JP4087924B2 - 容器入り水膨潤性担体及び消臭・芳香材 - Google Patents

容器入り水膨潤性担体及び消臭・芳香材 Download PDF

Info

Publication number
JP4087924B2
JP4087924B2 JP16329897A JP16329897A JP4087924B2 JP 4087924 B2 JP4087924 B2 JP 4087924B2 JP 16329897 A JP16329897 A JP 16329897A JP 16329897 A JP16329897 A JP 16329897A JP 4087924 B2 JP4087924 B2 JP 4087924B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
resin
swellable
container
deodorant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16329897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10328287A (ja
Inventor
洋二 藤浦
幸雄 銭谷
正実 小池
美保子 野本
和宏 糟谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP16329897A priority Critical patent/JP4087924B2/ja
Publication of JPH10328287A publication Critical patent/JPH10328287A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4087924B2 publication Critical patent/JP4087924B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器入り水膨潤性担体、並びに消臭及び/又は芳香材に関するものであって、例えば、水膨潤性樹脂をインテリア性に優れた動物、怪獣、花などのミニチュア形状に成形した成形体と粉末ないし粒状の吸水性樹脂からなり、これに消臭性及び/又は芳香性を有する物質の水性液を吸収・膨潤させて、室内、トイレ及び車内などで使用するのに好適な消臭及び/又は芳香材とその担体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、室内、トイレ及び車内などで使用される消臭材や芳香材は、
▲1▼消臭性を有する物質を水又は一部溶剤を含む水系媒体に溶かした水性液を一定の容器に入れたものや、
▲2▼香料の水溶液又は水性エマルジョンを、一定の容器に入れたものや、
▲3▼この▲1▼や▲2▼の液を寒天やカラギーナン等の多糖類で固形化したもの、又は
▲4▼この▲1▼や▲2▼の液を吸水性樹脂粉末でゲル化させたもの
が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来知られている上記▲1▼〜▲4▼のものは、消臭及び/又は芳香機能のみを付与したのものがほとんどである。最近このような消臭及び/又は芳香材は消臭及び/又は芳香機能だけでは満足されず、インテリア小物としての要望が高まってきている。しかし、▲1▼〜▲4▼のものは容器の意匠性や容器上のラベルの図案で対応するのが限度であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を改善した消臭及び/又は芳香材を得るべく鋭意検討した結果、消臭性及び/又は芳香性を有する物質の水性液を大量吸収して膨潤する性能を有する吸水性樹脂と水膨潤性樹脂の成形体との組み合わせを担体とすれば、この担体はインテリア性を有したキャラクターグッズなどの形状に容易に成形できる上、消臭及び/又は芳香材として形状を維持したまま異なる速度で膨潤していく様子を楽しむことができ、膨潤後は徐々に形状を維持したまま異なる速度で小さくなっていく様子も楽しむことができることを見いだし、本発明に到達した。
即ち本発明は、水膨潤性樹脂(A)の一個以上の成形体と、粉末ないし粒状の吸水性樹脂(B)とが容器内に存在されてなる容器入り水膨潤性担体であり、(A)が(A)の水又は水性液の吸収倍率の80%以上を吸収するのに要する時間が2〜480時間、(B)が(B)の水又は水性液の吸収倍率の80%以上を吸収するのに要する時間が1〜60分である水膨潤性担体;並びに、この担体に、消臭性及び/又は芳香性を有する物質(C)の水性液を吸収・膨潤させてなる消臭及び/又は芳香材である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の容器入り水膨潤性担体において、該水膨潤性樹脂(A)の成形体は、一個であっても複数個であってもよく、容器内のどこに存在していてもよいが、容器の少なくとも一部に固定されていることが好ましい。固定されることによって、該吸水性樹脂(B)や(A)自身の膨潤時及び収縮時に、移動したり転倒したりすることが防止される。
また(A)が固定される場合、安定性から容器の底面に固定されることが特に好ましい。底面に固定される場合の固定位置は、底面全体であっても底面の一部であってもよく、一部である場合は、中央部、周辺部等特に限定されない。
固定する方法についても特に限定されず、接着剤による接着、容器の底から突き出たピンに差し込むなど、何れの方法であってもよい。
また、該吸水性樹脂(B)の所在も特に限定されず、容器の底面上であっても(A)の上に載せられていてもよい。
【0006】
本発明において、該水膨潤性樹脂(A)としては、(A1)親水基が導入されたゴム及び/又は合成樹脂、(A2)ゴム及び/又は合成樹脂(1)と水溶性物質との混練物、(A3)ゴム及び/又は合成樹脂(1)と吸水性樹脂(2)との混練物等が挙げられる。(A1)の親水基が導入された合成樹脂としては、例えばエチレンオキサイドが付加重合されたポリエーテルポリオールを原料としたウレタン樹脂などが挙げられる。
【0007】
(A2)、(A3)で使用されるゴム及び/又は合成樹脂としては通常のゴムまたは合成樹脂の範疇に含まれる全てのものが使用され、特に限定されない。
例えば、ゴムとしては通常の天然ゴムのほか、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレン非共役ジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等の各種合成ゴムが挙げられる。
合成樹脂としては熱硬化性、熱可塑性を問わず、又、軟質、硬質のいずれであっても使用することができ、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−アクリル酸塩共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物、ポリエステル、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂などがあげられるが、吸水によって容積が膨張し得る程度の柔軟性を有するものが好ましく、硬質のものを使用するときは適当な可塑剤を用いて柔軟性を付与することが好ましい。
(A2)における水溶性物質としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ブアーガム、キサンタンガム等の水増粘性を有するポリマー、多価アルコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコールが挙げられる。
【0008】
(A1)〜(A3)の中では、吸水性樹脂(2)が用いられている(A3)が、膨潤速度が速く、膨潤後も水性液が溶け出さずに形状が維持されるので好ましい。
吸水性樹脂(2)の例としては、デンプンまたはセルロースとカルボキシル基、スルホン酸基などの親水基を含有する水溶性単量体及び/又は加水分解により水溶性となる単量体と、架橋剤とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂が挙げられる。この吸水性樹脂の製造法及び具体例は、特開昭52−25886号、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号及び特公昭55−21041号公報に記載されている。
【0009】
吸水性樹脂(2)の他の例としては、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物、カルボキシメチルセルロースの架橋物、架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたスルホン化ポリスチレン、特開昭52−14689号及び特開昭52−27455号公報で開示されているビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール、自己架橋型ポリアクリル酸塩などが挙げられる。
又、以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
【0010】
吸水性樹脂(2)の質量に対する水又は水性液の吸収倍率は、好ましくは10〜1,000倍であり、より好ましくは100〜1,000倍である。又、吸水性樹脂(2)は、好ましくは粉末状又は粒状であり、その平均粒径が200μm以下のものが特に好ましい。平均粒径が200μmより大きいと成形体が膨潤したときに、歪な形状となることがあり、また成形体からの脱落が多くなることがある。
【0011】
なお、本発明において吸水性樹脂の吸収倍率は次に示す方法により測定して得られる値とする。
<吸水性樹脂の吸収倍率>ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料(サンプル量;Dg)を入れ、これを袋ごと過剰の水又は水性液に浸した。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、質量(Eg)を測定して下式より吸収倍率を求めた。[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Fg)をブランクとして差し引いた。]
吸収倍率=(E−F)/D
【0012】
(A3)は、ゴム及び/又は合成樹脂(1)が20〜95質量%で、吸水性樹脂(2)が5〜80質量%のものが好ましい。(A3)中の(2)が5質量%より少ないと、水又は水性液の吸収量が低下する。一方(2)が80質量%より多くなると、成形が難しくなり、たとえ成形できても吸水性樹脂の脱落が多くなることがある。
【0013】
本発明において、該水膨潤性樹脂(A)中には、必要により他の添加物を配合することができる。この添加物としては、例えば顔料(蛍光性顔料や蓄光顔料を含む)、染料、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤、可塑剤、充填剤などが挙げられる。該水膨潤性樹脂(A)は、水又は水性液[例えば後記の消臭性及び/又は芳香性を有する物質(C)の水性液]を吸収して、(A)の質量に対して、好ましくは5〜200倍、より好ましくは10〜100倍に膨潤する性質を有するものである。
【0014】
なお、本発明において水膨潤性樹脂の吸収倍率は次に示す方法により測定して得られる値とする。
<水膨潤性樹脂の吸収倍率>ナイロン製の網袋(250メッシュ)に水膨潤性樹脂の試料片(サンプル量;Gg)を入れ、これを袋ごと過剰の水又は水性液に浸した。24時間ごとに袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、質量(Hg)を測定して下式より吸収倍率を求めた。[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Jg)をブランクとして差し引いた。]ただし、各測定時間ごとの吸収倍率が平衡(質量の変化率が3%以内)に達した点を水膨潤性樹脂の吸収倍率とした。
吸収倍率=(H−J)/G
【0015】
水膨潤性樹脂(A)の成形体の製法の代表例として、吸水性樹脂(2)を用いた水膨潤性樹脂(A3)の成形体の製法を例示すると、混合工程で(1)、(2)等をロールミキサー、バンバリミキサー、ニーダーなどの混練機を用いて混練する以外は、ゴム製品を製造する一般の方法でよく、加硫タイプのゴム製品の場合は、例えば素練り工程、混合工程、成形工程及び加硫工程などからなっている。特に型製品を製造するときの方法が好ましく、例えば成形及び加硫工程において、圧入加硫法、トランスファー加硫法又は射出成形加硫法により製造することができる。水膨潤性樹脂(A2)の場合も、吸水性樹脂(2)を水溶性物質に代える以外は上記と同様にして成形体を製造することができる。
なお、ここで混合工程において、(1)、(2)以外に必要に応じてゴムの加工で一般的に用いられるゴム用薬品、例えば加硫剤又は橋かけ剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等が使われる。
【0016】
本発明の(A)の成形体の形状は、特に制限しないが、室内、トイレ及び車内等で使用される場合を考慮して、インテリア性に優れた形状として、キャラクターグッズ、動・植物、地形、建造物及び輸送機器等の物体をミニチュアにした形状が好ましい。
【0017】
本発明において、粉末ないし粒状の吸水性樹脂(B)としては、前記の水溶性物質として例示した化合物及び/又は吸水性樹脂(2)として例示した化合物を使用することができるが、吸水性樹脂(2)として例示した化合物が、膨潤速度が速く、膨潤後も水性液が溶け出さずに形状が維持されるので好ましい。
【0018】
吸水性樹脂(B)の質量に対する水又は水性液の吸収倍率は、好ましくは10〜1,000倍であり、より好ましくは100〜1,000倍である。又、吸水性樹脂(B)の形状は、粉末又は粒状のものを使用することができるが、粒度の均一なものが膨潤後の吸水性樹脂の形状も均一になるので好ましい。
【0019】
本発明において、消臭性及び/又は芳香性を有する物質(C)としては、消臭性、芳香性又は消臭兼芳香性を有する物質として一般的に使用されているものでよく、特に制限されない。
消臭性を有する物質としては、例えばイネ、松、ヒノキ、笹等の植物からの抽出物質、酸又はアルカリ性の水性液、粉末活性炭等があり、このものを水又は一部溶剤を含んだ水溶液で希釈した水性液とすることができる。
芳香性を有する物質としては、例えば合成香料や天然香料が挙げられ、これらは水溶性のものであればその水溶液、非水溶性のものであれば水と乳化剤、必要により溶剤などからなる水性エマルジョンとすることができる。ここで、芳香性を有する物質はマスキング効果を兼備するため、実用上消臭性を有するとも言えることがある。
【0020】
本発明の容器入り水膨潤性担体中の水膨潤性樹脂(A)及び吸水性樹脂(B)の量は、特に制限されないが、水又は水性液を吸収した(B)のゲル内に未吸水の(A)が隠れるのに充分な量且つ時間の経過と共に(B)のゲル表面から(A)の膨潤体が突出する量(B)を存在させることが好ましい。
このような量(B)が存在することにより、時間の経過とともに容器内の(A)及び(B)の形状が変化する様子が印象的となる。
【0021】
本発明における水膨潤性樹脂(A)及び吸水性樹脂(B)の水又は水性液の吸収速度は特に限定されないが、(A)が(A)の水又は水性液の吸収倍率の80%以上を吸収するのに要する時間は、好ましくは2〜480時間、より好ましくは12〜168時間である。又、(B)が(B)の水又は水性液の吸収倍率の80%以上を吸収するのに要する時間は、好ましくは1〜60分、より好ましくは1〜30分である。
(A)と(B)との吸水速度に上記の差がある場合には、(A)と(B)とが異なる速度で膨潤しその後収縮する様子が十分に楽しめる。また、(A)の水又は水性液の吸収倍率の80%以上を吸収するのに要する時間が2時間未満であるか、(B)の水又は水性液の吸収倍率の80%以上を吸収するのに要する時間が60分を越えると、時間経過により吸水性樹脂(B)が膨潤した後に(B)のゲル表面より(A)の膨潤体が突出する様子が顕著に見られなくなり、面白さが低下する。
【0022】
本発明の水膨潤性樹脂(A)及び吸水性樹脂(B)に吸収させる水又は水性液の量は特に限定されないが、(A)の成形体の質量に対して好ましくは5倍以上、より好ましくは10〜200倍である。5倍より少ないと、膨潤の程度が小さく、また水又は水性液が揮発する過程で形状が小さくなって行く様子が顕著に見られなくなり、面白さが低下する。
【0023】
本発明に用いられる容器としては、(A)及び/又は(B)が吸水し膨潤した時にこぼれない形状のものであれば特に限定されないが、たとえば、円筒状、角柱状、円錐状、角錐状、底面が平らな球状などが挙げられる。
また、容器の材質はガラスであっても合成樹脂であってもよい。合成樹脂としては、熱可塑性、熱硬化性を問わず、(A2)、(A3)で使用される合成樹脂として前に例示したものなどを用いることができるが、側面から容器を通して中の様子を見て楽しむことができることから、少なくとも一部が透明な容器であることが好ましい。
【0024】
該水膨潤性樹脂(A)及び該吸水性樹脂(B)は、着色されていても着色されていなくてもよいが、視覚的な効果から着色されていることが好ましく、(A)、(B)それぞれが異なる色に着色されていることが特に好ましい。
【0025】
本発明の担体の用途は、特に制限されないが、水膨潤性樹脂(A)及び吸水性樹脂(B)が水又は水性液を吸収し、形状が大きくなっていく過程、更に(A)及び(B)の膨潤体から水又は水性液が揮発し、形状が小さくなっていく過程を視覚的に見られる面白さを有することから、教材用、玩具用、インテリア用又はエクステリア用に使用されることが好ましい。
【0026】
本発明の担体に、消臭性及び/又は芳香性を有する物質(C)の水性液を吸収させることにより、本発明の消臭及び/又は芳香材が得られる。なおこの時は、消臭性及び/又は芳香性の液が揮発できる出口を容器に設けなければならない。
【0027】
本発明の消臭及び/又は芳香材において、該水膨潤性樹脂(A)の成形体及び吸水性樹脂(B)に吸収させる(C)の水性液の量は、(A)の成形体及び(B)の膨潤能力にもよるが、(A)の成形体の質量に対して好ましくは5倍以上、より好ましくは10〜200倍である。5倍より少ないと、上述したように、膨潤の程度が小さく、面白さが低下するほか、消臭及び/又は芳香効果が弱く、長時間持続できない。
【0028】
本発明の容器入り水膨潤性担体を用いた消臭及び/又は芳香材としての商品形態としては、例えば次の2形態が挙げられる。
▲1▼本発明の水膨潤性樹脂の成形体が固定され、吸水性樹脂が入った容器に予め消臭及び/又は芳香液を入れ、樹脂に吸収、膨潤させ、蓋をして店頭に置く。実際に使用するときは、蓋を外し、室内、トイレ、車内等へ置くことにより、消臭及び/又は芳香効果が得られると共に、膨潤し大きくなった吸水性樹脂及びキャラクターグッズなどの形状をした成形体が、消臭及び/又は芳香液の揮発により、徐々に異なる速度で小さくなっていく様子を見て楽しめる。ほぼ吸液前の元の状態になった時点でこの商品を取り替えるか、もしくは、新しい消臭及び/又は芳香剤を加え、再度使用する。
▲2▼所定の消臭及び/又は芳香液を入れた容器と、本発明の吸水性樹脂入りで水膨潤性樹脂の成形体が接着剤等で固定された容器とをセットにして店頭に置く。実際に使用するときは、消臭及び/又は芳香液を、本発明の吸水性樹脂入りで水膨潤性樹脂の成形体が固定された容器中に投入して、室内、トイレ、車内等へ置くことにより、消臭及び/又は芳香効果が得られると共に、吸水性樹脂とキャラクターグッズなどの形状をした成形体が、徐々に消臭及び/又は芳香液を吸収し、異なる速度で膨潤し大きくなっていく様子を見て楽しめる。また、膨潤し大きくなった吸水性樹脂及びキャラクターグッズなどの形状をした成形体が、消臭及び/又は芳香液の揮発により、徐々に異なる速度で小さくなっていく様子を見て楽しめる。ほぼ元の状態になった時点でこの商品を取り替えるか、もしくは、新しい消臭及び/又は芳香剤を加え、再度使用する。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の容器入り水膨潤性担体の実施例を示す図、及びこの担体を用いた消臭及び/又は芳香材の実施例を示す図により本発明を説明する。
図1及び図2は、本発明の容器入り水膨潤性担体の一実施例を示す斜視図である。
図3は、図1の容器入り水膨潤性担体の断面図である。
図1〜3において、1は水膨潤性樹脂の成形体、2は吸水性樹脂、3はガラスの容器、4はキャップ、5は接着剤である。
図1において、水膨潤性樹脂(A)はキノコの形をしており、底面が容器の底の中央部に接着剤で固定されている。図2において、水膨潤性樹脂(A)は富士山タイプの山の形をしており、容器の底全面に接着剤で固定されている。
前述したように(A)の成形体の形状はこれに限らず、キャラクターグッズ、動・植物、地形、建造物及び輸送機器等の何れでもよいし、成形体の個数も一個に限らず複数個あってもよい。また、容器の底面に固定される位置も限定されない。
図1及び図2に示した以外の(A)の成形体の形状の一例としては、ツクシの形をしたものが複数個あるもの、オモチャの列車の形をしたものが容器の周囲を1周しているものなどが挙げられる。
【0030】
図4及び図5は、本発明の容器入り水膨潤性担体(図3)に消臭液を投入した後の途中経過を示した断面図である。
図4は、図3の容器中に消臭性を有する物質の水性液を投入し、蓋を閉じて30分間放置した後の状態を示す断面図である。図4において、1’は水膨潤性樹脂(A)の成形体がごく少量の消臭液を吸水し、わずかに膨潤した状態のものであり、2’は吸水性樹脂(B)が消臭液を先に吸収し、約235倍に膨潤したものである。また、3はガラスの容器、4はキャップ、5は接着剤である。
図5は、図3の容器中に消臭性を有する物質の水性液を投入し、蓋を閉じて4日間放置した後の状態を示す断面図である。
図5において、1”は水膨潤性樹脂(A)の成形体が、図4に示した2’(吸水性樹脂の消臭液吸収ゲル)より、消臭液の一部を吸収し、約31倍に膨潤したものであり、2”は消臭液を吸収膨潤した吸水性樹脂が、一部の消臭液を1”に吸収され、最大膨潤時よりやや収縮した状態のものである。また、3はガラスの容器、4はキャップ、5は接着剤である。
図3〜図5に示したような経過で形状が変化していくことから、あたかも一度土の中に埋もれたキノコが、土の中から顔を出して成長していくような様を楽しむこできる。
なお、消臭材として使用するときは、勿論蓋を開けて使用する。
以下製造例及び使用例を示す実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下部は質量部を表す。
【0031】
実施例1
(1)水膨潤性樹脂の成形品;スチレンブタジエンゴム(SBR)を素練りした後、次の配合比率で混合したものをニーダーで混練し、傘を広げたキノコの形状をした型に圧入した。
SBR 50 部
サンフレッシュST−500MPS 50 部
酸化亜鉛 2.5 部
粉末イオウ 1.0 部
促進剤DM 1.0 部
ステアリン酸 0.5 部
パラフィン 1.0 部
フタロシアニン顔料 0.5 部
注)サンフレッシュST−500MPS:アクリル系吸水性樹脂、平均粒径20〜50ミクロン、吸水性能400g/g、三洋化成工業(株)製
次に、148℃で10分間加硫して、成形物を取り出し、質量3.8gの本発明の水膨潤性樹脂の成形体を得た。
(2)吸水性樹脂;サンフレッシュST−610[アクリル系吸水性樹脂、平均粒径175〜230ミクロン、吸水性能460g/g、三洋化成工業(株)製]を質量2.0g使用した。
(3)一方、消臭性を有する物質として、アポライトF−2[イネの抽出液、日本化成(株)製]を用い、水で10倍に希釈して消臭液を作成した。この消臭液(500ml)に水膨潤性樹脂の成形体と吸水性樹脂を浸漬した。浸漬30分後の膨潤した吸水性樹脂を取り出し、質量を量ると470gであった。浸漬4日後の膨潤した水膨潤性樹脂の成形体を取り出し、質量を量ると116gであった。
この膨潤した水膨潤性樹脂の成形体の形状は、歪むことなく膨潤前の形態を維持したままで大きくなっていた。
これを室内に放置した。膨潤した水膨潤性樹脂の成形体は消臭液の揮発により、形状は初期の形態を維持したままで吸水性樹脂と共に徐々に小さくなり、2ヶ月後にはほぼ膨潤前の大きさに戻っていた。
【0032】
実施例2
(1)芳香性を有する物質として香料を用い、次の配合比率で混合、十分撹拌して芳香液を作成した。
テルペン系合成香料 1部
エタノール 5部
ノニポール120 3部
水 91部
注)ノニポール120:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤、三洋化成工業(株)製
(2)この芳香液(500ml)に実施例1で使用した吸水性樹脂及び実施例1で得た水膨潤性樹脂の成形体を浸漬した。浸漬30分後の膨潤した吸水性樹脂を取り出し、質量を量ると480gであった。浸漬4日後の膨潤した水膨潤性樹脂の成形体を取り出し、質量を量ると120gであった。
この膨潤した水膨潤性樹脂の成形体の形状は、歪むことなく膨潤前の形態を維持したままで大きくなっていた。
これを室温に放置した。膨潤した水膨潤性樹脂の成形体は芳香液の揮発により、形状は初期の形態を維持したままで吸水性樹脂と共に徐々に小さくなり、2ヶ月後にはほぼ膨潤前の大きさに戻っていた。
【0033】
【発明の効果】
本発明の容器入り水膨潤性担体及びこれを用いた本発明の消臭及び/又は芳香材は、次のような特長がある。
▲1▼インテリア性を有したキャラクターグッズなどの形状に容易に成形できる。
▲2▼使用中、吸水性樹脂と水膨潤性樹脂の成形体が、徐々に形状を維持したまま、異なる速度で大きくなったり、小さくなっていく状態を楽しむことができる。
以上のことから、本発明の容器入り水膨潤性担体及びこれを用いた本発明の消臭及び/又は芳香材は、インテリア性に優れた担体並びに消臭及び/又は芳香材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の容器入り水膨潤性担体の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の容器入り水膨潤性担体の一例を示す斜視図である。
【図3】 本発明の容器入り水膨潤性担体の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明の容器入り水膨潤性担体の消臭液吸収30分後の状態を示す断面図である。
【図5】 本発明の容器入り水膨潤性担体の消臭液吸収4日後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 水膨潤性樹脂の成形体
1’水膨潤性樹脂の成形体が少量の消臭液を吸収し、わずかに膨潤したもの
1”水膨潤性樹脂の成形体が消臭液を吸収し、膨潤したもの
2 吸水性樹脂
2’吸水性樹脂が消臭液を吸収し、膨潤したもの
2”吸水性樹脂が消臭液を吸収し膨潤後、やや収縮したもの
3 ガラスの容器
4 キャップ
5 接着剤

Claims (9)

  1. 水膨潤性樹脂(A)の一個以上の成形体と、粉末ないし粒状の吸水性樹脂(B)とが容器内に存在されてなる容器入り水膨潤性担体であり、(A)が(A)の水又は水性液の吸収倍率の80%以上を吸収するのに要する時間が2〜480時間、(B)が(B)の水又は水性液の吸収倍率の80%以上を吸収するのに要する時間が1〜60分である水膨潤性担体
  2. 該水膨潤性樹脂(A)が容器の底面の少なくとも一部に固定されてなる請求項1記載の担体。
  3. 該容器の少なくとも一部が透明である請求項1又は2記載の担体。
  4. 該水膨潤性樹脂(A)が該吸水性樹脂(B)と異なる色に着色されている請求項1〜3のいずれか記載の担体。
  5. 該水膨潤性樹脂(A)がゴム及び/又は合成樹脂(1)と下記吸水性樹脂(2)とからなり、(1)を20〜95質量%、(2)を5〜80質量%含有する混練物である請求項1〜4のいずれか記載の担体。
    吸水性樹脂(2):デンプンまたはセルロースとカルボキシル基、スルホン酸基などの親水基を含有する水溶性単量体及び/又は加水分解により水溶性となる単量体と、架橋剤とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物、カルボキシメチルセルロースの架橋物、架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたスルホン化ポリスチレン、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール、並びに、自己架橋型ポリアクリル酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の吸水性樹脂。
  6. 該水膨潤性樹脂(A)の質量に対する水又は水性液の吸収倍率が5〜200倍、該吸性樹脂(B)の質量に対する水又は水性液の吸収倍率が10〜1000倍である請求項1〜5のいずれか記載の担体。
  7. 該水膨潤性樹脂(A)の成形体が、キャラクターグッズ、動・植物、地形、建造物及び輸送機器からなる群より選ばれる物体をミニチュアにした形状である請求項1〜のいずれか記載の担体。
  8. 教材用、玩具用、インテリア用又はエクステリア用である請求項1〜のいずれか記載の担体。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の担体に、消臭性及び/又は芳香性を有する物質(C)の水性液を吸収・膨潤させてなる消臭及び/又は芳香材。
JP16329897A 1997-06-04 1997-06-04 容器入り水膨潤性担体及び消臭・芳香材 Expired - Fee Related JP4087924B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16329897A JP4087924B2 (ja) 1997-06-04 1997-06-04 容器入り水膨潤性担体及び消臭・芳香材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16329897A JP4087924B2 (ja) 1997-06-04 1997-06-04 容器入り水膨潤性担体及び消臭・芳香材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10328287A JPH10328287A (ja) 1998-12-15
JP4087924B2 true JP4087924B2 (ja) 2008-05-21

Family

ID=15771177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16329897A Expired - Fee Related JP4087924B2 (ja) 1997-06-04 1997-06-04 容器入り水膨潤性担体及び消臭・芳香材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4087924B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4733803B2 (ja) * 1999-12-22 2011-07-27 エステー株式会社 薬剤揮散装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10328287A (ja) 1998-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5034222A (en) Composite gel-foam air freshener
AU694261B2 (en) Modeling dough
US5041421A (en) Fragrant material
US5506290A (en) Plastic moldable composition
US5972092A (en) Lightweight modeling play composition
CA2600683A1 (en) Clumping, non-dusting calcium carbonate-based animal litter
CN103270089B (zh) 包含可交联粘合剂的游戏组合物
WO1993016132A1 (en) Play material based on cross-link sodium alginate
KR101639767B1 (ko) 현무암가루를 이용한 굳지않는 점토 및 그 제조방법
JP4087924B2 (ja) 容器入り水膨潤性担体及び消臭・芳香材
JP3321123B2 (ja) 水性液用ゲル化剤およびその物品
US6503582B1 (en) Fluid-swellable composition, device and method for using the same
US20180037052A1 (en) Synthetic Clay Composition Containing Hollow Sphere And Method For Preparing The Same
JP2003253246A (ja) 水系ゲル成形体及びそれを使用した物品
JP2000014760A (ja) 消臭・芳香剤およびその物品
JP3558899B2 (ja) 水系ゲルおよびその物品
EP1404267A2 (de) Absorptionsmaterial und verfahren zu dessen herstellung
JP2014525818A (ja) カラギナンゲルの空気清浄剤
EP1005505B1 (en) Artificial snow and method of making the same
KR101682074B1 (ko) 향 지속성 플라스틱 방향제의 제조방법
JPH09299468A (ja) 消臭・芳香材用担体及び消臭・芳香材
JPS602064B2 (ja) 徐放性香料組成物の製造法
JPH01201364A (ja) 水分検知可能な吸水性組成物ならびに吸水性成形体
JPH11226103A (ja) 芳香を発散する装飾用物品
JPH0422582B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees