JP4709594B2 - 磁気誘導医療システム - Google Patents
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Description
そのため、磁気誘導医療システムにおいて、体内挿入部を有し、体内挿入部に永久磁石等を設けた医療装置をこの磁場発生装置で誘導する場合には、挿入部の誘導が可能な領域を十分に確保することが困難であったり、磁場を発生させたい位置での発生磁場の精度が低下するといった問題があった。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、体内等で挿入部の制御可能範囲を広範囲にしたり、磁場を発生させたい位置での発生磁場の精度を向上することで、広範囲で安定した制御可能範囲を維持できる磁気誘導医療システムを提供することを目的とする。
生体の体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置と、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出する位置・姿勢検出部と、
略平面上に軸対称に配置され、前記平面に略直交する方向に磁化方向を持つ、少なくとも3個の電磁石を有する磁場発生部と、
前記磁場発生部が発生する磁場を制御する磁場制御部と、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置および姿勢情報に応じて前記磁場発生部と前記挿入部との相対的な位置・姿勢を変化させる位置・姿勢可変部と、
前記挿入部に設けた磁場作用部と、
を具備し、
前記磁場作用部に前記磁場発生部が発生する磁場を作用させて前記医療装置を誘導し、
前記磁場発生部は、
2個の前記電磁石からなる第1電磁石ユニットと、
1個の前記電磁石からなる第2電磁石ユニットと、
を具備し、
前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石は、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第2電磁石ユニットを構成する前記1個の電磁石は、前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石の略中央に配置され
前記磁場制御部は、
前記磁場発生部を前記平面内で回転させる回転機構を具備する
ことを特徴とする。
本発明の第2の磁気誘導医療システムは、
生体の体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置と、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出する位置・姿勢検出部と、
略平面上に軸対称に配置され、前記平面に略直交する方向に磁化方向を持つ、少なくとも3個の電磁石を有する磁場発生部と、
前記磁場発生部が発生する磁場を制御する磁場制御部と、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置および姿勢情報に応じて前記磁場発生部と前記挿入部との相対的な位置・姿勢を変化させる位置・姿勢可変部と、
前記挿入部に設けた磁場作用部と、
を具備し、
前記磁場作用部に前記磁場発生部が発生する磁場を作用させて前記医療装置を誘導し、
前記位置・姿勢可変部は、
前記磁場発生部と前記生体とを前記平面内で相対的に平面移動させる平面移動機構を具備する
ことを特徴とする。
本発明の第3の磁気誘導医療システムは、
生体の体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置と、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出する位置・姿勢検出部と、
略平面上に軸対称に配置され、前記平面に略直交する方向に磁化方向を持つ、少なくとも3個の電磁石を有する磁場発生部と、
前記磁場発生部が発生する磁場を制御する磁場制御部と、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置および姿勢情報に応じて前記磁場発生部と前記挿入部との相対的な位置・姿勢を変化させる位置・姿勢可変部と、
前記挿入部に設けた磁場作用部と、
を具備し、
前記磁場作用部に前記磁場発生部が発生する磁場を作用させて前記医療装置を誘導し、
前記位置・姿勢可変部は、
前記磁場発生部と前記生体とを前記平面に垂直方向に相対的に移動する垂直移動機構を具備する
ことを特徴とする。
本発明の第4の磁気誘導医療システムは、
生体の体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置と、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出する位置・姿勢検出部と、
略平面上に軸対称に配置され、前記平面に略直交する方向に磁化方向を持つ、少なくとも3個の電磁石を有する磁場発生部と、
前記磁場発生部が発生する磁場を制御する磁場制御部と、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置および姿勢情報に応じて前記磁場発生部と前記挿入部との相対的な位置・姿勢を変化させる位置・姿勢可変部と、
前記挿入部に設けた磁場作用部と、
を具備し、
前記磁場作用部に前記磁場発生部が発生する磁場を作用させて前記医療装置を誘導し、
前記磁場発生部は、
2個の前記電磁石からなる第1電磁石ユニットと、
1個の前記電磁石からなる第2電磁石ユニットと、
を具備し、
前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石は、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第2電磁石ユニットを構成する前記1個の電磁石は、前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石の略中央に配置され、
さらに、
患者を載置されるベッドと、
前記ベッドを支持するベッド支持部とを備え、
前記磁界発生部が、前記ベッド支持部に備えられ、
前記位置・姿勢可変部が、前記ベッドを前記ベッド支持部の上で平面移動させる平面移動機構であることを特徴とする。
図6は受信アンテナ部の詳細な構成を示し、図7は変形例における受信アンテナ部の構成例を示し、図8は電流制御部により通電される電流が制御される磁場発生部の構成を示し、図9は磁場発生部の具体的な構成を平面図で示し、図10は磁場発生部の具体的な構成を斜視図で示す。
図16はカプセル型医療装置からの無線電波を受信した位置情報により、磁場発生部を移動してカプセル型医療装置を誘導可能範囲内に保つように制御する様子を示し、図17は磁場発生部の直上にカプセル型医療装置を保持した状態を示し、図18は発生磁場記憶部に記憶されている電磁石3〜5の磁極と磁場発生部との距離に対して単位電流当たりの発生磁場の特性を示し、図19は第1変形例における平面移動機構部の構成を示し、図20は第2変形例における平面移動機構部の構成を示し、図21は複数の超音波プローブを用いて位置情報を算出する構成等を示す。
図1に示す磁気誘導医療システム71は、ベッド31の上部に横たわる2点鎖線で示す患者23内を内視鏡検査するカプセル型医療装置72と、ベッド31内側の筐体内に配置された受信アンテナ部73及びカプセル型医療装置72を誘導する磁場を発生する磁場発生部2と、受信アンテナ部73及び磁場発生部2を平面内で移動する(位置・姿勢可変手段としての)平面移動機構部74と、ベッド31の外部に配置され、磁場発生部2の発生磁場の制御やユーザインタフェースとなる指示操作部10が設けられた制御部76とを有する。
そして、受信アンテナ部73及び磁場発生部2は、この平面移動機構77によりX軸方向及びY軸方向に移動自在に保持されている。なお、受信アンテナ部73及び磁場発生部2は、共通の筐体内に収納しても良い。
平面移動機構部74は、X軸方向移動ステージ77A及びY軸方向移動ステージ77Bと、これらの平面内の位置制御を行う平面内位置制御部78とを備えている。
また、磁場発生部2を構成する各電磁石ユニット3、4、5に流す電流を制御することで、患者23内に挿入される誘導制御対象となるカプセル型医療装置72近辺で最適な磁場を発生させることができると共に、より広い誘導可能範囲を実現できる。
上記平面内位置制御部78は、信号ケーブル79を介して外部の制御部76と接続されている。
図2は、平面移動機構部74及びこの制御部76の内部構成を示す。
図2に示すようにカプセル型医療装置72は、体腔内を撮像した画像情報を変調して、無線で体外に送信する。
LED83及び撮像素子84は、制御部85によりその駆動が制御される。また、この制御部85は、撮像素子84により撮像された信号に対する信号処理を行い、例えば圧縮処理した後、さらに変調してアンテナ86を介して無線で送信する。また、この収納容器81内には、制御部85等に電源を供給する電池87と、例えば収納容器81における長手方向の中央位置付近には、上記磁場発生部2により発生される磁場に作用する磁場作用手段(磁場作用部)となるマグネット88が配置されている。
このカプセル型医療装置72のアンテナ86から送信される無線の信号、つまり電波は図2に示す受信アンテナ部73により受信される。この受信アンテナ部73は、図4に示すように複数のアンテナ73a、73b、…、73nにより構成されている。
複数のアンテナ73a、73b、…、73nにより受信された信号は、図2に示すように信号処理部91に入力され、図2或いは図5に示すように復調されて画像表示部92で、送信された画像が表示されると共に、画像記録部93で画像が記録される。
位置検出部94では、アンテナ強度信号からカプセル型医療装置72の3次元位置及びその姿勢の検出を行う。この場合、図4に示した受信アンテナ部73を、より具体的に示すと、(図1に示すように磁場発生部2の上部に設けられ、)図6に示すように例えば2次元的に配置された複数のアンテナ73a、73b、…、73nにより構成されている。 この場合、磁場発生部2の中心軸O上に、1つの基準となるアンテナ73eを配置し、その周囲に複数のアンテナ73a〜7d、73f〜73iを配置している。
これら複数のアンテナ73a〜73iにより、カプセル型医療装置72のアンテナ86から送信される信号を受信してその電界強度(アンテナ強度信号)からカプセル型医療装置72の位置検出を行う。
本実施例では、電磁場を利用してカプセル型医療装置72の位置を検出する構成とすることにより、誘導用の磁場と干渉することなく、精度の高い位置算出を行えるようにしている。また、画像データを送信するために電磁場を利用しているので、両方の機能を兼用でき、効率的な利用ができる。
また、磁場制御部95は、磁場発生部2が任意方向の磁場を発生できるように、磁場発生部2、電磁石4a,4bからなる第1電磁石ユニットと、電磁石3a、3bからなる第2電磁石ユニットと、電磁石5からなる第3電磁石ユニット5とからなり、各電磁石に流す電流値(磁場の大きさ)を制御する電磁石電流制御部(電流制御部と略記)96と、発生磁場の方向及び大きさを記憶する発生磁場記憶部97とを有する。
そして、最も受信強度が大きいアンテナ73eの真上にカプセル型医療装置72が存在すると近似できるようになる。これにより、常にアンテナ73eの上部にカプセル型医療装置72が存在するため、画像伝送の効率、安定性が良く、位置検出の精度が向上する他、アンテナの数を減らしたり、磁場発生部の位置制御のアルゴリズムが容易になるといった効果がある。
なお、図1等においては、磁場発生部2の上部に受信アンテナ部73を配置して、磁場発生部2と共に移動させる構成にしているが、変形例として、図7に示すようにベッド31の上面内側などに受信アンテナ部73を取り付けても良い。
また、図2に示すように磁場制御部95は、指示操作部10と接続されている。
図1及びその拡大図に示すように、指示操作部10は、方向制御用ジョイスティック98と、前進・後退用ジョイスティック99とを具備する。
図8は、磁場発生部2と共に、この磁場発生部2に磁場発生用電流を供給する電流制御部96の構成を示す。
図8に示すように電流制御部96は、電源装置6,7,8と接続され、これら電源装置6,7,8から電流が供給される磁場発生部2を構成する上下方向磁場発生用電磁石3a、3b、水平方向磁場発生用電磁石4a、4b、垂直方向磁場発生用電磁石5による発生磁場を制御する。なお、電流制御部96が、電源装置6,7,8を内蔵した構成にしても良い。
本実施例における磁場発生部2は、図9及び図10に示すようにY方向(上下方向)磁場発生用電磁石3a、3b、X方向(水平方向)磁場発生用電磁石4a、4b、Z方向(垂直方向)磁場発生用電磁石5が同一平面上に対称的に配置された構成になっている。 また、対となる電磁石3aと3bとは、特性の揃ったものが用いられ、対となる電磁石4aと4bも、特性が揃ったものが望ましい。また、電磁石3a(3b)と4a(4b)も、特性が揃ったものが望ましい。
換言すると、本実施例の磁場発生部2を製造する場合、対の電磁石3a、3b、4a、4bとしては、同じ電磁石を対称的に配置すれば良く、低コストで実現できる効果を有することになる。
図11は、例えばY方向磁場発生用電磁石4a、4bの断面構造を示し、かつその磁場発生の原理図を示す。
図11のように、同一特性の電磁石4a、4bは中心線Oの両側に線対称に配置されている。この場合、強磁性体で形成された四角柱状の鉄心部12に巻かれたコイル13は、電磁石4a、4bで互いに逆巻に同じ巻数で形成され、直列接続されている。これにより、電源装置6から両コイル13に直流が供給されると、電磁石4aと4bは、逆方向に磁化され、かつその磁場強度は等しくなる。
中心軸O上におけるこの磁場Hxの大きさは、図11の矢印の長さで示すように、上端の両磁極に対する距離(高さ)が大きくなると小さくなる傾向を示します。しかし、両電磁石4a、4bは同じ特性のものを、中心軸Oに対して線対称的に配置してあるので、中心軸O上における磁場Hxの大きさは、距離の増大に応じて小さくなるように変化するが、その方向は変化しない。
従って、図10に示すように電磁石3a、3b、4a、4b、5を配置した場合には、この図10に示すように、中心軸OとなるZ軸上には、電磁石3a、3bによりY方向の磁場Hyが発生し、電磁石4a、4bによりX方向の磁場Hxが発生し、電磁石5によりZ方向の磁場Hzが発生することになる。
このように本実施例においては、3組の電磁石3a、3b、4a、4b、5を平面内に設置することで、これらの電磁石3a、3b、4a、4b、5における中心軸上でこれらの上部側の空間に3次元磁場を発生することができる。
つまり、3次元磁場を印加しようとする場所或いは空間に対して、この磁場発生部2を、平面移動機構部74を制御してその空間の任意の方向からアプローチしてその近傍に配置することにより、その空間に3次元磁場を発生させることができる。
このように本実施例によれば、磁場を印加しようとする場所、空間に容易にアプローチして、高精度に任意の3次元磁場を印加(発生)することができる効果を有する。特に、一般に位置の移動速度が小さい医療装置に対して、回転磁場、振動磁場といった各軸方向の磁場の変化量が大きな磁場を発生させる場合においても、発生する磁場の向きによって磁場発生部の位置・姿勢を全く変える必要がなく、医療装置そのものの移動も小さいために、位置・姿勢可変部の駆動速度を小さくすることができる。そのため、医療装置の制御が安定すると共に、位置・姿勢可変部の小型化、省エネルギー化、構造の単純化が可能となり、非常に効率的な磁気誘導医療システムを構築できる効果がある。
また、電磁石3a、3b、4a、4b、5を一方向に集めることで、中心軸Oの近辺においてそれらの各磁極面から離れるにつれ、各方向の発生磁場成分(Hx,Hy,Hz)が全て減少する傾向にある。そのため、発生した磁場方向が、電磁石5の中心軸O近辺においては、大きく変化しない(強度の変化はあっても、方向が変化しない磁場の生成が可能となる)。
図9及び図10に示した電磁石3a、3b、4a、4b、5による磁場発生部2により発生した磁場を測定した。図12及び図13はその測定結果を示す。
図12は中心軸O上における電磁石3a、3b、4a、4b及び5のよる発生磁場を磁極面(より具体的には電磁石5の上部側磁極面)からの距離に対して測定した結果を示している。なお、図中においては電磁石3a、3bを電磁石3と,電磁石4a、4bを電磁石4と略記している。なお、電磁石3a、3bと、電磁石4a、4bとは同じ特性のものであり、配置方向が異なるのみであるので、同じグラフとなる。
また、図13は、図12の特性を示すもの(同じ特性となる2組の電磁石3a、3b及び4a、4bと電磁石5)において、一方の磁場強度が、指示された指示値からずれた場合、そのずれが本来の磁場の方向からのずれに及ぼす影響を示すものである。つまり、発生磁場の強度のずれが、磁場の方向のずれとしてどの程度影響するかを角度(角度差)で示すものである。
図13に示す結果から、指示された磁場強度とはかなり異なる大きさでも、発生すべき磁場方向からのずれの角度は比較的小さく保つことができることがわかる。
本実施例では、上述のように位置検出部94が検出した位置情報により、磁場発生部2の位置を移動し、患者23の体腔内のカプセル型医療装置72の略直下の位置に磁場発生部2が常時存在するように制御する。換言すると、図14に示すように、磁場発生部2の直上の位置付近の誘導可能範囲R内にカプセル型医療装置72が位置するように制御する。
またこの状態において、磁場発生部2によりカプセル型医療装置72に対して回転磁場を印加することにより、カプセル型医療装置72を効率良く体腔内を前方側に推進させたり、必要に応じて後退させたりすることができるようにしている。
図14は、磁場発生部2による磁場により、磁気的に誘導可能となる誘導可能範囲Rの概略を示す。磁場発生部2における第3電磁石ユニット5による発生磁場の方向Oに沿った略円柱形状或いは楕円球形状の部分が誘導可能範囲Rとなる。
本実施例では、磁場発生部2における第3電磁石ユニット5の直上付近の誘導可能範囲R内にカプセル型医療装置72が位置するように制御し、この状態において、磁場発生部2により、カプセル型医療装置72に対して回転磁場を印加する。
図15に示すようにカプセル型医療装置72に対して回転磁場を印加することにより、螺旋状構造体89によって回転運動を推進力に変換する。そして、回転磁場の発生面の向きにより、カプセル型医療装置72の推進する方向、つまり前方側或いは後方側への推進を制御する。
前述したように目的の磁場の方向に対して実際に発生している磁場の方向の差(磁場方向のずれ)はわずかであるが、回転磁場を発生させた場合にはカプセル型医療装置72の回転運動の回転むらとして前述の磁場方向のずれが観測できることが考えられる。
回転磁場を印加してカプセル型医療装置72を回転させながら移動させた場合には、体外の信号処理部91では、連続して取得される画像から、カプセル型医療装置72の回転角速度を画像のパターンマッチングなどにより算出する。ここで、発生しようとしていた回転磁場の回転角速度と画像の回転角速度を比較し、発生しようとしていた磁場の方向と実際に発生した磁場の方向のずれを算出する。
図16は、図14に示したように、カプセル型医療装置72が誘導可能範囲R内となるように、平面移動機構77により磁場発生部2を2次元平面内で移動する様子を示す。 つまり、カプセル型医療装置72から無線で送信される信号を受信アンテナ部73のアンテナ73j(j=a〜i)で受信し、各アンテナ73jで受信した電界強度(アンテナ強度と略記)により、カプセル型医療装置72の位置検出を行い、その位置情報により、カプセル型医療装置72が誘導可能範囲R内に入るように平面移動機構77により、磁場発生部2を移動する。
そして、例えば図17に示すように第3の電磁石5の直上となる位置にカプセル型医療装置72が保たれるようになる。
なお、平面移動機構77の上部に磁場発生部2を取り付けて、この平面移動機構77により平面内で並進移動する並進機構15の構造を図28に示す。
図28に示すようにこの並進機構15は、ベース11を2次元的に任意の位置に移動設定できるようにしており、図28の例ではモータ16を回転駆動することにより、ボールネジ17等を回転してベース11をX方向に移動でき、モータ18を回転駆動することにより、ボールネジ19等を回転してベース11をY方向に移動できる。つまり、モータ16、18を回転駆動することによりベース11に取り付けた磁場発生部2を2次元的に任意の位置に設定できるようにしている。
図17に示すような状態において、磁場発生部2或いは受信アンテナ部73の上面からカプセル型医療装置72までの距離Dの情報と、図2に示した発生磁場記憶部97のメモリ部に記憶されている図18に示す各電磁石の単位電流当たりの発生磁場のデータとからカプセル型医療装置72の現在の位置において、カプセル型医療装置72を任意の方向に移動させようとした場合に最適な磁場の大きさ及び方向を発生させるに必要な情報が得られる。
つまり、現在のカプセル型医療装置72の位置からカプセル型医療装置72と電磁石3〜5の磁極との距離を求めることができ、その距離での単位電流当たりの発生磁場のデータ(図18)より、任意方向の磁場を発生させる時の電磁石3〜5に流す電流値が算出できる。
図29は、中央の電磁石5に流す電流値を変更した場合における中心軸O上の発生磁場の測定結果を示す。
この図29から分かるように、距離Dの値が大きい時、中央の電磁石5に流す電流値を、垂直方向の磁場成分と水平方向の磁場成分との比率に対して増やすことで、磁極面から遠い距離で発生磁場の向きのずれが減少する。逆に距離Dの値が小さい時、中央の電磁石5に流す電流値を、垂直方向の磁場成分と水平方向の磁場成分との比率に対して減らすことで、より近い距離側において発生磁場の向きのずれが減少する。
このように、距離D(Z座標値)のみによって各電磁石の電流を決定することができると共に、中心軸O上の磁場データのみを記憶すれば良いので、メモリ部に記憶されるデータ量が少なくなる。よって、システム、制御アルゴリズムが単純化でき、構築が容易になると共に、制御性が安定する効果がある。
さらに、回転磁場、振動磁場等の繰り返しパターンの磁場を発生させる場合には、距離Dに応じて各電磁石の電流パターンの最大値(振幅)のみを変更すれば良いので、システム、制御アルゴリズムがさらに単純化できる効果がある。
また、この場合、上述したように第3電磁石ユニット5の直上となる位置にカプセル型医療装置72が保持され、この場合における磁場発生部2とカプセル型医療装置72との距離Dは、略最小に近い距離となる。従って、磁場発生部2により発生される磁場における近距離側の磁場を有効に使用でき、また磁場が整った領域内でカプセル型医療装置72を誘導することができるようになる。
このように本実施例では、カプセル型医療装置72からの無線による信号を複数のアンテナを備えた受信アンテナ部73により受信して、その際のアンテナ強度信号により、カプセル型医療装置72の位置を算出するようにしている。
そして、その位置の情報を利用して、磁場発生部2の各電磁石に流す電流を制御することで誘導可能範囲Rを確保すると共に、磁場発生部2を移動して、磁場発生部2による磁場によりカプセル型医療装置72を磁気的に誘導可能な誘導可能範囲R内に設定するように制御する。その状態でカプセル型医療装置72に対して回転磁場を印加することにより、カプセル型医療装置72が体腔内における広範囲の位置を移動する場合においても、カプセル型医療装置72と磁場発生部2との相対位置を制御して、常時誘導し易い位置にカプセル型医療装置72を保つ。これによりカプセル型医療装置72を円滑に磁気的に推進させることができる。
そして、この静止画を画像表示部92で表示する。
このように画像表示部92では、カプセル型医療装置72が回転した場合においても、回転を停止させて表示する。そして、ユーザは、画像表示部92に表示されるカプセル型医療装置72の回転による画像回転を感じさせない画像を見て、上下、左右の任意方向に方向転換の指示を、方向制御用ジョイスティック98の操作により行うことができる。
なお、前進・後退用ジョイスティック99により推進指示を行う場合、例えばカプセル型医療装置72の外周面に設けられた螺旋状構造体89が右ネジ状に設けてある場合、上方向に前進・後退用ジョイスティック99を傾けると、画面前方に対して右回転方向の回転磁場が発生するようになり、カプセル型医療装置72が画面前方に移動する。
また、下方向に前進・後退用ジョイスティック99を傾けると、画面前方に対して左回転方向の回転磁場が発生し、カプセル型医療装置72が画面後方に移動する。
このように本実施例によれば、カプセル型医療装置72が体腔内における広範囲の位置を移動する場合においても、カプセル型医療装置72と磁場発生部2との相対位置を制御して、常時磁気誘導し易い位置に保持してカプセル型医療装置72を円滑に磁気的に推進させることができる。
図19(B)に示すように、ベッド31は、ベッド支持台104の上面に配置されたベッド水平移動機構174により、X方向に移動される。
また、図19(A)に示すように、ベッド支持台104の内部にY方向移動機構175が配置され、このY方向移動機構175の上面に配置された磁場発生部2は、このY方向移動機構175よりY方向にのみ移動される。
このような構成にした場合には、以下の効果を有する。
図20は第2変形例における平面移動機構部74Bの構成を示す。上述したように図1及び図2等に示した平面移動機構部74では、カプセル型医療装置72の位置情報により、磁場発生部2を移動する構成にしていたが、本第2変形例では、位置情報によりベッド31側を移動する構成にしている。
つまり、ベッド支持台104の上面に配置された平面移動機構77により、患者23が載置されるベッド31の本体部分を支持する構成にしている。この場合、磁場発生部2はベッド31の底面下側に配置されている。この場合、重量が重く、配線などが多い磁場発生部を固定できるため、駆動部分の構造がシンプルとなり、装置全体の小型化、軽量化、効率化が可能になる。特に、ベッドの幅に対して磁場発生部の幅と移動範囲の和が大きくなる場合は、装置の横幅を小さくできる。
図21(A)及び図21(B)に示すようにベッド31上の患者23における例えばその体表面の側部付近には、複数の超音波プローブ101a、101b、…が配置され、複数の超音波プローブ101a、101b、…の超音波を送受信する先端面は、患者23の側部体表面に接触する。
複数の超音波プローブ101a、101b、…は、調整装置102により患者23の体表面に接触する位置及び角度を調整できるようにしている。また、この調整装置102には、センサ103が設けてあり、複数の超音波プローブ101a、101b、…の患者23への接触する位置及び角度の情報を検知する。センサ103は、プローブ101a、101bの患者23への接触する位置及び角度を検出するためにエンコーダ、リニアエンコーダなどで構成されている。
また、複数の超音波プローブ101a、101b、…により得られた超音波画像は、図21(C)に示すようになるが、超音波画像より、カプセル型医療装置72の抽出を行い、複数の超音波画像よりベッド31の座標系におけるカプセル型医療装置72の位置を算出する。
複数の超音波画像から得られたカプセル型医療装置72の位置の算出情報も図2の平面移動機構部74と磁場制御部95に出力され、磁場発生部2の位置制御と発生磁場の制御に利用される。
なお、複数の超音波プローブ101a、101b、…を採用する代わりに、図22のような超音波プローブ105、106を採用しても良い。
図22(B)ではアレイ状の超音波プローブ106を使用し、3次元超音波情報を取得するようにしている。そして、3次元超音波情報からカプセル型医療装置72の位置を算出し、その位置の算出情報を利用する。
また、図23に示すような構成にしても良い。図23に示す平面移動機構部74Cは、図21(B)において、超音波プローブ107を磁場発生部2の上部に設けた受信アンテナ部73の上面に取り付けている。そして、平面移動機構77により、移動自在にしている。
そして、この超音波プローブ107により得られる超音波画像からカプセル型医療装置72の位置を算出し、その位置の算出情報を利用する。
図24は、図21(B)に示した患者23の側面よりやや背面寄りの位置に接触する超音波プローブ101a、101b、…の他に、さらに患者23の上部側に立設された取り付け台109の上端の回動部材110に超音波プローブ111a、111bを回転自在に設け、超音波プローブ111a、111bを患者23の側面よりやや上面(前面)寄りの位置に接触して固定できるようにしている。
なお、超音波各プローブ101a等の超音波周波数を異なった周波数に設定しても良い なお、複数の各超音波プローブ101a等を順に駆動し、超音波画像情報の取得を行う構成にしても良い。
この他に図25に示すように、例えば円筒面に沿って配置した超音波プローブアレイ113を患者23の腹部を覆うようにして設置する。
そして、この超音波プローブアレイ113に対する信号処理する超音波観測装置114を介して超音波画像表示装置115に、超音波プローブアレイ113により得られる超音波画像を順次出力する。そして、超音波画像から、カプセル型医療装置72の位置を算出し、その位置の算出情報を利用するようにしても良い。
このようにすると、超音波画像からカプセル型医療装置72の位置を算出し易くできる。
なお、ベッド31内に磁場発生部2を配置した構成を説明したが、図27に示すように椅子36内に磁場発生部2を配置しても良い。
本実施例では、患者23の体外の誘導用の磁場発生部51は、患者23内に挿入される内視鏡123に設けたマグネット137に静磁場を印加し、内視鏡123内のマグネット137の向きを変化させる。従って、術者等のユーザは、磁場発生部51により発生する静磁場を制御し、所望の方向にマグネット137の向きを変えることにより、内視鏡123の方向制御を行うことができるようにするものである。
この磁気誘導医療システム121は、ベッド122に載置される患者23の体内に挿入される内視鏡123と、ベッド122の一方の側面側に配置されたロボットアーム124と、このロボットアーム124に取り付けられた磁場発生部51と、ベッド122の他方の側面側に配置されたセンサ保持台125に設けられた磁気センサ126とを有する。
また、必要に応じて中心電磁石5の中心軸O上の回りでモータ52によりこれらが取り付けられたベース11を回転することにより、3次元磁場を発生できる3次元磁場発生部の機能を持つようにしている。
上記回転駆動するモータ52としては、磁気シールドを施した電磁モータ、磁気の影響を受けないモータ(超音波モータ等)などが望ましい。
回転駆動する場合としない場合に関わらず、実施例1と同様に電磁石が平面的に配置され、磁場発生部が電磁石が配置された平面内でのみ移動するため、磁場が発生する空間に生体が近付いた場合にも磁場発生部や移動機構と生体が干渉する心配がない。そのため、移動機構の制御が容易になり、制御性、安定性が向上する効果がある。また、重量の重い磁場発生部をベッドの下に設置することもでき、装置全体の重心を下げることができるため、機構的な安定性も向上する。
また、電磁石の数を減らせるため、小型化することができる。
内視鏡123は、体腔内に挿入し易いように細長の挿入部131と、この挿入部131の後端に設けられた操作部132と、この操作部132から延出されたユニバーサルケーブル127とを有し、このユニバーサルケーブル127の後端のコネクタは、制御部128に設けられたビデオプロセッサ133に接続される。
図32(A)に示すように内視鏡123は、挿入部131の先端部134には、照明光を出射して、体内の患部などの被写体を照明する照明窓135と、照明された被写体を撮像するための観察窓136とが設けてある。
また、先端部134付近の外周面には交流磁場発生用のコイル138が設けてあり、このコイル138に交流電流を流して交流磁場を発生させ、図30に示す磁気センサ126によりこの交流磁場を検出して、コイル138の位置及び方向を検出できる磁気式位置検出機構が構成されるようにしている。
なお、磁気センサ126は、複数個の磁気センサ素子等により構成され、コイル138の位置及びそのコイル138の軸方向、つまり内視鏡123の先端部134の軸方向の方位(姿勢)を検出できるようにしている。磁気センサ126は、コイル138が発生する交流磁場の他に、2次元磁場発生部51の発生する磁場も検出する。これら2つの磁場信号は、周波数が異なるためフィルタ処理等で分離することが可能である。
また、磁気センサ126が検出したコイル138が発生する交流磁場信号により先端部134の移動速度を検出するのに利用したり、加速度を検出する加速度検出に利用しても良い。これらの情報を制御部128に送ることで、より高度な制御を実現できる。
図32(A)では、円環状で先端部134に着脱自在のマグネット137を設けている。この場合には、既存の内視鏡に装着して、従来の内視鏡を流用することができる。また細径化することもできる。
図32(B)のマグネット139は、径方向にN,Sと磁化したものを採用している。 なお、図30に示すビデオプロセッサ133は、照明光を供給する図示しない光源装置を内蔵している。また、ビデオプロセッサ133は、観察窓136の対物光学系の結像位置に配置された固体撮像素子により撮像された撮像信号に対する信号処理を行う信号処理装置も内蔵している。そして、この信号処理装置により生成された映像信号は、表示部238に送られ、表示部238の表示面に内視鏡123の固体撮像素子により撮像された画像が表示される。
また、この本体部141の上端141aは、本体部141の軸方向の回りで回転自在であり、この部分から水平方向に延出された第1のアーム143の端部には平面移動機構144を構成する回動部材が回動自在に保持されている。
この回動部材から水平方向に延出された第2のアーム145の端部には、回動機構146を構成する回動部材が回動自在に保持されている。この回動部材には、磁場発生部51が取り付けられている。
また、制御部128の上面には、指示操作部147が設けてあり、この指示操作部147を操作して、ロボットアーム124の動作などを制御したり、磁場発生部51により発生する静磁場の方向、大きさを変更できるようにしている。別の表現をすれば、磁気式位置検出機構等で検出した内視鏡123の先端部134の位置と、制御部128が垂直方向移動機構142、平面移動機構144に送信する制御情報により、内視鏡123の先端部134の位置と磁場発生部51の位置関係(相対位置)が求められる。そして、この磁気式位置検出機構と制御部128により、内視鏡123の先端部134と磁場発生部51の相対位置を求める相対位置検出機構が構成されている。そして、相対位置検出機構の求めた相対位置の情報を基に制御部128は、磁場発生部51の位置を垂直移動機構142及び平面移動機構144を介して制御している。
図33に示すように磁場発生部51による誘導可能範囲R内から内視鏡123の先端部134がずれている場合には、その先端部134の位置を磁気センサ126の出力により算出し、その位置情報により制御部128を介して、垂直方向移動機構142、平面移動機構144を制御して、磁場発生部51の誘導可能範囲R内に内視鏡123の先端部134が存在するようにする。
図33に示す場合では、白抜きの太い矢印で示す方向に磁場発生部51を移動することにより、誘導可能範囲R内に内視鏡123の先端部134が存在するようになる。
また、磁場発生部の垂直方向成分の移動の代わりに、図34に示す磁場発生部2Gのように第3電磁石5を移動して誘導可能範囲Rを垂直方向に移動する構成にしても良い。
この底面部11aは、外周側底面部に連結された保持部61のネジ孔に螺入されたネジ62の先端により保持されている。また、このネジ62の下端には、モータ63が設けてあり、位置情報によりモータ63を正転或いは逆転することにより、底面部11aを昇降して中央の電磁石5の高さ位置を可変調整して、発生磁場を調整できるようにしている。 図36は、中央に配置された第3の電磁石5の高さを変化した場合における発生磁場を測定した結果を示す。このように第3の電磁石5の高さを変化させることにより、周辺の電磁石3a、3bによる発生磁場に応じて適切な値に調整することができる。
なお、実施例1においても、電磁石3a、3b及び4a、4bに対して、電磁石5の高さを変化させることにより、同等の効果が得られる。また、本実施例において、実施例1同様に距離Dによって各電磁石の電流を制御しても良い。
このように本実施例によれば、内視鏡123に設けたマグネット137或いは139に静磁場を印加することにより、マグネット137或いは139に磁気的力を作用させることにより内視鏡123の向きを所望の方向に変更することができる。
従って、ユーザは、内視鏡123の先端部134を、静磁場の方向などを制御することにより所望の向きに変更でき、体腔内への挿入を円滑に行うことや、観察方向を所望の方向に変更することができる。
この磁気誘導医療システム161は、体内に挿入され、体内を撮像するカプセル型医療装置162と、このカプセル型医療装置162から無線で送信される画像情報を受信する体外装置163とからなる。
カプセル型医療装置162は、図38(A)に示すようにマグネット164と送信アンテナ165とを内蔵している。なお、この他に図3で示したカプセル型医療装置72のように、照明手段及び撮像手段等を内蔵している。図38(A)では、マグネット164の磁化方向は、カプセル型医療装置162の軸方向となっているが、図38(B)に示すように、カプセル型医療装置162の中心軸の回りで回転可能な状態で径方向に磁化したマグネット166としても良い。
図39は、本実施例に採用されている磁場発生部51Bの構成を示す。
図39に示す磁場発生部51Bは、2次元の磁場を発生する装置である。この2次元の磁場発生部51Bでは、同じ特性の電磁石、例えば電磁石5を4個が上下(縦)及び水平(横)方向に2個づつ隣接するように配置して、この図39の矢印で示すように2次元磁場を発生するようにしている。
本実施例においても、磁気を利用して、体腔内に挿入され、内視鏡検査等の医療行為を行うためのカプセル型医療装置162の方向を円滑に誘導することができる。
次に磁場発生部の変形例を説明する。本変形例は、実施例1における磁場発生部2を変形或いは改良した構成に関するものである。まず、空間を効率的に利用することにより発生磁場を強化する場合について説明する。
図40は第1変形例の磁場発生部2Bを示す。この磁場発生部2Bは、図9に示す磁場発生部2において、電磁石3a、3bと4a、4bの形状を台形形状にした電磁石3c、3dと4c、4dを採用している。
この場合、このRの半径をコイル13を形成する巻き線の最小曲げ半径にすると高密度に巻き付けることができる。
また、この中央の電磁石5の周囲には、このコイル13の略平面状の外面に近接するように等脚台形状の電磁石3c、3dと4c、4dを配置している。つまり、電磁石3c、3dと4c、4dは、短辺側が内側となるように対称的に配置される。そして、電磁石3c、3dと4c、4dにおける各斜面部が隣接する(電磁石3c、3dと4c、4dにおける)各斜面部とほぼ平行に近接するように配置される。
このように電磁石3c、3d、4c、4d、5が平面的に密集して、その密集部分には電磁石が占有していない空隙が殆ど無いような配置の構成とすることにより、効率良く高磁場を発生することができる。
次にさらに強磁性体を付加して発生磁場を強化する場合を説明する。図41(A)は、例えば実施例1の電磁石5の断面を示しているが、図41(B)に示すようにこの電磁石5の一端(磁場を発生させたい側の反対側)に強磁性体41aを設置する。或いは、設置する強磁性体41aを電磁石5の外形と略一致する形状にする。
例えば図41(C)に示すように電磁石5の底面側の外形と略一致する形状の強磁性体41bとする。
なお、図41(B)や図41(C)の他に、図43に示す磁場発生部2Cのように複数の電磁石5、4a、4b等を、それらの電磁石全体の略外形形状の強磁性体41cの板の上に配置するようにしても良い。図43では、示していないが、電磁石3a、3bの下側にも強磁性体41cの板が配置されている。図43は、実施例1に適用した場合で示しているので、図40の第1変形例に適用した場合には、電磁石4a、4bは4c、4dになる。
なお、強磁性体41aは、強磁性体による鉄心部12と別体でも良いが、一体で形成した方が漏れ磁束を減少し易くなる。これにより、さらに発生磁場を大きくすることができる。
中央の電磁石5の強磁性体による鉄心部の断面積を周辺に配置する電磁石3a、3b(或いは3c、3d)、4a、4b(或いは4c、4d)の強磁性体の断面積より大きくする。これは、実施例1等においてすでに採用している。
この他に、中央の電磁石5における磁場を発生すべき側に、その電磁石の鉄心部断面よりも断面積が大きな強磁性体41dを設置する。この場合の磁場発生部2Dを図44に示す。なお、この磁場発生部2Dは、図43の磁場発生部2Cの場合に適用した状態で示している。
図44に示すような中央の電磁石5の上部に強磁性体41dを設けた場合における、有効性を示す測定結果(但し、下部側の強磁性体41cを取り付けていない状態)を図45に示す。図45に示すように、強磁性体41dを設けない場合に比べて強磁性体41dを設けた場合には、磁極の近傍における磁場強度の大きな変化を抑制し、さらにこの近傍より離れた距離側での磁場強度を増大させることができる。
さらにこの他に、中央の電磁石5の強磁性体を磁場を発生させる側に向けて広がる形とする。この場合の中央の電磁石5を図47に示す。この電磁石5では、紙面の上部側に磁場を発生する状態で示しており、従って鉄心部12の上端の断面積が最も大きくなる最大面積部46が形成されている。
また、図44に示す構成とすることにより、発生する磁場を均一化する場合に有効であるが、図48のような磁場発生部2Eにしても良い。
この強磁性体41eを設けた場合と設けない場合の影響を測定した結果を図45において示している。
この図45から分かるように、強磁性体41eを設けた場合には、磁極面の近傍付近での磁場強度を向上できると共に、磁極面から十分に離れた距離の場所でも均一化した磁場を発生することができる。
この磁気誘導医療システム151は、ベッド152に載置された患者23の体内に挿入されるカテーテル153と、このベッド152の側面に対向して配置された磁場発生部2F、2Fと、これら磁場発生部2F、2Fを平行移動するようにベッド152に設けられた平面移動機構154と、患者23の体内を透視するX線装置等の透視装置155と、図示しない制御部とを有する。
図50は、磁場発生部2F、2Fの構成を示す。
図50に示すように磁場発生部2Fを対向配置し、その中央部分に所望とする3次元磁場を発生させるようにしても良い。この場合には、中央部分の両側に磁場発生部2Fを対向配置するスペースが必要になるが、このスペースがある場合には非常に有効となる。 なお、図50に示すように2つの磁場発生部2F,2Fを対向配置する代わりに、その一方を第3電磁石5のみとしても良い。図51はこの場合の磁場発生部を示す。
図52は図51の場合における発生磁場の特性を示す。
第3電磁石ユニット5は、図52の通り第3電磁石ユニット5から離れた位置で、その他の電磁石と比較して磁場が小さくなる。そのためこの領域での磁場の減少を対向させた電磁石で補うことで、よりなだらかな磁場が形成され誘導可能領域が広がる。
この磁気センサ159によって、より高精度な磁場制御を行うことができる。カテーテル先端の方向は、体内の管路によってある程度拘束されるため、必ずしも発生している磁場とカテーテル153の方向と一致しない。そこで、磁気センサ159の出力値と、透視装置155で得られた位置・姿勢から、カテーテル先端で実際に発生する磁場を正確に算出できる。これによって、実際に発生したい磁場の方向と、実際に発生している磁場の差分をフィードバックすることで、高精度で安定した磁場を発生させることができる。
そして、ユーザは表示部に表示された情報を参照して、指示操作部を操作することにより、カテーテル153の先端部の向きを制御することができる。
なお、図54(B)に示すように径方向に磁化したマグネット160をカテーテル153Bの軸方向に回転自在に収納した構造にしても良い。
実施例1では、主に磁場発生部2側を位置・姿勢可変部で移動してその位置、姿勢を変化させる構成にしていたが、本実施例の磁気誘導医療システム180では、磁場発生部2を固定し、ベッド31の位置・姿勢を位置・姿勢可変部74Dで可変して磁気誘導する構成にしている。この位置・姿勢可変部74Dは、制御部191を構成する位置・姿勢制御部192により制御される。また、磁場発生部2は、磁場制御部95により制御される。 位置・姿勢可変部74Dは、具体的に示すと、図56(A)及び図56(B)に示すように患者23が載置されるベッド31を、水平面内で移動するベッド水平方向移動機構176により形成されている。
また、本実施例では、図55に示すようにマーカコイル172aを内蔵したカプセル型医療装置72Bが採用され、このマーカコイル172aの位置・姿勢をドライブコイル181とセンスコイル182で検出する構成にしている。
ドライブコイル181はドライブ信号発生部183で駆動され、センスコイル182による検出信号は位置・姿勢検出部184に入力される。
この位置・姿勢検出部184により検出された検出信号は、制御部191の位置・姿勢制御部192と磁場制御部95に出力され、それぞれの制御に用いられる。
図57は、カプセル型医療装置72Bを示す。このカプセル型医療装置72Bは、カプセル形状の収納容器81内に、マグネット88Bが、その磁化方向が収納容器81の軸方向と一致するように配置されている。そして磁場の方向にカプセル型医療装置72Bの向きを制御することができるようにしている。
また、上記のように、収納容器81内には、カプセル型医療装置72Bの位置検出のためのマーカコイル172aが設置されている。このマーカコイル172aは、コンデンサ172bとにより、所定の周波数で共振する共振回路172が構成されている。なお、収納容器81内には、その他に図3で示した撮像素子84等が収納されている(図示略)。 図58は、磁場発生部2と、カプセル型医療装置72Bの位置検出のための駆動及び検出手段としてのドライブコイル181及びセンスコイル182の配置例を示す。
また、ベッド31の下で、この磁場発生部2の上面に交流磁場を発生するドライブコイル181が固定される。
ドライブコイル181をこのように配置にすることにより、常にマーカコイル172aとドライブコイル181の相対位置関係を、ドライブコイル181の発生する磁場が強い領域にマーカコイル172aが存在するという検出精度の高い安定した条件に保つことができる。これは、磁場発生部2の電磁石とカプセル型医療装置72Bとの相対的な位置があまり変化しない制御を行うためである。
また、磁場発生部2の電磁石とカプセル型医療装置72Bとの相対的な位置があまり変化しない制御を行うため、マーカコイル172aとドライブコイル181、センスコイル182との相対的な位置もあまり変化しない。そのため、センスコイル182を基準とした時の位置・姿勢検出部184のカプセル型医療装置72Bの位置又は姿勢を検出する検出領域が狭くても制御上問題がない。これにより、センスコイル182の数が減らせると共に、位置・姿勢を求める計算の量を減らせ、位置・姿勢を求めるアルゴリズムを容易にすることができる。
特に、ドライブコイル181も磁場発生部2に固定されている場合は、位置検出の磁場に最も影響を与える磁場発生部2が、位置検出用の両コイル(ドライブコイル181、センスコイル182)と一体のため、平面移動機構(位置・姿勢可変部)の変化によるキャリブレーションデータの変化が小さい。そのためより安定した位置検出が可能(マーカコイルの出力に対し、ドライブコイルの出力変化が小さくなるため)になる。
さらに、キャリブレーションデータは、ドライブコイル181,センスコイル182と室内にある強磁性体との相対位置の変化によっても影響を受ける。本実施例のように、ドライブコイル181、センスコイル182が磁場発生部2と一緒に床に固定されている場合は、平面移動機構(位置・姿勢可変部)の変化に対してドライブコイル181、センスコイル182、磁場発生部2、室内の強磁性体との相対位置が変化しない。これにより、平面移動機構(位置・姿勢可変部)の変化に対して、室内にある強磁性体の影響が変化しないため、平面移動機構(位置・姿勢可変部)の変化によるキャリブレーションデータの変化が小さい。そのため、安定した位置検出が可能になる。
また、複数のセンスコイル182は、図59に示すように位置・姿勢検出部184に接続され、複数のセンスコイル182により検出された検出データは、位置・姿勢検出部184に出力される。この位置・姿勢検出部184は、入力される検出データにより、カプセル型医療装置72Bの位置及び姿勢を検出(算出)する。
図59は、本実施例におけるカプセル型医療装置72Bの位置及び姿勢を検出する位置・姿勢検出機構171の構成とその検出原理を示す。
この位置・姿勢検出機構171は、生体としての患者23内に挿入されるカプセル型医療装置72B内に設けたマーカコイル172aと、患者23の体外に配置されたドライブコイル181及び複数のセンスコイル182(または磁気センサでも良い)と、ドライブコイル181に交番磁場を発生させるためのドライブ信号発生部183と、センスコイル182の出力信号からカプセル型医療装置72Bの位置または姿勢を算出する位置・姿勢検出部184と、キャリブレーションデータを記憶するキャリブレーションデータ記憶部185とを有する。
ドライブコイル181は、ドライブ信号発生部183からのドライブ信号の供給によって交番磁場を発生する。この交番磁場によりマーカコイル172aに誘導電流が流れ、新たに交番磁場を生成する。センスコイル182は、複数配置されており、配置された各位置でドライブコイル181とセンスコイル182が生成した磁場強度を検出する。
位置・姿勢検出部184は、各センスコイル182の出力と、患者23にカプセル型医療装置72Bが導入される前に測定したドライブコイル181のみで生成した磁場強度のデータ(キャリブレーションデータ)との差に基づいて、マーカコイル172aの磁場をダイポール近似する等して、マーカコイル172aの位置又は姿勢を検出する。
磁場による位置検出のため、生体による減衰の影響が少なく、高精度の位置検出が可能となる。また、交番磁界で位置検出を行うため、磁場発生部2で他の周波数の交番磁場を発生させても、周波数帯域を制限するフィルタをセンスコイル182に設けることで位置検出に影響を与えない。
なお、ドライブコイル181が発生する磁場はパルス磁場でも良い。発生したパルス磁場によってマーカコイル172aに電流が誘導され、共振回路172によって減衰しながら交番磁場を発生する。この時の磁場をセンスコイル182で検出する。この場合には、マーカコイル172aの磁場のみをセンスコイル182で検出できるため。キャリブレーションが不要となり、システム構成が簡略化できる。
図60は図58に示した磁場発生部2とドライブコイル181及びセンスコイル182の配置位置の変形例を示す。
また、磁場発生部2とドライブコイル181が一緒に動かないため、ドライブコイル181を大きくしても、ベッド31のサイズ(横幅・長さ)に影響を与えないので、装置の小型化が可能になる。
図60(B)では、図58の構成において、センスコイル182をベッド31内及びベッド31の両側に固定した構成に変更している。この変形例では、センスコイル182の数をより多くしている。
センスコイル182をベッド31側に配置することにより、磁場発生部2とセンスコイル182とが分離されているため、検出範囲を広げるために広範囲にセンスコイル182を配置しても、ベッド31のサイズ、可動範囲(横幅、長さ)に影響を与えないので、装置の小型化が可能となる。
また、図60(C)では、例えば図60(A)の構成において、さらにセンスコイル182をベッド31の両側に固定した構成にしている。また、この図60(C)に示す構成では、ドライブコイル181もベッド31の両側にも設けた構成にしている。この場合にも、図60(A)及び図60(B)の場合と同様の効果を有する。
また、ベッド31の上に垂直方向にドライブコイル181を設置しても、平面移動機構の変化によってセンスコイル182が動かないため、3次元的な磁場を容易に生成でき、安定した位置・姿勢検出が実現可能となる。
磁気誘導をスタートした時、図61に示すように最初のステップS1において、患者23の体腔内に挿入される挿入部としてのカプセル形状の収納容器81を有するカプセル型医療装置72B(図61中ではカプセルと略記)と、磁場発生部2との磁気誘導開始時の相対位置を決定する処理を行う。 具体的には、ベッド31上の患者23にカプセル型医療装置72Bを導入する前に、装置近傍にマーカコイル172aを有するカプセル型医療装置72Bが無い状態でキャリブレーションを行う。
キャリブレーションは、位置・姿勢可変部74Dにより、ベッド31の位置を変えながら、各位置(代表位置)でのドライブコイル181の出力をセンスコイル182で検出する。
センスコイル182の出力は、ベッド31の位置に関連付けてキャリブレーションデータ記憶部185に記憶される。
このようにして、位置・姿勢検出部184による位置・姿勢検出情報を基に、制御部191及び磁場制御部95は、ベッド31、発生磁場の制御を行い、カプセル型医療装置72Bの磁気誘導を安定して行う。具体的には、ベッド31の現在の位置より、その位置の近傍のキャリブレーションデータから、現在の位置でのキャリブレーション値を近似・推定により求める。
図62は、このようにして生成されたキャリブレーション値を示す。
算出された位置に磁場発生部2の中心軸がくる様にベッド31を移動する。
求められたカプセル型医療装置72Bの位置と磁場発生部2の高さ方向の距離情報より、磁場制御部95が、カプセル型医療装置72Bの位置で所望の磁場が発生する様、実施例1と同様に各電磁石に流す電流のバランスを制御する。
このように制御する本実施例は、以下の効果を有する。
ドライブコイル181、センスコイル182が磁場発生部2に固定されているため、カプセル型医療装置72Bが磁場発生部2上に無い場合、高精度な位置検出が困難となる。そこで、ベッド31を移動し、検出に最適な位置を走査することで、高精度の位置検出が可能な場所を検出し、磁場発生部2を設定できるため、誘導開始時から安定した制御が可能となる。
次にカプセル型医療装置72Bの位置・姿勢情報の磁場制御部95へのフィードバック方法の変形例を図63により説明する。なお、図63中では、カプセル型医療装置を単にカプセルと略記する。
上記制御方法と同様に、磁場発生部2の中心軸がカプセル型医療装置72Bと一致する様にベッド31の位置を移動する。その後、再び位置・姿勢検出を行う。ここで、求められたカプセル型医療装置72Bの姿勢(方向)が、実際に発生している磁場の方向となる。
磁場制御部95は、本来発生しているはずの磁場方向と、実際に発生している磁場方向の偏差より、所望の磁場が発生するように、各電磁石に流す電流を補正制御する。
ベッド31上の患者23にカプセル型医療装置72Bを導入する時に、予め患者23の初期位置・初期体位を決めておき、決められた所定の位置・体位の患者23にカプセル型医療装置72Bを導入する。この時、ベッド31に目印を設けておき、それを基準に患者23の初期位置、初期体位を決定する。目印としては、ベッド31に基準となるライン等を設けたり、レーザー等を用いても良い。また、ベッド31を移動する事で、患者23の初期位置、初期体位を決定しても良い。
この場合、カプセル型医療装置72Bを導入した位置近傍に磁場発生部2の中心軸がくる様に、ベッド31を移動する。さらに磁場発生部2の移動後に位置検出を行い、カプセル型医療装置72Bと中心軸が一致するように、微調整を行っても良い。
このようにすると、位置を検出の最適位置を検索するために、ベッド31を移動する必要がないため、短時間で初期位置に移動することができる効果がある。また、微調整を行うことで、ベッド31の位置に最適な初期位置に設定可能となる効果がある。
カプセル型医療装置72Bの初期位置の初期位置がベッド31に対して決められているため、容易にベッド31の位置を最適な初期位置に設定可能となる。
位置検出のドライブコイル181、センスコイル182が、ベッド31に固定されている場合は、カプセル型医療装置72Bを導入したところで位置検出を行い、検出された位置に磁場発生部2の中心軸が一致するようにベッドを移動しても良い。
なお、本実施例では、磁場発生部2を固定し、ベッド31側を移動させた場合で説明したが、実施例1等のように磁場発生部2を移動させる場合にも適用することができる。
図64(A)は変形例の磁場発生部2Hを示す。この磁場発生部2Hは各電磁石を構成する強磁性体部に特徴がある。
図64(B)に示すように例えば電磁石5のコア部及び補助磁極部の強磁性体(導体)195部分が絶縁体196で細かく仕切って構成されている。他の電磁石4a、4b及び図64に示していない電磁石3のコア部及び補助磁極部の強磁性体(導体)195も同様の構成である。
このような構成にすることにより以下の効果がある。
なお、上述した各実施例等を部分的に組み合わせて構成される実施例等も本発明に属する。
1.前記磁場発生部に、前記第1,第2電磁石ユニットに対してそれぞれ対向する複数の電磁石を設け、
前記第1電磁石ユニットが各電磁石と逆方向に磁化され、
前記第2電磁石ユニットが対向する電磁石と同方向に磁化されることを特徴とする請求項2に記載の磁気誘導医療システム。
付記1の効果:対向する電磁石の間で、各電磁石の発生する磁場を強化することができる。
2.前記磁場発生部に、前記第1,第3電磁石ユニットに対してそれぞれ対向する複数の電磁石を設け、
前記第1,第2,第3電磁石ユニットが前記対向する各電磁石と逆方向に磁化されることを特徴とする請求項3に記載の磁気誘導医療システム。
付記2の効果:対向する電磁石の間で、各電磁石の発生する磁場を強化することができる。
前記第1,第3電磁石ユニットが対向する各電磁石と逆方向に磁化され、
前記第2電磁石ユニットが対向する電磁石と同方向に磁化されることを特徴とする請求項4に記載の磁気誘導医療システム。
付記3の効果:対向する電磁石の間で、各電磁石の発生する磁場を強化することができる。
4.前記磁場制御部が、前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置情報を基に、前記第2電磁石ユニットとその他の電磁石ユニットとの前記平面に垂直方向の相対位置を変化させる相対位置制御部を具備することを特徴とする請求項2に記載の磁気誘導医療システム。
付記4の効果:第2電磁石ユニットとその他電磁石ユニットの相対位置を変化させることで、誘導可能範囲を移動することができ、その結果、全体としての誘導可能範囲が広くなる。
付記5の効果:第1,3電磁石ユニットと第2電磁石ユニットの相対位置を変化させることで誘導可能範囲を移動することができ、その結果全体としての誘導可能範囲が広くなる。
6.前記磁場制御部が、前記複数の電磁石の各電磁石に流す電流と、その時の前記対称軸上の各位置における発生磁場とを関連付けて記憶する発生磁場記憶部を具備し、
前記磁場制御部が、前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置情報と前記発生磁場記憶部が記憶する前記各電磁石の電流と前記対称軸上の発生磁場に応じて前記磁場発生部を制御することを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。
付記6の効果:各電磁石の磁場発生分布を記憶しておくことで、挿入部の位置情報が得られた時に挿入部近辺において最適な磁場を発生するための電磁石に流す電流を算出できる。
付記7の効果:挿入部に発生する回転速度を取得画像から算出することで、実際に発生する磁場方向を検出することができる。そのため挿入部に磁気センサを必要としない。 8.前記挿入部が、磁場測定部を具備し、
前記磁場制御部が、前記磁場測定部で得られた磁場と前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置と姿勢に応じて、前記磁場発生部の発生磁場を制御することを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。
10.前記医療装置がカテーテルであることを特徴とする前記磁気誘導医療システム。 11.前記位置・姿勢検出部が、前記挿入部に設けられた電波を発生する電波発生部と、前記電波を前記生体外で受信する少なくとも1つの受信部を具備し、
前記電波発生部から発生された電波を前記受信部で受信したときの電波強度によって位置および姿勢の少なくとも一方を検出することを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。
付記11の効果:受信部の電磁波強度によって位置検出が可能なため、磁場発生部が発生する磁場と干渉することなく位置検出が可能。またカプセル型医療装置においては、挿入部での取得データを無線で送信する必要があるため、機能を兼ねることができ効率的である。
付記12の効果:筐体に受信部を設けることで、挿入部の筐体に対する位置を検出することができる。これによって筐体に対する座標系で磁場発生部が移動することができる。13.前記受信部を前記磁場発生部に固定したことを特徴とする付記11の磁気誘導医療システム。
付記13の効果:磁場発生部に受信部を固定することで、挿入部の磁場発生部に対する位置を検出することができる。これによって磁場発生部の移動量を算出することができる。また、受信部が常に挿入部に近い位置に移動するため、受信部を利用して行うデータ通信においても最適な環境で通信を行える。
前記生体外に設けられ、前記マーカコイルが発生する磁場の強度を検出する複数の磁気センサと、
前記複数の磁気センサの検出磁場から前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を算出する位置・姿勢算出部と、
を具備したことを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。
15.前記位置・姿勢検出部が、前記挿入部に設けられた移動量を検出する速度センサまたは加速度センサを備え、
前記速度センサまたは加速度センサの出力によって位置・姿勢を検出することを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。
付記15の効果:加速センサ、速度センサの積分値より位置を検出することができる。磁場発生部が発生する磁場に干渉することなく、位置を検出することができる。
前記透視装置に写し出される前記挿入部の画像によって位置・姿勢を検出することを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。
付記16の効果:透視画像を分析することにより、挿入部の位置を検出することができる。磁場発生部が発生する磁場に干渉することなく、位置を検出することができる。
17.前記磁気誘導医療システムに超音波観測装置を設け、
前記位置・姿勢検出部が前記超音波観測装置で得られた前記挿入部の画像によって位置・姿勢を検出することを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。
付記17の効果:挿入部は生体と比較して超音波に対して高反射を起こすため、超音波画像を分析することにより、挿入部の位置を検出することができる。磁場発生部が発生する磁場に干渉することなく、位置を検出することができる。
18.前記少なくとも3個の電磁石のいずれかのコアが強磁性体で構成され、前記コアの中央部分が窪み部を有することを特徴とする付記1の磁気誘導医療システム。
20.前記少なくとも3個の電磁石のいずれかの電磁石において、一方の磁極側に強磁性体が設けることを特徴とする付記1の磁気誘導医療システム。
21.前記第1電磁石ユニットを台形形状の電磁石とすることを特徴とする請求項2に記載の磁気誘導医療システム。
22.前記第3電磁石ユニットを台形形状の電磁石とすることを特徴とする請求項2に記載の磁気誘導医療システム。
23.前記電磁石を強磁性体の上に設置することを特徴とする付記1の磁気誘導医療システム。
25.前記位置・姿勢検出部がさらに、前記ドライブコイルの変動磁場のみが前記複数の磁気センサに作用した場合の複数の磁気センサでの出力であるキャリブレーションデータを記憶するキャリブレーションデータ記憶部を具備し、
前記ドライブコイルの変動磁場と前記ドライブコイルの変動磁場によって前記マーカコイルが発生する誘導磁場とが前記複数の磁気センサに作用した時の前記複数の磁気センサでの出力と、キャリブレーションデータ記憶部に記憶されたキャリブレーションデータより挿入部の位置・姿勢を算出することを特徴とする付記24に記載の磁気誘導医療システム。
前記位置・姿勢算出部が、前記キャリブレーションデータ記憶部に記憶されたキャリブレーションデータを基に、前記位置・姿勢可変部の位置および姿勢に応じたキャリブレーションデータを求め、
前記磁気センサの出力と、前記位置・姿勢算出部が求めたキャリブレーションデータとから前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を算出することを特徴とする付記25に記載の磁気誘導医療システム。
27.前記磁気センサが、前記磁場発生部に固定されたことを特徴とする付記14に記載の磁気誘導医療システム。
30.前記位置・姿勢可変部の動作により、前記磁場発生部と相対的に位置が変化するフレームを具備し、前記ドライブコイルが前記フレームに固定されたことを特徴とする付記24に記載の磁気誘導医療システム。
31.前記磁場発生部の前記各電磁石が、導体をコアとした電磁石であり、前記コアが、絶縁体によって分割されたことを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。 32.前記磁場制御部が、発生すべき磁場方向と、前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の姿勢との偏差を基に、前記磁場発生部を制御することを特徴とする請求項1に記載の磁気誘導医療システム。
34.生体の体腔内に挿入され、磁場発生部から発生する磁界によって誘導可能な空間内で誘導される挿入部を有する医療装置の磁気誘導方法において、
前記挿入部と前記磁場発生部との磁気誘導開始時の相対位置を決定するステップと、
前記磁場発生部から磁場を発生し、前記挿入部の誘導を開始するステップと、
を具備したことを特徴とする医療装置の磁気誘導方法。
36.前記挿入部と前記磁場発生部の磁気誘導開始時の相対位置を決定するステップが、 前記誘導可能な空間内の所定の位置近傍に前記挿入部を導入するステップを有することを特徴とする付記34に記載の医療装置の磁気誘導方法。
37.前記誘導可能な空間内の所定の位置近傍に前記挿入部を導入するステップが、
前記生体を前記医療装置の所定の位置および体位で導入するステップと、
前記挿入部を前記生体の体腔内に導入するステップと、
を有することを特徴とする付記36に記載の医療装置の磁気誘導方法。
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出するステップと、
検出された位置および姿勢に基づいて、前記挿入部と前記磁場発生部とを予め決められた相対位置に変化するステップと、
からなることを特徴とする付記34に記載の医療装置の磁気誘導方法。
40.前記挿入部と前記磁場発生部の磁気誘導開始時の相対位置を決定するステップが、 前記誘導可能な空間内に前記挿入部を導入するステップと、
前記挿入部と前記磁場発生部の相対位置および姿勢を複数の位置および姿勢に変更し、各位置および姿勢で前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出するステップと、
前記検出結果より、前記挿入部の位置および姿勢を決定するステップと、
前記決定した前記挿入部の位置および姿勢を基に、前記挿入部と前記磁場発生部とを予め決められた相対位置に変化するステップと、
からなることを特徴とする付記34に記載の医療装置の誘導方法。
磁場発生部が発生する磁場を用いて前記挿入部を生体の体腔内で誘導するステップと、を有する医療装置の磁気誘導方法において、
前記磁場発生部が発生する磁場を用いて前記挿入部を生体の体腔内で誘導するステップが、
位置・姿勢検出部が前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出するステップと、
前記挿入部の位置および姿勢を基に、前記生体と前記磁場発生部との相対位置および姿勢の少なくとも一方を変化させるステップと、
を有することを特徴とする医療装置の磁気誘導方法。
前記挿入部が前記誘導可能な空間内に無い状態での前記位置・姿勢検出部の状態(キャリブレーションデータ)を記憶するキャリブレーションを行うステップを設け、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出するステップが、
前記キャリブレーションデータを参照して位置および姿勢の検出を行うステップであることを特徴とする付記42に記載の医療装置の磁気誘導方法。
前記位置・姿勢検出部と前記磁場発生部との相対位置および姿勢の少なくとも一方を変化させるステップと、
前記相対位置および姿勢とこの時の前記キャリブレーションデータを関連付けて記憶するステップと、
を繰り返すステップであり、
前記キャリブレーションデータを参照して位置および姿勢の検出を行うステップは、
現在の前記位置・姿勢検出部と前記磁場発生部との相対位置および姿勢におけるキャリブレーションデータを、現在の位置・姿勢検出部と前記磁場発生部との相対位置と前記キャリブレーションで得られた前記キャリブレーションデータより算出するステップと、
前記算出されたキャリブレーションデータを参照して位置および姿勢の検出を行うステップと、
からなることを特徴とする付記43に記載の医療装置の磁気誘導方法。
2…磁場発生部
3a、3b…電磁石
4a、4b…電磁石
5…電磁石
6、7,8…電源装置
10…指示操作部
23…患者
31…ベッド
71…磁気誘導医療システム
72…カプセル型医療装置
73…受信アンテナ部
74…平面移動機構部
76…制御部
77…平面移動機構
84…撮像素子
88…マグネット
89…螺旋状構造体
91…信号処理部
92…画像表示部
94…位置検出部
96…電流制御部
Claims (20)
- 生体の体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置と、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出する位置・姿勢検出部と、
略平面上に軸対称に配置され、前記平面に略直交する方向に磁化方向を持つ、少なくとも3個の電磁石を有する磁場発生部と、
前記磁場発生部が発生する磁場を制御する磁場制御部と、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置および姿勢情報に応じて前記磁場発生部と前記挿入部との相対的な位置・姿勢を変化させる位置・姿勢可変部と、
前記挿入部に設けた磁場作用部と、
を具備し、
前記磁場作用部に前記磁場発生部が発生する磁場を作用させて前記医療装置を誘導し、
前記磁場発生部は、
2個の前記電磁石からなる第1電磁石ユニットと、
1個の前記電磁石からなる第2電磁石ユニットと、
を具備し、
前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石は、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第2電磁石ユニットを構成する前記1個の電磁石は、前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石の略中央に配置され
前記磁場制御部は、
前記磁場発生部を前記平面内で回転させる回転機構を具備する
ことを特徴とする磁気誘導医療システム。 - 生体の体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置と、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出する位置・姿勢検出部と、
略平面上に軸対称に配置され、前記平面に略直交する方向に磁化方向を持つ、少なくとも3個の電磁石を有する磁場発生部と、
前記磁場発生部が発生する磁場を制御する磁場制御部と、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置および姿勢情報に応じて前記磁場発生部と前記挿入部との相対的な位置・姿勢を変化させる位置・姿勢可変部と、
前記挿入部に設けた磁場作用部と、
を具備し、
前記磁場作用部に前記磁場発生部が発生する磁場を作用させて前記医療装置を誘導し、
前記位置・姿勢可変部は、
前記磁場発生部と前記生体とを前記平面内で相対的に平面移動させる平面移動機構を具備する
ことを特徴とする磁気誘導医療システム。 - 前記位置・姿勢可変部が、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置情報を基に、前記磁場発生部の前記対称軸上に前記挿入部がくるように前記平面移動機構を制御する平面内位置制御部を具備することを特徴とする請求項2に記載の磁気誘導医療システム。 - 前記位置・姿勢可変部が、
前記磁場発生部と前記生体とを前記平面に垂直方向に相対的に移動する垂直移動機構を具備することを特徴とする請求項2に記載の磁気誘導医療システム。 - 生体の体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置と、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出する位置・姿勢検出部と、
略平面上に軸対称に配置され、前記平面に略直交する方向に磁化方向を持つ、少なくとも3個の電磁石を有する磁場発生部と、
前記磁場発生部が発生する磁場を制御する磁場制御部と、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置および姿勢情報に応じて前記磁場発生部と前記挿入部との相対的な位置・姿勢を変化させる位置・姿勢可変部と、
前記挿入部に設けた磁場作用部と、
を具備し、
前記磁場作用部に前記磁場発生部が発生する磁場を作用させて前記医療装置を誘導し、
前記位置・姿勢可変部は、
前記磁場発生部と前記生体とを前記平面に垂直方向に相対的に移動する垂直移動機構を具備する
ことを特徴とする磁気誘導医療システム。 - 前記位置・姿勢可変部が、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置情報を基に、前記磁場発生部と前記挿入部との前記平面に垂直方向の距離が略一定になるように前記垂直移動機構を制御する垂直位置制御部を具備することを特徴とする請求項4または5に記載の磁気誘導医療システム。 - 前記磁場発生部が、
2個の前記電磁石からなる第1電磁石ユニットと、
1個の前記電磁石からなる第2電磁石ユニットと、
を具備し、
前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石が、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第2電磁石ユニットを構成する前記1個の電磁石が、前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石の略中央に配置されていることを特徴とする請求項2−6のいずれか一項に記載の磁気誘導医療システム。 - 前記磁場発生部が、
2個の前記電磁石からなる第1電磁石ユニットと、
2個の前記電磁石からなる第3電磁石ユニットと、
を具備し、
前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石が、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第3電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石が、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第1電磁石ユニットと前記第3電磁石ユニットが前記平面上で互いに略直交し、それぞれの中央部分が一致するように配置されていることを特徴とする請求項2−6のいずれか一項に記載の磁気誘導医療システム。 - 前記磁場発生部がさらに、
2個の前記電磁石からなる第3電磁石ユニットを具備し、
前記第3電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石が、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第3電磁石ユニットと前記第1電磁石ユニットが前記平面上で互いに略直交し、前記第3電磁石ユニットの中央部分が前記第2電磁石ユニットと略一致するように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の磁気誘導医療システム。 - 前記磁場発生部が、
少なくとも1個の前記電磁石と前記挿入部を挟むように対向する少なくとも1個の前記電磁石を具備することを特徴とする請求項2−6のいずれか一項に記載の磁気誘導医療装置。 - 前記磁場発生部が、
前記第2電磁石ユニットに対して対向する第4電磁石ユニットを備え、
前記第2電磁石ユニットと前記対向する第4電磁石ユニットが同方向に磁化されることを特徴とする請求項7または9に記載の磁気誘導医療システム。 - 前記磁場制御部が、
前記磁場発生部を前記平面内で回転させる回転機構を具備することを特徴とする請求項7に記載の磁気誘導医療システム。 - 生体の体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置と、
前記挿入部の位置および姿勢の少なくとも一方を検出する位置・姿勢検出部と、
略平面上に軸対称に配置され、前記平面に略直交する方向に磁化方向を持つ、少なくとも3個の電磁石を有する磁場発生部と、
前記磁場発生部が発生する磁場を制御する磁場制御部と、
前記位置・姿勢検出部で得られた前記挿入部の位置および姿勢情報に応じて前記磁場発生部と前記挿入部との相対的な位置・姿勢を変化させる位置・姿勢可変部と、
前記挿入部に設けた磁場作用部と、
を具備し、
前記磁場作用部に前記磁場発生部が発生する磁場を作用させて前記医療装置を誘導し、
前記磁場発生部は、
2個の前記電磁石からなる第1電磁石ユニットと、
1個の前記電磁石からなる第2電磁石ユニットと、
を具備し、
前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石は、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第2電磁石ユニットを構成する前記1個の電磁石は、前記第1電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石の略中央に配置され、
さらに、
患者を載置されるベッドと、
前記ベッドを支持するベッド支持部とを備え、
前記磁界発生部が、前記ベッド支持部に備えられ、
前記位置・姿勢可変部が、前記ベッドを前記ベッド支持部の上で平面移動させる平面移動機構であることを特徴とする磁気誘導医療システム。 - 前記磁場発生部がさらに、
2個の前記電磁石からなる第3電磁石ユニットを具備し、
前記第3電磁石ユニットを構成する前記2個の電磁石が、互いに逆方向の磁化方向を持つように前記平面上に所定間隔で配置され、
前記第3電磁石ユニットと前記第1電磁石ユニットが前記平面上で互いに略直交し、前記第3電磁石ユニットの中央部分が前記第2電磁石ユニットと略一致するように配置されていることを特徴とする請求項13に記載の磁気誘導医療システム。 - 前記第1,第2電磁石ユニットが、前記複数の電磁石の対称軸上の任意の位置と、前記各電磁石ユニットに流れる電流と、前記各電磁石ユニットが前記任意の位置に発生する磁場とを記憶する発生磁場記憶部を備え、
前記磁場制御部が、前記複数の電磁石の電流を制御する電磁石電流制御部を備え、
前記電流制御部が、前記位置・姿勢検出部で得られる前記挿入部の位置情報と、前記発生磁場記憶部に記憶された情報とを基に、前記磁界発生部を制御することを特徴とする請求項13に記載の磁気誘導医療システム。 - 前記磁場発生部が、繰り返しパターンの磁界を発生することを特徴とする請求項13−15のいずれか一項に記載の磁気誘導医療システム。
- 前記繰り返しパターンの磁界が、回転磁界または振動磁界であることを特徴とする請求項16に記載の磁気誘導医療システム。
- 前記挿入部がカプセル型医療装置であり、前記磁場作用部が前記カプセル型医療装置の径方向に磁化されていることを特徴とする請求項17に記載の磁気誘導医療システム。
- 前記カプセル型医療装置の外表面に、前記カプセル型医療装置の回転を推進に変換する螺旋構造を備えることを特徴とする請求項18に記載の磁気誘導医療システム。
- 前記第1,第2,第3電磁石ユニットが、前記複数の電磁石の対称軸上の任意の位置と、前記各電磁石ユニットに流れる電流と、前記各電磁石ユニットが前記任意の位置に発生する磁場とを記憶する発生磁場記憶部とを備え、
前記磁場制御部が、前記複数の電磁石の電流を制御する電磁石電流制御部を備え、
前記電流制御部が、前記位置・姿勢検出部で得られる前記挿入部の位置情報と、前記発生磁場記憶部に記憶された情報とを基に、前記磁界発生部を制御することを特徴とする請求項14に記載の磁気誘導医療システム。
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