JP4086063B2 - 光ディスクのレーベル面画像形成方法および光ディスク装置 - Google Patents
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この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、光ディスク装置のレーザ光を利用してレーベル面に画像形成を行えるようにして、ペンによる書き込みやプリンタによる印刷を不要にした光ディスクのレーベル面画像形成方法および光ディスク装置並びに光ディスクを提供しようとするものである。
反射層16と可視光特性変化層18との密着性を向上させる手法として、中間層を設けるのに代えて、可視光特性変化層18を図5に示すように多数の微細な点状(例えば1つの点の直径が数10μm程度の円形または同程度の大きさの非円形)に形成する(例えば、膜転写などの技法を用いて形成する。)ことができる。また、多数の微細な点状に代えて、図6に示すように多数の微細な孔26を有する孔空き状に形成することができる。図5の点状に形成した場合は点の外側で、また図6の孔空き状に形成した場合は孔の内側で、反射層16と保護層20どうしが直接接合されているので、密着性を良好にすることができる。また、可視光特性変化層18が不透明であっても、可視光特性変化層18が無く反射層16と保護層20どうしが直接接合されている部分を通して、レーベル面22側から反射層16を部分的に望むことができるので、レーベル面22の画像形成時に反射層16に容易にフォーカスを合わせることができる。点状、孔空き状のほか、同心円または直線の縞状等に構成することもできる。
この発明のレーベル面画像形成方法に使用される光ディスクの他の実施の形態を図8に部分断面図で示す(各層の厚さは実際とは異なる。また案内溝の図示は省略する。)。これは、図7のCD−RWディスク28において、反射層38と可視光特性変化層40との間に、分離層35、第2の反射層37、中間層39を積層配置したものである。第2の反射層37は金属層、誘電体反射層等で構成することができる。これによれば、反射層37、38が、レーベル面の画像形成用とデータ記録用に独立に設けられ、両反射層37、38の間に介在している樹脂等で構成される分離層35が熱伝導に対するバッファ層として機能するので、データ記録時の熱が可視光特性変化層に与える影響およびレーベル面の画像形成時の熱が記録層に与える影響をより確実に抑えることができる。中間層39は、例えば、反射層37と可視光特性変化層40との密着性を向上させる材料(反射層37、可視光特性変化層40のいずれに対しても密着性のよい材料)で構成することができる。また、中間層39を断熱性の材料で構成すれば、レーベル面の画像形成時の熱が反射層37を通して面方向に拡がるのが抑制され、可視光特性の変化効率の低下や画像の滲みを防止することができる。また、中間層39を半透明の光散乱特性を持つ光散乱層で構成することにより、形成された画像を見やすくすることもできる。
この発明のレーベル面画像形成方法に使用される光ディスクの他の実施の形態を図9に部分断面図で示す(各層の厚さは実際とは異なる。また案内溝の図示は省略する。)。これは、片面1層記録のDVD−RWディスクのレーベル面に画像形成を行えるようにしたものである。この光ディスク41は、ポリカーボネート等の0.6mm厚の透明な第1の基板43の片面に、誘電層45、記録層47、誘電層49、反射層51を順次成膜し、さらに、反射層51の上に貼り合わせ接着層53によってポリカーボネート等の0.6mm厚の第2の基板55(通常透明基板)を貼り合わせている。第2の基板55の表面には、第2の反射層57、中間層59、可視光特性変化層61、保護層63が順次積層されている。保護層63側の面がレーベル面65を構成する。データの記録は、第1の基板43の表面側からレーザ光を記録層47に照射することにより行われる。レーベル面65の画像形成は、レーベル面65側からレーザ光を可視光特性変化層61に照射することにより行われる。
第2の反射層57は金属層、誘電体反射層等で構成することができる。中間層59は、例えば、第2の反射層57と可視光特性変化層61との密着性を向上させる材料(反射層57、可視光特性変化層61のいずれに対しても密着性のよい材料)で構成することができる。また、中間層59を断熱性の材料で構成すれば、レーベル面の画像形成時の熱が反射層57を通して面方向に拡がるのが抑制され、可視光特性の変化効率の低下や画像の滲みを防止することができる。また、中間層59を半透明の光散乱特性を持つ光散乱層で構成することにより、形成された画像を見やすくすることもできる。
(1) 光ディスク50をデータ記録または再生時と表裏逆にしてターンテーブル54に装着する。
(2) ユーザがホストコンピュータ46のディスプレイ上で、画像形成する文字、絵等の画像を編集する。ホストコンピュータ46は編集された画像を画像データに変換する。
(3) ユーザがホストコンピュータ46上で画像形成動作の開始を指示する。
(4) 周波数発生器58から発生されるパルスがシステム制御回路62で指令される一定の周波数となるように、スピンドルサーボ回路64がスピンドルモータ56をCAV(回転数一定)制御する。
(5) 光ピックアップ66を光ディスク50の内周側の所定の径方向の基準位置に位置決めする。
(6) 光ピックアップ66のレーザダイオードのレーザパワーが、システム制御回路62で指令される所定の低出力(可視光特性変化層の可視光特性が変化せずかつフォーカス制御が可能な値で、例えば1mW以下の値)となるように、レーザドライバ82が該レーザダイオードを駆動する。
(7) システム制御回路62の指示により、フォーカスサーボ回路76をオンする。これにより、フォーカスサーボ回路76は、反射層でレーザ光67が最小スポットとなるように、フォーカスサーボをかける。なお、トラッキングサーボ回路78はオフのままとし、トラッキングサーボはかけない。
(8) 以上で画像形成の準備が整い、システム制御回路62の指示により画像形成を開始する。すなわち、システム制御回路62はホストコンピュータ46から画像データを入力し、送りモータ72を駆動して光ピックアップ66を光ディスク50の内周側で最初の画像形成箇所がある半径位置に位置決めし、FGパルスに基づく適宜のタイミング(あるいは、周方向の基準位置を検出するために別途設けられた検出器の検出タイミング)を周方向の基準位置として、逓倍器60の出力パルスをカウントして周方向位置θを検出し、該半径位置について画像データにより指示される周方向の各画像形成位置でレーザパワーを所定の高出力(可視光特性変化層の可視光特性が変化する値で、例えば1mW以上の値)に切り換える。これにより、該高出力のレーザ光が照射された箇所で可視光特性変化層の可視光特性が変化(変色等)して、画像形成が行われる。光ディスク50が1回転して周方向の基準位置に戻ったら、送りモータ62を駆動して光ピックアップ66を所定ピッチΔr分外周方向へ移送し、その半径位置について画像データにより指示される周方向の各画像形成位置でレーザパワーを所定の高出力に切り換えて画像形成を行う。以後、この動作を繰り返して、1周ごとに所定ピッチΔrで順次外周方向に移動して画像形成を行う。図10は、この画像形成動作による光ディスク50のレーベル面52上でのレーザ光の軌跡を示す。太線で描いた部分でレーザパワーが高出力に切り換えられて画像形成が行われる。図11は図10の画像形成を行うときのレーザパワーの変化を示す。
(1) 光ディスク50をデータ記録または再生時と表裏逆にしてターンテーブル86に装着する。
(2) ユーザがホストコンピュータ133のディスプレイ上で、画像形成する文字、絵等の画像を編集する。ホストコンピュータ133は編集された画像を画像データに変換する。
(3) ユーザがホストコンピュータ133上で画像形成動作の開始を指示する。
(4) スピンドルモータ88は、システム制御回路105の指示により、画像形成動作中停止される。
(5) 光ピックアップ90を所定の基準位置に位置決めする。
(6) 光ピックアップ90のレーザダイオードのレーザパワーが、システム制御回路105で指令される所定の低出力(可視光特性変化層の可視光特性が変化せずかつフォーカス制御が可能な値で、例えば1mW以下の値)となるように、レーザドライバ131が該レーザダイオードを駆動する。
(7) システム制御回路105の指示により、フォーカスサーボ回路125をオンする。これにより、フォーカスサーボ回路125は、反射層でレーザ光が最小スポット91となるように、フォーカスサーボをかける。なお、トラッキングサーボ回路127はオフのままとし、トラッキングサーボはかけない。
(8) 以上で画像形成の準備が整い、システム制御回路105の指示により画像形成を開始する。すなわち、システム制御回路105はホストコンピュータ133から画像データを入力し、送りモータ94を駆動して光ピックアップ90を光ディスク50の内周側で最初の画像形成箇所があるディスク径方向位置に位置決めし、そのディスク径方向位置でモータ103(または119)を駆動してレーザ光をトラック接線方向に移動させ、そのディスク径方向位置について画像データにより指示されるトラック接線方向の画像形成区間にわたりレーザパワーを所定の高出力(可視光特性変化層の可視光特性が変化する値で、例えば1mW以上の値)に切り換える。これにより、該高出力のレーザ光が照射された箇所で可視光特性変化層の可視光特性が変化(変色等)して、画像形成が行われる。続いて、送りモータ94を駆動して光ピックアップ90を所定ピッチΔr分外周方向へ移送し、その位置でトラック接線方向に移送しながら、そのディスク径方向位置について画像データにより指示されるトラック接線方向の画像形成区間にわたりレーザパワーを所定の高出力に切り換えて画像形成を行う。以後、この動作を繰り返して、所定ピッチΔrで順次外周方向に移動して画像形成を行う。図19は、この画像形成動作による光ディスク50のレーベル面52上でのレーザ光の軌跡およびでき上がった画像を示す。レーザ光は振動信号により振動しながら移動するので、すき間のない(またはすき間が小さい)画像が得られる。
Claims (8)
- 光ディスクのレーベル面側から見える箇所に、該レーベル面側からのレーザ光の照射によって該レーベル面側からの可視光特性が変化する可視光特性変化層をデータ記録用の記録層と別に形成し、光ディスク装置のターンテーブルに、前記光ディスクを、そのレーベル面を光ピックアップから出射されるレーザ光の入射側に向けてセットし、前記光ディスクと前記レーザ光とを該光ディスクの面に沿って相対移動させ、該相対移動に同期して該レーザ光を、画像形成しようとする画像の画像データに応じて変調して前記レーベル面側から前記可視光特性変化層に照射し、該照射により該可視光特性変化層の可視光特性を変化させて、該レーベル面に該当する画像を形成する光ディスクのレーベル面画像形成方法において、
前記レーザ光のパワーを、画像形成する部分で前記可視光特性変化層の可視光特性に変化を生じさせる高いパワーに設定し、画像形成しない部分で該可視光特性変化層の可視光特性に変化を生じさせない低いパワーに設定し、
トラッキングサーボをオフしかつ画像を形成する部分および画像を形成しない部分の双方で前記レーザ光の前記光ディスクからの反射光に基づきフォーカス制御を行う光ディスクのレーベル面画像形成方法。 - 前記光ディスクを回転させながら、前記光ピックアップを該光ディスクの径方向に移動させる請求項1記載の光ディスクのレーベル面画像形成方法。
- 前記光ディスクを静止させ、前記光ピックアップを該光ディスクの径方向および該光ディスクの径方向に直交するトラック接線方向に移動させる請求項1記載の光ディスクのレーベル面画像形成方法。
- ターンテーブルにレーベル面をレーザ光入射側に向けてセットした光ディスクと光ピックアップから出射されるレーザ光とを該光ディスクの面に沿って相対移動させる相対移動機構と、
前記光ピックアップから出射されるレーザ光を変調するレーザ変調回路と、
前記相対移動機構と前記レーザ変調回路の制御回路とを具備し、
前記制御回路が、前記相対移動機構を制御して前記光ディスクと前記レーザ光とを相対移動させ、前記レーザ変調回路を、該相対移動および該光ディスクのレーベル面に画像形成しようとする画像の画像データに応じて制御し、前記光ピックアップから出射されるレーザ光を該画像データで変調して、該当する画像を該光ディスクのレーベル面側から見える箇所にデータ記録用の記録層と別に形成された、前記レーザ光の照射によって可視光特性が変化する可視光特性変化層に画像形成する制御を行う光ディスク装置において、
前記レーザ光の前記光ディスクからの反射光に基づきフォーカス制御を行うフォーカスサーボ回路と該反射光に基づきトラッキング制御を行うトラッキングサーボ回路をさらに具備し、
前記レーザ変調回路が、前記レーザ光のパワーを、画像形成する部分で前記可視光特性変化層の可視光特性に変化を生じさせる高いパワーに設定し、画像形成しない部分で該可視光特性変化層の可視光特性に変化を生じさせない低いパワーに設定し、
前記トラッキングサーボ回路によるトラッキングサーボをオフし、
前記フォーカスサーボ回路が、画像を形成する部分および画像を形成しない部分の双方で前記レーザ光の前記光ディスクからの反射光に基づきフォーカス制御を行う光ディスク装置。 - ターンテーブルにレーベル面をレーザ光入射側に向けてセットした光ディスクと光ピックアップから出射されるレーザ光とを該光ディスクの面に沿って相対移動させる相対移動機構と、
前記光ピックアップから出射されるレーザ光を変調するレーザ変調回路と、
前記相対移動機構と前記レーザ変調回路の制御回路とを具備し、
前記制御回路が、前記相対移動機構を制御して前記光ディスクと前記レーザ光とを相対移動させ、前記レーザ変調回路を、該相対移動および該光ディスクのレーベル面に画像形成しようとする画像の画像データに応じて制御し、前記光ピックアップから出射されるレーザ光を該画像データで変調して、該当する画像を該光ディスクのレーベル面側から見える箇所にデータ記録用の記録層と別に形成された、前記レーザ光の照射によって可視光特性が変化する可視光特性変化層に画像形成する制御を行う光ディスク装置において、
前記レーザ光の前記光ディスクからの反射光に基づきフォーカス制御を行うフォーカスサーボ回路と該反射光に基づきトラッキング制御を行うトラッキングサーボ回路をさらに具備し、
前記レーザ変調回路が、前記レーザ光のパワーを、画像形成時は画像形成する部分で前記可視光特性変化層の可視光特性に変化を生じさせる高いパワーに設定し、画像形成しない部分で該可視光特性変化層の可視光特性に変化を生じさせない低いパワーに設定し、データ記録時は記録信号で変調された記録パワーに設定し、データ再生時は一定の再生パワーに設定し、
前記トラッキングサーボ回路によるトラッキングサーボをオフし、
前記フォーカスサーボ回路が、画像を形成する部分および画像を形成しない部分の双方で前記レーザ光の前記光ディスクからの反射光に基づきフォーカス制御を行う光ディスク装置。 - 前記相対移動機構がターンテーブルを回転駆動する回転駆動装置と、前記光ピックアップを前記光ディスクの径方向に移動させる径方向送り駆動装置を具備し、前記制御回路がこれら両駆動装置を制御して前記光ディスクと前記レーザ光との相対移動を制御する請求項4または5記載の光ディスク装置。
- 前記相対移動機構が前記光ピックアップを前記光ディスクの径方向に移動させる径方向送り駆動装置と、該光ピックアップを該径方向の移動方向に直交する前記光ディスクのトラック接線方向に移動させるトラック接線方向送り駆動装置を具備し、前記制御回路が前記ターンテーブルを静止させた状態でこれら両駆動装置を制御して前記光ディスクと前記レーザ光の相対移動を制御する請求項4または5記載の光ディスク装置。
- 前記制御回路が、トラッキングサーボをオフして前記光ディスクと前記レーザ光の相対移動を行う請求項4〜7のいずれかに記載の光ディスク装置。
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