JP4085962B2 - 繊維ボードの製造方法 - Google Patents
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また、10〜40重量%含まれる単量体は主としてケナフ繊維内に浸透し、また60〜90重量%含まれる分子量200〜2000の多量体はケナフ繊維内への浸透性が低く主としてケナフ繊維の表面に付着する。そして、ケナフ繊維の内部に浸透した成分が硬化することによって、ケナフ繊維内への水分の吸収を抑制することができ、水分の吸収によるケナフ繊維の膨潤、変形を抑制して繊維ボードの寸法安定性を高めることができるものであり、またケナフ繊維の表面に付着した成分が硬化することによってケナフ繊維同士を強固に接着・結合させることができ、繊維ボードの剥離強度を高めることができるものである。この結果、寸法安定性に優れると共に高い剥離強度を有する繊維ボードを得ることができるものである。
ケナフの茎の靭皮部から得られる長繊維束(幅:1〜2cm、長さ:2〜4m)を機械的に解繊処理することによって、平均長さが25mm及び平均径が100μmであるケナフ繊維を得た。次にこのケナフ繊維を積層し、ニードルパンチングすることによって繊維マットを得た。次にこの繊維マットをフェノール樹脂接着剤中に浸漬した後、絞りローラーに通して絞ることによって、フェノール樹脂接着剤の含有量が25質量%となるように調整した。ここで、フェノール樹脂接着剤として、重量平均分子量584、分子量の範囲が90〜190の単量体と分子量の範囲が200〜2000の多量体の重量比率が30:70のレゾール型フェノール樹脂接着剤(樹脂成分比率50重量%)に水を加えて樹脂固形分比率を22.2重量%に調整したものを用い、繊維マットに含浸した後、絞りローラーに通過させることにより、繊維マットに含浸した熱硬化性樹脂の量を繊維マットの重量の120重量%にした。
ケナフ繊維ボードの密度を750kg/m3とした他は、実施例1と同様にした。
(実施例3)
ケナフ繊維ボードの密度を800kg/m3とした他は、実施例1と同様にした。
(実施例4)
ケナフ繊維ボードの密度を850kg/m3とした他は、実施例1と同様にした。
(実施例5)
ケナフ繊維ボードの密度を900kg/m3とした他は、実施例1と同様にした。
(比較例1)
ケナフ繊維ボードの密度を500kg/m3とした他は、実施例1と同様にした。
(比較例2)
ケナフ繊維ボードの密度を1000kg/m3とした他は、実施例1と同様にした。
(比較例3)
厚さ4mm、密度550kg/m3の市販の合板(ラワン合板)を用いた。
ここに、Zp:透湿抵抗[(m2・s・Pa)/ng]{(m2・h・mmHg)/g}、G:透湿量(ng/s){g/h}、A:透湿面積(0.0625m2)、P1:恒温恒湿槽内の空気の水蒸気圧(Pa){mmHg}、P2:透湿カップ内の空気の水蒸気圧(0Pa){0mmHg}である。
平均繊維長さ25mm、平均繊維径100μmのケナフ繊維を集合させてマット面重量が0.94g/cm2の繊維マットを作製した。この繊維マットの含水率を測定したところ、25重量%であった。
接着剤塗布工程において、フェノール樹脂接着剤として、重量平均分子量560、分子量の範囲が90〜190の単量体と分子量の範囲が200〜2000の多量体の重量比率が30:70のレゾール型フェノール樹脂接着剤(樹脂成分50重量%)を用いるようにした他は、実施例6と同様にしてケナフ繊維ボードを得た。
接着剤塗布工程において、フェノール樹脂接着剤として、重量平均分子量640、分子量の範囲が90〜190の単量体と分子量の範囲が200〜2000の多量体の重量比率が20:80のレゾール型フェノール樹脂接着剤(樹脂成分52重量%)を用いるようにした他は、実施例6と同様にしてケナフ繊維ボードを得た。
繊維マットをまず繊維マット乾燥工程で含水率が13重量%になるように乾燥した。このように乾燥した繊維マットを用い、後は実施例8と同様にしてケナフ繊維ボードを得た。
接着剤塗布工程において、フェノール樹脂接着剤として、重量平均分子量360、分子量の範囲が200〜650の多量体が100%のレゾール型フェノール樹脂接着剤(樹脂成分47重量%)を用いるようにした他は、実施例6と同様にしてケナフ繊維ボードを得た。
接着剤塗布工程において、フェノール樹脂接着剤として、重量平均分子量605、分子量の範囲が200〜1000の多量体が100%のレゾール型フェノール樹脂接着剤(樹脂成分52重量%)を用いるようにした他は、実施例6と同様にしてケナフ繊維ボードを得た。
接着剤塗布工程において、フェノール樹脂接着剤として、重量平均分子量1010、分子量の範囲が200〜2000の多量体が100%のレゾール型フェノール樹脂接着剤(樹脂成分53重量%)を用いるようにした他は、実施例6と同様にしてケナフ繊維ボードを得た。
接着剤塗布工程において、フェノール樹脂接着剤として、重量平均分子量450、分子量の範囲が90〜190の単量体と分子量の範囲が200〜1000の多量体の重量比率が60:40のレゾール型フェノール樹脂接着剤(樹脂成分47重量%)を用いるようにした他は、実施例6と同様にしてケナフ繊維ボードを得た。
接着剤塗布工程において、フェノール樹脂接着剤として、重量平均分子量690、分子量の範囲が90〜190の単量体と分子量の範囲が200〜2000の多量体の重量比率が3:97のレゾール型フェノール樹脂接着剤(樹脂成分52重量%)を用いるようにした他は、実施例6と同様にしてケナフ繊維ボードを得た。
ケナフを解繊して得た平均繊維長さが30mm、平均繊維径が150μmのケナフ繊維を長さ10〜200mmに切断し、このケナフ繊維を積層してニードルパンチングすることによって繊維マットを得た。次にこの繊維マットを実施例1と同じフェノール樹脂接着剤中に浸漬した後、絞りローラーに通して絞ることによって、フェノール樹脂接着剤の含有量が25質量%となるように調整した。次にフェノール樹脂接着剤を含有する繊維マットを80℃で、含水率が約10質量%となるように乾燥した。
を繊維マットの上に重ね、この後、この繊維マットを温度170℃、圧力3MPa、時間10分の条件で加熱加圧成形することによって、密度750kg/m3 、厚み11.7mmの、表面に微細繊維シートを貼り付けた繊維ボードを作製した。
微細繊維シートとして、微細繊維の平均繊維径が120μm、厚み230μm、面重量140g/m2、弾性係数42MPaのパルプシートを用いるようにした他は、実施例15と同様にして床材を得た。
実施例15と同様な繊維ボードの表面に、第2接着剤として粘度3Pa・sのSBRラテックスを320g/m2の塗布量で塗布し、表面仕上げ材として実施例15と同様の厚さ0.3mmの突き板を同条件で貼り合わせた。尚、繊維ボードに含浸したフェノール樹脂接着剤の粘度は0.01Pa・sである。
第2接着剤として、粘度3Pa・sのSBRラテックスに小麦粉23重量%を混合して、粘度を30Pa・sにしたものを用い、75g/m2の塗布量で塗布するようにした他は、実施例17と同様にした。
第2接着剤として、粘度3Pa・sのSBRラテックスに平均繊維長0.25mmの繊維ボード粉砕品23重量%を混合して、粘度を16Pa・sにしたものを用い、87g/m2の塗布量で塗布するようにした他は、実施例17と同様にした。
8 靭皮部
14 繊維マット
19 熱硬化性接着剤
25 孔
26 シート体
30 第2の接着剤
32 微細繊維シート
33 貫通穴
A 繊維ボード
Claims (10)
- ケナフの靭皮部を茎芯部から分離する靭皮部分離工程と、ケナフの靭皮部を解繊してケナフ繊維を得る繊維化工程と、解繊して得られたケナフ繊維を集合させて平均長さが10〜200mm及び平均径が10〜300μmのケナフ繊維よりなる繊維マットを得るマット化工程と、繊維マットに熱硬化性接着剤を供給して繊維マットに熱硬化性接着剤を含浸する接着剤供給工程と、熱硬化性接着剤を含浸した繊維マットを乾燥する接着剤乾燥工程と、接着剤乾燥工程で得られた繊維マットを密度が600〜900kg/m3となるように加熱加圧して繊維ボードを成形する成形工程とを有し、上記熱硬化性接着剤が、単量体を10〜40重量%と、分子量200〜2000の多量体を60〜90重量%含み、平均分子量が400〜700のフェノール樹脂であることを特徴とする繊維ボードの製造方法。
- 繊維マットに含浸した熱硬化性接着剤の量を繊維マットの重量の130%以下となるように、熱硬化性接着剤を含浸した繊維マットを加圧する含浸量調整工程を、接着剤乾燥工程の前に有することを特徴とする請求項1に記載の繊維ボードの製造方法。
- 含浸量調整工程で繊維マットを加圧する方法が、対をなすローラー間に熱硬化性接着剤を含浸した繊維マットを通過させる方法であることを特徴とする請求項2に記載の繊維ボードの製造方法。
- 繊維マットの含水率を25重量%以下に調整する繊維マット乾燥工程を、接着剤供給工程の前に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
- 接着剤乾燥工程で熱硬化性接着剤を含浸した繊維マットを乾燥するにあたって、繊維マットの表面に120℃以下の温度の気流を接触させながら乾燥することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
- 接着剤乾燥工程で熱硬化性接着剤を含浸した繊維マットを乾燥するにあたって、120℃以下の温度の雰囲気内で、繊維マットの片面から繊維マットの内部を吸引しながら乾燥することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
- 茎芯部から分離したケナフの靭皮部の含水率を10〜40重量%に調整する靭皮部含水率調整工程を、繊維化工程の前に有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
- 成形工程で得られた繊維ボードの表面に、繊維マットに含浸した熱硬化性接着剤より含浸性の低い第2の接着剤を塗布する第2接着剤塗布工程を、成形工程の後に有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
- 成形工程で繊維マットを加熱加圧する際に、繊維マットの表面に、繊維マットを構成するケナフ繊維より繊維径の細い微細繊維よりなる微細繊維シートを重ねて、加熱加圧を行なうことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の繊維ボードの製造方法。
- 繊維マットに微細繊維シートを重ねて加熱加圧した後に、微細繊維シートに貫通する穴を設けることを特徴とする請求項9に記載の繊維ボードの製造方法。
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