JP4083625B2 - 水害解析システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水害解析システムに係り、特に下水道データ、河川データ、地形データ、建物データ、気象データ等から対象地域の浸水や管渠、河川の流量等を算出する水害解析システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市型水害を予測・解析するために、河川流解析技術、下水管路網の管路流解析技術、地表面流出解析技術、地形分析技術、GISを用いたものがある。
例えば、降雨データ、地形データ、家屋データを基にして、対象地域の地形を解析して浸水量と浸水地点を予測するものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−298063号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような都市型水害解析システムでは、地表面から下水管に雨水が流入するだけで人孔から地表面に下水が溢れ出すことを考慮したものはない。前述した公報に記載した浸水マップシステムも人孔から地表面に下水が流出することは考慮していないので正確な水害解析を行うことはできないという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、人孔から地表面に溢れる流出を考慮して水害解析を行える水害解析システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための第1の発明は、少なくとも人孔データ及び管渠データを有する下水道データと、河川データと、地形データとを保持するデータベースと、コンピュータからなる水害解析システムであって、前記コンピュータは、前記データベースに保持された前記下水道データと、前記河川データと、前記地形データとを用いて、降雨データが与えられると、少なくとも地表面と下水管の水のやり取りに関する水理解析を行い、人孔から地表面に水が溢れ出すか否かを算出することを特徴とする水害解析システムである。
前記地表面と下水管の水のやり取りに関する水理解析は、人孔内水位Hが人孔地盤高H 以下のときは、マンホールの面積および下水道からの流入出流量と地表面流出域からの落ち込み流量を用い、人孔水位Hが人孔地盤高H より大きいときは、氾濫格子の面積および下水道からの流入出流量と氾濫メッシュへの流入出流量を用いる
【0007】
また、第2の発明は、コンピュータを第1の発明に係る水害解析システムとして機能させるプログラムである。
【0008】
また、第3の発明は、コンピュータを第1の発明に係る水害解析システムとして機能させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る水害解析システム1の概略構成図である。
【0010】
水害解析システム1はコンピュータ3、データベース5、ディスプレイ7、プリンタ9、キーボード11等からなる。コンピュータ3はスタンドアローン型のコンピュータでもよいし、ネットワークに接続されたものでもよい。データベース5はハードディスク装置等からなり、コンピュータ3に内蔵されたり、他のサーバー等のハードディスクに保持され、コンピュータ3からアクセスされる場合もある。すなわち、図1において、データベース5はコンピュータ3の外部に示されているが、コンピュータ3に内蔵される場合もある。
データベース5は下水道データ15、河川データ16、地形データ17、建物データ19、気象データ21等を保持する。
【0011】
コンピュータ3は、CPU(中央演算装置)12、メモリ13、インターフェイス(IF)14等を備える。CPU12は、水害解析プログラムに従い水害解析を行う。メモリ13は、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)からなり、下水道データ15等の各種データを一時的に記憶したり、水害解析プログラムを記憶したり、水害解析を行っている際の各種データを一時的に記憶する。
【0012】
インターフェイス14には、ディスプレイ7、プリンタ9、キーボード11等が接続され、インターフェイス14は、CPU11、メモリ13とディスプレイ7等とのインターフェイスを行う。尚、水害解析プログラムはデータベース5を形成するハードディスク装置に保持させても良い。
【0013】
図2は下水道データ15のフォーマット図、図3は人孔55、管渠57の配置を示す図である。
下水道データ15は位置31、人孔形式33、人孔地盤高(h)35、最深接続管の管底高(h)37、…、管渠断面形状41、管内径43、内空高さ44、上流端管底高(h)45、下流端管底高(h)47等のデータを有する。
【0014】
人孔位置31、人孔形式33、人孔地盤高(h)35、人孔管底高(h)37は人孔データであり、管渠断面形状41、管内径43、上流端管底高(h)45、下流端管底高(h)47は、この人孔に接続する管渠のデータである。
【0015】
人孔位置31は人孔55の存在する座標(X、Y)を示す。人孔形式33は、人孔の構造と形状寸法を示す。人孔地盤高(h)35は、図4に示すように基準レベル53を基準として人孔55の存在する地表面51の高さである。最深接続管の管底高(h)37は最深接続管の管底の基準レベル53からの高さを示す。
【0016】
管渠断面形状41は管渠57の断面形状を示し、例えば円形や矩形等である。管内径43は管渠57の内径を示す。内空高さ44は、矩形断面の場合を示す。上流端管底高(h)45は管渠57に人孔が設けられた地点の高さを示す。下流端管底高(h)47は管渠57に人孔55が設けられた地点における管渠57の下端の高さを示す。
【0017】
図4は河川データ16のフォーマット図である。河川データ16は、河川左岸の位置(X、Y)81、河川右岸の位置(X、Y)83、河川の幅85、堤防高87、水深89、河川左岸が含まれる格子の番号91等のデータを有する。
【0018】
図5は地形データ17のフォーマット図である。地形データ17は格子61、地盤高63、河道内標高65、堤防高さ67等のデータを有する。格子61は格子幅で仕切られた面を示す。地盤高63は格子61で示される地点の地盤高を示す。河道内標高65は河川の場合に格子61で示される地点の標高を示す。堤防高さ67は格子61で示される地点に堤防があれば、その堤防の標高を示す。
【0019】
図6は建物データ19を示す図である。
建物占有率73は、格子71で示される地点の建物の占有率を示す。
また、図1に示す気象データ21は過去の降雨データや解析対象とする降雨データ等である。
【0020】
次に、水害解析システム1の処理を図7に示すフローチャートを用いて説明する。
CPU12はデータベース5から下水道データ15、河川データ16、地形データ17、建物データ19、気象データ21等を読み取り、メモリ13に保存する(ステップ601)。
図10は地形データ17中の街区データをディスプレイ7に表示させた場合の図である。
【0021】
次に、作業者はコンピュータ3にキーボード(あるいはマウス)11等を用いて解析対象範囲を指示し、CPU12はこの指示に基づいて解析対象範囲を設定し、メモリ13に保存する(ステップ602)。
図11は設定された解析対象範囲をディスプレイ7に表示させた場合の図である。
【0022】
CPU12は解析対象範囲内でメッシュデータを作成し、メモリ13に保存する(ステップ603)。このメッシュは、例えば10メートル×10メートルのメッシュである。
CPU12はメッシュ単位で地盤高データ、建物占有率データ、属性データ、堤防データ、下水道データ等を作成し、メモリ13に保存する(ステップ604)。
【0023】
メッシュ単位の地盤高データは地形データ17の地盤高63を用いて作成され、そのメッシュの平均的な地盤高である。メッシュ単位の建物占有率データは建物データ19の家形を用いて作成され、そのメッシュ内における建物の占有率を示す。
【0024】
メッシュ単位の属性データは、解析対象外の場合「0」、氾濫域の場合「1」、河道内の場合「2」となる。
メッシュ単位の下水道データは下水道データ15のフォーマット変換を行って得られるが、実質的には下水道データ15と同様のものである。
【0025】
図12はメッシュ単位で算出した地盤高をディスプレイ7に表示した図である。
図13はメッシュ単位で算出した建物占有率をディスプレイ7に表示した図である。
図14は下水道データの人孔及び管渠を平面的及び立体的にディスプレイ7に表示した図である。
【0026】
図15は下水道の管路網をディスプレイ7に平面的に表示した図である。
図16は下水道の管路網をディスプレイ7に立体的に表示した図である。
図17は下水道の管路網を人孔地盤高を記入してディスプレイ7に平面的に表示した図である。
【0027】
このように、CPU12はメッシュ単位で各種情報を作成した後、かかるデータを用いてデータのチェックを行い、チェック結果をメモリ13に保存する(ステップ605)。
チェックされた結果として表示されるものとして、人孔名称検索表示、管渠名称検索表示、人孔地盤高表示、管径表示、逆勾配管渠表示、流出管複数接続表示、指定範囲管勾配抽出、指定範囲土被抽出、指定範囲人孔底高抽出、指定範囲流入管底高抽出、人孔位置地盤高表示、人孔形状3次元表示、全体管路網3次元表示、背景図(街区)表示、背景図(家形)表示、解析対象範囲表示、標高図、建物占有率分布図、管渠流下方向図、管渠計算勾配図等がある。
【0028】
たとえば、自治体等で整備されている下水道データ等を用いた場合、データ入力ミスや原データが不完全である等の理由により、管渠勾配等に間違いがあることがあり、管渠勾配等をチェックする。
また管径データや土被りデータについてもチェックする。例えば上流側の管径が下流側より大きい場合や、土被りが大きすぎたり、小さすぎたりすれば、これらのデータを再検討する。
【0029】
次に、CPU12はステップ604で作成されたデータ、降雨データ、貯留施設データ等を入力データとし、水理解析を行う(ステップ606)。
【0030】
降雨データはステップ601で読み取られた気象データ21の一部である。貯留施設データは、地下貯留施設等が存する場合、その施設の位置、形状、大きさ等のデータである。
【0031】
水理解析としてたとえば、地表面流は2次元運動方程式を用いて解析し、河川流は1次元または2次元運動方程式を用いて解析し、下水管路流はプライスマンスロットモデルを用いて解析する。
たとえば、下水管路内の水位や流量に関しては以下のようにして解析を行う。
【0032】
【数1】
Figure 0004083625
【0033】
ここで、x:1次元の空間座標、t:時間、A:流水断面積、Q:流量、u=Q/A:断面平均流速、h:水深、θ:水路底勾配、n:マニングの粗度係数、R:径深、α:エネルギー係数、β:運動量係数、λ:エネルギー解析法における圧力分布補正係数である。
(1)式、(2)式で、Qとhが求められる。
なお、θ、Rはプログラムの中で計算され、その後はプログラム定数として設定される。n、α、β、λは既知であり、データベース5の下水道データ15に保持されている。
【0034】
また、地表面流出の水位、流量に関しては以下のようにして解析を行う。
【0035】
【数2】
Figure 0004083625
【0036】
ここで、Hは水位、u、vはそれぞれx、y方向の断面平均流速、hは水深、M、Nはそれぞれx、y方向の質量フラックス(M=uh、N=vh)、τSX、τSYはそれぞれx、y方向における水表面のせん断応力τBX、τBY、はそれぞれx、y方向における底面のせん断応力、K、Kはそれぞれx、y方向の渦動粘性係数、ρは水の密度、gは重力加速度、tは時間、x、yはそれぞれ平面の座標(xは東方を正、yは北方を正)である。
【0037】
(3)、(4)、(5)式により、水位H、x、y方向の流量フラックスM、Nが求められ、それからu、vが計算される。
なお、せん断応力τBX、τBY、は計算によって算出され、渦動粘性係数ε、εはモデルパラメータとしてプログラム中で定義されている。
【0038】
また、地表面と下水管の水のやり取りに関しては以下のようにして解析を行う。
図8は、地表面と下水管の水のやり取りを示す図である。図8(a)は、地表面から人孔55を介して管渠57に雨水が流出する状態を示しており、図8(b)は、逆に管渠57を流れる水が人孔55を介して地表51に溢れる状態を示している。
【0039】
【数3】
Figure 0004083625
【0040】
ここで、H:水位、A:面積(H≦HBのときはマンホールの面積、H>Hのときは氾濫格子の面積(H:地盤高))、ΣQ:流入出流量(H≦Hのときは下水道からの流入出流量と地表面流出域(氾濫域)からの落ち込み流量、H>Hのときは下水道からの流入出流量と氾濫メッシュへの流入出流量)、Q UT:ポンプ排水流量、t:時間である。
ΣQは計算の過程で求められ、QOUTは既知であり、(6)式によってHが求められる。
なお、式(1)、(2)の水深hと、式(3)、(4)、(5)の水位H、水深hと、式(6)の水位Hは別の変数である。
【0041】
そして、CPU12はこのようなモデルに従い対象範囲の管渠流量、管渠内水位、河川流量、河川水位、地表面流出量、地表面流出の流出方向及び水深(浸水深とも言う)、人孔内水位、浸水箇所を経時的に算出しメモリ13に保存し(ステップ607)、ディスプレイ7に計算結果を表示する(ステップ608)。
【0042】
なお、管渠流量は式(1)のQ、管渠内水位は式(2)のh、地表面流出量は単位幅当たりの地表面流出量、地表面流出の流出方向及び水深は式(3)、(4)、(5)のu、v、h、人孔内水位は式(6)のHである。
ここで、地表面流出の浸水深とは地表面に浸水があった場合の深さであり、管渠内水位は下水管渠の内部を流れる水の水位であり、人孔内水位は人孔の内部の水位である。
【0043】
図9は、ステップ606及びステップ607の処理の概要を示すフローチャートである。
水理解析を行う場合、地表面流、河川流の計算を行う(ステップ802)。即ち、式(3)から式(5)を用いて、地表面流、河川流の計算を行う。
【0044】
そして、下水管路流の計算を行う(ステップ803)。即ち、式(1)と式(2)を用いて、下水管路流の計算を行う。ステップ802及びステップ803の計算は、それぞれ独立して行うが、地表面から人孔を介して下水管路に落ちる水量を算出し(ステップ804)、地表面流からこの水量を差し引き、マンホール部にこの水量を加えて、ステップ802、ステップ803の計算を独立して行う(ステップ801)。
【0045】
人孔が溢れるまで、ステップ801の計算を行い(ステップ805)、人孔が溢れた場合、マンホール部は地表面流出を考慮した連続式を解くことになり、その場所の地表面の水位(水深)はマンホール部の水位から計算する(ステップ806)。即ち、式(1)及び式(2)を用いて、下水管路流、地表面流、河川流を計算する。
【0046】
図18は対象地域の浸水深の分布図である。メッシュ単位で浸水深が表示される。
図19は浸水深の時系列グラフである。横軸が時間を表し、縦軸が浸水深を表す。
図20は地表面に溢れた地表面流の流量・方向図である。地表面流もメッシュ単位で流量及び方向が表示される。
【0047】
図21は管渠流量図であり、管渠の内部を流れる水の流量が示される。
図22は下水道のルート断面図である。図22において51は地表面、55は人孔、45は管渠の上流端管底高、47は管渠の下流端管低高を示す。そして、水位線101、最高水位腺103、浸水発生箇所105が表示される。
水位線101は管渠57の内部の水位であり、最高水位線103は人孔55の内部の水位を示し、最高水位線103が地表面51のレベルを超えた箇所が浸水発生箇所105となる。
【0048】
図23は、前述した水害解析システムを用いた水害マネジメントシステムの構成を示すものである。
この水害マネジメントシステムは、閲覧用データベース6、共有データベース5a、解析用データベース5bを有し、ハザードマップ作成や水害評価等を行うものである。
閲覧用データベース6は、自治体発表のハザードマップ20等を保持する。共有データベース5a、解析用データベース5bは、図1に示す水害解析システム1のデータベース5に相当する。
【0049】
共有データベース5aは、下水道データ15、河川データ16、建物データ19、気象データ21等を保持する。解析用データベース5bは、地形データ17等を保持する。
図示しないコンピュータが閲覧用データベース6、共有データベース5a、解析用データベース5bの内容を用いて、ステップ901からステップ905の処理を行う。
ステップ901はプレ処理であり、ステップ902はコア処理であり、ステップ903はポスト処理である。
【0050】
プレ処理901は、図7のステップ601からステップ605の処理に該当する。
コア処理902は、図7のステップ606、607に該当する。
ポスト処理903は、図7のステップ608に該当する。
【0051】
ステップ901からステップ903の処理で得られた結果と、共有データベース5a、閲覧用データベース6内のデータを用いてそれらのデータを閲覧したり総合評価を行い(ステップ904)、更にデューデリや水防診断等の応用評価を行う(ステップ905)。
このようなシステムによれば、新たなハザードマップを作成でき、洪水発生時の対象地域の被害を予想したり、避難路等を表示したり、洪水被害額の予測等を行うことができる。また、過去の浸水被害データや地区別の人工分布等をデータベースに登録することもできる。
【0052】
このように、本実施の形態では、河川、下水道、地表面流を一体として解析し、都市型水害による流況を再現することができる。このとき、地表から人孔に流入する雨水と逆に人孔から地表に溢れる雨水を考慮して解析を行うので、精度の高い水害解析や水害予測を行うことができる。また、河川や地下貯留施設等を考慮した水害解析を行うことができ、対象地域における下水道、ポンプ、ポンプ場、堰、水門等の治水関連施設の有機的な管理等に活用することができる。また下水道やポンプ等の計画や施設・運営に対して水工学的情報を視覚的に表示できる。
【0053】
このような水害解析システムを用いることにより、建築物等を対象とした災害保険を算出したり、対象地域の水害危険度を予測したり、耐水性の高い街づくり等を行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、人孔から地表面に溢れる流出を考慮して水害解析を行える水害解析システムを提供すること。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水害解析システム1の概略構成図
【図2】 下水道データ15のフォーマット図
【図3】 人孔55と管渠57を示す図
【図4】 河川データ16のフォーマット図
【図5】 地形データ17のフォーマット図
【図6】 建物データ19のフォーマット図
【図7】 水害解析システム1の処理を示すフローチャート
【図8】 地表面と下水管の水のやり取りを示す図
【図9】 ステップ606及びステップ607の処理の概要を示すフローチャート
【図10】 街区地形データを示す図
【図11】 解析対象範囲を示す図
【図12】 メッシュ単位の地盤高を示す図
【図13】 メッシュ単位の建物占有率を示す図
【図14】 人孔と管渠の平面図及び立体図
【図15】 管路網を示す図
【図16】 管路網を立体的に示す図
【図17】 管路網を示す図
【図18】 浸水深の分布を示す図
【図19】 浸水深の時系列的変化を示す図
【図20】 地表面流の流量・方向を示す図
【図21】 管渠内の流量を示す図
【図22】 管渠内の水位及び人孔内の水位を示す図
【図23】 水害マネジメントシステムの構成を示す図
【符号の説明】
1………水害解析システム
3………コンピュータ
5………データベース
7………ディスプレイ
9………プリンタ
11………キーボード
15………下水道データ
17………地形データ
19………建物データ
21………気象データ

Claims (6)

  1. 少なくとも人孔データ及び管渠データを有する下水道データと、河川データと、地形データとを保持するデータベースと、コンピュータからなる水害解析システムであって、
    前記コンピュータは、前記データベースに保持された前記下水道データと、前記河川データと、前記地形データとを用いて、降雨データが与えられると、少なくとも地表面と下水管の水のやり取りに関する水理解析を行い、人孔から地表面に水が溢れ出すか否かを算出することを特徴とする水害解析システム。
  2. 前記地表面と下水管の水のやり取りに関する水理解析は、人孔内水位Hが人孔地盤高H 以下のときは、マンホールの面積および下水道からの流入出流量と地表面流出域からの落ち込み流量を用い、人孔内水位Hが人孔地盤高H より大きいときは、氾濫格子の面積および下水道からの流入出流量と氾濫メッシュへの流入出流量を用いることを特徴とする請求項1記載の水害解析システム。
  3. 前記地表面と下水管の水のやり取りに関する水理解析は、前記マンホールの面積、または前記氾濫格子の面積のいずれかを面積A、下水道からの流入出流量と地表面流出域からの落ち込み流量、または下水道からの流入出流量と氾濫メッシュへの流入出流量のいずれかを流入出流量ΣQ、ポンプ排水流量Q OUT としたとき、右辺が流入出流量ΣQとポンプ排水流量Q OUT との差、左辺が面積Aと人孔内水位Hの時間変化との積となる式を用いて経時的に人孔内水位Hを算出することを特徴とする請求項2記載の水害解析システム。
  4. 前記コンピュータは、水理解析によって管渠流量、管渠内水位、河川流量、河川水位、地表面流出量、地表面流出の流出方向及び水深、人孔内水位、浸水箇所を経時的に算出し、ディスプレイに表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水害解析システム。
  5. 前記地表面流出量、前記管渠流量、前記河川流量を用いて、ハザードマップを作成する手段を更に具備することを特徴とする請求項4記載の水害解析システム。
  6. コンピュータを請求項1または請求項2に記載の水害解析システムとして機能させるプログラム。
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