JP4087058B2 - 先端部クリアランス制御を改善するためのタービン熱作動受動バルブ - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、エンジンの低出力及び高出力の出力設定において、シュラウドセグメント支持ケースの径方向での膨張を制御するために、熱作動の受動バルブを用いてガスタービンエンジンにおけるブレード先端部クリアランスの制御を行う装置及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】
本発明は、ガスタービンエンジンにおいて、エンジンのタービンブレードの先端部がこれを取り囲むシュラウドセグメントのライナに食い込み、これにより、これらの間の所望のクリアランスが損なわれて、特定のフライト状況における効率が低下するという問題を改善することに関する。ブレード先端部とケースの膨張が比較的大きくなる離陸時や他の過渡的な運転条件において、タービンブレードの周囲におけるケースの径方向での膨張の制御に関する問題を改善するための種々の試みが為されてきた。過渡的な条件では、ケースを高温に保つことが望ましく、これに対して、定常状態の条件では、ケースの冷却が望まれる。
【0003】
ブレード先端部とシュラウドセグメントとの間の間隙を制御しようとする従来の方法は、大きい機械的バルブや配管を使用することを含み、このようなバルブや配管は、エンジン室の空間に収容する必要があった。これらのバルブ及び関連する配管は、寸法が非常に大きいために、貴重な空間を占領するとともにエンジンの重量及びコストを増加させる。
【0004】
上述の問題を改善するための幾つか試みでは、流量調整装置を備えたプロポーショナを使用するものがあり、このプロポーショナによって、熱い空気、冷たい空気、または混合空気がシュラウドプレナムに供給可能となる。このような装置は、例えば、1991年11月12日に登録された米国特許第5,064,343号に説明及び開示されている。ここで開示されているプロポーショナは、エンジン状態に応じて先端部クリアランスを制御するために、ロータシュラウドの上に設けられたプレナムに供給される熱い空気及び冷たい空気の量を制御する。このプロポーショナは、高温ガスの温度によって、冷たい空気の供給温度に一致する静的部材に対する径方向での熱膨張を引き起こす。この熱的な不一致と適切で不連続な孔との組み合わせにより、シュラウドプレナムに供給される熱い空気、冷たい空気、または混合空気の流量を調整することができる。プロポーショナは、径方向でスロットから出たり入ったりするU字型のリングであり、フレッチングが生じたり静的部材とのシール面が損なわれたりするおそれがある。また、時間の経過とともに冷たい空気の漏れは避けられそうもなく、これによって装置の機能が損なわれてしまう。
【0005】
米国特許第3,966,354号では、コンプレッサからのブリードエアを使用してシュラウドに熱いまたは冷たい空気を供給する、クリアランス制御用の熱作動バルブが提案されている。この熱作動受動バルブは、冷たい空気をバイパスするとともにブリード管路からシュラウドへと熱い空気を導く。シュラウドの膨張及び収縮の反応時間は、ロータブレードの反応時間と比較すると遅く、また、この提案された構成によって、シュラウドの周囲における貴重な空間が占領されてしまう。
米国特許第4,805,398号及び第5,064,343号は、共にガスタービンエンジン用のタービン先端部クリアランス制御装置を開示しており、これらの制御装置では、対向するプレートもしくはプレートセクションによって制御が行われ、これらのプレートは互いに摩擦接触しているとともに、熱にさらされたときに、それぞれのプレートに対向して設けられた孔もしくはスロットを露出させるように、摩擦接触した状態でスライド移動する。プレートが膨張すると、各プレートに設けられた孔が、冷却空気流を導くように互いに対して次第に整列する。定常状態では、これらの孔は互いに対して整列していないので、バルブは、冷却空気流を遮断する。
【0006】
【発明の開示】
従来技術とは反対に、本発明のタービン熱作動受動バルブは、低出力の設定時においてシュラウドセグメント及びタービン支持ケースへとコアガス流を流入可能とし、これにより、シュラウドとケースを加熱して、例えば、エンジンの加速と減速との間でのタービンのピンチングを防止するとともに、高出力状態において、冷却空気流を流入可能としてエンジン効率を最適化する。また、この熱作動受動バルブは、支持構造体を用いることなく、タービン支持ケースインピンジメントバッフルの上部にわたってプレナムを形成するようにタービン支持ケースに直接取り付けられている。更に、提案される熱作動受動バルブ装置は、比較的小さい空間領域を占有する。また、熱作動受動バルブの作動に使用される空気流は、ベーンの冷却ではなくシュラウドセグメントの冷却に利用される。
【0007】
本発明の特徴は、ブレード先端部クリアランス制御装置を提供することであり、この制御装置は、きつくはまった状態から径方向の間隙を有する状態、即ちゆるくはまった状態へと移動する受動リングバルブを有する冷却空気流ハウジングを使用して、周囲の冷たい空気をハウジング及び流路手段へと流入可能としてケースとシュラウドセグメントアセンブリとを冷却する。
【0008】
本発明の他の特徴は、ガスタービンエンジンにおいて、タービンブレードの段の先端部と周囲の環状のケース及び関連するシュラウドセグメントアセンブリとの間のクリアランスを制御する方法を提供することであり、これは、自動的に開閉制御されるとともに、ハウジング内及びケースと関連するシュラウドアセンブリの周囲へと冷却空気流を連通させるかもしくは遮断する受動リングバルブを有する冷却空気流ハウジングを用いて行われる。
【0009】
上述の特徴によれば、広い形態では、本発明は、ガスタービンエンジンブレード先端部クリアランス制御装置を提供し、この制御装置は、エンジンケースの周りに形成された環状のハウジングを含み、エンジンケースには、ブレードの段のブレード先端部の周囲に近接するとともにここから離間して環状のシュラウドセグメントアセンブリが固定されている。この環状のハウジングは、ケースと連通する空気流路を形成し、この流路を通してエンジンケースへ冷却空気流が導かれる。エンジンケースには、環状のシュラウドセグメントアセンブリの反対側の壁面に環状のインピンジメント流路が設けられている。このインピンジメント流路は、ケースの対向して離間された環状の側壁の間に定められる。熱作動受動リングバルブが2つの部分的に重なった金属製リングセグメントにより構成され、これらのリングセグメントは、リングセグメントの温度が所定値に達したときにこれらのリングセグメント間に径方向の間隙が生じるように選択された異なる熱膨張率を有する。径方向の間隙は、ハウジング内に冷却空気流を流入可能とし、ケースを冷却して径方向での膨張を制御する。環状のハウジングは、環状のシュラウドセグメントアセンブリの反対側でケースの上部に取り付けられたリングバルブ支持構造体によって形成される。2つの部分的に重なった金属製リングは、この支持構造体と一体に設けられる。本発明は、部分的に重なった金属製リングが互いに面接触しているとともに、金属製リングが異なる熱膨張率のために互いに離れることにより生じる金属リング間の空間によって径方向の間隙が形成されることを特徴とする。この径方向の間隙は、調整された冷却空気がケースへと流入可能となるように、リングセグメントの温度の作用を受けてその大きさが変化する。
【0011】
本発明のまた更に広い形態では、本発明のブレード先端部クリアランス制御の装置及び方法を含むガスタービンエンジンが提供される。
【0012】
【発明を実施するための最良の形態】
続いて、図面を参照すると、図1では、符号10として従来技術の燃焼セクション及び高圧のタービンセクションが全体として示されている。燃焼セクションは、燃焼チャンバ11を含み、この燃焼チャンバでは、その穿孔された壁13’を通して周囲のチャンバ12から圧縮空気が流入し、ノズル14を通して導入される燃料と混合されて可燃性の混合物を形成する。高温ガスの燃焼物は、通常、2000°Fを超える温度であり、1つもしくはそれ以上のロータブレード17の段16が取り付けられたタービンセクション15へと送り込まれる。ここで示すように、ロータブレード17の先端部17’は、環状のシュラウドセグメントアセンブリ18に近接するとともにここから離間されている。シュラウドセグメントアセンブリ18は、環状のケース19によって支持されている。この環状のケースは、貫通孔20即ちチャネルを備えており、これらの貫通孔20を通してその周囲のチャンバ12からの冷却空気が環状のシュラウドセグメントアセンブリ18の領域へと導かれてアセンブリ18を冷却する。しかし、エンジンの過渡的な運転時には、ロータブレード17の熱膨張が環状のケース19よりもかなり速くなり、かつケースが常に冷却されているために、ブレード先端部と環状のケースとの間にタービンピンチングが生じ、望ましくない摩耗やこれによるタービン効率の低下が起こるおそれがある。従って、従来技術では、過渡的条件におけるタービンピンチングを避けるために、ブレードとケースとの間隙が大きく設けられており、これにより、定常運転の条件でのタービン効率が低下してしまう。上述したように、図2Aに示すブレード先端部17’と環状のシュラウドセグメントアセンブリ18との間の先端部クリアランス21を制御するために、環状ケース19、即ちこれによって支持される環状のシュラウドセグメントアセンブリの熱膨張を制御することが望ましい。本発明は、この制御を自動的に行うことができるブレード先端部クリアランスの制御装置を提供する。これについては、図2A〜図2C及び図3を更に参照して以下で説明していく。
【0013】
本発明は、エンジンの低出力及び高出力の出力設定におけるケースの径方向での膨張を、受動バルブ装置を用いて制御し、シュラウドセグメントとタービンロータとを支持する冷却されたハウジングを通して静的部材の径方向での膨張が得られるタービンケースにおいて、最小限の構造クリアランス即ちエンジン運転時における最小限のタービン先端部クリアランスを得ることを含む。これにより、低出力条件において、高出力条件の定常状態平均温度と同様のもしくはこれを超える平均金属温度を有するタービンケースが得られ、エンジンの加速時及び再加速時におけるタービンピンチングクリアランスを防ぐことができる。これを達成するために、低出力時において、ハウジング平均温度が高温ガス流路によって制御可能となっているとともに、高出力時において、ハウジング平均温度が冷却空気温度によって制御可能となっており、このとき、一方から他方へのしきい値は、巡航条件のために装置が適切に冷却されるという追加の必要条件によって判断される。
【0014】
続いて、図3では、本発明のブレード先端部クリアランス制御装置を含む場合と含まない場合との間隙の変化を比較した2つの特性曲線を示している。第1の曲線23は、ブレード先端部クリアランス制御装置を含まないエンジンのタービン先端部クリアランスの変化を示しており、第2の曲線26は、本発明の先端部クリアランス制御装置を含むエンジンにおけるタービン先端部クリアランスを示している。ここで示すように、高出力からの減速時において、従来技術の先端部クリアランスは、曲線23の部分24で示されているように減少し始める。これは、ケースがエンジンの周囲のチャンバ12からの冷却空気によって引き続き冷却される一方で、タービンディスク温度がそれほど急に減少しないためである。しかし、本発明では、曲線26の部分25で示されているように、ケースは、この期間にわたって、本発明の受動バルブによって高温に保たれる。以下で説明するように、本発明の受動バルブは、低出力条件において閉じている。その直後に、例えば、曲線26の位置27で示されているように、エンジンが高出力へと再加速された場合には、従来技術のエンジンのブレードクリアランスは、ピンチング点28に向かって急速に減少してしまう。これは、ハウジング及びシュラウドの熱膨張がロータブレードの熱膨張と一致しないためである。反対に、本発明の制御装置では、エンジンが高出力へと再加速するまで受動バルブが閉じられてエンジンケースの冷却を阻止し、高出力に達した時点で受動バルブが開いてエンジンケースの冷却を可能とする。本発明の制御装置の先端部クリアランスは、曲線26の29などで示されているように、ピンチング点28よりも上で維持されていることがわかる。また、エンジンの高出力での定常状態の運転時には、本発明の制御装置では、曲線26の部分30で示されているように、先端部クリアランスが小さい公差に保たる。一方、従来技術の間隙即ち先端部クリアランスは、曲線23の部分31によって示されているように、ピンチングを避けるためにより大きく維持されており、この比較的大きい間隙によってエンジン効率が低下してしまう。
【0015】
次に、図2A及び図2Bを参照して、本発明の装置の概念及び動作を説明していく。本発明では、エンジンケース13のインピンジメントバッフル36の周囲に形成されたハウジングによって画定された環状のチャンバ35が形成される。インピンジメントバッフル36には、受動リングバルブ39を通して、ケース13を取り囲むインピンジメント流路38に冷却空気の流れを導入する孔37が設けられている。図2Bで示すように、エンジンの低出力時には、受動リングバルブ39は閉じている。従って、高温ガスの空気は、ケース13及びシュラウドセグメントアセンブリ18の周囲を通り、ケースのボア40及びインピンジメントバッフル36の孔37を通って環状のチャンバ即ちプレナム35へと流れる。ケースと環状のシュラウドセグメントアセンブリ18とは、ブレード17とともに熱を吸収して膨張し、最小の先端部クリアランス21が保たれる。チャンバ12の熱は、低出力時には受動バルブ39を開くに充分ではない。
【0016】
続いて、図2Cを参照すると、エンジンの高出力の運転時には、このような運転によって生じるチャンバ12内の高温の熱によって受動バルブが開いていることが分かる。これにより、受動バルブ39は、矢印41で示すように、インピンジメントバッフル36を通してハウジング流路38及びケース13の周囲へと冷却空気流を導き、続いて、貫通ボア40を通してケースを通るように及びシュラウドアセンブリ18の周囲へと冷却空気流を導き、最後に、この空気流を高温のガス流路へと排出する。従って、これらの構造は、ケース及び環状のシュラウドセグメントアセンブリ18の径方向での膨張を制限するように冷却され、エンジンの高出力における運転効率を高めるように先端部クリアランスの間隙21を最小の許容公差に保つ。
【0017】
図4は、本発明の先端部クリアランス制御装置の一実施例を示しており、ハウジング42は、環状の金属製スリーブである支持構造体42’によって構成されている。これらの金属製スリーブは、ケース13と同様の材料で形成することもできるが、このことは重要ではない。図示のように、支持構造体42’の上部壁43は、間隙44を形成するように離間されており、部分的に重なっているとともに異なる熱膨張率を有する2つの金属製リングセグメント45がこの間隙にわたって固定されている。これらのリングセグメント45,46は、自由端部分46’,45’で重なっており、これらのセグメントが部分的に分離したときに、間に間隙が定められる。支持構造体42’及び薄い重なったリング45’,46’は、径方向の間隙44が開いたときに、プレナム35として機能する囲壁35を画定する。プレナム35は、径方向の間隙44を通して流入する空気がプレナム35内で安定化するのを可能とし、エンジンケース13を冷却するために、バッフル36のインピンジメント孔へ均一な空気を供給可能とする。
【0018】
低出力状態に対応している図4に示すように、リング45,46が摩擦接触している場合には、径方向の間隙44は閉じており、環状のチャンバ35内に冷却空気が全く流入可能でないか、もしくは少しだけ流入可能となっている。
【0019】
周囲のチャンバ12内の空気温が(高出力へのエンジンの加速時などに)上昇すると、径方向に閉じた間隙が、リング45,46の間の熱膨張率の不一致(45の方が熱膨張率が高く、46の方が熱膨張率が低い)により開く。この径方向の間隙によって、冷却空気が12からプレナム35に流入するとともに、冷却孔36,40を通してエンジンケースの冷却が可能となる。径方向の間隙の寸法は、熱膨張率の不一致のために選択した材料によって決まり、周囲のチャンバ12の温度に比例する。
【0020】
リング45,46の寸法は、エンジンケースに対して熱慣性が確実に低くなるように決定され、1〜10秒の過渡的な熱応答によって(高い熱慣性の)エンジンケースの2〜5分間の過渡的な応答に影響が及ばないように定められる。
【0021】
加速時には、ケース13の過渡的な温度変化が小さくなるように、エンジンケースの初期温度は、その最終的な定常状態温度に近いかまたはそれよりも高くなっており、従って、ロータとの間で過渡的なピンチングが起こらない。高出力から低出力への減速時には、ケースの初期温度が高いので、バルブが急速に閉じる。ここでもまた、エンジンケースの過渡的な温度変化が小さくなっている。この低出力への急な減速から高出力へと再加速した場合には、ケースの初期温度がその最終的な定常状態温度に近い状態であるために、ケースの熱応答があまり大きくならない。従って、図3及び上記で説明したようなロータとの間での過渡的なピンチングが起こらない。
【0022】
図5は、本発明の熱作動受動リングバルブの構成の他の実施例の低出力状態を示している。ここで図示しているように、受動バルブリング50は、二重のバッフルプレート即ちプレート51,52を含む。バッフルプレート52は、熱膨張率が低い材料で形成されており、プレート51は、熱膨張率が比較的高い材料で形成されている。この実施例では、バッフルプレート51がケース13の一部を構成するので、ケース13と同一の材料からなる。これらのバッフルプレート51,52は、環状のスリーブとして形成され、ケース13のインピンジメントキャビティ38の周囲に支持される。インピンジメント流路38を画定する環状の側壁55のそれぞれの上部内側端部セクション54において、支持手段がキャビティ53として設けられている。これらのキャビティ53は、プレート51,52が分離してこれらのプレートに設けられた流路手段を通してインピンジメント流路38に空気流が流入可能となるように、プレート51及びエンジンケース13に対してプレート52が移動可能となる大きさとなっており、かつこのように整列されている。
【0023】
プレートに設けられる流路手段は、等距離に離間した孔によって構成され、上部プレートの孔56は、底部プレート52のインピンジメント冷却パターンの孔57よりも大きくなっている。孔56の大きさ及び軸方向位置は、双方のプレート51,52が分離したときに孔57を通る冷却空気流を制限することのないように定められる。孔56の位置は、孔57から軸方向でオフセットされており、プレートがきつくはまっているときに孔が連通しないようになっている。
【0024】
図7に示すように、インピンジメント流路の両側で側壁55に設けられた突起59とプレート52とを整列させるために、プレート52に窪み58を設けることができる。整列ポスト60に対して位置決めを行うために、同様の窪みが上部プレートにも設けられ、これにより、プレート51,52は、プレートが膨張してバルブが開いたときに整列した状態で保たれる。これらのプレートは、初期状態において互いにきつくはまっている。高出力時には、これらのバッフルプレートは、異なる熱膨張率のために分離し、これらのプレート間に形成される間隙及び孔56,57を通して空気が流れることが可能となる。この実施例の動作は、上述した第1の実施例と同様である。
【0025】
過渡的な加速時には、バッフルプレート51,52は、分離し、ケースの熱慣性(1〜2分)に対してバッフルプレートの熱慣性(1〜10秒)が低いことにより、ケースは、冷却される。また、過渡的な減速時には、バッフルプレート51,52は、急速にきつくはまり、ケースは、全く冷却されない。これにより、ケースの平均温度変化が確実に低く保たれる。アイドル状態から離陸までの加速時には、ハウジングの初期温度が最終的な定常状態離陸温度に近いかもしくはそれ以上であるために、ケースの過渡的な温度変化及び過渡的な径方向膨張差は小さく、従って、ブレード先端部と環状のシュラウドセグメントアセンブリとの間でピンチングが起こらない。減速時には、ケースの初期温度は高く、バッフルプレートが急速に互いに対してきつくはまってケースのインピンジメント流路38を塞ぐので、冷却空気によるケースの冷却が終了し、ケースは、高温のガス流路の空気にさらされることで、その高出力時の初期温度に近い温度に維持される。
【0026】
高温の再始動やウィンドミル再始動時には、ケースの初期温度が高く、かつリング45,46もしくはプレート51,52がきつくはまってケースから冷たい流れを遮断するために、冷却されるまでより多くの時間がかかる。従って、本発明の自動制御装置を含まない装置と比較した場合には、タービンディスクの緩慢な冷却期間とよりよく調和する。
【0027】
請求の範囲に含まれる上述の好適実施例の明らかな改良なども、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
本発明の好適実施例を、以下の図面を参照して説明していく。
【図1】 図1は、従来技術のガスタービンエンジンの燃焼セクション及びタービンセクションの断面図である。
【図2】 図2A〜図2Cは、本発明の制御装置の動作を示すタービンエンジンの前方端の概略的な断面図である。
【図3】 図3は、エンジンの種々の運転状態におけるタービン先端部クリアランスの変動を示すグラフである。
【図4】 図4は、本発明のブレード先端部クリアランス制御装置の一実施例を示す図2A〜図2Cと同様の断面図である。
【図5】 図5は、本発明のブレード先端部クリアランス制御装置の他の実施例を示す図4と同様の断面図である。
【図6】 図6は、環状の金属製プレートの構成を示す部分的な分解図である。
【図7】 図7は、図6で示したプレートを保持する移動制限手段の一実施例を示す部分説明図である。
【技術分野】
本発明は、エンジンの低出力及び高出力の出力設定において、シュラウドセグメント支持ケースの径方向での膨張を制御するために、熱作動の受動バルブを用いてガスタービンエンジンにおけるブレード先端部クリアランスの制御を行う装置及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】
本発明は、ガスタービンエンジンにおいて、エンジンのタービンブレードの先端部がこれを取り囲むシュラウドセグメントのライナに食い込み、これにより、これらの間の所望のクリアランスが損なわれて、特定のフライト状況における効率が低下するという問題を改善することに関する。ブレード先端部とケースの膨張が比較的大きくなる離陸時や他の過渡的な運転条件において、タービンブレードの周囲におけるケースの径方向での膨張の制御に関する問題を改善するための種々の試みが為されてきた。過渡的な条件では、ケースを高温に保つことが望ましく、これに対して、定常状態の条件では、ケースの冷却が望まれる。
【0003】
ブレード先端部とシュラウドセグメントとの間の間隙を制御しようとする従来の方法は、大きい機械的バルブや配管を使用することを含み、このようなバルブや配管は、エンジン室の空間に収容する必要があった。これらのバルブ及び関連する配管は、寸法が非常に大きいために、貴重な空間を占領するとともにエンジンの重量及びコストを増加させる。
【0004】
上述の問題を改善するための幾つか試みでは、流量調整装置を備えたプロポーショナを使用するものがあり、このプロポーショナによって、熱い空気、冷たい空気、または混合空気がシュラウドプレナムに供給可能となる。このような装置は、例えば、1991年11月12日に登録された米国特許第5,064,343号に説明及び開示されている。ここで開示されているプロポーショナは、エンジン状態に応じて先端部クリアランスを制御するために、ロータシュラウドの上に設けられたプレナムに供給される熱い空気及び冷たい空気の量を制御する。このプロポーショナは、高温ガスの温度によって、冷たい空気の供給温度に一致する静的部材に対する径方向での熱膨張を引き起こす。この熱的な不一致と適切で不連続な孔との組み合わせにより、シュラウドプレナムに供給される熱い空気、冷たい空気、または混合空気の流量を調整することができる。プロポーショナは、径方向でスロットから出たり入ったりするU字型のリングであり、フレッチングが生じたり静的部材とのシール面が損なわれたりするおそれがある。また、時間の経過とともに冷たい空気の漏れは避けられそうもなく、これによって装置の機能が損なわれてしまう。
【0005】
米国特許第3,966,354号では、コンプレッサからのブリードエアを使用してシュラウドに熱いまたは冷たい空気を供給する、クリアランス制御用の熱作動バルブが提案されている。この熱作動受動バルブは、冷たい空気をバイパスするとともにブリード管路からシュラウドへと熱い空気を導く。シュラウドの膨張及び収縮の反応時間は、ロータブレードの反応時間と比較すると遅く、また、この提案された構成によって、シュラウドの周囲における貴重な空間が占領されてしまう。
米国特許第4,805,398号及び第5,064,343号は、共にガスタービンエンジン用のタービン先端部クリアランス制御装置を開示しており、これらの制御装置では、対向するプレートもしくはプレートセクションによって制御が行われ、これらのプレートは互いに摩擦接触しているとともに、熱にさらされたときに、それぞれのプレートに対向して設けられた孔もしくはスロットを露出させるように、摩擦接触した状態でスライド移動する。プレートが膨張すると、各プレートに設けられた孔が、冷却空気流を導くように互いに対して次第に整列する。定常状態では、これらの孔は互いに対して整列していないので、バルブは、冷却空気流を遮断する。
【0006】
【発明の開示】
従来技術とは反対に、本発明のタービン熱作動受動バルブは、低出力の設定時においてシュラウドセグメント及びタービン支持ケースへとコアガス流を流入可能とし、これにより、シュラウドとケースを加熱して、例えば、エンジンの加速と減速との間でのタービンのピンチングを防止するとともに、高出力状態において、冷却空気流を流入可能としてエンジン効率を最適化する。また、この熱作動受動バルブは、支持構造体を用いることなく、タービン支持ケースインピンジメントバッフルの上部にわたってプレナムを形成するようにタービン支持ケースに直接取り付けられている。更に、提案される熱作動受動バルブ装置は、比較的小さい空間領域を占有する。また、熱作動受動バルブの作動に使用される空気流は、ベーンの冷却ではなくシュラウドセグメントの冷却に利用される。
【0007】
本発明の特徴は、ブレード先端部クリアランス制御装置を提供することであり、この制御装置は、きつくはまった状態から径方向の間隙を有する状態、即ちゆるくはまった状態へと移動する受動リングバルブを有する冷却空気流ハウジングを使用して、周囲の冷たい空気をハウジング及び流路手段へと流入可能としてケースとシュラウドセグメントアセンブリとを冷却する。
【0008】
本発明の他の特徴は、ガスタービンエンジンにおいて、タービンブレードの段の先端部と周囲の環状のケース及び関連するシュラウドセグメントアセンブリとの間のクリアランスを制御する方法を提供することであり、これは、自動的に開閉制御されるとともに、ハウジング内及びケースと関連するシュラウドアセンブリの周囲へと冷却空気流を連通させるかもしくは遮断する受動リングバルブを有する冷却空気流ハウジングを用いて行われる。
【0009】
上述の特徴によれば、広い形態では、本発明は、ガスタービンエンジンブレード先端部クリアランス制御装置を提供し、この制御装置は、エンジンケースの周りに形成された環状のハウジングを含み、エンジンケースには、ブレードの段のブレード先端部の周囲に近接するとともにここから離間して環状のシュラウドセグメントアセンブリが固定されている。この環状のハウジングは、ケースと連通する空気流路を形成し、この流路を通してエンジンケースへ冷却空気流が導かれる。エンジンケースには、環状のシュラウドセグメントアセンブリの反対側の壁面に環状のインピンジメント流路が設けられている。このインピンジメント流路は、ケースの対向して離間された環状の側壁の間に定められる。熱作動受動リングバルブが2つの部分的に重なった金属製リングセグメントにより構成され、これらのリングセグメントは、リングセグメントの温度が所定値に達したときにこれらのリングセグメント間に径方向の間隙が生じるように選択された異なる熱膨張率を有する。径方向の間隙は、ハウジング内に冷却空気流を流入可能とし、ケースを冷却して径方向での膨張を制御する。環状のハウジングは、環状のシュラウドセグメントアセンブリの反対側でケースの上部に取り付けられたリングバルブ支持構造体によって形成される。2つの部分的に重なった金属製リングは、この支持構造体と一体に設けられる。本発明は、部分的に重なった金属製リングが互いに面接触しているとともに、金属製リングが異なる熱膨張率のために互いに離れることにより生じる金属リング間の空間によって径方向の間隙が形成されることを特徴とする。この径方向の間隙は、調整された冷却空気がケースへと流入可能となるように、リングセグメントの温度の作用を受けてその大きさが変化する。
【0011】
本発明のまた更に広い形態では、本発明のブレード先端部クリアランス制御の装置及び方法を含むガスタービンエンジンが提供される。
【0012】
【発明を実施するための最良の形態】
続いて、図面を参照すると、図1では、符号10として従来技術の燃焼セクション及び高圧のタービンセクションが全体として示されている。燃焼セクションは、燃焼チャンバ11を含み、この燃焼チャンバでは、その穿孔された壁13’を通して周囲のチャンバ12から圧縮空気が流入し、ノズル14を通して導入される燃料と混合されて可燃性の混合物を形成する。高温ガスの燃焼物は、通常、2000°Fを超える温度であり、1つもしくはそれ以上のロータブレード17の段16が取り付けられたタービンセクション15へと送り込まれる。ここで示すように、ロータブレード17の先端部17’は、環状のシュラウドセグメントアセンブリ18に近接するとともにここから離間されている。シュラウドセグメントアセンブリ18は、環状のケース19によって支持されている。この環状のケースは、貫通孔20即ちチャネルを備えており、これらの貫通孔20を通してその周囲のチャンバ12からの冷却空気が環状のシュラウドセグメントアセンブリ18の領域へと導かれてアセンブリ18を冷却する。しかし、エンジンの過渡的な運転時には、ロータブレード17の熱膨張が環状のケース19よりもかなり速くなり、かつケースが常に冷却されているために、ブレード先端部と環状のケースとの間にタービンピンチングが生じ、望ましくない摩耗やこれによるタービン効率の低下が起こるおそれがある。従って、従来技術では、過渡的条件におけるタービンピンチングを避けるために、ブレードとケースとの間隙が大きく設けられており、これにより、定常運転の条件でのタービン効率が低下してしまう。上述したように、図2Aに示すブレード先端部17’と環状のシュラウドセグメントアセンブリ18との間の先端部クリアランス21を制御するために、環状ケース19、即ちこれによって支持される環状のシュラウドセグメントアセンブリの熱膨張を制御することが望ましい。本発明は、この制御を自動的に行うことができるブレード先端部クリアランスの制御装置を提供する。これについては、図2A〜図2C及び図3を更に参照して以下で説明していく。
【0013】
本発明は、エンジンの低出力及び高出力の出力設定におけるケースの径方向での膨張を、受動バルブ装置を用いて制御し、シュラウドセグメントとタービンロータとを支持する冷却されたハウジングを通して静的部材の径方向での膨張が得られるタービンケースにおいて、最小限の構造クリアランス即ちエンジン運転時における最小限のタービン先端部クリアランスを得ることを含む。これにより、低出力条件において、高出力条件の定常状態平均温度と同様のもしくはこれを超える平均金属温度を有するタービンケースが得られ、エンジンの加速時及び再加速時におけるタービンピンチングクリアランスを防ぐことができる。これを達成するために、低出力時において、ハウジング平均温度が高温ガス流路によって制御可能となっているとともに、高出力時において、ハウジング平均温度が冷却空気温度によって制御可能となっており、このとき、一方から他方へのしきい値は、巡航条件のために装置が適切に冷却されるという追加の必要条件によって判断される。
【0014】
続いて、図3では、本発明のブレード先端部クリアランス制御装置を含む場合と含まない場合との間隙の変化を比較した2つの特性曲線を示している。第1の曲線23は、ブレード先端部クリアランス制御装置を含まないエンジンのタービン先端部クリアランスの変化を示しており、第2の曲線26は、本発明の先端部クリアランス制御装置を含むエンジンにおけるタービン先端部クリアランスを示している。ここで示すように、高出力からの減速時において、従来技術の先端部クリアランスは、曲線23の部分24で示されているように減少し始める。これは、ケースがエンジンの周囲のチャンバ12からの冷却空気によって引き続き冷却される一方で、タービンディスク温度がそれほど急に減少しないためである。しかし、本発明では、曲線26の部分25で示されているように、ケースは、この期間にわたって、本発明の受動バルブによって高温に保たれる。以下で説明するように、本発明の受動バルブは、低出力条件において閉じている。その直後に、例えば、曲線26の位置27で示されているように、エンジンが高出力へと再加速された場合には、従来技術のエンジンのブレードクリアランスは、ピンチング点28に向かって急速に減少してしまう。これは、ハウジング及びシュラウドの熱膨張がロータブレードの熱膨張と一致しないためである。反対に、本発明の制御装置では、エンジンが高出力へと再加速するまで受動バルブが閉じられてエンジンケースの冷却を阻止し、高出力に達した時点で受動バルブが開いてエンジンケースの冷却を可能とする。本発明の制御装置の先端部クリアランスは、曲線26の29などで示されているように、ピンチング点28よりも上で維持されていることがわかる。また、エンジンの高出力での定常状態の運転時には、本発明の制御装置では、曲線26の部分30で示されているように、先端部クリアランスが小さい公差に保たる。一方、従来技術の間隙即ち先端部クリアランスは、曲線23の部分31によって示されているように、ピンチングを避けるためにより大きく維持されており、この比較的大きい間隙によってエンジン効率が低下してしまう。
【0015】
次に、図2A及び図2Bを参照して、本発明の装置の概念及び動作を説明していく。本発明では、エンジンケース13のインピンジメントバッフル36の周囲に形成されたハウジングによって画定された環状のチャンバ35が形成される。インピンジメントバッフル36には、受動リングバルブ39を通して、ケース13を取り囲むインピンジメント流路38に冷却空気の流れを導入する孔37が設けられている。図2Bで示すように、エンジンの低出力時には、受動リングバルブ39は閉じている。従って、高温ガスの空気は、ケース13及びシュラウドセグメントアセンブリ18の周囲を通り、ケースのボア40及びインピンジメントバッフル36の孔37を通って環状のチャンバ即ちプレナム35へと流れる。ケースと環状のシュラウドセグメントアセンブリ18とは、ブレード17とともに熱を吸収して膨張し、最小の先端部クリアランス21が保たれる。チャンバ12の熱は、低出力時には受動バルブ39を開くに充分ではない。
【0016】
続いて、図2Cを参照すると、エンジンの高出力の運転時には、このような運転によって生じるチャンバ12内の高温の熱によって受動バルブが開いていることが分かる。これにより、受動バルブ39は、矢印41で示すように、インピンジメントバッフル36を通してハウジング流路38及びケース13の周囲へと冷却空気流を導き、続いて、貫通ボア40を通してケースを通るように及びシュラウドアセンブリ18の周囲へと冷却空気流を導き、最後に、この空気流を高温のガス流路へと排出する。従って、これらの構造は、ケース及び環状のシュラウドセグメントアセンブリ18の径方向での膨張を制限するように冷却され、エンジンの高出力における運転効率を高めるように先端部クリアランスの間隙21を最小の許容公差に保つ。
【0017】
図4は、本発明の先端部クリアランス制御装置の一実施例を示しており、ハウジング42は、環状の金属製スリーブである支持構造体42’によって構成されている。これらの金属製スリーブは、ケース13と同様の材料で形成することもできるが、このことは重要ではない。図示のように、支持構造体42’の上部壁43は、間隙44を形成するように離間されており、部分的に重なっているとともに異なる熱膨張率を有する2つの金属製リングセグメント45がこの間隙にわたって固定されている。これらのリングセグメント45,46は、自由端部分46’,45’で重なっており、これらのセグメントが部分的に分離したときに、間に間隙が定められる。支持構造体42’及び薄い重なったリング45’,46’は、径方向の間隙44が開いたときに、プレナム35として機能する囲壁35を画定する。プレナム35は、径方向の間隙44を通して流入する空気がプレナム35内で安定化するのを可能とし、エンジンケース13を冷却するために、バッフル36のインピンジメント孔へ均一な空気を供給可能とする。
【0018】
低出力状態に対応している図4に示すように、リング45,46が摩擦接触している場合には、径方向の間隙44は閉じており、環状のチャンバ35内に冷却空気が全く流入可能でないか、もしくは少しだけ流入可能となっている。
【0019】
周囲のチャンバ12内の空気温が(高出力へのエンジンの加速時などに)上昇すると、径方向に閉じた間隙が、リング45,46の間の熱膨張率の不一致(45の方が熱膨張率が高く、46の方が熱膨張率が低い)により開く。この径方向の間隙によって、冷却空気が12からプレナム35に流入するとともに、冷却孔36,40を通してエンジンケースの冷却が可能となる。径方向の間隙の寸法は、熱膨張率の不一致のために選択した材料によって決まり、周囲のチャンバ12の温度に比例する。
【0020】
リング45,46の寸法は、エンジンケースに対して熱慣性が確実に低くなるように決定され、1〜10秒の過渡的な熱応答によって(高い熱慣性の)エンジンケースの2〜5分間の過渡的な応答に影響が及ばないように定められる。
【0021】
加速時には、ケース13の過渡的な温度変化が小さくなるように、エンジンケースの初期温度は、その最終的な定常状態温度に近いかまたはそれよりも高くなっており、従って、ロータとの間で過渡的なピンチングが起こらない。高出力から低出力への減速時には、ケースの初期温度が高いので、バルブが急速に閉じる。ここでもまた、エンジンケースの過渡的な温度変化が小さくなっている。この低出力への急な減速から高出力へと再加速した場合には、ケースの初期温度がその最終的な定常状態温度に近い状態であるために、ケースの熱応答があまり大きくならない。従って、図3及び上記で説明したようなロータとの間での過渡的なピンチングが起こらない。
【0022】
図5は、本発明の熱作動受動リングバルブの構成の他の実施例の低出力状態を示している。ここで図示しているように、受動バルブリング50は、二重のバッフルプレート即ちプレート51,52を含む。バッフルプレート52は、熱膨張率が低い材料で形成されており、プレート51は、熱膨張率が比較的高い材料で形成されている。この実施例では、バッフルプレート51がケース13の一部を構成するので、ケース13と同一の材料からなる。これらのバッフルプレート51,52は、環状のスリーブとして形成され、ケース13のインピンジメントキャビティ38の周囲に支持される。インピンジメント流路38を画定する環状の側壁55のそれぞれの上部内側端部セクション54において、支持手段がキャビティ53として設けられている。これらのキャビティ53は、プレート51,52が分離してこれらのプレートに設けられた流路手段を通してインピンジメント流路38に空気流が流入可能となるように、プレート51及びエンジンケース13に対してプレート52が移動可能となる大きさとなっており、かつこのように整列されている。
【0023】
プレートに設けられる流路手段は、等距離に離間した孔によって構成され、上部プレートの孔56は、底部プレート52のインピンジメント冷却パターンの孔57よりも大きくなっている。孔56の大きさ及び軸方向位置は、双方のプレート51,52が分離したときに孔57を通る冷却空気流を制限することのないように定められる。孔56の位置は、孔57から軸方向でオフセットされており、プレートがきつくはまっているときに孔が連通しないようになっている。
【0024】
図7に示すように、インピンジメント流路の両側で側壁55に設けられた突起59とプレート52とを整列させるために、プレート52に窪み58を設けることができる。整列ポスト60に対して位置決めを行うために、同様の窪みが上部プレートにも設けられ、これにより、プレート51,52は、プレートが膨張してバルブが開いたときに整列した状態で保たれる。これらのプレートは、初期状態において互いにきつくはまっている。高出力時には、これらのバッフルプレートは、異なる熱膨張率のために分離し、これらのプレート間に形成される間隙及び孔56,57を通して空気が流れることが可能となる。この実施例の動作は、上述した第1の実施例と同様である。
【0025】
過渡的な加速時には、バッフルプレート51,52は、分離し、ケースの熱慣性(1〜2分)に対してバッフルプレートの熱慣性(1〜10秒)が低いことにより、ケースは、冷却される。また、過渡的な減速時には、バッフルプレート51,52は、急速にきつくはまり、ケースは、全く冷却されない。これにより、ケースの平均温度変化が確実に低く保たれる。アイドル状態から離陸までの加速時には、ハウジングの初期温度が最終的な定常状態離陸温度に近いかもしくはそれ以上であるために、ケースの過渡的な温度変化及び過渡的な径方向膨張差は小さく、従って、ブレード先端部と環状のシュラウドセグメントアセンブリとの間でピンチングが起こらない。減速時には、ケースの初期温度は高く、バッフルプレートが急速に互いに対してきつくはまってケースのインピンジメント流路38を塞ぐので、冷却空気によるケースの冷却が終了し、ケースは、高温のガス流路の空気にさらされることで、その高出力時の初期温度に近い温度に維持される。
【0026】
高温の再始動やウィンドミル再始動時には、ケースの初期温度が高く、かつリング45,46もしくはプレート51,52がきつくはまってケースから冷たい流れを遮断するために、冷却されるまでより多くの時間がかかる。従って、本発明の自動制御装置を含まない装置と比較した場合には、タービンディスクの緩慢な冷却期間とよりよく調和する。
【0027】
請求の範囲に含まれる上述の好適実施例の明らかな改良なども、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
本発明の好適実施例を、以下の図面を参照して説明していく。
【図1】 図1は、従来技術のガスタービンエンジンの燃焼セクション及びタービンセクションの断面図である。
【図2】 図2A〜図2Cは、本発明の制御装置の動作を示すタービンエンジンの前方端の概略的な断面図である。
【図3】 図3は、エンジンの種々の運転状態におけるタービン先端部クリアランスの変動を示すグラフである。
【図4】 図4は、本発明のブレード先端部クリアランス制御装置の一実施例を示す図2A〜図2Cと同様の断面図である。
【図5】 図5は、本発明のブレード先端部クリアランス制御装置の他の実施例を示す図4と同様の断面図である。
【図6】 図6は、環状の金属製プレートの構成を示す部分的な分解図である。
【図7】 図7は、図6で示したプレートを保持する移動制限手段の一実施例を示す部分説明図である。
Claims (9)
- 環状のハウジング(42)を含むガスタービンエンジンのブレード先端部クリアランス制御装置であって、前記ハウジングは、エンジンケース(13)の周囲に形成され、このエンジンケースには、環状のシュラウドセグメントアセンブリ(18)が、ブレード(17)の段(16)のブレード先端部(17’)の周囲に近接するとともにここから離間して固定されており、前記環状のハウジング(42)は、前記ケース(13)と連通する空気流路(41)を形成し、この流路を通して前記エンジンケースに冷却空気流が導かれ、前記エンジンケース(13)の前記環状のシュラウドセグメントアセンブリ(18)の反対側の壁面に環状のインピンジメント流路(38)が設けられており、このインピンジメント流路は、前記ケース(13)の対向して離間された環状の側壁(55)の間に定められ、
熱作動受動リングバルブ(39)を含み、このリングバルブ(39)は、部分的に重なった2つの金属製リングセグメント(45,46,51,52)によって構成され、これらの各リングセグメントは、該リングセグメントの温度が所定値に達したときに該リングセグメント間に径方向の間隙が生じるように選択された異なる熱膨張率をそれぞれ有し、前記径方向の間隙を通して、前記ハウジング内に冷却空気流が流入可能となり、これにより、径方向での膨張を制御するように前記ケース(13)が冷却され、
前記環状のハウジング(42)は、前記環状のシュラウドセグメントアセンブリ(18)の反対側で前記ケースの上部に取り付けられたリングバルブ支持構造体(42,54)によって形成されており、部分的に重なった2つの前記金属製リング(45,46,51,52)は、前記支持構造体と一体に設けられているブレード先端部クリアランス制御装置において、
部分的に重なった前記金属製リングは、互いに対して面接触しており、前記径方向の間隙は、前記異なる熱膨張率のために前記リングが分離することによって生じる前記金属製リング間の空間により形成され、前記径方向の間隙は、調整された冷却空気が前記ケース(13)へと流入可能となるように、前記リングセグメント(45,46,51,52)の温度の作用を受けてその大きさが変化することを特徴とするブレード先端部クリアランス制御装置。 - 部分的に重なった2つの前記金属製リングセグメント(45,46)は、前記環状の間隙の対応する端部にそれぞれ隣接して固定されているとともに、その自由端部分(45’,46’)で面接触するように部分的に重なり合っていることを特徴とする請求項1記載のブレード先端部クリアランス制御装置。
- 前記リングセグメント(51,52)は、前記環状のハウジング(42)を形成するように前記環状の側壁(55)に亘って固定された第1の環状の金属製プレート(51)と、比較的低い熱膨張率を有するとともに、前記第1の環状の金属製プレートと摩擦接触するように前記第1の環状の金属製プレート(51)の下側に近接して捕捉された第2の環状の金属製プレート(52)と、前記第2の環状の金属製プレートに対して前記第1の環状の金属製プレート及び前記ケースの熱膨張を可能とする前記第2の環状の金属製プレート用の支持手段(54)と、を含み、前記各プレートは、貫通する空気流路(56,57)を備えていることを特徴とする請求項1記載のブレード先端部クリアランス制御装置。
- 前記空気流路(56,57)は、前記第1の金属製プレート及び前記第2の金属製プレートに設けられた孔を含み、該第1のプレートの前記孔(56)は、該第2のプレートの前記孔(57)からオフセットされていることを特徴とする請求項3記載のブレード先端部クリアランス制御装置。
- 前記第1の環状の金属製プレートの前記孔(56)は、前記第2の環状の金属製プレートの前記孔よりも数が少なく、前記第2の環状の金属製プレートの前記孔(57)は、前記第1の環状の金属製プレートの前記孔よりも断面積が小さいことを特徴とする請求項4記載のブレード先端部クリアランス制御装置。
- 前記支持手段は、前記インピンジメント流路(38)の前記各環状の側壁(55)の上部内側端部セクションにそれぞれ形成されたキャビティ(53)であり、これらのキャビティは、前記第1のプレート(51)及び前記ケースが、これらの部材に亘って配置された前記第2のプレート(52)に対して移動可能となるように、整列されているとともに大きさが定められており、熱膨張にさらされたときに、前記プレートが分離し、前記空気流路及び前記分離したプレートを通して前記ハウジング内へ空気流が流入可能となることを特徴とする請求項3記載のブレード先端部クリアランス制御装置。
- 前記各プレートを、面が実質的に一致した状態で維持するための移動制限手段(58,59)が設けられており、前記プレートが互いにきつく面接触している場合に、前記各孔がオフセットされて空気流が遮断されることを特徴とする請求項6記載のブレード先端部クリアランス制御装置。
- 前記第1の環状の金属製プレート(51)が、前記エンジンケースと同じ材料より形成されていることを特徴とする請求項3記載のブレード先端部クリアランス制御装置。
- 前記ケース(13)は、冷却空気及び熱い燃焼ガスを導いて該ケースを冷却もしくは加熱するための貫通孔(40)を備えていることを特徴とする請求項1記載のブレード先端部クリアランス制御装置。
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