁界発生部を設けて構成する。それ以外の構成は、上記第１の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【００５３】
即ち、図１３に示すように本第３の実施の形態の磁気誘導装置８１は、患者収納領域として患者が横になる（寝る）患者ベッド８２に磁界発生部８３を設けたベッド型装置本体８１Ａを有して構成される。
【００５４】
前記磁界発生部８３は、ドーナツ状のヘルムホルツコイル８４（電磁コイル３ａ）を２組組み合わせて２軸の回転磁界を形成するように構成される。前記磁界発生部８３は、２組のヘルムホルツコイル８４ａ，８４ｂのうち、水平方向の１組８４ａを患者ベッド８２の側部に設けて構成される。
【００５５】
この水平方向のヘルムホルツコイル８４ａは、一方が患者ベッド８２の側部から延出する延出部材８５ａに固定され、これに相対する他方が延出部材８５ｂに開閉可能に軸支されている。また、垂直方向のヘルムホルツコイル８４ｂは、一方が患者ベッド８２に内蔵されている。また、これに相対する他方のヘルムホルツコイル８４ｂは、前記開閉可能な水平方向のヘルムホルツコイル８４ａの軸支側と反対側に一体的に設けられている。
【００５６】
尚、この垂直方向のヘルムホルツコイル８４ｂは、前記開閉可能な水平方向のヘルムホルツコイル８４ａが閉じられた際に、前記延出部材８５ａに固定された水平方向のヘルムホルツコイル８４ａに掛止される掛止部材８６を設けている。
【００５７】
このことにより、前記ベッド型装置本体８１Ａは、患者が患者ベッド８２に横になった後、図１４に示すように前記開閉可能な水平方向のヘルムホルツコイル８４ａを閉じて相対側のヘルムホルツコイル８４ａに前記垂直方向のヘルムホルツコイル８４ｂが掛止されることで、簡単に前記磁界発生部８３を形成することが可能である。
【００５８】
これにより、本第３の実施の形態の磁気誘導装置８１は、患者ベッド８２に磁気発生部８３を設けて構成しているので、簡便であり、また、患者に恐怖感を与えない。尚、前記磁界発生部８３は、２組のヘルムホルツコイル８４（８４ａ，８４ｂ）により１軸の回転磁界を形成するようになっている。このため、前記磁気誘導装置８１は、もう２軸の回転磁界の代わりに患者に体勢を変えてもらって方向転換するようになっている。
【００５９】
また、図１５に示すように磁気誘導装置９１は、背もたれ部９２ａと脚置き部９２ｂとを任意の角度に折り曲げ可能な患者ベッド９２に上記第３の実施の形態で説明したのと同様な磁気発生部８３を設けてベッド型装置本体９１Ａを構成しても良い。
【００６０】
尚、前記ベッド型装置本体９１Ａは、患者が患者ベッド９２に横になった後、患者ベッド９２の背もたれ部９２ａと脚置き部９２ｂとを任意の角度に折り曲げて患者の体勢を変更し、上記第３の実施の形態で説明したのと同様に、図１６に示すように前記開閉可能な水平方向のヘルムホルツコイル８４ａを閉じて相対側のヘルムホルツコイル８４ａに前記垂直方向のヘルムホルツコイル８４ｂが掛止されることで、簡単に前記磁界発生部８３を形成することが可能である。
これにより、本変形例の磁気誘導装置９１は、必要時には患者ベッド９２の背もたれ部９２ａと脚置き部９２ｂとを任意の角度に折り曲げて、患者の体勢を変更可能である。
【００６１】
また、図１７に示すように磁気誘導装置１０１は、前記患者ベッド９２を回動自在に回動駆動させる回動駆動部１０３をベッド下部に設けてベッド型装置本体１０１Ａを構成しても良い。尚、前記磁気誘導装置１０１は、上記第３の実施の形態で説明したのと同様な磁気発生部８３を前記患者ベッド９２に設けて構成される。
【００６２】
このように構成される磁気誘導装置１０１は、例えば、図１８に示すように患者ベッド９２と磁気発生部８３とが一体的に回動駆動される。
図１８（ａ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が右側に傾いて、磁気発生部８３と共に患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが上側に持ち上がると共に、背もたれ部９２ａが下側に下がった状態である。
【００６３】
また、図１８（ｂ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が左側に傾いて、磁気発生部８３と共に患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが床に付くと共に、背もたれ部９２ａが上側に上がった状態である。
【００６４】
また、図１８（ｃ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が左右方向に傾いて、磁気発生部８３と共に患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが紙面に対して左側に向くと共に、背もたれ部９２ａが右側に向いた状態である。
【００６５】
また、磁気誘導装置１０１は、例えば、図１９に示すように磁気発生部８３が固定されて回動駆動せず、患者ベッド９２のみが回動駆動されても良い。
図１９（ａ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が右側に傾いて、磁気発生部８３が動くことなく、患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが床に付くと共に、背もたれ部９２ａが上側に上がった状態である。また、図１９（ｂ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が左側に傾いて、磁気発生部８３が動くことなく、患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが床に付くと共に、背もたれ部９２ａが上側に上がった状態である。また、図示していないが、患者ベッドのみが左右に回動も可能である。
【００６６】
これにより、本変形例の磁気誘導装置１０１は、患者の体勢と、磁気発生部８３との関係を自在に変更可能である。従って、本変形例の磁気誘導装置１０１は、前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部に対する回転磁界と重力との向きを制御で、操作性が向上可能である。
【００６７】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【００６８】
［付記］
（付記項１） 被検体内に挿入されて検査、治療又は処置などの医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、
前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石に対して、この磁石に作用する磁界を発生させるための磁界発生手段を複数の電磁石で一体的に形成すると共に、前記磁界発生手段を分割又は開閉可能に構成したことを特徴とする医療用磁気誘導装置。
【００６９】
（付記項２） 前記挿入部がカプセル型医療機器であり、
前記磁界発生手段が前記カプセル型医療機器に設けた磁石に作用して体腔内での進行方向を誘導すると共に、前記カプセル型医療機器を体腔内中で移動させるための動力発生手段であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７０】
（付記項３） 前記挿入部が内視鏡、カテーテル、ガイドワイヤなどの管状部材であり、
前記磁界発生手段が前記管状部材に設けた磁石に作用して体腔内での挿入方向を磁気的に誘導することを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７１】
（付記項４） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石がフェライト磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項５） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石が希土類系磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項６） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石がプラチナ磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７２】
（付記項７） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石がアルニコ（AlNiCo）磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項８） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石が鉄・クロム・コバルト磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項９） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石が電磁コイルであることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７３】
（付記項１０） 前記カプセル型医療機器に設けた磁石の磁化方向がこのカプセル本体の長手軸方向と直交する方向であることを特徴とする付記項２に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１１） 前記挿入部に設けた磁石の磁化方向がこの挿入部の長手軸方向と一致する方向であることを特徴とする付記項３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７４】
（付記項１２） 前記磁界発生手段が少なくとも２つの異なる向きの磁界を発生させる複数の電磁石で形成されていることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１３） 前記磁界発生手段が互いに異なる向きの磁界を発生させる複数の電磁石で形成されていることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７５】
（付記項１４） 前記磁界発生手段が互いに対面する一対の電磁石を一組として、２組又は３組の電磁石で形成されていることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１５） 前記磁界発生手段が略キュービック状であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７６】
（付記項１６） 前記磁界発生手段が患者収納領域を有することを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１７） 前記磁界発生手段が箱型容器状であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７７】
（付記項１８） 前記磁界発生手段が椅子型の台と一体化していることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１９） 前記電磁石が四角形状であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７８】
（付記項２０） 前記電磁石がドーナツ状であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２１） 前記磁界発生手段が回転磁界を発生させる回転磁界発生手段であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７９】
（付記項２２） 前記磁界発生手段が患者ベッドに取り付けられていることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２３） 前記磁界発生手段が互いに対面する一対の電磁石から形成され、この一対の電磁石が均一磁界を発生させることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８０】
（付記項２４） 前記希土類系磁石がサマリウムコバルト磁石であることを特徴とする付記項５に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２５） 前記希土類系磁石がネオジウム磁石であることを特徴とする付記項５に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８１】
（付記項２６） 前記略キュービック状の磁界発生手段が患者収納領域を有することを特徴とする付記項１５に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２７） 前記箱型容器状の磁界発生手段が前記電磁石を容器状の壁に内蔵していることを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８２】
（付記項２８） 前記箱型容器状の磁界発生手段が患者収納領域を有することを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２９） 前記箱型容器状の磁界発生手段が容器状内に便器状の椅子を設けたことを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８３】
（付記項３０） 前記複数の電磁石のうち、１つが便座形状であることを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項３１） 前記箱型容器状の磁界発生手段が回転自在に回動駆動される回動駆動手段を設けたことを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８４】
（付記項３２） 前記椅子が回転自在に回動駆動される回動駆動手段を設けたことを特徴とする付記項１８に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項３３） 前記患者ベッドが回転自在に回動駆動される回動駆動手段を設けたことを特徴とする付記項２２に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項３４） 前記便器状の椅子は、患者の肛門から前記カプセル型医療機器を導入する導入手段を設けたことを特徴とする付記項３０に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８５】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、患者に抵抗感を与えず、小型で取り扱い易い医療用磁気誘導装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の磁気誘導装置を示す斜視図
【図２】図１の磁界発生部の分割構成を示す斜視図
【図３】カプセル型医療機器を示す構成図
【図４】回転磁界中のカプセル型医療機器を示す説明図
【図５】小腸内を移動するカプセル型医療機器を示す説明図
【図６】内視鏡を示す説明図
【図７】挿入方向を変更されている際の内視鏡の挿入部先端側を示す説明図
【図８】磁気誘導装置の変形例を示す斜視図
【図９】発明の第２の実施の形態の磁気誘導装置を示す説明図
【図１０】患者が収納されている際の磁気誘導装置の斜視図
【図１１】磁気誘導装置の変形例を示す斜視図
【図１２】図１１の磁気誘導装置の動作を示す説明図
【図１３】本発明の第３の実施の形態の磁気誘導装置を示す斜視図
【図１４】図１３の磁気誘導装置を患者の足側から見た説明図
【図１５】磁気誘導装置の変形例を示す斜視図
【図１６】図１５の磁気誘導装置を脚部側から見た説明図
【図１７】磁気誘導装置の更なる変形例を示す斜視図
【図１８】回動駆動部の回動駆動により患者ベッドが磁気発生部と共に回動駆動する磁気誘導装置の動作を示す説明図
【図１９】回動駆動部の回動駆動により磁気発生部が固定されて回動駆動せず、患者ベッドのみが回動駆動する磁気誘導装置の動作を示す説明図
【符号の説明】
１ …（医療用）磁気誘導装置
１Ａ …椅子型装置本体
２（２Ａ，２Ｂ）…磁界発生部
３ …ヘルムホルツコイル
３ａ …電磁コイル
４ …台
１０ …カプセル型医療機器
１０ａ …カプセル本体
２１，４１ …（永久）磁石
２４ …螺旋部
２４ａ …螺旋溝
３０ …回転磁界
４０ …内視鏡
４２ …挿入部（管状部材）
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用磁気誘導装置、更に詳しくは被検体内に挿入されて検査、治療又は処置などの医療行為を行うカプセル型医療機器、光学内視鏡、超音波内視鏡、腹腔内処置器具、カテーテル等の挿入部を、複雑な体内管路に磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、内視鏡（光学内視鏡及び超音波内視鏡）やカテーテル、ガイドワイヤなどは、細長な管状部材である挿入部を体腔内に挿入し、目的部位を検査、治療又は処置する医療機器である。
また、挿入部としてカプセル型医療機器は、患者等に飲み込ませて体腔内を通過させながら目的部位を検査、治療又は処置する飲み込み型の医療機器である。
【０００３】
上記内視鏡やカテーテル、ガイドワイヤなどの医療機器は、体腔内管路が複雑に屈曲しているため、挿入作業に熟練した者でないと、挿入に時間がかかり、煩雑である。一方、上記カプセル型医療機器は、体腔内管路内を誘導しなければ目的部位まで到達できなかったり、ただ通過してしまうことになる。
【０００４】
これに対処するために、例えば、日本国特許第３０１７７７０号公報は、上記カプセル型医療機器、内視鏡やカテーテル、ガイドワイヤ等の挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置を提案している。
上記日本国特許第３０１７７７０号公報に記載されている医療用磁気誘導装置は、患者ベッドを挟んで相対する一組の電磁石を備え、この一組の電磁石に通電することで、上記挿入部に設けた磁石に作用する磁界を発生させるものである。
【０００５】
上記日本国特許第３０１７７７０号公報に記載の医療用磁気誘導装置は、上記一組の電磁石に通電する電流の向きを反転させたり、電流を変化させたり等することで、発生させる磁界を変化させ、上記挿入部を所望の目的部位まで誘導するようになっている。
しかしながら、上記日本国特許第３０１７７７０号公報に記載の医療用磁気誘導装置は、上記一組の電磁石を患者ベッドの垂直方向（Ｚ軸）、水平方向（Ｘ軸、Ｙ軸）に移動可能であるが、磁界を発生させる電磁石が一組であり、発生させる磁界を垂直方向である一軸方向にしか変化させることができない。
【０００６】
一方、これに対して、例えば、日本国特許特開２００１−１７９７００（Ｐ２００１−１７９７００Ａ）に記載されている医療用磁気誘導装置は、発生させる磁界を垂直方向及び水平方向の３軸方向に変化させて、上記カプセル型医療機器等のマイクロマシンを磁気的に誘導するものが提案されている。
上記日本国特許特開２００１−１７９７００（Ｐ２００１−１７９７００Ａ）に記載の医療用磁気誘導装置は、発生させる磁界を垂直方向及び水平方向の３軸方向に変化させるので、上記挿入部を３次元的に誘導することが容易である。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記日本国特許特開２００１−１７９７００（Ｐ２００１−１７９７００Ａ）に記載の医療用磁気誘導装置は、発生させる磁界を垂直方向及び水平方向の２軸方向に変化させるため、装置が大型化して患者に恐怖感（抵抗感）を与える虞れがある。
また、上記日本国特許特開２００１−１７９７００（Ｐ２００１−１７９７００Ａ）に記載の医療用磁気誘導装置は、取り扱い等について考慮されていない。
【０００８】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、患者に抵抗感を与えず、小型で取り扱い易い医療用磁気誘導装置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明の第１の医療用磁気誘導装置は、被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、を備え、前記磁界発生手段は、略キュービック状を呈すると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする。
本発明の第２の医療用磁気誘導装置は、被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、を備え、前記磁界発生手段は、箱型容器状を呈すると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする。
本発明の第３の医療用磁気誘導装置は、被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、を備え、前記磁界発生手段は、椅子型の台と一体化して構成されると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
（第１の実施の形態）
図１ないし図８は本発明の第１の実施の形態に係り、図１は本発明の第１の実施の形態の磁気誘導装置を示す斜視図、図２は図１の磁界発生部の分割構成を示す斜視図、図３はカプセル型医療機器を示す構成図、図４は回転磁界中のカプセル型医療機器を示す説明図、図５は小腸内を移動するカプセル型医療機器を示す説明図、図６は内視鏡を示す説明図、図７は挿入方向を変更されている際の内視鏡の挿入部先端側を示す説明図、図８は磁気誘導装置の変形例を示す斜視図であり、図８（ａ）は患者が収納されている際の磁気誘導装置の斜視図、図８（ｂ）は同図（ａ）の磁界発生部の分割構成を示す斜視図である。
【００１１】
図１に示すように本発明の第１の実施の形態の医療用磁気誘導装置（以下、単に磁気誘導装置）１は、患者収納領域として患者が座れるような椅子型に形成され、磁界発生部２を設けた椅子型装置本体１Ａを有して構成される。
前記磁界発生部２は、互いに向かい合う一対の電磁コイル３ａがヘルムホルツコイル３を形成し、このヘルムホルツコイル３を３組組み合わせて台４上に略キュービック状に構成されている（図２参照）。
【００１２】
前記磁界発生部２は、電源ケーブル５（５ａ，５ｂ）を介して前記３組のヘルムホルツコイル３に図示しない制御部が接続されるようになっている。この制御部は、前記３組のヘルムホルツコイル３に通電する電流を例えば、電流の向きを反転させたり、電流を変化させたりすることで、前記３組のヘルムホルツコイル３が３次元的に回転磁界を形成するように制御を行うようになっている。
【００１３】
このことにより、前記磁気誘導装置１は、前記磁界発生部２が形成する回転磁界により、カプセル型医療機器１０（図３参照）に設けた磁石に作用して体腔内での進行方向を誘導すると共に、カプセル型医療機器１０を体腔内中で移動させるための動力発生手段を構成している。また、前記磁気誘導装置１は、前記磁界発生部２が形成する回転磁界により、内視鏡（図６参照）やカテーテル、ガイドワイヤ等の挿入部（管状部材）に設けた磁石に作用して体腔内での進行方向を誘導するようになっている。尚、図１中、挿入部としては、カプセル型医療機器が描かれている。
【００１４】
また、前記磁界発生部２は、前記略キュービック状の４面にそれぞれ前記電磁コイル３ａの存在しない部分の患者の首、両脚及び両腕が自在に抜き差し可能な切欠部１１を形成している。尚、図１中、前記磁界発生部２は、患者の臀部及び背面に当たる部分に切欠部１１を形成していないが、前記電磁コイル３ａの存在しない部分で且つ患者が楽であれば、切欠部１１を形成しても構わない。
【００１５】
前記椅子型装置本体１Ａは、患者の両脚を乗せるための脚置き部１２が前記台上の前記磁界発生部２の下部に延出して形成されている。このため、前記椅子型装置本体１Ａは、患者の両脚が前記切欠部１１から延び出されたとき、前記脚置き部１２に患者の両脚を置くことができ、患者のみならず検査等を行うユーザにとっても楽である。
【００１６】
本実施の形態では、前記椅子型装置本体１Ａは、前記磁界発生部２が必要時に一部を分割可能に構成する。即ち、図２に示すように前記磁界発生部２は、台４上に一体化した磁界発生部２Ａと、患者の首、両脚が抜き差し可能な切欠部１１を形成している磁界発生部２Ｂとの２つに分割可能に構成されている。尚、前記磁界発生部２Ｂは、前記磁界発生部２Ａに掛止される掛止部材１３を設けている。
【００１７】
このことにより、前記椅子型装置本体１Ａは、前記磁界発生部２Ｂを取り外して前記磁界発生部２Ａに患者を座らせた後、前記切欠部１１に首及び両脚をくぐらせながら前記磁界発生部２Ｂを取り付けて、掛止部材１３で掛止することで、簡単に前記磁界発生部２を形成することが可能である。
【００１８】
このように構成された磁気誘導装置１は、患者が挿入部として例えば、カプセル型医療機器を飲み込み、前記椅子型装置本体１Ａに座って検査、治療又は処置などの医療行為を行われる。
【００１９】
このとき、上述したようにユーザは、椅子型装置本体１Ａから磁界発生部２Ｂを取り外して患者を磁界発生部２Ａに患者を座らせた後、患者の首及び両脚をくぐらせながら磁界発生部２Ｂを取り付ける。そして、ユーザは、椅子型装置本体１Ａの磁界発生部２Ａ，Ｂの電源ケーブル５ａ，５ｂを制御部に接続して用いる。
【００２０】
先ず、図３ないし図５を参照してカプセル型医療機器１０を用いた場合を説明する。図３に示すようにカプセル型医療機器１０は、磁気誘導装置１の磁界発生部２が形成する回転磁界に作用するための永久磁石（以下、単に磁石）２１を内蔵して構成される。尚、ここで使用する磁石は、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、鉄・クロム・コバルト磁石、プラチナ磁石、アルニコ（AlNiCo）磁石などの永久磁石である。ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石などの希土類系磁石は、磁力が強く、カプセルに内蔵する磁石を小さくできるメリットがある。一方、フェライト磁石は、安価であるというメリットがある。更に、プラチナ磁石は、耐腐食性が優れており、医療用に適している。
【００２１】
また、カプセルに内蔵する磁石は、永久磁石に限らず、コイルで形成されるものでも良い。この場合、カプセルは、内蔵電池等の電源からの電流によってコイルに磁力を発生させても良いし、内蔵コンデンサなどに一次的に蓄積した電力でコイルを磁石化させる方法でも良い。更に、カプセルは、内蔵電源でなく、内部コイルによって発電させ、この電力をコンデンサに蓄えて別のコイルを磁石化させる方法でも良い。この場合、カプセルは、内蔵電池の容量制限が無くなり、長時間の稼動が可能になる。尚、発電用のコイルと磁石用のコイルとは、兼用しても良い。
【００２２】
カプセル型医療機器１０は、例えば、照明光学系２２、対物光学系２３ａを有する撮像装置２３を備えて構成される。更に、カプセル型医療機器１０は、検査、治療又は処置などの医療行為が可能な図示しない処置装置を備えて構成される。尚、この処置部は、例えば、薬剤を散布可能な投薬部や鉗子等の処置具を有する処置具部又は切開／凝固処置等を行うための超音波処置部や高周波電気処置部或いは熱処置部やレーザ処置部等である。
【００２３】
前記カプセル型医療機器１０は、体腔内のガスや体液等の流体が連通可能な螺旋溝２４ａを外周面に形成した螺旋部２４が設けられている。この螺旋部２４は、カプセル本体１０ａの外表面に一体的に設けても良いし、或いはカプセル本体１０ａに着脱自在に装着可能な構成であっても良い。
【００２４】
そして、ユーザは、図示しない電源をオンし、磁気誘導装置１を作動させる。すると、椅子型装置本体１Ａは、制御部から磁界発生部２の３組のヘルムホルツコイル３にそれぞれ電流が供給され、図４に示すように３次元的に回転磁界３０を形成するように制御される。尚、図４中、回転磁界３０は、模式的に描かれている。
【００２５】
カプセル型医療機器１０は、回転磁界３０に磁石２１が作用すると、この磁石２１が受ける作用により回転するようになっている。そして、カプセル型医療機器１０は、螺旋溝２４ａに連通する体腔内のガスや体液等の流体により、回転力が推進力に変換されて、進退動可能になっている。
【００２６】
尚、カプセル型医療機器１０は、進行方向を変える際に回転磁界３０の回転に伴い、磁石２１がこの回転平面と回転磁場の回転平面とが一致するように回転しながら進行方向（向き）を変更するようになっている。
【００２７】
このようにしてカプセル型医療機器１０は、例えば、図５に示すように小腸３１等の屈曲した体内管路を目的部位まで導かれ、検査、治療又は処置などの医療行為を行うことが可能である。
【００２８】
次に、図６及び図７を参照して内視鏡等の医療機器を用いた場合を説明する。尚、本実施例では、内視鏡を用いた場合を説明する。図６に示すように内視鏡４０は、磁気誘導装置１の磁界発生部２が形成する均一磁界に作用するための（永久）磁石４１を管状部材である挿入部４２の先端部４２ａに設けて構成される。尚、この磁石４１は、挿入部先端部４２ａに内蔵しても良いし、或いは着脱自在に装着可能な構成であっても良い。
【００２９】
そして、ユーザが例えば、患者の口から内視鏡４０の挿入部４２を挿入していく。このとき、ユーザは、図示しない電源をオンし、磁気誘導装置１を作動させる。すると、椅子型装置本体１Ａは、制御部から磁界発生部２の３組のヘルムホルツコイル３にそれぞれ電流が供給され、３次元的に均一磁界を形成するように制御される。そして、内視鏡４０は、均一磁界に磁石４１が作用すると、この磁石４１が受ける作用により挿入部先端部４２ａの向き、即ち挿入方向を変えられるようになっている。
【００３０】
このようにして内視鏡４０は、例えば、図７に示すように小腸３１等の屈曲した体内管路を目的部位まで導かれ、検査、治療又は処置などの医療行為を行うことが可能である。
【００３１】
この結果、本実施の形態の磁気誘導装置１は、磁界発生部２が分割可能に構成されているので患者が抵抗感なく、患者収納領域に入ることが楽であり、小型で取り扱い易いという効果を得る。
【００３２】
また、磁気誘導装置は、椅子型装置本体を図８に示すように磁界発生部が分割可能ではなく、開閉可能に構成しても良い。図８（ａ）に示すように磁気誘導装置５１は、磁界発生部５２が開閉可能に構成された椅子型装置本体５１Ａを有して構成される。
【００３３】
即ち、前記磁界発生部５２は、図８（ｂ）示すように台４上で一体的に設けられ、患者の両腕のうち、どちらか一方の片腕、首及び両脚が抜き差し可能な切欠部１１を形成している３つの部分がそれぞれ台４上で開閉可能に構成されている。
【００３４】
これにより、前記椅子型装置本体５１Ａは、前記３つの部分を開けて、患者を座らせた後、前記切欠部１１に患者の片腕、首及び両脚をくぐらせながら前記３つの部分を閉じることで、簡単に前記磁界発生部５２を形成することが可能である。従って、前記磁気誘導装置は、磁界発生部５２が前記椅子型装置本体５１Ａに一体化しているので、開閉するだけで済み、取り扱いが楽である。
【００３５】
この結果、本変形例の磁気誘導装置５１は、上記第１の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、更に取り扱いが楽である。
尚、前記椅子型装置本体５１Ａは、患者の両脚を乗せるための脚置き部１２を設けていないが、この脚置き部１２を前記椅子型装置本体１Ａと同様に設けて構成しても構わない。
【００３６】
（第２の実施の形態）
図９ないし図１２は本発明の第２の実施の形態に係り、図９は本発明の第２の実施の形態の磁気誘導装置を示す説明図、図１０は患者が収納されている際の磁気誘導装置の斜視図、図１１は磁気誘導装置の変形例を示す斜視図、図１２は図１１の磁気誘導装置の動作を示す説明図であり、図１２（ａ）は磁気誘導装置の便座の通路から患者へ経肛門的にカプセル型医療機器を挿入する際の説明図、図１２（ｂ）は同図（ａ）の斜視図である。
【００３７】
上記第１の実施の形態は、椅子型に構成された椅子型装置本体を用いて構成されているが、本第２の実施の形態は患者が容器内に収容される箱型状容器を用いて構成される。それ以外の構成は、上記第１の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【００３８】
即ち、図９に示すように本第２の実施の形態の磁気誘導装置６１は、患者収納領域として患者が容器内に収容されるバスタブ（箱型容器）状に構成され、磁界発生部６２を設けた箱型装置本体６１Ａを有して構成される。前記箱型装置本体６１Ａは、この容器内に患者が座れる便座６３を設けて構成される。
【００３９】
尚、前記便座６３は、患者がそのまま排泄可能に構成されている。また、この便座６３は、この内部に磁性体で形成した図示しない網を張っており、挿入部として上記第１の実施の形態で説明したカプセル型医療機器１０を回収可能である。
【００４０】
また、前記磁界発生部６２は、上記第１の実施の形態で説明したのと同様なヘルムホルツコイル３を３組組み合わせて構成される。
前記磁界発生部６２は、３組のヘルムホルツコイル３のうち、水平方向の２組を前記箱型装置本体６１Ａの互いに相対する容器壁６４に組み込まれて構成される。
【００４１】
一方、前記磁界発生部６２は、患者の垂直方向（Ｚ軸）方向に配置されるヘルムホルツコイル３（電磁コイル３ａ）の１組を上側が開閉可能で、患者の首が抜き差し可能な切欠部６６を形成した蓋部６５内に組み込まれ、他方を前記便座６３内に組み込まれて構成される。
【００４２】
このことにより、前記箱型装置本体６１Ａは、前記蓋部６５を開けて患者が容器内に入り前記便座６３に座った後、前記切欠部６６に患者の首をくぐらせながら前記蓋部６５を閉じることで、図１０に示すように簡単に前記磁界発生部６２を形成することが可能である。
【００４３】
従って、前記磁気誘導装置６１は、前記箱型装置本体６１Ａの容器壁６４にヘルムホルツコイル３が組み込まれて構成されているので、患者に電磁コイル３ａの存在を感じさせることがないので、患者が違和感無く医療行為を受けられる。
【００４４】
そして、ユーザは、前記箱型装置本体６１Ａの磁界発生部６２の電源ケーブル５を制御部に接続して上記第１の実施の形態で説明したのと同様に、挿入部として例えば、カプセル型医療機器１０を用いて、検査、治療又は処置などの医療行為を行える。
この結果、本第２の実施の形態の磁気誘導装置６１は、上記第１の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、患者に違和感なく用いることが可能である。
【００４５】
また、磁気誘導装置は、箱型装置本体を図１１に示すように２軸方向に回動自在に構成しても良い。
図１１に示すように磁気誘導装置７１は、箱型容器７２が２つの回転軸７３ａ，７３ｂに回動自在に軸支された箱型装置本体７１Ａを有して構成される。
【００４６】
前記箱型容器７２は、上記第２の実施の形態で説明したのと同様に、前記磁界発生部６２を形成しているヘルムホルツコイル３（電磁コイル３ａ）が容器壁６４、蓋部６５及び便座６３に組み込まれて構成される。そして、前記箱型装置本体７１Ａは、前記箱型容器７２の下部に、前記２つの回転軸７３ａ，７３ｂを回転自在に回動駆動させる図示しない回動駆動部を設けて構成される。
【００４７】
このことにより、前記磁気誘導装置７１は、前記回動駆動部の駆動により前記箱型容器７２が回転自在に回動駆動されることで、上記第１の実施の形態で説明した前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部に対する重力方向を制御することが可能である。尚、前記回動駆動部は、図示しないが上記第１の実施の形態で説明した制御部の制御により、前記磁界発生部６２で形成される回転磁界３０に同期して駆動制御されるようになっている。
【００４８】
また、前記磁気誘導装置７１は、図１２（ａ）に示すように前記便座６３の通路７４から患者へ経肛門的に前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部を挿入可能になっている。尚、前記便座６３の通路７４から患者へ経肛門的に入れられるのは、前記挿入部でなくとも、座薬等でも良い。
【００４９】
このとき、前記磁気誘導装置７１は、図１２（ｂ）に示すように前記回動駆動部の駆動により、前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部を挿入可能な回転角度に調節されつつ、回動駆動される。
【００５０】
これにより、本変形例の磁気誘導装置７１は、上記第２の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部や座薬等を患者に経肛門的に楽に入れることが可能である。また、本変形例の磁気誘導装置７１は、胃、小腸通過不要で時間短縮が可能なので、トータル検査時間の短縮化が可能となる。
【００５１】
（第３の実施の形態）
図１３ないし図１９は本発明の第３の実施の形態に係り、図１３は本発明の第３の実施の形態の磁気誘導装置を示す斜視図、図１４は図１３の磁気誘導装置を患者の足側から見た説明図、図１５は磁気誘導装置の変形例を示す斜視図、図１６は図１５の磁気誘導装置を脚部側から見た説明図、図１７は磁気誘導装置の更なる変形例を示す斜視図、図１８は回動駆動部の回動駆動により患者ベッドが磁気発生部と共に回動駆動する磁気誘導装置の動作を示す説明図であり、図１８（ａ）はベッド型装置本体の下部が右側に傾いて、磁気発生部と共に患者ベッドの脚置き部が上側に持ち上がると共に、背もたれ部が下側に下がった状態の磁気誘導装置を示す説明図、図１８（ｂ）はベッド型装置本体の下部が左側に傾いて、磁気発生部と共に患者ベッドの脚置き部が床に付くと共に、背もたれ部が上側に上がった状態の磁気誘導装置を示す説明図、図１８（ｃ）はベッド型装置本体の下部が左右方向に傾いて、磁気発生部と共に患者ベッドの脚置き部が左側に向くと共に、背もたれ部が右側に向いた状態の磁気誘導装置を示す説明図、図１９は回動駆動部の回動駆動により磁気発生部が固定されて回動駆動せず、患者ベッドのみが回動駆動する磁気誘導装置の動作を示す説明図であり、図１９（ａ）はベッド型装置本体の下部が右側に傾いて、患者ベッドの脚置き部が床に付くと共に、背もたれ部が上側に上がった状態の磁気誘導装置を示す説明図、図１９（ｂ）はベッド型装置本体の下部が左側に傾いて、磁気発生部が動くことなく、患者ベッドの脚置き部が床に付くと共に、背もたれ部が上側に上がった状態の磁気誘導装置を示す説明図である。
【００５２】
上記第１，第２の実施の形態は、椅子型や箱型等に構成された装置本体に磁界発生部を設けて構成されているが、本第３の実施の形態は患者ベッドに磁界発生部を設けて構成する。それ以外の構成は、上記第１の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【００５３】
即ち、図１３に示すように本第３の実施の形態の磁気誘導装置８１は、患者収納領域として患者が横になる（寝る）患者ベッド８２に磁界発生部８３を設けたベッド型装置本体８１Ａを有して構成される。
【００５４】
前記磁界発生部８３は、ドーナツ状のヘルムホルツコイル８４（電磁コイル３ａ）を２組組み合わせて２軸の回転磁界を形成するように構成される。前記磁界発生部８３は、２組のヘルムホルツコイル８４ａ，８４ｂのうち、水平方向の１組８４ａを患者ベッド８２の側部に設けて構成される。
【００５５】
この水平方向のヘルムホルツコイル８４ａは、一方が患者ベッド８２の側部から延出する延出部材８５ａに固定され、これに相対する他方が延出部材８５ｂに開閉可能に軸支されている。また、垂直方向のヘルムホルツコイル８４ｂは、一方が患者ベッド８２に内蔵されている。また、これに相対する他方のヘルムホルツコイル８４ｂは、前記開閉可能な水平方向のヘルムホルツコイル８４ａの軸支側と反対側に一体的に設けられている。
【００５６】
尚、この垂直方向のヘルムホルツコイル８４ｂは、前記開閉可能な水平方向のヘルムホルツコイル８４ａが閉じられた際に、前記延出部材８５ａに固定された水平方向のヘルムホルツコイル８４ａに掛止される掛止部材８６を設けている。
【００５７】
このことにより、前記ベッド型装置本体８１Ａは、患者が患者ベッド８２に横になった後、図１４に示すように前記開閉可能な水平方向のヘルムホルツコイル８４ａを閉じて相対側のヘルムホルツコイル８４ａに前記垂直方向のヘルムホルツコイル８４ｂが掛止されることで、簡単に前記磁界発生部８３を形成することが可能である。
【００５８】
これにより、本第３の実施の形態の磁気誘導装置８１は、患者ベッド８２に磁気発生部８３を設けて構成しているので、簡便であり、また、患者に恐怖感を与えない。尚、前記磁界発生部８３は、２組のヘルムホルツコイル８４（８４ａ，８４ｂ）により１軸の回転磁界を形成するようになっている。このため、前記磁気誘導装置８１は、もう２軸の回転磁界の代わりに患者に体勢を変えてもらって方向転換するようになっている。
【００５９】
また、図１５に示すように磁気誘導装置９１は、背もたれ部９２ａと脚置き部９２ｂとを任意の角度に折り曲げ可能な患者ベッド９２に上記第３の実施の形態で説明したのと同様な磁気発生部８３を設けてベッド型装置本体９１Ａを構成しても良い。
【００６０】
尚、前記ベッド型装置本体９１Ａは、患者が患者ベッド９２に横になった後、患者ベッド９２の背もたれ部９２ａと脚置き部９２ｂとを任意の角度に折り曲げて患者の体勢を変更し、上記第３の実施の形態で説明したのと同様に、図１６に示すように前記開閉可能な水平方向のヘルムホルツコイル８４ａを閉じて相対側のヘルムホルツコイル８４ａに前記垂直方向のヘルムホルツコイル８４ｂが掛止されることで、簡単に前記磁界発生部８３を形成することが可能である。
これにより、本変形例の磁気誘導装置９１は、必要時には患者ベッド９２の背もたれ部９２ａと脚置き部９２ｂとを任意の角度に折り曲げて、患者の体勢を変更可能である。
【００６１】
また、図１７に示すように磁気誘導装置１０１は、前記患者ベッド９２を回動自在に回動駆動させる回動駆動部１０３をベッド下部に設けてベッド型装置本体１０１Ａを構成しても良い。尚、前記磁気誘導装置１０１は、上記第３の実施の形態で説明したのと同様な磁気発生部８３を前記患者ベッド９２に設けて構成される。
【００６２】
このように構成される磁気誘導装置１０１は、例えば、図１８に示すように患者ベッド９２と磁気発生部８３とが一体的に回動駆動される。
図１８（ａ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が右側に傾いて、磁気発生部８３と共に患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが上側に持ち上がると共に、背もたれ部９２ａが下側に下がった状態である。
【００６３】
また、図１８（ｂ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が左側に傾いて、磁気発生部８３と共に患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが床に付くと共に、背もたれ部９２ａが上側に上がった状態である。
【００６４】
また、図１８（ｃ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が左右方向に傾いて、磁気発生部８３と共に患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが紙面に対して左側に向くと共に、背もたれ部９２ａが右側に向いた状態である。
【００６５】
また、磁気誘導装置１０１は、例えば、図１９に示すように磁気発生部８３が固定されて回動駆動せず、患者ベッド９２のみが回動駆動されても良い。
図１９（ａ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が右側に傾いて、磁気発生部８３が動くことなく、患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが床に付くと共に、背もたれ部９２ａが上側に上がった状態である。また、図１９（ｂ）に示すように磁気誘導装置１０１は、回動駆動部１０３の回動駆動により、ベッド型装置本体１０１Ａの下部が左側に傾いて、磁気発生部８３が動くことなく、患者ベッド９２の脚置き部９２ｂが床に付くと共に、背もたれ部９２ａが上側に上がった状態である。また、図示していないが、患者ベッドのみが左右に回動も可能である。
【００６６】
これにより、本変形例の磁気誘導装置１０１は、患者の体勢と、磁気発生部８３との関係を自在に変更可能である。従って、本変形例の磁気誘導装置１０１は、前記カプセル型医療機器１０や前記内視鏡４０等の挿入部に対する回転磁界と重力との向きを制御で、操作性が向上可能である。
【００６７】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【００６８】
［付記］
（付記項１） 被検体内に挿入されて検査、治療又は処置などの医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、
前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石に対して、この磁石に作用する磁界を発生させるための磁界発生手段を複数の電磁石で一体的に形成すると共に、前記磁界発生手段を分割又は開閉可能に構成したことを特徴とする医療用磁気誘導装置。
【００６９】
（付記項２） 前記挿入部がカプセル型医療機器であり、
前記磁界発生手段が前記カプセル型医療機器に設けた磁石に作用して体腔内での進行方向を誘導すると共に、前記カプセル型医療機器を体腔内中で移動させるための動力発生手段であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７０】
（付記項３） 前記挿入部が内視鏡、カテーテル、ガイドワイヤなどの管状部材であり、
前記磁界発生手段が前記管状部材に設けた磁石に作用して体腔内での挿入方向を磁気的に誘導することを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７１】
（付記項４） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石がフェライト磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項５） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石が希土類系磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項６） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石がプラチナ磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７２】
（付記項７） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石がアルニコ（AlNiCo）磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項８） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石が鉄・クロム・コバルト磁石であることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項９） 前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石が電磁コイルであることを特徴とする付記項１に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７３】
（付記項１０） 前記カプセル型医療機器に設けた磁石の磁化方向がこのカプセル本体の長手軸方向と直交する方向であることを特徴とする付記項２に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１１） 前記挿入部に設けた磁石の磁化方向がこの挿入部の長手軸方向と一致する方向であることを特徴とする付記項３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７４】
（付記項１２） 前記磁界発生手段が少なくとも２つの異なる向きの磁界を発生させる複数の電磁石で形成されていることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１３） 前記磁界発生手段が互いに異なる向きの磁界を発生させる複数の電磁石で形成されていることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７５】
（付記項１４） 前記磁界発生手段が互いに対面する一対の電磁石を一組として、２組又は３組の電磁石で形成されていることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１５） 前記磁界発生手段が略キュービック状であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７６】
（付記項１６） 前記磁界発生手段が患者収納領域を有することを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１７） 前記磁界発生手段が箱型容器状であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７７】
（付記項１８） 前記磁界発生手段が椅子型の台と一体化していることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項１９） 前記電磁石が四角形状であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７８】
（付記項２０） 前記電磁石がドーナツ状であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２１） 前記磁界発生手段が回転磁界を発生させる回転磁界発生手段であることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００７９】
（付記項２２） 前記磁界発生手段が患者ベッドに取り付けられていることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２３） 前記磁界発生手段が互いに対面する一対の電磁石から形成され、この一対の電磁石が均一磁界を発生させることを特徴とする付記項１又は２又は３に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８０】
（付記項２４） 前記希土類系磁石がサマリウムコバルト磁石であることを特徴とする付記項５に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２５） 前記希土類系磁石がネオジウム磁石であることを特徴とする付記項５に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８１】
（付記項２６） 前記略キュービック状の磁界発生手段が患者収納領域を有することを特徴とする付記項１５に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２７） 前記箱型容器状の磁界発生手段が前記電磁石を容器状の壁に内蔵していることを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８２】
（付記項２８） 前記箱型容器状の磁界発生手段が患者収納領域を有することを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項２９） 前記箱型容器状の磁界発生手段が容器状内に便器状の椅子を設けたことを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８３】
（付記項３０） 前記複数の電磁石のうち、１つが便座形状であることを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項３１） 前記箱型容器状の磁界発生手段が回転自在に回動駆動される回動駆動手段を設けたことを特徴とする付記項１７に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８４】
（付記項３２） 前記椅子が回転自在に回動駆動される回動駆動手段を設けたことを特徴とする付記項１８に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項３３） 前記患者ベッドが回転自在に回動駆動される回動駆動手段を設けたことを特徴とする付記項２２に記載の医療用磁気誘導装置。
（付記項３４） 前記便器状の椅子は、患者の肛門から前記カプセル型医療機器を導入する導入手段を設けたことを特徴とする付記項３０に記載の医療用磁気誘導装置。
【００８５】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、患者に抵抗感を与えず、小型で取り扱い易い医療用磁気誘導装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の磁気誘導装置を示す斜視図
【図２】図１の磁界発生部の分割構成を示す斜視図
【図３】カプセル型医療機器を示す構成図
【図４】回転磁界中のカプセル型医療機器を示す説明図
【図５】小腸内を移動するカプセル型医療機器を示す説明図
【図６】内視鏡を示す説明図
【図７】挿入方向を変更されている際の内視鏡の挿入部先端側を示す説明図
【図８】磁気誘導装置の変形例を示す斜視図
【図９】発明の第２の実施の形態の磁気誘導装置を示す説明図
【図１０】患者が収納されている際の磁気誘導装置の斜視図
【図１１】磁気誘導装置の変形例を示す斜視図
【図１２】図１１の磁気誘導装置の動作を示す説明図
【図１３】本発明の第３の実施の形態の磁気誘導装置を示す斜視図
【図１４】図１３の磁気誘導装置を患者の足側から見た説明図
【図１５】磁気誘導装置の変形例を示す斜視図
【図１６】図１５の磁気誘導装置を脚部側から見た説明図
【図１７】磁気誘導装置の更なる変形例を示す斜視図
【図１８】回動駆動部の回動駆動により患者ベッドが磁気発生部と共に回動駆動する磁気誘導装置の動作を示す説明図
【図１９】回動駆動部の回動駆動により磁気発生部が固定されて回動駆動せず、患者ベッドのみが回動駆動する磁気誘導装置の動作を示す説明図
【符号の説明】
１ …（医療用）磁気誘導装置
１Ａ …椅子型装置本体
２（２Ａ，２Ｂ）…磁界発生部
３ …ヘルムホルツコイル
３ａ …電磁コイル
４ …台
１０ …カプセル型医療機器
１０ａ …カプセル本体
２１，４１ …（永久）磁石
２４ …螺旋部
２４ａ …螺旋溝
３０ …回転磁界
４０ …内視鏡
４２ …挿入部（管状部材）
Claims (9)
- 被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、
前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、
前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、
前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、
を備え、
前記磁界発生手段は、略キュービック状を呈すると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする医療用磁気誘導装置。 - 前記略キュービック状の磁界発生手段は、患者収納領域を有することを特徴とする請求項１に記載の医療用磁気誘導装置。
- 被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、
前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、
前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、
前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、
を備え、
前記磁界発生手段は、箱型容器状を呈すると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする医療用磁気誘導装置。 - 前記磁界発生手段は、容器内に便器状の椅子を設けたことを特徴とする請求項３に記載の医療用磁気誘導装置。
- 前記複数の電磁石のうち、１つが便座形状であることを特徴とする請求項３に記載の医療用磁気誘導装置。
- 被検体内に挿入されて所定の医療行為を行う挿入部を磁気的に誘導する医療用磁気誘導装置において、
前記挿入部の少なくとも一部に設けた磁石と、
前記磁石に作用する磁界を発生させる複数の電磁石を有する磁界発生手段と、
前記被検体を前記磁界発生手段の中に収納する患者収納領域と、
を備え、
前記磁界発生手段は、椅子型の台と一体化して構成されると共に、分割又は開閉の機構を有することを特徴とする医療用磁気誘導装置。 - 前記磁界発生手段は、回転磁界を発生させる回転磁界発生手段であることを特徴とする請求項１−６の何れか一項に記載の医療用磁気誘導装置。
- 前記挿入部はカプセル型医療機器であり、
前記磁界発生手段は前記カプセル型医療機器に設けた磁石に作用して体腔内での進行方向を誘導すると共に、前記カプセル型医療機器を体腔内中で移動させるための動力発生手段であることを特徴とする請求項１−７の何れか一項に記載の医療用磁気誘導装置。 - 前記挿入部は管状部材で構成された内視鏡、カテーテルまたはガイドワイヤであり、
前記磁界発生手段は前記管状部材に設けた磁石に作用して体腔内での挿入方向を磁気的に誘導することを特徴とする請求項１−７の何れか一項に記載の医療用磁気誘導装置。
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