JP4082927B2 - 放送受信装置 - Google Patents
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Description
この発明は、データ伝送回路を備えた放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衛星や地上波を用いたディジタル放送を受信する放送受信装置は、専用のアンテナや地上波用アンテナを通して受け取った複数の放送波のなかから任意の放送波をディジタルチューナによって選択し、この選択した放送波に含まれる複数のチャンネルのなかから任意のチャンネル(トランスポートストリーム)をデマルチプレクス処理によって選択し、この選択したチャンネルのディジタル信号を取り出し、これをデコードすることによって映像・音声信号を出力する。
【0003】
そして、このようなディジタルテレビ放送を受信するディジタルチューナと共に、従来からのアナログ放送を受信するアナログチューナも備えたディジタル・アナログ対応の放送受信装置を構成することができる。
【0004】
このようなディジタル・アナログ対応の放送受信装置では、サブCPUへの給電を行う第1の電源回路及びメインCPUを含む他の回路への給電を行う第2の電源回路を備え、スタンバイ時には第2の電源回路による各回路への給電は行わずにサブCPUがパワーオンキーの入力監視を行い、このパワーオンキーの入力をサブCPUが検出すると、前記第2の電源回路オン及びメインCPUの起動を行い、その後(パワーオン後)にはメインCPUによってサブCPUを含む各種回路が制御され、この制御の下でサブCPUはアナログ放送受信部の制御を行うようにしたものがある。
【0005】
そして、かかる受信装置が例えばホテル向け仕様とされる場合、通常のパワーオン時には或る指定のチャンネル(イニシャルチャンネル)を映し出すように設定されるが、瞬停が生じたために今見ていたチャンネルが前記イニシャルチャンネルに変わってしまうのでは不都合である。すなわち、瞬停の場合には、いわゆるラストチャンネルが映し出されるべきであり、通常のパワーオン時にはイニシャルチャンネルが映し出されなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
サブCPU及びメインCPUがそれぞれ瞬停の判定機能を持っていれば、第1の電源回路に接続されているサブCPUは、第1の電源回路に対して、その立ち上がりが通常のパワーオンによるものなのか、あるいは瞬停によるものなのかが分かるし、第2の電源回路に接続されているメインCPUは、第2の電源回路に対して、その立ち上がりが通常のパワーオンによるものなのか、あるいは瞬停によるものなのかが分かる。しかしながら、この場合でもサブCPUは、第2の電源回路に瞬停があったかどうかは分からない。また、サブCPUが第2の電源回路のオン/オフを制御する場合は、瞬停があると、第1の電源回路が立ち上がって、サブCPUが瞬停と判定してから第2の電源回路をオンするため、第2の電源回路がオンしてからメインCPUが瞬停かどうかを判定する迄に時間が経ち、第2の電源回路側では瞬停を判定できずに通常のパワーオンと判定することがある。すなわち、2つのCPUでそれぞれ瞬停を判定すると、一方は瞬停で他方は正常パワーオンと判定してしまうことがある。
【0007】
この発明は、上記の事情に鑑み、瞬停による不具合発生を防止することができる放送受信装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の放送受信装置は、放送波を受信する放送受信装置であって、データ伝送回路を備えており、このデータ伝送回路は、第1の電源回路にサブCPUが接続され、このサブCPUによって第2の電源回路のオン/オフが制御され、この第2の電源回路に接続されたメインCPUと前記サブCPUとの間でデータ伝送を行うデータ伝送回路であって、第1の電源回路の瞬停を判定する手段を有し、瞬停の場合にはサブCPUはメインCPUにおけるパワーオンの理由が瞬停であることをメインCPUに通知することを特徴とする。
【0009】
上記構成において、第2の電源回路のオン/オフを制御するサブCPUは第1の電源回路から給電を受けており、第1の電源回路で瞬停が生じると第2の電源回路でも瞬停が生じることになるが、瞬停の場合にはサブCPUはメインCPUにおけるパワーオンの理由が瞬停であることをメインCPUに通知するので、メインCPUにおいて通常のパワーオン時用の処理を行ってしまう事態を回避することができ、瞬停による不具合発生が防止される。
【0010】
前記サブCPUは自身の状態と前記メインCPUからのパワーオン通知とに基づいて第2の電源回路側での瞬停を判定し、瞬停の場合にはサブCPUはメインCPUにおけるパワーオンの理由が瞬停であることをメインCPUに通知するように構成されているのがよい。かかる構成であれば、第2の電源回路側でのみ瞬停が生じたことをサブCPU側で知得し、サブCPUはメインCPUにおけるパワーオンの理由が瞬停であることをメインCPUに通知するので、メインCPUにおいて通常のパワーオン時に行う処理を行ってしまう事態が回避され、瞬停による不具合発生が防止される。
【0011】
また、上記放送受信装置において、前記メインCPUは瞬停通知を受けた場合にはラストチャンネル受信処理を実行し、通常パワーオンを示す通知を受けた場合にはイニシャルチャンネル受信処理を実行するように構成されていてもよい。また、かかる放送受信装置において、アナログ放送波を受信するアナログ放送受信部と、ディジタル放送波を受信するディジタル放送受信部とを備え、サブCPUはユーザ操作による指令信号のメインCPUへの伝送と前記アナログ放送受信部の制御とメインCPUを含む他の回路への給電を行う電源回路のオン/オフ制御とを行い、メインCPUは少なくとも前記ディジタル放送受信部の制御を行うように構成されていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は地上波ディジタル放送及び地上波アナログ放送の両方を視聴できるこの実施形態の放送受信装置30を示したブロック図である。
【0013】
アンテナ1A・1Bは、屋外において所定の方向に向けて配置されており、地上波放送局から送られてくる地上放送波を受信する。
【0014】
ディジタルモジュール2は、映像・音声データを含む高周波ディジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す。また、ディジタルモジュール2は、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路などを備えることにより、選択したディジタル変調信号を復調してトランスポートストリームを出力する。また、ディジタルモジュール2のデマルチプレクサは、前記トランスポートストリームを、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオストリーム、オーディオストリーム、およびPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)に分離復号する。デマルチプレクサは、ビデオストリームとオーディオストリームをデコーダに供給し、PSI/SIに含まれるサービス情報(番組名、番組詳細等)をメインCPU3に供給する。デコーダは、ビデオストリームのデコードを行うビデオデコーダ、及びオーディオストリームのデコードを行うオーディオデコーダを備える。ビデオデコーダは、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御等を行う。オーディオデコーダは、入力された符号化信号を復号して音声データを生成する。デコードにより生成された映像信号(コンポジット信号、Y/C信号、コンポーネント信号等)は信号切替スイッチ4に供給される。ディジタルモジュール2のOSD(オンスクリーンディスプレイ)回路は、メインCPU3から出力指示された文字情報に基づくビットマップデータを受信映像データに組み込む回路であり、このOSD回路により、サービス情報に基づくEPG(Electronic Program Guide)画面表示が実現される他、メニュー画面や操作ガイド画面などの表示も行えることになる。
【0015】
信号切替スイッチ4は、ディジタルモジュール2から出力される映像/音声信号と、アナログモジュール6から出力される映像/音声信号とを受け取り、メインCPU3の切替指示に従って、いずれか一方の信号をモニタ5に出力する。
【0016】
アナログモジュール6は、ユーザーが選択したチャンネルに対応する周波数の信号を選択する選局処理、及び選択した周波数の信号を復調する処理等を行ってアナログ映像信号(コンポジット信号、Y/C信号、コンポーネント信号等)及びアナログ音声信号を生成する。
【0017】
メインCPU3は、ディジタルモジュール2に対する選局指令や有局チャンネルサーチ等の制御、メモリ(EEPROM等)7への有局チャンネル情報やOSD表示用データの書込/読出の制御、デマルチプレクサに対する制御、デコーダに対する制御、OSD回路に対する制御、信号切替スイッチ4に対する切換指令、後述するサブCPU8との間での通信などを行うようになっている。
【0018】
リモコン送信機9は、当該放送受信装置30に指令を送出するための送信機である。このリモコン送信機9に設けられた図示しないキーを操作すると、そのキーに対応した指令を意味する信号光(リモコン信号)が図示しない発光部から送出される。図示しないリモコン受光器は、前記信号光を受光し、これを電気信号に変換してサブCPU8に与える。
【0019】
サブCPU8は、上記リモコン送信機9によるリモートコントロール信号や図示しない本体操作部のキー操作による信号を入力してメインCPU3に通知する処理や、アナログモジュール6に対する制御を行う。
【0020】
サブCPU8は第1の電源回路11から電力供給を受ける。メインCPU3などの他の回路は、第2の電源回路12から電力供給を受ける。第1の電源回路11は受信装置30のプラグ(図示せず)が商用電源のコンセントに挿入されるとサブCPU8への電力供給を開始し、これによって受信装置30はスタンバイ状態になる。このスタンバイ状態では、サブCPU8はリモコン送信機9等のパワーキーが押されるのを待つ。そして、このスタンバイ状態でパワーキーが押されたとき、サブCPU8は第2の電源回路12に対して電源オンの操作(指令)を行う。第2の電源回路12は、これに接続されている各回路に電力を供給し、受信装置30はパワーオン状態(テレビON状態)になる。このとき、メインCPU3も第2の電源回路12から電力供給を受けることになる。そして、サブCPU8はメインCPU3に対して、パワーオンしたことを知らせるため、メインCPUのリセットを解除する。
【0021】
サブCPU8はリモコン送信機9のキーや本体キーの入力操作を監視し、入力操作が行われたときには、その情報をメインCPU3に伝送する。そして、この情報(内容)がディジタル放送に関するものならば、メインCPU3自身において処理し、その情報(内容)がアナログ放送に関するものであれば、メインCPU3がサブCPU8に対して、アナログ放送選局などの指示を伝送する。また、チャンネル情報のメモリ保存や、アナログ放送を映すのかディジタル放送を映すのかの判断やOSD表示等はメインCPU3が行う。
【0022】
サブCPU8とメインCPU3との間の伝送経路は、シリアルクロックとシリアルI/Oラインの2本の通信ラインでもよいし、シリアルクロックラインとシリアルI/Oラインが2本の計3本の通信ラインでもよく、具体的構成は問わないものである。
【0023】
ここで、かかる受信装置30は例えばホテル向け仕様とされ、パワーオン時には或る指定のチャンネル(イニシャルチャンネル)を映し出すように設定され、瞬停の場合には、いわゆるラストチャンネルが映し出すように構成されている。サブCPU8(第1の電源回路11)側では、それ自身の瞬停を判定する手段を備えており、メインCPU3(第2の電源回路12)側では、それ自身の瞬停を判定する手段は備えず、後述する手法によってサブCPU8側で第2の電源回路側で瞬停が生じたか否かを判断する。サブCPU8(第1の電源回路11)側で備える瞬停判定手段としては、一般的な瞬停検出回路を用いることとしてもよいし、或いは追加の周辺回路なしで実現するならば、実用新案登録第2,545,767号に示された構成等を用いることができる。
【0024】
サブCPU8はスタンバイ状態でリモコン送信機9のキーや本体キーの入力を待ち、パワーキーが押されたときには第2の電源回路12をオンする。これにより、メインCPU3は動作を開始し、サブCPU8にパワーオンしたことを通知し、この通知に対応してサブCPU8はパワーオンした理由をメインCPU3に知らせる。このように瞬停かどうかの判定はサブCPU8側で行い、メインCPU3は瞬停かどうかの判定を行わなくて、パワーオンしたことを通知するだけでよい。
【0025】
図2に本実施例のフローチャートを示す。第1の電源回路11がオンすると、第1の電源回路11から電圧の供給を受けたサブCPU8は、このオンが瞬停によるものであるかどうかを判断する(ステップS1)。サブCPU8が瞬停であると判断した場合にはステップS4に進む。一方、サブCPU8が通常のオンによるものであると判断した場合には、受信装置30はスタンバイ状態となり(ステップS2)、サブCPU8はリモコン送信機9や本体キーのパワーキーが押下されたかどうかを判断する(ステップS3)。サブCPU8はパワーキーが押下されるまでスタンバイ状態を維持し、パワーキーが押された場合には第2の電源回路12に対しオン操作を行う(ステップS4)。オン操作された第2の電源回路12によってメインCPU3などの各回路に電力が供給される。
【0026】
次に、サブCPU8はメインCPU3に与えていたリセット状態を解除する(ステップS5)。このリセット解除が行われると、メインCPU3はサブCPU8にパワーオンしたことを通知する(ステップS6)。そして、サブCPU8はメインCPU3に対してパワーオンした理由を通知する(ステップS7)。
【0027】
ここで、第1の電源回路11に瞬停が生じた場合にはサブCPU8が瞬停になるのでサブCPU8に制御される第2の電源回路12も瞬停となる。勿論、第1の電源回路11と第2の電源回路12とが共に同時的に瞬停となる場合もある。一方、第2の電源回路12だけに瞬停が起こることがある(ステップS11,S12)。この場合、第1の電源回路11及びサブCPU8は瞬停せずに正常に動作していたわけであり、サブCPU8は前述したリセット解除の処理を行ったときのメインCPU3からのパワーオン通知と、このようなリセット解除の処理を行っていないのにメインCPU3から受け取るパワーオン通知とを区別することができる。瞬停による第2の電源回路12のオン(ステップS12)の後にメインCPU3はサブCPU8にパワーオンしたことを通知してくるため(ステップS12を経たステップS6)、この通知によりサブCPU8は第2の電源回路12で瞬停が生じたことを判断できる。この場合におけるメインCPU3へのパワーオンの理由通知(ステップS7)は、瞬停となる。勿論、ステップS1でYESと判定された場合も、メインCPU3へのパワーオンの理由通知(ステップS7)は、瞬停となる。
【0028】
メインCPU3は、この理由通知によりパワーオンが瞬停によるものであるのかどうかを知り(ステップS8)、瞬停である場合にはラストCHを選択する処理を行い(ステップS9)、パワーオンが通常のパワーオンによるものである場合には(ステップS8でNO)、メインCPUはイニシャルCHを選択する処理を行う(ステップS10)。なお、ステップS9及びステップS10において、ラストCH又はイニシャルCHがディジタル放送であるならばメインCPU3が選局処理を行い、サブCPU8にディジタル放送受信中であることを通知する。アナログ放送である場合には、メインCPU3はサブCPU8に対して選局指示を送出することになる。
【0029】
このように、瞬停の場合にはサブCPU8はメインCPU3におけるパワーオンの理由が瞬停であることをメインCPU3に通知するので、メインCPU3において通常のパワーオン時用の処理を行ってしまう事態を回避することができ、瞬停による不具合発生が防止されることになる。なお、上述した例では、瞬停等に起因するチャンネル選択の不具合を防止できる放送受信装置を示したが、このような放送受信装置に限らず、他の装置においてこの発明のデータ伝送回路を利用することが可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、瞬停の場合にはサブCPUはメインCPUにおけるパワーオンの理由が瞬停であることをメインCPUに通知するので、メインCPUにおいて通常のパワーオン時用の処理を行ってしまう事態を回避することができ、瞬停による不具合発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の放送受信装置を示すブロック図である。
【図2】処理内容を示したフローチャートである。
【符号の説明】
2 ディジタルモジュール
3 メインCPU
6 アナログモジュール
8 サブCPU
11 第1の電源回路
12 第2の電源回路
Claims (4)
- 放送波を受信する放送受信装置であって、データ伝送回路を備えており、このデータ伝送回路は、第1の電源回路にサブCPUが接続され、このサブCPUによって第2の電源回路のオン/オフが制御され、この第2の電源回路に接続されたメインCPUと前記サブCPUとの間でデータ伝送を行うデータ伝送回路であって、第1の電源回路の瞬停を判定する手段を有し、瞬停の場合にはサブCPUはメインCPUにおけるパワーオンの理由が瞬停であることをメインCPUに通知することを特徴とする放送受信装置。
- 請求項1に記載の放送受信装置において、前記サブCPUは自身の状態と前記メインCPUからのパワーオン通知とに基づいて第2の電源回路側での瞬停を判定し、瞬停の場合にはサブCPUはメインCPUにおけるパワーオンの理由が瞬停であることをメインCPUに通知するように構成されたことを特徴とする放送受信装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の放送受信装置において前記メインCPUは瞬停通知を受けた場合にはラストチャンネル受信処理を実行し、通常パワーオンを示す通知を受けた場合にはイニシャルチャンネル受信処理を実行するように構成されたことを特徴とする放送受信装置。
- 請求項3に記載の放送受信装置であって、アナログ放送波を受信するアナログ放送受信部と、ディジタル放送波を受信するディジタル放送受信部とを備え、サブCPUはユーザ操作による指令信号のメインCPUへの伝送と前記アナログ放送受信部の制御とメインCPUを含む他の回路への給電を行う電源回路のオン/オフ制御とを行い、メインCPUは少なくとも前記ディジタル放送受信部の制御を行うように構成されたことを特徴とする放送受信装置。
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