JP4083221B2 - アミノテトラリン誘導体及び組成物並びにその使用方法 - Google Patents

アミノテトラリン誘導体及び組成物並びにその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、アミノテトラリン誘導体、これを含む医薬組成物、及び運動障害の治療又は予防におけるその使用方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、式Iの化合物:
Figure 0004083221
(式中、
1はメチル又はエチルであり;R2は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又はチオ低級アルキルであり;R3は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又は低級アルキルであり;そしてキラル中心*は(S)(−)形である;ただし、R2及びR3がどちらも水素であるときは、R1はメチルでなければならない)
又はその薬剤的に受容しうる酸付加塩に関する。
式Iの化合物は不本意な運動を抑制し、従って運動障害、特に晩発性運動障害(tardive dyskinesia)の治療又は予防に使用できることが見いだされた。
上記の式Iの好ましい化合物は、R1がメチル又はエチルであり;R2が水素、臭素、メトキシ、エトキシ又はチオメチルであり;R3が水素又はハロゲンである化合物である。
上記の式Iの特に好ましい化合物は、R1がメチル又はエチルであり;R2が水素、臭素、メトキシ、エトキシ又はチオメチルであり;R3が水素である化合物である。
本発明の好ましい化合物種は、(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩及び(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリンである。
本発明の別の好ましい化合物種は、(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリン塩酸塩である。
本発明はさらに、式Iの化合物を薬剤的に受容しうる担体、アジュバント、希釈剤又はビヒクルとともに含む医薬組成物に関する。
本発明はさらに、そのような治療を必要とする患者に有効量の式Iの化合物:
Figure 0004083221
(式中、
1はメチル又はエチルであり;R2は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又はチオ低級アルキルであり;R3は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又は低級アルキルであり;そしてキラル中心*は(S)(−)形又は(R,S)形である;ただし、(a)R2及びR3がどちらも水素であるときは、R1はメチルでなければならず、(b)キラル中心*が(R,S)形であるときは、(S)(−)形の割合が50%以上でなければならない)
又はその薬剤的に受容しうる酸付加塩、を投与することを含む運動障害の治療又は予防方法に関する。
上記の方法に使用するのに好ましい式Iの化合物は、R1、R2及びR3がすぐ上で定義したものであり;そしてキラル中心*が(S)(−)形である化合物である。
上記の方法に使用するのに特に好ましい式Iの化合物は、R1がメチル又はエチルであり;R2が水素、臭素、メトキシ、エトキシ又はチオメチルであり;R3が水素又はハロゲンである化合物である。
上記の方法に使用するのにさらに特に好ましい式Iの化合物は、R1がメチル又はエチルであり;R2が水素、臭素、メトキシ、エトキシ又はチオメチルであり;R3が水素である化合物である。
上記の方法に使用するのに好ましい式Iの化合物種は、以下の化合物群から選択される:
N-メチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩;
(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩;
N-エチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩;
(−)-N-エチル-(2S)-2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩;
N-メチル-2-アミノ-5-ブロモ-8-メトキシテトラリン塩酸塩;
N-メチル-2-アミノ-8-メトキシ-5-チオメチルテトラリン塩酸塩;
N-メチル-2-アミノ-5-エトキシ-8-メトキシテトラリン塩酸塩;
N-メチル-2-アミノ-6-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩;
(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリン;及び
N-メチル-2-アミノ-8-メトキシテトラリン塩酸塩。
上記の方法に使用するのに特に好ましい式Iの化合物種は、(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩及び(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリンである。
上記の方法に使用するのに特に好ましい別の式Iの化合物種は、(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリン塩酸塩である。
本発明はさらに、運動障害の治療又は予防用医薬の製造のための式Iの化合物の使用に関する。
本発明はさらに、式Iの化合物:
Figure 0004083221
(式中、
1はメチル又はエチルであり;R2は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又はチオ低級アルキルであり;R3は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又は低級アルキルであり;そしてキラル中心*は(S)(−)形である;ただし、R2及びR3がどちらも水素であるときは、R1はメチルでなければならない)
又はその薬剤的に受容しうる酸付加塩、の製造法に関し、該製造法は式VIIIの化合物:
Figure 0004083221
(式中、R”は低級アルキルである)
の単一鏡像異性体を還元剤と反応させることを含む。
ここで使用する低級アルキルの語は、1−約4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝状炭化水素鎖を意味し、従ってメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、ter-ブチルなどを含む。
ここで使用する低級アルコキシの語は、1−約4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝状アルキルオキシ置換基を意味し、従ってメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、ter-ブトキシなどを含む。
ここで使用するハロゲン、ハロ又はハライドの語は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素を意味する。
ここで使用するチオ低級アルキルの語は、1−約4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝状チオアルキル置換基を意味し、従ってチオメチル(−SCH3)、チオエチル(−SCH2CH3)、チオプロピル(−SCH2CH2CH3)、チオイソプロピル(−CH(CH32)、チオブチル(−S(CH23CH3)、チオsec-ブチル(−SCH(CH3)CH2CH3)、チオter-ブチル(−SC(CH33)などを含む。
本発明の化合物は、2-アミノテトラリン又は2-アミノ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンと呼ぶことができるが、本明細書を通じて2-アミノテトラリン誘導体と呼び、以下に示す環システムに従って番号付けを行う。
Figure 0004083221
キラル中心*が(R,S)形である式Iの化合物の合成を反応経路Aに示す:
Figure 0004083221
アルコール性溶媒、好ましくはメタノール中の、モル過剰量の式IIIのアミン塩(式中、Xはハロゲン、好ましくは塩素である)を適当に置換された式IIの2-テトラロンで、およそ室温で処理し、次いで適当な還元剤、例えばシアノボロヒドリドナトリウムで処理して式Iの化合物を得る。
あるいは、キラル中心*が(R,S)形である式Iの化合物は以下の反応経路Bで合成できる:
Figure 0004083221
モル過剰の水素化ホウ素ナトリウムとモル過剰の三フッ化ホウ素エーテレート(boron trifluoride etherate)から製造したモル過剰のボラン還元剤を、適当な有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で、約0℃から約室温の温度で、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中の式IVの2−ニトロナフタレン溶液で処理し、混合物を約室温から使用溶媒の沸点の範囲の温度で、好ましくは使用溶媒の沸点で攪拌して式Vの2−アミノテトラリンを得る。あるいは、式IVの化合物を水素化ホウ素ナトリウムで還元して2−ニトロテトラリンを得て、これを次に標準の還元剤で還元して式Vの2−アミノテトラリンを得ることもできる。式Vの化合物を次に、適当な有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はテトラヒドロフランと塩化メチレンの混合物中のモル過剰の式VIの酸(式中、R’はH又はCH3である)とカップリング剤(1,1-カルボニルジイミダゾールなど)の混合物中に約室温で加えて式VIIの化合物を得る。次いで、適当な有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン中の式VIIの化合物をモル過剰の還元剤、例えばボランで、約0℃から使用溶媒の沸点間の間の温度で処理して式Iの化合物を得る。
あるいは、式Iの化合物は以下の反応経路Cで合成できる:
Figure 0004083221
アルコール性溶媒、例えばメタノール中で、適当に置換された式VIIIの化合物(式中、R”は低級アルキル、好ましくはメチルである)と、モル過剰の塩化ニッケル水化物、好ましくは塩化ニッケル三水化物との混合物を、約0℃から約室温の範囲の温度で、モル過剰の還元剤、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムで処理して式Iの化合物を得ることができる。この方法は式Iの化合物すべてに使用できるが、R2がメトキシであり、R3が水素である式Iの化合物の製造に用いることが好ましい。
式Iの化合物はアミノテトラリン環の2位に不斉炭素をもち、従って(1)鏡像異性体((R)又は(S))形として、又は(2)ラセミ(R、S)形(ここでは“ラセミ(R、S)形”という)として、又は(3)あらゆる割合の(R)形と(S)形の混合物(ここでは“(R、S)形”という)として存在しうる。特記しない限りは、本発明は(1)(S)形、及び(2)(R)形と(S)形の混合物((R、S)形)の混合物、ただし混合物中の(S)形の割合が50%以上であるもの、のみをいう。異なる鏡像異性体形を別の異性体形から分離するには以下の方法を用いることができる:(a)キラル出発物質から別々の鏡像異性体が合成できる(例えば、式VIIIの化合物ををキラルクロマトグラフィーで別々の鏡像異性体に分離し、この別々の鏡像異性体を用いて反応経路Cに従って式Iの化合物を製造するか、又は式XIVの化合物(反応経路E参照)を鏡像異性体選択的アジリジン化反応に付した後に文献(J.Am.Chem.Soc.1993,115,5328-5329及びJ.Am.Chem.Soc.1993,115,5326-5327)記載の方法と類似の方法を用いる還元的開環反応により式Iの化合物を製造するか、あるいは式V又はVIIの化合物の別々の鏡像異性体を用いて反応経路Bに従って式Iの化合物を製造する)、あるいは(b)(R、S)形又はラセミ(R、S)形をキラルクロマトグラフィー、ジアステレオマー塩の分別結晶、酵素分離などの化学の分野で良く知られた慣用法を用いて分離できる。2−アミノテトラリンの(−)−鏡像異性体は絶対S配置(Demarinis and Hiebe,J.Med.Chem.1983,26,1215)をもつこと、及び2−アミノテトラリンの(+)−鏡像異性体は絶対Rは位置(Karlsoon et al.,Acta Chemica Scandinavica 1988,B42,231-236)をもつこともX線結晶学的研究から公知である。従って、(S)形で存在する本発明の化合物は(S)(−)形と呼ぶこともできる。
式Iの化合物は遊離塩基、及び酸付加塩の両方の形で使用でき、両方の形が本発明に含まれる。使用に際しては酸付加塩の方が便利であることが多く、実際にはこの塩の形の使用が塩基形の使用に実質的には等しい。酸付加塩の製造に使用できる酸は、遊離塩基と組み合わせたときに薬剤的に受容しうる塩、即ちそのアニオンが塩の医薬投与量において動物器官に無毒であり、遊離塩基に固有の有利な性質がアニオンに起因する副作用によって損なわれないような塩を生じるものが好ましい。本発明を実施するには、遊離塩基形又は塩酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又はマレイン酸の塩を用いるのが便利である。しかしながら、本発明の範囲に入るその他の適当や薬剤的に受容しうる塩がその他の鉱酸又は有機酸から誘導できる。塩基性化合物の酸付加塩は当業者に公知の標準法で製造でき、これには適当な酸を含むアルコール水溶液に遊離塩基を溶解し、溶液を蒸発させることにより塩を単離するか、あるいは有機溶媒中で遊離塩基と酸を反応させ、この場合には塩を直接分離するか、又は第2の有機溶媒で沈殿させるか、又は溶液を濃縮して得ることができる。塩基化合物の薬剤的に受容しうる塩が好ましいが、すべての酸付加塩が本発明の範囲に含まれる。特定の塩自体が中間体生成物としてのみ必要であっても(例えば、精製又は同定の目的で塩を形成するとか、イオン交換法により薬剤的に受容しうる塩を製造するための中間体として用いる場合など)、すべての酸付加塩が遊離塩基形の材料として有用である。
式Iの化合物の合成に必要な適当に置換された式IIの2−テトラロン誘導体は反応経路Dに示す方法で製造できる。
Figure 0004083221
適当なアルコール性溶媒、例えばエタノール中の、適当に置換された式IXの化合物(式中、R”は低級アルキル、好ましくはメチルである)をモル過剰のアルカリ金属、好ましくはナトリウムで、約室温から使用溶媒の沸点までの範囲の温度、好ましくは使用溶媒の沸点で処理し、次いで水と適当な酸、好ましくは塩酸とで、約室温からしよう溶媒の沸点までの範囲の温度、好ましくは使用溶媒の沸点で処理することにより式IIの化合物を得る。
適当に置換された式IVの2−ニトロナフタレンは反応経路Eに示すようにして製造できる。
Figure 0004083221
適当な有機溶媒、例えばアセトニトリル中の、適当に置換された式Xのベンジルアルコール誘導体をモル過剰のハロゲン化アルカリ金属、好ましくは臭化ナトリウムで処理し、次いでモル過剰の適当な酸触媒、好ましくはBF3・Et2Oで処理して式XIの化合物(式中、Xはハロゲンである)を得る。あるいは、式Xの化合物を適当な有機溶媒、例えばジエチルエーテル中で、適当な塩基、例えばピリジンの存在下に、式SOX2のハロゲン化チオニル(式中、Xはハロゲンである)、例えば塩化チオニルで、約室温で処理することにより式XIの化合物を製造できる。次に式XIの化合物を適当な有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、約−10℃から約室温の範囲の温度で、モル過剰の式XIIのハロゲン化マグネシウム(式中、X’はハロゲンである)と触媒量のLi2CuCl4で処理して式XIIIの化合物を得る。式XIIIの化合物を次に触媒量の酸触媒、好ましくはp−トルエンスルホン酸一水化物で、適当な有機溶媒、例えばトルエン又はエタノール中、約室温から使用溶媒の沸点までの範囲の温度、好ましくは使用溶媒の沸点で、処理することにより式XIVの化合物を得る。式XIVの化合物を次に、適当な有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、約室温でモル過剰のヨウ素と亜硝酸銀の混合物で処理した後、直ちにモル過剰の適当な塩基、好ましくはピリジンで処理することにより所望の式IVの化合物を得る。
あるいは上述の式XIVの化合物は以下の反応経路Fに示すように合成できる。
Figure 0004083221
適当なアルコール溶媒、例えばエタノール中の、適当に置換された式XVのテトラロン誘導体をモル等量の還元剤、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムで、約室温で処理することにより式XVIのアルコールを得る。適当な有機溶媒、例えばトルエン中の式XVIのアルコールを次に使用溶媒の約沸点の温度で、触媒量の酸触媒、好ましくはp−トルエンスルホン酸で処理して水を共沸除去することにより所望の式XIVの化合物を得る。
式Iの化合物の製造中間体として有用な式VIIIの化合物は文献(Trost et al.,J.Am.Chem.Soc.104,3226,1982)記載の方法と同様な方法に従い、反応経路Gに示すように製造できる。
Figure 0004083221
適当な有機溶媒、例えばアセトニトリル中の、モル過剰のトリメチル−オキソニウムテトラフルオロボレートを式(R”)22(XVIII)(式中R”は低級アルキル、好ましくはメチルである)のスルフィドで、約0℃から約室温の範囲の温度で処理した後、この混合物を式XIXのアミン(式中、R1はメチル又はエチルである)で、約室温で処理して式VIIIの化合物を得る。この方法は式VIIIのすべての化合物の製造に用いうるが、R2がメトキシであってR3が水素である式VIIIの化合物を製造するのに好ましい。
慣用でありかつ化学の当業者に公知の単純な化学転換を用いて、本発明の中間体化合物の官能基を変更できる。例えば、式XIVの化合物(式中、R2はハロゲンである)を低級アルキルアルカリ金属、例えばn−ブチルリチウムで処理し、次に低級アルキルジスルフィド、例えば(CH322で処理することにより対応する式XIVの化合物(式中、R2はチオ低級アルキルである)を得ることができる。
式III、VI、IX、X、XII、XV、XVII、XVIII及びXIXの化合物は市販されているか、あるいは当業界で公知の方法又は以下の実施例に記載する方法により製造できる。
以下の実施例において本発明を更に詳しく説明するが、これに限定するものではない。特記しない限り、
(i)温度はセ氏(℃)で示し;室温又は周囲温度、即ち18−25℃の範囲の温度で操作を行った;
(ii)溶媒の蒸留は減圧(600−4000パスカル;4.5−30mm Hg)下、ロータリーエバポレーターで行った;
(iii)フラッシュクロマトグラフィーは40μMシリカゲルで行い、フラッシュクロマトグラフィーパッキングはJ.T.Bakerから入手した;薄層クロマトグラフィー(TLC)はAnaltech 0.25mmシリカゲルGHLFプレート(Art 21521)(Analtech,Newark,DE,USAから入手可能)で行った;
(iv)反応の進行と生成物の同定、均一性は薄層クロマトグラフィー(TLC)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)又はガス液体クロマトグラフィー(GLC)の1以上の手段により評価した;
(v)融点は補正せず、(dec)は分解を示す;記載の融点は記載の方法により製造した物質について得られたものである;いくつかの製造において異なる融点をもつ物質の単離で多型性が生じうる;
(vi)本発明の化合物の構造は合成モード、及びミクロ分析(元素分析)データ、赤外、核磁気共鳴(NMR)又はマススペクトルの1以上を用いて行った;
(vii)収率及び反応時間は説明のためのみに記載する;
(viii)化学記号は通常の意味を持つ;以下の略号は下記の意味を持つ:v(容量)、w(重量)、mp(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル),mmol(ミリモル)、h又はhr(時間)、min(分)、g又はgm(グラム)、mg(ミリグラム)、bp(沸点)、mm(ミリメートル);そして
(ix)溶媒比は特記しない限り容量:容量(v/v)で表す。
実施例1.N-メチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩*
テフロンブレードの機械攪拌器とドリーリット(Drierite)管につないだコンデンサーとを備えた250mlの三頸フラスコに、塩化ニッケル三水化物7.1g(39mmol)とメタノール50mlを入れた。この緑の溶液にメタノール30ml中のトランスN-メチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシ-3-チオメチルテトラリン1.30g(4.86mmol)溶液を加えた後、氷塩浴中で冷却した。水素化ホウ素ナトリウム6.45g(170mmol)を45分かけて少しずつ加えた。氷塩浴をはずし、黒色不均一溶液を一晩(22時間)攪拌した。アリコートを酢酸エチルで希釈してTLC分析(シリカゲル;NH4OH:メタノール:CH2Cl2、1:10:89)したところ、Rf0.42に主成分が存在し、出発アミン(Rf0.72)は存在しないことを示した。生成物を1リットルの一頸フラスコにメタノールとともに移し、ロータリーエバポレーターを用いて固体残渣になるまで減圧で溶媒を除去した。残渣を水100ml、テフロンブレード付きのトルボア(trubor)攪拌器で粉砕し、酢酸エチル200mlを加えた。2時間攪拌後、不均一溶液をCELITE(登録商標)で濾過し、ケーキを酢酸エチルでよく洗浄した。酢酸エチル抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。濾過後、減圧下にロータリーエバポレーターで溶媒を除去すると、残渣が得られ、これをCH2Cl2とともに小さいフラスコに移した。上述のように溶媒を除去し、残渣をクーゲルロール(kugelrohr)中、15mmHgで70℃に加熱して0.93gを得た。この物質を0.01mmHgでクーゲルロール蒸留して無色オイル0.81g(75%)、沸点:105-115℃(空気浴)を得た。
このオイルをエーテルに溶解し、エーテル性HClで処理して白色沈殿を得て、これを濾過で回収して風乾した(0.88g)。この塩を熱イソプロパノール40mlに溶解し、10mlに濃縮し、室温に放置した。得られる固体を濾過で回収し、エーテルで洗浄、0.01nn Hgで還流メタノール中、乾燥ピストルで乾燥して、0.71g(55%)、融点:221-222℃を得た。
*D.B.Rusterholz et al,,J.Med.Chem.(1976),1999に記載されている。]
a.出発物質であるトランスN-メチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシ-3-チオメチルテトラリンは以下のようにして調製した:窒素導入口、一つの頸部に隔壁及び磁気攪拌棒を備え得たコンデンサー付きの100mlの乾燥丸底三頸フラスコに、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート2.0g(13.5mmol)を入れた。アセトニトリル(モレキュラーシーブで乾燥)11mlを加えて攪拌溶液を氷浴で冷却した。ジメチルジスルフィド1.3ml(12.6mmol)をシリンジで加えた。溶液を冷却しながら20分、室温で40分攪拌し、再度氷浴で冷却した。5,8-ジメトキシ-1,4-ジヒドロ-ナフタレン*、2.40g(13.52mmol)を固体で加え、アセトニトリル6mlで希釈した。15分後、溶液を室温で1時間攪拌し、再度氷浴で冷却した。次にメチルアミン8ml(40%水溶液)をピペットで加え、溶液を一晩(20時間)室温で攪拌した。フラスコの内容物を酢酸エチルと共に分別ロートに入れた。酢酸エチル抽出物を水とブラインで数回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を減圧でロータリーエバポレーターで除去すると固体3.38gを得た。メタノール:塩化メチレン(5:95)を用いるシリカゲルプレートのTLC分析(UV及びヨウ素検出)では、Rf0.50の生成物とより低いRfの不純物と溶媒先端近くに不純物があることを示した。この物質をシリカゲル50gを用いるカラム“フラッシュ”クロマトグラフィー(Baker 40μmシリカゲル)(メタノール:塩化メチレン(3:97)で溶出)で精製した。純粋な物質を含む画分を集めて溶媒をロータリーエバポレーターで除去すると1.59g、融点:82-84℃が得られた。
*J.Alexander and L.A.Mitscher,Tetrahedron Letters(1978)3403に記載の方法で調製した。]
トランスN-メチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシ-3-チオメチルテトラリン:代替単離方法
実施例1aで記載した5,8-ジメトキシ-1,4-ジヒドロナフタレン2.40gのアザスルフェニル化から得られる粗製物質をエタノール40mlに溶解し、過剰のエタノール性HClで処理した。溶媒を減圧下、ロータリーエバポレーターで除去すると固体残渣が得られ、これをエーテル200mlで粉砕し、濾過で回収した。この塩酸塩を水に加え、酢酸エチルと2N NaOHで処理した。酢酸エチル抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)した。濾過し、減圧下ロータリーエバポレーターで溶媒を除去すると固体2.35g(71%)が得られた。
実施例2:(−)-N-メチル-(2S)2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩
実施例1に記載の方法を用いて、メタノール35m1中の(−)-N-メチル-(2S)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3R)3-チオメチルテトラリン0.67g(2.53mmol)をメタノル35ml中のNiCl2・3H2O3.70g(20mmol)に加え、NaBH44.00g(105mmol)で還元した。酢酸エチル抽出で得られた物質を小さいフラスコ中にエーテルとともに移して濃縮した。0.005mmHgでクーゲルロール蒸留して0.337g、沸点:95-105℃(空気浴)を得た。このオイルをエーテルに溶解し、エーテル性HClで処理すると白色沈殿が得られ、これを濾取し、風乾すると0.40gが得られた。この塩を熱イソプロパノール25mlに溶解し、9mlに濃縮した。得られる固体を濾取し、還流メタノール上、乾燥ピストルで乾燥すると0.348g、融点:228-228.5℃が得られた;
[α]D 22 −72℃(c=1、メタノール)。
a.(−)-N-メチル-(2R)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3R)3-チオメチルテトラリン
出発物質の(−)-N-メチル-(2R)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3R)3-チオメチルテトラリンは、実施例1aのラセミ物質をヘキサン/エタノール混合物を用いるプレパラティブChiralcel OD HPLC分離に付して溶出した第2物質として得た。鏡像異性体純度は99:1(v/v)ヘキサン:エタノールを用いる分析スケールで、1ml/分の流速、235nmで測定して決定した。この異性体を含む溶液をロータリーエバポレーターで濃縮すると白色固体0.63gが得られた。融点:86.5-88℃;[α]D 22 −138℃(c=1.04、メタノール)。エーテル中の0.58gの溶液をエーテル性HClで処理すると白色沈殿が得られ、これを濾取し、還流メタノール上0.005mmHgで乾燥ピストル中で一晩乾燥すると0.62gが得られた。融点:256-257℃;[α]D 22 −93℃(c=0.875、メタノール)。
実施例3:(+)-N-メチル-(2R)2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩
実施例1に記載の方法を用いて、メタノール35ml中の(+)-N-メチル-(2S)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3S)3-チオメチルテトラリン0.79g(3.0mmol)をメタノル35ml中のNiCl2・3H2O4.33g(24mmol)に加え、NaBH44.00g(105mmol)で還元した。酢酸エチル抽出で得られた物質を小さいフラスコ中にエーテルとともに移して濃縮して0.35gを得た。0.005mmHgでクーゲルロール蒸留して0.33g、沸点:90-110℃(空気浴)を得た。このオイルをエーテルに溶解し、エーテル性HClで処理すると白色沈殿が得られ、これを濾取し、風乾すると0.34gが得られた。イソプロパノールから再結晶し、還流メタノール上乾燥ピストルで乾燥すると0.237g、融点:226.5-227℃が得られた。アリコートを原点に取ってTLCを行ったところ(シリカゲル、1:10:89 NH4OH:メタノール:CH2Cl2)均一であった;[α]D 22 +75.2℃(c=0.585、メタノール)。
a.(+)-N-メチル-(2S)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3S)3-チオメチルテトラリン
出発物質の(+)-N-メチル-(2S)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3S)3-チオメチルテトラリンは、実施例1aのラセミ物質をヘキサン/エタノール混合物を用いるプレパラティブChiralcel OD HPLC分離に付して溶出した最初の物質として得た。鏡像異性体純度は99:1(v/v)ヘキサン:エタノールを用いる分析スケールで、1ml/分の流速、235nmで測定して決定した。この異性体を含む溶液をロータリーエバポレーターで濃縮すると白色固体0.70gが得られた。融点:86.5-88℃;[α]D 22 +136℃(c=0.875、メタノール)。エーテル中の0.66gの溶液をエーテル性HClで処理すると綿状沈殿が得られ、これを濾取した。この物質を還流メタノール上0.010mmHgで乾燥ピストル中で一晩乾燥すると0.71gが得られた。融点:257-257.5℃;[α]D 22 +94℃(c=1.00、メタノール)。
実施例4:N-エチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩
実施例1に記載の方法を用いて、メタノール35ml中のトランスN-エチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシ-3-チオメチルテトラリン0.81g(2.88mmol)をメタノール50ml中のNiCl2・3H2O4.23g(23mmol)に加え、NaBH43.8g(100mmol)で還元した。酢酸エチル抽出で得られた物質を小さいフラスコ中にエーテルとともに移して濃縮して0.59gを得た。0.005mmHgでクーゲルロール蒸留して無色液体0.53g(79%)、沸点:95-105℃(空気浴)を得た;シリカゲルのTLC(1:10:89NH4OH:CH3OH:CH2Cl2)でRf0.48。このオイルをエーテルに溶解し、エーテル性HClで処理すると白色沈殿が得られ、これを濾取し、還流メタノール上乾燥ピストルで乾燥すると0.53g、融点:207-208℃が得られた。
a.出発物質のトランスN-エチル-2-アミノ-5,8-ジメトキシ-3-チオメチルテトラリンは以下の方法で製造した。実施例1aと同様に、5,8-ジメトキシ-1,4-ジヒドロナフタレン2.41g(12.6mmol)をトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート2.00g(13.5mmol)、ジメチルジスルフィド1.13ml(12.6mmol)及び70%水性エチルアミンでアザスルフェニル化した。酢酸エチル抽出で得られた粗生成物をエタノール40mlとエタノール性HCl20mlに溶解し、減圧下ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。残渣をエーテルと水に分配した。水相をNH4OHで処理するとオイルが分離でき、これをひっかいて結晶化を誘導した。この固体を濾取し、乾燥することにより2.32gを得た。融点91-92℃;シリカゲルのTLC(10:90 MeOH:CH2Cl2)でRf0.60。
実施例5:(−)N-エチル-(2S)2-アミノ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩
実施例1に記載の方法を用いて、メタノール50ml中のトランス(−)N-エチル-(2R)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3R)3-チオメチルテトラリン0.92g(3.3mmol)をメタノール45ml中のNiCl2・3H2O4.84g(26.4mmol)に加え、NaBH44.4g(125mmol)で還元した。酢酸エチル抽出で得られた物質を小さいフラスコ中にエーテルとともに移して濃縮して0.59gを得た。0.005mmHgでクーゲルロール蒸留して無色液体0.52g(77%)、沸点:95-105℃(空気浴)を得た;シリカゲルのTLC(1:10:89 NH4OH:CH3OH:CH2Cl2)でRf0.46。このオイルをエーテルに溶解し、エーテル性HClで処理すると白色沈殿が得られ、これを濾取し、還流メタノール上乾燥ピストルで乾燥すると0.52g、融点:227-229℃が得られた;[α]D 22 −68℃(c=0.56、メタノール)。
a.(−)N-エチル-(2R)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3R)3-チオメチルテトラリン出発物質の(−)N-エチル-(2R)2-アミノ-5,8-ジメトキシ-(3R)3-チオメチルテトラリンは、実施例4aのラセミ物質をヘキサン/エタノール混合物を用いるプレパラティブChiralcel OD HPLC分離に付して溶出した第2の物質として得た。鏡像異性体純度は99:1(v/v)ヘキサン:エタノールを用いる分析スケールで、1ml/分の流速、220nmで測定して決定した。この第2溶出異性体を含む溶液をロータリーエバポレーターで濃縮すると白色固体1.01gが得られ、これを再度プレパラティブChiralcel OD HPLC分離に付して均一になるまで精製し、0.77gを得た。
実施例6:N-メチル-2-アミノ-5-ブロモ-8-メトキシテトラリン塩酸塩
THF(20ml)中のN-ホルミル-2-アミノ-5-ブロモ-8-メトキシテトラリン(0.59g,2.1mmol)を、0℃、窒素中でTHF中のボラン(1.0M溶液を6.5ml)で処理し、一晩還流した。25時間後に、溶液を室温まで冷却し、水を注意深く加えて過剰のボランを分解した。30分後に、6N HCl5mlを数回にわけて加えて、混合物を1時間還流した。室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣を1N NaOH100ml中の濃NH4OH10ml溶液で処理し、エーテルで抽出した。エーテル相を1N NaOH、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過し、留去することにより粗製アミンを得た(0.573g)。この粗製物質をクーゲルロール蒸留(110℃、0.04mmHg)で精製して無色シロップ(0.468g,84%)を得た;TLC(シリカゲル、1:9 MeOH:CH2Cl2)でRf0.25。この物質をエーテル性HClで処理して固体を得て、これを濾取し、減圧下で乾燥して0.373g(70%)を得た;融点:227-229℃(218-227℃で褐色化)。
出発物質は以下のようにして得た:
a.2-ブロモ-5-メトキシベンジルアルコール
乾燥THF(40ml)中の2-ブロモ-5-メトキシ安息香酸(10.00g,43.3mmol)溶液を室温、窒素下でTHF(1.0M溶液を65ml,65mmol)中のボランで処理した。4時間攪拌後、TLCで出発物質は検出されなかった。水を30分かけて注意深く加えて過剰のボランを分解し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をエーテルと5%Na2CO3とに分配した。エーテル相を5%Na2CO3、水、及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。濾取して溶媒を除去すると無色オイルが残り、これは固化した(9.11g,97%);TLC(シリカゲル、CH2Cl2,Rf0.25)。この物質を更に精製することなく次の工程に用いた。
b.2-ブロモ-5-メトキシベンジルブロミド*
乾燥アセトニトリル(65ml)中の2-ブロモ-5-メトキシベンジルアルコール(9.11g,42.0mmol)溶液に室温、窒素下で臭化ナトリウム(9.06g,84.0mmol)を加えた。得られる懸濁液にCH3CN10ml中のBF3-エーテレート(10.3ml,11.9g,84.0mmol)を滴下して処理し、次いで加熱還流した。23時間後に、内容物を冷却し、濾過、留去した。残渣をエーテルと飽和NaHCO3に分配した。エーテル相を5%NaHCO3,5%NaHSO3及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。濾過し、溶媒を除去すると粗製臭化物(11.51g)を薄黄色固体(注意:催涙性)として得た。粗製臭化物をクーゲルロール蒸留(75-90℃、0.03mmHg)すると白色固体10.60gが得られ、これをさらにカラムクロマトグラフィー(シリカゲル160g、溶出溶媒として100%CH2Cl2、フラッシュ条件)にかけて、白色結晶性固体7.93g(67%)を得た。融点:89.5-91℃。TLC(シリカゲル、CH2Cl2)、Rf0.75。
*(Mandal,A.K.;Mahajan,S.W.Tetrahedron Letters,1985,26,3863に記載の方法)
c.2-[3-(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)プロピル]-1,3-ジオキサン
乾燥THF(15ml)中の2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキサン(3.41ml,4.88g,25.0mmol)の溶液を、乾燥マグネシウム屑(turnings)(0.67g,27.5mmol)及び約10mgのヨウ素中に室温、窒素下で加えた。熱が放出し、ヨウ素の色が消えた後、内容物を加熱還流し、ホウ化物溶液の残りを10分かけて滴下して加えた。2時間還流後、アルキルマグネシウムブロミド溶液を室温まで冷却し、乾燥THF(20ml)中の2-ブロモ-5-メトキシベンジルブロミド(3.50g,12.5mmol)の溶液にシリンジで移した。内容物を氷−塩で−10℃に冷却し、THF中のLi2CuCl4(0.1M溶液で0.45ml)で処理し、便宜上室温で一晩攪拌した。19時間後、溶媒を留去し、残渣をエーテルと5%NH4Clに分配した。エーテル相を5%NH4Cl、水及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過、留去して薄黄色オイル4.59gを得た。この粗生成物を“フラッシュ”条件下でカラムクロマトグラフィー(シリカゲル140g、50%エーテル/石油エーテルで溶出)にかけて無色オイルとしてジオキサン2.31g(58%)を得た;TLC(シリカゲル、50%エーテル/石油エーテル)Rf0.48。二量体の副生成物、1,2-ビス(2-ブロモ-5-メトキシフェニル)エタンを白色固体として得た(1.02g,41%);融点:98-101℃。TLC(シリカゲル、50%エーテル/石油エーテル)Rf0.63。
d.5-ブロモ-8-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン
乾燥トルエン(15ml)中のジオキサン6c(2.26g,7.17mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(約20mg)の溶液を加熱還流した。反応をTLC(シリカゲル、CH2Cl2)でモニターし、出発物質(Rf0.45)と生成物(Rf0.80)の相対量の変化がTLCで検出できなくなるまで、10-20mgのpTsOHを数時間毎に加えた。51時間還流後、内容物を室温まで冷却し、エーテルで希釈し、5%NaHCO3、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過、留去して粗製オレフィン1.87gを得た。この粗生成物をクーゲルロール蒸留に付して(80℃、0.02mmHg)無色オイル1.21g(70%)を得た;TLC(シリカゲル、CH2Cl2)Rf0.80。
e.5-ブロモ-3,4-ジヒドロ-8-メトキシ-2-ニトロナフタレン*
乾燥THF(20ml、Naから蒸留)中のヨウ素(1.96g,7.73mmol)及び亜硝酸銀(1.18g,7.73mmol)の懸濁液を室温、窒素下で20分激しく攪拌した。THF(15ml)中の5-ブロモ-8-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン(0.88g,3.68mmol)溶液を一度に加え、次いで素早く乾燥ピリジン(1.25ml,15.5mmol)を加えた。5分攪拌した後、内容物を濾過し、濾液にトリエチルアミン(2ml)を加えて、溶媒を減圧留去した。残渣を乾燥CH2Cl2で希釈し、トリエチルアミン(4ml)を加え、得られる溶液を室温に2時間置いた。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルに取り、水、1.5N HCl及び5%Na2CO3、水及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過、留去して暗褐色オイル1.72gを得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル80g)で精製し、生成物をオレンジバンドで観察し、フラッシュ条件下でCH2Cl2で溶出することにより、黄色固体としてニトロアルケン(0.74g,71%)を得た;TLC(シリカゲル、CH2Cl2)、Rf0.75。
*一般的方法はJew et al.,Chemistry Letters,1747(1986)に記載。
f.2-アミノ-5-ブロモ-8-メトキシテトラリン
乾燥THF(10ml,Naから蒸留)中の水素化ホウ素ナトリウム(0.66g,17.5mmol)の攪拌懸濁液に、0℃で三フッ化ホウ素エーテレート(2.5ml,20.0mmol)を追加の漏斗から滴下して加えた。得られるスラリーを0℃で30分攪拌し、室温に戻した。30分後、THF(15ml)中の上記のニトロアルケン溶液(0.86g,3.0mmol)を滴下して加え、内容物を一晩還流した。室温まで冷却した後、水を注意深く加えて過剰のボランを分解した。1時間後、6N HCl約7mlを数回に分けて加え、混合物を3時間還流した。室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣を1N NaOH(100ml)中の濃NH4OH(10ml)溶液で処理し、エーテルで抽出した。エーテル相を1N NaOH、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過、留去して粗製アミン(0.702g)を得た。粗生成物をクーゲルロール蒸留(120℃、0.05mmHg)で精製してワックス状固体(0.552g,71%)を得た;TLC(シリカゲル、1:9 MeOH:CH2Cl2)Rf0.20。このアミンの一部(0.250g,0.97mmol)をエーテル性HClで処理し、白色固体を濾過で回収し、減圧乾燥して塩酸塩を得た(0.197g,70%);融点:>280℃(200-280℃で褐色化)。
g.N-ホルミル-2-アミノ-5-ブロモ-8-メトキシテトラリン
乾燥THF(5ml,Naから蒸留)中の蟻酸(98%,0.09ml,2.4mmol)の溶液に、室温でカルボニルジイミダゾール(0.38g,2.4mmol)を一度に加えた。30分攪拌した後、THF(20ml)中の2-アミノ-5-ブロモ-8-メトキシテトラリン(0.55g,2.15mmol)を滴下して加え、得られる溶液を便宜上一晩攪拌した。18時間後に、溶媒を留去し、残渣を水とエーテルに分配した。有機相を水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過、留去して粗製アミド(0.591g,97%)を得た。TLC(シリカゲル、1:9 MeOH:CH2Cl2)Rf0.65。この物質をさらに精製することなく使用した。
実施例7:N-メチル-2-アミノ-5-エトキシ-8-メトキシテトラリン塩酸塩
実施例6と同様に、THF(20ml)中のN-ホルミル-2-アミノ-5-エトキシ-8-メトキシテトラリン(450mg,1.81mmol)を、THF中のボラン(1.0M溶液を10ml)で24時間加熱還流することにより還元した。酢酸エチルで抽出すると褐色オイル410mgが得られ、これをクーゲルロール蒸留して無色オイル(320mg,75%)を得た;沸点:100-110℃(空気浴温度:0.010mmHg)。このオイル310mgをエーテルに溶解し、エーテル性HClで処理すると白色沈殿が得られ、これを濾過で回収し、乾燥ピストル(還流メタノール、0.01mmHg)で乾燥することにより315mgを得た;融点:229-231℃。
出発物質は以下のようにして得た:
a.5-エトキシ-8-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン
エタノール(30ml)中の5-エトキシ-8-メトキシ-1-テトラロン*(1.34g,6.10mmol)の溶液をNaBH4(0.23g,6.10mmol)で処理した。2.5時間後にTLC分析ではケトンが存在しないことを示し、溶媒を減圧除去した。残渣を水とエーテルに分配し、乾燥(MgSO4)した。濾過、溶媒除去により黄色オイル1.21gを得た。これはTLC(シリカゲル、エーテル)でRf0.64の均一物質であった。トルエン(30ml)中にこのアルコールを溶解し、Dean-Starkトラップとコンデンサーを備えたフラスコ中に入れた。触媒量のp-トルエンスルホン酸を加え、1時間還流すると、完全に脱水された(TLC)。冷却溶液を飽和Na2CO3(10ml)溶液で処理、攪拌し、エーテルで希釈した。有機抽出物を水及びブラインで洗浄し乾燥(MgSO4)した。濾過、減圧で溶媒除去して残渣を得て、これをクーゲルロール蒸留(沸点90℃;空気浴温度:0.005mmHg)して白色固体1.08gを得た;融点59-60:℃。
*D.W.Johnson and L.H.Mander,Aust.J.Chem.,1978,31,1561
b.5-エトキシ-8-メトキシ-2-ニトロ-3,4-ジヒドロナフタレン
実施例6eと同様に、乾燥THF(20ml)中の5-エトキシ-8-メトキシ-3,4-ジヒドロニトロナフタレン(1.62g,7.94mmol)溶液を、THF(30ml)中の亜硝酸銀(2.45g,15.88mmol)とヨウ素(4.03g,15.88mmol)を用いて硝酸塩とし、ピリジン(2.5ml)とトリエチルアミン(順次4.0ml及び8.0ml)を加えると、暗色オイルが得られ、これは固化した(2.52g)。クロマトグラフィー(シリカゲル80g、塩化メチレンで溶出)により精製して黄色固体1.23g(62%)を得た;融点:90-92℃。
c.2-アミノ-5-エトキシ-8-メトキシテトラリン
実施例6fと同様に、THF(25ml)中の5-エトキシ-8-メトキシ-2-ニトロ-3,4-ジヒドロナフタレン(1.15g,4.62mmol)をTHF(25ml)中のNaBH4(0.90g,24mmol)と三フッ化ホウ素エーテレート(3.42ml,27.7mmol)で還元した。酢酸エチル抽出により1.20gを得た。クロマトグラフィー(シリカゲル30g、CH3OH:CH2Cl2を最初10:90で、その後25:75で溶出)で精製してオイル414mg(41%)を得た。TLCで均一。
d.N-ホルミル-2-アミノ-5-エトキシ-8-メトキシテトラリン
実施例6gと同様に、THF(20ml)中の2-アミノ-5-エトキシ-8-メトキシテトラリン(408mg,1.84mmol)を、THF(10ml)中のカルボニルジイミダゾール(360mg,2.21mmol)とTHF(3ml)中の蟻酸(102mg,2.21mmol)でホルミル化した。一晩攪拌後、TLC分析(シリカゲル、10:90 MeOH:CH2Cl2)でRf0.53に主成分を示し、Rf0.06の出発アミンは見られなかった。溶媒を除去して得られる残渣を酢酸エチルに溶解し、3N HCl,Na2CO3溶液、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。濾過、減圧下で溶媒除去してオフホワイト固体460mg(100%)を得た。
実施例8:N-メチル-2-アミノ-8-メトキシ-5-チオメチルテトラリン塩酸塩
実施例6と同様に、THF(20ml)中のN-ホルミル-2-アミノ-8-メトキシ-5-チオメチルテトラリン(495mg,1.97mmol)を、THF中のボラン(1.0M溶液を9ml)で24時間加熱還流することにより還元した。酢酸エチルで抽出すると黄色オイル460mgが得られ、これをクーゲルロール蒸留)して無色オイル(364mg)を得た;沸点:120℃(空気浴温度:0.010mmHg)。TLC(シリカゲル、1:5:94 NH4OH:CH3OH:CH2Cl2)で均一、Rf0.25。このオイル358mgをエーテルに溶解し、エーテル性HClで処理すると白色沈殿が得られ、これを濾過で回収し、乾燥ピストル(還流メタノール、0.05mmHg)で乾燥することにより364mgを得た;融点:229-230℃。
出発物質は以下のようにして得た:
a.8-メトキシ-5-チオメチル-3,4-ジヒドロナフタレン
磁気攪拌棒及び窒素入口付きコンデンサーを備えた乾燥3頸フラスコに、乾燥THF(25ml)中の5-ブロモ-8-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン(実施例6dにより調製)(2.19g,9.16mmol)を入れ、溶液を−76℃に冷却した。N-ブチルリチウム(4.4ml,11.0mmol)を2.5M THF溶液としてシリンジを用いて加えた。90分後にジメチルジスルフィド(3.0ml,27mmol)を加え、反応混合物を室温まで放置して温め、18時間攪拌した。水を加えて反応を止めて、エーテルで2回抽出した。エーテル抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)、濾過、減圧濃縮して黄色オイル1.73gを得た。TLC(シリカゲル,CH2Cl2)では単一成分であることを示した、Rf0.72。85-95℃(空気浴温度:0.01mmHg)でクーゲルロール蒸留して1.69gを得た。
b.8-メトキシ-2-ニトロ-5-チオメチル-3,4-ジヒドロナフタレン
実施例6eと同様に、THF(11ml)中の8-メトキシ-5-チオメチルジヒドロナフタレン(845mg,4.10mmol)溶液を、THF(20ml)中の亜硝酸銀(1.26g,8.2mmol)とヨウ素(2.08g,8.2mmol)を用いて硝酸塩とし、ピリジン(1.3ml)とトリエチルアミン(順次2ml及び4ml)を加えると、固体1.05gが得られた。2回目の上述の実験により1.13gを得て、合計2.18gとなり、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル80g、塩化メチレンで溶出)により精製した。精製物質を含む画分を集めて黄色固体1.24gを得た;融点:96-97℃。
c.2-アミノシ-8-メトキシ-5-チオメチルテトラリン*
実施例6fと同様に、THF(15ml)中の8-メトキシ-2-ニトロ-5-チオメチル-3,4-ジヒドロナフタレン(1.20g,4.8mmol)をTHF(25ml)中のNaBH4(0.94g,25mmol)と三フッ化ホウ素エーテレート(3.55ml,28.6mmol)で還元した。酢酸エチル抽出により1.21gを得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、塩化メチレン、CH3OH:CH2Cl2を最初10:90で、その後20:80で溶出)で精製した。生成物を含む画分を集めて溶媒を除去することにより460mgを得た。TLC分析(シリカゲル;1:5:94 NH4OH:CH3OH:CH2Cl2)でRf0.32。
*[R.M.DeMarinis et al.,J.Med.Chem.(1982)25,136参照]
d.N-ホルミル-2-アミノ-8-メトキシ-5-チオメチルテトラリン
実施例6gと同様の方法を用いて、ただし蟻酸にカルボニルジイミダゾールを添加するのではなく、カルボニルジイミダゾールに蟻酸を添加することにより行い、THF(20ml)中の2-アミノ-8-メトキシ-5-チオメチルテトラリン(451mg,2.02mmol)を、THF(10ml)中のカルボニルジイミダゾール(393mg,2.42mmol)とTHF(4ml)中の蟻酸(112mg,2.42mmol)でホルミル化した。一晩攪拌後、TLC分析(シリカゲル、10:90 MeOH:CH2Cl2)でRf0.65に主成分を示し、Rf0.07の出発アミンは見られなかった。溶媒を除去して得られる残渣を酢酸エチルに溶解し、3N HCl,Na2CO3溶液、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。濾過、減圧下で溶媒除去してクリーム色固体520mgを得た。
実施例9:N-メチル-2-アミノ-8-メトキシテトラリン塩酸塩*
R.Borsh,Organic Synthesis VI,p449に記載の方法と同様にして、磁気攪拌棒、添加漏斗、及びドリーリット管保護付きのドライアイスコンデンサーを備えた250mlの3頸丸底フラスコに、塩酸メチルアミン(1.40g,20.7mmol)とメタノール(15ml)を入れた。水酸化カリウム(85%,0.40g,6.0mmol)を加えて溶液を20分攪拌した。添加漏斗からメタノール(8ml)中の8-メトキシ-2-テトラロン(2.80g,15.9mmol)を加えた。20分後にメタノール中のNaBH3CN(0.42g,6.68mmol)を添加漏斗から加えた。3時間後にTLC分析(シリカゲル;CH2Cl2)したところ出発ケトンは存在しなかった。反応混合物をKOH(85%,1.5g)で処理し、30分攪拌、CELITE(登録商標)で濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルと1N NaOHに分配し、有機抽出物をブラインで洗浄、乾燥(MaSO4)した。暗色溶液を濾過して溶媒を減圧で除去すると暗色固体が残り、これをクーゲルロール蒸留(沸点85-100℃;空気浴温度、0.15mmHg)することによりオイル1.20g(37%)を得た。このオイルをエーテル中でエーテル性HClで処理するとガム状沈殿が得られ、これを攪拌すると細かい固体を形成する。濾過で回収することにより1.32gを得た。乾燥ピストル(60℃、0.20mmHg)中で乾燥した後、この物質は融点:139-140℃を示した。
*[Arvidsson et al.,J.Med.Chem.1984,26,45-51及びAmes et al.,J.Chem.Soc.1965,2636-2641を参照]
出発物質の8-メトキシ-2-テトラロンは以下のようにして製造した。
a.8-メトキシ-2-テトラロン
J.W.Cornforth and Sir Robert Robinson,JCS 1885(1949)に記載の方法と同様にして、磁気攪拌棒、コンデンサー及び添加漏斗を備えた250mlの3頸フラスコに、ナトリウム(5.6g,243mmol)を入れた。添加漏斗からエタノール(30ml)中の1,7-ジメトキシナフタレン(5.0g,26.5mmol)溶液を素早く加えると、激しく還流した。全てのナトリウムが消費されるまで加熱マントルで還流を維持し、その後冷却した。水(50ml)、次いで濃HCl(55ml)を加えてこの溶液を30分還流した。冷却溶液をエーテルで数回抽出し、水で洗浄、溶媒を減圧除去した。残渣を飽和NaHSO3溶液(25ml)で処理、攪拌すると固体が得られ、これを濾過で回収し、エーテルで洗浄した。この固体をエーレンマイヤーフラスコに入れて飽和Na2CO3及びエーテルで処理し、全ての固体が消えるまで攪拌した。抽出物をブラインで洗浄、乾燥(Na2SO4)した。減圧で濾過、濃縮すると薄黄色オイル2.83g(63%)が得られ、これは固化した。TLC(シリカゲル;CH2Cl2)で均一、Rf0.25。
実施例10:N-メチル-2-アミノ-7-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩
実施例6と同様に、粗製ホルムアミド10c(1.07g,3.41mmol)をTHF中で8時間還流しながら1.0Mボラン-THF(10.5ml,105mmol)と反応させて薄黄色オイル0.913gを得た。クーゲルロール蒸留(125℃、0.05mmHg)して無色シロップ0.838g(82%)を得た。TLC(シリカゲル、1:9 MeOH:CH2Cl2)でRf0.15。粗製アミン全体をエーテル性HClで処理して固体を得て、これを濾取して減圧乾燥して0.66g(71%)を得た。融点:190-192℃。
出発物質は以下のようにして製造した:
a.7-ブロモ-3,4-ジヒドロ-5,8-ジメトキシ-2-ニトロナフタレン
実施例6eと同様にして、2-ブロモ-1,4-ジメトキシ-5,6-ジヒドロナフタレン*(2.13g,79mmol)をヨウ素(4.22g,16.6mmol)、亜硝酸銀(2.54g,16.6mmol)及びピリジン(2.7ml,33mmol)と反応させて明るい黄色固体(1.76g,72%)を得た。融点:128-132℃;TLC(シリカゲル;CH2Cl2)でRf0.65。
*M.Braun,Tetrahedron 40,4585(1984)に記載の方法で製造した。
b.2-アミノ-7-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン
実施例6fと同様にして、ニトロオレフィン10a(1.70g)を、THF中で水素化ホウ素ナトリウム(1.23g,32.5mmol)及び三フッ化ホウ素エーテレート(4.6ml,5.25g,37mmol)と反応させて薄黄色オイル1.53gを得た。クーゲルロール蒸留(130℃、0.04mmHg)により無色シロップ1.20g(75%)を得た;TLC(シリカゲル、1:9 MeOH:CH2Cl2)Rf0.20。一部(0.20g)をエーテル性HClで処理し、回収し、減圧乾燥して塩酸塩を得た(0.132g,59%);融点:>270℃
c.N-ホルミル-2-アミノ-7-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン
実施例6gと同様にして、アミン10b(1.00g,4.19mmol)をTHF中の98%蟻酸(0.17g,4.6mmol)とカルボニルジイミダゾール(0.75g,4.6mmol)の混合物中に加えて、オフホワイト固体(1.07g,81%)を得た。TLC(シリカゲル、1:9 MeOH:CH2Cl2)Rf0.65。この物質をさらに精製することなく使用した。
実施例11:N-メチル-2-アミノ-6-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン塩酸塩
実施例6と同様に、THF(15ml)中のN-ホルミル-2-アミノ-6-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン(458mg,1.46mmol)を48時間還流しながら1.0Mボラン-THF(6ml)で還元した。エーテル抽出からの残渣をクーゲルロール蒸留(125-135℃:空気浴温度、0.05mmHg)して無色オイル346mg(52%)を得た。エタノール(5ml)中のこのオイルをエーテル性HCl(10ml)で処理してガム状固体を得た。エーテル性100mlで希釈して破砕すると白色固体が得られ、これを濾取して還流メタノール中乾燥ピストルで乾燥(0.05mmHg)して246mg(71%)を得た。融点:173-175℃。
出発物質は以下のようにして製造した:
a.3-ブロモ-2,5-ジメトキシベンジルアルコール
THF(40ml)及び水(20ml)中の3-ブロモ-2,5-ジメトキシベンズアルデヒド*(8.27g,33.75mmol)を10℃に冷却し、NaBH4(3.83g,101.2mmol)を数回にわけて加えて処理した。TLC(シリカゲル;1:4酢酸エチル:ヘキサン)で出発アルデヒドがなくなるまで周囲温度で攪拌を続けた。30分後に溶媒を減圧除去し残渣を酢酸エチルと水に分配した。ブラインで洗浄、乾燥(Na2SO4)した後、酢酸エチル抽出物を減圧で濃縮して白色固体8.34g(99%)を得た。融点:59-60℃。TLC(同条件)Rf0.12。
*J.S.Swenton and P.W.Raynolds,J.Am.Chem.Soc.,100,6188,1978に記載の方法で製造。
b.3-ブロモ-2,5-ジメトキシベンジルクロリド
エーテル(100ml)中の3-ブロモ-2,5-ジメトキシベンジルアルコール(8.18g,33.11mmol)及びピリジン(0.8ml)溶液に、エーテル(20ml)中の塩化チオニル(8.5ml,116mmol)溶液を滴下した。周囲温度で20時間攪拌した後、反応混合物を氷に注いだ。エーテル抽出物をブラインで洗浄、乾燥(Na2SO4)、濾取、減圧で濃縮して無色オイル7.59gを得た。一部(3.9g)をシリカゲルクロマトグラフィー(3:7 CH2Cl2:ヘキサン)で精製して白色固体3.62gを得た。
c.2-[3-(3-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)プロピル]-1,3-ジオキサン
乾燥THF(25ml)中の2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキサン(5.52g,28.32mmol)溶液をマグネシウム屑(0.72g,29.67mmol)とヨウ素(10mg)中に加えて2時間加熱還流した。冷却したこの溶液を、THF(25ml)中の3-ブロモ-5,8-ジメトキシベンジルクロリド(3.58g,13.49mmol)溶液中に-10℃で滴下して加えた。次いで、THF中の0.1M二リチウム四塩化銅(Li2CuCl4)(0.70ml,0.7mmol)を加えた。1.5時間後のTLC分析(シリカゲル;1:4酢酸エチル:ヘキサン)では、出発物質であるベンジルクロリド(Rf0.65)が存在せず、主生成物がRf0.54と少量生成物がRf0.35に存在し、かつベースラインにいくらかの物質が存在することを示した。溶媒を減圧で除去し、残渣をエーテルと5%塩化アンモニウムに分配した。エーテル抽出物をブラインで洗浄、乾燥(Na2SO4)、濾過、溶媒を減圧で除去した。この物質をクーゲルロール蒸留(120-160℃:空気浴温度、0.010mmHg)して無色オイル2.93gを得た。これはRf0.35の成分(現時点での主成分)とRf0.54の成分(現時点での少量生成物)及びポット残渣0.75g(これはRf0.54の成分)の混合物であった。蒸留した物質中のこれらの成分をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル140g;1:4酢酸エチル:塩化メチレンで溶出)で分離して標題化合物のジオキサン1.15g(25%)を後に溶出する物質として得た。Rf0.54の最初に溶出する物質はベンジルクロリドのホモカップリング生成物であることがわかった。
d.6-ブロモ-3,4-ジヒドロ-5,8-ジメトキシナフタレン
絶対エタノール(10ml)中の2-[3-(3-ブロモ-2,5-ジメトキシフェニル)プロピル]-1,3-ジオキサン(1.10g,3.19mmol)及びp-トルエンスルホン酸(300mg)の溶液を48時間還流し、その時点でのTLC分析(シリカゲル、1:4酢酸エチル:ヘキサン)ではジオキサンが存在しないことを示した。溶媒を減圧除去し、残渣をエーテルと5%炭酸ナトリウムに分配した。エーテル抽出物をブラインで洗浄、乾燥(Na2SO4)、濾過、溶媒を減圧で除去した。残渣をクーゲルロール蒸留(0.005mmHg)して無色オイル0.85g(99%)を得た。沸点:95℃(空気浴温度)。TLCで均一、Rf0.74。
e.6-ブロモ-3,4-ジヒドロ-5,8-ジメトキシ-2-ニトロナフタレン
THF(15ml)中の亜硝酸銀(1.00g,6.56mmol)及びヨウ素(1.67g,6.56mmol)を30分攪拌し、5℃に冷却した。THF(15ml)中の6-ブロモ-3,4-ジヒドロ-5,8-ジメトキシナフタレン(0.84g,3.13mmol)及びピリジン(1.04g,4.2mmol)の溶液を滴下して加え、反応混合物を30分以上かけて周囲温度まで温めた。混合物をCELITE(登録商標)で濾過、濾液にトリエチルアミン(1ml)を加え、溶媒を減圧除去した。残渣を塩化メチレン(30ml)に溶解し、トリエチルアミン(2ml)で処理し、2.5時間攪拌した。次いで溶媒を減圧除去、残渣を酢酸エチルと水に分配した。酢酸エチル抽出物を亜硫酸ナトリウム溶液で2回、水、1N HCl、5%炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄、乾燥(Na2SO4)した。濾過して溶媒を減圧除去すると褐色固体0.90gが残った。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル75g;塩化メチレンで溶出)にかけて純粋物質0.64g(65%)を得た。融点:121-123℃;TLC(シリカゲル、CH2Cl2)でRf0.66。
f.2-アミノ-6-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン
実施例6fと同様にして、THF(25ml)中の6-ブロモ-3,4-ジヒドロ-5,8-ジメトキシ-2-ニトロナフタレン(1.06g,3.37mmol)をTHF(25ml)中のNaBH4(0.66g,17.56mmol)及び三フッ化ホウ素エーテレート(2.5ml,20.26mmol)で還元した。エーテル抽出物(1.05g)をクーゲルロール蒸留(0.005mmHg)して無色オイル0.46g(45%)を得た。沸点:125-135℃(空気浴温度)。TLC(シリカゲル、1:9メタノール:塩化メチレン)で均一、Rf0.26。
g.N-ホルミル2-アミノ-6-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン
実施例6gと同様の方法を用いて、ただし蟻酸にカルボニルジイミダゾールを添加するのではなく、カルボニルジイミダゾールに蟻酸を添加することにより行い、THF:塩化メチレン(1:1)(14ml)中の2-アミノ-6-ブロモ-5,8-ジメトキシテトラリン(458mg,1.60mmol)を、THF(10ml)中のカルボニルジイミダゾール(312mg,1.92mmol)とTHF(4ml)中の蟻酸(88mg,1.92mmol)でホルミル化した。20時間攪拌後、溶媒を除去して得られる残渣をエーテルに溶解し、3N HCl,Na2CO3溶液、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。濾過、減圧下で溶媒除去して白色固体470mg(94%)を得た。TLC(シリカゲル、1:9メタノール:塩化メチレン)で均一、Rf0.73。
実施例12:(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリン
(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリンは以下の方法で製造できる:(−)(2S)-2-ベンジルアミノ-8-メトキシテトラリン(Karlsson et al.,Acta Chemica Scandinavica 1988,B42,231-236に記載の方法で製造)を10%パラジウム−炭素の存在下にパール(Parr)装置で水素添加して(−)(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリンを製造できる。次いで、(−)(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリンを実施例6gの方法でホルミル化して(−)-N-ホルミル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリンが得られ、これを実施例6に記載の方法で還元することにより(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリンが得られる。
実施例13:(−)-N-メチル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリン塩酸塩
実施例6と同様に、THF(25ml)中の(−)-N-ホルミル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリン(810mg,3.95mmol)を、THF(15ml)中のボラン(THF中の1.0M溶液:22ml)中に0℃で10分かけて加え、20時間加熱還流した。冷却後、水(10ml)を滴下して加え、次いで6N HCl(50ml)を加え、溶液を周囲温度で一晩攪拌した。50%水酸化ナトリウムでpH14に塩基性化した後、酢酸エチル抽出して褐色オイル762mgを得た。これをクーゲルロール蒸留して無色オイル(661mg)を得た;沸点:95-100℃(空気浴温度:0.015mmHg)。このオイル655mgをエーテルに溶解し、エーテル性HClで処理すると白色沈殿が得られ、これを濾過で回収し、乾燥ピストル(還流メタノール、0.02mmHg)で乾燥することにより632mgを得た;融点:201-203℃。[α]D 22 −68℃(c=0.75,メタノール)。
出発物質は以下のようにして得た:
a.(−)N-ホルミル-(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリン
実施例6gと同様に、乾燥THF(10ml)及び塩化メチレン(20ml)中の(−)(2S)-2-アミノ-8-メトキシテトラリン(市販品)(825mg,4.66mmol)を、THF(15ml)中のカルボニルジイミダゾール(906mg,5.59mmol)とTHF(3ml)中の蟻酸(257mg,5.59mmol)でホルミル化した。一晩攪拌後、TLC分析(シリカゲル、10:90 MeOH:CH2Cl2)でRf0.71に主成分を示し、Rf0.22の出発アミンは見られなかった。溶媒を除去して得られる残渣を酢酸エチルに溶解し、1N HCl,NaHCO3溶液、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。濾過、減圧下で溶媒除去して白色固体850mg(89%)を得た。融点:140-141℃。
実施例14
医薬品業界で公知の以下の慣用的な方法により、式Iの化合物を含む代表的医薬品製剤を調製できる。
(a)錠剤
Figure 0004083221
(b)カプセル
Figure 0004083221
(c)注射剤
静脈内投与用の滅菌水溶液は、式Iの化合物をヒドロキシプロピルメチルセルロース(0.5重量%)とTween80(0.1重量%)を含む蒸留水に溶解することにより調製できる。従って、例えば以下の組成をもつ水溶液を調製できる:
式Iの化合物 3.5g/l
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC),USP 1.Og/l
Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)5.Og/l
脳幹神経節のある種の障害は、2つの型の不本意な運動として表される錐体外路障害として知られている。第一の型は、運動過剰であり、過度の運動を引き起こす。第二の型は、運動機能減少であり、運動の低下を引き起こす。このような運動障害はミオクロヌス、ツーレット(Tourette’s)症候群、舞踏病、アテトーシス、舞踏病アテトーシス、ハンチントン病、及び全身ジストニー、焦点病巣ジストニー、メインゲ(Meinge)症候群及び斜頚などのジストニーを含むが、これに限定されない。さらに神経弛緩薬(neuroleptic drug)や抗パーキンソン薬(レボドパなど)の使用によって引き起こされる不本意な運動障害がある。これらの不本意な運動にはパーキンソン症、急性ジストニー及び晩発性運動障害(tardivedyskinesia)を含むが、これに限定されない。感作したセブスサル(cebus monkey)に対して神経弛緩薬(神経弛緩薬)(すなわち、ハロペリドール)投与によって引き起こされる運動異常反応には、一連の反応、すなわちミオクロヌスのような非常に素早い筋肉群の収縮から、ジストニーのゆっくりした身もだえ運動までが含まれる。ヒトの不本意な運動障害と神経弛緩薬によって感作したセブスサルの不本意な運動障害との間で類似するのは以下の点である:
1.神経弛緩薬処置後に見られる筋肉群の非常に素早い収縮はミオクロヌスで見られるものと似ている。
2.神経弛緩薬処置後に見られるなめる(licking)運動は、ツーレット症候群の初期に見られる声の震えと似たプロセスである。
3.神経弛緩薬処置後に見られる顔や四肢の短い不本意な運動は舞踏病の動きに非常によく似ている。
4.神経弛緩薬処置後に見られる四肢や胴部のゆっくりした身もだえ運動は、アテトーシスで見られる動きと非常によく似ている。舞踏病及びアテトーシスは通常一緒に起こり、舞踏病アテトーシスと呼ばれる。
5.神経弛緩薬処置後に見られるゆっくりした身もだえ運動は、ハンチントン病の舞踏病型運動ともよく似ている。
6.神経弛緩薬処置後に見られる持続的異常姿勢は、以下のものを含む様々なジストニーに似ている:
a.奇異な姿勢に至る一般的ジストニー、
b.シングルボディ(single body)領域の焦点病巣ジストニー、
c.歯ぎしりやしかめ面を含むメインゲ症候群、及び
d.頭や首の持続的ねじれやかたよりを含む斜頚。
7.神経弛緩薬処置後に見られる不本意な運動は、パーキンソン症、急性ジストニー及び晩発性運動障害と非常によく似ている。
ヒトに見られる不本意な運動障害と、神経弛緩薬処置後に感作したセブスサルで引き起こされる不本意な運動障害との間の類似性に基づいて、感作したセブスサルで引き起こされる不本意な運動を抑制する化合物は、哺乳動物、特にヒトの運動障害の治療又は予防に有用であると関連づけられる。
本発明の化合物の代表例は価値ある薬理学的性質をもっていることが見いだされた。特に、これらの化合物は感作したセブスサルで神経弛緩薬によって引き起こされる不本意な運動を抑制し、従ってミオクロヌス、ツーレット症候群、舞踏病、アテトーシス、舞踏病アテトーシス、ハンチントン病、パーキンソン症、晩発性運動障害及びジストニー(一般的ジストニー、焦点病巣ジストニー、急性ジストニー、メインゲ症候群及び斜頚を含む)、特に晩発性運動障害などの運動障害の治療及び予防に有用であることが見いだされた。
本発明の化合物を用いる処置は、運動障害を既に発生した患者に本発明の化合物を投与することによって治効的又は治療的となりうる。処置はまた、例えば神経弛緩薬又は抗パーキンソン病薬を飲んでいる患者のような運動障害が起こることが予測される患者において、このような運動障害が起こるのを防ぐために、本発明の化合物を投与することにより予防的又は防御的となりうる。本発明の化合物は別個の医薬として投与することもできるし、あるいは神経弛緩薬又は抗パーキンソン病薬との組み合わせ医薬として投与することもできる。
本発明の代表的化合物の医薬性質を以下の慣用的生物学的試験方法によって示した。
最初に、本発明のラセミ化合物を以下に記載するようにしてドーパミンアンタゴニスト活性を試験し、もしもその化合物が活性であることがわかったら(表1参照)、以下に記載する”ハロペリドール感作したセブスサルにおける運動障害”試験に従って、感作したセブスサルで試験する(表2参照)。しかしながら、もしもラセミ化合物がドーパミンアンタゴニストとして活性でないことがわかったら(表1参照)、この化合物又はその対応するS(−)鏡像異性体を以下の表3に記載する”ハロペリドール感作したセブスサルにおけるハロペリドールで誘導した運動障害の抑制”試験で直接試験する。
ドーパミン拮抗作用の試験
1.アポモルヒネで誘導したよじ登りの拮抗作用
体重約20gの雌Swiss-Websterマウスを約24時間絶食させて、ビヒクル又は種々の投与量の試験化合物を腹腔内(ip)、経口(po)又は皮下(sc)投与した(処置群につき20匹のマウス)。30分後に塩酸アポモルヒネを1.25mg/kgscで投与し、よじ登りケージに入れた。ケージは幅9cm、深さ15cm、高さ30cmであった。一方の壁には1cmごとに27本の水平な横木を配置した。アポモルヒネ投与13分後に、各マウスを1分連続観察し、前足で到達した最高と最低の横木を記録した。これらの2つのスコアの平均をこのマウスのスコアとして用いた。可能な最高スコアと最低スコアはそれぞれ27及び0であった。
2.マウスにおけるアポモルヒネで誘導された泳ぎ分断の正規化
上記試験で1分のよじ登り観察期間の直後に、各マウスを円周状スイミングタンクに2分入れて”泳ぎ(swims)”の数を数えた。タンクの高さは15cmで直径は28cmであった。直径10.5cm、高さ17cmの円周状障害物をタンクの中央に置いて、幅8.75cmの円周状スイミングチャネルを作った。水の深さは5.5cmで水は室温に保った。床とタンクの側面に180度離して印を付けた。マウスが1つの印から別の印まで泳いだ毎に”泳ぎ”をスコアし、全てのマウスの泳ぎの平均数をその処置のスコアとして用いた。天井からつるした鏡でマウスを観察し、180度泳ぎの数を各マウスについて記録した。全期間にわたって、唾液分泌、ふるえ、刺激、立毛などの試験薬剤の副作用があるかどうかにつきマウスを観察した。
表1は、”マウスにおけるアポモルヒネで誘導された泳ぎ分断の正規化試験”における、本発明の代表的化合物ならびにその対応(R)(+)鏡像異性体(実施例3)の試験で得られた結果をまとめたものである。本明細書ではマウスにおけるアポモルヒネで誘導された泳ぎ分断の正規化試験の結果だけを報告する。なぜなら、この試験で活性であった化合物はアポモルヒネで誘導したよじ登り拮抗作用試験においても活性であることが見いだされたからである。
Figure 0004083221
ハロペリドールで感作したセブスサルにおける運動障害
成人雌又は雄のセブスサルを被検体として用いた。サルに運動障害反応が起きるまで、1週間に1回、1mg/kgでハロペリドールを経口投与した。運動障害反応は以下の1以上の頬−口の運動からなっていた:舌を繰り返し突き出す;ケージの横木を繰り返し噛んだりなめたりする;そして腕や脚を様々にねじったり、及び/又は痙動させたり、胴又は首をねじるなどの舞踏病アテトーシス様運動。これらの運動障害反応が数週間信頼できる程度に起こったら、サルが“感作された”と見なされ、本発明の化合物のような別の薬剤に対する運動障害反応試験に使用できる。薬剤処置の間隔は少なくとも2週間であった。本発明の代表的化合物を表2に示す投与量で経口投与した。投与後、サルをすぐに元のケージに戻した。次いで1−3時間のシフトで2人の観察者が薬剤投与後6−7時間のそれぞれのサルの運動障害反応を継続して観察した。30分ごとに観察者は生じた反応の型と重症度を記録した。舌突き出しのような繰り返し反応については、1分間のサンプル期間における運動の回数を記録した。
表2は、ハロペリドールで感作したセブスサルの運動障害に対する本発明の代表的化合物の試験結果をまとめたものである。
Figure 0004083221
ハロペリドール感作したセブスサルにおけるハロペリドールで誘導した運動障害の抑制
本発明の代表的化合物の神経弛緩薬で誘導した運動障害を抑制する能力を試験するために、標準投与量0.25mg/kg p.o.のハロペリドールと同時に化合物を表3に示す投与量で投与した。この投与量のハロペリドールは典型的には全てのサルに1−2時間以内に運動障害反応を引き起こし、反応は通常数時間続く。前記の感作したセブスサルを被検体として用いた。ハロペリドールと試験化合物を同時投与した後、前記の“ハロペリドールで感作したセブスサルにおける運動障害”で記載した試験を実施した。
表3は、ハロペリドール感作したセブスサルにおけるハロペリドールで誘導した運動障害の抑制試験における、本発明の代表的化合物の試験結果をまとめたものである。
Figure 0004083221
表1−3の結果は、運動障害の治療にとって、本発明の化合物の活性成分はS(−)型(すなわち、実施例2)であり、R(+)型(すなわち、実施例3)はここに示すドーパミン拮抗作用活性全てに対する、また運動障害の発生に対する原因となるものである。また、(R,S)型の本発明の化合物にとっては、その中に含まれるS(−)鏡像異性体が対応するR(+)鏡像異性体の運動障害活性を抑制するための運動障害抑制剤として十分有効であることが理解できよう。
本発明の化合物の代表例である実施例2の化合物が、運動障害性アミノテトラリン誘導体(すなわち、実施例10に記載のもの)又は種々の抗精神病薬(神経弛緩薬)(クロロプロマジン、チオリダジン、ハロペリドールなど)の投与によって引き起こされる運動失調、すなわち運動障害を抑制する能力を、前記の“ハロペリドール感作したセブスサルにおけるハロペリドールで誘導した運動障害の抑制試験”を用いて示した。ただし、適切な場合には、0.25mg/kg p.o.のハロペリドールに対して運動障害アミノテトラリン誘導体又は神経弛緩薬の適切な投与量(mg/kg po)で置き換えた。表4は、この試験方法で実施例2の化合物を試験した結果をまとめたものである。
Figure 0004083221
本発明の化合物は一般に哺乳動物、例えばヒトを含む患者に投与されるが、これに限定されない。本発明の化合物はその他の治療薬又は予防薬、及び/又はこれと医薬的に不適合でない医薬品と同時投与できることが当業者には理解できるであろう。一般に、本発明の代表的化合物は実験室の試験動物で明白な毒性を示さない。
本発明の化合物は当業者に公知の慣用の薬剤的方法により医薬に調製できる。すなわち、本発明の化合物又はその薬剤的に受容できる塩を、1以上の薬剤的に受容できる担体、アジュバント、希釈剤又はベヒクルと組み合わせて、固体又は液体形の経口投与、腹腔内投与、局所投与、直腸投与、又はエアロゾル吸入投与などのための医薬組成物に調製できる。
経口投与用固体組成物には圧縮錠剤、ピル、粉末及び顆粒を含む。このような固体組成物では、活性化合物を澱粉、炭酸カルシウム、スクロース又はラクトースなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合する。これらの組成物には、例えばステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤のような不活性希釈剤以外の付加的物質を含んでいてもよい。
経口投与のための液体組成物には、水及び液体パラフィンなどの当業界で普通に用いられる不活性希釈剤を含む薬剤的に受容できるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルを含む。不活性希釈剤の他に、組成物には湿潤剤や懸濁剤のようなアジュバント、及び甘味料、風味料、香料や保存料などを含んでいてもよい。本発明によると、経口投与用組成物には、希釈剤又は賦形剤の存在下又は不在下に活性化合物を含む、ゼラチンなどの吸収性物質でできたカプセルを含む。
腹腔内投与用の本発明の調製物には、滅菌水性、水−有機溶媒、及び有機溶媒の溶液、懸濁液及びエマルジョンを含む。有機溶媒又は懸濁媒体の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物油及びオレイン酸エチルなどの注入可能な有機エステルである。これらの組成物は安定化剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などのアジュバントを含んでいてもよい。
局所投与又はエアロゾル吸入投与用の本発明の調製物には、水、水性アルコール、グリコール、オイル溶液又はオイル−水エマルジョンなどの薬剤的に受容できるビヒクルに本発明の化合物を溶解又は懸濁したものを含む。
直腸投与用の本発明の調製物には、適当な担体、例えばカカオバター、硬質オイル、グリセリド又は飽和脂肪酸などを用いて調製した座薬を含む。
所望するならば、本発明の化合物をポリマーマトリックス、リポソーム及び微小球のような徐放性又は標的送達系中に導入することもできる。
このような組成物中の活性化合物の割合は適切な投与量が得られるように変更することができる。特定患者に投与する量は、投与経路、治療期間、患者の大きさや身体状況、活性化合物の強度及びこれに対する患者の応答などの基準を用いて臨床医が判断して変更しうる。従って、活性化合物の有効投与量はこれらの基準を全て考慮に入れ、患者のための最良の判断を臨床医がすることにより容易に決定できる。一般に、本発明の化合物は約0.01から約100mg/kg体重の範囲の投与量で投与される。

Claims (15)

  1. 以下の式Iの化合物:
    Figure 0004083221
    (式中、R1はメチル又はエチルであり;R2は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又はチオ低級アルキルであり;R3は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又は低級アルキルであり;そしてキラル中心*は(S)(−)形である;ただし、R2及びR3がどちらも水素であるときは、R1はメチルでなければならない)
    又はその薬剤的に受容しうる酸付加塩と、薬剤的に受容できる担体、アジュバント、希釈剤又はビヒクルとを含む医薬組成物。
  2. 2が水素、臭素、メトキシ、エトキシ又はチオメチルであり、R3が水素又はハロゲンである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 3が水素である、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 前記化合物が(−)−N−メチル−(2S)−2−アミノ−5,8−ジメトキシテトラリン塩酸塩及び(−)−N−メチル−(2S)−2−アミノ−8−メトキシテトラリンからなる群より選択される、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記化合物が(−)−N−メチル−(2S)−2−アミノ−8−メトキシテトラリン塩酸塩である、請求項3に記載の医薬組成物。
  6. 有効量の式Iの化合物:
    Figure 0004083221
    (式中、R1はメチル又はエチルであり;R2は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又はチオ低級アルキルであり;R3は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又は低級アルキルであり;そしてキラル中心*は(S)(−)形又は(R,S)形である;ただし、(a)R2及びR3がどちらも水素であるときは、R1はメチルでなければならず、(b)キラル中心*が(R,S)形であるときは、(S)(−)形の割合が50%以上でなければならない)
    又はその薬剤的に受容しうる酸付加塩、を含む運動障害の治療又は予防のための医薬組成物。
  7. キラル中心*が(S)(−)形である、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 2が水素、臭素、メトキシ、エトキシ又はチオメチルであり;R3が水素又はハロゲンである、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 3が水素である、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記化合物が(−)−N−メチル−(2S)−2−アミノ−5,8−ジメトキシテトラリン塩酸塩及び(−)−N−メチル−(2S)−2−アミノ−8−メトキシテトラリンからなる群より選択される請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 前記化合物が(−)−N−メチル−(2S)−2−アミノ−8−メトキシテトラリン塩酸塩である、請求項9に記載の医薬組成物。
  12. 前記化合物が以下のものからなる群より選択される、請求項6に記載の医薬組成物:
    N−メチル−2−アミノ−5,8−ジメトキシテトラリン塩酸塩;
    (−)−N−メチル−(2S)−2−アミノ−5,8−ジメトキシテトラリン塩酸塩;
    N−エチル−2−アミノ−5,8−ジメトキシテトラリン塩酸塩;
    (−)−N−エチル−(2S)−2−アミノ−5,8−ジメトキシテトラリン塩酸塩;
    N−メチル−2−アミノ−5−ブロモ−8−メトキシテトラリン塩酸塩;
    N−メチル−2−アミノ−8−メトキシ−5−チオメチルテトラリン塩酸塩;
    N−メチル−2−アミノ−5−エトキシ−8−メトキシテトラリン塩酸塩;
    N−メチル−2−アミノ−6−ブロモ−5,8−ジメトキシテトラリン塩酸塩;
    (−)−N−メチル−(2S)−2−アミノ−8−メトキシテトラリン;及びN−メチル−2−アミノ−8−メトキシテトラリン塩酸塩。
  13. 運動障害が晩発性運動障害である、請求項6に記載の医薬組成物。
  14. 式Iの化合物:
    Figure 0004083221
    (式中、R1はメチル又はエチルであり;R2は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又はチオ低級アルキルであり;R3は水素、ハロゲン、低級アルコキシ又は低級アルキルであり;そしてキラル中心*は(S)(−)形である;ただし、R2及びR3がどちらも水素であるときは、R1はメチルでなければならない)
    又はその薬剤的に受容しうる酸付加塩、の製造法であって、
    式VIIIの化合物:
    Figure 0004083221
    (式中、R”は低級アルキルである)
    の単一鏡像異性体を還元剤と反応させることを含む上記方法。
  15. 運動障害の治療用又は予防用の医薬の製造のための、請求項6−13のいずれかに記載の式Iの化合物又はその薬剤的に受容しうる塩の使用。
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