JP4083942B2 - 光増幅装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムの光中継局などに使用される光増幅装置において、より広い入力ダイナミックレンジと低雑音とを実現する光増幅装置に関する。
将来のマルチメディアネットワークの構築を目指し、超長距離でかつ大容量の光通信装置が要求されている。この大容量化を実現する方式として、波長分割多重(wavelength-division multiplexing、以下、「WDM」と略記する。)方式が、光ファイバの広帯域・大容量性を有効利用できるなどの有利な点から研究開発が進められている。
特に、超長距離光通信システムでは、WDM方式光信号が超長距離を伝送する間に減衰してしまうことから、WDM方式光信号を増幅する光増幅装置が必要である。このような光増幅装置では、光中継局間における距離や伝送損失などの相違から広い入力ダイナミックレンジが要求され、同時に、超長距離を伝送するために低雑音であることが要求されている。
【0002】
【従来の技術】
WDM方式光信号を伝送する光通信システムにおいて、光伝送路に光増幅装置が挿入されると、伝送距離は、光増幅装置の利得波長特性に基づく利得傾斜(ゲインチルト)によって制限される。
これは、伝送距離を長距離化するために光増幅装置が縦続接続されると、各光増幅装置で生じる利得傾斜が累積するので、WDM方式光信号における低い光レベルのチャネルにおいては、光信号対雑音比(optical signal to noise ratio 、以下、「光SNR」と略記する。)が劣化し、そして、WDM方式光信号における高い光レベルのチャネルにおいては、非線形光学効果などにより波形が劣化するからである。
【0003】
そこで、利得波長特性をほぼ平坦にする光増幅装置が、未公開である特願平11−074371号の明細書に本特許出願と同一の出願人によって提案されている。
図23は、先行する光増幅装置の構成とレベルダイヤを示す図である。
この図23は、特願平11−074371号の明細書に提案されている光増幅装置である。
【0004】
図23(a)において、この光増幅装置1000に入力する入力光は、光分岐結合器(optical coupler 、以下、「CPL」と略記する。)1011およびCPL1012を介して光増幅器1013に入射され、利得G1 で増幅される。増幅された光は、CPL1014を介して光可変減衰器(optical variable attenuator 、以下、「VAT」と略記する。)515に入射され、減衰される。減衰された光は、CPL1016を介して光増幅器1017に入射され、利得G2 で増幅される。増幅された光は、CPL1018を介して光増幅装置1000の出力光として出力される。
【0005】
CPL1011、1012、1014、1016、1018は、入射される光を2つに分配する。CPL1011で分配された光は、受光される光の光レベルに従う電流を発生するホトダイオード(以下、「PD」と略記する。)1026に入射され、光電変換される。PD1026のアノード端子は、電圧Vccの電源に接続され、カソード端子は、抵抗値R1 の抵抗器1025を介して接地される。抵抗器1025の端子間電圧は、PD1026の出力として制御回路1027に入力され、制御回路1027は、この出力に基づいてVAT1015の減衰量を調整する。さらに、制御回路1027は、この出力に基づいて、自動利得制御回路(automatic gain controller 、以下、「AGC」と略記する。)1019、1020を介して光増幅器1013、1017の利得を調整する。PD1026および抵抗器1025は、入力光の光レベルを検出するモニタ回路を構成する。
【0006】
CPL1012で分配された光およびCPL1014で分配された光は、AGC1019に入射され、AGC1019は、これらの光の光パワーに基づいて光増幅器1013の利得を判断し、光増幅器1013を利得G1 に調整する。
CPL1016で分配された光およびCPL1018で分配された光は、AGC1020に入射され、AGC1020は、これらの光の光パワーに基づいて光増幅器1017の利得を判断し、光増幅器1017を利得G2 に調整する。
【0007】
図23(b)は、光増幅装置1000の図23(a)に示す各箇所a、b、c、dにおける光レベルを示すレベルダイヤである。図23(b)の横軸は、位置を表し、縦軸は、光レベルを表す。
図23(b)において、光増幅装置1000に入力された光は、ab間で光増幅器1013によって増幅され、bc間でVAT1015で減衰され、そして、cd間で光増幅器1017で再び増幅されて、出力される。
【0008】
このような光増幅装置1000では、図23(b)に示すように入力光の光レベルがΔだけ変動した場合に、VAT1015の減衰量を−Δだけ変更することによって、光増幅器1013の利得G1 と光増幅器1017の利得G2 との和を一定に維持するように動作する。
【0009】
すなわち、入力光の光レベルの変動の前後における光増幅器1013の利得G1 をG1x、G1x# と、光増幅器1017の利得G2 をG2x、G2x# とおくと、
G1x+G2x=G1x# +G2x# (式1)
となるように動作する。
このように動作させることにより、このような光増幅装置1000は、入力光を所望の光レベルまで増幅し且つ利得波長特性をほぼ平坦にすることができる。
【0010】
これは、光増幅器において、次のような現象が見られることによる。
図24は、光増幅器の利得と利得波長特性との関係を示す図である。
図24において、中央の曲線に示すように、光増幅器の利得Ga をある利得Gafとすると、利得波長特性は、WDM方式光信号を増幅する増幅波長帯域において平坦(dGa /dλ=0)になる。そして、上段の曲線に示すように、光増幅器の利得Ga を利得Gafより大きくすると、利得波長帯域は、WDM方式光信号を増幅する増幅波長帯域において負の傾斜(dGa /dλ<0)となる。一方、下段の曲線に示すように、光増幅器の利得Ga を利得Gafより小さくすると、利得波長帯域は、WDM方式光信号を増幅する増幅波長帯域において正の傾斜(dGa /dλ>0)となる。
【0011】
このような現象により、光増幅装置1000は、光増幅器1013と光増幅器1017とにおいて、入力光の光レベルの変動に応じて一方の利得を上げ他方の利得を下げることによって、互いに逆の利得傾斜になるように動作させ、光増幅装置1000の利得波長特性をほぼ平坦にすることができる。
また、このような光増幅装置1000の雑音指数は、
10(NF/10)=10(NF1/10)+10((NF2-Pout+Lvat+Pin)/10) (式2)
で与えられる。ここで、NF(dB)は、光増幅装置1000の雑音指数、NF1 (dB)は、光増幅器1013の雑音指数にCPL1011およびCPL1012の損失を加えた総合的な雑音指数、NF2 (dB)は、光増幅器1017の雑音指数にCPL1016の損失を加えた総合的な雑音指数、Pout (dB/チャネル)は、光増幅器1013の出力光レベル、Lvat (dB)は、VAT1015の減衰量、Pin(dB/チャネル)は、光増幅器1013の雑音指数である。
【0012】
一方、光通信システムのシステムゲインは、各光中継局間の距離が相違するため、各光中継局において異なる。システムゲインとは、光中継局間の送受光レベル差で光中継局間で取り得る最大損失値であり、より具体的には、光中継局間の伝送損失にマージンを加えた値である。伝送損失は、光中継局間の距離に依存するとともに光伝送路の温度変動および経年変化などにも依存する。
【0013】
光増幅装置を光中継局などに使用する場合には、様々なシステムゲインに対応するため広い入力ダイナミックレンジが要求される。この様々なシステムゲインに対応するため、光減衰器によって入力光レベルを下げてから光増幅装置に入力させる仕方があり、この仕方は、システムゲインの変動分を光減衰器に吸収させている。このような光減衰器を利用しない場合には、光増幅装置の入力ダイナミックレンジは、光通信システムにおける最小のシステムゲインと最大のシステムゲインとの差より広いことが要求される。
【0014】
さらに、光ファイバなどの光伝送路を伝送する光信号は、自己位相変調、4光波混合および相互位相変調などの非線形光学効果により、信号波形が歪むことが知られている。非線形光学効果は、光伝送路に入射される光信号の光レベルを大きくすると効果が増大するので、光伝送路に入射される光信号の光レベルが制限される。そして、非線形光学効果の度合いは、分散シフト光ファイバ(dispersion-shifted fiber、以下、「DSF」と略記する。)やノンゼロ分散シフトファイバ(non-zero-dispersion-shifted fiber 、以下、「NZ−DSF」と略記する。)や単一モード光ファイバ(singlemode fiber、以下、「SMF」と略記する。)などの光ファイバの種類によって異なるため、光信号の光レベルの上限値も異なる。例えば、SMF、NZ−DSFおよびDSFでは、SMFの上限値が一番大きく、DSFの上限値が一番小さい。この上限値の差は、数デシベルにもなる。1個の光増幅装置でこのような光ファイバの種類に対応するため、従来は、光減衰器を光増幅装置の出力端子に接続することによって対応している。
【0015】
そして、光増幅装置は、光増幅装置を扱う作業員の安全を確保するため、出力端開放検出機能がある。この出力端開放検出機能は、光増幅装置の出力端が開放されているか否かを開放端からの反射光を検出して、開放されている場合は、光増幅装置における出力光の光レベルを低減する機能である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図23(a)に示す光増幅装置1000では、より広い入力ダイナミックレンジに対応しようとすると、図23(b)におけるΔが大きくなる。光増幅器1013の出力光レベルには、一般の光増幅器と同様に上限があるので、光増幅装置1000では、VAT1015の減衰量Lvat が大きくなる。このため、このような光増幅装置1000では、VAT1015の出力光レベルが低下し、(式2)から分かるように、雑音指数が著しく劣化するという問題がある。
【0017】
一方、より広い入力ダイナミックレンジに対応するために上述のように光減衰器を利用する場合では、光増幅装置が最大のシステムゲインに合わせて設計され光減衰器によって入力光レベルを下げて使用されるので、光増幅装置は、その光SNRを劣化させて使用することになる。このため、伝送距離が減少するという問題がある。
【0018】
そして、より広い入力ダイナミックレンジに対応するために光レベルを検出するモニタ回路もより広いダイナミックレンジにする必要があるという問題がある。
さらに、既に敷設されている多種類の光ファイバに接続することができるようにするため、光増幅装置の出力光レベルを多様にする必要があるという問題がある。
【0019】
また、既に敷設されている多種類の光ファイバに接続することができるようにする必要から光減衰器によって対応しようとすると、光増幅装置の出力端が開放されているか否かを光増幅装置の出力端と光減衰器の出力端との両方で検出しなければならず、微弱な反射光を検出する必要があり、出力端開放の検出が困難となるという問題がある。
【0020】
そこで、本発明では、雑音指数の劣化を伴うことなくより広い入力ダイナミックレンジを持つ光増幅装置を提供することを目的とする。また、本発明では、上述の目的に加えて、出力端開放機能を損なうことなく、多種類の光ファイバに接続可能な光増幅装置を提供することを目的とする。さらに、本発明では、広波長帯域の光を増幅することができる光増幅装置を提供することを目的とする。
【0021】
そして、本発明では、雑音指数の劣化を伴うことなくより広い入力ダイナミックレンジを持つ光増幅装置を光中継局などに使用した光通信システムを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述の課題は、入力された光を複数の帯域に分割する波長帯域分割部と、波長帯域分割部により分割されたそれぞれの光に対応して設けられた分割された入力光レベルが所定範囲外になると、光増幅出力の目標値を変える複数の第1光増幅部と、複数の第1光増幅部の出力をそれぞれ減衰させる複数の減衰部と、複数の減衰部の出力をそれぞれ増幅する複数の第2光増幅部と、複数の第2光増幅部の出力を合波する合波部と、第1光増幅部からの入力信号に基づいて複数の減衰部の減衰量をそれぞれ変化させる複数の制御部とを備え、第1光増幅部は、入力光レベルに対して複数設定された所定範囲ごとに、一の光増幅出力の目標値を設定して出力し、制御部は、第1光増幅部の光増幅出力の目標値を変更する場合に、変更前の第1光増幅部の光増幅出力の目標値と、変更後の第1光増幅部の光増幅出力の目標値との差分に応じて減衰部の減衰量を変化させることにより達成される
【0023】
【発明の実施の形態】
まず、図面に基づいて本発明の基本構成について説明する。
図1は、本発明の基本構成を示す図である。
図2および図3は、本発明のレベルダイヤを示す図である。
この図2は、後述する入力光のモードが、例えば、3個である場合のレベルダイヤを示している。また、図3において、(a)は、入力光のレベルが範囲aにある場合におけるレベルダイヤを示し、(b)は、入力光のレベルが範囲bにある場合におけるレベルダイヤを示す。図2および図3の縦軸は、光レベル(dBm)を表し、横軸は、位置を表し、位置A、B、CおよびDは、図1に示す各箇所A、B、CおよびDに対応する。すなわち、箇所Aは、第1光増幅部11の入射側であり、箇所Bは、第1光増幅部11と光減衰部12との間であり、箇所Cは、光減衰部12と第2光増幅部13との間であり、箇所Dは、第2光増幅部の射出側である。
図1において、光増幅装置10に入力する入力光は、第1光増幅部11に入射される。第1光増幅部11は、入力光の変化が所定値になると出力光目標値を変える光増幅部であり、その出力光は、光減衰部12へ射出される。光減衰部12は、第1光増幅部11の出力光を減衰させ、その出力光は、第2光増幅部13へ射出される。第2光増幅部13は、光減衰部の出力光を増幅し、その出力光は、光増幅装置10の出力光として射出される。
【0024】
そして、光増幅装置10は、光減衰部12の減衰量を変化させる制御部14を備え、この制御部14は、第1光増幅部11の出力光目標値を変更する場合に第1光増幅部11の出力光目標値と変更後の第1光増幅部11の出力光目標値との差分に応じて光減衰部12の減衰量を変化させる。
また、入力光の所定値は、入力光のレベルを所定の範囲ごとに区切った複数の値であって、区切った値ごとに対応して第1光増幅部11の出力光目標値をそれぞれ設ける。例えば、図2に示すように、光レベルにおいて入力光のモードが3個設定され、範囲aのインモードaに対して第1目標値aが第1目標値として規定され、範囲bのインモードbに対して第1目標値bが第1目標値として規定され、範囲cのインモードcに対して第1目標値cが第1目標値として規定される。
【0025】
ここで、各範囲は、範囲aと範囲bのように範囲の一部分が重複していてもよく、範囲bと範囲cのように範囲の境界が接していてもよい。
このような光増幅装置10では、或るインモードが選択されると、その範囲内において入力光レベルに依らず、第1光増幅部11の出力光レベルは、そのインモードに対応する第1目標値にほぼ固定される。
【0026】
例えば、図2において実線で示すように、入力光のモードとしてインモードaが選択されると、範囲a内において入力光レベルが変化しても、第1光増幅部11の出力(図2の箇所B)は、第1目標値aにほぼ固定される。なお、図2において、インモードbのレベルダイヤは、破線で示され、インモードcのレベルダイヤは、一点鎖線で示される。また、箇所Cから箇所Dのレベルダイヤは、インモードa、インモードbおよびインモードcともに同一なので、見かけ上実線のみで示されている。
【0027】
そして、光減衰部12の減衰量は、入力光のモードが変更された場合に、変更前の第1目標値から変更後の第1目標値を減算した値Xより絶対値が小さく同符号の減衰量だけ調整される。このため、光減衰部12の出力光レベル(図2の箇所C)は、入力光のモードの変更後においても、入力光のモードの変更前より小さくなることはない。
【0028】
特に、上述の構成で、光減衰部12の出力光は、第1光増幅部の出力光目標値に関係無く一定値とする。
例えば、光減衰部12の減衰量が、入力光のモードが変更された場合に、変更前の第1目標値から変更後の第1目標値を減算した値Xより絶対値が等しく同符号の減衰量だけ調整されると、光減衰部12の出力光レベルは、図2に示すように入力光のモードの変更後においても、入力光のモードの変更前と等しくなる(一定値V0 )。
【0029】
よって、本発明では、光増幅装置10は、この変化の前後において、雑音指数の劣化を抑制することができる。
したがって、本発明では、入力光レベルに応じて複数の入力光のモードを設定することにより、入力ダイナミックレンジを拡大することができる。そして、各入力光のモードに対応してそれぞれの第1目標値を設定し、光減衰部12の減衰量を調整するので、入力ダイナミックレンジを拡大しても、雑音指数を劣化させない。
【0030】
なお、上述の説明では、入力ダイナミックレンジを3個のインモードに分ける場合について説明したが、任意の個数の入力光のモードについて同様に本発明を適用することができる。
また、インモードは、入力光のモードの各モードを言い、後述するアウトモードは、出力光のモードの各モードを言う。
【0031】
ここで、図1において、光増幅装置10では、第2光増幅部13は、光減衰部12の出力光を所定の出力光目標値まで増幅するものであって、制御部14は、第2光増幅部13の出力光目標値を変更する場合は第1光増幅部11の出力光目標値と変更後の第1光増幅部11の出力光目標値との差分と、第2光増幅部13の出力光目標値と変更後の第2光増幅部13の出力光目標値との差分と、を合わせた値に応じて光減衰部12の減衰量を変化させることで構成してもよい。
【0032】
そして、図1において、光増幅装置10は、第1光増幅部11と、第1光増幅部11の出力光を減衰させる光減衰部12と、光減衰部12の出力光を所定の出力光目標値まで増幅する第2光増幅部13と、光減衰部12の減衰量を変化させる制御部14とを備え、制御部14は、第2光増幅部13の出力光目標値を変更する場合に第2光増幅部13の出力光目標値と変更後の第2光増幅部13の出力光目標値との差分に応じて光減衰部12の減衰量を変化させることで構成してもよい。
【0033】
このような光増幅装置10では、例えば、図3(a)に示すように、入力光のモードとしてインモードaが選択された場合に、光レベルにおいて出力光のモードが3個設定され、アウトモードSa に対して第2目標値Sa が第2目標値として規定され、アウトモードTa に対して第2目標値Ta が第2目標値として規定され、アウトモードUa に対して第2目標値Ua が第2目標値として規定される。また、図3(b)に示すように、入力光のモードとしてインモードbが選択された場合に、光レベルにおいてアウトモードが3個設定され、アウトモードSa に対して第2目標値Sa が第2目標値として規定され、アウトモードTa に対して第2目標値Ta が第2目標値として規定され、アウトモードUa に対して第2目標値Ua が第2目標値として規定される。そして、図示しないが、入力光のモードとしてインモードcが選択された場合も、同様に第2目標値が規定される。
【0034】
このような光増幅装置10では、例えば、入力光のモードとしてインモードaが選択された場合では上述で説明したように、範囲a内において入力光レベルが変化しても、第1光増幅部11の出力光レベル(図3(a)の箇所B)は、第1目標値aにほぼ固定され、光減衰部12の出力光レベル(図3(a)の箇所C)は、所定の一定値V0 になる。この様子を図3(a)において実線で示す。
【0035】
そして、光減衰部12の減衰量は、出力光のモードが変更された場合に、変更前の第2目標値から変更後の第2目標値を減算した値Yより絶対値が小さく逆符号の減衰量だけさらに調整される。
さらに、光減衰部12の減衰量は、出力光のモードが変更された場合に、変更前の第2目標値から変更後の第2目標値を減算した値Yと絶対値が等しく逆符号の減衰量だけさらに調整されるようにしてもよい。
【0036】
また、光減衰部12の減衰量は、入力光のモードおよび出力光のモードが変更された場合に、変更前の第1目標値から変更後の第1目標値を減算した値Xを求め、変更前の第2目標値から変更後の第2目標値を減算した値Yを求めて、値Xから値Yを減算した値と絶対値が等しく逆符号の減衰量−(X−Y)だけ調整するようにしてもよい。
【0037】
したがって、このような光増幅装置10では、上述の入力光レベルの変化の前後において雑音指数の劣化を抑制することができるほかに、光増幅装置10の出力光レベルに応じたアウトモードを選択できるので、光増幅装置10の出力側に接続される光伝送路の種類に最適な光レベルの出力光を射出することができる。このため、出力光は、光伝送路を伝播する間に、自己位相変調、相互位相変調および4光波混合などの非線形光学効果による著しい波形劣化を生じることがない。
【0038】
一方、図1において、光増幅装置10では、第1光増幅部11に入力される入力光は、波長多重された光信号であって、第2光増幅部13の出力光は、光信号内の特定波長の出力光レベルが一定値になるようにしてもよい。
このような光増幅装置10では、第2光増幅部13が出力一定制御されるため、光減衰部12に使用される光減衰器における減衰量の製品によるバラツキを吸収することができる。このため、光増幅装置10の出力光レベルは、ほぼ一定に維持される。
【0039】
そして、図1において、光増幅装置10では、該第1光増幅部11に入力される入力光は、波長多重された光信号であって、第2光増幅部の出力光13は、利得が一定に成るようにしてもよい。
さらに、図1において、光増幅装置10では、その第1光増幅部11は、受光した光を増幅する第1光増幅器21および第2光増幅器23と、第1光増幅器21と第2光増幅器23との間に接続された減衰器22と、第1光増幅器21の利得と第2光増幅器23の利得との和および第2光増幅器23の出力光レベルが一定に成るように光減衰器22の減衰量を調整する制御器24とを備えて構成してもよい。
【0040】
また、図1において、光増幅装置10では、その第1光増幅部11および第2光増幅部13は、受光した光を増幅する第1光増幅器21および第2光増幅器23と、第1光増幅器21と第2光増幅器23との間に接続された減衰器22と、第1光増幅器21の利得と第2光増幅器23の利得との和および第2光増幅器23の出力光レベルが一定に成るように光減衰器22の減衰量を調整する制御器24とを備えて構成してもよい。なお、図1において、第2光増幅部13における上述の詳細構成は、省略されている。
【0041】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態の構成)
図4は、第1の実施形態ないし第4の実施形態における光増幅装置の全体構成を示す図である。なお、図4は、後述する第2の実施形態ないし第4の実施形態における光増幅装置の全体構成を示す図でもある。
【0042】
図5は、第1の実施形態ないし第4の実施形態における、前段光増幅部、前段光減衰部および中段光増幅部の詳細構成を示す図である。なお、図5は、後述する第2の実施形態ないし第4の実施形態における、前段光増幅部、前段光減衰部および中段光増幅部の詳細構成を示す図でもある。
図6は、第1の実施形態における、後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【0043】
図4(a)において、第1の実施形態における光増幅装置301に入射されるWDM方式光信号は、前段光増幅部101に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、前段光減衰部102に入射され、減衰される。減衰されたWDM方式光信号は、中段光増幅部103に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、後段光減衰部104に入射され、減衰される。減衰されたWDM方式光信号は、後段光増幅部105に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、この光増幅装置301の出力光として、射出される。
【0044】
このWDM方式光信号は、Cバンドの波長帯域(1530〜1570nm)に設定された光信号である。
また、この光増幅装置301は、インモード1とインモード2の2個の入力光のモードを持っており、例えば、インモード1は、入力光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)に対応する入力光のモードであり、インモード2は、入力光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)に対応する入力光のモードである。
【0045】
次に、これら前段光増幅部101、前段光減衰部102、中段光増幅部103、後段光減衰部104および後段光増幅部105の構成について、順に説明する。
始めに、前段光増幅部101の構成について、図5に基づいて説明する。
図5において、第1の実施形態における光増幅装置301に入射されるWDM方式光信号は、前段光増幅部101内のCPL111に入射される。CPL111は、入射した光を2つに分配して射出する光部品であり、後述する他のCPLも同様である。CPLとしては、例えば、ハーフミラーなどの微少光学素子形光分岐結合器や溶融ファイバの光ファイバ形光分岐結合器や光導波路形光分岐結合器などを利用することができる。
【0046】
CPL111で分配された一方のWDM方式光信号は、PD121に入射され、他方は、光アイソレータ(optical isolator、以下、「ISO」と略記する。)112に入射される。PD121は、受光した光の光パワーに従う電流を発生する光電変換器であり、後述する他のPDも同様である。また、ISO112は、一方向にのみ光を透過する光部品であり、後述する他のISOも同様である。ISOとしては、例えば、45度ずれた状態の2つの偏光子の間にファラデー回転子を配置することによって構成することができる。ISOは、装置内における各光部品の接続部などからの反射光が何処までも伝播するのを防止する役割を果たす。特に、反射光が半導体レーザに戻ってくると、半導体レーザは、位相や振幅のまちまちな反射光に誘起されて、発振モードが変化したり、雑音が発生したりする。このため、ISOによってこの悪影響を防止するものである。
【0047】
PD121からの出力は、利得可変アンプ133およびスイッチ(以下、「SW」と略記する。)127に入力される。
SW127は、1入力4出力のスイッチであり、4個の出力端子のそれぞれには、抵抗値R1 の抵抗器128、抵抗値R2 の抵抗器129、抵抗値R3 の抵抗器130および抵抗値R4 の抵抗器131のいずれか1個の抵抗器が接続され、各抵抗器128、129、130、131は、接地される。これら抵抗値R1 〜R4 は、この光増幅装置301の入力光のモードに応じて決定される。そして、SW127によってPD121と接続された抵抗器の端子間電圧が、PD121の出力として利得可変アンプ133を介してAGC122および対数変換回路(log amplifier 、以下、「LOG」と略記する。)124に供給される。
【0048】
利得可変アンプ133の利得は、SW127を切り換える際に、PD121から利得可変アンプ133の出力までの利得を一定に保つように可変される。
これらPD121、SW127および抵抗器128、129、130、131からなる回路は、光増幅装置301に入力されるWDM方式光信号の光レベルを検出するモニタ回路である。
【0049】
また、ISO112からのWDM方式光信号は、CPL113に入射される。
一方、CPL113には、後述するエルビウム添加光ファイバ114への励起光としてレーザダイオード(laser diode 、以下、「LD」と略記する。)119からのレーザ光も入射される。LD119として、例えば、ファブリペロ型レーザ、分布帰還型レーザ、分布ブラッグ反射型レーザなど各種半導体レーザを利用することができる。後述する他のLDも同様である。
【0050】
これらISO112からのWDM方式光信号とLD119からのレーザ光は、合波されて、エルビウム添加光ファイバ(erbium doped fiber、以下、「EDF」と略記する。)114に入射される。エルビウム元素は、ランタノイドの希土類元素の1つで、元素記号Er、原子番号68である。ランタノイドに属する元素は、互いに性質が類似している。
【0051】
EDF114は、LD119からの励起光を吸収することによりEDF114内のErイオンが励起され反転分布を形成する。この反転分布を形成した状態でWDM方式光信号が入射するとこのWDM方式光信号に誘導されて誘導放射が起こり、WDM方式光信号が増幅される。後述する他のEDFも同様に光を増幅する。
【0052】
このようにLD119は、EDF114の励起光源であるから、LD119の発振波長は、EDF114の励起波長、例えば、1480nmに設定される。または、980nmなどでもよい。
EDF114で増幅されたWDM方式光信号は、ISO115を介して、利得等化器(gain equalizer、以下、「GEQ」と略記する。)116に入射される。GEQ116は、EDF114の利得波長特性をWDM方式光信号の波長帯域においてほぼ平坦な利得波長特性に補償する光部品であり、後述する他のGEQも補償すべきEDFが異なるだけで同様である。GEQとしては、補償すべきEDFの利得波長特性とほぼ同一の形状にその損失波長特性を合わせられた光フィルタなどを利用することができる。
【0053】
GEQ116からのWDM方式光信号は、CPL117に入射される。CPL117で分配された一方のWDM方式光信号は、前段光減衰部102内のVAT141に入射され、他方のWDM方式光信号は、PD120に入射される。
PD120からの出力は、その電流値を抵抗器(図5に不図示)によって端子間電圧に変換されて、AGC122およびLOG123に入力される。後述するPDについても、特に明示しない限り、PD120と同様にPDの出力は、PDの電流値を抵抗器(不図示)によって端子間電圧に変換されて出力される。
【0054】
AGC122は、PD120からの出力と利得可変アンプ133を介した前述のPD121からの出力とからEDF114の利得を判断し、注入電流がリミッタ値に達しない範囲でLD119の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF114の利得を所定の利得で一定になるように調整する。この所定の利得は、光増幅装置301に入力される低光レベルのWDM方式光信号の雑音指数を減少させるように考慮して設定される。
【0055】
LOG123は、PD120からの出力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、減算器(subtractor)125の一方の入力端子に入力される。そして、LOG124は、利得可変アンプ133を介した前述のPD121からの出力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、減算器125の他方の入力端子に入力される。減算器125は、LOG123の出力からLOG124の出力を減算して得た値を減算器126に出力する。このLOG123の出力からLOG124の出力を減算した値は、EDF114の利得に相当する。
【0056】
減算器126は、予め定められた参照電圧Vref1から減算器125の出力を減算して得た値を中段光増幅部103内の加算器(adder )161に出力する。参照電圧Vref1は、前段光増幅部101と中段光増幅部103との利得の和を所定の一定値Gs1にするために参照される電圧値である。
次に、前段光減衰部102の構成について、図5に基づいて説明する。
【0057】
前段光増幅部101内のCPL117からのWDM方式光信号は、VAT141を介して、中段光増幅部103内のCPL151に入射される。
VAT141は、入射された光を減衰して射出するとともにその減衰量を変更することができる光部品であり、後述する他のVATも同様である。VATとしては、例えば、入射光と射出光との間に減衰円板を挿入し、減衰円板の表面には回転方向に厚みが連続的に変えてある金属減衰膜を蒸着して、この減衰円板を回転させることにより減衰量を調節する光可変減衰器や入射光と射出光との間に磁気光学結晶およびこの磁気光学結晶の射出側に偏光子を挿入し、磁気光学結晶に磁界を印加してこの磁界の強さを変えることにより減衰量を調整する光可変減衰器などを利用することができる。
【0058】
一方、中段光増幅部103から後段光減衰部104に射出されるWDM方式光信号の出力光レベルに従う出力は、中段光増幅部103内のPD159から前段光減衰部102内のLOG144に入力される。
LOG144は、この入力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、自動出力制御回路(automatic level controller、以下、「ALC」と略記する。)143の一方の入力端子に入力される。
【0059】
ALC143は、予め定められた参照電圧Vref2とLOG144からの値とを比較することにより、中段光増幅部103から射出されるWDM方式光信号の1チャネル当たりの光レベルが一定になるように、VAT141の減衰量を調整する。参照電圧Vref2は、前段光増幅部101と前段光減衰部102と中段光増幅部103とからなる部分の出力光レベル(CPL156から後段光減衰部に出力される出力光レベル)を第1目標値にするために参照される電圧値であり、入力光のモードの個数に等しく用意される。例えば、インモード1に対して、インモード1用の参照電圧Vref2M1が用意され、インモード2に対して、インモード2用の参照電圧Vref2M2が用意される。
【0060】
次に、中段光増幅部103の構成について、図5に基づいて説明する。
前段光減衰部部102内のVAT141からのWDM方式光信号は、中段光増幅部103内のCPL151に入射される。
CPL151で分配された一方のWDM方式光信号は、PD157に入射され、他方のWDM方式光信号は、GEQ152に入射される。GEQ152は、後述するEDF155の利得波長特性をほぼ平坦に補償する。
【0061】
GEQ152からのWDM方式光信号は、ISO153を介して、CPL154に入射される。一方、CPL154には、LD158からのレーザ光も入射される。これらISO153からのWDM方式光信号とLD158からのレーザ光は、CPL154で合波されて、EDF155に入射される。
【0062】
EDF155は、入射されたWDM方式光信号を増幅してCPL156へ射出する。CPL156で分配された一方のWDM方式光信号は、後段光減衰部104内の光減衰器(以下、「ATT」と略記する。)171(図6)に入射され、他方のWDM方式光信号は、PD159に入射される。
PD159からの出力は、AGC162および前段光減衰部102内の前述したLOG144に入力される。
【0063】
一方、前述のPD157からの出力は、LOG160に入力される。LOG160は、このPD157からの出力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、加算器161の一方の入力端子に入力される。そして、加算器161の他方の入力端子には、前段光増幅部101内の前述した減算器126からの出力が入力される。
【0064】
加算器161は、これらLOG160の出力と減算器126の出力とを加算し、加算した値を逆対数変換器(antilog amplifier 、以下、「Anti-LOG 」と略記する。)163に出力する。Anti-LOG 163は、この加算した値を逆対数変換し、変換した値をAGC162に出力する。
AGC162は、前述のPD159からの出力とこのAnti-LOG からの出力とから前段光増幅部101の利得と中段光増幅部103の利得との和が一定になるように、LD158の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF155の利得を調整する。
【0065】
次に、後段光減衰部104の構成について、図6に基づいて説明する。
中段光増幅部103内のCPL156からのWDM方式光信号は、ATT171を介して、後段光増幅部105内のCPL181に入射される。ATT171は、入力光のモードごとに用意され、インモード1用のATT171の減衰量は、光増幅装置301の出力光レベルを考慮して設定される。インモード2用のATT171の光減衰量は、後段光減衰部104においてインモード2の場合の入力光レベルからインモード1の場合の入力光レベルを減算した値だけインモード1用のATT171の光減衰量より大きく設定される。
【0066】
次に、後段光増幅部105の構成について、図6に基づいて説明する。
後段光減衰部104内のATT171からのWDM方式光信号は、後段光増幅部105内のCPL181に入射される。
CPL181で分配された一方のWDM方式光信号は、PD187に入射され、他方のWDM方式光信号は、GEQ182およびISO183を介して、CPL184に入射される。
【0067】
PD187は、抵抗値Rerf1の抵抗器201を介して接地され、抵抗器201の端子間電圧がPD187からの出力としてAGC190の一方の端子に出力される。GEQ182は、EDF185の利得波長特性をほぼ平坦に補償する。また、CPL184には、LD188からのレーザ光も入射される。これらISO183からのWDM方式光信号とLD188からのレーザ光は、CPL184で合波されて、EDF185に入射される。
【0068】
EDF185は、入射されたWDM方式光信号を増幅してCPL186へ射出する。CPL186で分配された一方のWDM方式光信号は、この光増幅装置301の出力光として射出され、他方のWDM方式光信号は、PD189に入射される。PD189は、抵抗値Rerf2の抵抗器202を介して接地され、抵抗器202の端子間電圧がPD189の出力としてAGC190の他方の端子に出力される。
【0069】
AGC190は、前述のPD187からの出力とこのPD189からの出力とからEDF185の利得を判断し、利得が予め与えられた所定の一定値になるように、LD188の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF185の利得を調整する。よって、後段光増幅部105の利得の設定は、AGC190内の所定値を可変してPD189とPD187の出力比を所定の一定値になるように設定すればよい。
【0070】
ここで、AGC122、162、190は、より具体的には、図5(b)に示すように、演算回路135と演算回路137とを備え、2個の入力Pia、Pibは、割算回路135に入力され、割算回路135でその比Pia/Pibが計算される。この比は、演算回路137の一方の端子に入力され、他方の端子には、所定値が入力される。そして、演算回路137は、この比と所定値とを比較し、その結果に従う出力値を出力する。なお、後述されるAGCも同様である。
【0071】
(第1の実施形態の作用効果)
第1の実施形態の光増幅装置301を光通信システムの光中継局として設置する際に、光増幅装置301の入力側に接続される光伝送路から出力される光レベルに合わせて、入力光のモードおよびSW127が設定される。
例えば、光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)である場合は、インモード1が選択されるため、参照電圧Vref2は、インモード1用の参照電圧Vref2M1が設定され、ATT171は、インモード1用の減衰量を持つATTが設定される。そして、モニタ回路は、光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)である場合に対応する抵抗器、例えば、抵抗器128が選択され、SW127は、PD121と抵抗器128とを接続するように切り替えられる。このため、AGC122およびLOG124は、抵抗器128の端子間電圧が入力される。
【0072】
仮に、図23で示すように入力光レベルに拘わらず1個の抵抗器でモニタ回路を構成した場合には、広い範囲に亘って入力光レベルが変化する場合において、入力光レベルの変化に対する抵抗器の端子間電圧の変化の割合は小さくなるので、入力光レベルの検出は、難しくなる。しかしながら、第1の実施形態の光増幅装置301は、入力光レベルに合わせてモニタ回路の抵抗器を選択することができるので、選択された入力光のモードの範囲に亘って入力光レベルが変化する場合において、入力光レベルの変化に対する抵抗器の端子間電圧の変化の割合を最適に設定することができる。このため光増幅装置301は、入力光レベルを容易に且つ確実に検出することができる。
【0073】
ここで、入力光のモードの数に等しい個数より多い4個の抵抗器でモニタ回路を構成したのは、各入力光のモード内において更にきめ細かく入力光レベルに対応させるためである。なお、モニタ回路の抵抗器の個数は、入力光のモードの数に等しい個数でもよく、また、4個より多い数でもよい。
インモード1と抵抗器128とに設定された光増幅装置301において、AGC122は、PD121からの出力を基準としてPD120からの出力との比に従う信号をLD119に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF114の利得を制御する。このため、EDF114は、定利得制御されるので、前段光増幅部101に入力されたWDM方式光信号は、所定の一定の利得で増幅される。この所定の一定の利得の調整は、PD121の電流値を電圧値に変換する抵抗器128の抵抗値R1 とPD120の電流値を電圧値に変換する抵抗器の抵抗値との比を調整すればよい。
【0074】
また、AGC162は、Anti-LOG 163からの出力を基準としてPD159からの出力との比に従う信号をLD158に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF155の利得を制御する。このため、EDF155は、定利得制御される。
このAnti-LOG 163の出力は、中段光増幅部103に入力されるWDM方式光信号の光レベルに前段光増幅部の減算器126からの出力を加算した値である。減算器126からの出力は、前段光増幅部101と中段光増幅部103との利得の和Gs1から前段光増幅部101の利得を減算した値である。したがって、AGC162は、EFD155の利得をAnti-LOG 163からの出力を基準として調整するので、前段光増幅部101の利得と中段光増幅部103の利得との和は、Gs1にほぼ維持される。すなわち、前段光増幅部101と前段光減衰部102と中段光増幅部103からなる部分は、(式1)を満たす。
【0075】
一方、ALC143は、参照電圧Vref2M1を基準としてPD159からの出力との差に従う信号をVAT141に出力することによって、この差が「零」になるようにVAT141の減衰量を制御する。このため、中段光増幅部103からの出力光レベルは、一定に制御される。
このように前段光増幅部101、前段光減衰部102および中段光増幅部103が動作するので、中段光増幅部103の出力光レベルは、前段光増幅部101のインモード1の範囲内における入力光レベルの変動に拘わらず、インモード1に対応する第1目標値T1M1 に維持される。
【0076】
そして、後段光減衰部104は、インモード1に対応する一定の減衰量で減衰するので、後段光増幅部105の入力光レベルは、ほぼ一定に維持される。
また、後段光増幅部105において、AGC190は、PD187からの出力を基準としてPD189からの出力との比に従う信号をLD188に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF185の利得を制御する。所定値は、別途、AGC190内の参照値で与える。このため、EDF185は、定利得制御され、後段光増幅部105に入力されたWDM方式光信号は、所定の一定の利得で増幅される。そして、後段光増幅部105の入力光レベルは、ほぼ一定なので、後段光増幅部105の出力光レベル(光増幅装置301の出力光レベル)は、ほぼ一定に維持される。
【0077】
一方、この光増幅装置301を別の光中継局として設置する際に、光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)である場合は、インモード2が選択される。このため、参照電圧Vref2は、インモード2用の参照電圧Vref2M2が設定され、ATT171は、インモード2用の減衰量を持つATTが設定される。そして、モニタ回路は、光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)である場合に対応する抵抗器、例えば、抵抗器130が選択され、SW127は、PD121と抵抗器130とを接続するように切り替えられる。このため、AGC122およびLOG124は、抵抗器130の端子間電圧が入力される。
【0078】
AGC122、162およびALC143は、上述のインモード1と同様に動作するが、参照電圧Vref2は、インモード2用の参照電圧Vref2M2が設定されるため、中段光増幅部103の出力光レベルは、インモード2用の第1目標値T1M2 になる。そして、ATT171もインモード2用の減衰量を持つATTが設定されるので、後段光減衰部104の出力光レベルは、インモード1の場合に等しくなる。
【0079】
したがって、このような光増幅装置301は、2個の入力光のモードを備えることにより、広い入力ダイナミックレンジに対応することができる。そして、光増幅装置301は、後段光減衰部104の出力光レベルがほぼ一定に維持されるので、入力光のモードの切替によって雑音指数を劣化させることもない。
ここで、上述の作用効果をより具体的に示すため、光増幅装置301におけるレベルダイヤをシミュレーションした。
【0080】
図7は、第1の実施形態の光増幅装置におけるレベルダイヤのシミュレーション結果を示す図である。
図7において、左から入力光のモード、前段光増幅部101における入力、利得および出力、前段光減衰部102の減衰量、中段光増幅部103における入力、利得および出力、後段光減衰部104の減衰量、後段光増幅部105における入力、利得および出力、前段光増幅部101の利得と中段光増幅部103の利得との和、および、光増幅装置301の総利得である。
【0081】
上段は、インモード1の場合のシミュレーション結果であり、下段は、インモード2の場合のシミュレーション結果である。そして、インモード1では、Pin+10、Pin+5およびPinを前段光増幅部101の入力させた場合を計算した。インモード2では、Pin+15、Pin+10およびPin+5を前段光増幅部101の入力させた場合を計算した。
【0082】
第1目標値(中段光増幅部103の出力光レベル)は、インモード1ではP0 に設定し、インモード2ではP0 +5に設定した。後段光減衰部104の減衰量は、インモード1では2に設定し、インモード2では7に設定した。この減衰量の差は、インモード2とインモード1との間における第1目標値の差である。後段光増幅部105の利得は、各モードともに7に設定した。また、前段光増幅部101の利得と中段光増幅部103の利得との和は、Gr1+2に設定した。
【0083】
ここで、図7におけるGr1、Gr2は、それぞれ、
Gr1=P0 −Pin (式3)
Gr2=Gr1−10 (式4)
である。
以上の条件の下に計算した結果は、図7に示す通りである。
【0084】
さらに、以上の条件において、Pin=−30(dBm/チャネル)、P0 =0(dBm/チャネル)とした場合の各モードのレベルダイヤを図8に示す。
図8は、第1の実施形態の光増幅装置におけるレベルダイヤを示す図である。
図8(a)は、インモード1におけるレベルダイヤを示す図であり、図8(b)は、インモード2におけるレベルダイヤを示す図である。図8(c)は、レベルダイヤと光増幅装置301との位置関係を明瞭にするために図4(a)を再記載した図である。図8(a)(b)の縦軸は、1チャネル当たりの光レベルであり、横軸は、光増幅装置の位置であり、A、B、C、D、EおよびFは、図8(c)に示す光増幅装置301の各箇所を示す。すなわち、箇所Aは、前段光増幅部101の入力側であり、箇所Bは、前段光増幅部101と前段光減衰部102との間であり、箇所Cは、前段光減衰部102と中段光増幅部103との間であり、箇所Dは、中段光増幅部103と後段光減衰部104との間であり、箇所Eは、後段光減衰部104と後段光増幅部105との間であり、そして、箇所Fは、後段光増幅部105の出力側である。
【0085】
図7および図8から分かるように、各モードにおける第1目標値およびATTの減衰量を上述のように設定することにより、後段光減衰部104の出力光レベル(図8の箇所E)は、選択されたインモードに拘わらず、−2(dBm/チャネル)の一定値になる。このため、第1の実施形態における光増幅装置301は、入力光のモードの切替によって雑音指数を劣化させることがない。
【0086】
なお、第1の実施形態の効果を比較するために、図23に示す光増幅装置におけるレベルダイヤを計算した。
図9は、先行する技術にかかる光増幅装置におけるレベルダイヤのシミュレーション結果を示す図である。
図9において、左から光増幅器1013における入力、利得および出力、VAT1015、光増幅器1017における入力、利得および出力、光増幅器1013の利得と光増幅器518の利得との和、および、光増幅装置1000の総利得である。
【0087】
図7のシミュレーション結果と比較するため、図9では、Pin+15、Pin+10、Pin+5およびPinを光増幅器1013の入力させ、光増幅器1017からP0 +5を出力させる場合を計算した。
図9を図7と比較すると分かるように、VAT1015の減衰量は、17〜2(dB)に対応させる必要があり、光増幅器1017の利得は、17〜2(dB)に対応する必要がある。このようなVATおよび光増幅器を製作することは、容易ではない。
【0088】
一方、第1の実施形態の光増幅装置301において、前段光減衰部102の減衰量は、12〜2(dB)に対応すればよく、後段光減衰部104の減衰量は、2、7(dB)に対応すればよい。前段光増幅部101の利得は、「Gr1−15」〜「Gr1−5」(dB)に対応すればよく、中段光増幅部103の利得は、17〜7(dB)に対応すればよく、後段光増幅部105のの利得は、7(dB)に対応すればよい。このように第1の実施形態の光増幅装置301では、製作容易な装置である。
【0089】
また、上述のシミュレーション結果を基に、入力光レベルと雑音指数との関係を図10に示す。
図10は、入力光レベルと雑音指数との関係において、第1の実施形態の光増幅装置の場合と先行する技術の光増幅装置の場合との対比を示す図である。
図10の縦軸は、雑音指数(dB)であり、横軸は、入力光レベル(dBm/チャネル)である。また、破線は、第1の実施形態の光増幅装置301におけるインモード1の場合の雑音指数であり、一点鎖線は、第1の実施形態の光増幅装置301におけるインモード2の場合の雑音指数である。実線は、先行する技術にかかる光増幅装置の場合の雑音指数である。
【0090】
図10に示すように、入力光レベルが−30〜−15(dBm/チャネル)の範囲で変化する場合において、第1の実施形態の光増幅装置301の雑音指数は、5〜7(dB)であるが、先行する技術にかかる光増幅装置の雑音指数は、5〜12(dB)である。特に、入力光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)の範囲において、インモード2に切り替えることにより、第1の実施形態における光増幅装置301は、先行する技術にかかる光増幅装置に較べて格段に雑音指数を低減することができる。
【0091】
次に、別の実施形態について説明する。
(第2の実施形態の構成)
第2の実施形態は、第1の実施形態の光増幅装置301における後段光減衰部104に代えて後段光減衰部106を用い、さらに、後段光増幅部105に代えて後段光増幅部107を用いた光増幅装置302である。
【0092】
図4(b)において、第2の実施形態における光増幅装置302に入射されるWDM方式光信号は、前段光増幅部101に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、前段光減衰部102に入射され、減衰される。減衰されたWDM方式光信号は、中段光増幅部103に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、後段光減衰部106に入射され、減衰される。減衰されたWDM方式光信号は、後段光増幅部107に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、この光増幅装置302の出力光として、射出される。
【0093】
このWDM方式光信号は、Cバンドの波長帯域(1530〜1570nm)に設定された光信号である。
また、この光増幅装置302は、インモード1とインモード2の2個の入力光のモードを持っており、例えば、インモード1は、入力光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)に対応する入力光のモードであり、インモード2は、入力光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)に対応する入力光のモードである。
【0094】
ここで、前段光増幅部101、前段光減衰部102および中段光増幅部103の構成は、第1の実施形態と同一なので、その説明を省略する。
以下に、後段光減衰部106および後段光増幅部107の構成について説明する。
図11は、第2の実施形態における、後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【0095】
まず、後段光減衰部106の構成を図11に基づいて説明する。
中段光増幅部103内のCPL156(図5)からのWDM方式光信号は、CPL172に入射される。CPL172で分配された一方のWDM方式光信号は、VAT173を介して、後段光増幅部107内のCPL211に入射され、他方は、PD174に入射される。
【0096】
VAT173の減衰量は、初期設定としてインモード1用の減衰量に設定され、そして、このVAT173の減衰量を調整する減衰量制御回路(以下、「ACC」と略記する。)175からの出力に応じてインモード2用の減衰量に調整される。このインモード2用の減衰量は、後段光減衰部106においてインモード2の場合の入力光レベルからインモード1の場合の入力光レベルを減算した値だけインモード1用の減衰量より大きく設定される。
【0097】
PD174からの出力は、ACC175の一方の入力端子に入力される。ACC175の他方の入力端子には、予め定められた参照電圧Vref3が入力される。この参照電圧Vref3は、インモード1用である第1目標値のWDM方式光信号が後段光光減衰部106に入射された場合におけるPD174の出力に等しい電圧値に設定される。
【0098】
ACC175は、PD174からの出力とこの参照電圧Vref3とを比較し、その差に応じた信号をVAT173に出力することによってVAT173の減衰量を調整する。すなわち、光増幅装置302にインモード1のWDM方式光信号が入射された場合には、PD174の出力が参照電圧Vref3と等しくなるので、ACC175は、VAT173に信号を出力しない。一方、光増幅装置302にインモード2のWDM方式光信号が入射された場合には、PD174の出力が参照電圧Vref3と差を生じるので、ACC175は、VAT173にその差に応じた信号を出力する。
【0099】
次に、後段光増幅部107の構成を図11に基づいて説明する。
図11において、第2の実施形態の後段光減衰部106内におけるVAT173からのWDM方式光信号は、後段光増幅部107内のCPL211に入射される。
CPL211で分配された一方のWDM方式光信号は、PD225に入射され、他方は、ISO212に入射される。PD225からの出力は、AGC232およびLOG234に入力される。また、ISO212からのWDM方式光信号は、CPL213に入射される。
【0100】
一方、CPL213には、LD226からのレーザ光も入射される。これらISO212からのWDM方式光信号とLD226からのレーザ光は、合波されて、EDF214に入射される。EDF214は、LD226からのレーザ光により反転分布が形成され、WDM方式光信号が誘導放射によって増幅される。
【0101】
EDF214で増幅されたWDM方式光信号は、ISO215およびGEQ216を介して、CPL217に入射される。GEQ216は、EDF214の利得波長特性をほぼ平坦な利得波長特性に補償する。CPL217で分配された一方のWDM方式光信号は、VAT218に入射され、他方のWDM方式光信号は、PD227に入射される。PD227からの出力は、AGC232およびLOG233に入力される。
【0102】
AGC232は、PD227からの出力と前述のPD225からの出力とからEDF214の利得を判断し、LD226の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF214の利得を所定の一定の利得に調整する。
LOG233は、PD227からの出力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、減算器235の一方の入力端子に入力される。そして、LOG234は、前述のPD225からの出力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、減算器235の他方の入力端子に入力される。減算器235は、LOG233の出力からLOG234の出力を減算して得た値を減算器236に出力する。このLOG233の出力からLOG234の出力を減算した値は、EDF214の利得に相当する。
【0103】
減算器236は、予め定められた参照電圧Vref4から減算器235の出力を減算して得た値を後述する加算器239に出力する。参照電圧Vref4は、EDF214とEDF223との利得の和を所定の一定値Gs2にするために参照される電圧値である。
一方、VAT218で減衰したWDM方式光信号は、CPL219に入射される。CPL219で分配された一方のWDM方式光信号は、PD229に入射され、他方のWDM方式光信号は、GEQ220およびISO221を介してCPL222に入射される。GEQ220は、後述するEDF223の利得波長特性をほぼ平坦に補償する。また、LD230からのレーザ光は、CPL222に入射され、ISO221からのWDM方式光信号と合波されて、EDF223に入射される。
【0104】
EDF223は、入射されたWDM方式光信号を増幅してCPL224へ射出する。CPL224で分配された一方のWDM方式光信号は、この光増幅装置302の出力光として射出され、他方のWDM方式光信号は、PD231に入射される。PD231からの出力は、AGC240およびALC228に入力される。
【0105】
ALC228は、予め定められた参照電圧Vref5とPD231からの出力とを比較することにより、この光増幅装置302から射出されるWDM方式光信号の1チャネル当たりの光レベルが一定になるように、VAT218の減衰量を調整する。したがって、参照電圧Vref5は、後段光増幅部107の入力光レベルに対して一定の出力光レベルにするために参照される電圧値である。
【0106】
さらに、前述のPD229からの出力は、LOG238に入力される。LOG238は、このPD229からの出力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、加算器239の一方の入力端子に入力される。加算器239の他方の入力端子には、前述した減算器236からの出力が入力される。
加算器239は、これらLOG238の出力と減算器236の出力とを加算し、加算した値をAnti-LOG 241に出力する。Anti-LOG 241は、この加算した値を逆対数変換し、変換した値をAGC240に出力する。
【0107】
AGC240は、前述のPD231からの出力とこのAnti-LOG 241からの出力とからEDF214の利得とWDF223の利得との和が一定になるように、LD230の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF223の利得を調整する。
(第2の実施形態の作用効果)
第2の実施形態の光増幅装置302を光通信システムの光中継局として設置する際に、光増幅装置302の入力側に接続される光伝送路から出力される光レベルに合わせて、入力光のモードおよびSW127が設定される。
【0108】
例えば、光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)である場合は、インモード1が選択されるため、参照電圧Vref2は、インモード1用の参照電圧Vref2M1が設定される。そして、モニタ回路は、光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)である場合に対応する抵抗器、例えば、抵抗器128が選択され、SW127は、PD121と抵抗器128とを接続するように切り替えられる。このため、AGC122およびLOG124は、抵抗器128の端子間電圧が入力される。
【0109】
インモード1と抵抗器128とに設定された光増幅装置302において、前段光増幅部101、前段光減衰部102および中段光増幅部103の作用効果は、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
後段光減衰部106に入射されるWDM方式光信号の光レベルは、第1の実施形態において説明したように、前段光増幅部101のインモード1の範囲内における入力光レベルの変動に拘わらず、インモード1に対応する第1目標値T1M1 に維持される。このため、PD174からの出力と参照電圧Vref3との差がほぼ「零」であるので、ACC175は、VAT173に信号を出力しない。よって、VAT173の減衰量は、インモード1用の一定の減衰量に維持され、WDM方式光信号は、このインモード1用の減衰量で減衰される。したがって、後段光増幅部107の入力光レベルは、ほぼ一定に維持される。
【0110】
後段光増幅部107において、AGC232は、PD225からの出力を基準としてPD227からの出力との比に従う信号をLD226に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF214の利得を制御する。このため、EDF214は、定利得制御される。
また、AGC240は、Anti-LOG 241からの出力を基準としてPD231からの出力との比に従う信号をLD230に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF223の利得を制御する。このため、EDF223は、定利得制御される。
【0111】
このAnti-LOG 241の出力は、後段光増幅部107に入力されるWDM方式光信号の光レベルに減算器236からの出力を加算した値である。減算器236からの出力は、EDF214とEDF223との利得の和Gs2からEDF214の利得を減算した値である。したがって、AGC240は、EFD223の利得をAnti-LOG 241からの出力を基準として調整するので、EDF214の利得とEDF223の利得との和は、Gs2にほぼ維持される。すなわち、EDF214とEDF223とからなる部分は、(式1)を満たす。
【0112】
一方、ALC228は、参照電圧Vref5を基準としてPD231からの出力との差に従う信号をVAT218に出力することによって、この差が「零」になるようにVAT218の減衰量を制御する。このため、後段光増幅部107からの出力光レベルは、一定に制御される。
一方、この光増幅装置302を別の光中継局として設置する際に、光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)である場合は、インモード2が選択される。このため、参照電圧Vref2は、インモード2用の参照電圧Vref2M2が設定される。そして、モニタ回路は、光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)である場合に対応する抵抗器、例えば、抵抗器130が選択され、SW127は、PD121と抵抗器130とを接続するように切り替えられる。また、利得可変アンプ133の利得を切り替え、PD121の入力パワーが同じなら、同じレベルの信号が出力するようにする。このため、AGC122およびLOG124は、抵抗器130の端子間電圧が入力される。
【0113】
AGC122、162およびALC143は、上述のインモード1と同様に動作するが、参照電圧Vref2は、インモード2用の参照電圧Vref2M2が設定されるため、中段光増幅部103の出力光レベルは、インモード2用の第1目標値T1M2 になる。
【0114】
ここで、後段光減衰部106において、後段光減衰部106に入射されるWDM方式光信号の光レベルが第1目標値T1M2 に維持されので、PD174からの出力と参照電圧Vref3とに差が生じる。このため、ACC175は、VAT173にこの差に応じた信号を出力する。よって、VAT173の減衰量は、インモード2用の一定の減衰量に維持され、WDM方式光信号は、このインモード2用の減衰量で減衰される。よって、後段光減衰部106の出力光レベルは、インモード1の場合に等しくなる。
【0115】
そして、後段光増幅部107は、上述のインモード1の場合と同様に動作する。
したがって、このような光増幅装置302は、2個の入力光のモードを備えることにより、広い入力ダイナミックレンジに対応することができる。そして、光増幅装置302は、後段光減衰部106の出力光レベルがほぼ一定に維持されるので、入力光のモードの切替によって雑音指数を劣化させることもない。
【0116】
なお、第2の実施形態においても、各モードにおける第1目標値およびVAT173の減衰量を第1の実施形態と同様に設定し、後段光増幅部107の出力光レベルをP0 +5に設定することにより、図7に示すようなシミュレーション結果を得ることができる。
次に、別の実施形態について説明する。
【0117】
(第3の実施形態の構成)
第3の実施形態は、第1の実施形態の光増幅装置301における後段光減衰部104に代えて後段光減衰部108を用い、後段光増幅部105に代えて後段光増幅部107を用いた光増幅装置303である。
図4(c)において、第3の実施形態における光増幅装置303に入射されるWDM方式光信号は、前段光増幅部101に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、前段光減衰部102に入射され、減衰される。減衰されたWDM方式光信号は、中段光増幅部103に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、後段光減衰部108に入射され、減衰される。減衰されたWDM方式光信号は、後段光増幅部107に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、この光増幅装置303の出力光として、射出される。
【0118】
このWDM方式光信号は、Cバンドの波長帯域(1530〜1570nm)に設定された光信号である。
また、この光増幅装置303は、インモード1とインモード2の2個の入力光のモードを持っており、例えば、インモード1は、入力光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)に対応する入力光のモードであり、インモード2は、入力光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)に対応する入力光のモードである。
【0119】
さらに、この光増幅装置303は、アウトモード1とアウトモード2の2個の出力光のモードを持っており、例えば、アウトモード1は、出力光レベルが4(dBm/チャネル)に対応する出力光のモードであり、アウトモード2は、出力光レベルが8(dBm/チャネル)に対応する出力光のモードである。
ここで、前段光増幅部101、前段光減衰部102および中段光増幅部103の構成は、第1の実施形態と同一なので、その説明を省略する。また、後段光増幅部107の構成は、出力光のモードに応じてALC228の参照電圧Vref8を変更する点で相違するだけで、第2の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0120】
以下に、後段光減衰部108の構成を図12に基づいて説明する。
図12は、第3の実施形態における、後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
中段光増幅部103内のCPL156(図5)からのWDM方式光信号は、CPL251に入射される。CPL251で分配された一方のWDM方式光信号は、VAT252、ATT254および分散補償ファイバ(dispersion compensating fiber 、以下、「DCF」と略記する。)253を介して、後段光増幅部107内のCPL211に入射され、他方は、PD255に入射される。
【0121】
VAT252の減衰量は、初期設定としてインモード1用の減衰量に設定され、そして、このVAT252の減衰量を調整するACC256からの出力に応じてインモード2用の減衰量に調整される。このインモード2用の減衰量は、後段光減衰部108においてインモード2の場合の入力光レベルからインモード1の場合の入力光レベルを減算した値だけインモード1用の減衰量より大きく設定される。
【0122】
PD255からの出力は、ACC256の一方の入力端子に入力される。ACC256の他方の入力端子には、予め定められた参照電圧Vref6が入力される。この参照電圧Vref6は、インモード1用である第1目標値のWDM方式光信号が後段光光減衰部108に入射された場合におけるPD255の出力に等しい電圧値に設定される。
【0123】
ACC256は、PD255からの出力とこの参照電圧Vref6とを比較し、その差に応じた信号をVAT252に出力することによってVAT252の減衰量を調整する。すなわち、光増幅装置303にインモード1のWDM方式光信号が入射された場合には、PD255の出力が参照電圧Vref6と等しくなるので、ACC256は、VAT252に信号を出力しない。一方、光増幅装置303にインモード2のWDM方式光信号が入射された場合には、PD255の出力が参照電圧Vref6と差を生じるので、ACC256は、VAT252にその差に応じた信号を出力する。
【0124】
DCF253は、この光増幅装置303に接続されWDM方式光信号を伝送する光伝送路中で生じる波長分散およびこの光増幅装置303内で生じる波長分散などを補償する分散補償器である。このDCF253は、WDM方式光信号の分散値と逆符号の波長分散特性を持つ光ファイバであり、大量に既設されている1.3μ零分散ファイバを1.55μ波長帯域で活用するために必要である。
【0125】
なお、DCF253の代わりに、チャープトグレーティングや位相共役器などの分散補償器を使用してもよい。
ATT254は、出力光のモードごとに用意され、アウトモード1用のATT254の減衰量は、光増幅装置303の出力光レベルを考慮して設定される。アウトモード2用のATT254の減衰量は、DCF253においても伝送損失を生じるので、ATT254の減衰量とDCF253の減衰量との和が後段光増幅部107においてアウトモード2の場合の出力光レベルからアウトモード1の場合の出力光レベルを減算した値だけアウトモード1用のATT254の減衰量より小さく設定される。例えば、アウトモード1の出力光レベルが4でアウトモード2の出力光レベルが8の場合では、アウトモード2用のATT254の減衰量は、アウトモード2の場合の出力光レベル8からアウトモード1の場合の出力光レベル4を減算した値4からさらにDCF253で生じる減衰量を引いた値に設定される。
【0126】
後段光増幅部107において、ALC228の一方の入力端子に供給される参照電圧Vref8は、出力光のモードの各アウトモードに対応して設定され、アウトモード1用の参照電圧Vref8M1とアウトモード2用の参照電圧Vref8M2とを供給することができる。
(第3の実施形態の作用効果)
第3の実施形態の光増幅装置303を光通信システムの光中継局として設置する際に、光増幅装置303の入力側に接続される光伝送路から出力される光レベルに合わせて、入力光のモードおよびSW127が設定される。
【0127】
例えば、光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)である場合は、インモード1が選択されるため、参照電圧Vref2は、インモード1用の参照電圧Vref2M1が設定される。そして、モニタ回路は、光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)である場合に対応する抵抗器、例えば、抵抗器128が選択され、SW127は、PD121と抵抗器128とを接続するように切り替えられる。また、可変利得アンプ133も、PD121から利得可変アンプ133の出力までの利得が一定になるように利得を切り替える。このため、利得可変アンプ133は、抵抗器128の端子間電圧が入力される。
【0128】
インモード1と抵抗器128とに設定された光増幅装置303において、前段光増幅部101、前段光減衰部102および中段光増幅部103の作用効果は、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
そして、光増幅装置303の出力側に接続される光伝送路の種類に合わせて、出力光のモードが設定される。
【0129】
例えば、光伝送路の種類がNZ−DSFである場合は、アウトモード1が選択され、ATT254は、アウトモード1用の減衰量を持つ光減衰器が接続される。そして、参照電圧Vref8は、後段光増幅部107の出力光レベルを4(dBm/チャネル)にする電圧値Vref8M1に設定される。
後段光減衰部108に入射されるWDM方式光信号の光レベルは、第1の実施形態において説明したように中段光増幅部103からの出力光レベルがインモード1に対応する第1目標値T1M1 に維持される。このため、PD172からの出力と参照電圧Vref6との差がほぼ「零」であるので、ACC256は、VAT252に信号を出力しない。よって、VAT252の減衰量は、インモード1用の一定の減衰量に維持され、WDM方式光信号は、このインモード1用の減衰量で減衰される。
【0130】
そして、VAT252で減衰されたWDM方式光信号は、ATT254およびDCF253で、アウトモード1に対応する一定の減衰量で減衰されるので、後段光増幅部107の入力光レベルは、光増幅装置303に入射されるWDM方式光信号の入力光レベルに拘わらず、ほぼ一定に維持される。
後段光増幅部107において、AGC232は、PD225からの出力を基準としてPD227からの出力との比に従う信号をLD226に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF214の利得を制御する。このため、EDF214は、定利得制御される。
【0131】
また、AGC240は、Anti-LOG 241からの出力を基準としてPD231からの出力との比に従う信号をLD230に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF223の利得を制御する。このため、EDF223は、定利得制御される。
このAnti-LOG 241の出力は、後段光増幅部107に入力されるWDM方式光信号の光レベルに減算器236からの出力を加算した値である。減算器236からの出力は、EDF214とEDF223との利得の和Gs2からEDF214の利得を減算した値である。したがって、AGC240は、EFD223の利得をAnti-LOG 241からの出力を基準として調整するので、EDF214の利得とEDF223の利得との和は、Gs2にほぼ維持される。すなわち、EDF214とEDF223とからなる部分は、(式1)を満たす。
【0132】
また、ALC228は、アウトモード1用に設定された参照電圧Vref8M1を基準としてPD231からの出力との差に従う信号をVAT218に出力することによって、この差が「零」になるようにVAT218の減衰量を制御する。このため、後段光増幅部107からの出力光レベルは、アウトモード1の光レベル4にほぼ一定に制御される。
【0133】
一方、この光増幅装置303を別の光中継局として設置する際に、入力光レベルは、上述と変わらないが出力側に接続される光伝送路の種類がSMFである場合は、アウトモード2が選択され、ATT254は、アウトモード2用の減衰量を持つ光減衰器が接続される。そして、参照電圧Vref8は、後段光増幅部107の出力光レベルを8(dBm/チャネル)にする電圧値Vref8M2に設定される。
【0134】
後段光減衰部108において、入射されるWDM方式光信号の光レベルは、インモード1のままなので、インモード1に対応する第1目標値T1M1 に維持される。このため、VAT252の減衰量は、インモード1用の一定の減衰量に維持され、WDM方式光信号は、このインモード1用の減衰量で減衰される。
【0135】
一方、VAT252で減衰されたWDM方式委光信号は、ATT254およびDCF253で、アウトモード2に対応する一定の減衰量で減衰する。
そして、後段光増幅部107において、ALC228は、アウトモード2用に設定された参照電圧Vref8M2を基準としてPD231からの出力との差に従う信号をVAT218に出力することによって、この差が「零」になるようにVAT218の減衰量を制御する。このため、後段光増幅部107からの出力光レベルは、アウトモード2の光レベル8にほぼ一定に制御される。
【0136】
したがって、光増幅装置303は、このように光伝送路の種類に合わせて出力光レベルを設定することができるので、光伝送路内でWDM方式光信号に生じる非線形光学効果を生じさせない。
また、光増幅装置303は、後段光増幅部107が出力一定制御されているため、ATT254やDCF253の損失のバラツキを吸収することができる。
【0137】
ここで、上述の作用効果をより具体的に示すため、光増幅装置303におけるレベルダイヤをシミュレーションした。
図13は、第3の実施形態の光増幅装置におけるレベルダイヤのシミュレーション結果を示す図である。
図13において、左から出力光のモード、システムゲイン、前段光増幅部101と前段光減衰部102と中段光増幅部103とを1つの光増幅部とした入力、利得および出力、後段光減衰部108、後段光増幅部107における入力、利得および光ファイバの種類である。
【0138】
上段は、アウトモード1の場合のシミュレーション結果であり、下段は、アウトモード2の場合のシミュレーション結果である。そして、アウトモード1では、−21〜−11および−26〜−16(dBm/チャネル)を前段光増幅部101の入力させた場合を計算した。アウトモード2では、−17〜−11および−26〜−16(dBm/チャネル)を前段光増幅部101の入力させた場合を計算した。
【0139】
第2目標値(後段光増幅部107の出力光レベル)は、アウトモード1では4(dBm/チャネル)に設定し、アウトモード2では8(dBm/チャネル)に設定した。後段光減衰部108の減衰量は、DCF253の伝送損失の変動に合わせて、図13のように設定される。
以上の条件の下に計算した結果は、図13に示す通りであり、光増幅装置303は、このように光伝送路の種類に合わせて出力光レベルを設定することができる。
【0140】
なお、第3の実施形態の効果を比較するために、図23に示す光増幅装置におけるレベルダイヤを計算した。
図14は、先行する技術にかかる光増幅装置におけるレベルダイヤのシミュレーション結果を示す図である。
図14において、左からシステムゲイン、光増幅器1013における入力、利得および出力、VAT1015、光増幅器1017における入力、利得および出力、光増幅器利得合計および光ファイバの種類である。
【0141】
図13のシミュレーション結果と比較するため、図14では、−11および−26(dBm/チャネル)を光増幅器1013の入力させ、光増幅器1017から4(dB)を出力させる場合を計算した。また、−11および−22(dBm/チャネル)を光増幅器1013の入力させ、光増幅器1017から8(dB)を出力させる場合を計算した。
【0142】
図13のアウトモード1を図14と比較すると分かるように、光増幅器1017の利得は、23と38(dB)とに対応する必要がある。そして、図13のアウトモード2を図14と比較すると分かるように、光増幅器1017の利得は、27と38(dB)とに対応する必要がある。このような光増幅器を製作することは、容易ではない。
【0143】
一方、第3の実施形態の光増幅装置303において、後段光増幅部107は、27(dB)に対応すればよい。このように第3の実施形態の光増幅装置301では、製作容易な範囲である。
次に、別の実施形態について説明する。
(第4の実施形態の構成)
図15は、第4の実施形態における、後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【0144】
図16は、第4の実施形態の後段光減衰部におけるOADMの構成例を示す図である。
第4の実施形態は、第1の実施形態の光増幅装置301における後段光減衰部104に代えて後段光減衰部109を用いた光増幅装置304である。
図4(d)において、第4の実施形態における光増幅装置304に入射されるWDM方式光信号は、前段光増幅部101に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、前段光減衰部102に入射され、減衰される。減衰されたWDM方式光信号は、中段光増幅部103に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、後段光減衰部109に入射され、減衰される。減衰されたWDM方式光信号は、後段光増幅部105に入射され、増幅される。増幅されたWDM方式光信号は、この光増幅装置304の出力光として、射出される。
【0145】
このWDM方式光信号は、Cバンドの波長帯域(1530〜1570nm)に設定された光信号である。
また、この光増幅装置304は、インモード1とインモード2の2個の入力光のモードを持っており、例えば、インモード1は、入力光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)に対応する入力光のモードであり、インモード2は、入力光レベルが−25〜−15(dBm/チャネル)に対応する入力光のモードである。
【0146】
さらに、この光増幅装置304は、アウトモード1とアウトモード2の2個の出力光のモードを持っており、例えば、アウトモード1は、出力光レベルが4(dBm/チャネル)に対応する出力光のモードであり、アウトモード2は、出力光レベルが8(dBm/チャネル)に対応する出力光のモードである。
ここで、前段光増幅部101、前段光減衰部102および中段光増幅部103の構成は、第1の実施形態と同一なので、その説明を省略する。また、後段光増幅部105の構成は、AGC190内の利得設定を行うための所定値を出力光のモードに応じて変更する点で相違するだけで、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0147】
以下に、後段光減衰部109の構成を図15および図16に基づいて説明する。
図15において、中段光増幅部103内のCPL156(図5)からのWDM方式光信号は、後段光減衰部109内のCPL261に入射される。CPL261で分配された一方のWDM方式光信号は、VAT262、ATT264および光分岐・挿入装置(optical add/drop multiplexer、以下、「OADM」と略記する。)263を介して、後段光増幅部105内のCPL181に入射され、他方は、PD265に入射される。
【0148】
VAT262の減衰量は、初期設定としてインモード1用の減衰量に設定され、そして、このVAT262の減衰量を調整するACC266からの出力に応じてインモード2用の減衰量に調整される。このインモード2用の減衰量は、後段光減衰部109においてインモード2の場合の入力光レベルからインモード1の場合の入力光レベルを減算した値だけインモード1用の減衰量より大きく設定される。
【0149】
PD265からの出力は、ACC266の一方の入力端子に入力される。ACC266の他方の入力端子には、予め定められた参照電圧Vref7が入力される。この参照電圧Vref7は、インモード1用である第1目標値のWDM方式光信号が後段光減衰部109に入射された場合におけるPD265の出力に等しい電圧値に設定される。
【0150】
ACC266は、PD265からの出力とこの参照電圧Vref7とを比較し、その差に応じた信号をVAT262に出力することによってVAT262の減衰量を調整する。すなわち、光増幅装置304にインモード1のWDM方式光信号が入射された場合には、PD265の出力が参照電圧Vref7と等しくなるので、ACC266は、VAT262に信号を出力しない。一方、光増幅装置304にインモード2のWDM方式光信号が入射された場合には、PD265の出力が参照電圧Vref7と差を生じるので、ACC266は、VAT262にその差に応じた信号を出力する。
【0151】
ATT264は、出力光のモードごとに用意され、アウトモード1用のATT264の減衰量は、光増幅装置304の出力光レベルを考慮して設定される。アウトモード2用のATT264の減衰量は、OADM263においても伝送損失を生じるので、ATT264の減衰量とOADM263の減衰量との和が、後段光増幅部105においてアウトモード2の場合の出力光レベルからアウトモード1の場合の出力光レベルを減算した値だけアウトモード1用のATT264の減衰量より小さく設定される。例えば、アウトモード1の出力光レベルが4でアウトモード2の出力光レベルが8の場合では、アウトモード2用のATT264の減衰量は、アウトモード2の場合の出力光レベル8からアウトモード1の場合の出力光レベル4を減算した値4からさらにOADM263で生じる減衰量を引いた値に設定される。
【0152】
OADM263は、光伝送路を伝送するWDM方式光信号から光信号(チャネル)を分岐・挿入・透過する光部品であり、固定波長の光信号を分岐・挿入することができる波長固定型のOADMと、任意波長の光信号を分岐・挿入することができる任意波長型のOADMとがある。OADMの構成について、図16を用いてその一例を説明する。
【0153】
図16(a)は、固定波長型のOADMの構成例を示す図である。
図15および図16(a)において、ATT264からのWDM方式光信号は、OADM内のCPL271に入射される。CPL271で分配された一方のWDM方式光信号は、光受信部267へ射出され、他方のWDM方式光信号は、リジェクションフィルタ270に入射される。
【0154】
リジェクションフィルタ270は、WDM方式光信号から4個の光信号(4個のチャネル)を遮断する光部品である。リジェクションフィルタ270は、遮断するために4個のファイバブラッグ反射グレーティングフィルタ(fiber bragg grating filter、以下、「FBG」と略記する。)272-1〜272-4が縦続接続され、FBG272は、帯域遮断フィルタ(band-elimination filter )であり、FBG272の遮断波長帯域幅は、遮断すべき光信号に対し隣接する光信号を遮断しない波長帯域幅に設定され、各FBG272-1〜272-4の遮断波長帯域の中心波長は、このOADMで分岐する光信号の波長にそれぞれ設定される。
【0155】
例えば、WDM方式光信号が32個のチャネルを波長多重している場合であってこのOADMでチャネル2、チャネル5、チャネル10およびチャネル13を分岐する場合には、FBG272-1における遮断波長帯域の中心波長は、チャネル2の波長に設定され、FBG272-2における遮断波長帯域の中心波長は、チャネル5の波長に設定され、FBG272-3における遮断波長帯域の中心波長は、チャネル10の波長に設定され、そして、FBG272-4における遮断波長帯域の中心波長は、チャネル13の波長に設定されるようにすればよい。
【0156】
なお、4個の光信号を分岐する場合について説明したが、FBG272の個数は、分岐する光信号の個数に応じて決定される。
光受信部267は、このOADMで分岐した光信号を受信処理する。
【0157】
リジェクションフィルタ270でこのOADMで分岐する光信号を除去されたWDM方式光信号は、CPL273に入射される。
また、光送信部268は、このOADMで挿入される光信号を生成する。光送信部268からの光信号は、CPL273に入射され、リジェクションフィルタ270からの所定の光信号を除去されたWDM方式光信号と波長多重される。そして、挿入すべき光信号を波長多重されたWDM方式光信号は、後段光増幅部107内のCPL181へ射出される。
【0158】
このような固定波長型のOADMにおいては、この光増幅装置304で分岐・挿入するチャネルは、この光増幅装置304を光通信システムに設置される際に、決定される。
(第4の実施形態の作用効果)
第4の実施形態の光増幅装置304を光通信システムの光中継局として設置する際に、光増幅装置304の入力側に接続される光伝送路から出力される光レベルに合わせて、入力光のモードおよびSW127が設定される。
【0159】
例えば、光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)である場合は、インモード1が選択されるため、参照電圧Vref2は、インモード1用の参照電圧Vref2M1が設定される。そして、モニタ回路は、光レベルが−30〜−20(dBm/チャネル)である場合に対応する抵抗器、例えば、抵抗器128が選択され、SW127は、PD121と抵抗器128とを接続するように切り替えられる。このため、AGC122およびLOG124は、抵抗器128の端子間電圧が入力される。このとき、可変利得アンプ133の利得も、PD121から利得可変アンプ133の出力までの利得が一手になるように切り替えられる。
【0160】
インモード1と抵抗器128とに設定された光増幅装置304において、前段光増幅部101、前段光減衰部102および中段光増幅部103の作用効果は、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0161】
そして、光増幅装置304の出力側に接続される光伝送路の種類に合わせて、出力光のモードがが設定される。
例えば、光伝送路の種類がNZ−DSFである場合は、アウトモード1が選択されるため、ATT264は、アウトモード1用の減衰量を持つ光減衰器が接続され、AGC190は、後段光増幅部105の出力光レベルを4(dBm/チャネル)になるように制御する。
【0162】
後段光減衰部109に入射されるWDM方式光信号の光レベルは、第1の実施形態において説明したように中段光増幅部103からの出力光レベルがインモード1に対応する第1目標値T1M1 に維持される。このため、PD265からの出力と参照電圧Vref7との差がほぼ「零」であるので、ACC266は、VAT262に信号を出力しない。よって、VAT262の減衰量は、インモード1用の一定の減衰量に維持され、WDM方式光信号は、このインモード1用の減衰量で減衰される。
【0163】
そして、VAT262で減衰されたWDM方式委光信号は、OADM263およびATT264で、アウトモード1に対応する一定の減衰量で減衰するので、後段光増幅部105の入力光レベルは、光増幅装置303に入射されるWDM方式光信号の入力光レベルに拘わらず、ほぼ一定に維持される。
後段光増幅部105において、AGC190は、PD187からの出力を基準としてPD189からの出力との比に従う信号をLD188に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF185の利得を制御する。このため、EDF185は、アウトモード1に対応する利得で定利得制御される。後段光増幅部105に入力されたWDM方式光信号は、所定の一定の利得で増幅される。そして、後段光増幅部105の入力光レベルは、ほぼ一定なので、後段光増幅部105の出力光レベル(光増幅装置301の出力光レベル)は、アウトモード1の光レベル4にほぼ一定に維持される。
【0164】
一方、この光増幅装置304を別の光中継局として設置する際に、入力光レベルは、上述と変わらないが、出力側に接続される光伝送路の種類がSMFである場合は、アウトモード2が選択されるため、ATT264は、アウトモード2用の減衰量を持つ光減衰器が接続され、抵抗値Rref1と抵抗値Rref2との比は、後段光増幅部105の出力光レベルを8(dBm/チャネル)にする電圧値になるように設定される。
【0165】
後段光減衰部109において、入射されるWDM方式光信号の光レベルは、インモード1のままなので、インモード1に対応する第1目標値T1M1 に維持される。このため、VAT262の減衰量は、インモード1用の一定の減衰量に維持され、WDM方式光信号は、このインモード1用の減衰量で減衰される。
一方、VAT262で減衰されたWDM方式委光信号は、OADM263およびATT264で、アウトモード2に対応する一定の減衰量で減衰する。
【0166】
そして、後段光増幅部105において、AGC190は、PD187からの出力を基準としてPD189からの出力との比に従う信号をLD188に出力することによって、この比が所定値になるようにEDF185の利得を制御する。このため、EDF185は、アウトモード2に対応する利得で定利得制御される。後段光増幅部105に入力されたWDM方式光信号は、所定の一定の利得で増幅される。そして、後段光増幅部105の入力光レベルは、ほぼ一定なので、後段光増幅部105の出力光レベル(光増幅装置301の出力光レベル)は、アウトモード2の光レベル8にほぼ一定に維持される。
【0167】
したがって、光増幅装置304は、このように光伝送路の種類に合わせて出力光レベルを設定することができるので、光伝送路内でWDM方式光信号に生じる非線形光学効果による著しい波形歪みを発生させない。
なお、ATT264で調整する損失をVAT262の制御電圧にオフセットを与えて、VAT262のみで実現してもよい。
【0168】
また、第4の実施形態においては、OADMに固定波長型のOADMを使用したが、任意波長型のOADMを使用してもよい。
次に、別の実施形態について説明する。
(第5の実施形態の構成)
図17は、第5の実施形態の光通信システムの構成を示す図である。
【0169】
図17において、光通信システムは、複数m波のWDM方式光信号を生成する光送信局401と、光送信局401から射出されたWDM方式光信号を伝送する光伝送路402と、伝送されたWDM方式光信号が入射され、WDM方式光信号を受信・処理する光受信局404とから構成される。さらに、この光通信システムには、光伝送路402間において、光中継局403が接続される。なお、この光中継局403は、光伝送路102間に1個接続される場合に限らず、必要に応じて複数個が設けられる場合もある。
【0170】
光送信局401は、例えば、WDM方式光信号の各チャネルの光信号を生成する複数m個の光送信器(以下、「OS」と略記する。)411-1〜411-mと、これらOS411-1〜411-mからの光信号を波長多重する光マルチプレクサ(以下、「MUX」と略記する。)412と、このMUX412からのWDM方式光信号を増幅する光増幅装置413とを備えて構成される。OS111の個数は、WDM方式光信号のチャネル数に合わせた個数である。後述される光受信器419の個数についても、同様である。
【0171】
さらに、OS411は、例えば、所定の波長でレーザ光を発振する半導体レーザと、レーザ光を送信すべき情報で変調するマッハツェンダ干渉型光変調器などの外部変調器とを備えて構成することができる。MUX412としては、例えば、干渉フィルタの1つである誘電体多層膜フィルタやアレイ導波路格子形光合分波器などを利用することができる。
【0172】
光伝送路402は、光ファイバであり、1.3μm帯零分散シングルモードファイバや1.5μ帯分散シフトファイバなどの各種の光ファイバを利用することができる。
受信装置404は、例えば、光増幅装置417と光デマルチプレクサ(以下、「DEMUX」と略記する。)418と光受信器(以下、「OR」と略記する。)419-1〜419-16 とを備えて構成される。光伝送路402から光増幅装置417に入射されたWDM方式光信号は、増幅された後にDEMUX418へ射出され、DEMUX418でチャネルごとの光信号に波長分離される。分離された各チャネルの光信号は、ホトダイオードや復調器などからなるOR419-1〜419-mにそれぞれ入射され、受信・処理される。
【0173】
光中継局403は、光伝送路402における伝送損失を補う光増幅装置415を備える局や光伝送路402における伝送損失を補うとともに光伝送路402を伝送するWDM方式光信号からチャネルを分岐・挿入する光増幅装置416を備える局である。
これら光送信局401内の光増幅装置413、光受信局404内の光増幅装置417は、第1ないし第3の実施形態における光増幅装置301〜303のいずれかが使用され、光中継局403内の光増幅装置416は、第1ないし第4の実施形態における光増幅装置301〜304のいずれかが使用される。
【0174】
例えば、光増幅装置413は、第1の実施形態における光増幅装置301が使用され、光増幅装置417は、第2の実施形態における光増幅装置302が使用され、光増幅装置416-1は、第4の実施形態における光増幅装置304が使用され、光増幅装置415-1〜415-nは、第3の実施形態における光増幅装置303が使用される。光中継局403-1は、ADM(add/drop multiplexer)機能を持った光中継局である。なお、光通信システムは、このようなADM機能を持つ光中継局を複数個備えてもよい。
【0175】
(第5の実施形態の作用効果)
このような光通信システムでは、光送信局401に光増幅装置413を備えさせる場合に、光増幅装置413の入力光のモードをMUX412の出力光レベルに合わせることができ、且つ、光増幅装置413の出力光のモードを光伝送路402-1の入力光レベルに合わせることができる。
【0176】
そして、光中継局403に光増幅装置415、416を備えさせる場合に、光増幅装置415、416の入力光のモードを入力側の光伝送路402の出力光レベルに合わせることができ、且つ、光増幅装置415、416の出力光のモードを出力側の光伝送路402の入力光レベルに合わせることができる。
さらに、光受信局404に光増幅装置417を備えさせる場合に、光増幅装置417の入力光のモードを光伝送路402の出力光レベルに合わせることができ、且つ、光増幅装置417の出力光のモードをDEMUX418の入力光レベルに合わせることができる。
【0177】
したがって、このような光通信システムでは、SMFやNZ−DSFなどの様々な光伝送路402に対応することができる。そして、このため、既設の光伝送路を有効に活用することができる。さらに、このような光通信システムでは、光増幅装置413、415、416、417で生じる雑音指数の劣化が抑制されるから、より長距離伝送が可能であり、光中継局の個数を減らすことができる。
【0178】
次に、別の実施形態について説明する。
(第6の実施形態の構成)
図18は、第6の実施形態の光通信システムの構成を示す図である。
図19は、第6の実施形態における、Cバンド用の前段光増幅部、前段光減衰部および中段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【0179】
図20は、第6の実施形態における、Cバンド用の後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
図21は、第6の実施形態における、Lバンド用の前段光増幅部、前段光減衰部および中段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【0180】
図22は、第6の実施形態における、Lバンド用の後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
図18において、この光通信システムは、Cバンドの波長帯域(1530〜1570nm)とLバンドの波長帯域(1570nm〜1610nm)とにそれぞれ32波のWDM方式光信号を光送信局501で生成して、この光信号を光中継局503で多段中継し、光受信局504で受信・処理するものである。さらに、Cバンド用およびLバンド用の制御監視用光信号が、光送信局501で生成される。Cバンド用のこの信号は、チャネル1より短波長側に波長多重され、Lバンド用のこの信号は、チャネル64より長波長側に波長多重されて64波のWDM方式光信号とともに伝送される。これら光送信局501、光中継局503および光受信局504は、本発明にかかる複合光増幅装置を備えている。
【0181】
また、各制御監視用光信号は、この光通信システムを運用および保守する上で必要な情報が含まれている。より具体的には、各バンドごとにおけるWDM方式光信号の波長数(チャネル数)、後述する各EDFの動作状況および自局の障害状況などの情報が含まれている。EDFの動作状況は、EDFの利得一定制御および出力一定制御などの制御状態によって動作状況が変わる。
【0182】
図18において、64個のOS521-1〜521-64 のうちの32個のOS521-1〜521-32 は、Cバンドのチャネル1からチャンネル32に対応する光信号をそれぞれ生成する。生成された各光信号は、MUX522-1に入射されて波長多重され、Cバンドにおける32波のWDM方式光信号となる。このWDM方式光信号は、複合光増幅装置513に入射される。また、Lバンドのチャネル33からチャネル64を波長多重したWDM方式光信号は、OS521-33 〜521-64 およびMUX522-2からなる上述と同様の構成によって生成される。このLバンドのWDM方式光信号は、複合光増幅装置513に入射される。
【0183】
複合光増幅装置513に入射されたCバンドのWDM方式光信号は、Cバンド用の光増幅装置523-1に入射されて増幅され、Cバンド用の制御監視用光信号とともにMUX524に入射される。そして、複合光増幅装置513に入射されたLバンドのWDM方式光信号は、Lバンド用の光増幅装置523-2に入射されて増幅され、Lバンド用の制御監視用光信号とともにMUX524に入射される。
【0184】
これらMUX524に入射された各光信号は、このMUX524で波長多重され、2波長帯域のWDM方式光信号となる。この2波長帯域のWDM方式光信号は、光伝送路502-1に射出されて、次段の光中継局503-1に伝送される。
伝送された2波長帯域のWDM方式光信号は、光中継局503-1内の複合光増幅装置516-1におけるDEMUX532に入射される。
【0185】
DEMUX532は、この2波長帯域のWDM方式光信号をCバンド用の制御監視用光信号およびCバンドのWDM方式光信号とLバンド用の制御監視用光信号およびLバンドのWDM方式光信号とに波長分離する。波長分離されたCバンドのWDM方式光信号は、Cバンド用の光増幅装置533-11 で増幅されてMUX534-1に入射される。そして、波長分離されたLバンドのWDM方式光信号は、Lバンド用の光増幅装置533-12 で増幅されてMUX534-2に入射される。
【0186】
MUX534-1は、各バンド用の制御監視用光信号も併せて各バンドのWDM方式光信号を波長多重する。そして、この再び2波長帯域のWDM方式光信号となった光信号は、光伝送路502-2に射出されて、次段の光中継局503-2に伝送される。
2波長帯域のWDM方式光信号は、光中継局503によって順次に増幅されて光受信局504に入射される。
【0187】
入射された2波長帯域のWDM方式光信号は、複合光増幅装置517内のDEMUX542に入射され、Cバンド用の制御監視用光信号およびCバンドのWDM方式光信号とLバンド用の制御監視用光信号およびLバンドのWDM方式光信号とに波長分離される。
【0188】
波長分離されたCバンドのWDM方式光信号は、光増幅装置543-1で増幅されて、DEMUX548-1に入射される。そして、CバンドのWDM方式光信号は、DEMUX548-1でチャネルごとに波長分離され、各チャネルは、それぞれ対応するOR549-1〜529-32 に入射されて受信処理される。また、波長分離されたLバンドのWDM方式光信号は、光増幅装置543-2、DEMUX548-2およびOR549-33 〜529-64 からなる上述と同様な構成によって、増幅されて受信・処理される。
【0189】
次に、複合光増幅装置513、516、517について説明するが、まず、複合光増幅装置516について説明し、複合光増幅装置513、517については、複合光増幅装置516に対する相違点のみを説明する。
複合光増幅装置516は、上述したように、DEMUX532、Cバンドを増幅することができる光増幅装置533-n1 、Lバンドを増幅することができる光増幅装置533-n2 およびMUX534を備えて構成される。そして、Cバンド用の光増幅装置533-n1 は、図19および図20に示す、Cバンド用の前段光増幅部600、前段光減衰部601、中段光増幅部602、後段光減衰部603および後段光増幅部604を備えて構成される。Lバンド用の光増幅装置533-n2 は、図21および図22に示す、Lバンド用の前段光増幅部605、前段光減衰部606、中段光増幅部607、後段光減衰部608および後段光増幅部609を備えて構成される。
【0190】
また、各光増幅装置533は、インモード1とインモード2の2個の入力光のモードおよびアウトモード1とアウトモード2の2個の出力光のモードを持っている。
第1に、CバンドのWDM方式光信号を増幅するCバンド用の光増幅装置533-1の構成について説明する。
【0191】
図18および図19において、複合光増幅装置516に入射されDEMUX532で波長分離されたCバンド用の制御監視用光信号およびCバンドのWDM方式光信号は、Cバンド用の前段光増幅部600内におけるCPL611に入射される。
CPL611は、Cバンド用の制御監視用光信号とCバンドのWDM方式光信号とに波長分離する。波長分離するCPLには、誘電体多層膜フィルタが使用される。
【0192】
波長分離された制御監視用光信号は、帯域通過光フィルタ(以下、「BPF」と略記する。)621に入射される。このBPF621は、その波長帯域の中心波長がCバンド用の制御監視用光信号の波長に設定される。BPF621は、Cバンド用の制御監視用光信号を取り出し、SV−Out1端子へ射出される。
一方、波長分離されたCバンドのWDM方式光信号は、CPL612ににより2分岐され、一方のWDM方式光信号は、BPF626を介して、モニタ用のPD627に入射され、他方は、ISO613に入射される。
【0193】
BPF626は、DEMUX548で完全に除去されなかったLバンド光の影響を受けないようにLバンド光を遮断し、Cバンド光を透過する特性を持つ。
PD627に入射されたWDM方式光信号は、光電変換され、利得可変アンプ628およびSW629に入力される。
SW629は、1入力4出力のスイッチであり、4個の出力端子のそれぞれには、抵抗値R1 の抵抗器631、抵抗値R2 の抵抗器632、抵抗値R3 の抵抗器633および抵抗値R4 の抵抗器634のいずれか1個の抵抗器が接続され、各抵抗器631〜634は、接地される。これら抵抗値R1 〜R4 は、このCバンド用の光増幅装置533-n1 の入力光のモードに応じて決定される。そして、SW629によってPD627と接続された抵抗器の端子間電圧が、PD627の出力として利得可変アンプ628を介してAGC623および利得出力制御回路668に供給される。
【0194】
利得可変アンプ628の利得は、SW629を切り換える際に、PD627から利得可変アンプ628の出力までの利得を一定に保つように可変される。
これらPD627、SW629および抵抗器631〜634からなる回路は、光増幅装置533-n1 に入力されるCバンドのWDM方式光信号の光レベルを検出するモニタ回路である。
【0195】
また、ISO613からのWDM方式光信号は、CPL614に入射される。
一方、CPL614には、ファイバブラッググレーティング(以下、「FBG」と略記する。)619を介してLD622からのレーザ光も入射される。
LD622は、EDF615の励起光であるレーザ光を発振し、その発振波長は、980nmに設定される。EFDは、980nmおよび1460nmなどの波長の光によって励起されるが、980nmの光によって励起するとより低雑音にすることができる。
【0196】
FBG619は、LD619の発振波長を固定するために備えられた反射型光フィルタである。一般に、LDは、モードホッピング(mode hopping)により発振波長が変動するが、FBGでレーザ光の一部をLDに戻すことによってLDの発振波長を固定することができる。このため、FBG619の反射中心波長は、980nmに設定され、反射率は、LD622の発振波長を980nmに固定するのに充分であって、980nmのレーザ光がEDF615を励起するのに充分な値に設定される。より具体的には、FBG619の反射率は、3〜10%に設定される。後述するFBG701、821、822、891も同様にLDの発振波長を安定させる。
【0197】
このように、LD622の発振波長は、ほぼ固定されるので、LD622の発振波長の変動によって生じるEDF615の利得変動を防止することができる。これらISO613からのWDM方式光信号とFBG619を介したLD622からのレーザ光とは、合波されて、EDF615に入射される。
【0198】
EDF615は、LD622からのレーザ光を吸収することによりEDF615内のErイオンが励起され反転分布を形成する。この反転分布を形成した状態でCバンドのWDM方式光信号が入射するとこのWDM方式光信号に誘導されて誘導放射が起こり、WDM方式光信号が増幅される。
EDF615で増幅されたCバンドのWDM方式光信号は、ISO616およびGEQ617を介して、CPL618に入射される。GEQ617は、EDF615およびEDF654の利得波長特性を等化する利得等化器である。
【0199】
CPL618で分配された一方のWDM方式光信号は、Cバンド用の前段光減衰部601内のVAT641に入射され、他方のWDM方式光信号は、ATT620を介してPD625に入射される。
ATT620は、過大な光レベルの光によってPD625を破損しないようにするために、PD625に入射されるCバンドのWDM方式光信号における光レベルを調整する。後述するATT665、702、704、706、823、865、892、894、912、913も同様にPDを破損から保護する。
【0200】
PD625の出力は、その電流値を抵抗器(図19に不図示)によって端子間電圧に変換されて、AGC623および利得出力制御回路668に入力される。なお、特に断らない限り他のPDの出力も、不図示の抵抗器によって電流値が端子間電圧に変換される。
AGC623は、PD625の出力と利得可変アンプ628を介した前述のPD627の出力とからEDF615の利得を判断する。そして、AGC623は、この判断結果に基づいて、注入電流がリミッタ値に達しない範囲でLD622の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF615の利得を所定の利得で一定になるように調整する。この所定の利得は、光増幅装置533-n1 に入力される低光レベルのCバンドのWDM方式光信号の雑音指数を減少させるように考慮して設定される。
【0201】
次に、Cバンド用の前段光減衰部601の構成について、図19に基づいて説明する。
前述のCPL618からのCバンドのWDM方式光信号は、前段光減衰部601内のVAT641に入射される。VAT641は、入射された光を減衰して射出するとともにその減衰量を変更することができる光部品である。VAT641からのWDM方式光信号は、Cバンド用の中段光増幅部602内のCPL651に入射される。
【0202】
ここで、中段光増幅部602から後段光減衰部603に射出されるCバンドのWDM方式光信号の出力光レベルに従う出力は、後述する中段光増幅部602内のPD669から利得出力制御回路668に入力される。
利得出力制御回路668は、このPD669の出力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、ALC643の一方の入力端子に入力される。
【0203】
ALC643は、予め定められた参照電圧Vref9とこの利得出力制御回路668からの値とを比較することにより、中段光増幅部602から射出されるWDM方式光信号の1チャネル当たりの光レベルが一定になるように、VAT641の減衰量を調整する。参照電圧Vref9は、前段光増幅部600と前段光減衰部601と中段光増幅部602とからなる部分の出力光レベル(CPL659から後段光減衰部に出力される出力光レベル)を第1目標値にするために参照される電圧値であり、入力光のモードの個数に等しく用意される。例えば、インモード1に対して、インモード1用の参照電圧Vref9M1が用意され、インモード2に対して、インモード2用の参照電圧Vref9M2が用意される。
【0204】
次に、Cバンド用の中段光増幅部602の構成について、図19に基づいて説明する。
前述のVAT641からのCバンドのWDM方式光信号は、中段光増幅部602内のCPL651に入射される。
CPL651で分配された一方のWDM方式光信号は、PD661に入射され、他方のWDM方式光信号は、ISO652、CPL653、EDF654、CPL655およびISO656を介してCPL657に入射される。
【0205】
PD661は、受光したWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、利得出力制御回路668に入力される。
ここで、CPL653には、LD662からの1460nmのレーザ光も入射される。これらISO652からのWDM方式光信号とLD662からのレーザ光は、CPL653で合波されて、EDF654に入射される。さらに、CPL655には、LD663からの1460nmのレーザ光も入射され、このレーザ光もEDF654に入射される。このように、EDF654は、LD662によって前方向励起され、LD663によって後方向励起される。
【0206】
EDF654は、これらLD662、663からのレーザ光によって励起され、CバンドのWDM方式光信号を増幅する。
CPL657は、増幅されたCバンドのWDM方式光信号を2つに分配する。分配された一方は、CPL658に入射され、他方は、BPF664およびATT665を介して、PD669に入射される。
【0207】
BPF664の透過波長帯域は、Cバンドの波長帯域に設定され、残留励起光を遮断し、CバンドのWDM方式光信号の光レベルを精度よく検出するためのものである。
PD669に入射されたWDM方式光信号は、光電変換され、その出力は、利得出力制御回路668に入力される。
【0208】
利得出力制御回路668は、前述のPD625、627の出力から前段光増幅部600の利得を判断するとともに、PD669、661の出力から中段光増幅部602の利得を判断し、これら前段光増幅部600の利得と中段光増幅部602の利得との和が一定になるように、LD制御回路666に信号を出力する。LD制御回路666は、この信号に基づいて、LD662、663の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF654の利得を調整する。
【0209】
そして、CPL657からのCバンドのWDM方式光信号は、CPL658を介してCPL659に入射される。
CPL658は、Cバンド用中段光増幅部602の出力の戻り光をPD667に入射させる。PD667は、この戻り光を受光して光電変換し、その出力は、LD制御回路666に入力される。
【0210】
LD制御回路666は、このPD667からの出力が所定の閾値を超えた場合には、中段光増幅部602の出力側が開放されていると判断する。中段光増幅部602の出力側に光ファイバなどの光部品が接続されている場合には、その接続面における反射率が小さい。このため、戻り光も少ないので、PD667からの出力も小さくなる。一方、中段光増幅部602の出力側に光部品が接続されていない場合には、その接続面における反射率が接続されている場合に較べ大きくなる。このため、戻り光も多くなるので、PD667からの出力も大きくなる。より具体的には、接続されている場合には戻り光の光レベルは、ほぼ−30〜−40dBであるが、接続されていない場合には−14dB程度である。よって、LD制御回路666は、PD667からの出力の大小により、中段光増幅部602の出力側の接続状態を判断することができる。
【0211】
LD制御回路666は、中段光増幅部602の出力側に何も接続されていないと判断すると、LD662、663の駆動電流を減少させる。このため、EDF654の利得が減少する。したがって、中段光増幅部602から射出されるCバンドのWDM方式光信号の光レベルが著しく小さくなるので、複合光増幅装置516の稼働中に誤って中段光増幅部602の出力側を開放にしたとしても、この光中継局503を取り扱う作業者の安全を確保することができる。
【0212】
一方、LD制御回路666は、PD667の出力が所定の閾値を超えていない場合には、利得出力制御回路668からの信号によってLD662、663を制御する。
【0213】
そして、CPL659は、入射されたCバンドのWDM方式光信号を2つに分配する。分配された一方は、中段光増幅部602の出力として後段光減衰部603へ射出され、他方は、SA−Out1端子へ射出される。
次に、Cバンド用の後段光減衰部603の構成について、図20に基づいて説明する。
【0214】
前述のCPL659からのCバンドのWDM方式光信号は、ATT671を介して、Cバンド用の後段光増幅部604内のCPL681へ射出される。
ATT671は、入力光のモードごとに用意され、インモード1用のATT671の減衰量は、Cバンド用の光増幅装置533-n1 の出力光レベルを考慮して設定される。インモード2用のATT671の光減衰量は、Cバンド用の後段光減衰部603においてインモード2の場合の入力光レベルからインモード1の場合の入力光レベルを減算した値だけインモード1用のATT671の光減衰量より大きく設定される。
【0215】
ここで、ATT671の減衰量は、後述するATT871の減衰量とともに、この複合光増幅装置516を光中継局503に設置する際に調整される。
次に、Cバンド用の後段光増幅部604の構成について、図20に基づいて説明する。
前述のATT671からのCバンドのWDM方式光信号は、後段光増幅部604内のCPL681に入射される。
【0216】
CPL681で分配された一方のWDM方式光信号は、PD711に入射され、他方のWDM方式光信号は、ISO682、CPL683、EDF684、ISO685およびGEQ686を介して、CPL687に入射される。
PD711は、受光したWDM方式光信号の光パワーを光電変換し、その出力は、AGC713および利得出力制御回路723に出力される。
【0217】
CPL683は、FBG701を介して入射されるLD712からのレーザ光をEDF684に供給する。LD712は、波長980nmのレーザ光を発振する。
EDF684は、LD712からのレーザ光によって励起され、入射されたCバンドのWDM方式光信号を増幅する。
【0218】
GEQ686は、EDF684、693の利得波長特性をほぼ平坦な利得波長特性に補償する。
CPL687は、増幅したCバンドのWDM方式光信号を2つに分配する。分配された一方は、VAT688に入射され、他方は、ATT702を介してPD716に入射される。
【0219】
PD716は、受光したCバンドのWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、AGC713および利得出力制御回路723に入力される。
AGC713は、前述のPD716の出力とPD711の出力とからEDF684の利得を判断し、LD712の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF684の利得を所定の一定の利得に調整する。
【0220】
また、VAT688で減衰したCバンドのWDM方式光信号は、CPL689に入射される。CPL689で分配された一方のWDM方式光信号は、PD717に入射され、他方は、CPL691に入射される。PD717は、受光したCバンドのWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、利得出力制御回路723に入力される。
【0221】
CPL691からのCバンドのWDM方式光信号は、ISO692およびEDF693を介してCPL694に入射される。
ここで、CPL694には、LD719からのレーザ光とLD720からのレーザ光とをCPL705で偏波合成したレーザ光が入射される。この偏波合成されたレーザ光は、CPL694を介してEDF693に供給される。このため、EDF693は、このレーザ光によって後方向励起され、CバンドのWDM方式光信号を増幅する。LD719、720は、波長1480nmのレーザ光を発振する。偏波合成するCPL705には、偏光ビームスプリッタが使用される。そして、LD719、720とCPL705との間の光ファイバには、偏波保持光ファイバが使用される。
【0222】
また、波長数が多くなり、励起光がLD719、720で不足する場合は、BST−In1端子から励起光をさらに供給する。これにより、少数波長数導入時の低廉化が図れる。
このBST−In1端子からの励起光は、CPL690を介してCPL691に入射される。CPL691は、前述のCPL689からのCバンドのWDM方式光信号と励起光とを合波して、ISO692を介してEDF693にこの励起光を供給する。このため、このBST−In1端子からの励起光は、EDF693を前方向励起することになる。
【0223】
また、BST−In1端子からの励起光の一部は、CPL690で分配されて、ATT704を介してPD718に入射される。PD718は、受光した励起光を光電変換し、その出力は、PD−Out1端子に出力される。PD−Out1端子からの出力は、前述の励起光の光レベルを制御するために、例えば、その光レベルを所定の一定値にするために、利用される。
【0224】
増幅されたCバンドのWDM方式光信号は、CPL694からISO695を介してCPL696へ射出される。CPL696で分配された一方のWDM方式光信号は、CPL697、698、699を介して、この光増幅装置533-n1 の出力光としてMUX534へ射出され、他方は、BPF708とATT706とを介してPD724へ射出される。BPF708は、残留励起光削除のためである。PD724は、受光したWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、利得出力制御回路723に入力される。
【0225】
CPL697は、SV−In1端子に入射されたCバンド用の制御監視用光信号をCPL696からのCバンドのWDM方式光信号と波長多重する。
前述のSV−Out1端子(図19)から射出されたCバンド用の制御監視用光信号は、光信号から電気信号に変換され、この制御監視用光信号から運用・保守情報が取り出される。この運用・保守情報は、この光中継局503で利用され、この光中継局503において送信すべき運用・保守情報で更新される。更新された運用・保守情報は、再び電気信号から光信号に変換され、Cバンド用の制御監視用光信号としてSV−In1端子に入射される。
【0226】
CPL698は、CPL699からの戻り光をPD725に入射させる。PD725は、この戻り光を受光して光電変換する。PD725の出力は、LD制御回路721に入力される。LD制御回路721は、PD725の出力の大小により後段光増幅部604の出力側の接続状態を判断し、PD725からの出力が所定の閾値を超えた場合には、後段光増幅部604の出力側に何も接続されていないと判断する。一方、LD制御回路721は、PD725の出力が所定の閾値を超えていない場合には、利得出力制御回路723からの信号によってLD719、720を制御する。
【0227】
LD制御回路721は、後段光増幅部604の出力側に何も接続されていないと判断すると、LD719、720の駆動電流を減少させる。このため、EDF693の利得が減少する。したがって、後段光増幅部604から射出されるCバンドのWDM方式光信号の光レベルが著しく小さくなるので、光中継局503を取り扱う作業者の安全を確保することができる。
【0228】
そして、CPL699は、入射されたCバンドのWDM方式光信号の一部をSA−Out2端子へ射出する。
また、利得出力制御回路723は、前述のPD716、711の出力からEDF684の利得を判断するとともに、PD724、717の出力からEDF693の利得を判断し、これらEDF684の利得とEDF693の利得との和が一定になるように、LD制御回路721に信号を出力する。LD制御回路721は、この信号に基づいて、LD719、720の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF694の利得を調整する。
【0229】
さらに、利得出力制御回路723は、PD724の出力に基づく信号をALC703に出力する。ALC703は、予め定められた参照電圧Vref10 とこの利得出力制御回路723からの出力とを比較することにより、この光増幅装置535-n1 から射出されるCバンドのWDM方式光信号における1チャネル当たりの光レベルが一定になるように、VAT688の減衰量を調整する。参照電圧Vref10 は、後段光増幅部604の入力光レベルに対して一定の出力光レベルにするために参照される電圧値である。
【0230】
第2に、LバンドのWDM方式光信号を増幅するLバンド用の光増幅装置533-2の構成について説明する。
Lバンド用の光増幅装置533-2とCバンド用の光増幅装置533-1との相違は、主に利得等化器の構成およびEDFを励起する励起光の供給の仕方にある。
図18および図21において、複合光増幅装置516に入射されDEMUX532で波長分離されたLバンド用の制御監視用光信号およびLバンドのWDM方式光信号は、Lバンド用の前段光増幅部605内におけるCPL811に入射される。
【0231】
CPL811は、Lバンド用の制御監視用光信号とLバンドのWDM方式光信号とに波長分離する。波長分離された制御監視用光信号は、BPF621と同様な働きをするBPF824を介して、SV−Out2端子へ射出される。BPF824は、その波長帯域の中心波長がLバンド用の制御監視用光信号の波長に設定される。
【0232】
一方、波長分離されたLバンドのWDM方式光信号は、CPL812、ISO813、CPL814およびEDF834を介してCPL839に入射される。
CPL812は、入射されたWDM方式光信号の一部をBPF820を介してPD831に射出する。BPF820の透過波長帯域は、Lバンドに設定されるともにCバンド信号が遮断されるように設定される。
【0233】
PD831は、受光したWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、利得可変アンプ832およびSW833に入力される。
SW833は、1入力4出力のスイッチであり、4個の出力端子のそれぞれには、抵抗値R6 の抵抗器835、抵抗値R7 の抵抗器836、抵抗値R8 の抵抗器837および抵抗値R9 の抵抗器838のいずれか1個の抵抗器が接続され、各抵抗器835〜838は、接地される。これら抵抗値R6 〜R9 は、このLバンド用の光増幅装置533-n2 の入力光のモードに応じて決定される。
【0234】
利得可変アンプ832の利得は、SW833を切り換える際に、PD831から利得可変アンプ832の出力までの利得を一定に保つように可変される。
CPL814は、FBG821を介してLD825から入射される980nmのレーザ光をEDF834に供給する。さらに、CPL839は、LD826から入射される1460nmのレーザ光をEDF834に供給する。このように、EDF834は、LD825によって前方向励起され、LD826によって後方向励起される。
【0235】
EDF834は、これらLD825、826からのレーザ光によって励起され、LバンドのWDM方式光信号を増幅する。
ここで、EDF834は、Lバンドの波長帯域を増幅するため、Cバンドの波長帯域を増幅するEDF615、654、684、693よりも光ファイバ長が長い。このようにEDF834を長尺化するのは、EDFは、元々、Cバンドの波長帯域とLバンドの波長帯域とに増幅帯域を有するが、Lバンドの波長帯域の増幅率がCバンドの波長帯域の増幅率に較べ小さいからである。このため、EDF834の光ファイバ長は、Lバンドの波長帯域での光増幅をCバンドの波長帯域の光増幅と同程度に実現するために、Cバンドの波長帯域のEDFに較べて長くする必要がある。より具体的には、10倍程度長くする。後述するEDF854、884、894も、EDF834と同様に長尺化される。
【0236】
EDF834で増幅されたCPL839からのLバンドのWDM方式光信号は、ISO815、GEQ816、ISO817およびGEQ818を介して、CPL819に入射される。
GEQ816、ISO817およびGEQ818の組は、EDF834、854の利得波長特性を等化する。
【0237】
ここで、GEQ816およびGEQ818は、特定の波長の光を透過し、他の波長を反射するファイバグレーティングフィルタで構成されている。よって、GEQ816とGEQ818の反射波長が共通である場合には、GEQ816で反射した光がGEQ818で反射されGEQ816に再度入射される。そして、再度入射された光がGEQ816で反射しGEQ818に再度入射される。すなわち、GEQ816とGEQ818との間で多重反射が繰り返され、発振する場合がある。このため、ISO817をGEQ816と818の間に備えることで、この発振を防止することができる。なお、1個のGEQでこの光増幅装置533-2が要求される程度にEDF834の利得波長特性を等化することができる場合には、1個でもよい。
【0238】
CPL819は、入射されたLバンドのWDM方式光信号を2つに分配し、分配された一方は、Lバンド用の前段光減衰部606内のVAT841に入射され、他方は、ATT623を介してPD830に入射される。PD830は、受光したLバンドのWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、AGC827および利得出力制御回路826に入力される。
【0239】
AGC827は、PD830の出力と利得可変アンプ832を介した前述のPD831の出力とからEDF834の利得を判断する。そして、AGC827は、この判断結果に基づいて、LD825、826の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF834の利得を所定の利得で一定になるように調整する。この所定の利得は、光増幅装置533-n2 に入力される低光レベルのLバンドのWDM方式光信号の雑音指数を減少させるように考慮して設定される。
【0240】
次に、Lバンド用の前段光減衰部606の構成について、図21に基づいて説明する。
前述のCPL819からのLバンドのWDM方式光信号は、前段光減衰部606内のVAT841に入射される。VAT841は、入射されたWDM方式光信号を減衰して、Lバンド用の中段光増幅部607内のCPL851へ射出する。
【0241】
ここで、中段光増幅部607から後段光減衰部608に射出されるLバンドのWDM方式光信号の出力光レベルに従う出力は、後述する中段光増幅部607内のPD869から利得出力制御回路868に入力される。
利得出力制御回路868は、このPD869の出力を電圧レベルの対数値に変換し、変換された対数値は、ALC843の一方の入力端子に入力される。
【0242】
ALC843は、予め定められた参照電圧Vref11 とこの利得出力制御回路868からの値とを比較することにより、中段光増幅部607から射出されるLバンドのWDM方式光信号における1チャネル当たりの光レベルが一定になるように、VAT841の減衰量を調整する。参照電圧Vref11 は、前段光増幅部605と前段光減衰部606と中段光増幅部607とからなる部分の出力光レベル(CPL858から後段光減衰部608に出力される出力光レベル)を第1目標値にするために参照される電圧値であり、入力光のモードの個数に等しく用意される。例えば、インモード1に対して、インモード1用の参照電圧Vref11M1 が用意され、インモード2に対して、インモード2用の参照電圧Vref11M2 が用意される。
【0243】
次に、Lバンド用の中段光増幅部607の構成について、図21に基づいて説明する。
前述のVAT841からのLバンドのWDM方式光信号は、中段光増幅部607内のCPL851に入射される。
CPL851で分配された一方のWDM方式光信号は、PD861に入射され、他方は、ISO852、CPL853、EDF854およびISO855を介してCPL856に入射される。
【0244】
PD861は、受光したLバンドのWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、利得出力制御回路868へ出力される。
また、CPL853は、LD862から入射される1460nmのレーザ光をEDF854に供給する。
EDF834は、このレーザ光により励起され、LバンドのWDM方式光信号を増幅する。
【0245】
CPL856は、入射されたLバンドのWDM方式光信号を2つに分配し、分配された一方は、BPF863およびATT865を介して、PD869に入射される。BPF863の透過波長帯域は、Lバンドの波長帯域に設定され、残留励起光を遮断する。PD869は、受光したこのWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、利得出力制御回路868に入力される。
【0246】
利得出力制御回路868は、前述のPD830、831の出力から前段光増幅部605の利得を判断するとともに、PD869、861の出力から中段光増幅部607の利得を判断し、これら前段光増幅部605の利得と中段光増幅部607の利得との和が一定になるように、LD制御回路866に信号を出力する。LD制御回路866は、この信号に基づいて、LD862の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF854の利得を調整する。
【0247】
また、CPL856で分配された他方のLバンドのWDM方式光信号は、CPL857、858を介して、中段光増幅部607の出力としてLバンド用の後段光減衰部608内のATT871に入射される。
【0248】
CPL857は、CPL858からの戻り光をPD864に入射させる。PD864は、この戻り光を受光して光電変換し、その出力は、LD制御回路866に入力される。
LD制御回路866は、このPD864の出力の大小により、中段光増幅部607の出力側の接続状態を判断する。LD制御回路866は、PD869の出力とPD864の出力の比が所定の閾値を超えた場合には、中段光増幅部607の出力側に何も接続されていないと判断する。そして、LD制御回路666は、この判断の下にLD862の駆動電流を減少させる。このため、EDF854の利得が減少する。したがって、中段光増幅部607から射出されるLバンドのWDM方式光信号の光レベルが著しく小さくなるので、光中継局503を取り扱う作業者の安全を確保することができる。一方、LD制御回路866は、PD864の出力が所定の閾値を超えていない場合には、利得出力制御回路868からの信号によってLD862を制御する。
【0249】
CPL858は、LバンドのWDM方式光信号の一部をSA−Out2端子へ射出する。
次に、Lバンド用の後段光減衰部608の構成について、図22に基づいて説明する。
前述のCPL858からのLバンドのWDM方式光信号は、ATT871を介して、Lバンド用の後段光増幅部609内のCPL881に入射される。
【0250】
ATT871は、入力光のモードごとに用意され、インモード1用のATT871の減衰量は、Lバンド用の光増幅装置533-n2 の出力光レベルを考慮して設定される。インモード2用のATT871の光減衰量は、Lバンド用の後段光減衰部809においてインモード2の場合の入力光レベルからインモード1の場合の入力光レベルを減算した値だけインモード1用のATT871の光減衰量より大きく設定される。
【0251】
次に、Lバンド用の後段光増幅部609の構成について、図22に基づいて説明する。
前述のATT871からのLバンドのWDM方式光信号は、後段光増幅部609内のCPL881に入射される。
CPL881で分配された一方のWDM方式光信号は、PD901に入射され、他方は、ISO882、CPL883、EDF884、ISO885およびGEQ886を介して、CPL887に入射される。
【0252】
PD901は、受光したWDM方式光信号の光パワーを光電変換し、その出力は、AGC903および利得出力制御回路925に出力される。
CPL883は、FBG904を介してLD902から入射される波長980nmのレーザ光をEDF884に供給する。
EDF884は、このレーザ光によって励起され、入射されたLバンドのWDM方式光信号を増幅する。
【0253】
GEQ886は、EDF884、894の利得波長特性をほぼ平坦な利得波長特性に補償する。
CPL887は、入射されたLバンドのWDM方式光信号を2つに分配し、一方は、VAT888に入射され、他方は、ATT905を介してPD907に入射される。PD907は、受光したLバンドのWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、AGC903および利得出力制御回路925に入力される。
【0254】
AGC903は、PD907の出力と前述のPD901の出力とからEDF884の利得を判断し、LD902の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF884の利得を所定の一定の利得に調整する。
また、VAT888で減衰したLバンドのWDM方式光信号は、CPL889に入射される。CPL889で分配された一方のWDM方式光信号は、PD908に入射され、他方は、CPL892に入射される。PD908は、受光したLバンドのWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、利得出力制御回路925に入力される。
【0255】
一方、LD910、911は、波長1460nmのレーザ光を発振し、各LD910、911からのレーザ光は、CPL895で偏波合成されて、CPL891を介してCPL892に入射される。偏波合成するCPL895には、偏光ビームスプリッタが使用される。そして、LD910、911とCPL895との間の光ファイバには、偏波保持光ファイバが使用される。
【0256】
CPL892は、これらCPL889からのLバンドのWDM方式光信号とCPL895、891を介したLD910、911からのレーザ光とを合波する。合波された光は、ISO893、EDF894、CPL895、ISO896を介してCPL897に入射される。よって、EDF894は、LD910、911からのレーザ光によって前方向励起され、LバンドのWDM方式光信号を増幅する。
【0257】
ここで、LD910、911からのレーザ光では、EDF894を充分に励起できないために、LバンドのWDM方式光信号をEDF894で充分に増幅できない場合には、BST−In2端子からの励起光およびBST−In3端子からの励起光のうちのいずれか一方または両方がさらに供給される。
このBST−In2端子からの励起光は、CPL890を介してCPL891に入射される。CPL891は、CPL895を介して入射される前述のLD910、911からのレーザ光と励起光とを合波する。この合波された光は、CPL892およびISO893を介してEDF894に供給される。このため、このBST−In2端子からの励起光は、EDF894を前方向励起することになる。また、BST−In2端子からの励起光の一部は、CPL890で分配されて、ATT894を介してPD909に入射される。PD909は、受光した励起光を光電変換し、その出力は、PD−Out2端子に出力される。
【0258】
一方、BST−In3端子からの励起光は、CPL917、895を介してEDF894に供給される。このため、このBST−In3端子からの励起光は、EDF894を後方向励起することになる。CPL917は、BST−In3端子からの励起光の一部を、ATT912を介してPD915に分配する。PD915は、受光した励起光を光電変換し、その出力は、PD−Out3端子に出力される。
【0259】
CPL897は、入射されたLバンドのWDM方式光信号を2つに分配する。分配された一方は、CPL898、899、890を介して、この光増幅装置533-n2 の出力光としてMUX534(図18)へ射出され、他方は、BPF918およびATT913を介して、PD916へ射出される。PD916は、受光したWDM方式光信号を光電変換し、その出力は、利得出力制御回路925に入力される。
【0260】
CPL898は、SV−In2端子に入射されたLバンド用の制御監視用光信号をCPL897からのLバンドのWDM方式光信号と波長多重する。
このLバンド用の制御監視用光信号は、前述のSV−Out2端子(図21)から射出され、この光中継局503で利用・更新され、SV−In2端子に入射された光信号である。
【0261】
CPL899、PD914は、戻り光を検出して、出力コネクタの接続検出を行うためのものであり、図20のCPL698、PD725と同様な動作を行う。
そして、CPL900は、入射されたLバンドのWDM方式光信号の一部をSA−Out4端子へ射出する。
【0262】
また、利得出力制御回路925は、前述のPD907、901の出力からEDF884の利得を判断するとともに、PD916、908の出力からEDF894の利得を判断し、これらEDF884の利得とEDF894の利得との和が一定になるように、LD制御回路920に信号を出力する。LD制御回路920は、この信号に基づいて、LD910、911の駆動電流(注入電流)を調整することにより、EDF894の利得を調整する。
【0263】
さらに、利得出力制御回路925は、PD916の出力に基づく信号をALC906に出力する。ALC906は、この出力と予め定められた参照電圧Vref12 とを比較することにより、この光増幅装置535-n2 から射出されるLバンドのWDM方式光信号における1チャネル当たりの光レベルが一定になるように、VAT888の減衰量を調整する。
【0264】
次に、複合光増幅装置513について説明する。
複合光増幅装置513と複合光増幅装置516との相違は、複合光増幅装置513が、DEMUX532を備えない点、および、前段光増幅部600、605内のCPL611、811とBPF621、824とを備えない点である。
複合光増幅装置513がDEMUX532を備えない理由は、光送信局501では前述したように各バンドのWDM方式光信号がOS521およびMUX522によって個別に生成されるため、2波長帯域のWDM方式光信号から各バンドのWDM方式光信号に波長分離する必要がないからである。そして、複合光増幅装置513がCPL611、811とBPF621、824とを備えない理由は、各バンド用の制御監視用光信号がこの光送信局501内で初めて生成されるため、制御監視用光信号とWDM方式光信号とを波長分離する必要がないからである。
【0265】
したがって、複合光増幅装置513は、光増幅装置523およびMUX524を備える。そして、複合光増幅装置513と複合光増幅装置516との対応関係は、光増幅装置523-1が光増幅装置533-n1 に対応し、光増幅装置523-2が光増幅装置533-n2 に対応し、MUX524がMUX534に対応する。
次に、複合光増幅装置517について説明する。
【0266】
複合光増幅装置517と複合光増幅装置516との相違は、複合光増幅装置517が、MUX534を備えない点、および、後段光増幅部600、605内のCPL697、898を備えない点である。
複合光増幅装置517がMUX534を備えない理由は、光受信局504では前述したようにWDM方式光信号における各光信号がOR549によって受信・処理されるため、再び光伝送路に伝送するために各バンドのWDM方式光信号を2波長帯域のWDM方式光信号に波長多重する必要がないからである。そして、複合光増幅装置517がCPL697、898を備えない理由は、もはや各バンド用の制御監視用光信号を光伝送路に伝送する必要がないからである。
【0267】
したがって、複合光増幅装置517は、DEMUX542および光増幅装置543を備える。複合光増幅装置517と複合光増幅装置516との対応関係は、DEMUX542がDEMUX532に対応し、光増幅装置543-1が光増幅装置533-n1 に対応し、光増幅装置543-2が光増幅装置533-n2 に対応する。
【0268】
(第6の実施形態の作用効果)
このような光通信システムでは、光送信局501に光増幅装置523-1、523-2を備えるので、複合光増幅装置513の入力光のモードをMUX522-1、522-2の出力光レベルに合わせることができ、且つ、複合光増幅装置513の出力光のモードを光伝送路502-1の入力光レベルに合わせることができる。
【0269】
そして、光中継局503に光増幅装置533-n1 、533-n2 を備えるので、複合光増幅装置516の入力光のモードを入力側の光伝送路502の出力光レベルに合わせることができ、且つ、複合光増幅装置516の出力光のモードを出力側の光伝送路502の入力光レベルに合わせることができる。
さらに、光受信局504に光増幅装置543-1、543-2を備えるので、複合光増幅装置517の入力光のモードを光伝送路502の出力光レベルに合わせることができ、且つ、複合光増幅装置517の出力光のモードをDEMUX548-1、548-2の入力光レベルに合わせることができる。
【0270】
ここで、第6の実施形態における各光増幅装置523、533、543は、各インモードおよび各アウトモードにおいて、第1ないし第4の実施形態と同様な作用効果であるので、その説明を省略する。
よって、このような光通信システムでは、SMFやNZ−DSFなどの様々な光伝送路502に対応することができる。そして、このため、既設の光伝送路を有効に活用することができる。さらに、このような光通信システムでは、複合光増幅装置513、516、517で生じる雑音指数の劣化が抑制されるから、より長距離伝送が可能であり、光中継局の個数を減らすことができる。
【0271】
さらに、2波長帯域のWDM方式光信号のように広波長帯域のWDM方式光信号を伝送する場合では、誘導ラマン散乱により短波長側のチャネルの光レベルが減少するとともに長波長側のチャネルの光レベルが増大する。このため、広波長帯域のWDM方式光信号を増幅する光増幅装置は、広い入力ダイナミックレンジを要求される。第6の実施形態における複合光増幅装置は、広い入力ダイナミックレンジを持つので、広波長帯域のWDM方式光信号を増幅するのに好適である。
【0272】
なお、第6の実施形態においては、Cバンドに配置されたWDM方式光信号とLバンドに配置されたWDM方式光信号とを同方向に伝送したが、互いに逆方向に伝送するようにしてもよい。例えば、CバンドのWDM方式光信号を上り方向に伝送し、LバンドのWDM方式光信号を下り方向に伝送する。
また、第6の実施形態においては、後段光減衰部603、608における減衰量の変更は、複合光増幅装置を光通信システムに設置する際に変更したが、後段光減衰部106、108、109に示すようにVAT173、252、262光可変減衰器によって自動的に変更するようにしてもよい。
【0273】
さらに、このようなVATを利用する場合には、中段光増幅部に備えられた出力側の開放を検出して射出されるレーザ光の光レベルを自動的に下げる機能を省略することができる。
また、第6の実施形態では、後段光減衰部603、608が光を減衰する機能のみを持つ場合を説明したが、後段光減衰部108のようにDCFをさらに備えることによって波長分散を補償する機能を追加してもよい。そして、後段光減衰部109のようにOADMをさらに備えることによって、光中継局を伝送するWDM方式光信号からチャネルを分岐・挿入する機能を備えた光中継局にすることもできる。
【0274】
そして、第1の実施形態ないし第4の実施形態において、WDM方式光信号は、Cバンドの波長帯域に設定されたが、これに限定するものではない。本発明は、いずれの波長帯域に設定されても適用することができる。そして、WDM方式光信号を増幅するEDFは、WDM方式光信号の波長帯域に応じて適宜選択される。例えば、WDM方式光信号がLバンドの波長帯域(1570nm〜1610nm)に設定された場合においては、Lバンドの波長帯域を増幅するゲインシフトエルビウム添加光ファイバを利用することができる。WDM方式光信号がS+ バンドの波長帯域(1450〜1490nm)に設定された場合においては、S+ バンドの波長帯域を増幅するツリウム添加光ファイバ(thulium-doped fiber amplifier )を利用することができる。また、励起光源であるLDの発振波長も、適宜選択される。
【0275】
また、第1の実施形態において、後段光減衰部104の減衰量は、光増幅装置301を設置する際に入力光のモードに合わせてATT171を差し替えるようにしたが、第2の実施形態における後段光減衰部106のように、ATT171の代わりにVATを用いて減衰量を変更するようにしてもよい。そして、逆に、第2の実施形態において、後段光減衰部106の減衰量は、VAT173の代わりにATTを用いて、第1の実施形態のように光増幅装置302を設置する際に入力光のモードに合わせてATTを差し替えるようにしてもよい。
【0276】
さらに、第1の実施形態ないし第4の実施形態において、後段光減衰部104、106、108、109の減衰量の調整は、半固定光減衰器を用いて光増幅装置301、302、303、304を設置する際に入力光のモードに合わせてこの半固定光減衰器の減衰量を調整するようにしてもよい。また、VAT単体に所定の電圧を加えて、減衰量を調整してもよい。
【0277】
また、第1の実施形態ないし第4の実施形態において、中段光増幅部103の出力光レベルは、光増幅装置301、302、303、304を設置する際に入力光のモードに合わせて参照電圧Vref2を変更するようにしたが、各入力光のモードに対応して参照電圧Vref2を予め用意し、この用意された参照電圧Vref2を前段光増幅部101の入力光レベルを検出することによって切り替える制御回路を備えるようにしてもよい。このような光増幅装置は、この制御回路によって自動的に入力光のモードを切り替えることができる。
【0278】
【発明の効果】
本発明では、1個の光増幅装置で、雑音指数の劣化を伴うことなくより入力ダイナミックレンジを拡大することができる。また、本発明では、出力端開放機能を損なうことなく、多種類の光ファイバに接続することができる。さらに、本発明では、複数の波長帯域を増幅することができるので、広波長帯域な光を増幅することができる。
【0279】
また、本発明では、様々な種類の光伝送路に対応することができる。そして、このため、既設の光伝送路を有効に活用することができる。さらに、より長距離伝送が可能であり、光中継局の個数を減らすことができる。
さらに、本発明では、広い入力ダイナミックレンジを持つので、広波長帯域のWDM方式光信号を増幅するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す図である。
【図2】本発明のレベルダイヤを示す図である。
【図3】本発明のレベルダイヤを示す図である。
【図4】第1の実施形態ないし第4の実施形態における光増幅装置の全体構成を示す図である。
【図5】第1の実施形態ないし第4の実施形態における、前段光増幅部、前段光減衰部および中段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図6】第1の実施形態における、後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図7】第1の実施形態の光増幅装置におけるレベルダイヤのシミュレーション結果を示す図である。
【図8】第1の実施形態の光増幅装置におけるレベルダイヤを示す図である。
【図9】先行する技術にかかる光増幅装置におけるレベルダイヤのシミュレーション結果を示す図である。
【図10】入力光レベルと雑音指数との関係において、第1の実施形態の光増幅装置の場合と先行する技術の光増幅装置の場合との対比を示す図である。
【図11】第2の実施形態における、後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図12】第3の実施形態における、後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図13】第3の実施形態の光増幅装置におけるレベルダイヤのシミュレーション結果を示す図である。
【図14】先行する技術にかかる光増幅装置におけるレベルダイヤのシミュレーション結果を示す図である。
【図15】第4の実施形態における、後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図16】第4の実施形態の後段光減衰部におけるOADMの構成例を示す図である。
【図17】第5の実施形態の光通信システムの構成を示す図である。
【図18】第6の実施形態の光通信システムの構成を示す図である。
【図19】第6の実施形態における、Cバンド用の前段光増幅部、前段光減衰部および中段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図20】第6の実施形態における、Cバンド用の後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図21】第6の実施形態における、Lバンド用の前段光増幅部、前段光減衰部および中段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図22】第6の実施形態における、Lバンド用の後段光減衰部および後段光増幅部の詳細構成を示す図である。
【図23】先行する光増幅装置の構成とレベルダイヤを示す図である。
【図24】光増幅器の利得と利得波長特性との関係を示す図である。
【符号の説明】
10、301〜304、413、415、417 光増幅装置
11 第1光増幅部
12 光減衰部
13 第2光増幅部
21 第1光増幅器
22 光減衰器
23 第2光増幅器
101、600、605 前段光増幅部
102、601、606 前段光減衰部
103、602、607 中段光増幅部
104、106、108、109、603、608 後段光減衰部
105、107、604、609 後段光増幅部
114、155、185、214、223、615、654、684、693、834、854、884、894 エルビウム添加光ファイバ
121、255、627、667、831、864 ホトダイオード
122、162、190、232、240、623、713、827、903
自動利得制御回路
123、124、144、160、233、234、238 対数変換回路
125、126、235、236 減算器
127 スイッチ
128〜131、201、202、613〜634、835〜838 抵抗器
143、228、643、843 自動出力制御回路
161、239 加算器
163、241 逆対数変換回路
171、254、264、671、871 光減衰器
173、218、252、262 光可変減衰器
175、256、266 減衰量制御回路
253 分散補償ファイバ
263 光分岐・挿入装置
401、501 光送信局
403、503 光中継局
404、504 光受信局
666、721、866、920 LD制御回路
668、723、868、925 利得出力制御回路

Claims (1)

  1. 入力された光を複数の帯域に分割する波長帯域分割部と、
    該波長帯域分割部により分割されたそれぞれの光に対応して設けられた該分割された入力光レベルが所定範囲外になると、光増幅出力の目標値を変える複数の第1光増幅部と、
    該複数の第1光増幅部の出力をそれぞれ減衰させる複数の減衰部と、
    該複数の減衰部の出力をそれぞれ増幅する複数の第2光増幅部と、
    該複数の第2光増幅部の出力を合波する合波部と、
    該第1光増幅部からの入力信号に基づいて該複数の減衰部の減衰量をそれぞれ変化させる複数の制御部とを備え、
    該第1光増幅部は、該入力光レベルに対して複数設定された該所定範囲ごとに、一の光増幅出力の目標値を設定して出力し、
    該制御部は、
    該第1光増幅部の光増幅出力の目標値を変更する場合に、変更前の該第1光増幅部の光増幅出力の目標値と、変更後の該第1光増幅部の光増幅出力の目標値と、の差分に応じて該減衰部の減衰量を変化させる
    ことを特徴とする光増幅装置。
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