JP4084459B2 - ヒンジ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヒンジ装置に関し、特に、携帯電話、電子手帳、化粧用コンパクト等の携帯用品に用いられるヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のエレクトロニクス技術の発展に伴い、キーパネルや液晶画面等を備えた携帯電話や電子手帳等の各種の携帯用機器が開発され、広く実用化されてきている。これらの機器では、使用に際して使い易い大きさが確保されるとともに、携帯に際してコンパクトな形状となり、かつ、鞄やポケットの中で、誤ってキーパネルを押してしまったり液晶画面を傷つけてしまったりすることのないように、2つの部材を開閉可能とする2つ折り形式が採用されている。
【0003】
例えば、携帯電話においては、操作キーを一面に配置した本体部材と、該本体部材に揺動可能に連結されて、携帯に際して操作キーを被う位置(以下、閉位置という。)に折り畳まれる一方、使用に際して開かれた位置(以下、開位置という。)に配されてキー操作を可能としかつ集音部材として機能する送話部のような開閉部材とからなる2つ折り形式のものがある。
【0004】
従来より、このような2つ折り形式の携帯用品では、本体部材と開閉部材とを開閉自在に連結するだけの機能を有する蝶番形式のヒンジ装置が用いられている。この形式のヒンジ装置を用いた携帯用品では、使用する者が、閉位置における本体部材と開閉部材のロック機構を解除すれば、開閉部材を本体部材に対して自由に揺動させることができるようになっている。
【0005】
また、開閉部材を本体部材に対して常時開く方向に付勢するバネを蝶番形式のヒンジ装置に組み合わせたものも採用されている。このヒンジ装置では、使用する者が、閉位置における本体部材と開閉部材のロック機構を解除すれば、バネの弾発力によって開閉部材が本体部材に対してひとりでに開かれる一方、閉じるときには、バネの弾発力に抗して開閉部材を本体部材の方向に押圧してロック機構によりロックするようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、単に開閉部材と本体部材とを揺動自在に連結するだけの蝶番形式のヒンジ装置では、以下のような問題点があった。
第1に、開閉部材を本体部材に対して閉じた状態に保持するためには、適当なロック機構を配設しておかなければならず、開閉部材または本体部材から突出する突起が設けられることになるので、設計上および使用上の制約を受けることになるという不都合がある。また、何らかのばね部材と組み合わせて使用することにより、開閉部材を本体部材に閉じた状態に保持することは可能であるが、開いて使用される形態用品において、使用時にばね部材の付勢力が常時作用しているのでは、使い勝手が悪い。また、特別なロック部材を設けることは、部品点数を増大させるものであり、製品コストが高くなる不都合もある。
【0007】
第2に、開閉部材の本体部材に対する開閉角度を任意の位置に調節したい場合があるが、このような場合、例えば、携帯電話の送話部の位置を使用者にとって最適な位置に調節したり、電子手帳の液晶画面を使用者が最も見やすい位置に設定したりすることができれば便利である。しかし、蝶番形式のヒンジ装置では、開閉部材は本体部材に対して自由に揺動することができるのみであり、開閉部材を本体位置に対して完全に閉じた閉位置と完全に開いた開位置との間の任意位置において固定するためには、別途固定手段が必要となるという不都合がある。
【0008】
かかる機能の実現のために、開閉部材をばね部材により構成して、ヒンジの軸部より小径の筒部に形成し、該筒部を軸部に摩擦接触させたヒンジ構造とすることが考えられるが、筒部の成形にばらつきが生じると、軸部の長さ方向に均等に摩擦力を付与することがむずかしくなる。
【0009】
また、操作性の観点から、本体部材に対して若干開いた位置においては、開閉部材が閉位置に向けて自動的に閉じ、または、開位置の近傍においては、開閉部材が開位置に向けて自動的に移動するように構成されていれば便利である。すなわち、使用者が使用を終えた後に、本体部材に対して開閉部材をある程度まで閉じれば該開閉部材が完全に閉じる位置まで自動的に移動するように構成できれば、使用者にとっての使い勝手を改善することができる。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、開閉部材を本体部材の位置に対して完全に閉じた閉位置と完全に開いた開位置との間の任意の位置において停止させること、その際停止させるトルクの大きさを容易に調整可能であるとともに軸部の長さ方向においてトルクが作用する位置のばらつきが小さいこと、特別なロック機構を設けずに開閉部材を本体部材に対して閉じた状態に保持すること、さらに開閉部材が閉位置に近接したときには、開閉部材が閉位置に向けて自動的に閉じること、が可能であるヒンジ装置を提供する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の部材と第2の部材とを相対揺動可能に連結するヒンジ装置であって、該第1の部材と第2の部材との揺動中心に沿って配置され、これら第1の部材または第2の部材のいずれか一方の部材に対して固定される柱状の軸部と、他方の部材に対して固定され、複数枚重ねられた平板状の摩擦板とを具備し、これら摩擦板を軸部が貫通するとともに、各摩擦板は、軸部を貫通させる孔部が該軸部よりも小径に形成され、軸部が圧入されたときに拡径され、その復元力によって軸部との間に摩擦力を生じさせるばね部材であることを特徴とする。
【0012】
この場合、軸部の外周面と摩擦板の孔部の内周面との間に働く摩擦力により、第1の部材と第2の部材とが、任意の相対揺動角度において停止可能であるばかりでなく、摩擦板の枚数を変えることで全体の摩擦力の大きさを容易に調整することができる。
【0013】
すなわち、例えば摩擦板の枚数を多くすると、摩擦板と軸部の間の接触面積の合計が増すので、発生させることができる摩擦力の最大値が増大し、重量の大きな開閉部材でも任意の位置に正確に停止させることが可能になる。このとき、開閉部材の揺動のより高い安定性も保証される。
【0014】
また、摩擦板の枚数を多くすることによって、摩擦板全体の厚さが厚くなり、本体部材と開閉部材の間に作用する荷重の支持部分が大きくなることも、開閉部材の揺動の安定性につながる。
また、摩擦板の加工は打ち抜きにより容易に行えるので、筒部の加工におけるばらつきは小さい。
孔部にスリット部を形成すると、孔部の周辺部分の弾性変形が容易になり、有効に摩擦力を付与することができる。
【0015】
さらに、第1の部材に対して固定される第1のカムと、第2の部材に取り付けられ、第1のカムのカム面に接触させられるカム面を有する第2のカムと、第2のカムの第2の部材に対する相対回転を係止する回転係止手段と、第2のカムのカム面を第1のカムのカム面に向けて付勢して両カム面を圧接状態に保持する付勢手段と、第1のカムおよび第2のカムのカム面に設けられ、第1の部材と第2の部材とが所定の相対角度位置に配されたときに相互に係合して両部材を位置決め状態に保持する少なくとも1対の凹部と凸部とからなる位置決め手段とを有している場合では、第1の部材を第2の部材に対して相対的に揺動させると、第1の部材に取り付けられた第1のカムが、第2の部材に固定された第2のカムに対して相対移動させられる。第1のカムのカム面は、付勢手段の作動により第2のカムのカム面に向けて付勢されているので、第2のカムのカム面に常に圧接状態に保持される。この場合に、本発明に係るヒンジ装置には、凹部と凸部とからなる位置決め手段が設けられているので、いずれか一方のカム面に設けた凹部に、他方のカム面に設けた凸部が一致すると、これら凹部と凸部とが係合する結果、第1の部材に対して第2の部材が相対的に位置決めされる。
【0016】
すなわち、凹部と凸部とが係合している場合には、第1の部材と第2の部材とが位置決め状態に保持されるが、それ以外の相対位置においても、軸部と摩擦板との間の摩擦力によって、両部材を無段階の相対揺動位置に停止させることができることになる。
【0017】
また、凹部の、凸部に対する相対移動方向の少なくとも一側に、凸部を凹部との係合位置に案内する傾斜部を設ければ、両カムが相対的に移動させられて、凸部が凹部に一致する直前に傾斜部に差し掛かると、付勢手段の付勢力により、凸部がその斜面に沿って凹部に係合する方向に案内されることになる。
【0018】
さらに、軸部との摩擦に対して摩擦板を用いるならば、打ち抜き法により容易に任意の形状に加工できるので、摩擦板の軸部に嵌合する孔部の一部を開口状態とするスリット部と該スリット部に対向する孔部の内周位置に切欠きを設けることができる。この場合、前記凸部が前記傾斜部の位置に配されたときに、前記軸部の外周部の一部が摩擦板の孔部のスリット部に、また他の一部が切欠きに一致するように、摩擦板と、軸部と、第1のカムと、第2のカムとの相対位置を設定すると、摩擦板と軸部との間の圧接状態が低減される。特に、圧接状態を完全に開放されるように、スリット部と切欠きの大きさと形状を加工しておくと、前記付勢手段の付勢力が閉じる方向に働くように構成することにより、もたらされた第1、第2の部材を相対的に閉じる方向に働く閉じ力を摩擦力によるブレーキがない状態で作用させることができる。すなわち、この場合、使用者が使用を終えた後に、第1あるいは、第2の部材をある程度まで閉じれば、完全に閉じる位置まで自動的に移動することになる。
【0019】
また、閉位置の近傍において付勢手段による閉じ力に対してブレーキがなくなることで、該閉じ力はより小さな力で済むことになり、閉じ力を発生させる付加手段をより小さくして、ヒンジ装置の小型化を図る事ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るヒンジ装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、電子手帳に用いるヒンジ装置を例に挙げて説明している。
【0021】
本実施形態に係るヒンジ装置は、図1(a)、(b)に示されるように、例えば、電子手帳のキーボード部分21(以下、本体部材(第2の部材)という。)に固定される固定側ブラケット2と、電子手帳の液晶画面部分23(以下、開閉部材(第1の部材)という。)に固定される可動側ブラケット1と、前記固定側ブラケット2に固定された直棒状の軸部3と、該軸部3の長手方向に摺動可能に外嵌された固定側カム(第2のカム)5と、前記軸部3にその軸線回りに回転可能に外嵌されかつ前記可動側ブラケット1に固定された可動側カム(第1のカム)4と、前記固定側カム5を前記軸部3の軸線方向に沿って前記可動側カム4の方向に常時付勢するコイルスプリングよりなる付勢手段6と、可動側ブラケット1に固定され、軸部3に圧接して軸部3の回動の際に摩擦力を付与する複数枚重ねられた摩擦板11とを具備している。
【0022】
前記固定側カム5および可動側カム4は、相互に軸方向に対向するカム面5a,4aを有する側面カムであり、例えば、プラスチックまたは金属により構成されている。
前記固定側カム5は、略円筒状に形成された一端面に前記カム面5aが設けられており、該カム面5aには、略半円分を切り欠いて形成された凹部5bとこの凹部5bに隣接し軸方向に垂直な平坦面よりなる摩擦面5cとが設けられている。前記凹部5bと摩擦面5cとの境界部分には、摩擦面5cから凹部5bに向かってなだらかに落ち込むように傾斜面5d(傾斜部)が形成されている。また、可動側カム4のカム面4aは、前記凹部5bに係合する凸部4bを有し、前記固定側カム5のカム面5aと略相補的な形状に形成されている。さらに、可動側カム4には、後述する可動側ブラケット1に固定するための突起4cが設けられている。
【0023】
前記固定側ブラケット2および可動側ブラケット1は、ともに、金属製薄板をプレス加工等によって折曲形成したものであり、前記軸部3は、前記固定側ブラケット2に、例えば、かしめられることによって固定されている。この軸部3の前記固定側カム5を外嵌させる部分には、その側面を長手方向に平行に切り欠いた二面部(回転係止手段)が設けられている一方、この二面部に外嵌される固定側カム5には、該二面部の設けられた軸部3の断面形状と略同等の断面形状を有する中心孔が設けられている。これにより、軸部3に外嵌された固定側カム5は、軸部3に対してその軸線方向に移動することを許容されている一方、二面部によって軸部3に対して軸線回りに相対回転しないように保持されている。
【0024】
また、上記軸部3の前記可動側カム4を外嵌させる部分は、円形断面を有しているとともに、可動側カム4の中心孔も円形断面を有している。その結果、可動側カム4は軸部3に対してその軸線回りに回転することができるようになっている。
【0025】
摩擦片11は、図2に示されるように、内周部の一部にスリット部11aを有する略C字状の横断面形状に形成されており、軸部3が挿入されていない状態では、その内径寸法が軸部3の外形寸法よりも小さく形成されているが、軸部3が挿入された際には、前記スリット部11aを広げることによりその内径寸法を、軸部3の外周面に圧接させられるようになっている。また、スリット部と対向する孔部の内周位置に切欠きが形成されている。
一方、軸部は、摩擦板の孔部に挿通している部分では、該孔部の内周に接する接触部3b,3bと非接触部3a,3aとが回転中心を中心として点対称に一対ずつ設けられている。
【0026】
また、本実施形態に係るヒンジ装置では、例えば、電子手帳のヒンジ装置として、本実施形態に係るヒンジ装置を装着する場合には、本体部材21に固定側ブラケット2を固定し、開閉部材23に可動側ブラケット1を固定する。これらの固定は任意の公知方法により実施することができる。この場合に、本体部材に対して開閉部材を閉じた位置に配したときには、図3(a)に示すように、可動側カム4の凸部4bが固定側カム5の傾斜面5dの途中位置に配されるように固定側カム5と可動側カム4の軸部3の軸線回りの相対位置関係が設定されている。
【0027】
上記固定側カム5の傾斜面5dの途中位置に可動側カム4の凸部4bが差し掛かった上記相対位置関係においては、図2に示されているように軸部3が実線の位置にきたとき、前記軸部3の断面の一方の短辺3bが摩擦板11の切欠き11bに位置し、また、もう一方の短辺3bが開口部11aに位置するようにそれらの位相が設定されている。
このときには、それ以外の位置において生じていた摩擦板の弾性変形がほぼ完全に解除され、軸部3と摩擦板11間には摩擦力がほとんど働かないトルクフリーの状態になる。この場合、本体部材21を閉じる方向に揺動させる閉じ力は、摩擦力によるブレーキを受けることなく、ほぼ付勢手段から作用された大きさのまま働くことになる。
また、該係合を離脱するときの初期摩擦は大きいので、安定に閉じた位置に停止させられる。
【0028】
なお、図4は、軸部の回動範囲を規制するストッパ板13を示すもので、このストッパ板は軸部を挿通する孔部の一部に凸部13aが設けられている。また、軸部は、このストッパ板13に挿通する部分が断面半円状に形成され、図4のAで示した位置とBで示した位置との間で回動できるようになっている。また、ストッパ板を用いることにより、特定の角度以上では完全に回動できなくなり、過大な開き力によるヒンジ装置の破損を防止することが可能になる。
【0029】
このように構成された本実施形態に係るヒンジ装置の作用について、以下に説明する。
まず、例えば、本実施形態のヒンジ装置を取り付けた電子手帳の開閉部材23を本体部材21に対して閉じた位置(図5中の位置I)に配すると、上述したように可動側カム4の凸部4bが、固定側カム5のカム面5aの傾斜面5dの途中位置に配される(図3(a)参照)。この場合、固定側カム5は、付勢手段6の付勢力によって、可動側カム4の方向に常時付勢されているので、凸部4bは傾斜面5dに沿って凹部5bに係合するように案内される。その結果、この位置Iでは、開閉部材23には本体部材21に向けて閉じる方向のトルクが印加され続けることになり、特別なロック機構が無くても開閉部材23が本体部材21に対して閉じた状態に保持されることになる。
【0030】
次に、本体部材21に対して開閉部材23を開く方向に力を加え、その力が付勢手段6により発生している上記トルクを超えると、可動側カム4の凸部4bが傾斜面6dを上る方向に回転させられる。そして、一定角度回転されると、凸部4bが傾斜面5dから外れて摩擦面5cに乗り上げるので、もはや開閉部材23を閉じる方向へのトルクは作用せず、外力が印加されない限り開閉部材23は本体部材21に対して停止した状態に保持される(図5の位置IIIおよび図3(b)参照)。
【0031】
この場合において、本実施形態に係るヒンジ装置では、摩擦板11が、軸部3の外周面に圧接状態に配されているので、両者間に摩擦力が発生し、本体部材21に対する開閉部材23の相対的な揺動動作が制限されることになる。すなわち、開閉部材23は、本体部材21に対する任意の相対揺動角度位置において、軸部3と摩擦板11との間に生じた摩擦力により停止状態に保持されることになり、使用者の所望の位置(図5の位置IIから位置IIIの間)に開閉部材23を停止しておく、いわゆるフリーストップ機構が達成されることになる。
【0032】
さらに、本実施形態に係るヒンジ装置では、開閉部材23を本体部材21に対して閉じる方向に力を加え、その力により発生するトルクが、摩擦板11と軸部3との間の摩擦力により生ずるトルクよりも大きくなると、開閉部材23が本体部材21に対して閉じられる方向に揺動させられることになる。
【0033】
そして、可動側カム4が開閉部材23と一体的に回転させられて、その凸部4bが固定側カム5の傾斜面5dに差し掛かると(図5の位置IIおよび図3(b)参照)、図2の実線で示されているように、軸部3の断面の一方の短辺3bが摩擦板11の切欠き11bに位置し、また、もう一方の短辺3bが開口部11aに位置するようにそれらの位相が設定されており、それ以外の位置における軸部3と摩擦板11との圧接状態がほぼ完全に解除され、軸部3と摩擦板11間には摩擦力がほとんど働かないトルクフリーの状態になる。この場合、本体部材を閉じる方向に揺動させる閉じ力は、摩擦力によるブレーキを受けることなく、ほぼ付勢手段から作用された大きさのまま働くことになる。
【0034】
すなわち、可動側カム4の凸部4bが傾斜面5dに沿って凹部5bとの係合位置まで回転されようとするときに、その回転を拘束していた摩擦力が解除されるので、可動側カム4の固定側カム5に対する回転動作、すなわち、開閉部材23の本体部材21に対する回転動作が滑らかに実施され、開閉部材23が、付勢手段6の付勢力によって、図3(a)に矢印で示すように、自動的に本体部材21に対して閉じた位置(位置I)に自動的に移動させられかつ保持されることになる。
【0035】
したがって、本実施形態に係るヒンジ装置によれば、特別なロック機構を用いることなく開閉部材23を本体部材21に対して閉じた状態に保持できるので、両部材の一部にデザイン上および使用上の障害物となる突起が形成されることがない。また、開閉部材23を本体部材21に対して閉じるときに、ある程度まで閉じると、固定側カム5の傾斜面5dと付勢手段6とによって自動的に閉じるようにトルクが発生するので、使い勝手が非常によい。さらに、開閉部材23を本体部材21に対して一定角度以上に開くと、摩擦片11と軸部3との間に生ずる摩擦力によって、開閉部材23を本体部材21に対して任意の角度位置に保持することができる。
また、摩擦板11を板ばね部材によって構成しているので、軸部3回りの半径方向の寸法を最小化することができ、厚さの薄い装置、特に、軽量化の必要な携帯装置または携帯用品に適用することができる。
【0036】
また、固定側カムを付勢手段により可動側カムに向けて付勢し、固定側カムに凹部を可動側カムに凸部を設けることにしたが、これらは、いずれの側のカムに設けられていても良い。さらに、電子手帳のヒンジ装置として使用する場合を例に挙げて説明したが、携帯電話等の他の任意の製品に組み込んで使用することも可能であることは言うまでもない。
【0037】
以下、本発明の第2の実施例を図6を参照して説明する。
本実施形態に係るヒンジ装置は、図示していない部材に固定可能な固定側ブラケット15と、該固定側ブラケット15に対して回動自在に軸支した直棒状の可動軸16と、固定側ブラケット15に固定され、可動軸16に圧接して該可動軸16の揺動の際に摩擦力を付与する複数枚重ねられた平板状の摩擦板17とを具備している。
【0038】
図1の実施例との主な差異は、図6においては、位置決め手段としての側面カムがないことと2つの側面カムを圧接する付勢手段がないことである。
【0039】
可動軸16の図示していない揺動させたい部材(揺動部材)を外嵌させる部分には、その側面を長手方向に平行に切り欠いた二面部(回転係止手段)が設けられている。また、該揺動部材には、可動軸16の二面部の設けられた部分に外嵌する、二面部の設けられた可動軸16の断面形状と略同等の断面形状を有する中心孔が設けられているので、揺動部材は可動軸16に対して相対揺動することなく可動軸16とともに揺動する。
【0040】
本実施例においても、図1の実施例の場合と同様に、トルクの大きさは前記摩擦板の枚数等により決まるので、該枚数等を変更する事により容易にトルクの大きさを調整できることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るヒンジ装置によれば、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】
(1)軸部の外周面と摩擦板の孔部の内周部との間に働く摩擦力により、第1の部材と第2の部材とが、任意の相対揺動角度において停止可能であるばかりでなく、摩擦板の枚数を変えることで全体の摩擦力の大きさを容易に調整することができる。
(2)その結果、部材に応じた、摩擦力の設定が可能になるとともに、部材の揺動と停止の高い安定性を有することになる。
(3)また、摩擦板の設計により摩擦板がたとえ小さくとも必要とされる摩擦力を持たせることも可能になるので、摩擦板の小型化により、ヒンジ装置全体の小型化が可能になる。
(4)特別なロック機構を設けずに開閉部材を本体部材に対して閉じた状態に保持することことができる。
(5)使用者が使用を終えた後に、本体部材に対して開閉部材をある程度まで閉じれば該開閉部材が完全に閉じる位置まで自動的に移動するので、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明に係るヒンジ装置の一実施形態を示す正面図である。(b)図1(a)の平面図である。
【図2】 図1のヒンジ装置の軸部を圧入した状態の摩擦板を示す拡大図である。
【図3】 (a)図1のヒンジ装置のカムの動作を説明するための拡大図である。(b)可動側カムが軸部回りに回転した状態を示す、図3(a)と同様の拡大図である。
【図4】 図1のヒンジ装置におけるストッパ板の拡大図である。
【図5】 図1のヒンジ装置の動作を説明するための側面図である。
【図6】 本発明に係るヒンジ装置の別な実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 可動側ブラケット
2 固定側ブラケット
3 軸部
4 可動側カム(第1のカム)
5 固定側カム(第2のカム)
6 付勢手段
11 摩擦板
11b 切欠き
13 ストッパ板
21 本体部材(第2の部材)
23 開閉部材(第1の部材)

Claims (5)

  1. 第1の部材と第2の部材とを相対揺動可能に連結するヒンジ装置であって、
    該第1の部材と第2の部材との揺動中心に沿って配置され、これら第1の部材または第2の部材のいずれか一方の部材に対して固定される柱状の軸部と、他方の部材に対して固定され、複数枚重ねられた平板状の摩擦板とを具備し、これら摩擦板を軸部が貫通するとともに、各摩擦板は、軸部を貫通させる孔部が該軸部よりも小径に形成され、軸部が圧入されたときに拡径され、その復元力によって軸部との間に摩擦力を生じさせるばね部材であることを特徴とするヒンジ装置。
  2. 前記摩擦板には、孔部の一部を開口状態とするスリット部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
  3. 前記ヒンジ装置が、さらに、
    前記第1の部材に対して固定される第1のカムと、
    前記第2の部材に取り付けられ、前記第1のカムのカム面に接触させられるカム面を有する第2のカムと、
    該第2のカムの前記第2の部材に対する相対回転を係止する回転係止手段と、
    該第2のカムのカム面を前記第1のカムのカム面に向けて付勢して両カム面を圧接状態に保持する付勢手段と、
    前記第1、第2のカムのカム面に設けられ、前記第1の部材と第2の部材とが所定の相対角度位置に配されたときに相互に係合して両部材を位置決め状態に保持する少なくとも1対の凹部と凸部とからなる位置決め手段と
    を有することをを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒンジ装置。
  4. 前記凹部の、前記凸部に対する相対移動方向の少なくとも一側に、前記凸部を該凹部との係合位置に案内する斜面よりなる傾斜部を具備していることを特徴とする請求項3に記載のヒンジ装置。
  5. 前記摩擦板には、前記スリット部と対向する孔部の内周位置に切欠きが形成されるとともに、前記軸部の外周部には、孔部の内周に接する接触部と非接触部とが回転中心を中心として点対称に一対ずつ設けられ、前記凸部が前記傾斜部の位置に配されたときに、前記軸部の接触部が前記摩擦板のスリット部と切欠きに配置されるように、摩擦板と、軸部と、第1のカムと、第2のカムとの相対位置が設定されていることを特徴とする請求項4に記載のヒンジ装置。
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