JP4084162B2 - 試料液減圧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は試料液減圧装置に関し、特に、例えば火力発電所の高圧ボイラ水配管から試料水を採取してその水質を分析する場合などに使用される芯線挿入方式の試料液減圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電所の高圧ボイラ水配管から試料水を採取してその水質を分析する場合、高圧の試料水を一定圧力に減圧してから分析装置に導入することが行なわれるが、このとき高圧試料水を減圧するための装置として、試料水を流す試料液流通路の中に芯線を入れ、試料液流通路の内壁と芯線との間隙に試料水を通すことにより、管摩擦抵抗によって減圧を行なう芯線挿入方式の試料液減圧装置が使用されている。
【0003】
この場合、電力供給量の切替等によって高圧試料水の圧力が変動するときには、試料液流通路への芯線の挿入長さを変更して試料水を常時一定圧力に減圧する必要がある。そのため、従来、試料液流通路への芯線の挿入長さをモータ駆動により変化させ、高圧試料水の減圧量を変更して試料水の二次側圧力を一定にする試料液自動減圧装置が使用されており、このような自動減圧装置として例えば図8あるいは図9に示す構成のものが知られている。
【0004】
図8の自動減圧装置(特許文献1参照)は、一対の平行な試料液流通路102、104を穿設し、一端部に外部配管と接続するための継手106、108を設け、他端部より試料液流通路102、104内に芯線110、112を進退可能に挿通してなる第1の圧力調整管114と、第1の圧力調整管114の他端部に袋ナット116を介して液密に結合し、一端部に芯線110、112を取り付けた結合部材118を設けた摺動杆120を挿通配置するとともに、この摺動杆120の他端部側をグランドパッキン122で軸封してなる第2の圧力調整管124と、摺動杆120と平行にラック杆126を配置し、このラック杆126の端部と摺動杆120の端部とを連結部材128により結合し、ラック杆126をモータ130、減速機132により駆動して往復移動させることにより摺動杆120を介して芯線110、112の試料液流通路102、104内における位置調整を行なう制御手段とを有するものである。
【0005】
図8の自動減圧装置を用いて高圧試料水の減圧を行なう場合、第1の圧力調整管114に設けた継手106、108にそれぞれ入口配管134と出口配管136とを接続し、入口配管134から芯線110、112が挿通された試料液流通路102、104を通して出口配管136に試料水を流すもので、高圧試料水が試料液流通路102、104を通る間に管摩擦抵抗によって所定圧力に減圧されるものである。この場合、芯線110、112の試料液流通路102、104への挿入長さは、芯線102、104の一端を支持した摺動杆120にこれと平行に移動するラック杆126を取り付け、これら両杆120、126をモータ130の作動で平行に移動させることによって行なう。また、芯線102、104の前進限と後退限の位置決めは、リミットスイッチ138、140によって行なう。
【0006】
図9の自動減圧装置(特許文献2参照)は、内部に軸方向に沿って試料液の流入路202および流出路204が形成され、これら流入路202の出口206および流出路204の入口208が長さ方向一端面に設けられた圧力調整管210を具備する。また、本例の自動減圧装置は、圧力調整管210の外側に軸方向に沿って進退可能に配設された外筒212と、外筒212の基端部に取り付けられた閉塞板214と、基端部が閉塞板214の内面にそれぞれ取り付けられ、先端側が圧力調整管210の一端側から流入路202および流出路204にそれぞれ進退可能に挿入された一対の芯線216、218と、外筒212の先端部と圧力調整管210の外周との間を液密にシールするグランドパッキン220とを備えたシリンダ体222を具備する。さらに、本例の自動減圧装置は、シリンダ体222を軸方向に沿って進退させる駆動機構を具備する。この駆動機構は、外筒212の外面に軸方向に沿って取り付けられたラック224、ラック224と噛合するピニオン226、ピニオン226を回転させるモータ228、減速機230、外筒212に取り付けられたリニヤベアリング232、リニヤベアリング232が走行するリニヤガイド234、およびシリンダ体222の前進限や後退限の位置決めを行なうためのリミットスイッチ235によって構成されている。
【0007】
図9の自動減圧装置を用いて高圧試料水の減圧を行なう場合、ボイラ側の配管236を圧力調整管210の流入路202の入口238に接続し、分析装置側の配管240を流出路204の出口242に接続するとともに、モータ228を作動させてシリンダ体222を進退させることにより芯線216、218の流入路202、流出路204への挿入長さを調節する。そして、ボイラ側の配管236から流入路202に試料水を導入するもので、これにより試料水は流入路202、流出路204を順次流れ、この間に管摩擦抵抗によって予め設定した圧力に減圧される。
【0008】
また、芯線挿入方式の試料液自動減圧装置としては、上述したもののほか、図8の装置にやや類似した構造の装置であるが、図8の装置のようにラック杆を往復移動させることにより摺動杆を往復移動させるのではなく、ラック杆に相当するものとしてモータにより回転せしめられる駆動軸、摺動杆に相当するものとして回転せしめられることにより進退を行う従動軸を配し、駆動軸の回転を平歯車により従動軸に伝達して従動軸を回転させることにより、従動軸を進退させて芯線の試料液流通路内における位置調整を行なうものもある(特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特許第2510244号公報
【特許文献2】
特許第2845589号公報
【特許文献3】
特公平2−39731号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の芯線挿入方式の試料液自動減圧装置は、次のような問題点を有するものであった。
1.ラック杆と摺動杆とを平行に配し、ラック杆の直線運動を連結部材を介して摺動杆に伝達することにより、摺動杆を往復移動させて芯線の位置調整を行なう方式(図8参照)では、摺動杆が連結部材によりいわゆる片持ちされた状態となっているため、摺動扞をラック杆と平行に軸方向に沿って精度よくスムースに往復移動させることが難しかった。
2.駆動軸と従動軸とを平行に配し、駆動軸の回転運動を平歯車を介して従動軸に伝達することにより、従動軸を回転させて進退させることにより芯線の位置調整を行なう方式(特許文献3参照)では、平歯車によって従動軸に絶えず軸に対して直交する方向の力が加わるため、軸の歪が生じて回転トルクが非常に大きくなるものであった。また、はなはだしい場合には、上記軸に直交する方向の力によって動力伝達機構に損傷が発生するものであった。
3.ラックとピニオンとを配し、ピニオンの回転運動をラックの直線運動に変換することにより、シリンダ体を往復移動させて芯線の位置調整を行なう方式(図9参照)では、装置が複雑で大きくなるものであった。
【0011】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、芯線を進退させる従動軸を軸方向に沿って精度よくスムースに往復移動させることができるとともに、従動軸に軸に対して直交する方向の力が加わることを防止することができ、しかも構造を簡単にして装置を小型化することが可能な芯線挿入方式の試料液減圧装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、駆動手段により回転せしめられる駆動軸と、駆動軸と同軸上に配置された回転可能な従動軸と、駆動軸の回転運動を従動軸に伝達する回転伝達機構と、試料液流通路に進退可能に挿入され、従動軸の回転により進退を行う芯線とを有する芯線挿入方式の試料液減圧装置であって、前記回転伝達機構は、先端側に切り込み部を有し、駆動軸の端部に取り付けられて駆動軸の回転とともに回転する軸継手と、軸を従動軸の軸と直交させて従動軸の端部に取り付けられているとともに、前記軸継手の切り込み部内に該切り込み部の壁部との間に隙間を有する状態で挿入され、軸継手の回転とともに回転して従動軸を回転させる円柱形または楕円柱形の回転体とを具備することを特徴とする試料液減圧装置を提供する。
【0013】
駆動軸と従動軸を同軸上(一直線上)に置く方式において、駆動軸と従動軸を一般の固定型継手で連結した場合には、両者の軸が水平方向に少しでもずれていたり、角度を持っていたりすると、スムースな回転が得られない。材料の柔軟性を利用したフレキシブルたわみ継手を用いた場合には、強度が不足する上、吸収する誤差も小さい。また、正逆回転の切替時には従動軸に1〜2mm程度の上下方向の移動が発生するが、一般の固定型継手やフレキシブルたわみ継手ではこの上下方向の移動を吸収できない。さらに、駆動軸と従動軸を同軸上に置く方式は、前述したラック杆と摺動杆を平行に置く方式、駆動軸と従動軸を平行に置く方式、およびラックとピニオンを用いる方式に較べ、構造がシンプルになるが、軸の芯出しが困難である。
【0014】
本発明は、上述した駆動軸と従動軸を同軸上に置く方式の問題点を解消したものである。すなわち、この方式では、軸に直交する方向の誤差(X、Y方向)、軸の角度方向の誤差(θ)および軸方向の上下動(Z方向)を吸収し、かつ小型で大きなトルクを伝達可能な正逆回転用軸継手が必要になる。本発明では、先端側に切り込み部を有し、駆動軸の端部に取り付けられて駆動軸の回転とともに回転する軸継手と、軸を従動軸の軸と直交させて従動軸の端部に取り付けられているとともに、軸継手の切り込み部内に切り込み部の壁部との間に隙間を有する状態で挿入され、軸継手の回転とともに回転して従動軸を回転させる円柱形の回転体と用いてトルクの伝達を行うことにより、軸に直交する方向の誤差(X、Y方向)は軸継手の切り込み部の壁部と回転体との間の隙間で吸収し、軸方向の上下動(Z方向)は回転体を軸継手の切り込み部内で上下動させることで吸収し、軸の角度方向の誤差(θ)は回転体を円柱形または楕円柱形にすることで吸収する。これにより、トルクの伝達において従動軸には回転以外の力がほとんどかからなくなり、機構部分に損傷を与えることがなくなる。また、組立上の許容誤差を大きくとれるので、再組立がきわめて容易になる。
【0015】
また、本発明は、上述した芯線挿入方式の試料液減圧装置に加え、駆動手段により回転せしめられる駆動軸と、駆動軸と同軸上に配置された回転可能な従動軸と、駆動軸の回転運動を従動軸に伝達する回転伝達機構と、試料液流通路に進退可能に挿入され、従動軸の回転により進退を行う弁部材とを有するバルブ方式の試料液減圧装置であって、前記回転伝達機構は、先端側に切り込み部を有し、駆動軸の端部に取り付けられて駆動軸の回転とともに回転する軸継手と、軸を従動軸の軸と直交させて従動軸の端部に取り付けられているとともに、前記軸継手の切り込み部内に該切り込み部の壁部との間に隙間を有する状態で挿入され、軸継手の回転とともに回転して従動軸を回転させる円柱形または楕円柱形の回転体とを具備することを特徴とする試料液減圧装置をも提供する。
【0016】
上述した本発明のバルブ方式の試料液減圧装置は、弁部材を進退させる従動軸を軸方向に沿って精度よくスムースに往復移動させることができるとともに、従動軸に軸に対して直交する方向の力が加わることを防止することができ、しかも構造を簡単にして装置を小型化することが可能である。
【0017】
本発明に係る芯線挿入方式およびバルブ方式の試料液減圧装置において、切り込み部はU字形ないし角形であり、該切り込み部の幅は回転体の直径より大きく形成されていることが好ましく、これにより本発明の効果を確実に得ることができる。
【0018】
また、本発明に係る芯線挿入方式およびバルブ方式の試料液減圧装置において、芯線または弁部材は従動軸の回転により従動軸の軸方向に沿って進退を行うことが適当であり、これにより装置構造を簡単にすることができる。
【0019】
さらに、本発明に係る芯線挿入方式およびバルブ方式の試料液減圧装置は、回転伝達機構により駆動軸から従動軸に伝達されるトルク値の変動に基づいて芯線または弁部材の位置を検出する位置検出機構をさらに具備することができる。すなわち、本発明の試料液減圧装置では、通常の制御時のトルク値が小さくなるので、通常の制御時と何らかの原因でモータ等の駆動手段が拘束された時とのトルク値の差が明確になるため、例えば、芯線保持体や弁部材を突き当たるまで進退させた時のトルク値の急激な増加をもってゼロ点とフルスケール点を検出することが可能になり、これによりリミットスイッチ類が不要になる。したがって、上記位置検出機構として、具体的には前記トルク値の急激な変動に基づいて芯線または弁部材のゼロ点およびフルスケール点を検出するものが挙げられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る芯線挿入方式の試料液減圧装置の一例を示す一部断面図である。本例の試料液減圧装置は、主管12と、主管12の先端部にそれぞれ連結された試料液流入細管14および試料液流出細管16と、主管12の基端側開口部を閉塞する閉塞体18と、モータ(駆動手段)20により回転せしめられる駆動軸22と、駆動軸22と同軸上に配置された回転可能な従動軸24と、駆動軸22の回転運動を従動軸24に伝達する回転伝達機構26と、試料液流入細管14および試料液流出細管16内の試料液流通路28、30に進退可能に挿入された芯線32、34とを有する。
【0021】
従動軸24は、主管12内に配設された外面にねじ山を有するねじ軸36に連結され、ねじ軸36には内面にねじ山を有するリング状の芯線保持体38が取り付けられ、芯線保持体38には芯線32、34が取り付けられている。そして、従動軸24が回転するとねじ軸36が回転し、これにより芯線保持体38が進退して芯線32、34の位置調整が行われるようになっている。なお、図中40は従動軸24と閉塞体18との間を液密にシールするグランドパッキン、42は芯線保持体38が回転することを防止する回り止めを示す。
【0022】
回転伝達機構26は、図1、図2を参照すると、金属製の軸継手44および金属製の回転体46を具備する。軸継手44は、先端側にU字形の切り込み部48を有し、駆動軸22の端部に取り付けられて駆動軸22の回転とともに回転する。回転体46は、図1、図3、図4を参照すると、軸50を従動軸24の軸52と直交させて従動軸24の端部に取り付けられ、軸継手44の回転とともに回転して従動軸24を回転させる。この場合、軸継手44の切り込み部48の幅pは回転体46の直径qより大きく形成されている。したがって、回転体46は、軸継手44の切り込み部48内に該切り込み部48の壁部との間に隙間rを有するフリーな状態で挿入されている(図4参照)。
【0023】
また、本例の試料液減圧装置には、回転伝達機構26により駆動軸22から従動軸24に伝達されるトルク値の変動に基づいて芯線32、34の位置を検出する位置検出機構、具体的には芯線保持体38を主管12の底壁あるいは閉塞体18に突き当たるまで進退させた時の上記トルク値の急激な増加に基づいて、芯線32、34のゼロ点およびフルスケール点を検出する位置検出機構54が設けられている。この場合、上記位置検出機構における位置検出の方法としては、例えば下記方法A〜Dを採用することができる。
【0024】
(位置検出の方法A)
1.トルクの急激な増加。
2.モータ電流の増加(モータ停止)。
3.ゼロ点(フルスケール点)と判断。
4.このときの抵抗値(54はポテンシオメータ:単なる精密抵抗)を記憶する。
5.ゼロ点とフルスケール点の抵抗値より0〜100%の挿入割合を割り振る。6.この信号を制御部に表示する。
【0025】
(位置検出の方法B)
1.トルクの急激な増加。
2.54をトルク測定器(またはトルクリッミタ)とし、直接検出する。
3.ゼロ点(フルスケール点)と判断。
4.モータに直結したエンコーダ(またはモータに内蔵されたパルス出力装置:ホール素子による検出装置)により0〜100%の挿入割合を割り振る。
5.この信号を制御部に表示する。
【0026】
(位置検出の方法C)
1.トルクの急激な増加。
2.モータ電流の増加。
3.ゼロ点(フルスケール点)と判断。
4.モータに内蔵されたパルス出力装置(ホール素子による検出装置)により0〜100%の挿入割合を割り振る。
5.この信号を制御部に表示する。
【0027】
(位置検出の方法D)
1.トルクの急激な増加。
2.モータ電流の増加。
3.ゼロ点(フルスケール点)と判断。
4.モータに直結したエンコーダにより0〜100%の挿入割合を割り振る。
5.この信号を制御部に表示する。
【0028】
本例の試料液減圧装置を用いて例えば火力発電所の高圧ボイラ水配管からの試料水の減圧を行う場合、試料液流入細管14に減圧前の試料水が流れる一次側配管56(高圧ボイラ側の配管)を接続し、試料液流出細管16に減圧後の試料水が流れる二次側配管58(分析装置側の配管)を接続する。そして、この状態で一次側配管56を流れる試料水を試料液流入細管14内の試料液流通路28、主管12内および試料液流出細管16内の試料液流通路30に順次流し、管摩擦抵抗によって試料水を減圧してから二次側配管58に流す。
【0029】
また、電力供給量の切替等によって高圧試料水の圧力が変動し、試料液流通路28、30への芯線32、34の挿入長さを変更する場合には、図5に示すように、モータ20の作動により駆動軸22を回転(正転または逆転)させ、駆動軸22の回転運動を軸継手44および回転体46からなる回転伝達機構26により従動軸24に伝達してねじ軸36を回転させ、芯線32、34を進退させるものである。
【0030】
この場合、本例の試料液減圧装置では、軸に直交する方向の誤差(X、Y方向)は、軸継手44の切り込み部48の壁部と回転体46との間の隙間rで吸収する。また、軸が一方向に回転するときは軸の上下移動はほとんどないが、正逆回転の切替時において最大1mm〜2mm程度の上下動s(図1参照)が従動軸24に発生する。本例の試料液減圧装置では、上記軸方向の上下動s(Z方向)は、回転体46を軸継手44の切り込み部48内で上下動させることで吸収する。さらに、本例の試料液減圧装置では、軸の角度方向の誤差(θ)は、回転体46を円柱形にすることで吸収する。
【0031】
なお、本例の試料液減圧装置では、軸継手44の切り込み部48の壁部と回転体46との間に隙間rがあるので、正逆回転の切替に伴いバックラッシュが発生するが、本例の試料液減圧装置では二次側圧力を一定にすることを目的としており、高精度の位置決めを目的としないので、実用上問題は発生しない。例えば、上記隙間rが2mmのとき、バックラッシュは芯線の移動フルストローク長100mmに対し0.1mm(0.1%)以下であり、非常に小さい。
【0032】
図6は本発明に係るバルブ方式の試料液減圧装置の一例を示す一部断面図である。本例の試料液減圧装置は、内部に試料液流通路72が形成された弁本体70と、弁本体70の基端側開口部を閉塞する閉塞体74と、モータ(駆動手段)20により回転せしめられる駆動軸22と、駆動軸22と同軸上に配置された回転可能な従動軸24と、駆動軸22の回転運動を従動軸24に伝達する回転伝達機構26と、弁本体70内の試料液流通路72に進退可能に挿入された弁部材76とを有する。本例では、従動軸24の先端側が弁部材76として構成されている。
【0033】
従動軸24の外周の一部にはねじ部78が形成されているとともに、弁本体70内にはナット体80が配設され、ナット体80に従動軸24が挿入されている。そして、従動軸24が回転すると従動軸24が進退し、これによりその先端の弁部材76が進退して弁部材76の位置調整が行われるようになっている。なお、図中82は従動軸24と閉塞体74との間を液密にシールするグランドパッキンを示す。
【0034】
回転伝達機構26は、図1、図2に示したものとほぼ同じ構成であるが、本例の回転伝達機構26では、軸継手44の切り込み部48の深さを図1、図2に示したものより深くしてある。
【0035】
本例の試料液減圧装置を用いて例えば火力発電所の高圧ボイラ水配管からの試料水の減圧を行う場合、試料液流通路72の入口に減圧前の試料水が流れる一次側配管56(高圧ボイラ側の配管)を接続し、試料液流通路72の出口に減圧後の試料水が流れる二次側配管58(分析装置側の配管)を接続する。そして、この状態で一次側配管56を流れる試料水を試料液流通路72に流し、弁部材76と試料液流通路72の壁部との間の隙間に試料水を通すことにより試料水を減圧してから二次側配管58に流す。
【0036】
また、電力供給量の切替等によって高圧試料水の圧力が変動し、弁部材76と試料液流通路72の壁部との間の隙間の大きさを変更する場合には、図7に示すように、モータ20の作動により駆動軸22を回転(正転または逆転)させ、駆動軸22の回転運動を軸継手44および回転体46からなる回転伝達機構26により従動軸24に伝達し、弁部材76を進退させるものである。
【0037】
この場合、本例の試料液減圧装置では、軸に直交する方向の誤差(X、Y方向)は、軸継手44の切り込み部48の壁部と回転体46との間の隙間rで吸収し、軸の角度方向の誤差(θ)は、回転体46を円柱形にすることで吸収する。する。また、従動軸24の回転により従動軸24には大きい上下動t(図6参照)が発生するが、本例の試料液減圧装置では、上記軸方向の上下動t(Z方向)には、回転体46を軸継手44の切り込み部48内で上下動させることで対応する。
【0038】
なお、本発明の試料液減圧装置において、回転伝達機構を構成する軸継手および回転体の形状、構造、材質等は前述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変更することができる。また、従動軸の回転により芯線や弁部材を進退させる機構も任意に設定することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る試料液減圧装置は、芯線や弁部材を進退させる従動軸を軸方向に沿って精度よくスムースに往復移動させることができるとともに、従動軸に軸に対して直交する方向の力が加わることを防止することができ、しかも構造を簡単にして装置を小型化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る芯線挿入方式の試料液減圧装置の一例を示す一部断面図である。
【図2】図1の装置の軸継手を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は断面図、(d)は背面図である。
【図3】図1の装置の回転体を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図4】軸継手の切り込み部内に回転体を挿入した状態を示す図である。
【図5】駆動軸を回転させる状態を示す図である。
【図6】本発明に係るバルブ方式の試料液減圧装置の一例を示す一部断面図である。
【図7】駆動軸を回転させる状態を示す図である。
【図8】従来の芯線挿入方式の試料液減圧装置の一例を示す一部断面図である。
【図9】従来の芯線挿入方式の試料液減圧装置の一例を示す一部断面図である。
【符号の説明】
20 モータ(駆動手段)
22 駆動軸
24 従動軸
26 回転伝達機構
28 試料液流通路
30 試料液流通路
32 芯線
34 芯線
44 軸継手
46 回転体
48 切り込み部
50 回転体の軸
52 従動軸の軸
56 一次側配管
58 二次側配管
72 試料液流通路
76 弁部材

Claims (6)

  1. 駆動手段により回転せしめられる駆動軸と、駆動軸と同軸上に配置された回転可能な従動軸と、駆動軸の回転運動を従動軸に伝達する回転伝達機構と、試料液流通路に進退可能に挿入され、従動軸の回転により進退を行う芯線とを有する芯線挿入方式の試料液減圧装置であって、前記回転伝達機構は、先端側に切り込み部を有し、駆動軸の端部に取り付けられて駆動軸の回転とともに回転する軸継手と、軸を従動軸の軸と直交させて従動軸の端部に取り付けられているとともに、前記軸継手の切り込み部内に該切り込み部の壁部との間に隙間を有する状態で挿入され、軸継手の回転とともに回転して従動軸を回転させる円柱形または楕円柱形の回転体とを具備することを特徴とする試料液減圧装置。
  2. 駆動手段により回転せしめられる駆動軸と、駆動軸と同軸上に配置された回転可能な従動軸と、駆動軸の回転運動を従動軸に伝達する回転伝達機構と、試料液流通路に進退可能に挿入され、従動軸の回転により進退を行う弁部材とを有するバルブ方式の試料液減圧装置であって、前記回転伝達機構は、先端側に切り込み部を有し、駆動軸の端部に取り付けられて駆動軸の回転とともに回転する軸継手と、軸を従動軸の軸と直交させて従動軸の端部に取り付けられているとともに、前記軸継手の切り込み部内に該切り込み部の壁部との間に隙間を有する状態で挿入され、軸継手の回転とともに回転して従動軸を回転させる円柱形または楕円柱形の回転体とを具備することを特徴とする試料液減圧装置。
  3. 切り込み部はU字形ないし角形であり、該切り込み部の幅は回転体の直径より大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の試料液減圧装置。
  4. 芯線または弁部材は従動軸の回転により従動軸の軸方向に沿って進退を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の試料液減圧装置。
  5. 回転伝達機構により駆動軸から従動軸に伝達されるトルク値の変動に基づいて芯線または弁部材の位置を検出する位置検出機構をさらに具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の試料液減圧装置。
  6. 位置検出機構は、前記トルク値の急激な変動に基づいて芯線または弁部材のゼロ点およびフルスケール点を検出することを特徴とする請求項5に記載の試料液減圧装置。
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