JP4086231B2 - アスファルト廃材の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路工事等により舗装面から掘り起こされたアスファルト廃材の処理方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、道路工事等をする際に、既設のアスファルト舗装面を掘り起こして工事することがあり、このような場合、アスファルトが廃材となって発生する。このようなアスファルト廃材は、環境破壊の観点から投棄が厳しく規制されており、そこでアスファルト廃材を回収し、再生しようとすることが試みられている。ところで道路等の舗装面から掘り起こされたままのアスファルト廃材には、土石からなる路盤材等の小物と共に側溝等の大物が付着する等して異物として混入していることが多く、このような大小の異物が混入しているアスファルト廃材をそのままアスファルト合材の原料として用いることはできず、大小の異物を除去する必要がある。
そこで従来、このような異物の除去には、掘り起こしたアスファルト廃材から大物の異物を分断する等して選別除去した後、アスファルト廃材を小物異物と共に小物に細分化し、該細分化したアスファルト廃材に洗浄水を注水して異物を除去する技術(例えば、特許文献1参照。)や、アスファルト廃材を細分化した後、これを篩い分けして異物と分別する技術(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−10311号公報
【特許文献2】
特開平6−23322号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前記従来のものは、何れも細分化したアスファルト廃材に混在する異物ついて洗浄により除去したり篩い分けにより選別除去したりするものであるため、選別を受けるアスファルト廃材自体も異物と共に小物となっており、このためアスファルト廃材と異物との選別が事実上難しいものとなって効率の良い選別ができないという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、舗装面から掘り起こされたアスファルト廃材の処理方法であって、アスファルト層の下地層となる路盤を形成する際に用いた土石からなる小物異物と、コンクリート側溝やコンクリートブロックのアスファルト廃材よりも硬い大物異物とが付着混入しているアスファルト廃材を篩い装置で篩って前記小物異物を篩い落とし除去した後、該篩い装置から篩い落ちなかった前記付着する大物異物をアスファルト廃材から選別除去するようにしたことを特徴とするアスファルト廃材の処理方法である。そしてこのようにすることで、篩い落とし工程において、アスファルト廃材に混入する硬い大物異物がアスファルト廃材の表面に付着する路盤構成材の小物異物を削ぎ落とす等の積極的な離脱促進機能を発揮することになって、小物異物をアスファルト廃材と共に掘り起こされた硬い大物異物をそのまま有効に利用して効率よく篩い落とし除去することができ、その後、篩い装置から落ちなかった大物異物を選別除去することで、大小異物がよく除去されたアスファルト廃材を得ることができ、アスファルト合材としての再生が果たせることになる。
請求項2の発明は、請求項1において、大物異物の選別除去工程には、アスファルト廃材を細分化する工程を含むものであることを特徴とするアスファルト廃材の処理方法である。このようにしたときには、異物の除去工程に合わせてアスファルト廃材の細分化ができ、作業性の向上が計れる。
請求項3の発明は、請求項2において、細分化処理されたアスファルト廃材は、さらなる細分化処理を受けてチップ状に細分されることを特徴とするアスファルト廃材の処理方法である。このようにしたときには、異物が除去されたアスファルト廃材をチップ状にできて再利用するうえでの便になる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1はリッパが装着されたモーダグレーダやトラクタ等の建設機械によって掘り起こされたアスファルト廃材であって、該掘り起こされたアスファルト廃材1は殆どが数十センチから1メートルにも及ぶ大きな塊となっているが、アスファルト廃材1には、アスファルト層の下地層となる路盤を形成する際に用いた土石等の小物異物と共に、コンクリート側溝やコンクリートブロック等のアスファルト廃材1よりも硬い大物の異物Xが付着混入している。
【0007】
2は篩い装置であって、該篩い装置2は、油圧ショベル3のアーム4の先端にアタッチメントとして取り付けられるもので、アーム4の先端に取付けられる枠体5に、篩い網6が設けられた可動枠7を前後方向移動自在に設けたもので、枠体5に設けた駆動機構(本実施の形態ではクランク式の駆動機構を採用)の駆動によって可動枠7を前後移動させることで内容物の篩い分け処理を行うようになっている。因みに、路盤形成材料である土石は、通常0(泥土)〜4cm程度の大きさであり、この大きさのものを篩い落とせるよう篩い網6の網目の大きさが設定されている。
【0008】
一方、8は分断装置であって、該分断装置8も前記アーム4の先端部にアタッチメントとして取り付けられるものであって、本実施の形態では、一対の刃体9を備えた油圧式の圧砕機を採用している。そしてアスファルト廃材1を前記刃体9により任意の大きさに裁断(分断)すると共に、篩い装置2から篩い落ちなかったアスファルト廃材に付着する大物異物Xとアスファルト廃材とを挟み切って分断できるようになっている。因みに分断された大物異物Xは、刃体9で挟んで除去することができる。
【0009】
また、10は細分化装置であって、該細分化装置10も前記アーム4の先端部にアタッチメントとして取り付けられるものであって、本実施の形態では、底面が篩い状に開口12したバケット11と、該バケット11に設けられる油圧モータ(図示しない)により回転する細分歯13によりアスファルト廃材1をさらに細分化してチップ状にし、該チップ状になったアスファルト廃材を底面開口12から排出するようになっている。
【0010】
次に、前記各装置2、8、10を用いて前記掘り起こしたアスファルト廃材の処理方法について説明する。まず掘り起こしたアスファルト廃材1を篩い装置2に投入して篩い分けをする。この篩い分け工程においては、アスファルト廃材には大小の異物が付着混入しているが、該異物の中にはコンクリート側溝やコンクリートブロック等の硬い大物の異物Xが含まれており、この硬い異物Xが篩い作動に伴いアスファルト廃材1の表面を擦ったり当ったりすることで、路盤の形成材である土石等の小物異物をアスファルト廃材の表面から削ぎ落とす等の積極的な離脱促進機能を発揮してアスファルト廃材1に付着する土石等の小物異物を離脱させ、該離脱した小物異物を篩い装置2から篩い落とし除去する。
【0011】
次に、前記小物異物が除去されたアスファルト廃材1には、コンクリート側溝等の大物異物Xが付着する等して含まれているが、この付着する硬い大物異物Xについては、分断装置8で付着境界面を分断(切断、裁断)すればよく、そしてアスファルト廃材1に混入する該硬い大物異物Xをアスファルト廃材1から選別することで簡単に除去でき、しかも前記分断にあわせて、アスファルト廃材1についても、次の細分化装置10に投入してチップ状に細分化できる大きさ(例えば30cmくらいの大きさ)に分断する。
【0012】
さらに前記分断されたアスファルト廃材1を、粉砕装置10に投入して細かく細分化(例えば3〜5cm程度の大きさ)してチップ状にし、これをアスファルト合材製造用の原料として再利用できるようになっている。
【0013】
叙述の如く構成されたものにおいて、舗装面から掘り起こしたアスファルト廃材は、大小異物を混入するものであるが、アスファルト廃材を処理するにあたり、硬い大物異物Xを除去する前に、該硬い大物異物Xが存在する状態でアスファルト廃材を篩い分けすることで、硬い大物異物Xがアスファルト廃材に付着する小物異物を削ぎ落とす等の離脱促進機能を積極的に発揮することになって、効率のよい小物異物の離脱除去ができ、しかる後、篩い装置2から落ちなかった硬い大物異物Xを選別除去すれば、大小の異物が効率よく除去されたアスファルト廃材を得ることができ、アスファルト廃材の処理作業が高効率化する。そしてこの場合に、硬い大物異物Xは、アスファルト廃材1と共に掘り起こされたコンクリート側溝やコンクリートブロック等の硬いものをそのまま用いることができるから、これらの有効利用を図ることができ都合が良い。
【0014】
しかもこのものでは、篩い落とし処理の工程で小物異物が除去されたアスファルト廃材について、篩い落とされなかった大物異物Xを選別除去する工程で、アスファルト廃材に付着する硬い大物異物Xの分断作業が合わせて行われるので、作業性が向上するが、さらにアスファルト廃材の細分化も合わせて行われるため、作業能率がさらに向上する。そのうえ該細分化されたアスファルト廃材は、さらに細分化されてチップ状になるため、アスファルト合材を製造するための作業も効率化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 油圧ショベルに篩い分け装置を取付けた状態を示す側面図である。
【図2】 分断装置の斜視図である。
【図3】 細分化装置の斜視図である。
【図4】 アスファルト廃材の処理工程を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 アスファルト廃材
2 篩い装置
8 分断装置
10 細分化装置
X 硬い大物異物
Claims (3)
- 舗装面から掘り起こされたアスファルト廃材の処理方法であって、アスファルト層の下地層となる路盤を形成する際に用いた土石からなる小物異物と、コンクリート側溝やコンクリートブロックのアスファルト廃材よりも硬い大物異物とが付着混入しているアスファルト廃材を篩い装置で篩って前記小物異物を篩い落とし除去した後、該篩い装置から篩い落ちなかった前記付着する大物異物をアスファルト廃材から選別除去するようにしたことを特徴とするアスファルト廃材の処理方法。
- 請求項1において、大物異物の選別除去工程には、アスファルト廃材を細分化する工程を含むものであることを特徴とするアスファルト廃材の処理方法。
- 請求項2において、細分化処理されたアスファルト廃材は、さらなる細分化処理を受けてチップ状に細分されることを特徴とするアスファルト廃材の処理方法。
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