JP4085636B2 - 記憶駆動式表示装置の駆動方法及び記憶駆動式表示装置 - Google Patents

記憶駆動式表示装置の駆動方法及び記憶駆動式表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報を電気的に消去及び書込み可能な記憶駆動手段を用いて画像を表示する記憶駆動式表示装置及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CRT(Cathode Ray Tube)に代わる新しい表示技術として、蛍光物質であるEL(Electroluminescence)材料を用いてEL発光を得る技術が研究されている。
【0003】
蛍光物質であるEL材料としては、無機EL材料を用いる研究がされていたが、その後、無機ELにはない長所を有する有機EL材料について注目されてきている。有機EL材料は、無機EL材料に比べて、カラー化が容易なことと、より低い電圧の電流で動作すること等の長所を有する。有機EL材料を用いた有機EL層薄膜を金属電極で挟み込み直流電流印加による電荷注入を行う素子は有機(薄膜)ELダイオードと呼ばれ、その応用によるフラットパネルディスプレイの実現を目指し多くの研究が為されてきた。
【0004】
有機ELディスプレイの発光パネルの各画素に有機ELダイオードを設け、各画素の有機ELダイオードの発光制御のために、TFT(Thin Film Transistor)を各画素に設けていた。このように従来の有機ELダイオードの発光制御方式では、消費電力や寿命改善のため、有機ELダイオードをアクティブ制御させる駆動方式を採用することが主流となっている。
【0005】
有機ELダイオードをアクティブ制御させる従来の駆動方式を図8を参照して説明する。図8は、従来の電圧制御の発光パネル6を示す図である。
【0006】
図8に示すように、発光パネル6の1画素には、任意の電圧の信号を供給するデータ線6A、制御信号の通信路であるアドレス線6Bと、電源電圧供給路である電源線6Cと、一方の端子をデータ線6Aに接続しゲートをアドレス線6Bに接続したMOS(Metal Oxide Semiconductor)型でnチャネル型のTFT6Dと、一方の端子を電源線6Cに接続しゲートをTFT6Dの他方の端子に接続したMOS型でnチャネル型のTFT6Eと、アノードをTFT6Eの他方の端子に接続した有機ELダイオード6Fと、有機ELダイオード6Fのカソードと接続した各画素の共通接地部6Gとを設ける。また一端をTFT6Eのゲートに接続され、他端を共通接地部6Gに接続されたコンデンサ6Hが設けられている。
【0007】
アドレス線6Bの選択時(アドレス線6Bにハイ信号の電圧が印加されたとき)には、TFT6Dのゲートにハイ信号が印加されてONし、データ線6Aの電位がTFT6Dのゲートに伝わり、データ線6Aの電位に従った電流が、電源線6C、TFT6Eのドレイン、ソース、有機ELダイオード6Fを順に介して、共通接地部6Gに流れる。
【0008】
アドレス線6Bの非選択時(アドレス線6Bにロー信号の電圧が印加されたとき)には、TFT6Dのゲートにロー信号が印加されてOFFし、TFT6Eのゲートの電位がコンデンサ6Hに記憶され、記憶された電位に従った電流が、電源線6C、TFT6Eのドレイン、ソース、有機ELダイオード6Fを順に介して、共通接地部6Gに流れる。このように、データ線6Aの電圧を変化させて有機ELダイオード6Gの輝度を制御していた。
【0009】
なお、データ線6Aに流す信号を供給するデータドライバと、アドレス線6Bに流す信号を供給するアドレスドライバと、発行パネル6に電源電圧を入力する電源と、前記データドライバ、前記アドレスドライバ及び前記電源を制御するコントローラとを発光パネル6の外部に設けてディスプレイを構成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図8に示す従来の有機ELダイオードの発光制御方式では、TFT6Eのゲート−ソース間の寄生容量が小さいため、コンデンサ6Hを設けているが、1フレーム期間TFT6Eのゲート電位を保持するためには、十分な大きさのコンデンサが必要となり、このため、有機ELダイオード6Fの発光面積を広げることが困難であった。
また、静止画像時の場合も、各フレーム毎にデータドライバ及びアドレスドライバを稼動させねばならず、消費電力を下げられないという問題があった。
【0011】
更に、図8のTFT6Eのゲートには、常に片方向の電位(ここでは正の電位)が印加されるので、長時間使用によるTFTのしきい値がシフトしてしまいトランジスタ特性劣化現象が生ずるという問題も発生していた。
【0012】
本発明の課題は、画像表示において、画素の開口率を上げ、また消費電力を減らし、部品の劣化を防ぐことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、マトリクス状に配置された複数の画素毎に、第1のゲート、並びに第1及び第2の端子が設けられ、前記第1のゲートが前記選択信号生成手段に接続され、前記第1の端子が前記制御信号生成手段に接続され、前記第1のゲートに入力された選択信号及び前記第1の端子に入力された制御信号に対応して、前記第1の端子及び第2の端子間のチャネルを形成するTFTであり、当該画素を選択された場合、前記画素の発光の輝度を制御する制御信号を出力する選択手段と、第2及び第3のゲート、並びに第3及び第4の端子が設けられ、前記第2のゲートが前記TFTの第2の端子に接続され、前記第3のゲート及び前記第3の端子が所定の電圧を供給する電源に接続され、前記第4の端子が前記発光手段に接続され、前記第2のゲートに入力された制御信号に対応して前記輝度データを記憶し、当該記憶された輝度データに対応して、前記第3の端子及び第4の端子間のチャネルを形成するDGメモリTFTであり、前記選択の期間に、前記選択手段から出力された制御信号に対応して、電気的に消去及び書込み可能に、発光の輝度データを長時間記憶し、当該記憶された輝度データに対応して電源から入力された電流を出力する記憶駆動手段と、当該記憶駆動手段から出力された電流に基づき発光を行う発光手段と、を設ける発光パネルを具備し、各画素の発光により画像を表示する記憶駆動式表示装置の駆動方法であって、前記選択の期間に、当該選択された画素に対して、前記制御信号として、前記記憶駆動手段に記憶された輝度データを消去する消去制御信号を生成し、前記選択手段を介して前記DGメモリTFTの第2ゲートに、前記生成された消去制御信号を出力させて、チャネルの形成を阻害している捕捉される電子を引っ張り出すことによって、前記出力された消去制御信号に基づき自身に記憶された輝度データを消去させるデータ消去手順と、前記制御信号として、前記発光手段に次の輝度を指定する発光制御信号を生成し、前記選択手段を介して前記DGメモリTFTの第2ゲートに、前記生成された発光制御信号を出力させて、チャネルの形成を阻害している捕捉される電子の量を制御することによって、前記出力された発光制御信号に基づき輝度データを書込むデータ書込み手順と、を順に実行し、非選択の期間に、当該非選択された画素において、前記記憶駆動手段に、前記データ書込み手順で書込まれた輝度データに対応する電流を出力させ、当該記憶駆動手段から出力された電流に基づき発光させるデータ読込み手順を実行する、ことを特徴としてなる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の特徴における前記選択及び前記非選択を、交互に繰返し実行する、ことを特徴としてなる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の特徴における前記選択が、前記発光制御信号を変化させる場合に実行する、ことを特徴としてなる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3記載の発明の特徴における前記発光制御信号が、前記発光手段の任意の輝度を指定する信号であり、前記輝度データが、任意の輝度を指定するデータである、ことを特徴としてなる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の発明の特徴における前記データ書込み手順の際に、前記DGメモリTFTの前記第2のゲートに、前回のデータ書込み手順に比べて絶対値の大きな電圧を印加する場合、当該次のデータ書込み手順の前に実行するデータ消去手順の実行を省略する、ことを特徴としてなる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、マトリクス状に配置された複数の画素における各画素の発光の輝度を制御する制御信号を生成する制御信号生成手段と、前記画素の選択を指定する選択信号を生成する選択信号生成手段と、前記複数の画素からなる発光パネルとを設け、各画素の発光により画像を表示する記憶駆動式表示装置であって、前記各画素は、第1のゲート、並びに第1及び第2の端子が設けられ、前記第1のゲートが前記選択信号生成手段に接続され、前記第1の端子が前記制御信号生成手段に接続され、前記第1のゲートに入力された選択信号及び前記第1の端子に入力された制御信号に対応して、前記第1の端子及び第2の端子間のチャネルを形成するTFTであり、前記選択信号生成手段から出力された選択信号による自画素の選択の期間に、前記制御信号生成手段から出力された制御信号の出力を行う選択手段と、第2及び第3のゲート、並びに第3及び第4の端子が設けられ、前記第2のゲートが前記TFTの第2の端子に接続され、前記第3のゲート及び前記第3の端子が所定の電圧を供給する電源に接続され、前記第4の端子が前記発光手段に接続され、前記第2のゲートに入力された制御信号に対応して前記輝度データを記憶し、当該記憶された輝度データに対応して、前記第3の端子及び第4の端子間のチャネルを形成するDGメモリTFTであり、前記選択の期間に、前記選択手段から出力された制御信号に対応して、電気的に消去及び書込み可能に、発光の輝度データを長時間記憶し、非選択の期間に、当該記憶された輝度データに基づいた電流を出力する記憶駆動手段と、当該記憶駆動手段から出力された電流に基づき発光を行う発光手段と、を具備し、前記制御信号として前記制御信号生成手段で生成された、前記記憶駆動手段に記憶された輝度データを消去する消去制御信号を、前記選択手段を介して前記DGメモリTFTの第2ゲートに出力して、チャネルの形成を阻害している捕捉される電子を引っ張り出すことによって、前記出力された消去制御信号に基づき自身に記憶された輝度データを消去させ、前記制御信号として前記制御信号生成手段で生成された、前記発光手段に次の輝度を指定する発光制御信号を、前記選択手段を介して前記DGメモリTFTの第2ゲートに出力して、チャネルの形成を阻害している捕捉される電子の量を制御することによって、前記出力された発光制御信号に基づき輝度データを書込むことを特徴としてなる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の発明の特徴における前記選択信号生成手段が、前記選択の旨の選択信号、前記非選択の旨の選択信号とを交互に繰返し生成し、前記制御信号生成手段が、前記選択の期間に、制御信号として、前記輝度データを消去する消去制御信号及び前記輝度データを書込む発光信号を順に生成する、ことを特徴としてなる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7記載の発明の特徴における前記選択信号生成手段が、前記各画素の発光手段の発光の輝度を変化させる場合に前記選択の旨の選択信号を生成する、ことを特徴としてなる。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項6、7又は8記載の発明の特徴における前記制御信号生成手段が、前記選択の期間に、期間前記各画素の発光手段の任意の発光の輝度を指定する発光制御信号を生成し、前記記憶駆動手段が、前記発光制御信号に対応して任意の発光の輝度を指定する輝度データを記憶する、ことを特徴としてなる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項に記載の記憶駆動式表示装置において、前記DGメモリTFTの前記第2及び第3のゲートは互いに縦方向に重なるように配置され、前記DGメモリTFTは、前記第2及び第3のゲート間に、電子を捕捉するトラップが形成された絶縁層を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項1又は6記載の発明によれば、選択手段に入力する選択の旨の選択信号により画素を選択し、当該選択の期間に、選択手段を介する生成された制御信号により記憶駆動手段上の輝度データを消去、書込みをして記憶し、選択手段に入力する非選択の旨の選択信号により画素を非選択し、制御信号は記憶駆動手段に入力されず、記憶駆動手段に記憶されている輝度データに対応した電流を記憶駆動手段に入力し、発光手段の発光を制御する。
【0025】
従って、請求項1又は6に記載の発明によれば、リフレッシュを行うことなく、画素毎の発光の輝度データを消去、書込み可能に記憶駆動手段で長時間記憶し、当該記憶された輝度データに対応して常時画素を発光させるので、消費電力を低下させることができる。また、画素のスイッチング部材として、選択手段及び記憶制御手段のみを設けているので、画素毎の発光手段の面積割合を大きくするので、一画素全体の面積をより小さくして高精細な表示が可能となり、消費電力を更に低下させることができる。
【0026】
請求項2又は7記載の発明によれば、記憶駆動手段に消去制御信号及び発光制御信号を繰返し入力させ、記憶駆動手段上の輝度データの消去及び書込みを繰返し実行する。
【0027】
従って、請求項2又は7に記載の発明によれば、記憶駆動手段に消去制御信号及び発光制御信号を繰返し入力させるので、同一信号の長時間入力による記憶駆動手段の劣化を防ぐことができる。
【0028】
請求項3又は8記載の発明によれば、前回選択時と同じ輝度の画素についての輝度データの消去及び書込みを行わず、非選択期間を継続して、同じ輝度データに対応する電流を発光手段に入力させる。
【0029】
従って、請求項3又は8に記載の発明によれば、前回選択時と同じ輝度の画素については輝度データの消去及び書込みを行う必要がなく、その画素への制御信号の生成を行う必要がないので、処理の負担及び消費電力を低下させることができる。特に、静止画像を表示させる場合、全画素への制御信号の生成手段を停止できるので、大幅に消費電力及び処理の負荷を低下させることができる。
【0030】
請求項4又は9記載の発明によれば、選択の期間に、任意の値の発光制御信号を出力し、これに対応する輝度データも任意の値のデータとして記憶駆動手段に入力し、これに対応する発光手段の輝度も任意となる。
【0031】
従って、請求項4又は9に記載の発明によれば、各画素を連続的な任意の発光の輝度に制御して発光することができる。
【0032】
請求項5記載の発明によれば、異なる輝度に対するデータ書込み手順を連続で行うことができる場合、前回のデータ書込み手順の後に行うデータ消去手順を省略して、次のデータ書込み手順を実行する。
【0033】
従って、請求項5に記載の発明によれば、データ消去手順を実行する必要がないデータ書込み手順を行う場合の、データ消去手順を省略するので、データ消去手順実行の負荷及びその消費電力を低下させることができる。
【0034】
請求項1又は6に記載の発明によれば、選択信号の電圧が制御信号に比べハイの選択信号が第1のゲートに印加された場合、TFTは選択され、第1の端子及び第2の端子を介して、制御信号をDGメモリTFTの第1のゲートに入力し、制御信号がハイの時(消去制御信号)、第3の端子及び第4の端子間のチャネル形成のための電子を補充し、電源からの電流を第3の端子及び第4の端子を介して発光手段へ入力し、制御信号がローの時(発光制御信号)、第3の端子及び第4の端子間のチャネル形成のための電子を放出し、当該発光制御信号に対応した電源からの電流を第3の端子及び第4の端子を介して発光手段へ入力する。
【0035】
また、選択信号の電圧が制御信号に比べローの選択信号が第1のゲートに印加された場合、TFTは非選択され、第1の端子及び第2の端子で制御信号を止めて、DGメモリTFTの第3の端子及び第4の端子間に形成され記憶されているチャネルの状態(輝度データ)に対応して、電源からの電流を第3の端子及び第4の端子を介して発光手段へ入力する。
【0036】
従って、請求項1又は6に記載の発明によれば、選択手段にTFT、記憶駆動手段にDGメモリTFTを使用し、選択信号及び制御信号の電圧により制御することができる。
【0037】
そして、請求項10に記載の発明によれば、前記DGメモリTFTを縦構造とし、さらに電子を捕捉する絶縁層を備えるので、別途コンデンサを設ける必要がなく、省スペース化できるので、一画素あたりの面積をより小さくして高精細な表示が可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。先ず、図1及び図2を参照して、装置構成を説明する。図1は、本実施の形態のディスプレイαを示す図であり、図2は、図1に示す発光パネル1の構成を示す回路図である。
【0039】
図1に示すように、ディスプレイαは、縦にn個、横にm個のマトリクス状に設けられた画素毎の発光を制御して画像を表示する発光パネル1と、横のライン(行)の画素の発光を制御するアドレス信号(選択信号)を生成するアドレスドライバ2(選択信号生成手段)と、縦のライン(列)の画素の発光を制御するデータ信号(制御信号)を生成するデータドライバ3(制御信号生成手段)と、各画素に共通な電源電圧を供給する定電源4と、アドレスドライバ2、データドライバ3及び定電源4を制御するコントローラ5を備える。コントローラ5は、図示しない外部機器からの画像情報を受信し、当該画像情報に基づいて各部材を制御する。
【0040】
アドレスドライバ2は、発光パネル2の各行の画素に対して任意のn本のアドレス線Y1〜Ynで接続し、データドライバ3は、発光パネル2の各列の画素に対して任意のm本のデータ線X1〜Xmで接続し、各行及び各列の画素毎に制御するアクティブマトリクス方式を採用している。また、発光パネル2の各画素は、定電源4からの電源電圧Vddを供給する電源電圧電極Zに接続されるとともに、電源電圧Vddよりも低電位の基準電圧Vssを供給する基準電圧電極Wに接続されている。ここで、データ線Xi、アドレス線Yjの画素を画素P(i,j)とし、発光パネル1は、画素P(1,1)〜P(m,n)を備える。
【0041】
図2に示すように、発光パネル1の画素P(1,1)には、アドレスドライバ2からのアドレス線Y1とゲートを接続しデータドライバ3からのデータ線X1と一方の端子を接続するMOS型でnチャネル型のTFT11(選択手段)と、TFT11の他方の端子とトップゲート12Aを接続し定電源4からの電源電圧電極Zとボトムゲート12B及び端子12Cで接続するMOS型でnチャネル型のDG(Double Gate)メモリTFT12(記憶駆動手段)と、DGメモリTFT12の端子12Dとアノードを接続する有機ELダイオード13と、を備える。各有機ELダイオード13のカソードは基準電圧電極Wと接続されている。
【0042】
画素P(i,j)(iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)において、TFT11のゲートをアドレス線Yjと接続し、同じく一方の端子をデータ線Xjと接続している。基準電圧電極W及び電源電圧電極Zはそれぞれ、アドレス線Y1〜Ynに沿って且つアドレス線Y1〜Yn毎に設けられた複数の配線であってもよく、複数の画素に跨った1枚又は複数枚の電極であってもよい。
【0043】
DGメモリTFT12は、従来のLSI(Large Scale Integration)のフラッシュメモリのようにデータの高速書込みや、半永久的な保存はできないが、本実施の形態のようなディスプレイでの画素メモリ用途には十分な特性を持っている。特に、本実施の形態では、ホール(正孔)よりも移動度の高い電子キャリアを用いている。
【0044】
ここで、図3を参照して、有機ELダイオード13について説明する。図3は、図1に示す発光パネル1の概略断面図である。図3に示すように、発光パネル2は、透明な絶縁材料のガラス、石英等からなる透明基板A上に、各画素を仕分ける窒化シリコン等の絶縁材料からなる隔壁Bと、隔壁B間に形成される、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電材料からなる有機ELダイオード13のアノード電極13Aと、アノード電極13A上に形成される有機ELダイオード13の有機EL層13Bと、隔壁B及び有機EL層13B上に形成される有機ELダイオード13のカソード電極13Cと、カソード電極13C上に形成される封止材Cと、封止材C上に形成される封止ガラスDとを順に設ける。
【0045】
図3上、TFT11、DGメモリTFT12、アドレス線Y1〜Yn、データ線X1〜Xm、電源電圧電極Z及び基準電圧電極Wは省略されている。TFT11、DGメモリTFT12は、例えば隔壁Bの下に形成される。
【0046】
有機EL層13Bは、例えば、アノード電極13Aから順に正孔輸送層、発光層、電子輸送層となる三層構造であっても良いし、アノード電極13Aから順に正孔輸送層、電子輸送層を兼ねた発光層となる二層構造であっても良いし、発光層からなる一層構造であっても良いし、その他の層構造であっても良い。
【0047】
つまり、有機EL層13Bは、正孔及び電子を注入する機能、正孔及び電子を輸送する機能、正孔と電子の再結合により励起子を生成して発光する機能を有する。有機EL層13Bは、電子的に中立な有機化合物であることが望ましく、これにより正孔と電子が有機EL層13Bでバランス良く注入及び輸送される。
【0048】
なお、電子輸送性の物質が発光層に適宜混合されていても良いし、正孔輸送性の物質が発光層に適宜混合されても良いし、電子輸送性の物質及び正孔輸送性の物質が発光層に適宜混合されていても良い。
【0049】
また、有機EL層13Bの発光層には、発光材料が含有されている。発光材料としては、高分子系材料が用いられることになる。高分子系材料としては、ポリカルバゾール、ポリパラフェニレン、ポリアリーレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリシラン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピリジン、ポリピリジンビニレン、ポリピロールが挙げられる。また、高分子材料としては、上記高分子材料(ポリマー)を形成しているモノマーまたはオリゴマーの重合体や共重合体、或いはモノマーまたはオリゴマーの誘導物の重合体及び共重合体と、オキサゾール(オキサンジアゾール、トリアゾール、ジアゾール)又はトリフェニルアミン骨格を有するモノマーを重合した重合体及び共重合体を挙げることができる。また、これらポリマーのモノマーとしては、熱、圧、UV、電子線などを与える事で上述の化合物を形成するモノマー及びプレカーサポリマーを含むものである。また、これらモノマー間を結合する非共役系ユニットを導入しても構わない。
【0050】
高分子材料の具体的なものとしては、ポリピニルカルバゾール、ポリトデシルチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリスチレンスルフォン酸分散体変性物、ポリ9,9−ジアルキルフルオレン、ポリ(チエニレン−9,9−ジアルキルフルオレン)、ポリ(2,5−ジアルキルパラフェニレン−チエニレン)、(ジアルキル:R=C1〜C20)、ポリパラフェニレンビニレン、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)−パラフェニレンビニレン)、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ペンチロキシ)−パラフェニレンビニレン)、ポリ(2,5−ジメチル−パラフェニレンビニレン)、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、ポリ(2,5−ジメトキシパラフェニレンビニレン)、ポリ(1,4−パラフェニレンシアノビニレン)などが挙げられる。
【0051】
また、高分子系材料に限られるものではなく、低分子材料をポリマー分散して用いるものとしても良い。また、低分子材料の性質によっては、低分子材料を溶媒に溶かした状態で塗布して使用するものとしても良い。そして、低分子材料をポリマー分散する際のポリマーとしては、周知の汎用ポリマーを含む各種ポリマーを状況に応じて使用することができる。
【0052】
低分子の発光材料(発光物質またはドーパント)としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキゾリン、ビススチリル、ピラジン、オキシン、アミノキノリン、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物等、4−ジシアノメチレン−4H−ピラン及び4−ジシアノメチレン−4H−チオピラン、ジケトン、クロリン系化合物やこれらの誘導体が挙げられる。低分子発光材料の具体的なものとしては、Alq3、キナクリドンなどが挙げられる。
【0053】
また、発光材料は、次式に示すポリフルオレン系材料も用いられる。
【化1】
Figure 0004085636
当該ポリフルオレン系材料は、5未満の多分散度を有する化合物である。
【0054】
但し、上式中、Eは各々独立に、水素、ハロゲン、アリール又は連鎖延長もしくは架橋することのできる反応性基で置換されたアリール、又はトリアルキルシロキシ部分であり、R1は、各々独立に、C1-20ヒドロカルビル又はS、N、O、PもしくはSiのヘテロ原子を1以上含むC1-20ヒドロカルビルであり、又は2つのR1はフルオレン環の9位の炭素と共に、C5-20環構造又はS、NもしくはOのヘテロ原子を1以上含むC4-20環構造を形成してもよく、R2は、各々独立に、C1-20ヒドロカルビル、C1-20ヒドロカルビルオキシ、C1-20チオエーテル、C1-20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C1-20ヒドロカルビルカルボニルオキシ、又はシアノである。aは、各々独立に、0〜1の数であり、そしてmは負でない数である。なお、発光材料は、上述のものに限定されるものではない。
【0055】
発光層或いは電子輸送層に含有する電子輸送性物質としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)等の8−キノリノール又はその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体などが挙げられる。
【0056】
発光層或いは正孔輸送層に含有する正孔輸送性物質としては、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、フタロシアニン系化合物(phthalocyanines)、ナタフタロシアニン系化合物(naphthalocyanines)、ポルフィリン系化合物(porphyrins)、トリアゾール(triazole)、イミダゾール(imidazole)、イミダゾロン(imidazolon)、イミダゾールチオン(imidazolethione)、ピラゾリン(pyrazoline)、ピラゾロン(pyrazoline)、テトラヒドロイミダゾール(tetrahydroimidazole)、オキサゾール(oxazole)、オキサジアゾール(oxadiazole)、ヒドラゾン(hydrazone)、アシルヒドラゾン(acylhydrazone)、ポリアリールアルカン(polyarylalkane)スチルベン(stilbene)、ブタジエン(butadiene)、ベンジジン型トリフェニルアミン(benzidine-triphenylamine)、スチリルアミン型トリフェニルアミン(styrylamine-triphenylamine)、ジアミン型トリフェニルアミン(diamine-triphenylamine)やこれ等の誘導体(derivative)、ポリビニルカルバゾール(polyvinylcarbazole)、ポリシラン(polysilane)、ポリエチレンジオキシチオフェン(polyethylenedioxythiophophen:PEDOT)、ポリスチレンスルホン酸(polysthyrenesulfonate:PSS)、ポリアニリン(polyaniline)等の導電性の高分子材料の中から少なくとも1種類以上選択された材料であり、より好ましくは、次式
【化2】
Figure 0004085636
(式中、n,lは負でない整数である。)で表されるPEDOTをPSS等の保護コロイド(protective colloid)により分散重合してなる重合体を適用する材料も挙げられる。
【0057】
カソード電極13Cは、隔壁B上にも形成され、発光パネル1に設けられる前画素P(1,1)〜P(m,n)全てに共通する層であり、基準電圧電極Wに接続される。カソード電極13Cの具体的なものとして、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム若しくはバリウム若しくはこれらの合金又はこれら金属若しくは合金にリチウム、マグネシウム若しくはインジウムを含む化合物若しくは混合物等が挙げられる。また、カソード電極13Cは、以上の各種材料の層が積層された積層構造となっていても良く、具体的には、例えば、有機EL層13B上にマグネシウムと銀を共蒸着させたマグネシウム/銀電極層等の通常の電極層が使用できるが、特にアルミニウム/リチウム電極層は他の材料の電極に比べて、有機EL層への電子の注入効率がよいため、EL素子の発光効率、発光輝度を高めることができ、異常な発熱の発生によるEL素子の発光寿命、安定性も更に向上する。また、高純度のバリウム層、高純度アルミニウム層を順に形成する積層構造も挙げられる。
【0058】
以上のように積層構造となる発光パネル1の発光動作時には、TFT11及びDGメモリTFT12のスイッチングにより、アノード電極13Aとカソード電極13Cとの間に順方向の電界が生じると、アノード電極13Aから正孔が有機EL層13Bの発光層に注入され、カソード電極13Cから有機EL層13Bの発光層に電子が注入される。
【0059】
そして、有機EL層13Bの発光層へ正孔及び電子が輸送されて、発光層にて正孔及び電子が再結合することによって励起子が生成され、励起子が消滅するときに光子が発生して発光する。発生した光子は、アノード電極13A、透明基板Aを順に透過して出力される。
【0060】
有機EL層13Bの発光材料の各色の色分けは、赤、緑、青等の各色を発光する各発光材料を用いる、又は、白色発光する発光材料に前記各色の蛍光塗料を混ぜることにより行われる。
【0061】
有機EL層13Bの形成は、以上説明した有機EL材料をエチレン等の溶媒に溶解させて、発光材料の溶液を生成し、当該溶液を液滴噴射装置で液滴噴射させる等の湿式コーティング法や、抵抗加熱蒸着によるドライ蒸着加熱法により形成される。
【0062】
次に、図4及び図5を参照してDGメモリTFT12の動作を説明する。ここでは、画素P(1,1)を代表して説明する。図4は、データ消去動作を示すDGメモリTFT12の断面図であり、図5は、データ書込み動作を示すDGメモリTFT12の断面図である。データとは、有機ELダイオード13の発光の輝度のデータである。
【0063】
先ず、図4を参照して、DGメモリTFT12の構造を説明する。図3上の透明基板A上に、ボトムゲート12Bから、絶縁層12F、アモルファスシリコンのi型半導体の半導体層12E、絶縁層12G、トップゲート12Aまで順に形成する。絶縁層12Fは、例えば窒化シリコンであり、通常の絶縁膜はSi34が用いられるが、シリコンの原子数比を高くし、結合する手の余ったシリコンができ、電子が捕捉可能となるトラップ12Faを形成する。実際には、ホールトラップも存在するが、ホールは高速移動できないため、トップゲート12Aにおけるデータ書込み時の電圧の変動幅が小さい。絶縁層12Fは、例えば窒化シリコンであり、図3の隔壁Bの一部である。ボトムゲート12Bからトップゲート12Aに至るまでの各構成部材による構造は、縦方向に対して少なくとも部分的に重なるように配置されている。なお図中省略してあるが、半導体層12Eとソース、ドレイン電極に相当する端子12C、端子12Dとの間にn型不純物イオンを含む不純物半導体層が介在してもよい。
【0064】
ここで、DGメモリTFT12のデータ消去動作を図4を参照して説明する。データ消去動作時には、アドレス信号であるハイ信号(例えばここでは15Vとする)をアドレス線Y1からTFT11のゲートに入力し、TFT11がONし、ハイ信号(15V)をデータ線X1からTFT11の端子(ドレイン)に入力し、データ線X1のデータ信号であるハイ信号(15V)(消去制御信号)の電位をTFT11のドレイン、ソースを介してトップゲート12Aに伝える。
【0065】
DGメモリTFT12では、電源電圧電極Zから電源電圧Vdd(15V)がボトムゲート12B及び端子12C(ドレイン)に印加され、ボトムゲート12Bがハイ信号の電圧(15V)であるので、ドレイン12Cと電位の低い端子12D(ソース、例えば5V、つまりDGメモリTFT12には10V分圧されている)との間の半導体層12Eに電子キャリアのチャネルを形成し、電源電圧電極Zから、ドレイン12C、ソース12D、有機ELダイオード13を介して基準電圧電極Wへ電流が流れ、有機ELダイオード13を発光する。
【0066】
これと同時に、トップゲート12Aのハイ信号の電圧(15V)により、絶縁層12Fのトラップ12Faに捕捉されていた電子が引張り出されて、半導体層12Eに取込まれ、チャネルの形成を阻害することはなくなる。
【0067】
ここで、DGメモリTFT12のデータ書込み動作を図5を参照して説明する。データ書込み動作時には、アドレス信号であるロー信号(ここでは、例えば0Vとする)をアドレス線Y1からTFT11のゲートに入力する。このとき、データ信号である、0〜−15Vの任意の信号(発光制御信号)をデータ線X1からTFT11のソース端子に入力される。TFT11のゲート電位は、ほぼTFT11のソースより高い電位のためにTFT11がONし、0〜−15Vの信号の電位がデータ線X1、TFT11を介してトップゲート12Aに印加される。
【0068】
電源電圧電極Z及び基準電圧電極W間には、DGメモリTFT12及び有機ELダイオード13が直列に接続され、両端には、電源電圧Vdd及び基準電圧Vssが常時印加されている。したがって、DGメモリTFT12にnチャネルが形成されると、DGメモリTFT12の低いオン抵抗により有機ELダイオード13の分圧比が高くなり発光する。逆にDGメモリTFT12にnチャネルが形成されないと、DGメモリTFT12の高いオフ抵抗により有機ELダイオード13のアノード、カソード間には発光に十分な電流が流れるほどの電圧が分圧されない。このようにDGメモリTFT12のソース、ドレイン間電圧はチャネルの状態により制御されるが、チャネルは、トップゲート電圧、ボトムゲート電圧、及びトップゲート12A、ボトムゲート12B間に蓄積された電荷により制御される。
【0069】
データ書込み時に、DGメモリTFT12では、電源電圧電極Zから電源電圧Vdd(15V)がボトムゲート12Bに印加されている。一方、対向しているトップゲート12Aの0〜−15Vの信号の電位が印加されているため、半導体層12E内の電子が反発されて、絶縁層12Fのトラップ12Faに捕捉される。ボトムゲート12Bは定電圧なので、捕捉される電子の量は、トップゲート12Aに印加される発光制御信号電位で一義的に制御され、当該電位が、0Vに近いほど電子は反発せずトラップ12Faに捕捉されなく、−15Vに近いほど反発する作用が増大するのでトラップ12Faに捕捉される電子の量が増大する。
【0070】
そして、半導体層12Fで電子キャリアを形成する電子が捕捉されるので、捕捉された電子が多いほど電流が流れなくなる。なお、トラップ12Faに捕捉される電子は、チャネルを形成する電子の他にも、半導体層12Eに周りの光が当たることにより発生する電子−正孔対の中の電子も捕捉される。
【0071】
このように、データ線X1の電位(0〜−15V)を制御することにより、有機ELダイオード13に流れる電流を制御し、有機ELダイオード13の発光の輝度を制御できる。そして、DGメモリTFT12にデータ線X1の0〜−15Vの任意の電位にしたがった電荷が、リフレッシュ不要で長時間記憶可能に、輝度データ(チャネル状態)としてトラップ12Faに蓄積されることで記憶される。
【0072】
次に、DGメモリTFT12のデータ読込み動作動作を説明する。有機ELダイオード13は、データ書込み動作中は、トップゲート12Aの0〜−15Vの信号の電位に対応した輝度の発光を行う。画素P(1,1)のデータ書込み動作後は、データ読込み動作として、アドレス線Y1から−15Vの信号の電位をTFT11のゲートに入力してOFFし、データ線X1の電位がDGメモリTFT12のトップゲート12Aに伝わらないようにすれば、DGメモリTFT12の半導体層12Eに前回のデータ書込み動作時の発光の輝度データ(0〜−15Vの電位に対応するチャネル状態)が記憶されているので、データ消去動作を行わない限り、有機ELダイオード11を前回のデータ書込み動作時に記憶した輝度に発光させ続ける。
【0073】
これは、DGメモリTFT12の発光動作では、アドレス線Y1から−15Vの信号の電位をTFT11のゲートに入力し、データ線X1の電位がDGメモリTFT12のトップゲート12Aに伝わらないようにするので、トップゲート12Aとソース12Dとの間の寄生容量で構成するコンデンサが十分に大きいので、トップゲート12Aに前回のデータ書込み動作時の電圧が記憶されている。このように、トラップ12Faに蓄積された電子による電荷並びにトップゲート12A及びソース12D間のコンデンサに蓄積された電荷での電界によって、定電源4からの電源電圧Vddにより形成されるボトムゲート12Bの電界を抑制又は相殺することによりDGメモリTFT12のチャネルの大きさを制御している。
【0074】
ボトムゲート12Bによるチャネル形成を阻害するためにトップゲート12Aによりトラップ12Faに捕捉される電子の量(トラップ12Faに捕捉される電子量)は、データ書込み動作時のトップゲート12Aの電圧の大きさの絶対値とトップゲート12Aへのデータ書込み時間の積に比例する。
【0075】
ここで、図6を参照して、DGメモリTFT12の電圧−電流特性を説明する。図6は、DGメモリTFT12の電圧−電流特性例を示すグラフである。図6に示すように、DGメモリTFT12のボトムゲート12Bの電圧Vg(=電源電圧Vdd)に対する、DGメモリTFT12のドレイン12Cからソース12Dに流れるドレイン電流Idは、データ消去動作を完了したデータ消去状態(I)から最低の輝度にデータ書込み動作を終了した最低輝度データ書込み状態(II)に変化させると、図6のようにシフトする。
【0076】
図6のグラフ上の最低輝度データ書込み状態(II)は、データ線X1を−15VにしてDGメモリTFT12のドレイン12C、ソース12D間に流れる電流を最も低くするようにデータ書込みをした状態であり、図示しないが、データ線X1を0V〜−15Vにして書込みをした状態は、データ消去状態(I)と最低輝度データ書込み状態(II)との間に位置する。よって、電源電圧Vddを15Vに固定するので、ドレイン電流Idを、データ消去状態のドレイン電流値Id1と、データ書込み最大状態(II)のドレイン電流値Id2との間で自在に制御可能となる。
【0077】
次に、図7を参照して、アドレス線Y1〜Yn,データ線X1〜Xmに入力する信号によるDGメモリTFT12の画素P(1,1)〜P(m,n)の動作タイミングを説明する。図7は、アドレス線Y1,Y2、データ線X1,X2に入力する信号のタイミングチャートである。
【0078】
全体の流れとしては、アドレス線Y1を選択して、アドレス線Y1の信号及びデータ線X1〜Xmの信号により、画素P(1,1)〜P(m,1)を同時にデータ消去動作及びデータ書込み動作させ、次に、同様に、アドレス線Y2を選択して、画素P(1,2)〜P(m,2)を同時にデータ消去動作及びデータ書込み動作させ、順に動作させていき、最終的に、同様に、アドレス線Ynを選択して、画素P(1,n)〜P(m,n)を同時にデータ消去動作及びデータ書込み動作させ、この動作を繰返して、画素P(1,1)〜P(m,n)の有機ELダイオード13の輝度を制御する。予め、全てのアドレス線Y1〜Ynは非選択とし、−15Vの一定の信号が入力されているものとする。ここでは、データ書込み期間において、データ線X1〜Xmに0〜−15Vの信号を入力し、データ線X1〜Xmに0を入力する場合、DGメモリTFT12の半導体層12Eにおいて最大のキャリアを形成するので有機ELダイオード13は最も明るい輝度になるとし、データ線X1〜Xmに−15Vを入力する場合、最もキャリア形成を阻害するので、有機ELダイオード13は最も暗い輝度になるとする。
【0079】
ここでは、全画素P(1,1)〜P(m,n)のうち図2に示すアドレス線Y1,Y2、データ線X1,X2の接続された画素P(1,1),P(1,2),P(2,1),P(2,2)の動作タイミングを代表して説明する。先ず、アドレス線Y1選択のデータ消去期間▲1▼において、アドレスドライバ2がアドレス線Y1に15V、それ以外のアドレス線Y2に−15Vを出力し、コントローラ5からの制御信号に応じてデータドライバ3がデータ線X1,X2に15Vの信号をパラ出力して、画素P(1,1)及び画素P(2,1)のデータ消去動作を行う。
【0080】
そして、アドレス線Y1選択のデータ書込み期間▲2▼において、アドレス線Y1に0V、データ線X1,X2に0〜−15Vの信号を入力して、画素P(1,1)及び画素P(2,1)のデータ書込み動作を行う。ここでは、データドライバ3がデータ線X1に0Vの信号を入力して、データ線X2に−15Vの信号を入力して、画素P(1,1)の輝度を最高に明るく輝度データを書込みし、画素P(2,1)の輝度を最高に暗く輝度データを書込みしている。なお、アドレス線Y1選択のデータ消去期間▲1▼及びデータ書込み期間▲2▼では、アドレス線Y2を非選択とし、−15Vの一定の信号を入力し、画素P(1,2),P(2,2)の輝度は、それぞれ前回のデータ書込み動作で書込まれた輝度データに対応して発光されている。
【0081】
そして、アドレス線Y2選択のデータ消去期間▲3▼において、アドレス線Y2に15V、データ線X1,X2に15Vの信号を入力して、画素P(1,2)及び画素P(2,2)のデータ消去動作を行う。また、アドレス線Y1を非選択として、−15Vの一定の信号を入力し、画素P(1,1),P(2,1)の輝度は、それぞれデータ書込み期間▲2▼で書込まれた輝度データに対応して発光されている。
【0082】
そして、アドレス線Y2選択のデータ書込み期間▲4▼において、アドレス線Y2に0V、データ線X1,X2に0〜−15Vの信号を入力して、画素P(1,2)及び画素P(2,2)のデータ書込み動作を行う。ここでは、データ線X1に0Vの信号を入力して、データ線X2に−7.5Vの信号を入力して、画素P(1,2)の輝度を最高に明るく輝度データを書込みし、画素P(2,2)の輝度を中間値にする輝度データを書込みしている。
【0083】
そして、アドレス線Y1,Y2非選択のデータ読込み期間▲5▼において、アドレス線Y1を非選択としたまま、アドレス線Y2を非選択とし、−15Vの一定の信号を入力し、画素P(1,2),P(2,2)の輝度は、それぞれデータ書込み期間▲4▼で書込まれた輝度データに対応して発光されている。
【0084】
そして、アドレス線Y1,Y2を非選択としたまま、図示しないが、アドレス線Y3〜Ynを順に選択していく。最後のアドレス線Ynの選択後、次のアドレス線Y1選択を行い、画素P(1,1)及び画素P(2,1)のデータ消去動作及びデータ書込み動作を行う。同様に、今回のアドレス線Y1の選択後、次のアドレス線Y2選択を行い、画素P(1,2)及び画素P(2,2)のデータ消去動作及びデータ書込み動作を行う。
【0085】
画素P(1,1),P(2,1)は、アドレス線Y1選択のデータ消去期間▲1▼で最高の輝度に発光し、アドレス線Y1選択のデータ書込み期間▲3▼でデータ書込み動作完了時に目的の輝度に発光するが、選択期間▲1▼、▲2▼は、非選択期間▲3▼、▲4▼▲5▼に比べ極短い期間であるので、全体としては、目的の輝度に発光されているように表示される。画素P(1,2),P(2,2)についても同様である。
【0086】
ここで述べたタイミングは、各画素に周期的にデータ消去動作及びデータ書込み動作を行うタイミングであるが、ある画素で、データ書込み動作をした後、次の周期的なデータ書込み動作で同じ輝度データを書込む場合、その画素中のDGメモリTFT12に前回に書込んだ輝度データが記憶されているので、データ消去動作及びデータ書込み動作を省略することができる。このとき、その画素に接続されるアドレス線を非選択(−15Vの信号を入力)にし、その画素に接続されるアドレス線に信号を入力しない(0Vの信号を入力)。
【0087】
例えば、発光パネル1の画像を、静止画像にする場合、全画素の輝度を変化させないので、全データ線X1〜Xmに制御信号を入力するためデータドライバ3を動作させる必要がなく、アドレスドライバ2からは−15Vの一定の信号を全アドレス線Y1〜Ymに入力すればよく、データドライバ3及びアドレスドライバ2で生成する信号の切換を行う必要がないので、全体として消費電力を小さくすることができる。
【0088】
また、あるアドレス線選択時のデータ書込み期間中に、当該アドレス線に対応した画素のデータ書込み動作が完了する場合、データ書込み期間が終了するまで、データ書込みが完了した画素に接続されたデータ線に引き続いて0Vを入力する構成でもよい。つまり、トラップ12Faに蓄積された電子による電荷のみでボトムゲート12Bの電界を抑制又は相殺することによりチャネルの大きさを制御している。この場合、データ書込みが完了した画素に対してデータドライバ3での信号生成、出力を停止しているので、データドライバ3の消費電力を低くできる。
【0089】
よって、本実施の形態によれば、周期的にリフレッシュを行うことなく、画素毎の発光の輝度データ(チャネル状態)をDGメモリTFT12で記憶するので、常時画素を発光させつつ、前フレームと同じ輝度の画素についてはデータ消去動作及びデータ書込み動作を行う必要がなく、データドライバ及びアドレスドライバで信号の切換の動作を行う必要がないので、消費電力及び処理の負荷を低下させることができる。特に、静止画像を表示させる場合、データドライバを停止させ、アドレスドライバに一定の電圧の信号を生成させるので、大幅に消費電力及び処理の負荷を低下させることができる。
【0090】
また、DGメモリTFT12がトラップ12Faにより電子を捕捉するので、トランジスタの寄生容量以外のコンデンサを設ける必要もなく、スイッチング部材をTFT11とDGメモリTFT12の2個にするので、画素毎の有機ELダイオード13の面積割合を大きくして開口率を上げることができ、画素の小型化及び高精細な表示を図り、また開口率の上昇により同輝度の表示において画素毎の有機ELダイオードの発光の輝度を抑えて流す電流の量を抑えることができ、消費電力を更に低下させることができる。
【0091】
また、データ書込み動作において、DGメモリTFT12のトップゲート12Aに、0〜−15Vの任意の電圧を印加し、任意の輝度の発光に制御することができる。
【0092】
更に、データ消去動作時に15Vの信号、データ書込み動作時に0〜−15Vの信号をデータ線に入力し、DGメモリTFT12のトップゲート12Aに強い正負のバイアスを繰返し印加するので片方のバイアスを長時間印加することによる劣化を防ぎ、DGメモリTFT12の寿命を長くすることができる。
【0093】
なお、本実施の形態では、発光手段として、有機ELダイオード13を使用しているが、無機ELダイオード等の他の発光素子を用いる構成にしてもよく、また、発光パネルにLCD(Liquid Crystal Display)を採用し、各画素毎に設けられた液晶に印加する電圧を制御することにより、バックライト等の発光源からの光に対する液晶での光透過を制御して、画像を表示させる構成にしてもよい。
【0094】
また、本実施の形態は、TFT11及びDGメモリTFT12に、nチャネルを形成する半導体層にアモルファスシリコンを用いるものを採用したが、ポリシリコン等を用いるものを採用してもよい。
【0095】
更に、データ書込み動作において、DGメモリTFT12のトップゲート12Aに、0〜−15Vの電圧で、前回のデータ書込み動作に比べて絶対値の大きな電圧を印加する場合、当該データ書込み動作の直前のデータ消去操作を省略しても、半導体層12Eに目的の電流を流すチャネルを形成させることができる。最高輝度に発光させるデータ消去動作を省略する場合、消費電力及び処理の負荷を抑えることができる。
【0096】
以上、本発明の実施の形態につき説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段及び手法にのみ限定されるものではなく、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜に変更実施が可能なものである。
【0097】
【発明の効果】
請求項1又は6記載の発明によれば、リフレッシュを行うことなく、画素毎の発光の輝度データを消去、書込み可能に記憶駆動手段で長時間記憶し、当該記憶された輝度データに対応して常時画素を発光させるので、消費電力を低下させることができる。また、画素のスイッチング部材として、選択手段及び記憶制御手段のみを設けているので、画素毎の発光手段の面積割合を大きくするので、一画素全体の面積をより小さくして高精細な表示が可能となり、消費電力を更に低下させることができる。
【0098】
また、請求項2又は7記載の発明によれば、記憶駆動手段に消去制御信号及び発光制御信号を繰返し入力させるので、同一信号の長時間入力による記憶駆動手段の劣化を防ぐことができる。
【0099】
請求項3又は8記載の発明によれば、前回選択時と同じ輝度の画素については輝度データの消去及び書込みを行う必要がなく、その画素への制御信号の生成を行う必要がないので、処理の負担及び消費電力を低下させることができる。特に、静止画像を表示させる場合、全画素への制御信号の生成手段を停止できるので、大幅に消費電力及び処理の負荷を低下させることができる。
【0100】
請求項4又は9記載の発明によれば、各画素を連続的な任意の発光の輝度に制御して発光することができる。
【0101】
請求項5記載の発明によれば、データ消去手順を実行する必要がないデータ書込み手順を行う場合の、データ消去手順を省略するので、データ消去手順実行の負荷及びその消費電力を低下させることができる。
【0102】
請求項1又は6記載の発明によれば、選択手段にTFT、記憶駆動手段にDGメモリTFTを使用し、選択信号及び制御信号の電圧により制御することができる。
【0103】
請求項10記載の発明によれば、前記DGメモリTFTを縦構造とし、さらに電子を捕捉する絶縁層を備えるので、別途コンデンサを設ける必要がなく、省スペース化できるので、一画素あたりの面積をより小さくして高精細な表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のディスプレイαを示す図である。
【図2】図1に示す発光パネル1の構成を示す回路図である。
【図3】図1に示す発光パネル1の概略断面図である。
【図4】データ消去動作を示すDGメモリTFT12の断面図である。
【図5】データ書込み動作を示すDGメモリTFT12の断面図である。
【図6】DGメモリTFT12の電圧−電流特性を示すグラフである。
【図7】アドレス線Y1,Y2、データ線X1,X2に入力する信号のタイミングチャートである。
【図8】従来の電圧制御の発光パネル6を示す図である。
【符号の説明】
α…ディスプレイ
1…発光パネル
11…TFT
12…DGメモリTFT
12A…トップゲート
12B…ボトムゲート
12C…端子(ドレイン)
12D…端子(ソース)
12E…半導体層
12F…トラップ絶縁層
12Fa…トラップ
12G…絶縁層
13…有機ELダイオード
13A…アノード電極
13B…有機EL層
13C…カソード電極
2…アドレスドライバ
3…データドライバ
4…電源
5…コントローラ
A…透明基板
B…隔壁
C…封止材
D…封止ガラス
Y1〜Yn…アドレス線
X1〜Xm…データ線
Z…電源電圧電極
W…基準電圧電極
P(1,1)〜P(m,n)…画素
6…発光パネル
6A…データ線
6B…アドレス線
6C…電源線
6D,6E…TFT
6F…有機ELダイオード
6G…共通接地部
6H…コンデンサ

Claims (10)

  1. マトリクス状に配置された複数の画素毎に、
    第1のゲート、並びに第1及び第2の端子が設けられ、前記第1のゲートが前記選択信号生成手段に接続され、前記第1の端子が前記制御信号生成手段に接続され、前記第1のゲートに入力された選択信号及び前記第1の端子に入力された制御信号に対応して、前記第1の端子及び第2の端子間のチャネルを形成するTFTであり、当該画素を選択された場合、前記画素の発光の輝度を制御する制御信号を出力する選択手段と、
    第2及び第3のゲート、並びに第3及び第4の端子が設けられ、前記第2のゲートが前記TFTの第2の端子に接続され、前記第3のゲート及び前記第3の端子が所定の電圧を供給する電源に接続され、前記第4の端子が前記発光手段に接続され、前記第2のゲートに入力された制御信号に対応して前記輝度データを記憶し、当該記憶された輝度データに対応して、前記第3の端子及び第4の端子間のチャネルを形成するDGメモリTFTであり、前記選択の期間に、前記選択手段から出力された制御信号に対応して、電気的に消去及び書込み可能に、発光の輝度データを長時間記憶し、当該記憶された輝度データに対応して電源から入力された電流を出力する記憶駆動手段と、
    当該記憶駆動手段から出力された電流に基づき発光を行う発光手段と、を設ける発光パネルを具備し、各画素の発光により画像を表示する記憶駆動式表示装置の駆動方法であって、
    前記選択の期間に、当該選択された画素に対して、
    前記制御信号として、前記記憶駆動手段に記憶された輝度データを消去する消去制御信号を生成し、前記選択手段を介して前記DGメモリTFTの第2ゲートに、前記生成された消去制御信号を出力させて、チャネルの形成を阻害している捕捉される電子を引っ張り出すことによって、前記出力された消去制御信号に基づき自身に記憶された輝度データを消去させるデータ消去手順と、
    前記制御信号として、前記発光手段に次の輝度を指定する発光制御信号を生成し、前記選択手段を介して前記DGメモリTFTの第2ゲートに、前記生成された発光制御信号を出力させて、チャネルの形成を阻害している捕捉される電子の量を制御することによって、前記出力された発光制御信号に基づき輝度データを書込むデータ書込み手順と、を順に実行し、
    非選択の期間に、当該非選択された画素において、
    前記記憶駆動手段に、前記データ書込み手順で書込まれた輝度データに対応する電流を出力させ、当該記憶駆動手段から出力された電流に基づき発光させるデータ読込み手順を実行する、
    ことを特徴とする記憶駆動式表示装置の駆動方法。
  2. 前記選択及び前記非選択を、交互に繰返し実行する、ことを特徴とする請求項1記載の記憶駆動式表示装置の駆動方法。
  3. 前記選択は、前記発光制御信号を変化させる場合に実行する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の記憶駆動式表示装置の駆動方法。
  4. 前記発光制御信号は、前記発光手段の任意の輝度を指定する信号であり、
    前記輝度データは、任意の輝度を指定するデータである、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の記憶駆動式表示装置の駆動方法。
  5. 前記データ書込み手順実行後、次のデータ書込み手順の際に、前記DGメモリTFTの前記第2のゲートに、前回のデータ書込み手順に比べて絶対値の大きな電圧を印加する場合、当該次のデータ書込み手順の前に実行するデータ消去手順の実行を省略する、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の記憶駆動式表示装置の駆動方法。
  6. マトリクス状に配置された複数の画素における各画素の発光の輝度を制御する制御信号を生成する制御信号生成手段と、前記画素の選択を指定する選択信号を生成する選択信号生成手段と、前記複数の画素からなる発光パネルとを設け、各画素の発光により画像を表示する記憶駆動式表示装置であって、
    前記各画素は、
    第1のゲート、並びに第1及び第2の端子が設けられ、前記第1のゲートが前記選択信号生成手段に接続され、前記第1の端子が前記制御信号生成手段に接続され、前記第1のゲートに入力された選択信号及び前記第1の端子に入力された制御信号に対応して、前記第1の端子及び第2の端子間のチャネルを形成するTFTであり、前記選択信号生成手段から出力された選択信号による自画素の選択の期間に、前記制御信号生成手段から出力された制御信号の出力を行う選択手段と、
    第2及び第3のゲート、並びに第3及び第4の端子が設けられ、前記第2のゲートが前記TFTの第2の端子に接続され、前記第3のゲート及び前記第3の端子が所定の電圧を供給する電源に接続され、前記第4の端子が前記発光手段に接続され、前記第2のゲートに入力された制御信号に対応して前記輝度データを記憶し、当該記憶された輝度データに対応して、前記第3の端子及び第4の端子間のチャネルを形成するDGメモリTFTであり、前記選択の期間に、前記選択手段から出力された制御信号に対応して、電気的に消去及び書込み可能に、発光の輝度データを長時間記憶し、非選択の期間に、当該記憶された輝度データに基づいた電流を出力する記憶駆動手段と、
    当該記憶駆動手段から出力された電流に基づき発光を行う発光手段と、
    を具備し
    前記制御信号として前記制御信号生成手段で生成された、前記記憶駆動手段に記憶された輝度データを消去する消去制御信号を、前記選択手段を介して前記DGメモリTFTの第2ゲートに出力して、チャネルの形成を阻害している捕捉される電子を引っ張り出すことによって、前記出力された消去制御信号に基づき自身に記憶された輝度データを消去させ、
    前記制御信号として前記制御信号生成手段で生成された、前記発光手段に次の輝度を指定する発光制御信号を、前記選択手段を介して前記DGメモリTFTの第2ゲートに出力して、チャネルの形成を阻害している捕捉される電子の量を制御することによって、前記出力された発光制御信号に基づき輝度データを書込む、
    ことを特徴とする記憶駆動式表示装置。
  7. 前記選択信号生成手段は、前記選択の旨の選択信号、前記非選択の旨の選択信号とを交互に繰返し生成し、
    前記制御信号生成手段は、前記選択の期間に、制御信号として、前記輝度データを消去する消去制御信号及び前記輝度データを書込む発光信号を順に生成する、ことを特徴とする請求項6記載の記憶駆動式表示装置。
  8. 前記選択信号生成手段は、前記各画素の発光手段の発光の輝度を変化させる場合に前記選択の旨の選択信号を生成する、ことを特徴とする請求項6又は7記載の記憶駆動式表示装置。
  9. 前記制御信号生成手段は、前記選択の期間に、期間前記各画素の発光手段の任意の発光の輝度を指定する発光制御信号を生成し、
    前記記憶駆動手段は、前記発光制御信号に対応して任意の発光の輝度を指定する輝度データを記憶する、ことを特徴とする請求項6、7又は8記載の記憶駆動式表示装置。
  10. 前記DGメモリTFTの前記第2及び第3のゲートは互いに縦方向に重なるように配置され、前記DGメモリTFTは、前記第2及び第3のゲート間に、電子を捕捉するトラップが形成された絶縁層を備えることを特徴とする請求項に記載の記憶駆動式表示装置。
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