JP4085101B2 - 切削工具および工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は、旋削加工などに用いることが可能な切削工具および該切削工具を備えた工作機械に関する。
旋削加工などに用いる切削工具は、図1(a),(b)に示すように、実際に被削材と干渉する切刃部分(チップ)2と、これを支持するバイト本体部1とを備える。旋削加工においては、切削工具の直線的な送り運動と、被削材の回転運動との相対運動によって被削材の一部が除去され、所望の形状に加工される。
バイト本体部1は、切刃部分2を直接支持する頭部1aと、工作機械の台座3に固定される柄部1bとを備える。この柄部1bと頭部1aとは、通常一体である。
一般に切刃部分2は超硬合金、バイト本体部1は鋼などの高剛性材料で構成されるが、工作機械の台座3からのバイト本体部1の突出長さが大きい場合や、切欠材の旋削などのように切削状態と非切削状態とが交互に現れる断続切削、切取り厚さのばらつきやすい黒皮部の加工、さらに鋳鉄等の加工では加工中の振動が大きくなりやすい。そのため、仕上げ面の悪化や切刃の損傷につながりやすい。
このような問題を解決するための手法として、バイト本体部1の剛性を高める手法、バイト本体部1の振動の減衰性を高める手法、固有振動数の異なる部材を組合せることで特定の振動数で共振状態となることを抑制する手法などが考えられる。この中で、バイト本体部1の剛性を向上させる手法は、断続切削時の衝撃力という観点に立つと、かえって工具刃先への負担が大きくなるため望ましくない。これに対し、減衰性を向上させる手法は、加工時の衝撃力の緩和という効果もあり、単に振動を抑制するだけではなく衝撃緩和も含めて工具の損傷を抑制するという効果を期待することができる。
バイト本体部1の減衰機能を向上させるには、バイト本体部1の材料として高減衰の材料を用いる、バイト本体部1の構造によって減衰性を向上させるという2つの方法が考えられる。
前者の例として、特開2003−62703号公報に記載の制振工具を挙げることができる。当該文献には、工具本体にスローアウェイチップの下方に位置して少なくとも一側面に開口する穴を設け、該穴内に工具本体に生じた振動エネルギーを吸収する制振材を装着した制振工具が記載されている。
他方、構造的に工夫を施すことで減衰性を向上させる試みとして、特開平6−31505号公報に記載のボーリングバーや特開平5−228707号公報に記載の切削工具を挙げることができる。
特開平6−31505号公報に記載のボーリングバーでは、シャンクに設けた挿入孔に、該シャンクを構成する材質とは異なる材質からなり挿入孔のテーパ部に密着するダンパを設けている。そして、ダンパとシャンクとの間に摩擦吸振作用を生じさせ、切削時に切刃に生じた振動を減衰するようにしている。
特開平5−228707号公報に記載の切削工具では、カッティングヘッドと工具本体との相対向する面に一対の摩擦吸振材を互いに当接可能に配設し、これらの摩擦吸振材が摺動して擦れ合うことにより振動エネルギーを摩擦熱に変換して工具本体に伝播する振動を低減するようにしている。
特開2003−62703号公報 特開平6−31505号公報 特開平5−228707号公報
高減衰材料としては、Mn−Cu系制振合金などの減衰性の高い制振合金が用いられるが、このような合金は高価あるいは加工難といった問題を有する場合が多く、また材料系を変更して減衰性を高めようとすると、強度や剛性が低下する場合が多くなる。したがって、性能とコストの両面で要求特性を満足するものを得ることは困難である。また、高減衰材料としてゴムなどの軟質材料を用いた場合、バイトの剛性および耐久性が著しく低下するため、実用上問題が多い。さらに、バイトの一部のみを高減衰材料とすることが考えられるが、実際の振動はバイト本体部を主に伝播するので、結果的に工具全体の減衰性を高めることは困難となる。これとは逆にバイト全体を高減衰材料で構成すると、上述のようにバイトの剛性や強度が低下し、結果的に撓みの増大や耐久性の低下を招いてしまう。
他方、バイト本体部と別部品との間あるいは別部品相互間の摩擦を利用する方法では、大きな面積で摩擦力を生じさせることが望まれる。しかし、単純に大きな面積で摩擦力を生じさせようとすると、バイトの多くの部分に加工を施す必要があり、コスト増大の要因となり得る。その上、別部品とホルダの密着性が悪いと剛性低下を招くこととなり、かえって振動が増大する危険性もある。
また、図2(a)〜(c)に示すように、たとえば角バイトが多く用いられる外径加工の場合には、最も大きな力がかかる主分力方向よりも送り分力方向(バイト送り方向)でのバイトの振動加速度が大きくなるケースが多い。また旋削加工においては図9(a)に示す外径加工のほかに図9(b),(c)に示す端面加工があるが、この場合は背分力方向において振動が大きくなりやすい。すなわちバイト底面に対して垂直な方向の曲げ振動よりも、バイト底面に沿う方向の曲げ振動の方が大きくなりやすいということになる。このバイト底面に沿う方向の曲げ振動は、工具刃先から逃げ面と被削材との接触状態に影響を及ぼすと考えられる。この領域の損傷は工具寿命短縮の要因となり得るため、同方向の振動を効果的に抑制することが、工具の損傷を抑制する上で重要である。
しかし、上述の各先行技術文献に記載された発明では、送り分力方向(バイト送り方向)や背分力方向の振動を積極的に抑制するための具体的手法について記載されていない。したがって、工具刃先から逃げ面に至る領域での工具の損傷を効果的に抑制することができず、このことが工具寿命を改善できない要因となり得るという問題もあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、剛性低下やコスト増大を最小限に抑えながら、特にバイト底面に沿う面内での曲げ振動において減衰性能が高く、その結果加工中の振動を効果的に抑制し、切刃の損傷を抑制してより長寿命化することが可能な切削工具および該切削工具を備えた工作機械を提供することを目的とする。
本発明に係る切削工具は、1つの局面では、切刃部分と、切刃部分が装着される頭部と、該頭部から連続して延び工作機械の台座に固定される柄部とを有するバイト本体部とを備える。そして、バイト本体部は、第1と第2バイト構成部を含む複数のバイト構成部を有し、第1バイト構成部は、柄部の一部であってバイト本体部の上面側に位置する上面側柄部を含み、第2バイト構成部は、上面側柄部よりもバイト本体部の底面側に位置する底面側柄部を含み、上面側柄部と底面側柄部との間に、バイト本体部の底面に沿って延び、バイト本体部を貫通して該バイト本体部の両側面に達し、かつバイト本体部のヤング率以上のヤング率の材料で構成した板状部材を配し、板状部材の上下面を上面側柄部と底面側柄部とに接触させ、複数のバイト構成部を、板状部材が配設されていない対向面において接合する。
本発明に係る切削工具は、他の局面では、バイト本体部は、切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿って延在する1組の対向面を、バイト本体部の柄部を構成する部分に有する第1と第2バイト構成部を含む複数のバイト構成部を有し、該1組の対向面と接触し、切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿って延び、バイト本体部を貫通して該バイト本体部の両側面に達するようにバイト本体部のヤング率以上のヤング率の材料で構成した板状部材を配し、複数のバイト構成部を、板状部材が配設されていない対向面において接合する。
なお、本発明の板状部材は、典型的には、バイト本体部と同等あるいはそれ以上のヤング率を有する比較的剛性の高い材料で構成され、バイト構成部と接触するものの実質的に接合された状態とはならず、バイト構成部に沿って微小な摺動が可能な状態でバイト構成部間に挟持される。
また、「バイト構成部」とは、バイト本体部の一部を構成する部分のことであり、たとえばバイト本体部を上下方向に2分割した場合には、頭部から連続して柄部にまで延びる1組のパーツがそれぞれバイト構成部となり、該バイト構成部を組み合わせてバイト本体部を構成することができる。しかし、必ずしもバイト本体部の長手方向の全体に亘って延びる複数のバイト構成部にバイト本体部を分割する必要はなく、たとえばバイト本体部の柄部における上面側部分の少なくとも一部と、これ以外のバイト本体部とを別パーツで構成することも可能である。
上記の第1および第2バイト構成部は、これらとは別のバイト構成部を介して実質的に接合されていてもよい。たとえば、板状部材が配設されていない対向面の少なくとも一部で第3バイト構成部を介して第1および第2バイト構成部を接合してもよい。
上記切削工具を工作機械に設置する際に該工作機械の台座に接する部分のうち切刃部分側の端部における切削工具の長手方向に垂直な断面に達するように板状部材を配することが好ましい。
上記板状部材を柄部の長手方向の頭部とは反対側の端面に達するように設けることが好ましい。また、板状部材の厚みは、柄部の厚みの5%と1mmのうちの大きい値以上であり、柄部の厚みの20%と3mmのうちの大きい値以下であることが好ましい。なお、「板状部材の厚み」とは、バイト本体部の頭部における切刃部分の装着面からバイト本体部の底面に向かう方向(たとえば図3における上下方向:台座3の固定面8に垂直な方向)の厚みをいう。
板状部材は、たとえばバイト本体部のヤング率と等しいかあるいは概ね同等の範囲であると考えられるヤング率を有する材料、具体的にはバイト本体部のヤング率の80%以上100%以下のヤング率の材料で構成可能であるが、望ましくはバイト本体部よりもヤング率の高い材料で板状部材を構成する。
本発明に係る工作機械は、上述の切削工具と、切削工具が固定される台座とを備える。そして、切削工具のバイト本体柄部のうち切刃部分側の一部が工作機械台座から突出するように切削工具を台座に固定し、バイト本体柄部において台座上に位置する部分から、台座からの突出部に達するように前述の板状部材を設ける。
本発明によれば、バイト本体部の底面または送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿う方向に板状部材を配したので、バイト本体部の強度や剛性低下を抑制しながら外径加工時の送り分力方向(端面加工時は背分力方向)に大きな摩擦力を作用させることができ、該方向におけるバイト本体部の振動を効果的に抑制することができる。また、複数のパーツを組合せてバイト本体部を構成し、該複数のパーツ間に板状部材を設置するようにしたので、板状部材の装着箇所の加工を容易かつ高精度に行える。したがって、比較的低コストで板状部材とバイト本体部との接触を確保しつつバイト本体の剛性低下をも抑制し、更にはバイト底面または送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿う面内での曲げ振動における減衰性能をも向上することができる。その結果、加工中の振動を効果的に抑制し、切刃の損傷を抑制してより長寿命化することが可能な切削工具および該切削工具を備えた工作機械を提供することができる。
以下、図3〜図9を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1における切削工具(バイト)と工作機械の一部とを示す側面図である。
図3に示すように、本実施の形態1の切削工具は、切刃部分(チップ)2と、該切刃部分2が装着される頭部と、該頭部から連続して延び工作機械の台座3の固定面8に固定される柄部とを有するバイト本体部1とを備える。
切刃部分2は、たとえば超硬合金などで構成され、クランプ機構あるいはろう付けなどの方法でバイト本体部1の上面側頭部9aに固定される。バイト本体部1は、たとえばCr−Mo鋼などで構成される。このバイト本体部1は、複数のパーツ(バイト構成部)を組み合わせて作製される。
図3の例では、第1と第2バイト構成部9,10を組み合わせてバイト本体部1を構成しているが、3つ以上のバイト構成部を組み合わせてバイト本体部1を構成してもよく、任意形状のバイト構成部を組み合わせてバイト本体部1を構成してもよい。
図3に示すように、本実施の形態1では、バイト本体部1は、該バイト本体部1を上下に2分割した形状の第1と第2バイト構成部9,10を接合して形成される。
第1バイト構成部9は、切刃部分2の装着面を含むバイト本体部1の上面側部分であり、第2構成部10は、切刃部分2の装着面と反対側に位置するバイト底面を含むバイト本体部1の底面側部分であり、いずれもバイト本体部1の頭部から連続して柄部にまで延びている。より詳しくは、第1バイト構成部9は、切刃部分2の装着面を含む上面側頭部9aと、該上面側頭部9aから連続して延びる上面側柄部9bとを有し、第2バイト構成部10は、上面側頭部9aよりもバイト本体部1の底面側に位置する底面側頭部10bと、該底面側頭部10bから連続して延び上面側柄部9bよりもバイト本体部1の底面側に位置する底面側柄部10bとを有する。
上記の第1バイト構成部9は、バイト本体部1の柄部の上面側に位置する上面側柄部9bの少なくとも一部を含むものであれば、必ずしもバイト本体部1の長手方向の全長に亘って延びるパーツで構成される必要はない。また、第2バイト構成部10も、上面側柄部9bよりもバイト本体部1の底面側に位置する底面側柄部10bの少なくとも一部を含むものであれば、必ずしもバイト本体部1の長手方向の全長に亘って延びるパーツで構成される必要はない。たとえば、バイト本体部1の上面側柄部9bの一部を構成するバイト構成部と、該バイト構成部で構成される部分以外のバイト本体部1を構成する他のバイト構成部とを組み合わせてバイト本体部1を形成することも可能である。また、第1と第2バイト構成部9,10の少なくとも一方を複数の構成部で構成するようにしてもよい。たとえば、第1バイト構成部9を複数のパーツで構成する場合、切刃部分2の着座部付近を第1バイト構成部9本体とは別パーツで構成することが考えられる。ただし、第1と第2バイト構成部9,10を複数のパーツに分割する場合、バイト本体部の頭部と柄部との接続部には大きな曲げ応力が加わることに鑑み、頭部と柄部との間の接続部あるいはその近傍で第1と第2バイト構成部9,10を分割しないようにするなどして、頭部と柄部との間の接続部の強度が低下しないように留意する必要がある。
バイト本体部1が上記のような第1と第2バイト構成部9,10を接合して構成される場合、第1バイト構成部9の上面側柄部9bと、第2バイト構成部10の底面側柄部10bとの間に、板状部材5を設置する。
第1バイト構成部9の上面側柄部9bと、第2バイト構成部10の底面側柄部10bは、1組の対向面を有しており、該対向面は、バイト本体部1の底面に沿う方向に延在するか、あるいは切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿って延在する。
板状部材5は、上記の対向面間に配置され、板状部材5の上下面は、上面側柄部9bと底面側柄部10bの双方の対向面と接触している。図3の例では、バイト本体部1の柄部の一部を構成する第1バイト構成部9の上面側柄部9bに座ぐり(凹部)4を設け、同部に板状部材5を嵌着している。なお、本例では第1バイト構成部9に座ぐり4を設けているが、第2バイト構成部10に設けても、両者に設けてもよい。
板状部材5はバイト本体部1の底面に沿う形で延在し、図4(a)に示すようにバイト本体部1の柄部の両側面に達している。別の見方をすれば、板状部材5は切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿って延びるように配設されている。このようにバイト本体部1の底面と平行な方向に板状部材5を配設することにより、外径加工時の送り分力方向(端面加工時は背分力方向)に大きな摩擦力を作用させることが可能となるので、同方向におけるバイト本体部1の振動を効果的に抑制することができる。それにより、切刃部分2の損傷を抑制することができる。
バイト本体部1を複数のパーツで構成せずに一体構造として作製する方法も考えられるが、この場合にはバイト本体部1の柄部において板状部材5を受入れるスリットを設ける必要がある。スリットを設けるにはワイヤーカットや小径エンドミルなどによる加工が考えられるが、加工コストが比較的高くなったり、十分な面粗さや寸法精度が得にくいといった問題が生じ得る。
これに対し、本実施の形態1のように複数のパーツを接合することでバイト本体部1を構成する場合には、板状部材5の設置面(座ぐり4など)を形成するために比較的大径のエンドミル加工や、場合によってはフライス加工のような面加工も利用でき、仕上げに平面研削等の加工法をも利用することができる。したがって、所望の面粗さの板状部材5の設置面を容易に得ることができ、板状部材5と、バイト本体部1を構成する複数のパーツとの実質的な接触面積が増大するように板状部材5の設置面の寸法管理を行うことも容易となり、かつ加工コストも低減できる。
板状部材5は、バイトを工作機械に固定した際に充分な剛性を有するものが望ましい。このような板状部材5を第1および第2バイト構成部9,10の間に嵌込む形でその上下面を接触させることにより、切削加工時に板状部材5とバイト本体部1との間に所望の摩擦力を発生させることができる。それにより、バイト本体部1の底面と平行な方向に所望の摩擦力を作用させることができ、外径加工時の送り分力方向(端面加工時は背分力方向)におけるバイト本体部1の振動を効果的に抑制することができる。また、送り分力方向と背分力方向とで規定される面とバイト本体部1の底面とが平行でない場合(バイト底面が曲面である場合も含む)にも、送り分力方向あるいは背分力方向に所望の摩擦力を作用させることができる。
また、図4(a)に示すように、バイト本体部1の柄部の両側面間を貫通する形で板状部材5を配設することにより、工作機械に把持した時のバイトに加わる圧縮力は、外径加工時であれば送り方向(図3では紙面垂直方向)で分布が均一となる。圧縮力が不均一であると、バイトの把持状態が不安定となり、結果的にバイトの振動状態に悪影響を及ぼす可能性があるが、本実施の形態に係る切削工具ではこのような悪影響を回避できる。
第1と第2バイト構成部9,10は、板状部材5を介在しない箇所で接合される。たとえば、バイト本体部1の頭部側で第1と第2バイト構成部9,10を接合すること、板状部材5の両側の部分で第1と第2バイト構成部9,10を接合すること、バイト本体部1の頭部と柄部の双方で第1と第2バイト構成部9,10を接合することなどが考えられる。この場合には、バイト全体の剛性低下を抑制でき、バイトの振動状態の悪化を防ぐことができる。
図3の例では、バイト本体部1の頭部と、バイト本体部1の柄部において第1および第2バイト構成部9,10の対向する部分(対向面)であって板状部材5が配設されない箇所とにおいて、第1および第2バイト構成部9,10を接合している。具体的には、ろう付けにより両者は接合されている。接合の方法としては、このようなろう付けの他、溶接、接着剤、拡散などによる接合、複数のボルトのような締結部材や挟持部材などによる機械的な結合などが挙げられる。これらにより、第1および第2バイト構成部9,10が相対的な運動を生じないようにする。一方、板状部材5と第1および第2バイト構成部9,10の間は微小な相対運動を生じさせるため、このような接合は行わない。
板状部材5と、第1および第2バイト構成部9,10との間は、ろう付けなどによる積極的な接合は行わないが、上下面の面積の大きい板状部材5を採用することが好ましい。このように上下面の面積の大きい板状部材5を採用することで、板状部材5とバイト本体部1との接触面積を大きくすることができ、切削加工時に板状部材5とバイト本体部1との間に大きな摩擦力を発生させることができる。このことも、加工中のバイト本体部1の振動減衰に効果的に寄与し得る。
切削加工時に板状部材5とバイト本体部1との間に、より大きな摩擦力を発生させるためには、板状部材5とバイト本体部1とを密着させることが好ましい。そこで、第1と第2バイト構成部9,10を接合した際に座ぐり4の設置箇所にできる間隙と、板状部材5の厚み寸法とを可能な限り一致させる。それにより、両者を密着させることができ、大きな摩擦力を発生させることができる。また、バイト本体部1を工作機械の台座3に固定する際の締付け力(バイト本体部の上面に付与される力であって図3の上下方向に作用する力)をも利用することにより、板状部材5とバイト本体部1とをさらに強く密着させることができる。
上記のようにバイトに加工を施し板状部材5を挟み込むことで、バイト本体部1の剛性は若干低下するものと考えられる。したがって、バイト本体部1の剛性低下の程度を軽減するための工夫が必要となる。他方、板状部材5があまりに薄いと所望の摩擦力が得られない可能性がある。そこで、図3に示す板状部材5の厚みt2と、バイト本体部1の柄部の厚みt1との関係についても検討したのでその結果について説明する。
板状部材5の厚みt2をあまりに大きくするとバイト本体部1の剛性低下が著しくなる場合があると考えられるので、板状部材5の厚みt2をバイト本体部1の柄部の厚みt1の20%以下程度とする。それにより、バイト本体部1の剛性低下を小さく抑えることができ、剛性低下が要因となって生じるバイト本体部1の耐振動性の低下を抑制することができる。また、加工品の寸法精度に与える影響も小さくすることができる。
他方、板状部材5の厚みt2があまりに小さいと、板状部材5自体の剛性が低下し、板状部材5とバイト本体部1との間に作用する摩擦力が小さくなってしまう。よって、板状部材5の厚みt2を、バイト本体部1の柄部の厚みt1の5%以上程度とすることが好ましい。
ところが、たとえばバイト本体部1の柄部の厚みt1が10mm前後の小型バイトの場合、加工対象が低負荷のものに限定されるため、上記の厚みt2を厚みt1の20%より大きくしても、剛性低下の影響は小さくなる。具体的には板状部材5の厚みt2を3mm程度とした場合でも、バイト本体部1の剛性低下の影響は小さくなる。
また、上述のような小型バイトの場合、上記の厚みt2を厚みt1の5%程度とすると、板状部材5があまりに薄くなりすぎ、板状部材5に反りが発生しやすくなり、板状部材5の加工が困難となる。したがって、板状部材5の厚みt2は、1mm以上程度であることが好ましい。
以上に鑑み、板状部材5の厚みt2を、バイト本体部1の柄部の厚みt1の5%と1mmのうちの大きい値以上、柄部の厚みt1の20%と3mmのうちの大きい値以下とすることが好ましい。
後述する実施の形態3,4の場合のように工作機械の台座3から突出するように板状部材5を設けた場合には、板状部材5が片持ち梁のような状態となるため、特にバイト底面に沿う面内での曲げ振動において、板状部材5の固有振動数がバイト本体部1の固有振動数よりも高くなりやすい。よって、この場合には、さらにバイト本体部1の摩擦減衰効果が得られやすくなる。
板状部材5は、バイト本体部1と同じ材料で構成可能であるが、バイト本体部1のヤング率と同等(たとえばバイト本体部1のヤング率の80%以上100%以下程度)以上のヤング率を有する材料、望ましくはバイト本体部1よりもヤング率の高い材料で構成する。それにより、バイト全体としての剛性低下を抑制することができる。特にバイト本体部1よりもヤング率の高い材料で板状部材5を構成した場合は、板状部材5の固有振動数をバイト本体部1の固有振動数より高くすることができ、板状部材5とバイト本体部1の振動状態の差が大きくなり、摩擦減衰効果が得られやすくなる。
図4(b)の例はバイト本体部1の柄部の断面形状の変形例であり、これに示すように、接着剤や樹脂などを介して座ぐり6内にシール部品7を設置してもよい。該シール部品7は、バイト本体部1とは別部品であり、樹脂などの軟質材を介して柄部に固定されるので、図4(a)の場合と同様に、工作機械へのバイト固定時に充分な圧縮力を板状部材5に働かせることができる。
図5(a),(b)も1つの変形例であり、このように板状部材を複数重ねて配設するようにしてもよい。このように板状部材を複数重ねることで、板状部材間にも摩擦力を発生させることができ、さらに摩擦減衰効果を高めることが可能である。図5(a),(b)の例では、第1と第2板状部材5a,5bを積層することで板状部材5を構成しているが、3枚以上の板状部材を積層してもよい。また、前述のように板状部材5と第1および第2バイト構成部9,10との間は全面的にろう付けするなどの積極的な接合は行わないが、板状部材5がバイト本体部1から外れることを防止するために、板状部材5に穴をあけてピンなどを通す、ボルトで止める、あるいは板状部材5の一部を第1および第2バイト構成部9,10の両方もしくは一方と接合するといった加工を行うことは許容される。
なお、2枚以上の板状部材を配設する場合、1枚の板状部材の厚みが、バイト本体部1の柄部の厚みの5%と1mmのうち大きい値以上であり、板状部材の厚みの総和が、バイト本体部1の柄部の厚みの20%と3mmのうち大きい値以下であることが好ましい。
また、板状部材5を構成する複数の板状部材を同じ材料で構成してもよいが、異なる材料で構成してもよい。また、板状部材5を構成する複数の板状部材の厚みを等しくしてもよいが、異ならせてもよい。たとえばバイト本体部1をCr−Mo鋼で構成し、バイト本体部1の長さを150mm、柄部の長さを120mm、柄部の幅と厚みとを25mmとした場合、第1板状部材5aと第2板状部材5bをともにCr−Mo鋼で構成し、第1板状部材5aと第2板状部材5bの厚みをともに1.5mmとすることが考えられる。
さらに、上記のような変形例の思想は、後述の実施の形態2〜4についても適用可能である。
(実施の形態2)
次に、図6(a),(b)を用いて本発明の実施の形態2について説明する。図6(a)は、本実施の形態2における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb線に沿う断面図である。
本実施の形態2では、3つのバイト構成部を用いてバイト本体部1を作製している。より詳しくは、図6に示すように、バイト本体部1の柄部を構成する上面側柄部9bと底面側柄部10b間において互いに対向する部分であって板状部材5が配設されないバイト柄部後端よりの箇所で、上面側柄部9b(第1バイト構成部9)と底面側柄部10b(第2バイト構成部10)とが第3バイト構成部12を介して接合されている。
第3バイト構成部12は、上面にて上面側柄部9b(第1バイト構成部9)と、下面にて底面側柄部10b(第2バイト構成部10)と、ろう付けにより接合されている。バイト本体部1の頭部や、柄部において板状部材5よりも刃先側に位置する箇所では、実施の形態1と同様にろう付けなどにより第1と第2バイト構成部9,10が接合されている。それ以外の構成も実施の形態1と基本的に同様である。
上述の実施の形態1においては、第1バイト構成部9に溝状の座ぐり4を施すため比較的大径のフライス加工などは利用できなかったが、本実施の形態2においては板状部材5を受入れる段差部4aを形成しており、段の加工となるため、フライス加工も利用可能である。さらに、仕上げの研削加工も行いやすい。
また、ここでは頭部側の対向面において直接第1および第2バイト構成部9,10を接合したが、ここに第4バイト構成部を介在させることも可能である。この場合には、上記の第3バイト構成部12と第4バイト構成部との間に板状部材5が配設されることとなり、第3バイト構成部12と第4バイト構成部との厚みを等しくすることで、第1と第2バイト構成部9,10の対向面を平面とすることができ、両バイト構成部の加工が行いやすいという利点がある。
(実施の形態3)
次に、図7(a),(b)を用いて、本発明の実施の形態3について説明する。図7(a)は、本実施の形態3における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるVIIb−VIIb線に沿う断面図である。
図7(a)に示すように、本実施の形態3では、バイト本体部1の柄部において工作機械の台座3上に位置する部分から、該台座3から突出する突出部に達するように板状部材5を配している。それ以外の構成は、実施の形態1と基本的に同様である。
上記のように板状部材5を配置することにより、板状部材5のうち台座3上に位置してバイト本体部1の柄部とともに工作機械に固定されている部分は強固に固定される一方で、板状部材5および上記の柄部は台座3から突出する部分を有することとなる。つまり、板状部材5とバイト本体部1とはともに片持ち梁に似た状態となる。
切削加工中に切刃部分2にかかる切削力はバイト本体部1を介して板状部材5にも作用し、バイトだけでなく板状部材5も振動する。しかし、板状部材5の断面形状も、台座3からの突出長さ(台座3における切刃部分2側の端部からの板状部材5の突出長さ)も、バイト本体部1とは異なる。つまり、固有振動数の異なる2つの梁が接触しながら振動するような状態となる。このように切削時の両者の振動状態が大きく異なるため、板状部材5とバイト本体部1との間に相対運動が生じ、摩擦による減衰効果を発揮し易くなる。
以上のように板状部材5を台座3から突出させることにより、板状部材5のうち工作機械の台座3上に位置する部分を、バイト本体部1とともに台座3に強固に固定しながら、台座3からのバイト本体部1の突出部内に位置する部分では板状部材5とバイト本体部1との相対運動を生じさせることができ、その際生じる摩擦力によってバイト本体部1の振動を効果的に抑制することができる。
なお、板状部材5およびバイト本体部1における柄部の台座3からの突出長さは、工作機械や作業者の設定により一定とはならないが、バイトと被削材あるいは工作機械との干渉の関係で、バイト本体柄部全体を把持することはあまりなく、たとえば最も一般的な外径旋削加工では、バイト本体柄部の切刃側をバイト柄部の長手方向全長の1〜2割程度突き出す形で使用されることが多い。このため、たとえば図7(a)のようにバイト本体部1の頭部近傍から柄部の中央部あるいはその近傍に至るように板状部材5を設置することで、ほとんどのケースで板状部材5を台座3から突出させることができるものと考えられる。
ここで、上述の切削工具を使用可能な工作機械の構成例について説明する。
工作機械は、ワークを保持するワーク保持機構と、ワークを駆動あるいは移動させるワーク駆動/移動機構と、切削工具を保持する工具保持機構と、工具保持機構を駆動あるいは移動させて切削工具を駆動あるいは移動させる工具駆動/移動機構とを備える。ワーク保持機構としては、たとえばチャックを有するワーク主軸を採用し、工具保持機構としては、たとえば工具を保持する刃物台を使用する。そして、上述のようにして該刃物台の台座にバイト本体部1を固定する。
(実施の形態4)
次に、図8(a)〜(c)を用いて、本発明の実施の形態4について説明する。図8(a)は、本実施の形態4における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるVIIIb−VIIIb線に沿う断面図であり、図8(c)は、図8(a)に示す切削工具の頭部およびその近傍の底面図である。
本実施の形態4では、板状部材5をバイト本体部1の柄部の長手方向の端面に達するように配している。図8(a)に示す例では、バイト本体部1の柄部の長手方向のほぼ全長にわたって段差部4aを設け、該段差部4a内の全体にわたって板状部材5を配し、柄部の長手方向の終端面(切刃部分2が取付けられる側と反対側の端面)において板状部材5が露出している。このため、第1および第2バイト構成部9,10の接合はバイト本体部1の頭部のみにて行われる。
図8(a),(c)に示すように、本例ではボルト(締結部材)11を3本用いて第1および第2バイト構成部9,10を機械的に接合している。他の実施の形態の場合と同様に、ろう付けなどの方法を利用することも可能であるが、ボルト11のような締結部材を用いて第1と第2バイト構成部9,10間を機械的に接合することにより、第1と第2バイト構成部9,10の間にろう材などが介在しないため、より正確に寸法管理を行うことができるという利点がある。それ以外の構成は、実施の形態3の場合と基本的に同様である。
本実施の形態4では、バイトの長手方向の終端部でバイト本体部1の柄部がその厚み方向(上下方向)に板状部材5によって分断され、かつ板状部材5がバイト本体部1の柄部のほぼ全体にわたって延在しているので、バイトを工作機械の台座3に固定する際の締付力を効率的に板状部材5に作用させることができる。つまり、板状部材5に対し、バイトを工作機械の台座3に固定する際の圧縮力がかかりやすくなる。それに加え、バイト本体部1の柄部のほぼ全体にわたって板状部材5を延在させることができるので、板状部材5とバイト本体部1の柄部との接触面積を増大することもできる。それにより、バイト本体部1と板状部材5との間に大きな摩擦力を発生させることができ、加工中のバイト本体部1の振動をさらに効果的に減衰させることができる。
次に、本発明の実施例について説明する。本願発明者は、下記の表1に示す従来品と発明品1〜6および比較例を作製し、それぞれの性能評価を行った。
Figure 0004085101
従来品の切削工具は、図1に示す構造を有し、発明品1の切削工具は、図3に示す構造を有し、発明品2の切削工具は、図6に示す構造を有し、発明品3の切削工具は、図7に示す構造を有し、発明品4〜6の切削工具は、図8に示す構造を有する。
従来品と発明品1〜6および比較例において、バイト本体部1の材質は焼入れしたCr−Mo鋼である。バイト本体部1の長さは150mm、バイト本体部1の柄部の長さは120mm、柄部の幅と厚みはともに25mmである。切刃部分(チップ)2は、バイト本体部1の頭部にクランプされ、コーティングを施した超硬合金製である。また、柄部のうち、切刃先端から40mm〜150mm(終端)の間が、工作機械の台座3に固定される。
発明品1の切削工具では、図3に示すようにバイト本体部1は、第1および第2バイト構成部9,10からなり、第2バイト構成部10と対向する第1バイト構成部9の対向面において、切刃先端から50mm〜80mmの位置に溝状の座ぐり4を施す。そしてCr−Mo鋼で構成される板状部材5を配設し、第2バイト構成部10を第1バイト構成部9とのみ接合させる。ここでの接合はろう付けによっており、ろう付け層の厚みを0.08mm、第1バイト構成部9の座ぐりの深さを2.92mm、板状部材5の厚みを3mmに設定している。本発明品1では、柄部の底面から5mmの高さの位置に第1および第2バイト構成部9,10の接合面が位置するよう設定している。また板状部材5は、バイト本体部1の柄部の幅方向(紙面垂直方向)全体で柄部と実質的に接触している。
発明品2の切削工具では、図6(a)に示すように、第1バイト構成部9における第2バイト構成部10との対向面に、切刃先端から50mmの位置からバイト柄部終端部にかけて段加工を施して段差部4aを設けている。段加工を施した中でも、板状部材5が配設されない箇所、すなわち切刃先端から80mm〜150mmの間で第3バイト構成部12が配設されている。第3バイト構成部12の上下面はそれぞれ第1バイト構成部9および第2バイト構成部10とろう付けにより接合されている。ここでは第3バイト構成部12の厚みを2.84mmに、第1バイト構成部9の段加工の高さを2.92mmと設定している。それ以外の構成は、発明品1と同様である。
発明品3の切削工具では、図7(a)に示すように第1バイト構成部9における第2バイト構成部10との対向面において、切刃先端から30mm〜60mmの位置に溝状の座ぐり4を施す。そしてCr−Mo鋼で構成される板状部材5を配設し、第2バイト構成部10を第1バイト構成部9とのみ接合させる。したがって、工作機械の台座3の切刃側端部上に位置するバイト本体部1の柄部の、バイト長手方向に垂直な方向の断面(図7(a)のVIIb−VIIb断面)には、図7(b)に示すように板状部材5が配設されることとなる。それ以外の構成は、発明品1と同様である。
発明品4の切削工具では、図8(a)に示すように第1バイト構成部9における第2バイト構成部10との対向面において切刃先端から30mmの位置からバイト本体部1の柄部の終端(バイト終端)にかけて高さ6mmの段加工を施して段差部4aを設け、段高さと同等の厚みを有しCr−Mo鋼で構成される板状部材5を配設している。この場合も、工作機械の台座3の切刃側端部上に位置するバイト本体部1の柄部の、バイト長手方向に垂直な方向の断面(図8(a)のVIIIb−VIIIb断面)には、図8(b)に示すように板状部材5が配設されることとなる。また、バイト本体部1の柄部のほぼ全体に板状部材5を配設しているので、バイト本体部1を工作機械に固定した際に、上下方向の圧縮力が充分に板状部材5に作用することとなる。
さらにここでは第1および第2バイト構成部9,10の接合は、図8(c)に示すようにバイト本体部1の頭部に螺着した3本のボルト11を用いて機械的に行っている。頭部においてはバイト底面側は工作機械と干渉しないため、このようにボルト頭部が飛び出した形でも切削加工に支障はない。それ以外の構成は、発明品1と同様である。
発明品5では、板状部材5の長さや材質は発明品4と同様であるが、板状部材5の厚みを3mmとしている。すなわち、発明品4では、板状部材5の厚み(6mm)がバイト本体部1の柄部の厚み(25mm)の24%となっているのに対し、本発明品5では、板状部材5の厚み(3mm)がバイト本体部1の柄部の厚み(25mm)の12%となっている。
発明品6は、板状部材5の厚みも含めて発明品5と同構造であるが、板状部材5の材質を超硬合金としている。超硬合金のヤング率は約600GPaであるので、本発明品6では、板状部材5のヤング率が、バイト本体部1のヤング率の3倍程度であり、バイト本体部1のヤング率よりも高くなっている。
また、本発明品に対する比較例として、発明品1と同様の構造で、板状部材5の材質を銅を用いているものについても評価試験を行った。バイト本体部1を構成するCr−Mo鋼のヤング率は約200GPaであるのに対し、銅のヤング率は約130GPaあるので、本比較例では、板状部材5のヤング率が、バイト本体部1のヤング率の65%となっており、バイト本体部1のヤング率の80%を下回っている。
上記の従来品、発明品1〜6および比較例に対し、評価試験として、加工中の振動測定および断続切削におけるチップの耐欠損寿命の評価を実施した。その結果を上記の表1に併記している。
振動測定は、切削速度:180m/min、送り:0.25mm/rev、切込み:1.5mmの条件で乾式にてCr−Mo鋼の丸棒を外径旋削加工している状態で実施した。具体的には、バイト本体部1の頭部の底面に加速度ピックアップを取り付け、得られる加速度振幅の時系列データについて周波数分析を行った。
本実施例での工具系の固有振動数は3〜7kHzであることから、周波数分析結果のうちこの周波数付近に現れるピークに着目し、各発明品でのピークにおけるパワー値を、従来品におけるピークでのパワー値により正規化した値を求めている。このパワー値は、加速度振幅の2乗に関連した数値となり、この値が大きいほどバイト本体部1の頭部が激しく振動していることとなる。また、主分力方向(各バイト図面の上下方向)と送り方向(送り分力方向:各バイト図面の紙面垂直方向)の2方向の振動について評価している。
表1の結果より、各発明品の振動加速度が従来品よりも抑制されていることがわかる。特に、送り方向の振動抑制効果が高いことがわかる。また、第3のバイト構成部12を含む発明品2は発明品1とほぼ同等の性能を有していることが分かる。さらに、バイト本体部1の柄部の中央部に板状部材5を配設している発明品1に比べ、切刃部分2寄りに板状部材5を配設している発明品3の方が振動抑制効果が高いことがわかる。つまり、工作機械の台座3から切刃部分2側に板状部材5を突出させることで振動抑制効果を高めることができる。
板状部材5の厚みについては、厚み6mmの発明品4と比較して厚み3mmの発明品5の方が振動抑制効果が高いことがわかる。このことから、板状部材5の厚みを大きくしすぎると、板状部材5の材質によらずバイト全体の剛性が低下し、それに伴い振動抑制効果も低下するものと考えられる。
また、板状部材5を銅とした比較例は従来品と同等の性能であり、板状部材5をCr−Mo鋼とした同構造の発明品1と比較して性能が低く、バイト本体部1と同等のヤング率の板状部材5を用いることが望ましいものと考えられる。さらに板状部材5を超硬合金とした発明品6は、板状部材5をCr−Mo鋼とした同構造の発明品5よりもさらに優れている。このことから、板状部材5としてバイト本体部1よりも高いヤング率の材料を使用することで、バイト本体部1と板状部材5との振動状態の差が拡大して摩擦減衰性能を引き出し易くなるばかりでなく、バイトの剛性低下をも抑制できるなどの種々の効果が複合的に生じ、結果として優れた振動抑制効果が得られることがわかる。
次に、本発明品が切刃部分(チップ)2の損傷に与える影響に関する評価結果ついて説明する。この結果も、上記の表1に併記している。
試験条件は、切削速度:180m/min、送り:0.3mm/rev、切込み:1.5mmの湿式加工であり、軸方向に溝を設けたCr−Mo鋼に対し断続切削を行った。
切刃部分(チップ)2の破損は確率的に生じるとされていることから、ここでは10回の試験での平均値により評価を行うものとする。表1には、従来品および発明品での欠損に至るまでの断続切削回数を示している。
表1に示すように、各発明品の欠損に至るまでの断続切削回数が従来品よりも多くなっており、各発明品の寿命が従来品よりも長くなっていることがわかる。特に、工作機械の台座3から切刃部分2側に板状部材5を突出させた発明品3〜6、さらにはバイト本体部1の柄部のほぼ全体にわたって厚さ3mmの板状部材5を配設した発明品5,6で寿命延長効果が高いことがわかる。
実施例1においては外径旋削加工により本発明品の効果を検証したが、本実施例2では端面旋削加工においての評価結果について示す。評価対象とした発明品は実施例1と同様である。
ここでは被削材としてFCD450丸棒を用い、丸棒の端面を外径側から中心に向かって端面加工する際の振動状態を測定した。加工条件は切削速度100m/min、送り0.22mm/rev、切込み0.5mm、乾式である。実施例1と同様に、バイト頭部底面に加速度ピックアップを取り付けて評価を行った。
端面加工では実施例1の外径加工と異なり、バイト底面に沿う面内での曲げ振動の方向は背分力方向に該当することとなる。そこで、振動評価は主分力方向および背分力方向の2方向について実施した。
表2にその結果を示す。これから分かるように、やはり背分力方向において本発明品での振動が特に抑制されていることが分かる。挿入板材の厚みや材質による影響は実施例1と同様の傾向で、発明品5や6で特に振動抑制効果が高い。
Figure 0004085101
上記は端面加工でもバイトを外径側から中心に向かって送る場合(インフィード加工:図9(b))の結果であったが、バイトを中心方向から外径方向に送る引き上げ加工(図9(c))においても同様の結果が得られている。また、被削材回転軸に対して斜め方向に工具送り運動を与えるケース(倣い加工など)においては図9(a)に示す外径加工と端面加工を合成したような形態となるが、本発明品により送り分力方向と背分力方向のいずれにおいても振動が抑制されることを確認している。
次に端面加工での切刃損傷に対する影響について示す。この結果も表2に示している。加工条件は切削速度100m/min、送り0.22mm/rev、切込み0.5mm、湿式加工であり、被削材はやはりFCD450を用いた。
鋳鉄の加工では振動が生じやすく、微小な損傷の積み重ねにより工具摩耗が加速されやすい。そこで、ここでは平均逃げ面摩耗幅(VB)が0.25mmに達するまでの時間を工具寿命として、工具寿命の大小により各バイトの評価を行った。
表2に示したように、工具寿命に関しても振動抑制効果と同様の傾向を示しており、本発明品、中でもバイト本体部柄部のほぼ全体にわたって厚さ3mmの板状部材5を配設した発明品5,6で寿命延長効果が高いことが分かる。
以上のように、本発明品では、バイト全体の振動抑制機能、特にバイト底面に沿う面内での曲げ振動について振動抑制機能が高められ、切刃部分(チップ)の損傷を効果的に抑制することができる。
上述のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上記の各実施の形態および実施例の特徴的構成を適宜組み合わせることも当初から予定されている。
また、本発明は上記の実施の形態および実施例に限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
本発明は、切削工具および工作機械に有効に適用される。
(a)は、従来の切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、(b)は、(a)におけるIb−Ib線に沿う断面図である。 (a)は外径旋削加工における主分力方向と送り分力方向とを示す図であり、(b)および(c)は、外径旋削加工における主分力方向と送り分力方向の振動加速度をそれぞれ示す図である。 本発明の実施の形態1における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図である。 (a)は、図3におけるIVa−IVa線に沿う断面図であり、(b)は、バイト本体部の断面構造の他の例を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態1の変形例における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、(b)は、(a)におけるVb−Vb線に沿う断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態2における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、(b)は、(a)におけるVIb−VIb線に沿う断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態3における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、(b)は、(a)におけるVIIb−VIIb線に沿う断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態4における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、(b)は、(a)におけるVIIIb−VIIIb線に沿う断面図であり、(c)は、(a)に示す切削工具の頭部およびその近傍の底面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ外径加工、端面インフィード加工、端面引き上げ加工における、切削力の方向を示す図である。
符号の説明
1 バイト本体部、1a 頭部、1b 柄部、2 切刃部分、3 台座、4,6 座ぐり、4a 段差部、5 板状部材、5a 第1板状部材、5b 第2板状部材、7 シール部品、8 固定面、9 第1バイト構成部、9a 上面側頭部、9b 上面側柄部、10 第2バイト構成部、10a 底面側頭部、10b 底面側柄部、11 ボルト、12 第3バイト構成部。

Claims (8)

  1. 切刃部分と、
    前記切刃部分が装着される頭部と、該頭部から連続して延び工作機械の台座に固定される柄部とを有するバイト本体部とを備える切削工具であって、
    前記バイト本体部は、第1と第2バイト構成部を含む複数のバイト構成部を有し、
    前記第1バイト構成部は、前記柄部の一部であって前記バイト本体部の上面側に位置する上面側柄部を含み、
    前記第2バイト構成部は、前記上面側柄部よりも前記バイト本体部の底面側に位置する底面側柄部を含み、
    前記上面側柄部と前記底面側柄部との間に、前記バイト本体部の底面に沿って延び、前記バイト本体部を貫通して該バイト本体部の両側面に達し、かつ前記バイト本体部のヤング率以上のヤング率の材料で構成した板状部材を配し、
    前記板状部材の上下面を前記上面側柄部と前記底面側柄部とに接触させ、
    前記複数のバイト構成部を、前記板状部材が配設されていない対向面において接合したことを特徴とする、切削工具。
  2. 切刃部分と、
    前記切刃部分が装着される頭部と、該頭部から連続して延び工作機械の台座に固定される柄部とを有するバイト本体部とを備える切削工具であって、
    前記バイト本体部は、切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿って延在する1組の対向面を前記柄部を構成する部分に有する第1と第2バイト構成部を含む複数のバイト構成部を有し、
    前記1組の対向面と接触し、切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される前記平面に沿って延び、前記バイト本体部を貫通して該バイト本体部の両側面に達するように前記バイト本体部のヤング率以上のヤング率の材料で構成した板状部材を配し、
    前記複数のバイト構成部を、前記板状部材が配設されていない対向面において接合したことを特徴とする、切削工具。
  3. 前記第1および第2バイト構成部は、前記板状部材が配設されていない対向面の少なくとも一部で第3バイト構成部を介して接合されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記切削工具を工作機械に設置する際に該工作機械の台座に接する部分のうち前記切刃部分側の端部における前記切削工具の長手方向に垂直な断面に達するように前記板状部材を配した、請求項1から請求項3のいずれかに記載の切削工具。
  5. 前記板状部材を前記柄部の長手方向の頭部とは反対側の端面に達するように配した、請求項1から請求項4のいずれかに記載の切削工具。
  6. 前記板状部材の厚みは、前記柄部の厚みの5%と1mmのうちの大きい値以上であり、前記柄部の厚みの20%と3mmのうちの大きい値以下である、請求項1から請求項5のいずれかに記載の切削工具。
  7. 前記板状部材を前記バイト本体部よりもヤング率の高い材料で構成した、請求項1から請求項6のいずれかに記載の切削工具。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の切削工具と、
    前記切削工具が固定される台座とを備え、
    前記切削工具の柄部のうち切刃部分側の一部が前記台座から突出するように前記切削工具を前記台座に固定し、
    前記柄部において前記台座上に位置する部分から、前記台座からの前記柄部の突出部に達するように前記板状部材を配した、工作機械。
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