JP4087689B2 - GaNフィールドエミッターアレイの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良ナノチップ及びそのナノチップの改良された形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体技術の進歩により、携帯電子装置のサイズおよびコストが削減され、ディスプレイ装置が安価で信頼できる携帯装置の開発の制約要素になっている。今日、ほとんどの携帯システム及びラップトップコンピュータはディスプレイに対しアクティブマトリクス液晶技術を利用している。しかしながら、そのようなディスプレイには幾つかの欠点がある。これらの欠点の最も顕著なものは、制限された視野角及び携帯システムの他の半導体エレクトロニクスに比べると高いコスト、高い電力消費である。より大きなコンピュータシステムに使用されている陰極線管(CRT)技術は液晶システムに比べ広い視野角などのいくつかの利点を有する。しかしながら、CRTは携帯装置に組み入れるには嵩高すぎ、動作させるにはかなりの量の電力を必要とする。
【0003】
電界放出ディスプレイ(field emission display:FED)技術は広い視野角が得られ、薄く軽量であるという利点を有するディスプレイ技術として提案されている。電界放出ディスプレイはCRT上で見られるようにルミネセンス表面、典型的には発光体表面上に電子を放射するナノチップ(nanotip)と呼ばれる冷電子放射源(エミッター:emitter)を使用する。このようにFEDの視野表面は、CRTの広い視野角を含む多くの利点を有する。電子源として電子銃管以外のナノチップを使用するとディスプレイ装置の電力消費量がかなり減少する。ナノチップ電子源を使用すると、ディスプレイの形状因子も減少する。ナノチップから放射される電子は典型的にはディスプレイ内の真空空間を通って近傍のルミネセンス表面まで伝搬する。電子がルミネセンス表面と衝突すると、光が放出される。駆動回路は電子のナノチップ放射を制御することにより表示されるパターンを制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのような電界放出装置と関係する1つの問題は、ナノチップの作製のコストが高く困難であることである。さらに、サイズの大きな現在のナノチップではFEDの動作のために望ましい値より高い電圧が必要とされる。このように、小さなナノチップを形成する改良法が必要とされる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるフィールドエミッターアレイの製造方法はサファイヤ基板上に窒化ガリウムからなる結晶材料を転位(dislocation)が起こる様にエピタキシャル成長で形成する工程と、前記結晶材料をKOH/H 2 O中で光増強ウエットエッチングし各転位でナノチップを形成する工程と、を含む。
【0006】
【発明の実施の形態】
ナノチップは半導体材料内の欠陥または転位から形成される。転位は半導体と基板との界面に好ましくは垂直な方向に形成する。転位を選択的にエッチしナノチップを形成する。このナノチップは後に電子源として使用される。
【0007】
フィールドエミッター(field emitter)アレイを使用する改良ディスプレイ装置について説明する。図1は改良電界効果ディスプレイを形成するために使用される中間構造を示した図である。図1では、半導体材料104を基板108上で成長させる。1つの実施の形態では、半導体材料は窒化ガリウム(GaN)であり、サファイヤなどの基板108上でヘテロエピタキシー成長される。
【0008】
基板108および半導体材料104は、それらの格子定数の差により基板と半導体材料との界面で転位112が生じるように選択される。一般に、格子定数は材料中の原子の平衡間隔を規定する。第2の格子定数を有する第2の材料の薄層を、異なる第1の格子定数を有する第1の材料上にヘテロエピタキシー成長させると、通常第2の材料の格子中に欠陥が誘発される。第2の材料のヘテロエピタキシー成長が開始すると、第2の材料の成長に伴い応力が増大する。結合の長さが第1の材料の結合の長さと適合するように制約を受けるからである。第2の材料の原子結合において誘発される応力に適応するために、第2の材料のバルク構造から逸脱した結合配列が周期的に起こる。これらの逸脱した結合配列により誘発されたひずみが減少し、成長膜内に局在化した欠陥が生じる。
【0009】
半導体と基板との界面に垂直に配向した欠陥構造となる転位はナノチップを形成するには理想的である。サファイヤ基板上で成長したGaNはそのような転位を形成する。特に、サファイヤ基板上でGaNをヘテロエピタキー成長させると、GaNの六方結晶構造がサファイヤの六方対称結晶構造と接合し、GaNとサファイヤとの界面に垂直に配向した柱状構造を有する欠陥が形成される。
【0010】
そのうえ、鋭く狭いチップの作製を容易にする六方結晶構造は冷陰極の適用において望ましく、GaNはまた高温で安定な原子結合を形成するので理想的である。高温安定性は、高い電流密度を利用する冷陰極電子線源での適用では重要である。1つのそのような適用は、様々な用途の真空システムにおける高速電子線の供給である。
【0011】
GaN欠陥柱状構造の厚さは一般にGaNの低温バッファ層111の厚さを制御することにより制御することができる。欠陥はそのバッファ層から形成される。1つの実施の形態では、バッファ層の形成中の温度は約550℃に設定される。バッファ層の厚さは変えてもよいが、典型的には50ナノメートル未満に、より典型的には20〜30ナノメートルに維持される。実質的に20ナノメートルより薄い層では不均一なバッファ層となってしまうことがある。
【0012】
この実施の形態では六方対称結晶基板上に成長させた六方晶半導体について説明しているが、他の構造を使用して半導体−基板界面に垂直な欠陥を形成してもよい。例えば、立方構造では、歪んだ層を形成しまたはオーバーグロース法を使用し直線の垂直転位を得ることによりそのような形状としても良い。
【0013】
好ましい実施の形態では、転位112の密度は電子エミッターの望ましい密度に近づくように選択される。電子エミッター密度が高いとより高い画素解像度、より高い放出電流及びディスプレイの明るさが得られ、エミッター源のより高い制御が可能となる。転位密度は、典型的にはバッファ層内の温度を制御することによりバッファ層内の転位の形成を制御することにより制御することができる。ヘテロエピタキシャル成長を使用してサファイヤ基板上でGaN層を成長させる場合、典型的には600℃より低い温度で低温バッファ層を成長させた後、そのバッファ層を成長させるのに使用した温度よりも高い温度で高温層を成長させる。この成長により、1平方センチメートルあたり1010を超える転位密度が達成される。
【0014】
半導体材料104を析出させた後、半導体をエッチする。エッチング技術は、転位されていない領域のエッチは迅速で、転位周辺の領域のエッチは遅くなるように選択される。そのようなエッチング技術の1つの例はKOH/H2O(脱イオン水中で希釈した水酸化カリウム)中でのGaNの光増強ウエットエッチングである。そのようなエッチング技術はC.Youtsey、L.T.Romano、I Adesidaの転位の選択的光増強ウエットエッチング、Appl.Phys.Lett,73,797(1998)において説明されている。得られた高いアスペクト比のナノチップ116を図2に示す。図示された実施の形態では、ナノチップは典型的には1〜3μmの高さ(実際の高さは層104の選択した厚さに依存する)、チップの曲率半径が5ナノメートルのオーダーとなるように選択される。チップ自体は好ましくは原子的に鋭く、電子の放出を容易にする。図示した実施の形態では、ナノチップのアスペクト比は約40である。図4およびその後の説明で概略を示した技術を用いると、半径が典型的には10nmのオーダーのナノチップを作製することができる。チップ間の間隔122は転位密度により変化するが、ナノチップ間で1μmの間隔が達成されている。
【0015】
ナノチップの導電率が増加すると、ナノチップから電子を放出するのに必要とされる電場が減少する。導電性の高いナノチップは、高ドープ半導体、典型的には半導体導電率を増加させるためのN−型ドーパントからナノチップを作製することにより達成することができる。例えば、GaNからナノチップを作製する場合、GaNには1019原子/cm3などのレベルで珪素を多くドープしてもよい。ナノチップの導電率を増大させる他の方法は半導体から形成されたナノチップを金属、好ましくはストロンチウムやセシウムなどの仕事関数の低い金属でコートするものである。金属コーティングは第1の絶縁(conformal)誘電体層の析出前にスパッタリングや蒸着などの方法により適用することができる。
【0016】
ディスプレイシステムでは、導体層136は典型的にはナノチップの近傍に形成される。導体層136により発生した電場は電子の放出を容易にする。ディスプレイシステムでは、ディスプレイ上の各画素は個々にアドレスされイメージが形成される必要がある。そのようなアドレシング(addressing)を達成する1つの方法は、共通の全てのナノチップをアドレスし、導体層136をセグメント化し個々の画素をアドレスするものである。その代わりに、電子を加速する導体層136を連続させ、図5に示す様にナノチップを固まりでアドレスすることができる。図5はFEDの底部、ナノチップを示したものである。ナノチップの各クラスターは画素504、508、512などの画素に対応する。アドレス可能なクラスターを作製する1つの方法は、隣接するウエルから分離されたエピタキシャル成長させたp−n接合ウエル上にナノチップを成長させるものである。特別なウエル上のナノチップはその後1つの画素に対応する1つのクラスターを形成する。各クラスターの電気的な絶縁はエッチングまたはイオン注入によりウエル間に高い抵抗障壁516を作製する技術を含む様々な技術により達成してもよい。各ウエルはそれぞれマトリクスアドレシングスキームで駆動回路520により活性化させることができる。GaN中で形成した1以上のトランジスタを用いるとアドレシングが可能である。
【0017】
エッチング後、酸化物層などの第1の誘電絶縁体126をエッチした半導体材料104上に析出させる。第1の絶縁層の成長速度は非常に低く維持され、誘電体とナノチップの鋭い縁との間に空隙が形成されないようにされる。第1の正角誘電体126の厚さは典型的にはコンマ何μmであり、ナノチップ116の高さよりずっと少ないが、GaNの表面を完全に覆うのに十分な厚さである。第1の正角誘電体層126を析出させた後、誘電体の成長速度を増大させて、製造時間を減少させ、さらに絶縁材料を追加して第2の誘電体層130を形成してもよい。第2の誘電体層130は絶縁層であっても絶縁でない層であってもよい。第2の誘電体層130は典型的にはナノチップ116の高さよりも厚く、第2の誘電体層130の上面133はそれぞれわずかに上部よりも上にあるようにされるが、これは必ずしも必要なことではない。しかしながら、好ましくは誘電体層130は十分薄くするべきで、各ナノチップ116は第2の誘電体層130の上面133の変形部132となるべきである。絶縁体層を形成するプロセスは細分され誘電材料の異なる成長速度を用いる2工程操作として説明されるが、1つの工程プロセスで2つの成長速度の代わりに1つの成長速度を使用してもよく、通常、装置の生産速度と製造時間とが考慮される。
【0018】
絶縁層130を形成した後、薄い導体層136、典型的には金属を第2の絶縁体層130上に形成する。前述したように、導体層136から発生する電場を使用してナノチップからの電子の放出を支援させてもよい。
【0019】
図3は図2の構造をさらに処理した後のFED構造を示したものである。図3では、図2の構造が平面化され、図2の変形部132及び変形部上に析出された対応する金属は除去されている。変形部上の金属を除去すると、金属中に図3の開口140が残る。開口により絶縁体層130はエッチング剤に暴露される。
【0020】
他の実施の形態では、垂直から傾いた角度での金属蒸着を用いて金属を析出させることにより平面化操作を回避してもよい。そうすると、誘電体中の局所ピークが蒸発した金属の析出を遮り、誘電体ピークの中心からちょうどはずれた金属膜内にピンホールが生じる。原則として、エッチホールを開けるには平面化工程は必要ではなく、ナノチップ上の金属内のホールが自然に形成するであろう。しかしながら、説明した技術でも望ましくない金属の凹凸が生じてしまう。
【0021】
金属層内にナノチップと整合された開口を形成した後、等方性のエッチング剤により第2及び第1の誘電体層130、126内に空洞143を形成させる。別のエッチング剤を用い、必要に応じて空洞の形状を調整することがてきる。エッチングはウエットまたはドライ(プラズマ)プロセスのいずれかを使用することができる。
【0022】
誘電体をエッチして空洞を形成させると金属層がアンダーカットされる。1つの実施の形態では、エッチされた空洞の深さは隣接するナノチップ間の平均距離よりも小さく、そのため十分な誘電体が残り金属層が支持され、金属層は誘電体に接着されたままとされる。しかしながら、空洞の深さが隣接するナノチップ間の距離より大きくなると、金属層はかなりアンダーカットされたこととなる。そのような状況では、誘電体上に金属層を支持するために追加のアンカーが必要となるかもしれない。
【0023】
そのようなアンカーを形成する1つの方法は金属形成導電層136の析出前に誘電体層126、130をパターニングするものである。そのような操作では、レジスト層を誘電体層上に付着させる。エッチホールの理想的な間隔はアンカーにより支持される金属層の厚さに一部依存する。エッチングプロセスにより導電層を完全にアンダーカットしてアンカーのみを残し導電層を支持するようにした場合のみアンカーは有効であるため、導電層はアンカー間でそれ自体を支持するのに十分強固なものであるべきである。導電層136のために金属層を使用する場合、アンカー支持体の典型的な間隔は金属層の厚さの10倍とすることができる。
【0024】
エッチホールを使用して誘電体層中でアンカーホールをエッチする。アンカーホールは結晶材料、(典型的にはGaN)まで延在してもよい。その後、アンカーホールをポリイミド材料などのアンカー材料、またはその後に誘電材料中に空洞を形成させるのに使用されるエッチング剤によりエッチされない他のアンカー材料で充填する。
【0025】
アンカー材料をアンカーホール内に堆積させた後、レジスト層を取り除き金属層を析出させる。金属層はアンカー材料に結合するため、空洞がエッチされると、アンカー材料は金属層を誘電体層上で維持する。
【0026】
導体層136とナノチップ116との間の電場によりナノチップ116の頂点から電子が放出される。これらの電子は各空洞143内、および自由空間領域145内に形成された移動経路146などの移動経路に沿って伝搬する。各移動経路146はナノチップ116の頂点から対応する空洞143及び自由空間145を通って表面148まで延在し、その表面で電子エネルギーが光エネルギーに変換される。図示した実施の形態では、表面148はガラスまたはプラスチックなどの透明な板上の発光体コートされた透明導電層149である。導電層149はある電圧で保持され、開口領域から放出された電子を引きつける電場を提供する。
【0027】
図4はナノチップを形成する1つの方法を説明する流れ図である。ブロック404では、窒化ガリウム(GaN)などの典型的には六方結晶構造を有する半導体層をベース基板上に成長させる。ベース基板、上部層及び成長条件は所望の転位数に基づき選択される。最終的には、各転位を使用してマイクロチップ(microtip)を作製する。GaN半導体の成長速度は転位の均一な分布が得られるように注意深く制御される。六方GaN画素の制御された成長速度を達成する1つの方法は金属有機気相エピタキシー(MOVPE)を用いるものである。他の方法としては電子線エピタキシー及びハイブリッド気相エピタキシー(HVPE)が挙げられる。
【0028】
高密度の転位により高密度のナノチップの形成が可能となる。ナノチップの密度が高いと、各画素が多くのナノチップを含むことができるので望ましい。1つの画素に対応する各蛍光体領域はこのように多くの異なるナノチップから電子を受ける。各画素に対応するナノチップの数が多いと1つの画素あたりの電子数の有効数及び電流が増大し、所定の電圧でより明るい画素が得られる。ナノチップの数が多いと画素間でより統計的に均一な発光が得られる。
【0029】
現在のディスプレイシステムの画素の寸法は典型的には約100×100μmである。標準スピンド(Spindt)プロセスではフォトリソグラフィーを使用して、チップを成長させるためのシャドウマスクとして使用される開口をパターニングする。しかしながら、その様なフォトリソグラフィー特徴は〜1μmに限定される。そのため、ナノチップを形成するこのプロセスでは、1平方センチメートルあたり約108ナノチップが得られるにすぎない。100×100μmの画素に適用すると、1平方メートルあたり108ナノチップ(1平方μmあたり1ナノチップ)とすると1つの画素あたり約10,000のナノチップが得られる。サファイヤ基板上でGaNをヘテロエピタキシャル成長させると、1平方センチメートルあたり1010転位もの高い転位密度が達成される。1平方センチメートルあたり1010転位では、1つの画素あたりのナノチップの数が約100倍増大する。ナノチップ密度が100倍増加すると電位電流密度が約100倍増大し、画素間の電流変動が約10倍減少する。説明した方法では開口規定マスク工程も必要なくなる。
【0030】
基板上で六方結晶半導体を成長させた後、ボックス408で半導体をエッチする。KOH/H2O中でのGaNの光増強ウエットエッチングでは、転位の周辺の材料のエッチングは非常に遅く、転位のない材料のエッチングは非常に速いことが見出されている。1つの効果的なエッチング技術はC.Youtsey、L.T.Romano、I Adesida、Appl.Phys.Lett、73、797(1998)において説明されているプロセスで水銀ランプと低濃度KOH溶液を使用する。エッチングの結果、基板表面に垂直な非常にアスペクト比の高い「ナノチップ」が得られる。1つの実施の形態では、ナノチップ間の間隔は約100nmである。
【0031】
典型的には、半導体ナノチップは多量にドープされた半導体から形成されナノチップの高い導電率が維持される。その代わりに、ナノチップはブロック410に示されるように金属層でコートしてもよい。金属は好ましくは仕事関数の低い金属であり、比較的低い電場レベルに暴露されると電子は簡単に金属から放出される。
【0032】
GaNナノチップを形成した後、ブロック412に示すようにGaN層上で絶縁誘電体層をゆっくり成長させる。ゆっくり成長させる正角誘電体層は酸化珪素などの多くの材料から形成してもよい。酸化物は湿式酸化、乾式酸化、スパッタリングまたは他の技術を含む多くの技術を用いて形成してもよい。誘電体の成長または析出速度は正角誘電体層とナノチップ表面との間に空隙が形成されないよう十分遅く維持される。
【0033】
1つの実施の形態では、第1の絶縁酸化物層を析出させた後、残りの誘電体層をブロック416で析出させる。残りの誘電体層または「第2の」誘電体層をより高い析出速度で形成し、製造時間を短縮しても良い。残りの誘電体層内で空隙が形成される危険は減少する。成長速度の遅い正角誘電体層がナノチップの鋭い縁を滑らかにし、空隙が形成される確率が減少するからである。さらに、ナノチップは成長速度の遅い誘電体層によりすでにシールされているので、残りの誘電体層内で小さな空隙が形成されても許容される。その代わりに、第1及び第2の誘電体層全体を1つの操作で形成してもよいが、通常、絶縁層の作製全体の成長速度を遅くすることにより製造速度がいくらか損なわれたり、より速い成長速度により時折生じる空隙により故障率が増大したりする。成長速度の遅い誘電体層と残りの誘電体層とを合わせた厚さは第2の誘電体層の平らな上面が各ナノチップの上面上に存在するように十分厚いが、図2に示すようにナノチップにより上面の非平面性が得られるように十分薄い。
【0034】
ブロック420では、導電層、典型的には金属を第2の誘電体層上に析出させる。1つの実施の形態では、導電層の厚さは100nmと300nmとの間である。各ナノチップにより図2に示されるように導電層136の対応する変形部132または突出領域が生じる。
【0035】
ブロック424では、ウエハを平面化し導電層の各突出領域を除去する。平面化は図2の金属平面138の上面付近で中止するように化学機械研磨または電解研磨のいずれかを使用して達成してもよい。除去された領域により導電層内に開口が生じる。
【0036】
ブロック428では、導電層内の開口の真下の誘電体の一部を除去する。誘電体を除去すると、図3の空洞143のような空洞が形成される。除去プロセスにより、ナノチップの上部が暴露される。GaNナノチップに損害を与えずに誘電体をエッチングする1つの方法は誘電体を溶解して除去する等方性のウエットエッチング剤を用いるものである。エッチングによりモジュレーションをかけた電極に近接したフリーチップが露出する。このように、モジュレーションをかけた電極は自動的にフリーチップと「自己整合」される。
【0037】
ブロック432では、図3の蛍光体コート透明導電プレート149が金属導電層136上に配置される。導電プレート149の蛍光体を被覆した側を導電層内のホール上に配置する。空気粒子による電子の偏向を最小に抑えるために、蛍光体コート透明導電プレートとGaNナノチップとの間の領域はポンピングして空気を無くし真空とし、その後その領域を密封してもよい。この領域の真空を利用すると、ナノチップから蛍光体コート透明導電プレートまで移動する電子の偏向が最小に抑えられるが、そのような真空はディスプレイ動作には必要ではない。
【0038】
ディスプレイとして動作中、透明導電プレートには電圧がバイアスされ、導電層136により誘起された電場によりナノチップの端から抽出された電子が受理される。層149は抽出された電子を引きつける電場を誘起し、開口から電子を引き寄せる。駆動回路により導電プレートとナノチップとの間の電圧差が制御される。多くの実施の形態では、駆動回路は透明な蛍光体被覆表面と導電層136とを定電位に維持し、ナノチップの電圧を変動させる。
【0039】
ナノチップから電子の放出を引き起こすのに必要な電圧はナノチップの曲率半径に大いに依存する。より不規則な表面を有するより小さなナノチップでは電場強度が集中し、より低い電圧で電子が放出される。より低い動作電圧が望ましいので、半径の小さなチップを形成することが望ましい。従来のシステムでは、チップ半径はしばしば100ナノメートルを超え、マイクロチップから電子を放出するのに1μmあたり大体100−195ボルトの範囲の電場強度が必要とされる。この中で説明した方法を使用すると、チップ半径が10ナノメートル未満の実験的なナノチップが形成される。
【0040】
動作中、各ナノチップは電子源として機能する。ナノチップと導電層136との電圧差がしきい値を超えると、電子がマイクロチップから放出され、開口を通って蛍光体コート導電層149に向かって加速される。放出された電子が蛍光体コート表面と衝突すると、発光が起こる。ナノチップのアレイに印加される電圧パターンが光のパターンまたはイメージに変換され、目に見える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基板上に析出されたGaN基板の断面図であり、得られた転位を含む。
【図2】 図3の電界効果ディスプレイを形成するために使用される形成ナノチップを含む暫定構造を示す図である。
【図3】 FEDのルミネセンス表面に向かって電子を放出するナノチップアレイを含む電界効果ディスプレイの画素の側断面図である。
【図4】 ナノチップの形成を含むFEDを形成するのに使用されるプロセス工程を説明する流れ図である。
【図5】 各画素がナノチップアレイを含む画素のアレイを示す電界効果ディスプレイの底面部の断面図である。
【符号の説明】
104 半導体材料、108 基板、111 バッファ層、112 転位、126 第1の誘電体層、130 第2の誘電体層、132 変形部、136 導体層、140 開口、143 空洞、146 移動経路、149 導電層。
Claims (2)
- サファイヤ基板上に窒化ガリウムからなる結晶材料を転位が起こる様にエピタキシャル成長で形成する工程と、
前記結晶材料をKOH/H 2 O中で光増強ウエットエッチングし各転位によりナノチップを形成する工程と、
を含むフィールドエミッターアレイの製造方法。 - サファイヤ基板上に窒化ガリウムからなる結晶材料を転位が起こる様にエピタキシャル成長で形成する工程と、
前記結晶材料をKOH/H 2 O中で光増強ウエットエッチングし各転位によりナノチップを形成する工程と、
前記結晶材料上に少なくとも1つの絶縁誘電体層を形成する工程と、
前記絶縁誘電体上に導電層を形成する工程と、
を含むフィールドエミッターアレイの製造方法。
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