JP4084060B2 - 人工心臓ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工心臓ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療用の代替えあるいは補助心臓として、羽根車の回転により血液を圧送する人工心臓ポンプが用いられている。この人工心臓ポンプは、ハウジングと、該ハウジング内に収容された羽根車と、該羽根車を回転駆動する回転軸及びモータと、該モータを駆動する電源とを備えた構成が一般的である。
前記ハウジングは、例えばL字形状に曲がった血液流路を有し、該血液流路内に、前記回転軸を軸線として回転可能に前記羽根車が軸支されている。そして、この羽根車は、前記血液流路の内壁面を貫いて外部に突出した回転軸を、前記モータが回転駆動することによって回転され、前記血液流路内に血液の流れを生じさせるものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の人工心臓ポンプは、体内に埋め込まれた状態で例えば10年間の連続使用に耐えられる耐久性が要求されるが、前記回転軸を有することに起因して、その耐久性向上にも限界があった。
すなわち、前記モータは、血液流路内に配置することができないため、この血液流路の外部に配置する必要がある。そして、血液流路内の羽根車と血液流路外のモータとを連結するため、前記回転軸は、血液流路の内壁面を貫く構成となる。さらに、この貫通部分を通って血液流路の外部に血液が漏れるのを防ぐ必要があるため、この貫通部分には軸シール機構が必要になる。
この軸シール機構の装備により、血液の漏洩は阻止されるものの、軸シールにおいて血液の凝固を生じる恐れがあり、人工心臓ポンプの寿命を長くするにあたっての障害となっていた。
【0004】
この問題を解決すべく、血液流路内部の回転軸を外部に貫通させずに、外部のモータと磁気カップリングで連結する方式の人工心臓ポンプが提案されている。
しかしながら、この磁気カップリングを用いると、人工心臓ポンプの軸方向寸法が大型化してしまうという問題を生じることになる。人工心臓ポンプは、体内に埋め込んで用いられる関係上、極力小型化されることが望まれている。この小型化の観点から見た場合、磁気カップリングを用いるタイプや、従来の貫通する回転軸を用いるタイプのいずれも、装置の小型化に限界があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐久性が高くて寿命が長く、なおかつ小型化も可能な人工心臓ポンプの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の人工心臓ポンプは、ハウジングと、該ハウジング内に収容された羽根車と、該羽根車を回転駆動する駆動機構とを備え、前記ハウジング内に取り込んだ血液を前記羽根車の回転により圧送する人工心臓ポンプにおいて、前記羽根車が、該羽根車の周囲に一体に設けられたシュラウドの外周と、前記ハウジングの内周との間を、前記圧送の方向に対して下流側から上流側へ流れる潤滑血液により、前記ハウジング内に浮上状態に回転支持されたシャフトレス支持構造を有し、前記駆動機構が、前記シュラウド側に設けられた永久磁石と、前記ハウジング側でかつ前記シュラウドを周囲より覆う位置に配置された回転磁界発生器とを備え、前記血液と接する部分が、生体適合性を有する材質からなる
ことを特徴とする。
上記請求項1に記載の人工心臓ポンプによれば、ハウジング側の回転磁界発生器に電流を流すと回転磁界が発生し、永久磁石を備えたシュラウド及び羽根車を回転させる。そして、ハウジング内に取り込まれた血液の流れのうちの一部が、シュラウドの外周とハウジングの内周との間に導かれて潤滑血液として機能し、軸線回りに回転する羽根車及びシュラウドを浮上状態に軸支する。このように、回転軸を持たない構成であるため、従来のような軸シールが不要となる。
また、潤滑血液の供給に際しては、羽根車の作用によって上流側よりも昇圧している下流側の血液の流れから取り出したものを、上流側に向かって流すようにすることで、スムーズな潤滑血液の供給がなされるようになる。
また、血液と接する部分が生体適合性を有する材質からなるので、血液と接しても生体への悪影響を及ぼすことがないようになっている。
【0007】
請求項2に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記ハウジング内に、前記シュラウドが収容される環状室が形成され、前記シュラウドの外周面と、それに対向する前記ハウジングの内周面とでラジアル軸受が構成され、前記シュラウドの、回転軸線方向の各端面と、それらに対向する前記ハウジングの各内側面とでアキシャル軸受が構成されていることを特徴とする。
上記請求項2に記載の人工心臓ポンプによれば、羽根車及びシュラウドが回転している状態で、その回転軸線が該回転軸線に垂直方向に軸ずれした場合、ハウジングの内周面に向かってシュラウドの外周面が接近する部分が生じる。すると、この接近部分を流れる血液の流体圧が上昇するため、その反力を受けて接近部分におけるシュラウド外周面とハウジング内周面との間隙が広げられる。このようにして機能するラジアル軸受により、ラジアル方向の軸ずれが補正される。また、回転軸線方向に羽根車及びシュラウドの位置がずれた場合には、ハウジングの各内側面の一方に対して、シュラウドの一端面が接近する。すると、この接近部分を流れる血液の流体圧が上昇するため、その反力を受けて接近部分におけるシュラウド端面とハウジング内側面との間隙が広げられる。このようにして機能するアキシャル軸受により、アキシャル方向の軸ずれが補正される。
【0008】
請求項3に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記各内側面に、前記シュラウドの回転方向でかつ潤滑血液の流れ方向に沿って複数本の螺旋溝が形成されていることを特徴とする。
上記請求項3に記載の人工心臓ポンプによれば、各内側面に、シュラウドの回転方向でかつ潤滑血液の流れ方向に沿った血液の流れが、各螺旋溝によって形成される。そして、血液の流れによる動圧効果により、環状室の各内側面に対してシュラウドの各端面が接触もしくは接近しすぎるのを、より確実に防止することができるようになる。
【0009】
請求項4に記載の人工心臓ポンプは、請求項3に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記各螺旋溝のうち、前記圧送の方向の下流側の内側面に形成されたものの内周端が、前記ハウジング内の血液流路に対して直接、連通していることを特徴とする。
上記請求項4に記載の人工心臓ポンプによれば、各内周端が直接、連通していない場合に比較して、血液流路内の血液から潤滑血液を導入する際の圧力損失を低減させることができる。これにより、血液流路内の血液を潤滑血液としてスムーズに取り込むことができるようになる。
【0010】
請求項5に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記環状室の、該環状室の中心軸線に垂直をなす断面で見た場合の断面形状が、一端から他端に向かって前記中心軸線からの寸法が漸減する円弧部を、複数連ねた複円弧形状をなしていることを特徴とする。
上記請求項5に記載の人工心臓ポンプによれば、複円弧形状を有する環状室内周面とシュラウド外周面との間に形成される、流路断面積が連続的に変化する流路を通って血液が流れることにより、回転動作時のシュラウド及び羽根車の軸ずれがより小さくなって安定性が増すようになる。
【0011】
請求項6に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの外周面に、シュラウド凹溝が形成されていることを特徴とする。
上記請求項6に記載の人工心臓ポンプによれば、停止状態のシュラウドが、その外周面においてハウジングの内周面に接触している場合、外周面側にシュラウド凹溝を有することにより、これら外周面及び内周面間の接触面積が小さくなるので、静摩擦力を小さくすることができる。また、回転開始時に、シュラウド凹溝内の血液が、軸方向両側位置のラジアル軸受部に即座に流入し、軸受潤滑剤として働くこととなるので、起動動作をスムーズに行うことができる。また、動摩擦力も低減され、回転効率の向上も可能となる。なお、シュラウド凹溝は複数であっても良い。
【0012】
請求項7に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの外周面に、シュラウド凸部が形成されていることを特徴とする
上記請求項7に記載の人工心臓ポンプによれば、停止状態のシュラウドが、その外周面においてハウジングの内周面に接触している場合、外周面側にシュラウド凸部を有することにより、これら外周面及び内周面間の接触面積が小さくなるので、静摩擦力を小さくすることができる。また、回転開始時に、シュラウド凸部周囲空間の血液が、軸方向両側位置のラジアル軸受部に即座に流入し、軸受潤滑剤として働くこととなるので、起動動作をスムーズに行うことができる。また、動摩擦力も低減され、回転効率の向上も可能となる。なお、シュラウド凸部は複数であっても良い。
【0013】
請求項8に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記環状室の内周面に、前記シュラウドの外周面に対向する凹溝が形成されていることを特徴とする。
上記請求項8に記載の人工心臓ポンプによれば、停止状態のシュラウドが、その外周面においてハウジングの内周面に接触している場合、環状室の内周面に凹溝を有することにより、これら外周面及び内周面間の接触面積が小さくなるので、静摩擦力を小さくすることができる。また、回転開始時に、凹溝内の血液が、軸方向両側位置のラジアル軸受部に即座に流入し、軸受潤滑剤として働くこととなるので、起動動作をスムーズに行うことができる。また、動摩擦力も低減され、回転効率の向上も可能となる。なお、凹溝は複数であっても良い。
【0014】
請求項9に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記ハウジングが、互いに接合される上流側ハウジング及び下流側ハウジングを有し、前記環状室が、前記上流側ハウジングに対して、前記下流側ハウジングを、前記羽根車の回転軸線方向に挿入することで形成されていることを特徴とする。
上記請求項9に記載の人工心臓ポンプによれば、上流側ハウジングに対して、下流側ハウジングを回転軸線方向に挿入結合させることで、自然と環状室を形成することができる。したがって、環状室を形成させるための専用部品が不要であるため、部品点数削減を達成することができる。
【0015】
請求項10に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドが、下流側端面に前記永久磁石が挿入される開口を有するとともに、上流側端面に平滑面を有するシュラウド本体と、該シュラウド本体の前記開口を密閉する蓋体とを備えていることを特徴とする。
上記請求項10に記載の人工心臓ポンプによれば、羽根車には、血液流れの圧力差(羽根車を中心とした場合、その下流出口側の方が、上流入口側よりも圧力が高い)により、その下流側から上流側に向かう方向のアキシャル荷重が作用する(ただし、運転中は、スラスト軸受け荷重との差し引きでゼロバランスが取られるようになっている)。このため、ポンプ起動時を考慮すると、シュラウドの上流側端面と下流側端面とでは、上流側端面の方により平滑性を持たせることが望まれるものとなる。このような理由により、本発明では、シュラウド本体の下流側端面から永久磁石を内蔵させるとともに、上流側端面を平滑面としている。
【0016】
請求項11に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記羽根車が、その回転中心をなすノーズコーンの、回転軸線に対して垂直をなす断面形状が、前記圧送の方向に沿った上流側から下流側に向かって大きくなる形状を有することを特徴とする。
上記請求項11に記載の人工心臓ポンプによれば、ノーズコーンの表面に沿った血液の流れは、斜流となるため、揚程を稼ぐことができるようになる。
【0017】
請求項12に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記ハウジングが、互いに接合される上流側ハウジング及び下流側ハウジングを有し、該下流側ハウジングの上流側に、前記血液の動圧を静圧に変換する静翼が一体成形されていることを特徴とする。
上記請求項12に記載の人工心臓ポンプによれば、下流側ハウジングに対する静翼の位置調整や、組み付け工程が不要となる。
【0018】
請求項13に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記ハウジングが、前記羽根車の回転軸線方向に沿って互いに嵌合される複数のハウジング部品からなることを特徴とする。
上記請求項13に記載の人工心臓ポンプによれば、例えば、各ハウジング部品の分割構成を、回転軸線を含む断面で割る分割構造としてしまうと、これらの接合部分が、回転体であるシュラウドや羽根車に面してしまう恐れがあり、このような場合には、接合部分の修正加工もしくは被覆加工などの後加工が必要になる。これに対し、本発明のような部品構成とすることで、各ハウジング部品間の接合部分がシュラウドや羽根車に面しないように配置することができる。
【0019】
請求項14に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記ハウジングの外周面と、前記環状室の内周面との間に、潤滑血液流路が形成され、該潤滑血液流路の、前記環状室の中心軸線に垂直をなす断面で見た場合の断面形状が、前記羽根車の回転方向回りに、一端から他端に向かって流路幅が漸減する円弧流路を、複数連ねた複円弧流路をなしていることを特徴とする。
上記請求項14に記載の人工心臓ポンプによれば、流路断面積が連続的に変化する各円弧流路を通って血液が流れることにより、回転動作時のシュラウド及び羽根車の軸ずれがより小さくなって安定性が増すようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の人工心臓ポンプは、心臓の大動脈と大静脈をつないで血液の流れを生じせしめるものであり、その一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれのみに限定解釈されるものでないことは勿論である。
なお、図1は、本実施形態の人工心臓ポンプを示す図であって、その上流側より見た斜視断面図である。また、図2は、同人工心臓ポンプを示す図であって、羽根車の回転軸線を含む断面で見た場合の断面図である。また、図3は、同人工心臓ポンプのハウジング環状室内を示す図であって、図2のA−A矢視図である。また、図4は、同人工心臓ポンプのハウジングの環状室内を示す図であって、図2のB−B矢視図である。また、図5は、同人工心臓ポンプのシュラウド3の外周の凹溝3dを示す図であって、図2のC−C断面図である。また、図6は、同人工心臓ポンプのハウジングの内周面10aの変形例を示す図であって、図3に相当する断面図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態の人工心臓ポンプは、円筒状のハウジング1と、該ハウジング1内に収容された羽根車2及びシュラウド3及び静翼部4と、羽根車2及びシュラウド3を回転駆動する駆動機構5と、該駆動機構5に電力供給する電源(図示せず)と、該電源及び駆動機構5間を接続する電線(図示せず)とを備えて概略構成されており、ハウジング1内に取り込んだ血液を羽根車2の回転により圧送するものとなっている。
なお、ハウジング1及び羽根車2及びシュラウド3及び静翼部4など、血液と接する部分を有する部品には、生体適合性を有する材質として、純チタン金属またはチタン合金が採用されている。
【0022】
ハウジング1は、上流側ハウジング6と下流側ハウジング7とを組み合わせ、その接合部分を溶接8により接合して一体化させた部品であり、上流側ハウジング6の側に形成された吸入側接続口6aと、下流側ハウジング7の側に形成された吐出側接続口7aとの間をつなぐ、略円柱形状の血液流路9が内部に形成されている。
さらに、上流側ハウジング6は、上流側ハウジング本体6bと、該上流側ハウジング本体6bの周囲に嵌合した状態で溶接8a,8bにより接合された回転磁界発生器カバー6cとで構成されている。
【0023】
ハウジング1の血液流路9内には、その中心軸線CLと同じ中心軸線を有してかつ略環状をなすハウジング環状室10(環状室)が形成されている。なお、ここで言うハウジング環状室10の中心軸線とは、後述の円弧部10x,10yそれぞれの中心間の中点を通る軸線を示す。
このハウジング環状室10は、上流側ハウジング6に対して、下流側ハウジング7を、羽根車2の回転軸線方向に挿入することで形成されるものである。そして、このハウジング環状室10は、前記中心軸線CLを軸線とする略環状の内周面10a(詳細形状については後述する)と、その軸線方向両端にそれぞれ配置された環状の内側面10b,10cとで形成されており、その内部に、シュラウド3が同軸に収容されるようになっている。
【0024】
図3に示すように、吸入側接続口6aに近い上流側の内側面10bには、潤滑血液の流れ方向である、外周から前記中心軸線CLに向かって(すなわち、シュラウド3の回転軸線に向かって)、シュラウド3と同一回転方向に回転しながら収束する複数本の螺旋溝10b1が形成されている。
【0025】
なお、同図に示す例では、各螺旋溝10b1の内周端が、血液流路9内に直接、連通しているが、これに限らず、行き止まりにする(すなわち、各螺旋溝10b1の内周端よりも内側の部分が、溝のない、環状の平坦面となる。)構成を採用しても良い。このような場合には、各螺旋溝10b1に沿って径方向外側から内側に向かって流れる潤滑血液が、前記内周端で一旦せき止められ、さらには前記環状の平坦面を乗り越えて再び血液流路9内に流れ出るが、一旦せき止められる際に潤滑血液が昇圧するため、上流側の内側面10bに対してシュラウド3が接近した際に押し戻す軸受力をより効果的に発揮することが可能となるので、より好ましいものとなっている。
【0026】
同様に、図4に示すように、吐出側接続口7aに近い下流側の内側面10cには、前記中心軸線CL方向(内周側)から外周に向かって(すなわち、潤滑血液の流れ方向に向かって)、シュラウド3と同一回転方向に回転しながら拡散する複数本の螺旋溝10c1が形成されている。そして、この下流側の内側面10cに形成された各螺旋溝10c1は、その内周端が、ハウジング1内の血液流路9に対して直接、連通している。これにより、各内周端が直接、連通していない場合に比較して、血液流路9内の血液から潤滑血液を導入する際の圧力損失を低減させることができ、血液流路9内の血液を潤滑血液としてスムーズに取り込めるようになっている。
【0027】
図3及び図4に示すように、ハウジング1のハウジング環状室10の内周は、その中心軸線CLに垂直をなす断面で見た場合の内周面10aの断面形状が、一端から他端に向かって(シュラウド3の回転方向に向かって)、中心軸線CLからの寸法が徐々に漸減する円弧部10x,10yを、2つ連ねた2円弧形状(複円弧形状)をなしている。すなわち、これら円弧部10x,10yは、それぞれ同一半径の真円を半分に割った半円であり、互いに所定寸法だけ中心10x1,10y1の相対位置をずらせて結合することで、ハウジング環状室10を構成している。そして、前記各中心10x1,10y1間の中点を含む軸線が、ハウジング環状室10全体としての中心となり、前記中心軸線CLと重なるようになっている。
【0028】
したがって、同図に示す二点鎖線を、前記中心軸線CLと同軸の真円TCとした場合、各円弧部10x,10yは、シュラウド3の回転方向に向かって徐々に真円TCに接近する(すなわち、シュラウド3の外周面に向かって接近する)円弧形状となっている。このような内周面10aの形状により、シュラウド3の外周面3e,3f(図1参照)との間に形成される潤滑流路の断面形状が、回転方向に向かって徐々に狭くなるものとなっている。
【0029】
さらに、同図に示すように、これら円弧部10x,10y間のつなぎ目には、ハウジング環状室10内の潤滑血液保有量をより多く確保することができるように、半円形の深溝10z1,10z2が形成されている。これら深溝10z1,10z2は、ハウジング環状室10の全長にわたって、前記中心軸線CLと平行に形成されている。
【0030】
なお、本実施形態では2円弧形状の場合について説明しているが、これに限らず、図6に示す3円弧形状など、3円弧以上の円弧部を有する複数円弧形状を採用しても良い。
さらには、ハウジング環状室10側を複円弧形状とする代わりに、シュラウド3側の外形状を複円弧形状とする構成(図示せず)も、採用可能である。すなわち、潤滑血液流路の、ハウジング環状室10の中心軸線に垂直をなす断面で見た場合の断面形状が、羽根車2の回転方向回りに、一端から他端に向かって流路幅が漸減する円弧流路を、複数連ねた複円弧流路をなせばよい。
【0031】
図1及び図2に示すように、羽根車2は、血液の流れの上流側に向かって2段の先細り形状をなすノーズコーン2aと、該ノーズコーン2aの周囲に一体に設けられた複数枚の動翼2bとを備えて構成されている。そして、この羽根車2は、シュラウド3の外周とハウジング1の内周との間を、圧送の方向(血液の流れ方向)に対して下流側から上流側へと逆流する潤滑血液により、ハウジング1内に浮上状態に回転支持されるシャフトレス支持構造を有している。
各動翼2bは、捻り形状を有しており、単純な平坦形状の場合に比較して高効率で血液を圧送することが可能となっている。
【0032】
本人工心臓ポンプの設計条件で羽根車を設計すると、一般に軸流型では揚程が得られずに最適設計となりがたいので、通常であれば、斜流型が採用される。しかしながら、本人工心臓ポンプでは、小型化を狙っているため、シュラウド1側を軸流型にするとともに、ノーズコーン2aの形状を、その回転軸線に対して垂直をなす断面形状が血液の流れ方向(圧送の方向)に沿った上流側から下流側に向かって大きくなる斜流型的な形状にすることにより、小型化と高効率化の両立を可能としている。
【0033】
また、ノーズコーン2aの上流側部分周囲及び下流側部分周囲における流れ(出入口での流れ)を、スムーズに流入/流出させるために、図8に示すように、ノーズコーン2aの上流側及び下流側のそれぞれに、その回転軸線に平行な直線部分2a1,2a2を設けている。そして、これら2つの直線部分2a1,2a2を滑らかな2円弧2a3,2a4及び中央直線部2a5で接続する形状を採用している。
【0034】
図1及び図2に示すように、シュラウド3は、内部に羽根車2を同軸に保持する環状部品であり、後述の永久磁石5aを収容する環状の収容溝3aが内部に形成されたシュラウド本体3bと、その収容溝3aの開口3a1を閉塞する蓋体3cとで構成されている。
【0035】
蓋体3cは、永久磁石5aを収容した状態のシュラウド本体3bに嵌め込まれた後、溶接で固定され、収容溝3a内に血液が入り込まないように密封可能となっている。また、羽根車2に対するシュラウド3の固定方法としては、これらが別部品である場合には、溶接、焼嵌、ロウ付け、接着などが適用可能であり、これらを一体成形部品とする場合には、精密鋳造で製造することも可能である。
なお、シュラウド本体3bにおいて、下流側に位置する端面3z側には、前記開口3a1が形成されており、また、上流側に位置する端面3y側には、平滑性に優れた平滑面が形成されている(これら平滑面及び開口3a1の配置理由については、図7の説明において後述する。)。
【0036】
そして、図2に示すように、シュラウド3の外周面3e,3fと前記ハウジング1の内周面10aとでラジアル軸受が構成され、シュラウド3の、回転軸線方向の各端面3y,3zと前記ハウジング1の各内側面10b,10cとでアキシャル軸受が構成されるようになっている。そして、羽根車2及びシュラウド3からなる回転体は、シュラウド3の周囲と、ハウジング1のハウジング環状室10の内部との間に形成される隙間流路を流れる潤滑血液により、ハウジング1内に浮上状態に軸支されるようになっている。
【0037】
すなわち、シュラウド3及び羽根車2からなる回転体を前記駆動機構5により回転駆動させると、図2に示すように、吸入側接続口6aより取り込まれた血液が、吐出側接続口7aに向かって流れていくが、この時、羽根車2の回転によって運動エネルギーが付加され、血液の圧力が、上流側のポイントP1よりも下流側のポイントP2の方が高くなる。これにより、同図の矢印f1に示すように、内側面10c及び端面3zとの隙間流路から血液の一部が潤滑血液として入り込み、内周面10a及び外周面3e,3fとの隙間流路を通った後、さらに内側面10b及び端面3yとの隙間流路を通ってから、再び血液流路9内に戻る流れが発生することとなる。このようにしてシュラウド3の周囲を流れる潤滑血液により、前記回転体がハウジング1内に浮上状態に軸支されるようになっている。
【0038】
このようにして浮上状態に軸支された前記回転体には、内側面10c及び端面3z間の隙間流路に入り込んだ潤滑血液による軸スラスト(図2において、紙面右側に向かって前記回転体を押し退ける力)が加わったり、または、人工心臓ポンプそのものの姿勢(体内に埋め込まれるため、体の姿勢によって変わる)による回転体の自重が加わったり、または、振動が加わったりするが、いずれの場合においても、回転体の軸ずれが適切に調芯されるようになっている。
【0039】
すなわち、前記回転体が回転している状態で、その回転軸線が、ハウジング1の中心軸線CLから軸ずれした場合、ハウジング1の内周面10aに向かってシュラウド3の外周面3e,3fが接近する部分が生じる。すると、この接近部分を流れる潤滑血液の流体圧が上昇するため、その反力を受けて接近部分におけるシュラウド3の外周面3e,3fとハウジング1の内周面10aとの間隙が広げられる。このようにして機能するラジアル軸受により、ラジアル方向の軸ずれが補正される。
さらに詳しく言うと、2円弧形状を有するハウジング環状室10の内周面10aと、シュラウド3の外周面3e,3fとの間に形成される、流路断面積が連続的に徐々に狭くなるように変化する流路を通って潤滑血液が流れることにより、回転動作時の前記回転体の軸ずれがより小さくなって安定性が増すようになる。
【0040】
また、回転軸線方向に前記回転体がずれた場合には、ハウジング1のハウジング環状室10の各内側面10b,10cの一方に対して、シュラウド3の端面3yもしくは端面3zの一方が接近する。すると、この接近部分を流れる潤滑血液の流体圧が上昇するため、その反力を受けて接近部分におけるシュラウド3の端面3y,3zとハウジング環状室10の内側面10b,10cとの間隙が広げられる。このようにして機能するアキシャル軸受により、アキシャル方向の軸ずれが補正される。
【0041】
さらに詳しく言うと、上述のように、ハウジング1のハウジング環状室10の各内側面10b,10cのそれぞれには、前記螺旋溝10b1,10c1が形成されているので、これらにより、シュラウドの回転方向と潤滑血液の流れ方向に向かう血液の流れが、各螺旋溝10b1,10c1によって形成される。そして、潤滑血液の流れによる動圧効果により、ハウジング1のハウジング環状室10の各内側面10b,10cに対してシュラウド3の各端面3y,3zが接触するのを、より確実に防止することができるようになるのみならず、潤滑血液を流すのに十分な隙間流路寸法を確保することが可能となっている。
【0042】
なお、シュラウド3の外周面に形成されているシュラウド凹溝3dは、該シュラウド3の回転軸線を軸線とする環状をなしている。これにより、停止状態のシュラウド3が、その外周面においてハウジング環状室10の内周面10aに接触している場合、シュラウド凹溝3dの部分が非接触部分となることにより、これら外周面及び内周面10a間の接触面積が小さくなるので、静摩擦力を小さくすることができるようになっている。また、回転開始時に、シュラウド凹溝3d内の血液が、軸方向両側位置のラジアル軸受部に即座に流入して軸受潤滑剤として働くこととなるので、起動動作をスムーズに行うことができる。また、動摩擦力も低減され、回転効率の向上も可能となる。なお、シュラウド凹溝3dは、単数に限らず、複数を形成しても良い。
【0043】
なお、シュラウド凹溝3dの代わりに、シュラウド3の外周面に凸部(シュラウド凸部。図示せず)を形成しても、同様の作用効果を得ることが可能である。すなわち、停止状態のシュラウド3が、その外周面においてハウジング10の内周面10aに接触している場合、外周面側に前記凸部を有することにより、これら外周面及び内周面10a間の接触面積が小さくなるので、静摩擦力を小さくすることができる。また、回転開始時に、前記凸部の周囲空間の血液が、軸方向両側位置のラジアル軸受部に即座に流入し、軸受潤滑剤として働くこととなるので、起動動作をスムーズに行うことができる。また、動摩擦力も低減され、回転効率の向上も可能となる。なお、前記凸部は単数に限らず、複数であっても良い。この凸部の例としては、シュラウド3の外周面に、同軸に複数の環状部分を形成したり、もしくは、シュラウド3の外周面に、同軸に螺旋状の凸部を形成する(この場合には、潤滑血液の旋回方向と同一方向の螺旋形状とする必要がある。)などの例が考えられる。
【0044】
さらには、シュラウド3側に前記シュラウド凹溝3dや凸部を形成する代わりに、ハウジング環状室10の内周面10a側に、シュラウド3の外周面に対向する凹溝(図示せず)を形成しても、同様の作用効果を得ることが可能である。すなわち、停止状態のシュラウド3が、その外周面においてハウジング10の内周面10aに接触している場合、前記凹溝を有することにより、これら外周面及び内周面10a間の接触面積が小さくなるので、静摩擦力を小さくすることができる。また、回転開始時に、前記凹溝内の血液が、軸方向両側位置のラジアル軸受部に即座に流入し、軸受潤滑剤として働くこととなるので、起動動作をスムーズに行うことができる。また、動摩擦力も低減され、回転効率の向上も可能となる。なお、前記凹溝は単数に限らず、複数であっても良い。
【0045】
ところで、図7に示すように、羽根車2には、血液流れの圧力差(羽根車2を中心とした場合、その下流出口側の方が、上流入口側よりも圧力が高い)により、その下流側から上流側に向かう方向のアキシャル荷重が作用する(ただし、運転中は、スラスト軸受け荷重との差し引きでゼロバランスが取られるようになっている)。このため、ポンプ起動時を考慮すると、シュラウド3の上流側の端面3yと下流側の端面3zとでは、上流側の端面3yの方により平滑性を持たせることが望まれるものとなる。このような理由により、本実施形態では、シュラウド3の下流側に蓋体3cを配置する構成を採用している。ただし、シュラウド3の下流側においても、蓋体3cの溶接固定後に滑らかに加工することで平滑性を確保するように配慮されている。
【0046】
前記駆動機構5は、図2に示すように、シュラウド3側に内蔵され、周方向にN極及びS極が交互に配置された永久磁石5aと、ハウジング1側でかつシュラウド3を周囲より覆う同軸位置に配置されたコイル5b1及び磁気回路5b2で構成された回転磁界発生器5bとを備えて構成されている。
回転磁界発生器5bには、前記電線を介して前記電源が接続されており、電力供給を受けて回転磁界を発生させることが可能となっている。この磁力を受け、永久磁石5aが回転磁界に同期してその軸線回りに回転しようとすることで、前記回転体の回転(すなわち、各動翼2bの回転)が得られるようになっている。
また、これら永久磁石5a及び回転磁界発生器5bは、純チタン金属またはチタン合金を材質とする部品で被覆されているため、血液と接する部分が、生体適合性を有するものとなっている。
【0047】
前記静翼部4は、羽根車2の下流側に同軸に配置固定されており、吐出側接続口7aに向かって先細りとなる胴体部4aと、該胴体部4aの周囲に固定された複数枚の静翼4bとを備えて構成されている。各静翼4bは、前記各動翼2bとは反対方向に螺旋形状を有する捻り羽根となっており、その中心部に、胴体部4aを支持している。そして、各静翼4bは、血液が羽根車2より得た動圧を静圧に変換することにより、圧送する血液の圧力を効率よく昇圧する役目をなしている。
なお、胴体部4a及び各静翼4bは、下流側ハウジング7内部の上流側に、一体成形されている。
【0048】
なお、本実施形態では、羽根車2、静翼部4それぞれの動翼2b及び静翼4bの形状として3次元形状が採用されており、負荷分布を最適化してポンプ効率の向上が図られている。また、このような3次元形状翼を採用することにより、血液に加える剪断力を低減させることができるので、赤血球などの血液組織破壊を防止することも可能となっている。
【0049】
以上説明の本実施形態の人工心臓ポンプの効果について、以下にまとめる。
本実施形態の人工心臓ポンプは、その羽根車2が、シュラウド3の外周とハウジング1の内周との間を下流側から上流側へ流れる潤滑血液により、ハウジング1内に浮上状態に支持されたシャフトレス支持構造を有し、駆動機構5が、シュラウド3側に設けられた永久磁石5aと、ハウジング1側でかつシュラウド3を周囲より覆う位置に配置された回転磁界発生器5bとを備え、血液と接する部分が生体適合性を有する材質からなる構成を採用した。この構成によれば、羽根車2が回転軸を持たないシャフトレス支持構造であるため、その回転軸線方向の長さ寸法が極めて短くなり、装置を小型化することができるようになる。また、回転軸を持たないシャフトレス支持構造であるため、回転軸をハウジング外部に貫通させるための軸シールが不要となり、耐久性及び信頼性を向上させることができるようになる。したがって、耐久性を高くして寿命を長くし、なおかつ小型化することも可能となる。
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、潤滑血液の流れを、上流側から下流側ではなく、下流側から上流側に向かって逆流させる構成としたことにより、十分な潤滑血液の供給量確保が可能となっている。すなわち、羽根車2に流れ込んだ血液の流れは、羽根車2の回転によって運動エネルギーが付加されるため、羽根車2を中心として半径方向に向かう遠心力が付加されるが、この遠心力は、上流側から下流側に向かうにつれて大きくなる。ハウジング環状室10への潤滑血液の供給は、この遠心力などによる圧力上昇によってなされるため、上流側よりも下流側の方が、より高い供給圧で潤滑血液を流すことができるようになる。したがって、下流側から上流側に向かって潤滑血液を流す構成としたことにより、十分な潤滑血液の供給量確保が可能となっている。
また、血液と接する部分が生体適合性を有する材質からなるので、血液と接しても生体への悪影響を及ぼすことがない。
【0050】
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、ハウジング1内にハウジング環状室10を形成し、シュラウド3の外周面3e,3fとハウジング環状室10の内周面10aとでラジアル軸受を構成し、シュラウド3の各端面3y,3zとハウジング環状室10の各内側面10b,10cとでアキシャル軸受を構成する構成を採用した。この構成によれば、回転動作時におけるシュラウド3の軸ずれがラジアル軸受によって規制され、また回転軸線方向への揺動がアキシャル軸受によって規制されるため、シュラウド3の軸ずれ量を極めて小さくすることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、ハウジング環状室10の各内側面10b,10cに複数本の螺旋溝10b1,10c1を形成する構成を採用した。この構成によれば、各内側面10b,10cを対向視して、シュラウドの回転方向と潤滑血液の流れ方向に向かう血液の流れが、各螺旋溝10b1,10c1によって形成され、血液の流れによる動圧効果を利用した動圧軸受としての機能をより効果的に発揮することが可能となる。
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、ハウジング環状室10の断面形状が2円弧形状をなしている構成を採用した。この構成によれば、回転動作時のシュラウド3及び羽根車2の軸ずれがより小さくなって安定性が増すため、シュラウド3の外周面3e,3fとハウジング環状室10の内周面10aとの間での接触がより確実に回避される。
【0052】
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、シュラウド3の外周面にシュラウド凹溝3dを形成する構成を採用した。この構成によれば、シュラウド3が停止状態から回転状態に素早く移れるので、起動動作をスムーズに行うことが可能となる。なお、シュラウド凹溝3dは複数であっても良い。
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、羽根車2の周囲を流れる潤滑用の血液流れが、コイル5b1の近傍を通過する際に、コイル5b1を冷却することも可能となっている。
【0053】
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、図9に示すように、ハウジング1の部品構造を、羽根車2の回転軸線CL方向(紙面左右方向)に沿って互いに嵌合される下流側ハウジング7,上流側ハウジング本体6b,回転磁界発生器カバー6c(複数のハウジング部品)の3分割構造にすることにより、製造容易となっている。すなわち、この3分割構造によれば、回転磁界発生器5bの設置を可能とし、また、軸受面加工がしやすく、また、羽根車2の組み込みを可能とし、また、静翼部4を加工しやすくなっている。
【0054】
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、羽根車2の下流側に各静翼4bを設ける構成を採用した。この構成によれば、血液流れの動圧を静圧に変換することができるので、圧送する血液の圧力を効率よく昇圧することが可能となる。さらには、これら静翼4b及び胴体部4aが、下流側ハウジング7内に一体成形する構成を採用したことにより、下流側ハウジング7に対する各静翼4bの位置調整や、組み付け工程が不要となるので、これらを別体に製作する場合に比較して、製造容易とすることが可能となっている。
また、本実施形態の人工心臓ポンプは、ノーズコーン2aの断面形状が、上流側から下流側に向かって大きくなる形状を有する構成を採用した。この構成によれば、ノーズコーン2aの表面に沿った血液の流れが斜流となるため、揚程を稼ぐことが可能となる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の人工心臓ポンプは、その羽根車が、シュラウドの外周とハウジングの内周との間を下流側から上流側へ流れる潤滑血液により、前記ハウジング内に浮上状態に回転支持されたシャフトレス支持構造を有し、駆動機構が、シュラウド側に設けられた永久磁石と、ハウジング側でかつシュラウドを周囲より覆う位置に配置された回転磁界発生器とを備え、血液と接する部分が生体適合性を有する材質からなる構成を採用した。この構成によれば、羽根車が回転軸を持たないシャフトレス支持構造であるため、その回転軸線方向の長さ寸法が極めて短くなり、装置を小型化することができるようになる。また、回転軸を持たないシャフトレス支持構造であるため、回転軸をハウジング外部に貫通させるための軸シールが不要となり、耐久性及び信頼性を向上させることができるようになる。したがって、耐久性を高くして寿命を長くし、なおかつ小型化することも可能となる。
また、スムーズな潤滑血液の供給がなされることから、羽根車及びシュラウドを回転させるのに要する駆動力を低減し、省電力化することも可能となる。
また、血液と接する部分が生体適合性を有する材質からなるので、血液と接しても生体への悪影響を及ぼすことがない。
【0056】
また、請求項2に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、ハウジング内に環状室が形成され、シュラウドの外周面と環状室の内周面とでラジアル軸受をなし、シュラウドの各端面と環状室の各内側面とでアキシャル軸受をなす構成を採用した。この構成によれば、回転動作時における羽根車及びシュラウドの軸ずれがラジアル軸受によって規制され、また回転軸線方向への揺動がアキシャル軸受によって規制されるため、羽根車及びシュラウドの軸ずれ量を極めて小さくすることが可能となる。
【0057】
また、請求項3に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、環状室の各内側面に、シュラウドの回転方向でかつ潤滑血液の流れ方向に沿って複数本の螺旋溝を形成する構成を採用した。この構成によれば、シュラウドの回転方向でかつ潤滑血液の流れ方向に向かう血液の流れが、各螺旋溝によって形成されるので、血液の流れによる動圧効果を利用した動圧軸受としての機能をより効果的に発揮することが可能となる。
【0058】
また、請求項4に記載の人工心臓ポンプは、請求項3に記載の人工心臓ポンプにおいて、各螺旋溝のうち、下流側の内側面に形成されたものは、その内周端が血液流路に対して直接、連通している構成を採用した。この構成によれば、血液流路内の血液をスムーズに取り込むことができるので、潤滑血液の供給流量をより十分に確保することが可能となる。
【0059】
また、請求項5に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記環状室の断面形状が複円弧形状をなしている構成を採用した。この構成によれば、回転動作時のシュラウド及び羽根車の軸ずれがより小さくなって安定性が増すため、シュラウド外周面と環状室の内周面との間での接触がより確実に回避される。
【0060】
また、請求項6に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの外周面に、シュラウド凹溝を形成する構成を採用した。この構成によれば、シュラウドが停止状態から回転状態に素早く移れるので、起動動作をスムーズに行うことが可能となる。また、シュラウド部での摩擦損失が低減され、ポンプ効率の向上が可能となる。なお、シュラウド凹溝は複数であっても良い。
【0061】
また、請求項7に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの外周面に、シュラウド凸部を形成する構成を採用した。この構成によれば、シュラウドが停止状態から回転状態に素早く移れるので、起動動作をスムーズに行うことが可能となる。また、シュラウド部での摩擦損失が低減され、ポンプ効率の向上が可能となる。なお、シュラウド凸部は複数であっても良い。
【0062】
また、請求項8に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、環状室の内周面に凹溝を形成する構成を採用した。この構成によれば、シュラウドが停止状態から回転状態に素早く移れるので、起動動作をスムーズに行うことが可能となる。また、シュラウド部での摩擦損失が低減され、ポンプ効率の向上が可能となる。なお、凹溝は複数であっても良い。
【0063】
また、請求項9に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記環状室が、上流側ハウジングに対して下流側ハウジングを、前記羽根車の回転軸線方向に挿入することで形成する構成を採用した。この構成によれば、上流側ハウジングに対して下流側ハウジングを回転軸線方向に挿入結合させることで、自然と環状室を形成することができるので、環状室を形成させるための専用部品が不要となり、部品点数削減を達成することが可能となる。
【0064】
また、請求項10に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドが、下流側端面に前記永久磁石が挿入される開口を有するとともに、上流側端面に平滑面を有するシュラウド本体と、該シュラウド本体の前記開口を密閉する蓋体とを備えている構成を採用した。この構成によれば、ポンプ起動時におけるシュラウドの回転を、よりスムーズにすることが可能となる。
【0065】
また、請求項11に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、ノーズコーンの断面形状が、上流側から下流側に向かって大きくなる形状を有する構成を採用した。この構成によれば、ノーズコーンの表面に沿った血液の流れが斜流となるため、揚程を稼ぐことが可能となる。
【0066】
また、請求項12に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、下流側ハウジングの上流側に静翼を一体成形する構成を採用した。この構成によれば、下流側ハウジングに対する静翼の位置調整や、組み付け工程が不要となるので、これらを別体に製作する場合に比較して、製造容易とすることが可能となる。
【0067】
また、請求項13に記載の人工心臓ポンプは、請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記ハウジングが、羽根車の回転軸線方向に沿って互いに嵌合される複数のハウジング部品からなる構成を採用した。この構成によれば、各ハウジング部品間の接合部分の後加工が不要となることから、ハウジングの組み立てを容易にすることが可能となる。
【0068】
また、請求項14に記載の人工心臓ポンプは、請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記ハウジングの外周面と前記環状室の内周面との間に、複円弧流路を形成する構成を採用した。この構成によれば、回転動作時のシュラウド及び羽根車の軸ずれがより小さくなって安定性が増すため、シュラウド外周面と環状室の内周面との間での接触がより確実に回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の人工心臓ポンプの一実施形態を示す図であって、その上流側より見た斜視断面図である。
【図2】 同人工心臓ポンプを示す図であって、羽根車の回転軸線を含む断面で見た場合の断面図である。
【図3】 同人工心臓ポンプのハウジングの内側面と内周面断面を示す図であって、図2のA−A矢視図である。
【図4】 同人工心臓ポンプのハウジングの内側面と内周面断面を示す図であって、図2のB−B矢視図である。
【図5】 同人工心臓ポンプの環状室及びシュラウド断面を示す図であって、図2のC−C断面図である。
【図6】 同人工心臓ポンプのハウジングの内側面と内周面断面の変形例を示す図であって、図3に相当する断面図である。
【図7】 同人工心臓ポンプを示す図であって、蓋体の配置を説明するための断面図である。
【図8】 同人工心臓ポンプの羽根車のノーズコーン形状及びシュラウド形状を示す断面図である。
【図9】 同人工心臓ポンプを示す図であって、ハウジングの部品分割構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ハウジング
2・・・羽根車
3・・・シュラウド
3b・・・シュラウド本体
3c・・・蓋体
3d・・・シュラウド凹溝
3e・・・シュラウドの外周面(上流側)
3f・・・シュラウドの外周面(下流側)
3y,3z・・・シュラウドの端面(シュラウドの回転軸線方向の端面)
4b・・・静翼
5・・・駆動機構
5a・・・永久磁石
5b・・・回転磁界発生器
10・・・ハウジング環状室(環状室)
10a・・・内周面(ハウジングの内周面)
10b,10c・・・内側面(ハウジングの内側面)
10b1,10c1・・・螺旋溝

Claims (14)

  1. ハウジングと、該ハウジング内に収容された羽根車と、該羽根車を回転駆動する駆動機構とを備え、前記ハウジング内に取り込んだ血液を前記羽根車の回転により圧送する人工心臓ポンプにおいて、
    前記羽根車は、該羽根車の周囲に一体に設けられたシュラウドの外周と、前記ハウジングの内周との間を、前記圧送の方向に対して下流側から上流側へ流れる潤滑血液により、前記ハウジング内に浮上状態に回転支持されたシャフトレス支持構造を有し、
    前記駆動機構は、前記シュラウド側に設けられた永久磁石と、前記ハウジング側でかつ前記シュラウドを周囲より覆う位置に配置された回転磁界発生器とを備え、
    前記血液と接する部分が、生体適合性を有する材質からなる
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  2. 請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記ハウジング内には、前記シュラウドが収容される環状室が形成され、
    前記シュラウドの外周面と、それに対向する前記ハウジングの内周面とでラジアル軸受が構成され、
    前記シュラウドの、回転軸線方向の各端面と、それらに対向する前記ハウジングの各内側面とでアキシャル軸受が構成されている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  3. 請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記各内側面には、前記シュラウドの回転方向でかつ潤滑血液の流れ方向に沿って複数本の螺旋溝が形成されている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  4. 請求項3に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記各螺旋溝のうち、前記圧送の方向の下流側の内側面に形成されたものは、その内周端が、前記ハウジング内の血液流路に対して直接、連通している
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  5. 請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記環状室の、該環状室の中心軸線に垂直をなす断面で見た場合の断面形状が、一端から他端に向かって前記中心軸線からの寸法が漸減する円弧部を、複数連ねた複円弧形状をなしている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  6. 請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記シュラウドの外周面には、シュラウド凹溝が形成されている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  7. 請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記シュラウドの外周面には、シュラウド凸部が形成されている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  8. 請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記環状室の内周面には、前記シュラウドの外周面に対向する凹溝が形成されている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  9. 請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記ハウジングは、互いに接合される上流側ハウジング及び下流側ハウジングを有し、
    前記環状室は、前記上流側ハウジングに対して、前記下流側ハウジングを、前記羽根車の回転軸線方向に挿入することで形成されている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  10. 請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記シュラウドは、下流側端面に前記永久磁石が挿入される開口を有するとともに、上流側端面に平滑面を有するシュラウド本体と、該シュラウド本体の前記開口を密閉する蓋体とを備えている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  11. 請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記羽根車は、その回転中心をなすノーズコーンの、回転軸線に対して垂直をなす断面形状が、前記圧送の方向に沿った上流側から下流側に向かって大きくなる形状を有する
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  12. 請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記ハウジングは、互いに接合される上流側ハウジング及び下流側ハウジングを有し、該下流側ハウジングの上流側に、前記血液の動圧を静圧に変換する静翼が一体成形されている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  13. 請求項1に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記ハウジングは、前記羽根車の回転軸線方向に沿って互いに嵌合される複数のハウジング部品からなる
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  14. 請求項2に記載の人工心臓ポンプにおいて、
    前記ハウジングの外周面と、前記環状室の内周面との間には、潤滑血液流路が形成され、
    該潤滑血液流路の、前記環状室の中心軸線に垂直をなす断面で見た場合の断面形状が、前記羽根車の回転方向回りに、一端から他端に向かって流路幅が漸減する円弧流路を、複数連ねた複円弧流路をなしている
    ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
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