JP4086899B2 - 空気入りタイヤ用クラウン補強材 - Google Patents
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Description
米国特許第4688615号は、一つのプライと次のプライが交差し、タイヤの円周方向に対して5°乃至60°の間の角度をなす各プライ中で互いに平行なケーブルで作られた第一のプライと第二のプライとから組み立てられたラジアルタイヤ用のクラウン補強材を説明している。これらの2つのプライの間には円周方向に配置されたケーブルの第三のプライが配置されており、第三のプライのケーブルは、第一および第二のプライのケーブルの直径に最大等しい直径を有し、第一および第二のプライのケーブルを形成する材料の引っ張り強度よりも小さい引っ張り強度を有し、それにより、第三のプライにより低い引っ張り強度を与え、且つ、交差されたケーブルのプライの各々よりも伸長性のある材料から作られており、さらに、第三のプライは、最も大きい幅の角度をなすケーブルのプライよりも大きくない幅を有する。
未公開のフランス特許出願第FR94/15,736号は、上に記載したタイヤに関し、さらに詳しくはリム上の高さHの最大軸幅Sに対する比が最大0.60の重量貨物車型タイヤに関する。前記特許出願は、そのタイヤのクラウン補強材の寿命を改善し、そしてタイヤのトレッドの摩耗の均一性も改善するために、軸方向連続プライの前記補強材が組合されていることによって特徴づけられるクラウン補強の構造を必要とし、軸方向連続プライは、タイヤの円周方向に対して少なくとも60°の角度をなす非伸縮性ケーブルで作られ、金属要素のプライは円周方向と実質的に平行で、半径方向で2つのワーキングクラウンプライの間に配置されている。
そのような構造の目的は、ワーキングプライの縁部に広がる運転温度を減じることであり、円周方向ケーブルの付加プライの幅は、ワーキングプライの幅よりも小さい。
タイヤの運転温度の減少はまた、如何なるH/S形状比であるとしても、重量貨物車タイヤの生産者の重大な関心事であり、出願人の研究により、出願人は効果的かつ経済的な解決法を見出した。
円周方向に対して10°乃至45°の角度をなすように一つのプライと他のプライが交差されている少なくとも2つの非伸縮性ケーブルのワーキングクラウンプライを含むクラウン補強材を有する、本発明によるラジアルカーカス補強材を備えたタイヤは、非伸縮性ケーブルから形成された円周方向に対して45°よりも大きい角度をなす如何なるプライも存在しないことで特徴づけられ、円周方向と実質的に平行に向けられた金属要素から形成された軸方向に連続な付加プライがワーキングプライの間に配置され、付加プライは少なくともカーカス補強材の最大軸方向幅S0の50%の幅を有し、かつ、少なくとも最も幅の広いワーキングクラウンプライの軸方向幅の1.05倍の軸方向幅を有し、前記付加プライのケーブルはワーキングプライのケーブルの直径よりも大きい直径を有することによって特徴づけられる。
好ましくは、付加プライは、最も幅の広いワーキングクラウンプライの幅の少なくとも1.1倍の幅を有する。
説明され、特許請求された構造は、三角形プライと呼ばれるプライを必要とすることなく運転温度に関して、大きな利得をもたらすばかりでなく、予想外に付加プライのケーブルの安全率の増加をもたらし、ここで、ケーブルの安全率は、走行中のタイヤの動作中にケーブルに働く最大張力に対する破壊荷重の比である。一定の安全率では、付加プライの重量とコストを有利にも減少することができる。
少なくとも0.70のH/S形状比のタイヤに特に適した、円周方向要素の付加プライを使用することの有利な方法の一つは、形材部材の挿入物無くワーキングプライを前記カーカス補強材と平行に配置することが出来るように、第一ワーキングクラウンプライに、下にあるカーカス補強材の子午線方向の曲率と実質的に等しい子午線方向の曲率を与えることからなる。付加プライは、実質的に曲率ゼロで与えられ、実質的に三角形の形をした適合する形材部材によって第一ワーキングプライから隔てられる。
非伸縮性ケーブルは、例えば、破壊荷重の25%で測定されたとき0.5%以下の相対伸びを有するスチールケーブルを意味すると理解すべきである。
実質的に円周方向と平行に向けられた金属要素とは、前記方向に対して0°を中心に+2.5°乃至−2.5°の範囲内の角度をなす要素のことをいう。
付加プライの補強要素は、小さな伸びからそれ以降の引張り応力下において前記プライに非常に高い伸び剛性を与える非伸縮性金属ケーブルであるのがよい。付加プライの伸び剛性は、クラウン補強材のワーキングプライの単位長さ当りの剛性の0.3倍乃至1.3倍であるのがよい。
補強要素のプライの伸び剛性は、所定の相対伸びεを得るために必要な、プライの単位幅当りにケーブルの方向に働く張力によって決まり、Rを問題とするプライの剛性、dF/dεを張力の相対伸びに対する微分、そしてεが0.5%に等しいとして、式
R=dF/dε
によって、または、Rを問題とするプライの剛性、pを前記プライの要素の間のピッチ、dF/dεを張力の相対伸びに対する微分として、式
R=(1/p)dF/dε
によって表される。
上記の関係で、付加プライはいわゆる半弾性連続スチールケーブル、即ち、2%乃至6%の破壊時の相対伸びを有するケーブルで形成される。これらのケーブルは、ワーキングクラウンプライと付加プライの間の円周方向張力の適当な分布に適した剛性のレベルを得ることを可能にする。前記ケーブルは都合よくはバイモデュラーケーブルと呼ばれ、即ちそれは、小さな伸びに対して緩やかな傾きを持ち、大きな伸びに対して急激で実質的に一定の傾きを持つ相対伸びの関数としての引張り応力曲線を有する。2%以下の伸びに対する加硫前の非常に低い弾性係数は、タイヤの加硫中の付加プライの円周の拡張の増大を可能にする。
付加プライは、円周方向に向けられ、プライの円周長さより非常に短い長さの部分を形成するように切断され、部分の間の切断部が互いに円周方向にずれているスチール製の金属ケーブルで形成してもよい。そのような実施形態は簡単な方法で付加プライに所望の剛性を与えることを可能にし、前記剛性は同一の切り分けられていないケーブルで作られたプライの剛性より低い。
好ましくは、付加プライの中に使用されるケーブルは、ワーキングプライの中に使用されるケーブルの直径よりも大きな直径を有する。
本発明によるクラウン補強材は、有利にはいわゆる保護クラウンプライで仕上げられ、保護クラウンプライは、半径方向に最も外側のワーキングクラウンプライのケーブルの円周方向に対してなす角度と実質的に同じ角度に向けられたスチール製の弾性金属ケーブルで形成され、保護クラウンプライの軸方向の幅は、小さくとも、半径方向に最も外側のワーキングプライの軸方向の幅に等しい。
本発明の特徴及び利点は、限定的でない仕方で一実施形態を示す図面を参照した以下の説明を参照することでよりよく理解されるであろう。図面において、単一の図1は、子午線方向断面で見た本発明によるクラウン補強材の概略図を示す。
サイズが315/80 R22.5XのタイヤPは、0.8の形状比H/Sを有し、HはタイヤPの装着リム上のタイヤPの高さ、SはタイヤPの最大タイヤ軸方向幅である。前記タイヤPは、ラジアルカーカス補強材(1)を有し、該ラジアルカーカス補強材は、各ビードの中で少なくとも一本のビードワイヤーに固定され、ターンアップを形成し、金属ケーブルの単一プライによって形成されている。カーカス補強材(1)は、半径方向に内側から外側に向かって、
− スチール製の非伸縮性金属ケーブルによって形成され、例示された場合では22°の角度αの方向を向けられた第一ワーキングクラウンプライ(32)であって、プライ(32)はカーカス補強材(1)に半径方向に隣接し、かつ平行で、子午線方向の曲率1/rが下のカーカス補強材(1)の子午線方向の曲率1/r1に実質的に等しく、カーカスプライ及びワーキングプライのケーブルが夫々一定の厚さのゴム配合物によって隔てられている第一ワーキングプライと;
− 第一ワーキングクラウンプライ(32)の上に載っている付加プライ(33)であって、プライ(33)はその円周の長さの実質的に1/6の長さのスチール製の非伸縮性金属要素で形成され、前記要素は0°に向けられ、第一ワーキングクラウンプライの軸方向の外側の縁は、実質的に三角形断面の形材部材(4)によって円周方向要素の付加プライ(33)から隔てられ、プライ(32)の軸方向外側の縁で計ったプライ(32)とプライ(33)の間のゴムの厚さe2は実質的に2mmに等しい付加プライ(33)と;
− 次いで、第一プライ(32)と同一の金属ケーブルで作られた第二ワーキングクラウンプライ(34)であって、金属ケーブルは角度αと反対の、例示した場合では、円周方向に対して22°の前記の角度αに等しい(しかし、場合によっては前記角度αと異なる)角度βをなす第二ワーキングクラウンプライ(34)と;
− 最後に、いわゆるスチール製の弾性金属ケーブルの最終プライ(35)であって、前記金属ケーブルは円周方向に対して、角度βと同じ方向で前記βと同じ大きさの(しかし、は異なることもある)角度θの方向に向けられ、この最終プライは保護プライと呼ばれ、そしていわゆる弾性ケーブルは破壊の際、少なくとも4%の相対伸びを有するケーブルである最終プライ(35)と;
によって形成されたクラウン補強材(3)によってたがばめされている。
第一ワーキングプライ(32)の軸方向幅L32は、カーカス補強材(1)の中心部の最大軸方向幅S0の0.50倍であり、即ち、在来形状のタイヤでは160mmで、それは本件の場合に235mmであるトレッドの幅より非常に小さい。第二ワーキングプライ(34)の軸方向幅L34は、幅L32に等しい。付加プライ(33)の軸方向幅L33は、0.6S0に相当する190mmに等しい。実際、付加プライ(33)の幅L33は、最も幅が広いワーキングプライの幅L32(L34)より非常に大きい。保護プライと呼ばれる最終クラウンプライ(35)は、ワーキングクラウンプライの幅L34より僅かに大きい幅L35、即ち165mmを有する。
ワーキングプライ(32)或いはワーキングプライ(34)の伸び剛性は、それらのプライが、プライの全幅に亘って連続で、非伸縮性のスチール製のたがばめされない同一の9.28金属ケーブルで形成され、前記ケーブルが同一ピッチで配置され、即ちケーブルの間に同一の間隔(前記ケーブルに直角に計って)をおいているため、この場合においては同じであり、相対伸び0.5%において4000daN/mm以上が好ましく、本件の場合には5500daN/mmである。付加プライ(33)については、0.5%の相対伸びに対する伸び剛性はワーキングクラウンプライの0.91倍であり、本件の場合にはプライ(33)はスチール製のたがばめされない27.23金属ケーブルで形成され、プライの円周の長さの17%の円周方向の長さをもつケーブルの部分を有するように切断され、これによりプライに、0.5%の相対伸びに対して5000daN/mmの伸び剛性が与えられる。
付加プライ(33)はいわゆるバイモデュラーケーブル形成しても良い。ある弾性のプライ(33)のみが、加硫モールド内でのタイヤの成形中に有用であり、初期状態から1%の相対伸びで、例えば、最大1000daN/mm2の低い接線方向弾性係数で、2%以上の相対伸びに対して、例えば、8000daN/mm2以上になるケーブルを使用するのがよい。
上に説明した第二の実施形態によるタイヤが、8.5barの空気圧、100km/hのスピードに対して4000kgの荷重のもとでテストされた。ワーキングクラウンプライの縁部における温度測定値は、これらの領域において100°以上の高温に達する場合、思いがけない25°の運転温度に関する利得を示す。
Claims (6)
- 一つのプライと次のプライが交差され、円周方向に対して10°乃至45°の角度をなす複数の非伸縮性ケーブルで形成された少なくとも2つのワーキングクラウンプライ(32、34)を含むクラウン補強材(3)を有する、ラジアルカーカス補強材(1)を備えたタイヤにおいて、円周方向に対して45°より大きい角度をなす複数の非伸縮性ケーブルで形成された如何なるプライも存在せず、前記クラウン補強材(3)は、更に、付加プライ(33)を含み、この付加プライ(33)が、実質的に円周方向と平行な方向に向けられた金属要素から形成されると共に軸方向に連続しており、ワーキングプライ(32、34)の半径方向間に配置され、カーカス補強材の最大軸方向幅S0の少なくとも50%で、かつ、最も幅の広いワーキングクラウンプライL32、L34の軸方向の幅の小さくとも1.05倍に等しい軸方向幅L33を有し、前記付加プライ(33)の金属要素は、複数の金属ケーブルであり、前記付加プライ(33)のケーブルはワーキングプライ(32、34)のケーブルの直径よりも大きい直径を有することを特徴とするタイヤ。
- 前記付加プライ(33)の前記の幅L33が、最も幅の広い前記ワーキングクラウンプライ(34)の軸方向幅の小さくとも1.1倍に等しいことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
- 前記ワーキングクラウンプライ(32)が、カーカス補強材(1)と平行に配置されるように、下にある前記カーカス補強材(1)の子午線方向の曲率1/r1と実質的に等しい子午線方向の曲率1/rを有し、形状部材(4)が、前記ワーキングプライ(32)と前記付加プライ(33)の縁部の間に挟まれ、前記形状部材(4)の子午線方向の曲率が実質的に0であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
- 前記クラウン補強材(3)が、最も半径方向外側の前記ワーキングプライ(34)の上に配置された連続する保護プライ(35)を更に含み、前記保護プライ(35)は弾性金属ケーブルで形成され、その軸方向幅L35が最も半径方向外側の前記ワーキングプライ(34)の軸方向幅L34より大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記付加プライ(33)が、スチール製の複数の非伸縮性金属ケーブルで形成され、その円周方向に沿って所定の短い長さの部分を形成するように切断され、それらの部分の間の切断部は互いに軸方向にずれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記付加プライ(33)が、スチール製の複数の連続する金属ケーブルで形成され、前記金属ケーブルは、加硫前に相対伸びの関数としての引張り応力を示す曲線が、所定の小さな伸びに対しては緩やかな傾きを有し、その小さな伸びよりも大きな伸びに対しては急な一定の傾きを有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のタイヤ。
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