JP4086466B2 - リフト用キャリジ - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、フレーム部材とキャリ部材と、リフト用部材とを有し、フレーム部材は、該フレーム部材に設けられていて基台上でキャリジが運動できるように配置された１組の車輪を有し、キャリ部材は、フレーム部材上に設けられていて該フレーム部材から上方へ、基台から遠ざかる方向へ延び、リフト用部材は、昇降されるべき物体を受け取るように配置されていて、変位することができるようにキャリ部材上に取り付けられており、フレーム部材は、相互に連結されている２つの側片を有する、リフト用キャリジに関する。
【０００２】
（背景技術）
そのようなリフト用キャリジは既に知られている。構成の通常の構想によると、フレーム部材は２つの交差ビームを備え、その交差ビームは側片を連結していて、リフト用キャリジの正常な運動方向に対して横方向に延びる共通の鉛直面内に実質的に配置されている。それと共に、搬送部材（キャリ部材）がこれらの交差ビームの前で、これらの交差ビームの側面に固定されている。通常、側片は、その端部に車輪を備えていて、その車輪によってキャリジは、床またはその他の基台上で運転される。しかし、公知のリフト用キャリジには、運動方向におけるフレーム部材の長さが非常に長くて、そのリフト用キャリジを制御するための融通性と可能性が減少する傾向があるという欠点がある。そのようなリフト用キャリジを構成するときには、充分に安全な仕方でリフト用キャリジが後方にひっくり返ることを防止するために、サイドビームがキャリ部材から後方に、所定の最短の長さだけ延びることが大切である。この安全性の観点からキャリ部材の背後にある交差ビームは、そのリフト用キャリジを操作する作業員の足が入りうる空間を少なくし、作業員は、歩くことと彼の前でリフト用キャリジを押すこととを同時にしなければならない。このことは、そのようなリフト用キャリジによる共通作業モーメントとして知られている。このことは、前記作業員がリフト用キャリジの操作によって掴むリフト用キャリジの部分またはハンドルがキャリ部材の背後の遠すぎる位置にあってはならないという事実による。リフト用キャリジの部分またはハンドルがキャリ部材の背後の遠すぎる位置にあってはならない理由は、そのような構成が、また、不安定とひっくり返りの危険に導くであろうからである。
【０００３】
（発明の開示）
本発明の目的は、融通性があって、かつ、安全に操作することができて、コンパクトな構造をもつリフト用キャリジを提供することにある。
【０００４】
この目的は、前掲（技術分野）のリフト用キャリジであって、側片は、少なくとも第１のビーム部材によって相互に連結され、該第１のビーム部材上にキャリ部材が設けられていることを特徴とするリフト用キャリジによって達成される。このように、キャリ部材を、連結用のビーム部材の上に取り付けまたは置くことによって、ビーム部材の本質的部分がキャリ部材から後方または前方に延び、ビーム部材のそれぞれ後ろおよび前の使用可能の区域を邪魔することを回避することができる。その結果、リフト用キャリジのコンパクトな構造が可能になる。
【０００５】
本発明の１つの実施態様によると、側片は、また、第２のビーム部材によって相互に連結され、第２のビーム部材は、キャリ部材に連結され、かつ、当該リフト用キャリジの長手方向において前記キャリ部材の近くに配置されている。それによって、第２のビーム部材は、リフト用キャリジの正常な運動方向に垂直な方向に見て、第１のビーム部材から距離を置いて配置されることが有利である。このようにして、第２のビーム部材を第１のビーム部材および基台の上に遠くに配置し、第２のビーム部材がリフト用キャリジを操作する作業員のための足を入れる空間を邪魔しないようにすることができる。第２のビーム部材を、リフト用キャリジの正常な運動方向に見て、第１のビーム部材に対して後方に変位させることが有利である。
【０００６】
本発明の他の実施形態によると、側片および２つのビーム部材は、それらが３方向において範囲が定められ、かつ、リフト用部材を収容することができるように形作られた空間を形成するように配置される。
【０００７】
本発明の他の実施形態によると、リフト用部材の変位が第１のビーム部材の下に配置されている駆動モータによって与えられる。このようにして、駆動モータの場所のために、もはや、空間を必要としない。そして、その必要としなくなった空間は、さらに良好な仕方においては、リフト用部材によって、または、リフト用キャリジを操作する作業員によって使用されることができる。さらに、スクリュー部材が、駆動モータによって回転されるように配置され、かつ、スクリュー部材の回転をリフト用部材の並進運動に変換するように、ナット部材を介してリフト用部材に連結される。スクリュー部材が、第１のビーム部材を通って延びていることが有利である。
【０００８】
本発明の他の実施形態によると、キャリ部材は細長い棒状素子として形成される。それによって、スクリュー部材は、棒状素子内で延びることができることが有利である。そのような細長い素子は押出しアルミニウムによって製造されることができる。押出しアルミニウムは、キャリ部材の軽くかつ強度のある構造を保証する。
【０００９】
本発明の他の実施形態によると、前記側片は、少なくとも部分的に、前記リフト用キャリジの正常な運動方向に延びていて、さらに、これらは、本質的に、相互に平行に延びていることができる。
【００１０】
本発明の他の実施形態によると、第１および第２のビーム部材の少なくとも１つは、押出しアルミニウムによって製造される。
【００１１】
（発明を実施するための最良の形態）
ここで、本発明を実施例によっておよび添付の図面を参照して更に詳細に説明する。
【００１２】
図１乃至５には、本発明のリフト用キャリジが示されている。リフト用キャリジは、床またはその他の基台上におけるリフト用キャリジの運動を容易にするために、４個の車輪１を備えている。車輪１は、フォーク状の車輪吊り部材中に配置され、それら車輪吊り部材の前部対および後部対のうちの少なくとも１対は、フレーム部材２上の鉛直軸の周りに回転することができる（図４参照）。フレーム部材２は２個の側片３および４を有し、該側片は、本質的に相互にほぼ平行に延び、かつ、上から見て、リフト用キャリジの正常な運動方向Ｎを指している。本発明の範囲内で、側片３、４を運動方向Ｎに幾らか発散させる（側片３、４を運動方向Ｎに対して開くように相互に傾ける）ことができることは注意を要することである。各側片３、４は、簡単なシートメタルで構成することができ、または、重い荷重のためのリフト用キャリジに関連してもっと複雑な断面の異形材（プロファイル）、例えば、ほぼ矩形の異形材のビーム構造を有することができる。このように複雑な断面の異形材のビーム構造はアルミニウムの押出しプロファイルによって形成することができる。側片３、４は、第１の、下のビーム５と、第２の、上のビーム６によって相互に連結されている。その結果、第２のビーム６は、第１のビーム５から距離を置いて第１のビーム５の上に位置している。ビーム５とビーム６は、アルミニウムの押出しプロファイル（図５参照）を有することが望ましく、このアルミニウムプロファイルは、ビーム５、６の高い強度を保証し、同時に、リフト用キャリジの重量は適切なレベルに保たれることができる。
【００１３】
各側片３、４は、それぞれ、第１の、下の部分７および８と、第２の部分９および１０を有する。第１の部分７および８は、主として、リフト用キャリジの運動方向Ｎに延び、かつ、本質的に前記基台に平行に延びている。第２の部分９および１０は、それぞれ、下の部分７、８から斜め上方に延びていて運動方向Ｎに対して傾斜している。それによって、第１の、下のビーム５は、それぞれの傾斜部分９および１０を貫通して下のビーム５の端部辺の中に延びるねじによって、傾斜部分９および１０の下端に連結される。第２の、上のビーム６は、傾斜部分９および１０の上端に、それぞれの傾斜部分９および１０を貫通して上のビーム６の端部辺の中に延びるねじによって連結されている。その結果、これらの部分９および１０の傾斜によって下のビーム５は、鉛直線に沿って上から見て運動方向Ｎの、上のビーム６の前方に位置することになる。さらに、各側部３、４は後方に延びる部分１１、１２に連結され、これらの部分１１、１２の各々は、後輪の１つをそれぞれの端部で支持するために設けられている。これらの部分１１、１２は、本質的に、相互に平行に、リフト用キャリジの運動方向Ｎの方向に延びている。これらの部分１１、１２は、側片３、４の一体構造の部分を構成することができ、または、傾斜部分９、１０または縦方向部分７、８のいずれかに取り付けることができるということは注意を要することである。
【００１４】
さらに、リフト用キャリジはキャリ部材１３を有する。キャリ部材１３は、下のビーム５の上面上に立っていて上のビーム６の側面に、横方向に支持されている。図１乃至３から明らかなように、キャリ部材１３は、長い棒状の素子として成形され、別名、リフト用ポストと呼ばれている。キャリ部材１３は、図示された例では、押出しアルミニウムによって製造されている。
【００１５】
さらに、リフト用キャリジは、リフト板１４の形でリフト用部材を備えている。リフト用部材１４は、リフトされる対象を受け取るために設けられている。リフト用部材は、他の態様、例えば、いわゆるリフトフォークとして構成することもできることは注意を要することである。リフト板１４は、支持部材１５に固定され、支持部材１５は、本質的にリフト用ポスト１３に平行で、その一部がスライド１６に固定され、該スライド１６は、リフト用ポスト１３の長手方向ギャップを通過して延びていて、リフト用ポスト１３の長手方向に変位することができる。それによって、リフト板１４は、図に示されている下端位置からリフト用ポスト１３の上端の上端位置へ変位することができる。スライド１６は、リフト用ポスト１３の内部に設けられた回転スクリュー部材１７によって駆動される。スクリュー部材１７の回転は、下のビーム５の下に配置されている電動モータ１８によって与えられる。モータ１８への電力供給は、リフト板１４の反対側の、リフト用ポスト１３上に配置されているバッテリーパッケージ１９によって保証される。さらに、リフト用キャリジは、リフト用キャリジを基台上で簡単かつ快適に移動させるためにハンドル２０を備えている。取り外し可能の制御ユニット２１がハンドル２０上に配置され、その制御ユニット２１によって、駆動モータ１８は、リフト板１４を上昇および下降するためにそれぞれ駆動される。さらに、リフト用キャリジ１４は、制動機（図示せず）を有し、該制動機は少なくとも後部車輪１に作用し、後方に延びる２つの部分１１、１２から湾曲した曲線を描いて内方に延びる脚部部材２２によって起動することができる。
【００１６】
リフト用ポスト１３に沿ってスライド１６、それによって、リフト板１４を変位させるために、スクリュー部材１７のねじピッチに対応するねじピッチをもつめねじを備えたナット部材２３がある。本質的に全リフト用ポスト１３を通って延びるスクリュー部材１７は、また、スライド１６の通路を通って延びている。リフト用ポスト１３の上端においては、スクリュー部材１７は、ローラ軸受け２４によって取り付けられている。そして、リフト用ポスト１３の下端においては、スクリュー部材１７は、下のビーム５を通って延びて接続部２５を備えている。その接続部２５によって、スクリュー部材１７を、ウオームギヤ装置の出力シャフトに連結することができる。このウオームギヤ装置の入力シャフトは駆動モータ１８に接続されている（図５参照）。リフト用ポスト１３の上端に、スライド１６が上端位置に到達したときに駆動モータ１８への電流を遮断するリミットスイッチ（図示せず）も位置決めされている。
【００１７】
ナット部材２３は、スライド１６の開かれている部分に設けられ、連結装置を介してスライド１６に接続することができる。この連結装置は、スライド１６に接続されている第１の連結部材２６と、ナット部材２３に接続されている第２の連結部材２７を備えている。図示の例では、連結部材２６および２７は、それぞれ、１セットの軸歯を有し、これらの歯は、相互に噛み合うように配置されている。各々の歯は、本質的に軸面内に延びる表面をもつ第１の歯フランクと、スクリュー部材１７の回転軸に対して或る傾斜角で傾斜する表面を有する第２の歯フランクを備えている。それによって、第１の連結部材２６の歯フランクの傾斜した表面は、第２の連結部材２７の歯フランクの傾斜した表面と相互作用をするように配置されている。そうして、第１の連結部材の歯フランクの軸方向表面は、第２の連結部材２７の歯フランクの軸方向表面と相互作用をするように配置されている。前記の傾斜角は、本質的に、スクリュー部材１７とナット部材２３とのねじピッチの傾斜角に等しい。さらに、連結部材２６および２７の傾斜角は、スクリュー部材１７の傾斜角に対して反対である。さらに、ナット部材２３は、ばね（図示せず）によって、第１の連結部材２６に向かう方向に、予め、荷重がくわえられている。
【００１８】
スクリュー部材１７が回転され、ナット部材２３が連結部材２６および２７によって回転を阻止されるとき、ナット部材２３と、該ナット部材２３と共にスライド１６およびリフト板１４は、スクリュー部材１７およびリフト用ポスト１３に沿って変位する。このようにして、リフト板１４とその上に位置している物体とを上昇および下降させることができる。スクリュー部材１７がリフト板１４を上昇させる方向に回転されるときには、ナット部材２３とスライド１６との間に起こる力は、本質的に歯フランクの軸方向表面を経て伝達されるであろう。このことは、上昇方向において連結部材２６および２７間の固定された連結を保証する。しかし、スクリュー部材１７が反対向きの下降方向に回転するときには、ナット部材２３とスライド１６との間に起こる力は歯フランクの傾斜している表面を経て伝達されるであろう。大きな力がリフト板１４の下降変位を妨げない正常状態の間には、歯フランクの傾斜した表面間に存在する摩擦と、前記ばねを介して予め加えられる荷重とは、充分にリフト板１４の下降を保証する。しかし、もし、リフト板１４がその下降運動時に何かの障害を横切って走行する場合には、第１の連結部材２６の歯フランクの傾斜表面は、スプリングを圧縮しながら第２の連結部材２７の歯フランクの傾斜表面によりかかって滑べる。継続的な滑り運動は、次第に連結部材２６および２７の、相互からの係合外れを生じ、変位させる力は、最早、スライドに作用しなくなり、リフト板は、到達位置に停止したままの状態になる。
【００１９】
本発明は、前掲の実施例に制限されることなく特許請求の範囲内で変更および修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例によるリフト用装置の側面からの部分断面図である。
【図２】 図１のリフト用装置の正面図である。
【図３】 図１のリフト用装置の背後から見た図である。
【図４】 図１のリフト用装置の上から見た図である。
【図５】 図４のＶ−Ｖ線に沿う断面図である。

Claims (11)

1. フレーム部材（２）に設けられ、かつ基台上でのキャリジの移動を可能にするように配置された１組の車輪（１）を有するフレーム部材（２）と、前記フレーム部材（２）上に設けられ、かつ前記フレーム部材（２）から上方へ前記基台から遠ざかる方向に延びている細長いキャリ部材（１３）と、昇降される物体を受け取るように構成され、かつ前記キャリ部材（１３）上に変位可能に備えられているリフト用部材（１４）とを有し、前記フレーム部材（２）は、少なくとも下側の第１のビーム部材（５）と上側の第２のビーム部材（６）とによって相互に連結された２つの側片（３，４）を有し、前記第１のビーム部材（５）上に前記細長いキャリ部材（１３）が設けられている、リフト用キャリジにおいて、
   前記上側の第２のビーム部材（６）は、前記上側の第２のビーム部材（６）が前記細長いキャリ部材（１３）を横方向に支持するように、前記キャリ部材（１３）に連結され、かつ前記キャリ部材（１３）の近くに配置され、
   前記上側の第２のビーム部材（６）は、前記リフト用キャリジの正常な移動方向（Ｎ）に見て、前記下側の第１のビーム部材（５）に対して後方に変位され、
   前記上側の第２のビーム部材（６）は、前記リフト用キャリジの正常な移動方向（Ｎ）に対して垂直な方向に沿って前記下側の第１のビーム部材（５）から距離をおいて、それによって、前記リフト用キャリジの正常な移動方向（Ｎ）に対して垂直な方向に沿って第１のビーム部材（５）の上方に配置されていることを特徴とするリフト用キャリジ。
2. 前記側片（３，４）および前記ビーム部材（５，６）は、それらが、３方向において画定され、かつ前記リフト用部材（１４）を受け入れることができるように形作られた空間を形成するように構成されている、請求項１に記載のリフト用キャリジ。
3. 前記リフト用部材（１４）は前記第１のビーム部材（５）の下に配置された駆動モータ（１８）によって変位させられる、請求項１または２に記載のリフト用キャリジ。
4. スクリュー部材（１７）が、駆動モータ（１８）によって回転させられ、かつ、前記リフト用部材（１４）に連結されたナット部材（２３）を介して前記スクリュー部材（１７）の回転を前記リフト用部材（１４）の並進運動に変換するように構成されている、請求項３に記載のリフト用キャリジ。
5. 前記スクリュー部材（１７）は、前記下側の第１のビーム部材（５）を通って延びている、請求項４に記載のリフト用キャリジ。
6. 前記キャリ部材（１３）は細長い棒状の部材として形成されている、請求項１から５のいずれか１項に記載のリフト用キャリジ。
7. 前記スクリュー部材（１７）は、前記棒状の部材（１３）内を延びている、請求項４および６に記載のリフト用キャリジ。
8. 前記棒状の部材（１３）は押出しアルミニウムによって製造されている、請求項６または７のいずれか１項に記載のリフト用キャリジ。
9. 前記側片（３，４）は、少なくとも部分的に、前記リフト用キャリジの正常な移動方向に延びている、請求項１から８のいずれか１項に記載のリフト用キャリジ。
10. 前記側片（３，４）は、本質的に、相互に平行に延びている、請求項１から９のいずれか１項に記載のリフト用キャリジ。
11. 前記第１および第２のビーム部材（５，６）の少なくとも一方は、押出しアルミニウムによって製造されている、請求項１から１０のいずれか１項に記載のリフト用キャリジ。

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