JP2008100314A - 切削工具および工作機械 - Google Patents

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Junya Okita
淳也 沖田
Hideki Moriguchi
秀樹 森口
Hiromichi Yoshihisa
博道 吉久
Masanobu Ueda
正信 上田
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Abstract

【課題】特にバイト底面に沿う面内での曲げ振動において減衰性能が高く、またバイトが捻られる方向の剛性を適度に低下させ、その結果特に初期欠損や逃げ面の損傷を抑制してより長寿命化することが可能な切削工具および該切削工具を備えた工作機械を提供する。
【解決手段】切削工具は、切刃部分2と、切刃部分2が装着される頭部1aと、頭部1aから連続して延び工作機械の台座3に固定される柄部1bとを有するバイト本体部1とを備える。頭部1aにおける切刃部分2の装着面と対向する位置関係にあるバイト本体部1の底面に沿って延び、バイト本体部1の両側面に開口するように柄部1bを貫通するスリット4を設け、このスリット4内に板状部材5を嵌込み、該板状部材5の上下面を柄部1bと接触させ、バイト本体部1の底面を分断する分断面13を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、旋削加工などに用いることが可能な切削工具および該切削工具を備えた工作機械に関する。
旋削加工などに用いる切削工具は、図1(a),(b)に示2すように、実際に被削材と干渉する切刃部分(チップ)2と、これを支持するバイト本体部1とを備える。旋削加工においては、切削工具の直線的な送り運動と、被削材の回転運動との相対運動によって被削材の一部が除去され、所望の形状に加工される。
バイト本体部1は、切刃部分2を直接支持する頭部1aと、工作機械の台座3に固定される柄部1bとを備える。この柄部1bと頭部1aとは、通常一体である。
一般に切刃部分2は超硬合金、バイト本体部1は鋼などの高剛性材料で構成されるが、工作機械の台座3からのバイト本体部1の突出長さが大きい場合や、切欠材の旋削などのように切削状態と非切削状態とが交互に現れる断続切削、切取り厚さのばらつきやすい黒皮部の加工、さらに鋳鉄等の加工では加工中の振動が大きくなり、仕上げ面の悪化や微細な切刃の損傷につながりやすい。また、断続切削では工具食い付き時に衝撃力が工具に加わることから、さらに欠損等の大規模な切刃損傷が生じ易い。
加工中の振動による悪影響を回避するための手法として、バイト本体部1の振動の減衰性を高める手法が考えられる。減衰性を向上させることにより、断続部加工時等に生じたバイト本体部1の振動をより早く小さくすることができる。ま
た、加工時の衝撃力の緩和という効果もあり、単に振動を抑制するだけではなく衝撃緩和も含めて工具の損傷を抑制するという効果を期待することができる。
バイト本体部1の減衰機能を向上させるには、バイト本体部1の材料として高減衰の材料を用いる、バイト本体部1の構造によって減衰性を向上させるという2つの方法が考えられる。
前者の例として、特開2003−62703号公報に記載の制振工具を挙げることができる。当該文献には、工具本体にスローアウェイチップの下方に位置して少なくとも一側面に開口する穴を設け、該穴内に工具本体に生じた振動エネルギーを吸収する制振材を装着した制振工具が記載されている。
他方、構造的に工夫を施すことで減衰性を向上させる試みとして、特開平6−31505号公報に記載のボーリングバーを挙げることができる。
特開平6−31505号公報に記載のボーリングバーでは、シャンクに設けた挿入孔に、該シャンクを構成する材質とは異なる材質からなり挿入孔のテーパ部に密着するダンパを設けている。そして、ダンパとシャンクとの間に摩擦吸振作用を生じさせ、切削時に切刃に生じた振動を減衰するようにしている。
また、本願発明者らは、特開2005−66814号公報、特開2005−329535号公報にて、バイトの柄部に設けたスリットに、あるいはバイトの上面側と底面側とを別部材としてその間に、板状部材を配設し、板状部材の上下面での摩擦力による減衰効果にて外径加工時のバイト送り方向の振動を抑制するようにしている。
特開2003−62703号公報 特開平6−31505号公報 特開2005−66814号公報 特開2005−329535号公報
高減衰材料としては、Mn−Cu系制振合金などの減衰性の高い制振合金が用いられるが、このような合金は高価あるいは加工難といった問題を有する場合が多く、また材料系を変更して減衰性を高めようとすると、強度や剛性が低下する場合が多くなる。
他方、バイト本体部と別部品との間あるいは別部品相互間の摩擦を利用する方法では、大きな面積で摩擦力を生じさせることが望まれる。しかし、単純に大きな面積で摩擦力を生じさせようとすると、バイトの多くの部分に加工を施す必要があり、コスト増大の要因となり得る。その上、別部品とホルダの密着性が悪いと剛性低下を招くこととなり、かえって振動が増大する危険性もある。
また、図2(a)〜(c)に示すように、たとえば角バイトが多く用いられる外径加工の場合には、最も大きな力がかかる主分力方向よりも送り分力方向(バイト送り方向)でのバイトの振動加速度が大きくなるケースが多い。また旋削加工においては図9(a)に示す外径加工のほかに図9(b),(c)に示す端面加工があるが、この場合は背分力方向において振動が大きくなりやすい。すなわちバイト底面に対して垂直な方向の曲げ振動よりも、バイト底面に沿う方向の曲げ振動の方が大きくなりやすいということになる。このバイト底面に沿う方向の曲げ振動は、工具刃先から逃げ面と被削材との接触状態に影響を及ぼすと考えられる。この領域の損傷は工具寿命短縮の要因となり得るため、同方向の振動を効果的に抑制することが、工具の損傷を抑制する上で重要である。
そういう点で、バイトの柄部に板状部材を配設し、その上下面の摩擦力にて特にバイト底面に沿う方向の振動を積極的に抑制する手法は、工具刃先から逃げ面に至る領域での損傷や、微細な損傷が積み重なることで最終的な欠損に至る疲労的な切刃損傷に対しては有効である。一方で減衰効果は工具刃先に発生する衝撃力を緩和する効果はあるものの、その程度は小さい。このため強断続加工や溶着し易い材料の加工など、加工開始から早い段階で生じるいわゆる初期欠損に対しては、十分な効果を得難いという問題があった。
このような問題に対しては、ホルダの剛性を低下させ、衝撃が加わった際の撓みによって衝撃力を緩和するという手法が考えられるが、単純に剛性を低下させると加工品の寸法精度の低下を招いたり、びびり振動が発生するなどの問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、特にバイト底面に沿う面内での曲げ振動において減衰性能が高く、またバイトが捻られる方向の剛性を適度に低下させ、その結果特に初期欠損や逃げ面の損傷を抑制してより長寿命化することが可能な切削工具および該切削工具を備えた工作機械を提供することを目的とする。
本発明に係る切削工具は、1つの局面では、切刃部分と、切刃部分が装着される頭部と、頭部から連続して延び工作機械の台座に固定される柄部とを有するバイト本体部とを備える。そして、上記頭部における切刃部分の装着面と対向する位置関係にあるバイト本体部の底面に沿って延び、バイト本体部の両側面に開口するように柄部を貫通するスリットを設け、このスリット内に板状部材を嵌込み、該板状部材の上下面を柄部と接触させ、バイト本体部の底面を分断する分断面を設ける。
本発明に係る切削工具は、他の局面では、切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿って延びるように柄部を貫通するスリットを設け、該スリット内に板状部材を嵌込み、この板状部材の上下面を柄部と接触させ、バイト本体部の底面を分断する分断面を設ける。
上記分断面は、好ましくは、スリットに達する。また、該分断面のバイト本体部の厚み方向の長さは、好ましくは、バイト本体部の柄部の厚みの10%以上40%以下である。また、前述のように分断面がスリットに達する場合は、実質的にスリットの厚み分だけ分断面の長さが大きくなったものと考えられるため、分断面およびスリットのバイト本体部厚み方向の長さの和が、上記範囲内にあることが望ましい。さらに、上記分断面は、バイト本体部の長手方向と交差する方向に延びることが好ましい。
上記切削工具を工作機械に設置する際に該工作機械の台座に接する部分のうち切刃部分側の端部における切削工具の長手方向に垂直な断面に達するようにスリットおよび板状部材を設けることが好ましい。
スリットと板状部材の厚みは、柄部の厚みの5%と1mmのうちの大きい値以上であり、柄部の厚みの20%と3mmのうちの大きい値以下であることが好ましい。なお、「スリットと板状部材の厚み」とは、バイト本体部の頭部における切刃部分の装着面からバイト本体部の底面に向かう方向(たとえば図3における上下方向:台座3の固定面8に垂直な方向)の厚みをいう。また、板状部材をバイト本体部よりもヤング率の高い材料で構成することが好ましい。
本発明に係る工作機械は、上述の切削工具と、切削工具が固定される台座とを備える。そして、切削工具のバイト本体柄部のうち切刃側の一部が工作機械台座から突出するように切削工具を台座に固定し、バイト本体柄部において台座上に位置する部分から、突出部分に達するように前述のスリットおよび板状部材を設ける。
本発明によれば、バイト本体部の底面または送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿う方向に板状部材を配したので、外径加工時の送り分力方向(端面加工時は背分力方向)に大きな摩擦力を作用させることができ、該方向におけるバイト本体部の振動を効果的に抑制することができる。また、バイトのねじり方向で適度な撓みが許容されるため、衝撃吸収能力が高い。さらに、この撓みによっても板状部材とバイト本体間の微小な相対運動が拡大されるので、より大きな減衰効果を得ることができる。しかも、このように減衰性能が高いことから、ねじり方向の剛性低下による耐びびり振動性の低下を回避することも可能である。したがって、バイト本体部の底面または送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿う面内での曲げ振動における減衰特性およびバイトのねじり方向の衝撃吸収性能を向上することができる。その結果、加工中の振動や衝撃を効果的に抑制し、特に強断続工程や溶着の発生しやすい工程にて、初期欠損等の切刃の損傷を抑制してより長寿命化することが可能な切削工具および該切削工具を備えた工作機械を提供することができる。
以下、図3〜図8を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1における切削工具(バイト)と工作機械の一部とを示す側面図である。図3に示すように、本実施の形態1の切削工具は、切刃部分(チップ)2と、該切刃部分2が装着される頭部1aと、該頭部1aから連続して延び工作機械の台座3に固定される柄部1bとを有するバイト本体部1とを備える。
切刃部分2は、たとえば超硬合金などで構成され、クランプ機構あるいはろう付けなどの方法でバイト本体部1の頭部1aに固定される。バイト本体部1は、たとえばCr−Mo鋼などで構成される。このバイト本体部1の柄部1bにスリット4を設ける。
スリット4は、図4(a)に示すように、バイト本体部1の柄部1bを貫通するように設けられる。スリット4は、切刃部分2が装着される側の面(バイト本体部1の上面)と反対側に位置するバイト本体部1の底面に沿って延在し、柄部1bの両側面に開口する。該スリット4は、切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿って延びるようにバイト本体部1の柄部1bを貫通する。
上記のスリット4内に板状部材5を嵌込み、図4(a)に示すように、該板状部材5の上下面を柄部1bと接触させるようにする。板状部材5は、バイトを工作機械に固定した際に充分な剛性を有するものであればよく、板状部材5の材質としては、鋼材の他、極端に軟質でない金属系の材質を使用可能である。このような板状部材5をスリット4内に嵌込んでその上下面を柄部1bと接触させることにより、切削加工時に板状部材5とバイト本体部1との間に所望の摩擦力を発生させることができる。
また、上下面の面積の大きい板状部材5を採用することで、板状部材5とバイト本体部1との接触面積を大きくすることができ、切削加工時に板状部材5とバイト本体部1との間に大きな摩擦力を発生させることができる。したがって、加工中のバイト本体部1の振動を効果的に減衰させることができる。
図3の例のようにバイト本体部1の底面と平行な方向に板状部材5を配設した場合には、外径加工時の送り分力方向(端面加工時は背分力方向)に大きな摩擦力を作用させることが可能となるので、同方向におけるバイト本体部1の振動を効果的に抑制することができる。それにより、切刃部分2の損傷を抑制することができる。
切削加工時に板状部材5とバイト本体部1との間に、より大きな摩擦力を発生させるためには、板状部材5とバイト本体部1とを密着させることが好ましい。たとえば圧入あるいは焼嵌めなどの手法で板状部材5をスリット4に嵌合し、スリット4に対し締りばめまたは中間ばめの状態で板状部材5を挿入することにより、大きな摩擦力を発生させることができる。また、バイト本体部1を工作機械の台座3に固定する際の締付け力(バイト本体部1の上面に付与される力であって図3の上下方向に作用する力)をも利用することにより、板状部材5とバイト本体部1とをさらに強く密着させることができる。
また、本実施の形態では、バイト本体部1の底面を分断する分断面13を設けている。図3の例では、スリット4から離れた位置に分断面13を設けているが、図3に示す位置以外の任意の位置に分断面13を設けることができる。たとえば、後述のようにスリット4に達するように分断面13を設けてもよい。また、分断面13は、バイト本体部1の長手方向と交差する方向に延びることが好ましい。
分断面13のバイト本体部1の厚み方向の長さ(t3)は、好ましくは、バイト本体部1の柄部1bの厚み(t1)の10%以上40%以下である。それは上記長さが10%未満であると、ねじり剛性の低下が十分でなく、切刃の損傷を抑制するような衝撃吸収能力が得られないためであり、上記長さが40%よりも大きいと、剛性低下が大きくなりすぎ、剛性低下に起因するびびり振動が発生しやすくなって、かえって切刃が損傷しやすくなるためである。
上記のような分断面13を設けることで、バイトがそのねじり方向に適度に撓むことができ、結果として切刃部分2に加わる衝撃力を緩和することができる。
他方、バイト本体部1にスリット4を設けることにより、バイト本体部1の剛性は若干低下するものと考えられる。したがって、バイト本体部1の剛性低下の程度を軽減するための工夫が必要となる。その一方で、板状部材5があまりに薄いと所望の摩擦力が得られない可能性がある。そこで、図3に示すスリット4および板状部材5の厚みt2と、バイト本体部1の柄部1bの厚みt1との関係について説明する。
スリット4と板状部材5の厚みt2を、あまりに大きくするとバイト本体部1の剛性低下が著しくなり得るので、バイト本体部1の柄部1bの厚みt1の20%以下程度とする。それにより、バイト本体部1の剛性低下を小さく抑えることができ、剛性低下が要因となって生じるバイト本体部1の耐振動性の低下を抑制することができる。また、加工品の寸法精度に与える影響も小さくすることができる。
他方、スリット4と板状部材5の厚みt2があまりに小さいと、板状部材5自体の剛性が低下し、板状部材5とバイト本体部1との間に作用する摩擦力が小さくなってしまう。よって、スリット4と板状部材5の厚みt2を、バイト本体部1の柄部1bの厚みt1の5%以上程度とすることが好ましい。
ところが、たとえばバイト本体部1の柄部1bの厚みt1が10mm前後の小型バイトの場合、加工対象が低負荷のものに限定されるため、上記の厚みt2を厚みt1の20%より大きくしても、剛性低下の影響は小さくなる。具体的にはスリット4と板状部材5の厚みt2を3mm程度とした場合でも、バイト本体部1の剛性低下の影響は小さくなる。
また、上述のような小型バイトの場合、上記の厚みt2を厚みt1の5%程度とすると、板状部材5があまりに薄くなりすぎ、板状部材5に反りが発生しやすくなり、板状部材5の加工が困難となる。したがって、スリット4と板状部材5の厚みt2は、1mm以上程度であることが好ましい。
以上に鑑み、スリット4と板状部材5の厚みt2を、バイト本体部1の柄部1bの厚みt1の5%と1mmのうちの大きい値以上、柄部1bの厚みt1の20%と3mmのうちの大きい値以下とすることが好ましい。
後述する実施の形態5の場合のように工作機械の台座3から突出するように板状部材5を設けた場合には、板状部材5が片持ち梁のような状態となるため、特にバイト底面に沿う面内での曲げ振動において、板状部材5の固有振動数がバイト本体部1の固有振動数よりも高くなりやすい。よって、この場合には、さらにバイト本体部1の摩擦減衰効果が得られやすくなる。
また、板状部材5をバイト本体部1よりもヤング率の高い材料で構成することが好ましい。それにより、板状部材5の固有振動数をバイト本体部1の固有振動数より高くすることができ、板状部材5とバイト本体部1の振動状態の差が大きくなり、摩擦減衰効果が得られやすくなる。
図4(b),(c)に、バイト本体部1の柄部1bの断面形状の変形例を示す。図4(b)に示すように、柄部1bの両側面に座ぐり6を設け、該座ぐり6内に開口するようにスリット4を設けてもよい。このように座ぐり6を設けることにより、スリットの深さが小さくなるため加工が容易になる。この場合、板状部材とバイト本体柄部の接触面積は減少することとなるが、バイト本体柄部を工作機械に把持する際に板状部材に働く圧縮力の大きさは図4(a)の場合と変わらず、バイト本体と板状部材との間に働く摩擦力による減衰についても図4(a)の場合と同様の効果が期待できる。
また、図4(c)に示すように、接着剤や樹脂などを介して座ぐり6内にシール部品7を設置してもよい。該シール部品7は、バイト本体部1とは別部品であり、樹脂などの軟質材を介して柄部1bに固定されるので、図4(b)の場合と同様に、工作機械へのバイト固定時に充分な圧縮力を板状部材5に働かせることができる。
(実施の形態2)
次に、図5を用いて、本発明の実施の形態2について説明する。図5は、本実施の形態2における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図である。
本実施の形態2では、スリット4に達するように分断面13を設けている。より詳しくは、バイト本体部1の底面から、バイト本体部1の頭部1a側に位置するスリット4の端部に達するように、分断面13を設けている。これ以外の構成については、実施の形態1の場合と基本的に同様である。
上記のようにスリット4に達するように分断面13を設けることにより、スリット4の厚みを含めた形で分断面13がねじり剛性低下の作用をもたらすこととなり、より短い分断面13でも衝撃吸収能力を高めることが可能である。このことにより、たとえばワイヤーカットによって分断面13を形成する際に、加工時間の短縮等のメリットが得られる。また分断面13がスリット4と連続している場合、その剛性低下の影響がより直接的に板状部材5とバイト本体部1間の相対変位の増大につながるため、板状部材5上下面の摩擦減衰効果をより大きく発揮させることが可能となる。
なお、図5の例では、スリット4のうちバイト頭部側において分断面13は連続しているが、図6のように頭部側とは逆のバイト長手方向端面側で連続するようにしてもよい。また、両者の中間位置において連続するようにしてもよい。
(実施の形態3)
次に、図7を用いて、本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本実施の形態3における切削工具の底面図である。
本実施の形態3では、分断面13を、バイト長手方向に対し傾けている。たとえば図7の例では、分断面13を、バイト長手方向に垂直な面に対し30度傾けているが、傾斜角度は任意に設定可能である。これ以外の構成は、実施の形態1の場合と基本的に同様である。
分断面13がバイト長手方向に対し垂直である場合、バイトのねじり方向と分断面13の延在方向とが略一致することから、より大きな効果を期待することができるが、本実施の形態4のように、分断面13がバイト長手方向に対し垂直でない場合も、一定の効果を得ることは可能である。
(実施の形態4)
次に、図8(a),(b)を用いて、本発明の実施の形態4について説明する。図8(a)は、本実施の形態4における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるVIIIb−VIIIb線に沿う断面図である。
図8(a),(b)に示すように、本実施の形態4では、バイト本体部1の柄部1bにおいて工作機械の台座3上に位置する部分から、該台座3から突出する突出部に達するようにスリット4および板状部材5を設けている。そして、バイト本体部1の底面から、バイト本体部1の頭部1a側に位置するスリット4の端部に達するように、分断面13を設けている。それ以外の構成は、実施の形態1と同様である。
上記のようにスリット4および板状部材5を配置することにより、板状部材5のうち台座3上に位置して柄部1bとともに工作機械に固定されている部分は強固に固定される一方で、板状部材5および柄部1bは台座3から突出する部分を有することとなる。したがって、板状部材5とバイト本体部1とはともに片持ち梁に似た状態となる。
切削加工中に切刃部分2にかかる切削力はバイト本体部1を介して板状部材5にも作用し、バイトだけでなく板状部材5も振動する。しかし、板状部材5の断面形状も、台座3からの突出長さ(台座3における切刃部分2側の端部からの板状部材5の突出長さ)も、バイト本体部1とは異なる。つまり、固有振動数の異なる2つの梁が接触しながら振動するような状態となる。このように両者の運動状態が大きく異なるため、板状部材5とバイト本体部1との間に相対運動が生じ、摩擦による減衰効果を発揮し易くなる。
なお、板状部材5およびバイト本体部1における柄部1bの台座3からの突出長さは、工作機械や作業者の設定により一定とはならないが、バイトと被削材あるいは工作機械との干渉の関係で、バイト本体柄部全体を把持することはあまりなく、たとえば最も一般的な外径旋削加工では、バイト本体柄部の切刃側をバイト柄部長手方向全長の1〜2割程度突き出す形で使用されることが多い。このため、たとえば図8のようにバイト本体部1の頭部1a近傍から柄部1bの中央部あるいはその近傍に至るように板状部材5を設置することで、ほとんどのケースで板状部材5を台座3から突出させることができるものと考えられる。
ここで、上述の切削工具を使用可能な工作機械の構成例について説明する。
工作機械は、ワークを保持するワーク保持機構と、ワークを駆動あるいは移動させるワーク駆動/移動機構と、切削工具を保持する工具保持機構と、工具保持機構を駆動あるいは移動させて切削工具を駆動あるいは移動させる工具駆動/移動機構とを備える。ワーク保持機構としては、たとえばチャックを有するワーク主軸を採用し、工具保持機構としては、たとえば工具を保持する刃物台を使用する。そして、上述のようにして該刃物台の台座にバイト本体部1を固定する。
次に、本発明の実施例について説明する。本願発明者は、下記の表1に示す従来品と発明品1〜7を作製し、それぞれの性能評価を行なった。
Figure 2008100314
従来品の切削工具は、図1に示す構造を有し、発明品1の切削工具は、図3に示す構造を有し、発明品2,3の切削工具は、図5に示す構造を有し、発明品4の切削工具は、図7に示す構造を有し、発明品5〜7の切削工具は、図8に示す構造を有する。
従来品と発明品1〜7において、バイト本体部1の材質は焼入れしたCr−Mo鋼である。バイト本体部1の長さは150mm、バイト本体部1の柄部の長さは120mm、柄部の幅と厚みはともに25mmである。切刃部分(チップ)2は、バイト本体部1の頭部にクランプされ、コーティングを施した超硬合金製である。また、柄部のうち、切刃先端からバイト長手方向に40mm〜150mm(終端)の間が、工作機械の台座3に固定される。
発明品1の切削工具では、図3に示すバイト本体部1の柄部に対して、切刃先端からバイト長手方向に60mm〜90mmの位置に厚み3mmのスリット4を設け、該スリット4に、スリット4と同等以上の厚みを有しCr−Mo鋼で構成される板状部材5を圧入する。本発明品1では、柄部の底面から5mmの高さの位置にスリット4および板状部材5の底面が位置するようにしている。また板状部材5は、柄部の幅方向(紙面垂直方向)全体で柄部と実質的に接触している。そして、切刃先端から50mmの位置でバイト底面部にバイト厚み方向長さが3mmの分断面13をバイト長手方向に垂直な方向に設けている。
発明品2の切削工具は、図5に示すように分断面13の位置が切刃先端からバイト長手方向に60mmで、分断面13の長さは5mmであり、スリット4のバイト頭部側端面に達する形となっている。したがって、実質的な分断面13のバイト厚み方向の長さは8mmとなっている。その他の構成は発明品1と同様である。
発明品3の切削工具では、バイト底面部より8mmの高さに板状部材5の底面が位置するように、板状部材5が配設されている。そして、長さ8mmの分断面13がスリット4のバイト頭部側端面に達する形で設けられている。よって、実質的な分断面13のバイト厚み方向の長さは11mmとなっている。その他の構成は発明品2と同様である。
発明品4の切削工具では、図7に示すように分断面13がバイト長手方向に垂直ではなく、同垂直面に対し30度傾いている。その他の構成は、発明品1と同様である。
発明品5の切削工具では、図8に示すようにバイト本体部1の柄部に対して、切刃先端からバイト長手方向に30mm〜60mmの位置に厚み6mmのスリット4を設け、該スリット4に、スリット4と同等以上の厚みを有しCr−Mo鋼で構成される板状部材5を圧入する。したがって、工作機械の台座3の切刃側端部上に位置するバイト本体部1の柄部の、バイト長手方向に垂直な方向の断面(図8(a)のVIIIb−VIIIb断面)には、図8(b)に示すように板状部材5が配設されることとなる。また、スリット4および板状部材5の底面側位置はバイト厚み方向にバイト底面から高さ3mmの場所に位置している。そして、切刃先側からバイト長手方向に30mmの位置に、スリット4と連続するようにバイト底面側から長さ3mmの分断面13を設ける。それ以外の構成は、発明品1と同様である。
発明品6では、スリット4の厚みが3mmで、スリット4の底面側位置はバイト厚み方向にバイト底面から高さ5mmとなっている。また、分断面13はスリット4のバイト頭部側と連続しており、スリット4と合わせた実質的な分断面長さは8mmである。それ以外の構成は、発明品5と同様である。
発明品7は、板状部材5の厚みも含めて発明品6と同構造であるが、板状部材5の材質を超硬合金としている。超硬合金のヤング率は約600GPaであるので、本発明品7では、板状部材5のヤング率が、バイト本体部1のヤング率の3倍程度であり、バイト本体部1のヤング率よりも高くなっている。
上記の従来品、発明品1〜7に対し、評価試験として、軟鉄加工での断続切削実験にてチップの耐欠損性の評価を行なった。加工時間は最大50秒とした。その結果を上記の表1に併記している。
耐欠損性評価は、切削速度:80m/min、送り:0.2mm/rev、切込み:1.5mmの条件で湿式にてSCM415材の軸方向に溝を設けた丸棒を外径旋削加工している状態で実施した。切刃部分(チップ)は、CVDコーティングを施したM種超硬合金製であり、工具型番はCNMG120408である。
切刃部分(チップ)2の破損は確率的に生じるとされていることから、ここでは10回の試験での平均値により評価を行なうものとする。表1には、従来品および発明品での欠損に至るまでの加工時間を示している。
表1に示すように、各発明品の欠損に至るまでの加工時間が従来品よりも多くなっており、各発明品の寿命が従来品よりも長くなっていることがわかる。また、発明品1と発明品2とを比較すると、分断面13をスリット4に達するようにした発明品2が良好であり、発明品2と発明品3との比較では、分断面長さを10%〜40%とした発明品2が良好であり、発明品1と発明品4との比較から、分断面13をバイト長手方向に垂直とした発明品1が良好であり、発明品2と発明品6との比較から、工作機械の台座3の切刃側端部上に板状部材5が配される発明品6が良好であり、発明品5と発明品6との比較から、板状部材5の厚みを5〜20%とした発明品6が良好であり、発明品6と発明品7との比較から、板状部材5をバイト本体部1よりも高ヤング率材とした発明品7が良好である。
以上のように、本発明品では、切刃部分(チップ)の損傷を効果的に抑制することができる。
上述のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上記の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、本発明は上記の実施の形態および実施例に限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
本発明は、切削工具および工作機械に有効に適用される。
(a)は、従来の切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、(b)は、(a)におけるIb−Ib線に沿う断面図である。 (a)は外径旋削加工における主分力方向と送り分力方向とを示す図であり、(b)および(c)は、外径旋削加工における主分力方向と送り分力方向の振動加速度をそれぞれ示す図である。 本発明の実施の形態1における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図である。 (a)は、図3におけるIVa−IVa線に沿う断面図であり、(b),(c)は、バイト本体部の断面構造の他の例を示す断面図である。 本発明の実施の形態2における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図である。 実施の形態2の変形例を示す側面図である。 本発明の実施の形態3における切削工具の底面図である。 (a)は、本発明の実施の形態4における切削工具と工作機械の一部とを示す側面図であり、(b)は、(a)におけるVIIIb−VIIIb線に沿う断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ外径加工、端面インフィード加工、端面引き上げ加工における、切削力の方向を示す図である。
符号の説明
1 バイト本体部、1a 頭部、1b 柄部、2 切刃部分、3 台座、4 スリット、5 板状部材、6 座ぐり、7 シール部品、8 固定面、13 分断面。

Claims (9)

  1. 切刃部分と、
    前記切刃部分が装着される頭部と、該頭部から連続して延び工作機械の台座に固定される柄部とを有するバイト本体部とを備え、
    前記頭部における前記切刃部分の装着面と対向する位置関係にある前記バイト本体部の底面に沿って延び、前記バイト本体部の両側面に開口するように前記柄部を貫通するスリットを設け、
    前記スリット内に板状部材を嵌込み、該板状部材の上下面を前記柄部と接触させ、
    前記バイト本体部の底面を分断する分断面を設けた、切削工具。
  2. 切刃部分と、
    前記切刃部分が装着される頭部と、該頭部から連続して延び工作機械の台座に固定される柄部とを有するバイト本体部とを備え、
    切削時の送り分力方向と背分力方向とで規定される平面に沿って延びるように前記柄部を貫通するスリットを設け、
    前記スリット内に板状部材を嵌込み、該板状部材の上下面を前記柄部と接触させ
    前記バイト本体部の底面を分断する分断面を設けた、切削工具。
  3. 前記分断面が前記スリットに達する、請求項1または請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記分断面の前記バイト本体部の厚み方向の長さは、前記バイト本体部の柄部の厚みの10%以上40%以下である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の切削工具。
  5. 前記分断面は、前記バイト本体部の長手方向と交差する方向に延びる、請求項1から請求項4のいずれかに記載の切削工具。
  6. 前記切削工具を工作機械に設置する際に該工作機械の台座に接する部分のうち前記切刃部分側の端部における前記切削工具の長手方向に垂直な断面に達するように前記スリットおよび前記板状部材を設けた、請求項1から請求項5のいずれかに記載の切削工具。
  7. 前記スリットと前記板状部材の厚みは、前記柄部の厚みの5%と1mmのうちの大きい値以上であり、前記柄部の厚みの20%と3mmのうちの大きい値以下である、請求項1から請求項6のいずれかに記載の切削工具。
  8. 前記板状部材を前記バイト本体部よりもヤング率の高い材料で構成した、請求項1から請求項7のいずれかに記載の切削工具。
  9. 請求項6から請求項8のいずれかに記載の切削工具と、
    前記切削工具が固定される台座とを備え、
    前記切削工具の柄部のうち切刃側の一部が前記台座から突出するように前記切削工具を前記台座に固定し、
    前記柄部において前記台座上に位置する部分から、前記台座からの突出部に達するように前記スリットおよび前記板状部材を設けた、工作機械。
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