JP4083305B2 - リレー選択回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多数の信号から一つの信号を選択する際に用いられるリレー選択回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多数の測定ポイントから一つの測定ポイントを選択する場合など、多数の信号から一つの信号を選択する際には、例えば、図3に示すような選択回路1が用いられている。
【0003】
この選択回路1は、リレーRをツリー状に配置し、各段のリレーRを順次作動させることにより、測定器2が測定ポイントP1→測定ポイントP2→測定ポイントP3→・・・と測定ポイントP1〜P8の測定を行えるようにしたものである。
【0004】
ところで、このようなツリー構造の選択回路1では、一つのポイントP1〜P8の測定に要する時間は、各段のリレーRが安定する時間と測定系が安定する時間とで決定されることになる。
【0005】
そのため、選択回路1を安定までに時間のかかるメカニカルリレーRで構成すると、測定に時間を有する問題がある。
【0006】
また、選択回路1に使用されるメカニカルリレーRは、動作時間の短い例えば、接点容量の小さな小型の通信リレーなどが用いられるため、オン時のラッシュカレントによる寿命の低下が問題となっている。
【0007】
これらの問題を解決する一つの方法として、リレーRにメカニカルリレーよりも高速でスイッチングのできる半導体リレー(例えば、FETアナログスイッチ)を用いることが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように半導体リレーを用いたものでは、例えば、図4のFETのスイッチング特性で示されるように、半導体リレーの立ち下がり時間tf が立ち上がり時間tr に比べて大幅に長く、立ち下がり時間tf が経過するまでの間に次のリレーを作動させると、その間にドレイン電流ID が流れ、導通状態となってしまう問題がある。
【0009】
特に、図3のツリー構造では、リレーを階層構造として多数用いているため、各段の半導体リレーを切り換える際に立ち下がり時間tf を考慮しなければならず、測定時間をあまり短縮できないという問題があった。
【0010】
そこで、この発明の課題は、リレー選択回路の選択時間を短縮できるようにすることである。また、その際、ラッシュカレントによる寿命の低下を伴わないようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1では、メカニカルリレーを所定数ごとに集めて複数のグループを形成し、その形成した各グループ内のメカニカルリレーの入出力端子の一方を入力とするとともに、他方の端子同士を接続し、その接続した他方の端子をグループごとに設けた半導体リレーの入力側端子と接続し、かつ、その半導体リレーの他方の出力側端子同士を接続して出力とし、上記一つのグループのメカニカルリレーを一つオンとし、その後、該グループの半導体リレーをオンとして、半導体リレーをオフとする前に、メカニカルリレーをオフとして一つのグループの入力の選択を行い、同様にメカニカルリレー及び半導体リレーのオン・オフをグループを変えて行って順次入力を選択し、その際、あとのグループのメカニカルリレーのオン状態が確定するオン期間を、少なくとも先のグループのメカニカルリレーのオン期間にオーバーラップさせるようにした構成を採用したものである。
【0012】
このような構成を採用することにより、メカニカルリレーと半導体リレーの特性を利用し、スイッチング時間を短縮し、かつ、メカニカルリレーの接点にラッシュカレントが流れないようにする。
【0013】
すなわち、メカニカルリレーは、一般に接点の導通が安定するまでの時間が長く、オフする時間は短い。一方、半導体リレーは短い時間で導通が安定するが、完全にオフするまでの時間が長い。そのため、まず、メカニカルリレーを半導体リレーより先にオンとし、そのオンとした際、グループごとのメカニカルリレーのオン期間を少なくともオン状態が確定する期間だけオーバーラップさせることにより、先のメカニカルリレーがオフとなったときに、次のメカニカルリレーはオン状態を確定することができる。このため、メカニカルリレーの安定するまでの時間を無視できる。
【0014】
そして、このようにメカニカルリレーを通常1μs〜50μsの立ち上がりカーブを有する半導体リレーより先にオンとすることで、メカニカルリレー接点にラッシュカレントが流れないようにすることができる。
【0015】
また、この状態で、該グループの半導体リレーをオンとすると、他のグループは半導体リレーがオフとなっているか、もしくはメカニカルリレーがオフとなっているので、該グループ以外は導通状態とならずに入力の選択ができる。
【0016】
そして、こののち、半導体リレーよりも先に、前記メカニカルリレーをオフとすることにより、半導体リレーを無効にすることができるので、次のグループの半導体リレーをオンとすれば、直ちに入力を切り換えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1に示すように、この形態のリレー選択回路1’は、複数のメカニカルリレーM1〜M8と半導体リレーS1〜S4とからなっている。
【0019】
メカニカルリレーM1〜M8は、例えばリードリレーなどの単極単投のもので、入出力端子の一方を入力としてメカニカルリレーM1〜M8を所定数、この形態では2個ごとに集めて複数のグループI〜IVを形成してある。
【0020】
また、この形成した各グループI〜IV内のメカニカルリレーM1〜M8の入出力端子の他方の端子同士を接続し、その接続した端子をグループI〜IVごとに設けた半導体リレーS1〜S4と接続してある。
【0021】
前記半導体リレーS1〜S4は、この形態の場合、CMOS−FETなどのアナログスイッチで、ソース端子を一方の入力側端子として前記メカニカルリレーM1〜M8の接続点と接続してある。また、各半導体リレーS1〜S4のドレイン端子同士を接続し、出力端子として測定器2に接続してある。
【0022】
このようにツリー状に形成した各グループI〜IVのメカニカルリレーM1〜M8の駆動コイルと半導体リレーS1〜S4のゲート端子は、コントロール回路3に接続してあり、オン・オフがコントロールされるようになっている。
【0023】
この形態は、以上のように構成されており、次に、このリレー選択回路1’の切り換え制御の方法について説明する。
【0024】
すなわち、グループI〜IVごとのメカニカルリレーM1〜M8を一つオンとして、半導体リレーS1〜S4をオンにする。次に、メカニカルリレーM1〜M8をオフとしたのち、半導体リレーS1〜S4をオフとし、グループI〜IVごとにメカニカルリレーM1〜M8を一つ作動させると、グループI〜IVを切り換えて順次測定ポイントP1〜P8を選択するようにする。
【0025】
例えば、図1のグループIのメカニカルリレーM1をオンとし、メカニカルリレーM2をオフとする。そして、該グループIに接続された半導体リレーS1をオンとする。
【0026】
このようにメカニカルリレーM1〜M8がオンとなるときには、そのメカニカルリレーM1〜M8に接続された半導体リレーS1〜S4が必ずオフとなっているようにコントロールする。そして、このようにコントロールすることで、メカニカルリレーM1〜M8がオン時点の接点間には、常に電位差が生じないようにして、前記電位差によるラッシュカレントを防止し、寿命の低下を防止する。
【0027】
また、こうして立ち上がり時間の長いメカニカルリレーM1を、図2に示すように、半導体リレーS1より先に立ち上げてオン状態を確定させたのち、半導体リレーS1をオンとすることで、測定ポイントP1を選択する。
【0028】
このとき、他の半導体リレーS2〜S4はオフとなっており、測定ポイントP1の信号のみが測定器2に入力される。
【0029】
所定のオン(計測)時間の経過後は、メカニカルリレーM1をオフとしたのち、半導体リレーS1をオフとする。このようにオフ時間の短いメカニカルリレーM1を先にオフとすることで、オフ時間の長い半導体リレーS1がオフとなる前に半導体リレーS1を測定ポイントP1から切離し、選択回路をオフとする。
【0030】
このようにグループIの選択が済むと、次に、グループIIのメカニカルリレーM3をオンにしたのち半導体リレーS2をオンにし、メカニカルリレーM3をオフにして半導体リレーS2をオフにする。その際、あとのグループIIのメカニカルリレーM3のオン状態が確定するオン期間を先のメカニカルリレーM1のオン期間にオーバーラップさせる。
【0031】
以下、同様にしてグループIII 、IVも切り換える。
【0032】
グループI〜IVの切り換えが一巡すると、メカニカルリレーM1をM2に、M3をM4に、M5をM6・・・として繰り返す。
【0033】
こうしてオーバーラップさせることにより、図2に示すように、例えば、グループIのメカニカルリレーM1がオフとなったときに、あとのグループIIのメカニカルリレーM3はオン状態を確立できるので、半導体リレーS2をオンにすれば、直ちに測定ポイントP3を選択できる。
【0034】
このように、導通が安定するまでの時間が長く、オフ時間の短いメカニカルリレーM1〜M8と、導通が安定するまでの時間は短いが、オフ時間の長い半導体リレーS1〜S4とを組み合わせ、本来であれば、重ねることのできないメカニカルリレーをオーバラップさせることで、図2のように選択回路1’のスイッチング時間を短縮し、さらに、図2の斜線で示す各半導体リレー(スイッチ)S1〜S4の導通をカットして、あたかも半導体リレーS1〜S4のオフ時間を短縮したような結果が得られる。このため、リレー選択回路全体のスイッチング時間を短縮することができる。
【0035】
また、その際、メカニカルリレーM1〜M8がオンとなるときは、そのメカニカルリレーM1〜M8に接続された半導体リレーS1〜S4が必ずオフとなるようにコントロールすることで、メカニカルリレーM1〜M8の接点にラッシュカレントを流さず、寿命の低下を起こさないようにする。
【0036】
なお、この実施形態では、選択回路として各グループのメカニカルリレーを2個としてバイナリーツリー状のものを説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各グループのメカニカルリレーは2個に限定されるものではなく、これ以上でも以下でもよい。また、各グループ内のメカニカルリレーは同数であってもよいし、異なっていてもよいことは当然である。
【0037】
【発明の効果】
この発明は、上記のように構成したことにより、リレー選択回路のトータルでのスイッチング時間を短縮できる。
【0038】
その際、メカニカルリレーをオンする時は、必ずそのメカニカルリレーに接続されている半導体リレーをオフにして、メカニカルリレーの入出力端子間に常に電位差が生じないようにしているため、前記電位差によるラッシュカレンを防止してメカニカルリレーの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のブロック図
【図2】実施形態のタイムチャート
【図3】従来例のブロック図
【図4】従来例の作用説明図
【符号の説明】
1 リレー選択回路
1’ リレー選択回路
2 測定器
3 コントロール回路
R リレー回路
M1〜M8 メカニカルリレー
S1〜S4 半導体リレー
I〜IV グループ

Claims (1)

  1. メカニカルリレーを所定数ごとに集めて複数のグループを形成し、その形成した各グループ内のメカニカルリレーの入出力端子の一方を入力とするとともに、他方の端子同士を接続し、その接続した他方の端子をグループごとに設けた半導体リレーの入力側端子と接続し、かつ、その半導体リレーの他方の出力側端子同士を接続して出力とし、
    上記一つのグループのメカニカルリレーを一つオンとし、その後、該グループの半導体リレーをオンとして、半導体リレーをオフとする前に、メカニカルリレーをオフとして一つのグループの入力の選択を行い、同様にメカニカルリレー及び半導体リレーのオン・オフをグループを変えて行って順次入力を選択し、その際、あとのグループのメカニカルリレーのオン状態が確定するオン期間を、少なくとも先のグループのメカニカルリレーのオン期間にオーバーラップさせるようにしたリレー選択回路。
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