JP4084237B2 - ゲーム提供システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲーム提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネット網を介してゲームを提供することも行われるようになってきたが、さらに、ゲーム結果に応じ、ゲーム参加者に報償を与えるインターネット網を用いたゲームシステムも検討されつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、純粋に結果に伴う報償を伴うゲームを主たる提供サービスとしているカジノシステムだけでなく、商品などの知名度を向上させるべくゲーム(この場合には単なる抽選を含む)を顧客吸引力の一環に利用する景品システムなどが検討されつつある。
【0004】
インターネット網を利用したこのようなカジノシステムや景品システムの場合、ゲーム参加者毎に、当たり外れを変える必要があるが、ゲーム参加者毎に、当たり外れを変えるシステムを構築運営する場合、単純には、大きく分けて、2つの方式が考えられる。
【0005】
第1は、抽選に使用されるソフトウェア(以下、抽選ソフトと呼ぶ)を含めてゲームソフトウェアを個々のクライアント端末(ゲーム参加者の端末)に配信し、クライアント端末上でゲームを実行させ、抽選結果としての当たり外れを、システム運営者のホストコンピュータ(以下、サーバと呼ぶ)に送信させてサーバ側で認証する方式である。
【0006】
第2は、抽選ソフトをサーバが常備し、クライアント端末がゲームの結果(抽選結果)を含む演出データをサーバにアクセスして取り出し、クライアント端末がその結果になるようにゲームを演出する方式である。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−198611号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した2つの方式は一長一短があり、共に、満足できないものであった。第1の方式は、個々のクライアント端末上で抽選ソフトが起動されるため、システム運営者のサーバの負担が最小で済み、サーバの能力が小さくても、多数のクライアントに対応できるという利点を有する反面、サーバに届いた当たり外れ(抽選結果)の認証における安全性を確保しなければならないという課題を有するものである。すなわち、クライアント側で不正に当たりを偽造したり、クライアント側が虚偽の申告をして不正な利益を得る可能性が高いものとなってしまう。
【0009】
一方、第2の方式は、安全性の確保という点からは不正がし難いという利点を有する反面、クライアントの数に比例して、サーバの通信能力及び処理能力を拡張する必要があり、多数のクライアントを考慮した場合には、設備が大規模になって設備投資が膨大になるという課題がある。
【0010】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、抽選結果に対する安全性を高くし、クライアントが多数になってもサーバ側の設備規模を抑えることができるゲーム提供システムを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、ゲーム提供装置3が複数のクライアント端末2へ通信網1を介して、賭け時間、ゲーム演出表示時間の時間割りができているゲームを提供するゲーム提供システムにおいて、ゲーム提供装置は、今回のゲーム結果を賭け時間の終了時点より所定時間だけ前に抽選で定め、各クライアント端末は、賭け時間においてゲーム結果に対する投票を行い、ゲーム提供装置は、賭け時間中にも、各クライアント端末による投票が、抽選で定めたゲーム結果と合致しているか否かに基づく処理を行うことを特徴とする。
【0012】
ここで、ゲーム提供装置が、今回のゲーム結果を抽選で定める時点が、賭け時間の開始時点より前であることが好ましい。また、各クライアント端末は、ゲーム演出表示時間の開始時刻になると自動的にゲーム演出を開始し、ゲーム提供装置は、ゲーム演出表示時間の開始時刻以降に、抽選で定めたゲーム結果や、投票に対する得失などの情報を各クライアント端末に送信することが好ましい。
【0013】
第2の本発明は、ゲーム提供装置が複数のクライアント端末へ通信網を介してゲームを提供するゲーム提供システムにおいて、ゲーム提供装置は、各クライアント端末に係るクライアントについて参加資格者としての登録時又はゲーム参加申込み時の認証で正当という結果を得たときには、少なくともゲーム演出表示用の基本ソフトウェアをクライアント端末に送信し、ゲーム提供装置は、各回のゲーム結果を抽選で定めた以降、抽選で定めたゲーム結果や、クライアント端末による投票に対する得失などの結果に応じた演出パターンの特定情報を各クライアント端末に送信し、各クライアント端末は、ゲーム演出表示用の基本ソフトウェアによるゲーム演出表示内容を、演出パターンの特定情報に基づき設定することを特徴とする。
【0014】
ここで、各クライアント端末は、ゲーム演出表示開始時刻になると、ゲーム演出表示用の基本ソフトウェアによるゲーム演出表示を自動的に開始し、その後、ゲーム提供装置から与えられた演出パターンの特定情報に基づきゲーム演出表示内容を設定し直すことが好ましい。
【0015】
上記発明においては、所定のゲームを管理するゲーム提供装置と該ゲーム提供装置に接続されたクライアント端末とを備えるゲーム提供システムであって、所定のゲーム(例えば、競馬,陸上又は競泳などの競争の結果を予測するマスゲーム)は、クライアント端末から入力された予想結果(例えば、勝ち馬予想)と特定のゲーム結果との照合結果に基づいて所定の利益(例えば、配当金)を付与するものであり、ゲーム提供装置は、照合結果に応じた演出画像を含む画像情報を予め記憶し、クライアント端末から受信したクライアント端末を特定するための特定情報(例えば、投票情報)に基づいて、特定情報の正当性の認証を実行し、特定情報が正当である場合には、画像情報をクライアント端末に送信し、所定のゲームが開始された後に、特定のゲーム結果、予想結果と特定のゲーム結果との照合結果、又は該照合結果に応じた演出画像を含むゲーム情報を画面に表示させるための指示命令(例えば、指示情報)を前記クライアント端末に送信し、クライアント端末は、ゲーム提供装置から受信した前記画像情報を記憶し、ゲーム提供装置から受信した指示命令に基づいて、記憶した前記画像情報の中から、該指示命令に対応するゲーム情報を取得し、取得した該ゲーム情報を画面に表示することが好ましい。
【0016】
また、ゲーム提供装置は、ゲームに参加可能な参加時間(例えば、賭け時間)を管理しており、該参加時間が経過した後に上記指示命令をクライアント端末に送信することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態以下、本発明のゲーム提供システムを図面を参照しながら詳述する。なお、実施形態の技術思想が適用可能なマスゲームは、競馬や陸上や競泳などの競争の結果を予測するマスゲームや、ルーレットなどの競争に関係しないマスゲームのいずれでも良い。以下の説明においては、マスゲームが競馬予想ゲームとして行う。
【0018】
(A−1)実施形態の構成図1は、ゲーム提供システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、ゲーム提供システムは、通信媒体としてのインターネット網1と、クライアントがゲームを実際に楽しむ入出力装置としてのクライアント端末2と、ゲームの提供を運営するゲーム提供運営者に係るゲーム提供装置3とを基本要素としている。
【0020】
なお、図1ではクライアント端末2を1台しか表していないが、これは説明を簡略化するためであり、現実に運用されるシステムには非常に多くのクライアント端末が接続される。
【0021】
クライアント端末2には少なくとも、インターネット網1に接続するための機能(通信部)と、指示等を入力するための機能(入力部)と、ゲームや抽選結果を表示するための機能(表示部)の実現構成が搭載されている。このクライアント端末2としては、コンピュータ端末(表示機能を含む)、インターネット機能付きのゲーム端末、インターネット機能付きの携帯電話機、インターネット機能付きの携帯情報端末、家電製品その他に内蔵されたインターネット専用端末と表示機能(例えば、テレビジョン受像機)との複合端末などのいずれでも良い。
【0022】
なお、クライアント端末2とインターネット網1との接続には、モデム、ターミナルアダプタ、ルータ等を用いれば良い。また、クライアント端末2とインターネット網1との接続は有線接続(電話回線、ISDN回線、ケーブルテレビ回線等)に限らず、無線接続の場合も考えられる。
【0023】
ゲーム提供装置3は、サーバ3A、モニタ3B、個人情報データベース3C、ゲーム関連データ記憶部3D、参加中クライアントデータベース3Eその他をバスを介して接続してなる。図1は概略構成であるので図示されていないが、必要に応じてプリンタやキーボード等の入出力装置が配置される。
【0024】
なお、図1では、ゲーム提供装置3がルータを介してインターネット網1に直接接続されている構成を表しているが、個人情報の保護や抽選の公平性を保つためのファイアーウォールが適当な位置に配置されていても良い。
【0025】
サーバ3Aは、例えば、サーバ機能を備えるコンピュータ装置で構成されている。サーバ3Aは、ゲームの提供に係る必要な一連の処理機能部(図2参照)10や、通信機能部20を有するものである。負荷の分散を図るべく特定の機能部(例えば通信機能部)を専用のサーバに委ねるようにしても良い。
【0026】
なお、サーバ3Aが実行する各種機能用のプログラムは、サーバ3Aに内蔵記憶されていても良く、ゲーム関連データ記憶部3Dから適宜ローディングするものであっても良い。
【0027】
図2において、登録機能部11は、競馬予想ゲームに参加し得る参加資格者を個人情報データベース3Cに登録するためのものである。例えば、一旦登録すると、任意のタイミングで競馬予想ゲームに参加できる。
【0028】
認証機能部12は、個人情報データベース3Cにアクセスして参加者を特定したり、参加資格を有するか否かを判定したりする機能である。参加者の認証は、例えば、クライアント端末2から競馬予想ゲームの参加が申し込まれたときに行われる。この実施形態の場合、認証機能部12は、認証終了後における、勝ち馬投票プログラム(固定データなどを含む)やレース画像演出表示プログラム(固定データなどを含む)のクライアント端末2への発送処理も行う。
【0029】
また、認証機能部12は、各レース毎に、クライアント端末2から後述する勝ち馬予想及び賭け金が与えられた場合にも、その情報に係るクライアントの認証を行うものである。ここで、勝ち馬投票プログラムやレース画像演出表示プログラムは、例えば、ゲーム関連データ記憶部3Dに記憶されていて、発送必要時にゲーム関連データ記憶部3Dから取り出されて発送される。
【0030】
勝ち馬投票プログラムは、例えば、クライアントが指定する勝ち馬予想(例えば、単勝、枠連、連番、ワイドの種類)とそれに対する賭け金などを取り込むためのソフトウェアであって、さらに、レース毎にサーバ3Aからクライアント端末2へ送られてくる出走馬やオッズの表示機能をも担っている。
【0031】
レース画像演出表示プログラムは、レースを演出するための基本的なソフトウェアであって、実際の演出表示内容は、当該プログラムが自動的に定めたり(レース開始直後)、レース毎にサーバ3Aからクライアント端末2へ送られてくる演出パターンなどの指示情報に従って、当該レース画像演出表示プログラムが実行されることで適宜定まったり変更されたりするものである。レース画像演出表示プログラムと演出パターンとの関係は、例えば、パチンコ遊技機で利用されている方法を適用できる(一例を挙げれば特願平11−244279号明細書及び図面参照)。
【0032】
レース段階制御機能部13は、抽選を含めたレース段階に応じたゲーム処理を制御する機能である。例えば、各レースは、大きくは、出走馬やオッズなどをクライアント端末2に配送する段階、クライアントによる勝ち馬予想及び賭け金を取り込む段階(以下、賭け時間又は賭け段階と呼ぶ)、レースそのものの演出表示段階、そのレースの決済を表示する段階などに分かれる。
【0033】
レース段階制御機能部13によるこれら各段階での制御内容は、後述する動作で明らかにする。抽選機能部14は、乱数抽選により、勝ち馬を含めた着順を決定するものである。ここで、乱数が取り得る範囲を、例えば、単勝オッズに応じて分割し、取り出した乱数がどの範囲に属するかによって、勝ち馬などを順次決定していく。
【0034】
なお、着順決定に、乱数抽選方式を採用する理由は公平性を担保するためである。また、抽選機能部14は、決定された着順に基づいて、例えば、ゲーム関連データ記憶部3Dからレース演出パターンを取り出すことも行う。なお、抽選機能部14による乱数抽選は、レース毎の出走馬の決定などにも利用される。
【0035】
この実施形態の場合、賭け時間の前に予め抽選を行って着順を決定すること、言い換えると、前段判定方式の抽選システムを採用していることに大きな特徴を有するものである。
【0036】
抽選結果処理機能部15は、レース毎に、その抽選結果やクライアントの投票(勝ち馬予想及び賭け金を決定することを投票とも呼ぶ)に応じ、各クライアントへの配当額(0を含む)を決定し、参加中クライアントデータベース3Eの後述する当日累積決済額を、配当額や賭け金に応じて更新すると共に、各クライアント端末2には、抽選結果(勝ち馬)や、今回のレースでの決済情報や、レース演出のパターン情報を発送するものである。
【0037】
個人情報管理機能部16は、個人情報データベース3Cに記憶している参加資格者の各種情報(図3参照)を管理する機能である。決済機能部17は、各クライアントについての決済日に、個人情報データベース3Cの累積決済額を決済するようにさせるものである。
【0038】
累積決済額がプラスであれば、そのクライアントの決済機関に入金処理し、累積決済額がマイナスであれば、そのクライアントの決済機関から引き落とす処理を行う。ここで、例えば、累積決済額がプラス用の決済機関が銀行であり、累積決済額がマイナス用の決済機関がクレジットカード会社のように、1クライアントが複数の決済機関を指定するものであっても良い。
【0039】
なお、後述する動作説明では決済方法を限定して行っているが、この実施形態は、決済方法そのものには特徴はなく、決済方法としていずれを適用しても良い。例えば、賭け金に係る決済と配当に係る決済とを別個に行うものであっても良い。賭け金については、予めコンビニエンスストアなどに入金されたものなどから引き落とすようにしても良い。
【0040】
通信機能部20は、各クライアント端末2との通信機能を実行するものであり、ソフトウェア及びハードウェアの双方で構成されているものである。モニタ3Bは、レース処理の進行状況等をゲーム運営者が監視するために設けられているものである。
【0041】
個人情報データベース3Cは、図3に示すように、認証番号、パスワード、メールアドレス、氏名及び住所などのクライアント個人の特定情報の他、累積決済額や決済方法(決済機関や決済日など)などの決済に関する情報や、当たりの履歴やゲーム参加履歴(回数や参加日)など履歴情報等を保存するものである。
【0042】
ゲーム関連データ記憶部3Dは、サーバ3Aの各機能部が処理を実行するためのプログラムやデータ、クライアント端末2に配信するプログラムやデータなどを格納しているものである。
【0043】
参加中クライアントデータベース3Eは、レコード構成の図示は省略しているが、その時点でゲームに参加している全てのクライアントの情報を格納しているものである。この格納情報の一部(個人特定情報)は、個人情報データベース3Cから転送されて設定され、その他、参加中クライアントデータベース3Eは、今回のゲーム申込み(ゲーム参加)での累積決済額(以下、当日累積決算額と呼ぶ)や履歴情報などを格納する。
【0044】
個人情報データベース3Cやゲーム関連データ記憶部3Dや参加中クライアントデータベース3Eは、具体的には、ハードディスクや読み書き可能な光ディスク等が使用される。
【0045】
(A−2)本実施形態に係るゲーム提供システムの処理動作を説明する。
【0046】
(A−2−1)参加資格者の登録この実施形態の場合、競馬予想ゲームの参加を希望する者(クライアント)は、予め参加資格を有する者として登録をしておくことを要する。
【0047】
クライアントがクライアント端末2を用いて、ゲーム提供装置3のホームページにアクセスすると、ゲーム提供装置3は、図4に示すような「登録」アイコン及び「ゲーム参加」アイコンを含むホームページをクライアント端末2に送信してクライアント端末2上に表示させる。
【0048】
登録しようとするクライアントは、「登録」アイコンをクリックする。このとき、クライアント端末2上に、参加資格者として登録に必要な情報の入力画面(図示せず)が表示され、クライアントは必要情報を入力してゲーム提供装置3に送信する。なお、上述した登録用の入力画面(のデータ)は、当初のホームページの情報の送信時に合わせてゲーム提供装置3が送信しておいても良く、「登録」アイコンがクリックされてからゲーム提供装置3が送信するようにしても良い。
【0049】
登録用情報が与えられたゲーム提供装置3のサーバ3A(登録機能部11)は、図5のフローチャートに示すように、まず、与えられた登録用情報に登録すべき必要最低限の情報が含まれているかを確認し(ステップS1)、その後、決済方法に係る決済機関にそのクライアントの正常性の確認や決済の許可を求める送信を実行し(ステップS2)、その返答内容、すなわち、決済が認められるクライアントか否かを判別する(ステップS3)。
【0050】
決済が認められるクライアントであれば、そのクライアントに認証番号を付与し、個人情報データベース3Cに登録してクライアント端末2に登録終了(認証番号を含む)を返信する(ステップS4)。これに対して、クライアント端末2から与えられた情報に必要最低限の情報が含まれていない場合や決済機関から決済が拒否された場合には、登録できない旨を理由を付けて返信する(ステップS5)。
【0051】
登録終了が返信されたクライアント端末2では、認証番号を含む登録終了を表示し、その表示画面に「ゲーム参加」アイコンも表示させる。なお、この際、ゲーム参加申込み時には、認証番号の入力が必要となるので、控えておくことを指示する。
【0052】
(A−2−2)ゲーム参加申込み参加資格者としての登録を行っているクライアントが競馬予想ゲームに参加する場合には、クライアント端末2に表示されている「ゲーム参加」アイコンをクリックする。上述したように、「ゲーム参加」アイコンは、ゲーム提供装置3から取り出した直後のホームページや、登録終了を通知する表示画面に含まれている。
【0053】
このとき、クライアント端末2上に、ゲーム参加申込み時の認証に必要な情報の入力画面が表示され、クライアントは必要情報(認証番号を含む)を入力してゲーム提供装置3に送信する。なお、上述した認証用の入力画面(のデータ)は、当初のホームページの情報の送信時や登録終了通知の送信時に合わせてゲーム提供装置3が送信しておいても良く、「ゲーム参加」アイコンがクリックされてからゲーム提供装置3が送信するようにしても良い。
【0054】
認証用情報(ゲーム参加申込み情報)が与えられたゲーム提供装置3のサーバ3A(認証機能部12)は、図6のフローチャートに示すように、まず、与えられた認証用情報に認証の必要な最低限の情報が含まれているかを確認し(ステップS11)、その後、個人情報データベース3Cの格納内容を参照してゲーム参加を許可し得るクライアントか否かを判別する(ステップS12)。なお、この判別時においても、適宜決済機関との情報授受を行って決済面からの問題がないクライアントであることを確認するようにしても良い。
【0055】
サーバ3A(認証機能部12)は、ゲームに参加し得るクライアントであることを認証すると、参加中クライアントデータベース3Eにそのクライアントのレコード(なお、当日累積決済額は0)を確保し(ステップS13)、勝ち馬投票プログラム及びレース画像演出表示プログラムを含む参加許可通知をクライアント端末2に返信する(ステップS14)。
【0056】
このとき、クライアント端末2は、内部に勝ち馬投票プログラム及びレース画像演出表示プログラムをローディングし、また、参加許可を表示した後、レースの待機中の画面(例えばレース画像演出表示プログラムによる画面)を表示させる。
【0057】
なお、参加中クライアントデータベース3Eにそのクライアントのレコードを確保することは、ゲーム提供装置3が実行する各レースについて情報を授受する(通信を実行する)クライアント端末2であることを意味する。
【0058】
これに対して、サーバ3A(認証機能部12)は、参加申込み情報に認証に必要な情報が含まれていない場合や、認証の結果、ゲームに参加し得ないクライアントであるという結果を得ると、参加拒否通知をクライアント端末2に返信する(ステップS15)。
【0059】
なお、上記説明では、ゲーム提供装置3が、勝ち馬投票プログラム及びレース画像演出表示プログラムを、ゲーム参加申込み時の認証終了後にクライアント端末2に送信するものを示したが、参加資格者としての登録処理の終了時に、ゲーム提供装置3が、勝ち馬投票プログラム及びレース画像演出表示プログラムをクライアント端末2に送信し、クライアント端末2が固定的に記憶するようにしても良い。
【0060】
(A−2−3)1レースの処理次に、クライアント端末2及びゲーム提供装置3における1レースでの処理を、図7のシーケンス図を参照しながら説明する。なお、図7では、クライアント端末2を1個で示しているが、ゲーム提供装置3との通信を行うクライアント端末2は、ゲームに参加中の全てのクライアント端末2である。
【0061】
ゲーム提供装置3のサーバ3A(レース段階制御機能部13)は、前回のレース処理終了時におけるタイマの設定時間が経過すると、新たなレース処理に移行し、まず、出走馬(出走数を含む)及びオッズを決定する(ステップS21)。例えば、出走馬の決定には、抽選機能部14の乱数抽選機能を利用する。また、例えば、ゲーム関連データ記憶部3Dに、馬毎の能力情報(例えば8頭立ての単勝でのオッズ)を記憶しておき、出走馬に決定された馬の能力情報から全てのオッズを決定する。
【0062】
サーバ3A(レース段階制御機能部13)は、出走馬及びオッズを決定すると、それら情報に投票し得る時間(賭け時間)の情報を付加して、参加中の全てのクライアント端末2に一斉配信する(ステップS22)。この一斉配信は、パケットの同報通信機能(マルチキャスト機能)などを利用する。その後、サーバ3A(レース段階制御機能部13)は、賭け時間の開始前に、抽選機能部14を機能させて、着順(勝ち馬)を決定する(ステップS23)。なお、ステップS22及びS23の処理順序は、上記説明の逆であってもかまわない。
【0063】
出走馬及びオッズなどの情報が与えられたクライアント端末2は、出走馬及びオッズ、並びに、賭け時間の開始時刻を表示させる(ステップS24)。そして、賭け時間の開始時刻になると、クライアント端末2は、賭け時間の終了時間までの間で、クライアントによる勝ち馬予想(単勝、複勝などの種類を含む)及び賭け金(投票)を取り込み、「確定」アイコンのクリックにより、当該クライアント端末2の特定情報と共にゲーム提供装置3に送信する(ステップS25)。クライアント端末2におけるこのような処理は、予め配信された勝ち馬投票プログラムに従って実行される。
【0064】
サーバ3A(レース段階制御機能部13)は、各クライアント端末2から、勝ち馬予想及び賭け金などを含む投票情報が与えられると、まず、認証機能部12によって正当な投票(クライアントが正当、賭け金が正当)であることを認証させ(ステップS26)、さらに、抽選結果処理機能部15によって、抽選結果(着順)及びオッズと、クライアント端末2からの勝ち馬予想及び賭け金とから、配当額を決定し、配当額から賭け金を減じた金額だけ、参加中クライアントデータベース3Eの当日累積決済額を更新させる(ステップS27)。
【0065】
クライアント端末2においては、賭け時間が終了すると、レース画像演出表示プログラムが自動的に起動して、レースの演出表示が開始される(ステップS28)。
【0066】
一方、ゲーム提供装置3のサーバ3A(レース段階制御機能部13)は、賭け時間が終了すると、各クライアント端末2についての抽選結果(着順)、配当額、当日累積決済額、及び、演出パターンなどでなる予想結果情報をパケットにして個々のクライアント端末2に連続的に一斉に配信する(ステップS29)。そして、次のレースに係る処理を開始するまでの待機時間用タイマを起動する(ステップS30)。
【0067】
なお、演出パターンは、当たり、外れの2種類でも良いが、当たり時用の演出パターンとしても倍率の大小で切り替えるようにしても良く、また、外れ時用の演出パターンとしても抽選結果(着順)と勝ち馬予想との差異の大小に応じて切り替えるようにしても良い。
【0068】
また、抽選結果(着順)は、全てのクライアント端末2に対して同一の情報である。そのため、抽選結果(着順)については、全てのクライアント端末2に対する一斉同報通信(一斉放送通信)を利用するようにしても良い。
【0069】
クライアント端末2は、予想結果情報を受信すると、表示中のレース内容を演出パターンに従った演出で表示するレース内容の状態に切り換え(ステップS31)、ゴール後については、抽選結果(着順)、配当額、当日累積決済額を所定時間だけ表示させ、その後、次のレース処理の待ち受け画面を表示する(ステップS32)。
【0070】
なお、抽選結果(着順)に応じたゴールまでの表示は、全てのクライアント端末2で同じにしておき、ゴール後における表示を当たり外れなどで、クライアント端末2毎に演出表示するようにしても良い。
【0071】
(A−2−4)ゲーム終了処理クライアント端末2が表示している次のレース処理の待ち受け画面には、ゲーム参加終了を指示する「参加終了」アイコンが含まれており、ゲームの参加を終了するクライアントは、「参加終了」アイコンをクリックし、これにより、クライアント端末2は、参加終了をゲーム提供装置3に通知する。
【0072】
このとき、ゲーム提供装置3のサーバ3A(レース段階制御機能部13)は、図8に示すように、参加中クライアントデータベース3Eにおけるそのクライアントのレコードの情報うち、当日累積決済額を、個人情報データベース3Cのそのクライアントの累積決済額に積算し(ステップS41)、また、参加中クライアントデータベース3Eにおける履歴情報に応じて個人情報データベース3Cの履歴情報も更新し(ステップS42)、その後、参加中クライアントデータベース3Eから、そのクライアントのレコードを削除する(ステップS43)。
【0073】
(A−2−5)決済処理ゲーム提供装置3のサーバ3A(決済機能部17)は、例えば、日付が変わると、図9に示すように、新たな日にちを決済日としているクライアントを個人情報データベース3Cから取り出しては、その決済方法に従って、累積決済額を決済する(ステップS52、S53)。
【0074】
このとき、個人情報データベース3Cの累積決済額は0クリアされる。そして、新たな日にちを決済日としている全てのクライアントに対する決済が終了すると、一連の決済処理を終了する(ステップS51)。
【0075】
なお、上記では、賭け金と配当額とを融合させて累積決済額として処理するものを示したが、賭け金と配当額とを別個に集計処理しておき、決済時に、これらをまとめて処理するようにしても良い。また、賭け金は、前払い方式の決済方法を採用し、配当額についてのみ後払い方式の決済方法を採用するようにしても良い。
【0076】
実施形態によれば、賭け時間前に予め抽選(着順決定)が行われ、賭け時間中に、各クライアント端末からの投票に応じた配当額の決定や集計を行って、投票結果に応じた情報をレース開始時から、各クライアント端末2に一斉して配信できるので、ゲーム提供装置3の負担が非常に小さくてすむ。
【0077】
なお、クライアント端末2において、レースの演出表示で時間稼ぎをできるので、レース途中に、投票結果に応じた情報に到達して演出表示を切り換えても、到達後の演出表示時間をかなり確保できるので、表示を見ていたクライアントに違和感を抱かせることはない。
【0078】
また、上記実施形態によれば、ゲーム参加申込み時(や参加資格者としての登録時)に、勝ち馬投票プログラムやレース画像演出表示プログラムをクライアント端末2に送信しておき、各レース時間では、必要最小限の情報を、クライアント端末2とで授受するようにしたので、また、ゲーム提供装置3からクライアント端末2への送信には一斉配信を適宜利用しているので、ゲーム提供装置3の通信機能の負担は小さく、多数の参加クライアント数に応じるようにした場合であっても、通信設備の規模をかなり押さえることができる。
【0079】
すなわち、設備投資が小さくてすむ。言い換えると、大掛かりなゲーム提供装置(コンピュータ装置)3を導入しなくとも多数のクライアントに対応することができる。
【0080】
さらに、上記実施形態によれば、事前に抽選結果(着順)をゲーム提供装置3で決定しているため、クライアント側で、結果に対する不正や偽造を行うことができない。また、抽選結果(着順)のクライアント端末2への配信は、賭け時間の終了後であるので、抽選結果(着順)を見てから勝ち馬予想投票を行うような余地もない。
【0081】
(B)他の実施形態本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、以下に例示するような実施形態のものであっても良い。上記実施形態では、ネットワーク網がインターネット網であるものを示したが、他のネットワーク網であっても良い。例えば、CATV網などであっても良く、この場合には、一斉放送機能などを適用できる。
【0082】
また、上記実施形態においては、抽選(着順決定)は賭け時間前に行うものを示したが、賭け時間中であっても良い。但し、抽選(着順決定)のタイミングは、賭け時間終了時点で、投票に対する配当額などの決定、集計などを終えることができる時点であることも好ましい。同様に、投票に対する結果のクライアント端末への送信も、賭け時間の終了時点から多少遅れても良い。
【0083】
さらに、レース画像演出表示プログラムを認証時に予め送付するという第2の本発明の特徴との関係では、抽選(着順決定)は、賭け時間が終了した以降、言い換えると、レース画像の演出表示が開始された以降であっても良い。
【0084】
さらにまた、抽選(着順決定)を賭け時間の終了前に行うというような第1の本発明の特徴は、レース画像演出表示プログラムを予めクライアント端末に送信しないシステムにも適用できる。
【0085】
また、上記実施形態においては、当たり時に報酬額が払い出されるカジノシステムを意図したものであったが、当たり時に景品を与える景品抽選システムにも本発明を適用できる。この場合には、決済額の増減ではなく、景品の発送登録などが行われるが、ゲーム部分の処理は、上記実施形態と同様である。
【0086】
さらに、上記実施形態においては、全てのクライアント端末に抽選結果(着順)が共通するものを示したが、賭け時間前の時間をある程度長くとれるのであれば、クライアント端末毎に抽選(着順決定)を行うものであっても良い。
【0087】
本発明の技術思想を適用できるゲーム種類が上述した競馬予想ゲームに限定されないことは勿論である。要は、1回のゲーム処理時間が、少なくとも賭け時間、ゲーム実行時間(演出時間)、賭け結果報知時間などに分割できるゲームであれば良い。
【0088】
従って、複数のクライアントが同一ゲームを楽しむマスゲームに限定されず、例えば、スロットマシンゲームのような1人のクライアントが楽しむゲームであっても良い。例えば、スロットマシンゲームであっても、賭け時間、ゲーム実行時間(演出時間)、賭け結果報知時間などのサイクルがあるので、ゲーム提供装置3は、1台のスロットマシンゲームを複数のクライアントが遊技する状況を提供できる。
【0089】
なお、クライアントが多数になり、賭け時間内での集計処理などが困難になったり、演出時間の開始直後の抽選結果(当り図柄の組合せ)などの発信が困難になったりする状況では、クライアントを例えば2グループに分け、各グループ毎に、台が異なるスロットマシンゲームを提供するようにしても良い。このようにしても、ゲーム提供装置3での処理がグループ毎のパラレル処理に変更されるだけであり、クライアント側は、表示画像から台の相違を認識できず、違和感を抱くこともない。
【0090】
スロットマシンゲームの図柄のラインを賭け金を払って1本又は複数本選択することが賭け行為、又は、複数ラインがない場合であれば賭け金を払うこと自体が賭け行為になるが、特許請求の範囲における「ゲーム結果に対する投票」はこのような場合をも含むものとする。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、第1の本発明のゲーム提供システムによれば、ゲーム提供装置が、今回のゲーム結果を賭け時間の終了時点より所定時間だけ前に抽選で定め、各クライアント端末は、賭け時間においてゲーム結果に対する投票を行い、ゲーム提供装置は、賭け時間中にも、各クライアント端末による投票が、抽選で定めたゲーム結果と合致しているか否かに基づく処理を行うようにしたので、抽選結果に対する安全性が高い、しかも、ゲーム提供装置側の設備を、クライアントが多数になっても抑えることができるようになる。
【0092】
また、第2の本発明によれば、ゲーム提供装置は、各クライアント端末に係るクライアントについて参加資格者としての登録時又はゲーム参加申込み時の認証で正当という結果を得たときには、少なくともゲーム演出表示用の基本ソフトウェアをクライアント端末に送信し、ゲーム提供装置は、各回のゲーム結果を抽選で定めた以降、抽選で定めたゲーム結果や、クライアント端末による投票に対する得失などの結果に応じた演出パターンの特定情報を各クライアント端末に送信し、各クライアント端末は、ゲーム演出表示用の基本ソフトウェアによるゲーム演出表示内容を、演出パターンの特定情報に基づき設定するようにしたので、ゲーム提供装置側の設備を、クライアントが多数になっても抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るシステム構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のゲーム提供装置のサーバの機能の説明図である。
【図3】実施形態の個人情報データベースの構成例の説明図である。
【図4】実施形態のゲーム提供装置からの初期時のホームページの説明図である。
【図5】実施形態のゲーム提供装置における参加資格者の登録時処理を示すフローチャートである。
【図6】実施形態のゲーム提供装置における参加申込み時の処理を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の1レースでのシステム動作を示すシーケンス図である。
【図8】実施形態のゲーム提供装置における参加終了時の処理を示すフローチャートである。
【図9】実施形態のゲーム提供装置における決済時の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…インターネット網、2…クライアント端末、3…ゲーム提供装置、3A…サーバ
Claims (1)
- 所定のゲームを管理するゲーム提供装置と該ゲーム提供装置に接続された複数のクライアント端末とを備えるゲーム提供システムであって、
前記所定のゲームは、クライアント端末から入力された予想結果と特定のゲーム結果との照合結果に基づいて所定の利益を付与するものであり、
前記ゲーム提供装置は、
前記照合結果に応じた演出画像を含む画像情報を予め記憶し、前記クライアント端末から受信した該クライアント端末を特定するための特定情報に基づいて、該特定情報の正当性の認証を実行し、該特定情報が正当である場合には、当該画像情報を当該クライアント端末に送信し、
前記所定のゲームが開始された後に、当該特定のゲーム結果、前記予想結果と前記特定のゲーム結果との照合結果、又は該照合結果に応じた前記演出画像を含むゲーム情報を画面に表示させるための指示命令を当該クライアント端末に送信し、
前記クライアント端末は、
前記ゲーム提供装置から受信した前記画像情報を記憶し、前記ゲーム提供装置から受信した前記指示命令に基づいて、記憶した前記画像情報の中から、該指示命令に対応する前記ゲーム情報を取得し、取得した該ゲーム情報を画面に表示し、
さらに、前記ゲーム提供装置は前記ゲームの賭け時間の開始時刻より前に、抽選で前記ゲームのゲーム結果を決定し、投票し得る時間情報を前記クライアント端末に配信し、
前記クライアント端末は賭け時間が終了すると前記演出画像を画面に表示し、
前記ゲーム提供装置は賭け時間中の投票と認証が終了後に配当額の計算、及び当日累積決済額の更新を行い、
前記ゲーム提供装置はゲームの演出時間中に前記予想結果と前記特定のゲーム結果との照合結果の送信を行い、前記クライアント端末は、ゲームの演出時間中に前記照合結果を受信しゲーム結果に係る部分の当たり外れの演出の修正を行うことを特徴するゲーム提供システム。
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