JP4082505B2 - Alcohol analysis method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、検体中のアルコールを定性分析もしくは定量分析する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ドライバーの飲酒運転取締りのために、血中アルコール濃度の測定が行われている。このようなアルコール濃度の測定方法としては、例えば、風船等に呼気を採取し、一定量の呼気を、酸化剤を含有する支持体が充填されたカラムに通し、前記酸化剤の色変化により測定する方法がある。そして、この呼気中のアルコール濃度から血中のアルコール濃度を推定することができる。しかしながら、このような方法は手間やコストがかかるという問題があった。
【0003】
前記問題に対して、多孔質材に、発色色素と酵素を含有させた試験紙が開発されている(例えば、特許文献1参照)。このような試験紙によれば、唾液を前記試験紙に点着するだけで、前記唾液中のアルコールと前記発色色素との反応により発色が観察されるため、非常に低コストであり、迅速かつ簡便にアルコール検出を行うことができる。そして、この唾液中のアルコール濃度から、血中アルコール濃度を推定することができる。しかしながら、発色基質として使用されているニトロブルーテトラゾリウムは、人体に有害であり、例えば、吸い込んだり、経皮吸収されることによって、呼吸器、皮膚、眼等が刺激されると言われている。したがって、前述のような試験紙にニトロブルーテトラゾリウムを含有させた場合、取り扱いに注意する必要があり安全性の面で問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−23798号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、前記問題を解決可能な新たなアルコールの分析方法の提供である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の分析方法は、検体中のアルコールをアルコールオキシダーゼにより酸化して過酸化水素を生成させ、
酸化により発色する発色基質の存在下、前記過酸化水素をペルオキシダーゼで還元することによって、前記発色基質を還元型から酸化型に変換し、
前記発色基質の発色程度からアルコールを定性分析もしくは定量分析する方法であって、
還元型グルタチオン(以下、「GSH」)により前記酸化型の発色基質を還元して、発色程度を調整することを特徴とする。
【0008】
本発明者らは、前述のような従来使用されている安全性の低い発色基質に代えて、人体に無害の発色基質である2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS)等を使用したアルコールの分析方法の確立を試みた。しかしながら、このような基質は、発色感度や発色強度が非常に高いため、低濃度(例えば、1mM以下)のアルコールであっても強い発色を示し、目視や吸光度測定等、色の濃淡でアルコール濃度を判断することは困難であった。このため、発色はするものの、検体中のアルコールが一定濃度以上であるのか、それ未満であるのか、また、実際にどの程度のアルコール濃度であるのかを判断すること出来なかった。特に、アルコールを摂取してから1時間後の血中アルコール濃度は、コップ1杯のビール(250ml程度)の場合3mM程度であり、1合の清酒の場合10mMである。しかし、前述のような飲酒運転の取締り等において、前記ABTSを用いてアルコール検査を行うと、10mM以上のアルコール濃度に対してはもちろんのこと、1mM程度の低濃度であっても同様に完全に発色してしまう。このため、前記ABTSをアルコール検査に適用することが不可能であった。また、唾液検体の希釈等は、手間がかかり測定精度にも問題があった。そこで、本発明者らはさらに鋭意研究を重ねた結果、GSHを用いた酸化還元系を付加することによって、感度が極めて高く、人体に安全な発色基質を用いて、アルコールの定性分析もしくは定量分析が可能になることを見出した。
【0009】
このように、GSHによれば、過酸化水素との酸化反応(発色反応)により発色した発色基質を、酸化型から還元型に再度変換できるため、前述のように発色強度や発色感度が高い基質であっても、その発色程度を調整することができる。つまり、このような方法で発色程度を調整することにより、従来であれば、強い発色が観察されたアルコール濃度においても、発色の抑制や、発色の消失を実現できるため、所望のアルコール濃度で発色させることが可能になるのである。このため、所望のアルコール濃度(例えば、20mM以上)で発色するように調整すれば、例えば、前述のような飲酒運転取り締まりにおけるアルコール検査等にも適用でき、この他にも、例えば、生化学的実験や臨床検査等にも適用できる。なお、本発明の分析方法によれば、アルコールが一定濃度以上であるか否かだけでなく、どの程度のアルコール濃度であるかを定量分析することも可能である。
【0010】
つぎに、本発明の分析試薬は、少なくとも、酸化により発色する発色基質、GSH、アルコールオキシダーゼおよびペルオキシダーゼを含むことを特徴とし、このような分析試薬は、前記本発明の分析方法に使用することができる。また、この分析試薬を保持させた多孔質材は、分析用具として使用でき、迅速かつ簡便なアルコール分析が可能になるため、前述のような様々な分野におけるアルコールの定性分析もしくは定量分析に有用である。
【0011】
【発明の実施の形態】
前述のように、本発明の分析方法は、検体中のアルコールをアルコールオキシダーゼにより酸化して過酸化水素を生成させ、
酸化により発色する発色基質の存在下、前記過酸化水素をペルオキシダーゼで還元することによって、前記発色基質を還元型から酸化型に変換し、
前記発色基質の発色程度からアルコールを定性分析もしくは定量分析する方法であって、
GSHにより前記酸化型の発色基質を還元して、発色程度を調整することを特徴とする。
【0012】
本発明の分析方法においては、前述のように、GSHによって前記発色基質が酸化型から還元型に変換されるため、例えば、前記GSHの量を調整することによって発色程度を制御できる。
【0013】
前記発色基質としては、可逆的に酸化型と還元型に変換されるものであれば特に制限されないが、例えば、2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS)、3,3'-5,5'-テトラメチルベンジジン(3,3'-5,5'-Tetramethylbenzidine:TMB)、3,3'-ジアミノベンジジン(3,3'-Diaminobenzidine:DAB)、3-アミノ-9-エチルカルバゾール(3-Amino-9- ethylcarbazole:AEC)、o-フェニレンジアミンジヒドロクロリド(o-phenylendiamine dihydrochloride:OPD)、グアイアコール(Guaiacol)、ピロガロール(Pyrogallol)、これらの誘導体等の基質があげられ、この中でも好ましくは、ABTS、TMB、DAB、AEC、OPDである。この中でも、特にABTSは、酸化型で緑青色、還元型で無色であり、人体にも影響がなく発色感度に優れることから、発色程度を調整できる本発明の分析方法に適用することが好ましい。
【0014】
本発明は、前述のようにGSHを用いて発色程度を調整するだけでなく、例えば、さらに以下のような工程を併用することによって発色程度を抑制することもできる。つまり、酸化型の前記発色基質を還元することによって生成した酸化型グルタチオン(以下、「GSSG」という)を、還元型補酵素の存在下、グルタチオンレダクターゼにより還元し、そのGSHで、残存する酸化型の発色基質をさらに還元することによって、発色程度を調整することが好ましい。
【0015】
このような工程をさらに有していれば、前記発色基質を酸化型から還元型に変換することによって、GSHから変換されたGSSGを、還元型補酵素によって還元型に再度戻すことができる。このため、還元型に戻ったグルタチオン(GSH)は、残存する酸化型の発色基質をさらに還元して、非発色の還元型に変換できるのである。そうすると、酸化型の発色基質の量をさらに低減させて、発色を抑制することが出来る。つまり、GSSGとGSHとの変換サイクルが構築されるため、前記サイクル数に応じて、より一層発色程度を低減できるのである。
【0016】
このような方法は、例えば、前記還元型補酵素の量を調整することによって、前記発色程度を調整することができる。
【0017】
前記還元型補酵素としては、例えば、NADPH(NADPH+H+)やNADH等の補酵素があげられ、この中でも好ましくは、NADPHである。
【0018】
本発明は、前述のようにGSHおよび還元型補酵素による発色程度の調整に加えて、例えば、GSHへの変換によって生成した酸化型補酵素を、電子供与体の存在下、酸化還元酵素により還元する工程を併用することによって、発色程度をさらに減少させることもできる。この場合、例えば、前記電子供与体の量を調整することによって前記発色程度を調整できる。
【0019】
さらにこのような工程を有していれば、GSSGをGSHに変換することによって生成した酸化型補酵素を、前記電子供与体によって還元型に再度戻すことができる。このため、還元型に戻った補酵素は、残存するGSSGをさらに還元して、GSHを生成する。そうすると、このGSHによって、前述と同様に酸化型の発色基質の還元反応が生じるのである。つまり、酸化型補酵素と還元型補酵素の変換サイクル、およびGSSGとGSHの変換サイクルがそれぞれ構築され、これらの一連の連鎖反応によって、より一層発色程度を低減できるのである。
【0020】
前記電子供与体としては、例えば、グルコース6リン酸(G6P)、イソクエン酸、リンゴ酸、6−ホスホグルコン酸、L−キシリトール、L−グロン酸、L−グロノ-γ−ラクトン、アルジトールおよびグリセロール等があげられ、この中でも好ましくはG6P、イソクエン酸、リンゴ酸であり、より好ましくはG6Pである。
【0021】
前記酸化還元酵素としては、例えば、G6P脱水素酵素、イソクエン酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、6−ホスホグルコン酸脱水素酵素、L−キシロース還元酵素、グルクロン酸還元酵素、グルクロノラクトン還元酵素、アルドース還元酵素およびグリセロール脱水素酵素からなる群から選択された少なくとも一つの酵素が好ましく、より好ましくはG6P脱水素酵素、イソクエン酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素であり、特に好ましくはG6P脱水素酵素である。
【0022】
このような分析方法を適用する検体としては、特に制限されないが、例えば、唾液、血液、尿、アルコール溶液等の液状検体があげられる。また、気体中のアルコールを分析する場合には、例えば、適当な溶媒に前記気体を溶存させて、その溶液を検体とすることが好ましく、固体中のアルコールを分析する場合には、適当な溶媒に前記固体を浸漬してアルコールを抽出した抽出液を検体とすることが好ましい。この中でも、唾液や尿、アルコール溶液を検体とすることが好ましい。このような方法によれば、簡便かつ迅速にアルコールを定性的または定量的に分析できるため、例えば、飲酒運転の取締り等におけるアルコール分析に有用である。
【0023】
本発明の分析方法は、例えば、各種酵素の安定性や至適pH等の点から、pH6.0〜8.0の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは6.5〜7.6であり、特に好ましくは7.0〜7.5である。また、反応温度は、例えば、15〜35℃の範囲が好ましく、より好ましくは20〜35℃であり、特に好ましくは25〜30℃である。
【0024】
次に、本発明の分析方法における反応メカニズムの一例を、図1に具体的に示し、同図を用いて説明する。
【0025】
まず、酸素存在下、検体中のアルコールをアルコールオキシダーゼにより酸化して、過酸化水素およびアルデヒドを生成させる。そして、発色基質ABTSの存在下、前記過酸化水素をペルオキシダーゼで還元することによって、前記発色基質ABTSを、無色の還元型(ABTSRED)から緑青色の酸化型(ABTSOX)に変換する。さらに、この酸化型ABTSは、GSHによって、非酵素的に還元型ABTSに変換され無色に戻り、一方、前記GSHはGSSGに変換される。まず、この段階において、前記GSHによって前記酸化型ABTSが減少し、第1段階の発色制御が行われる。
【0026】
つぎに、前記GSSHを、還元型補酵素NADPH+H+の存在下、グルタチオンレダクターゼにより還元する。この反応によって、GSSGはGSHに再度変換され、前記NADPHは、酸化型のNADP+となる。このため、再度の変換により生成したGSHは、前記第1段階の発色制御、すなわち、酸化型ABTSの還元に使用されるため、さらに第2段階の発色制御が行われる。
【0027】
さらに、前記NADP+を、電子供与体G6Pの存在下、G6P脱水素酵素により還元する。この反応によって、NADP+はNADPHに再度変換され、前記G6Pは、酸化型の6-ホスホグルコン酸となる。このため、再度生成された還元型NADPHは、前記第2段階の発色制御、すなわち、GSSGの還元に使用され、これによって第1段階における酸化型ABTSの還元が促進されるため、さらに第3段階目の発色制御が行われることとなる。このような発色の制御によって、ある一定のアルコール濃度に満たない場合は、発色しないように調整することが可能である。
【0028】
本発明の分析方法において、前記発色程度の制御は、例えば、前記第1段階の発色制御を行うのみでもよいし、前記第1および第2段階の発色制御を行うのみでもよい。制御の程度は、例えば、検出したいアルコール濃度や、検体量等に応じて適宜決定することができる。
【0029】
以上のように、各段階において発色を制御する場合、例えば、検出したいアルコール濃度に応じて、各成分の割合を決定することが好ましい。割合を変化させる成分としては、例えば、GSH、還元型補酵素、電子供与体があげられ、この中でも、最終段階の電子供与体の割合を変化させることが好ましい。このように各成分の量を変化させれば、例えば、発色により検出できるアルコールの最低濃度を設定することができる。つまり、所定のアルコール濃度の場合に、はじめて発色が見られるようにすることが可能となり、このため、一定のアルコール濃度であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0030】
このような方法によって、例えば、5〜50mMのアルコール濃度を定性的または定量的に検出することが可能になる。
【0031】
本発明の分析方法は、例えば、液系の分析系、ドライ系の分析系のいずれで行ってもよい。前記液系の分析系の場合は、例えば、後述する本発明の分析試薬を溶解した液体と、唾液等の検体とを混合し、その発色を目視で観察したり、吸光度を測定すること等によって、アルコール濃度を判定できる。また、前記ドライ系の分析系の場合は、例えば、多孔質材に前記分析試薬を保持させ、これに液体の検体を添加し、前記液系と同様に目視や吸光度測定によって濃度を判定できる。ドライ系の場合には、例えば、後述する本発明の分析用具等が使用できる。これらの方法については、具体的に、以下の分析試薬や分析用具において説明する。
【0032】
つぎに、本発明の分析方法に使用する分析試薬は、前述のように、少なくとも、酸化により発色する発色基質、GSH、アルコールオキシダーゼおよびペルオキシダーゼを含む。この分析試薬は、例えば、各構成成分が全て混合された試薬でもよいし、反応時に混合する試薬であってもよい。また、液体試薬であってもよいし、粉末状試薬であってもよい。液体試薬の場合は、例えば、これに検体を添加し、発色を確認することでアルコールの分析を行うことができる。また、粉末状試薬の場合は、例えば、使用時に適当な溶媒に溶解してから、検体を添加することもできるし、直接、液状検体を添加してもよい。なお、前記発色基質としては、前述と同様のものが使用できる。
【0033】
また、本発明の分析試薬は、さらに、還元型補酵素およびグルタチオンレダクターゼを含むことが好ましく、前記還元型補酵素としては、前述と同様のものがあげられる。
【0034】
また、本発明の分析試薬は、さらに、電子供与体、および前記電子供与体を酸化して、前記酸化型補酵素を還元する酵素(前記「酸化還元酵素」と同じ)を含むことが好ましく、前記電子供与体としては、前述と同様のものがあげられる。また、前記酸化還元酵素としては、前述と同様にG6P脱水素酵素等が使用できる。
【0035】
前記分析試薬が液状の場合、例えば、前記各構成成分を適当な溶媒に溶解していることが好ましい。前記溶媒としては、例えば、緩衝液、水等があげられるが、酵素の安定性や至適pH等の点から、緩衝液であることが好ましい。前記緩衝液としては、例えば、ナトリウム-リン酸緩衝液、カリウム-リン酸緩衝液、HEPES緩衝液、トリスヒドロキシメチルアミノメタン緩衝液等があげられ、この中でも好ましくはナトリウム-リン酸緩衝液、カリウム−リン酸緩衝液等である。また、前記緩衝液のpHは、例えば、6.5〜8.0の範囲が好ましく、より好ましくは6.5〜7.6であり、特に好ましくは7.0〜7.5である。
【0036】
また、本発明の分析試薬が粉末状の場合は、例えば、前記構成成分を前述のような溶媒に溶解した後、この溶解液を凍結乾燥すること等によって調製できる。
【0037】
つぎに、本発明の分析用具は、多孔質材に、前記本発明の分析試薬が保持されている。このような分析用具は、例えば、前記本発明の分析試薬を、後述するような適当な溶媒に溶解・分散し、その試薬液に前記多孔質材を浸漬した後、これを乾燥することによって作製できる。
【0038】
前記多孔質材としては、例えば、検体が展開・保持されるものであればよい。具体的には、ろ紙や、樹脂製シート等があげられ、前記樹脂としては、例えば、例えば、ポリエステル、ポリスルホン、ポリカーボネート、セルロースアセテート等、従来公知の材料があげられる。また、その大きさも特に制限されず、使用目的に応じて適宜決定できる。
【0039】
前記分析用具において、前記分析試薬の含有量は、例えば、使用する多孔質材の種類、検出したいアルコール濃度等に応じて適宜決定できる。具体的には、前記アルコール濃度が20mMの場合(つまり、前記20mM以上の場合のみ発色)、前記多孔質材1cm3あたり、前記発色基質0.2〜3.0μmol、GSH0.2〜1.5μmol、アルコールオキシダーゼ30〜250U、およびPOD50〜300Uの範囲であることが好ましく、前記発色基質0.3〜1.8μmol、GSH0.4〜1.2μmol、アルコールオキシダーゼ80〜250U、およびPOD100〜300Uの範囲であり、特に好ましくは前記発色基質0.6〜1.0μmol、GSH0.4〜0.6μmol、アルコールオキシダーゼ125〜250U、およびPOD200〜300Uの範囲である。なお、前述のような他の酵素についても同様である。
【0040】
そして、前記アルコール濃度を20mMより高く設定する場合には、例えば、GSHの含有量を増加すればよい。前記20mMより高く、例えば、30mMに設定する場合、前記条件のままでは20mMの検体についても発色が生じてしまう。しかし、前記GSH含有量を増加させれば、前記発色基質を酸化型からさらに還元型に変換できるため、20mMのアルコール濃度であっても発色がみられないようになり、それより高い30mMのアルコール濃度の場合に発色が生じるようになる。一方、検出するアルコール濃度を20mMより低く、例えば、10mMに設定する場合には、前記GSH含有量を減少させればよい。これによって、前記発色基質の酸化型から還元型への変換を抑制できるため、より低い濃度でも発色がみられるようになる。
【0041】
分析用具に供給する検体量は、特に制限されないが、例えば、分析用具1cm3あたり0.5〜1.0mlの範囲が好ましく、より好ましくは0.6〜0.8mlであり、特に好ましくは0.6mlである。
【0042】
また、前記分析用具は、さらに、還元型補酵素およびグルタチオンレダクターゼを含有してもよい。これらを含有することによって、例えば、生成したGSSGが再度還元型に変換されるため、さらに効率よく発色基質の発色を制御することができる。
【0043】
検出したいアルコール濃度が20mMの場合(つまり、前記20mM以上の場合のみ発色)、多孔質材1cm3あたり、前記還元型補酵素10〜20μmol、グルタチオンレダクターゼ30〜250Uであることが好ましく、前記還元型補酵素12〜18μmol、グルタチオンレダクターゼ80〜250Uであり、特に好ましくは前記還元型補酵素12〜14μmol、グルタチオンレダクターゼ120〜250Uの範囲である。
【0044】
また、さらに電子供与体およびG6P脱水素酵素等の酵素を含有してもよい。これらを含有することによって、例えば、生成した酸化型補酵素が再度還元型に変換されるため、さらに効率よく発色基質の発色を制御できる。
【0045】
検出したいアルコール濃度が20mMの場合(つまり、前記20mM以上の場合のみ発色)、多孔質材1cm3あたり、前記電子供与体12〜18μmol、G6P脱水素酵素40〜200Uであることが好ましく、前記電子供与体12〜16μmol、G6P脱水素酵素60〜200Uであり、特に好ましくは前記電子供与体12〜14μmol、G6P脱水素酵素80〜200Uの範囲である。なお、前述のような他の酵素についても同様である。また、アルコール濃度が30mMの場合、多孔質材1cm3あたり、前記電子供与体は18〜27μmolであることが好ましく、より好ましくは前記電子供与体18〜22μmolであり、特に好ましくは前記電子供与体18〜20μmolの範囲である。アルコール濃度が40mMの場合、多孔質材1cm3あたり、前記電子供与体は24〜36μmolであることが好ましく、より好ましくは前記電子供与体24〜28μmolであり、特に好ましくは前記電子供与体24〜26μmolの範囲である。
【0046】
この分析用具は、前述のように、例えば、前記本発明の分析試薬を、前述のような適当な溶媒に溶解し、その試薬溶液に前記多孔質材を浸漬した後、これを乾燥することによって作製できる。前記試薬溶液における前記分析試薬の濃度は、特に制限されないが、例えば、前記発色基質1〜5mmol/L、GSH0.5〜50mmol/L、アルコールオキシダーゼ50〜200U/mL、およびPOD80〜350U/mLの範囲であり、特に好ましくは前記発色基質1〜2mmol/L、GSH0.5〜30mmol/L、アルコールオキシダーゼ100〜200U/mL、およびPOD170〜350U/mLの範囲である。また、前記溶媒としては、前述のような緩衝液が好ましく、その濃度は、例えば、10〜200mMの範囲であり、好ましくは20〜200mMであり、特に好ましくは50〜100mMである。
【0047】
また、さらに前記還元型補酵素およびグルタチオンレダクターゼを含有する場合は、前記試薬溶液における濃度は、前記還元型補酵素0.5〜50mmol/L、グルタチオンレダクターゼ20〜200U/mLであることが好ましく、前記還元型補酵素0.5〜40mmol/L、グルタチオンレダクターゼ40〜200U/mLであり、特に好ましくは前記還元型補酵素0.5〜30mmol/L、グルタチオンレダクターゼ50〜200U/mLの範囲である。
【0048】
また、さらに前記電子供与体および前記G6P脱水素酵素を含有する場合、前記試薬溶液における濃度は、前記電子供与体0.5〜50mol/L、G6P脱水素酵素40〜250U/Lであることが好ましく、前記電子供与体0.5〜40mol/L、G6P脱水素酵素42〜250U/Lであり、特に好ましくは前記電子供与体0.5〜30mol/L、G6P脱水素酵素40〜250U/Lの範囲である。なお、前述のような他の酵素についても同様である。
【0049】
また、本発明の分析用具においては、前述のように多孔質材に保持された酵素をより一層安定に維持できることから、例えば、さらに、ポリエチレングリコール(PEG)#300、PEG#400、PEG#600、PEG#1000、PEG#1500、PEG#2000、PEG#4000、PEG#6000、PEG#20000等のPEGを安定化剤として保持させることが好ましく、より好ましくはPEG#4000、PEG#6000であり、特に好ましくはPEG#6000である。このように安定化剤を保持させる場合、前記多孔質材1cm3あたり、安定化剤6〜90mgであることが好ましく、より好ましくは前記安定化剤12〜72mgであり、特に好ましくは前記安定化剤20〜45mgの範囲である。また、前記多孔質材を浸漬する前記試薬溶液における前記安定化剤の量は、例えば、1〜10%(w/v)であることが好ましく、より好ましくは2〜8%(w/v)であり、特に好ましくは2〜5%(w/v)の範囲である。
【0050】
前述のような安定化剤の中でも、例えば、PEG#6000(平均分子量7300-9000)を2重量%〜5重量%含有する試薬溶液に、ろ紙を浸した後、真空下で乾燥(2時間)して分析用具を作製した場合、全く酵素活性の低下は認められなかった。また、さらに4℃で2日間保存した後においても、酵素活性の低下は認められなかった。
【0051】
前記分析試薬の構成成分については、溶解順序は限定されない。また、前記乾燥の方法は、例えば、酵素活性等が失活しなければ特に制限されず、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、凍結乾燥、真空下での乾燥、窒素気流下での乾燥等の方法があげられる。
【0052】
このような分析用具は、例えば、以下のようにして使用できる。前記分析用具に、前述のような検体を滴下して、前記検体中のアルコールと、保持させた前記本発明の分析試薬とを反応させる。そして、前記発色基質による発色を目視で確認することによって、アルコールを分析できる。また、前記発色基質の発色について吸光度や反射率等を測定すること等によっても、アルコールを分析できる。具体的には、例えば、発色するアルコール濃度を20mM以上に設定している場合、発色が見られれば、前記検体はアルコール濃度が20mM以上であると判定できる。また、発色するアルコール濃度を、例えば、30mM、40mM等に設定した分析用具をさらに準備しておけば、同じ検体を各分析用具に供することによって、濃度が20mM以上であることだけでなく、30mMまたは40mM以上であるか否かも判定することができる。つまり、分析濃度を20mM以上に設定している分析用具において発色がみられず、30mM以上に設定した分析用具において発色が見られた場合は、検体のアルコール濃度は30mM程度であると判断できる。このように、本発明によれば、各種濃度に設定した分析用具を準備することによってアルコール濃度を定量的に分析すること可能になる。
【0053】
なお、本発明の分析方法は、例えば、このように全ての試薬を保持する分析用具を使用することによって行うことができるが、例えば、反応初期に必要なアルコールオキシダーゼ以外を保持させた多孔質材に、別途、検体とアルコールオキシダーゼとを添加することによって、反応を開始してもよい。
【0054】
【実施例】
(実施例1)
GSHレダクターゼ(250U)、アルコールオキシダーゼ(500U)、POD(5.0mg:800U)およびG6Pデヒドロゲナーゼ(500U)を、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(KPB:pH7.4)1mlに溶解して、酵素溶液を調製した。なお、前記各種酵素としては、Pichia pastoris 由来アルコールオキシダーゼ(Sigma 社製)、GSHレダクターゼ(Sigma 社製)、horse radish由来POD(Roche 社製)およびbacker's yeast 由来G6Pデヒドロゲナーゼ(Roche 社製)を使用した(以下、同じ)。
【0055】
蒸留水に10mMとなるようにNADPを溶解し、さらに10mMとなるようにGSHを溶解して、NADP/GSH溶液を調製した(以下、同じ)。また、ABTS(和光純薬社製)を蒸留水に100mMとなるように溶解してABTS溶液を調製した。
【0056】
つぎに、下記組成となるように、250mM G6P溶液、水、前記酵素溶液、NADP/GSH溶液、およびABTS溶液を混合して、5種類の浸漬溶液(No.1〜5)を調製した。なお、前記浸漬溶液におけるG6Pの終濃度を併せて示す。
【0057】
【0058】
そして、前記各種浸漬溶液150μlに1.0cm×10.0cmのろ紙をそれぞれ浸漬し、2時間真空下で乾燥を行い、これをアルコール分析用具(No.1〜5)とした。前記分析用具を1.0cm×1.0cmの大きさに切断し、これらの切片に、所定濃度(0、10、20、30、40mM)のエタノール溶液15μlを添加し、その発色を確認した。これらの結果を図2に示す。なお、No.1が比較例の分析用具であって、No.2〜No.5が実施例の分析用具である。
【0059】
図示のように、G6P無添加のNo.1の分析用具(比較例)によると、全てのアルコール濃度において発色がみられ、一定以上のアルコール濃度であるか否かが判断できなかった。これに対して、No.2〜No.5の実施例の分析用具については、保持させるG6P濃度を変化させることによって、ABTSの発色程度を制御することができた。具体的には、G6P濃度が15mMの場合、10mMエタノールについての発色が見られず、G6P濃度が25mMの場合、10mMおよび20mMエタノールについての発色が見られず、G6P濃度が35mMの場合、10mM、20mMおよび30mMエタノールについての発色が見られなかった。このため、G6P濃度15mMの分析用具により、エタノール濃度20mM以上の検体を検出することができ、G6P濃度25mMの分析用具からは30mM以上、G6P濃度35mMの分析用具からは40mM以上の検体を検出することができた。以上の結果から、このようにG6P濃度を変化させれば、検体中に一定量以上のアルコールが存在するか否か、また、どの程度のアルコール濃度であるかを定量的に判断できることがわかる。なお、No.1の分析用具(比較例)の場合、アルコール濃度が0mMであっても発色がみられているが、これは前記ABTS溶液が空気酸化により薄い青色を呈することが原因であり、G6P非存在であることからもそのまま発色しているためと考えられる。しかし、本発明の分析用具については、図1の結果からもわかるように、このようなABTSの空気酸化による測定への影響はないと解される。
【0060】
【発明の効果】
このように、本発明のアルコール分析方法によれば、GSHの存在下で反応を行うことによって、発色基質の発色程度を調整できるため、例えば、従来では、発色が強く色の濃淡によってアルコール濃度を判断できない検体であっても、十分にアルコール濃度の判断が可能になる。このような方法は、例えば、一定以上のアルコール濃度であるか否かの判断を必要とする、飲酒運転の取締りにおけるアルコール分析に有用である。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分析方法の一実施形態を示す概略図である。
【図2】 本発明の一実施例において、G6P濃度とエタノール濃度を変化させた場合の発色変化の結果を示す写真である。[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a method for qualitative analysis or quantitative analysis of alcohol in a specimen.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, blood alcohol concentration has been measured for driver's drunk driving control. As a method for measuring the alcohol concentration, for example, exhalation is collected in a balloon or the like, and a predetermined amount of exhalation is passed through a column filled with a support containing an oxidizing agent, and measured by a color change of the oxidizing agent. There is a way to do it. The alcohol concentration in the blood can be estimated from the alcohol concentration in the breath. However, such a method has a problem that it takes time and cost.
[0003]
In response to the above problem, a test paper in which a coloring material and an enzyme are contained in a porous material has been developed (for example, see Patent Document 1). According to such a test paper, since the color development is observed by the reaction between the alcohol in the saliva and the coloring dye just by spotting the saliva on the test paper, the cost is very low, The alcohol can be easily detected. The blood alcohol concentration can be estimated from the alcohol concentration in the saliva. However, nitro blue tetrazolium used as a coloring substrate is harmful to the human body, and it is said that, for example, inhalation or percutaneous absorption stimulates respiratory organs, skin, eyes and the like. Therefore, when nitro blue tetrazolium is contained in the test paper as described above, it is necessary to pay attention to handling, which is problematic in terms of safety.
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Unexamined Patent Publication No. 7-23798
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
[0006]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a new alcohol analysis method capable of solving the above problems.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the analysis method of the present invention oxidizes alcohol in a specimen with alcohol oxidase to generate hydrogen peroxide,
In the presence of a chromogenic substrate that develops color by oxidation, the hydrogen peroxide is reduced with peroxidase to convert the chromogenic substrate from a reduced form to an oxidized form,
A method for qualitative analysis or quantitative analysis of alcohol from the degree of color development of the chromogenic substrate,
The oxidized chromogenic substrate is reduced with reduced glutathione (hereinafter “GSH”) to adjust the degree of color development.
[0008]
The present inventors have replaced 2,2′-azino-bis (3-ethylbenzothiazoline-6- An attempt was made to establish an alcohol analysis method using sulfonic acid (ABTS) or the like. However, such a substrate has a very high color development sensitivity and color development intensity, so that even a low concentration (for example, 1 mM or less) of alcohol shows strong color development. It was difficult to judge. For this reason, although color was developed, it was not possible to determine whether the alcohol in the sample was above a certain concentration or less than that, and how much the alcohol concentration was actually. In particular, the blood alcohol concentration one hour after ingesting alcohol is about 3 mM for a glass of beer (about 250 ml), and 10 mM for one sake. However, in the control of drunk driving as described above, when the alcohol test is performed using the ABTS, not only the alcohol concentration of 10 mM or more, but even a low concentration of about 1 mM is completely completely the same. Color develops. For this reason, it has been impossible to apply the ABTS to alcohol testing. In addition, dilution of the saliva sample is troublesome and has a problem in measurement accuracy. Therefore, as a result of further earnest research, the present inventors have added a redox system using GSH, so that qualitative analysis or quantitative analysis of alcohol using a chromogenic substrate that has extremely high sensitivity and is safe for the human body. Found that it would be possible.
[0009]
As described above, according to GSH, a chromogenic substrate colored by an oxidation reaction (coloring reaction) with hydrogen peroxide can be converted again from an oxidized form to a reduced form. Even so, the degree of color development can be adjusted. In other words, by adjusting the degree of color development in this way, it is possible to suppress color development and eliminate color development even at alcohol concentrations where strong color development has been observed in the past. It becomes possible to make it. For this reason, if it adjusts so that it may color at a desired alcohol concentration (for example, 20 mM or more), it can apply also to the alcohol test etc. in the drunk driving control as mentioned above, for example. It can be applied to experiments and clinical tests. According to the analysis method of the present invention, it is possible to quantitatively analyze not only whether or not the alcohol has a certain concentration or more, but also what level of alcohol is.
[0010]
Next, the analysis reagent of the present invention is characterized in that it contains at least a chromogenic substrate that develops color by oxidation, GSH, alcohol oxidase and peroxidase, and such an analysis reagent can be used in the analysis method of the present invention. it can. In addition, since the porous material holding the analysis reagent can be used as an analytical tool and enables quick and simple alcohol analysis, it is useful for qualitative analysis or quantitative analysis of alcohol in various fields as described above. is there.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As described above, the analysis method of the present invention generates hydrogen peroxide by oxidizing alcohol in a specimen with alcohol oxidase,
In the presence of a chromogenic substrate that develops color by oxidation, the hydrogen peroxide is reduced with peroxidase to convert the chromogenic substrate from a reduced form to an oxidized form,
A method for qualitative analysis or quantitative analysis of alcohol from the degree of color development of the chromogenic substrate,
The oxidized color developing substrate is reduced by GSH to adjust the degree of color development.
[0012]
In the analysis method of the present invention, as described above, since the chromogenic substrate is converted from an oxidized form to a reduced form by GSH, for example, the degree of color development can be controlled by adjusting the amount of GSH.
[0013]
The chromogenic substrate is not particularly limited as long as it is reversibly converted into an oxidized form and a reduced form. For example, 2,2′-azino-bis (3-ethylbenzothiazoline-6-sulfonic acid) ( ABTS), 3,3'-5,5'-tetramethylbenzidine (TMB), 3,3'-diaminobenzidine (DAB), Such as 3-amino-9-ethylcarbazole (AEC), o-phenylendiamine dihydrochloride (OPD), guaiacol, pyrogallol, and their derivatives. Among them, ABTS, TMB, DAB, AEC, OPD are preferable among them. Among these, ABTS is particularly preferably applied to the analysis method of the present invention in which the degree of color development can be adjusted because ABTS is oxidized and green-blue, reduced and colorless and has no influence on the human body and excellent color development sensitivity.
[0014]
In the present invention, not only the color development degree is adjusted using GSH as described above, but also the color development degree can be suppressed by further using, for example, the following steps. That is, oxidized glutathione (hereinafter referred to as “GSSG”) generated by reducing the oxidized chromogenic substrate is reduced by glutathione reductase in the presence of the reduced coenzyme, and the remaining oxidized form is obtained with the GSH. It is preferable to adjust the degree of color development by further reducing the chromogenic substrate.
[0015]
If such a process is further provided, by converting the chromogenic substrate from an oxidized form to a reduced form, GSSG converted from GSH can be returned again to the reduced form by a reduced coenzyme. For this reason, glutathione (GSH) that has returned to the reduced form can further reduce the remaining oxidized chromogenic substrate and convert it into a non-chromic reduced form. Then, the amount of oxidized chromogenic substrate can be further reduced to suppress color development. That is, since a conversion cycle of GSSG and GSH is established, the degree of color development can be further reduced according to the number of cycles.
[0016]
In such a method, for example, the color development degree can be adjusted by adjusting the amount of the reduced coenzyme.
[0017]
Examples of the reduced coenzyme include NADPH (NADPH + H+) And NADH, among which NADPH is preferable.
[0018]
In the present invention, in addition to adjusting the degree of color development by GSH and reduced coenzyme as described above, for example, oxidized coenzyme generated by conversion to GSH is reduced by oxidoreductase in the presence of an electron donor. By combining the steps to be performed, the degree of color development can be further reduced. In this case, for example, the degree of color development can be adjusted by adjusting the amount of the electron donor.
[0019]
Furthermore, if it has such a process, the oxidized coenzyme produced | generated by converting GSSG into GSH can be returned again to a reduced form with the said electron donor. For this reason, the coenzyme that has returned to the reduced form further reduces the remaining GSSG to produce GSH. Then, this GSH causes a reduction reaction of the oxidized chromogenic substrate as described above. That is, a conversion cycle of oxidized coenzyme and reduced coenzyme and a conversion cycle of GSSG and GSH are respectively constructed, and the series of chain reactions can further reduce the degree of color development.
[0020]
Examples of the electron donor include glucose 6-phosphate (G6P), isocitric acid, malic acid, 6-phosphogluconic acid, L-xylitol, L-gulonic acid, L-gulono-γ-lactone, alditol and glycerol. Among these, G6P, isocitric acid and malic acid are preferable, and G6P is more preferable.
[0021]
Examples of the oxidoreductase include G6P dehydrogenase, isocitrate dehydrogenase, malate dehydrogenase, 6-phosphogluconate dehydrogenase, L-xylose reductase, glucuronate reductase, glucuronolactone reductase. At least one enzyme selected from the group consisting of an enzyme, aldose reductase and glycerol dehydrogenase is preferred, more preferably G6P dehydrogenase, isocitrate dehydrogenase, malate dehydrogenase, and particularly preferably G6P. It is a dehydrogenase.
[0022]
The sample to which such an analysis method is applied is not particularly limited, and examples thereof include liquid samples such as saliva, blood, urine, and alcohol solutions. When analyzing alcohol in a gas, for example, it is preferable to dissolve the gas in an appropriate solvent and use the solution as a specimen. When analyzing alcohol in a solid, an appropriate solvent is preferable. It is preferable to use an extract obtained by immersing the solid in the sample and extracting alcohol. Among these, it is preferable to use saliva, urine, or an alcohol solution as a specimen. According to such a method, alcohol can be qualitatively or quantitatively analyzed easily and quickly, and thus, for example, it is useful for alcohol analysis in the control of drunk driving.
[0023]
The analysis method of the present invention is preferably carried out in the range of pH 6.0 to 8.0, more preferably 6.5 to 7.6, for example, from the viewpoint of the stability of various enzymes and the optimum pH. Especially preferably, it is 7.0-7.5. The reaction temperature is preferably in the range of 15 to 35 ° C, more preferably 20 to 35 ° C, and particularly preferably 25 to 30 ° C.
[0024]
Next, an example of the reaction mechanism in the analysis method of the present invention is specifically shown in FIG. 1 and described with reference to FIG.
[0025]
First, in the presence of oxygen, alcohol in the specimen is oxidized with alcohol oxidase to generate hydrogen peroxide and aldehyde. Then, by reducing the hydrogen peroxide with peroxidase in the presence of the chromogenic substrate ABTS, the chromogenic substrate ABTS is converted into a colorless reduced form (ABTS).RED) To green-blue oxidized form (ABTSOX). Furthermore, this oxidized ABTS is converted non-enzymatically to reduced ABTS by GSH and returns to colorless, while the GSH is converted to GSSG. First, at this stage, the oxidized ABTS is reduced by the GSH, and the color development control in the first stage is performed.
[0026]
Next, the GSSH is converted into a reduced coenzyme NADPH + H.+In the presence of glutathione reductase. By this reaction, GSSG is converted back to GSH, and the NADPH is converted to oxidized NADP.+It becomes. For this reason, GSH generated by the second conversion is used for the first-stage color development control, that is, the reduction of oxidized ABTS, so that the second-stage color development control is further performed.
[0027]
Furthermore, the NADP+Is reduced by G6P dehydrogenase in the presence of the electron donor G6P. By this reaction, NADP+Is converted back to NADPH, and G6P becomes oxidized 6-phosphogluconic acid. For this reason, the reduced NADPH generated again is used for color development control in the second stage, that is, reduction of GSSG. This promotes reduction of oxidized ABTS in the first stage. Eye color control is performed. By controlling the color development as described above, it is possible to adjust so as not to develop color when the alcohol concentration is lower than a certain level.
[0028]
In the analysis method of the present invention, the control of the degree of color development may be, for example, only the first stage color control or the first and second stage color control. The degree of control can be appropriately determined according to, for example, the alcohol concentration to be detected, the sample amount, and the like.
[0029]
As described above, when color development is controlled at each stage, it is preferable to determine the ratio of each component, for example, according to the alcohol concentration to be detected. Examples of the component for changing the ratio include GSH, reduced coenzyme, and electron donor. Among these, it is preferable to change the ratio of the electron donor in the final stage. Thus, if the amount of each component is changed, for example, the minimum concentration of alcohol that can be detected by color development can be set. In other words, it is possible to allow color development to be seen for the first time at a predetermined alcohol concentration, and therefore it is possible to easily determine whether or not the alcohol concentration is constant.
[0030]
Such a method makes it possible to detect, for example, qualitatively or quantitatively an alcohol concentration of 5 to 50 mM.
[0031]
The analysis method of the present invention may be performed using, for example, either a liquid analysis system or a dry analysis system. In the case of the liquid analysis system, for example, a liquid in which the analysis reagent of the present invention described later is dissolved and a sample such as saliva are mixed, and the color development is visually observed or the absorbance is measured. The alcohol concentration can be determined. Further, in the case of the dry analysis system, for example, the analysis reagent is held in a porous material, a liquid specimen is added thereto, and the concentration can be determined by visual observation or absorbance measurement as in the liquid system. In the case of a dry system, for example, the analysis tool of the present invention described later can be used. These methods will be specifically described in the following analytical reagents and analytical tools.
[0032]
Next, as described above, the analysis reagent used in the analysis method of the present invention includes at least a chromogenic substrate that develops color by oxidation, GSH, alcohol oxidase, and peroxidase. The analysis reagent may be, for example, a reagent in which all the constituent components are mixed, or a reagent that is mixed during the reaction. Moreover, a liquid reagent may be sufficient and a powdery reagent may be sufficient. In the case of a liquid reagent, for example, an alcohol can be analyzed by adding a specimen thereto and confirming color development. In the case of a powdered reagent, for example, the sample can be added after being dissolved in a suitable solvent at the time of use, or a liquid sample can be added directly. As the chromogenic substrate, the same ones as described above can be used.
[0033]
The analytical reagent of the present invention preferably further contains a reduced coenzyme and glutathione reductase, and examples of the reduced coenzyme include those described above.
[0034]
Further, the analysis reagent of the present invention preferably further comprises an electron donor and an enzyme that oxidizes the electron donor to reduce the oxidized coenzyme (same as the “oxidoreductase”), Examples of the electron donor are the same as those described above. As the oxidoreductase, G6P dehydrogenase or the like can be used as described above.
[0035]
When the analytical reagent is in a liquid state, for example, it is preferable that each of the constituent components is dissolved in an appropriate solvent. Examples of the solvent include a buffer solution and water, and a buffer solution is preferable from the viewpoints of enzyme stability and optimum pH. Examples of the buffer include sodium-phosphate buffer, potassium-phosphate buffer, HEPES buffer, trishydroxymethylaminomethane buffer, etc. Among these, sodium-phosphate buffer, potassium are preferable. -Phosphate buffer or the like. The pH of the buffer solution is preferably in the range of 6.5 to 8.0, for example, more preferably 6.5 to 7.6, and particularly preferably 7.0 to 7.5.
[0036]
When the analytical reagent of the present invention is in the form of powder, it can be prepared, for example, by dissolving the constituent components in a solvent as described above and then lyophilizing the solution.
[0037]
Next, in the analytical tool of the present invention, the analytical reagent of the present invention is held in a porous material. Such an analytical tool is prepared, for example, by dissolving and dispersing the analytical reagent of the present invention in an appropriate solvent as described later, immersing the porous material in the reagent solution, and then drying it. it can.
[0038]
As the porous material, for example, any material can be used as long as the specimen is developed and held. Specific examples include filter paper and resin sheets. Examples of the resin include conventionally known materials such as polyester, polysulfone, polycarbonate, and cellulose acetate. Further, the size is not particularly limited and can be appropriately determined according to the purpose of use.
[0039]
In the analytical tool, the content of the analytical reagent can be appropriately determined according to, for example, the type of porous material to be used, the alcohol concentration to be detected, and the like. Specifically, when the alcohol concentration is 20 mM (that is, color is developed only when the concentration is 20 mM or more), 1 cm of the porous materialThreeThe chromogenic substrate is preferably in the range of 0.2 to 3.0 μmol, GSH 0.2 to 1.5 μmol,
[0040]
And when setting the said alcohol concentration higher than 20 mM, what is necessary is just to increase content of GSH, for example. When it is higher than 20 mM, for example, 30 mM, color development occurs even for a 20 mM sample under the above conditions. However, if the GSH content is increased, the chromogenic substrate can be further converted from the oxidized form to the reduced form, so that no color development is observed even at an alcohol concentration of 20 mM, and a higher 30 mM alcohol. Color develops in the case of density. On the other hand, when the alcohol concentration to be detected is set lower than 20 mM, for example, 10 mM, the GSH content may be decreased. Thereby, since the conversion of the chromogenic substrate from the oxidized form to the reduced form can be suppressed, color development can be seen even at a lower concentration.
[0041]
The amount of the sample supplied to the analysis tool is not particularly limited. For example, the analysis tool is 1 cm.ThreeThe range of 0.5 to 1.0 ml per unit is preferable, more preferably 0.6 to 0.8 ml, and particularly preferably 0.6 ml.
[0042]
In addition, the analytical tool may further contain a reduced coenzyme and glutathione reductase. By containing these, for example, the produced GSSG is converted back to the reduced form again, so that the color development of the chromogenic substrate can be controlled more efficiently.
[0043]
When the alcohol concentration to be detected is 20 mM (that is, color is developed only when the concentration is 20 mM or more), 1 cm of porous materialThreeThe reduced coenzyme is preferably 10 to 20 μmol and
[0044]
Furthermore, you may contain enzymes, such as an electron donor and G6P dehydrogenase. By containing these, for example, the produced oxidized coenzyme is converted back to a reduced form, so that the color development of the chromogenic substrate can be controlled more efficiently.
[0045]
When the alcohol concentration to be detected is 20 mM (that is, color is developed only when the concentration is 20 mM or more), 1 cm of porous materialThreeThe electron donor is preferably 12 to 18 μmol and
[0046]
As described above, this analytical tool is obtained by, for example, dissolving the analytical reagent of the present invention in an appropriate solvent as described above, immersing the porous material in the reagent solution, and then drying the porous material. Can be made. The concentration of the analysis reagent in the reagent solution is not particularly limited. For example, the concentration of the chromogenic substrate 1 to 5 mmol / L, GSH 0.5 to 50 mmol / L, alcohol oxidase 50 to 200 U / mL, and POD 80 to 350 U / mL. Particularly preferred are the above-mentioned chromogenic substrates 1-2 mmol / L, GSH 0.5-30 mmol / L, alcohol oxidase 100-200 U / mL, and POD 170-350 U / mL. Moreover, as said solvent, the above buffer solutions are preferable, The density | concentration is the range of 10-200 mM, for example, Preferably it is 20-200 mM, Most preferably, it is 50-100 mM.
[0047]
Further, when the reduced coenzyme and glutathione reductase are further contained, the concentration in the reagent solution is preferably 0.5 to 50 mmol / L of the reduced coenzyme and 20 to 200 U / mL of glutathione reductase, The reduced coenzyme 0.5 to 40 mmol / L and
[0048]
Further, when the electron donor and the G6P dehydrogenase are further contained, the concentration in the reagent solution is 0.5 to 50 mol / L of the electron donor and 40 to 250 U / L of the G6P dehydrogenase. The electron donor is preferably 0.5 to 40 mol / L and G6P dehydrogenase 42 to 250 U / L, and particularly preferably the electron donor 0.5 to 30 mol / L and
[0049]
Further, in the analysis tool of the present invention, the enzyme retained in the porous material can be maintained more stably as described above. For example, polyethylene glycol (PEG) # 300, PEG # 400, PEG # 600 PEG # 1000, PEG # 1500, PEG # 2000, PEG # 4000, PEG # 6000, PEG # 20000 etc. are preferably retained as stabilizers, more preferably PEG # 4000, PEG # 6000 Particularly preferred is PEG # 6000. When retaining the stabilizer in this way, the porous material 1 cmThreeThe stabilizer is preferably 6 to 90 mg, more preferably 12 to 72 mg of the stabilizer, and particularly preferably 20 to 45 mg of the stabilizer. Further, the amount of the stabilizer in the reagent solution in which the porous material is immersed is preferably, for example, 1 to 10% (w / v), more preferably 2 to 8% (w / v). And particularly preferably in the range of 2 to 5% (w / v).
[0050]
Among the stabilizers as described above, for example, a filter paper is immersed in a reagent solution containing 2% to 5% by weight of PEG # 6000 (average molecular weight 7300-9000) and then dried under vacuum (2 hours). Thus, when the analytical tool was prepared, no decrease in enzyme activity was observed. Further, even after storage at 4 ° C. for 2 days, no decrease in enzyme activity was observed.
[0051]
The order of dissolution of the components of the analysis reagent is not limited. The drying method is not particularly limited as long as the enzyme activity is not inactivated, for example, natural drying, heat drying, freeze drying, drying under vacuum, drying under a nitrogen stream, etc. Can be given.
[0052]
Such an analytical tool can be used as follows, for example. The specimen as described above is dropped onto the analytical tool to react the alcohol in the specimen with the retained analytical reagent of the present invention. The alcohol can be analyzed by visually confirming the color developed by the chromogenic substrate. The alcohol can also be analyzed by measuring the absorbance, reflectance, etc., of the color of the chromogenic substrate. Specifically, for example, in the case where the concentration of alcohol to be colored is set to 20 mM or more, if color development is seen, it can be determined that the sample has an alcohol concentration of 20 mM or more. In addition, if an analytical tool in which the concentration of alcohol to be colored is set to, for example, 30 mM, 40 mM or the like is further prepared, by providing the same specimen to each analytical tool, not only the concentration is 20 mM or more, but also 30 mM. Or it can also be determined whether it is 40 mM or more. In other words, if no color is seen in the analytical tool set at an analytical concentration of 20 mM or higher, and color is seen in the analytical tool set at 30 mM or higher, it can be determined that the alcohol concentration of the sample is about 30 mM. As described above, according to the present invention, it is possible to quantitatively analyze the alcohol concentration by preparing analysis tools set to various concentrations.
[0053]
The analysis method of the present invention can be performed, for example, by using an analytical tool that retains all the reagents as described above. For example, a porous material that retains other than the alcohol oxidase necessary at the beginning of the reaction. In addition, the reaction may be started separately by adding a specimen and alcohol oxidase.
[0054]
【Example】
(Example 1)
GSH reductase (250 U), alcohol oxidase (500 U), POD (5.0 mg: 800 U) and G6P dehydrogenase (500 U) are dissolved in 1 ml of 0.1 M potassium phosphate buffer (KPB: pH 7.4) A solution was prepared. In addition, as the various enzymes,Pichia pastoris Alcohol-derived oxidase (Sigma), GSH reductase (Sigma), horse radish-derived POD (Roche) and backer's yeast-derived G6P dehydrogenase (Roche) were used (hereinafter the same).
[0055]
NADP was dissolved in distilled water to 10 mM, and GSH was further dissolved to 10 mM to prepare a NADP / GSH solution (hereinafter the same). Further, ABTS (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was dissolved in distilled water to a concentration of 100 mM to prepare an ABTS solution.
[0056]
Next, 250 mM G6P solution, water, the enzyme solution, NADP / GSH solution, and ABTS solution were mixed so as to have the following composition to prepare five types of immersion solutions (Nos. 1 to 5). The final concentration of G6P in the immersion solution is also shown.
[0057]
[0058]
Then, a 1.0 cm × 10.0 cm filter paper was immersed in 150 μl of each of the various immersion solutions, and dried under vacuum for 2 hours to obtain alcohol analysis tools (No. 1 to 5). The analytical tool was cut into a size of 1.0 cm × 1.0 cm, and 15 μl of an ethanol solution having a predetermined concentration (0, 10, 20, 30, 40 mM) was added to these sections to confirm the color development. These results are shown in FIG. In addition, No. 1 is an analysis tool of a comparative example, and No. 2 to No. 5 are analysis tools of an example.
[0059]
As shown in the figure, according to the analysis tool of No. 1 without G6P addition (comparative example), color development was observed at all alcohol concentrations, and it was impossible to determine whether the alcohol concentration was above a certain level. On the other hand, in the analytical tools of Examples No. 2 to No. 5, the degree of ABTS color development could be controlled by changing the G6P concentration to be retained. Specifically, when the G6P concentration is 15 mM, no color development is observed for 10 mM ethanol, when the G6P concentration is 25 mM, no color development is observed for 10 mM and 20 mM ethanol, and when the G6P concentration is 35 mM, 10 mM, No color development was seen for 20 mM and 30 mM ethanol. Therefore, a sample having an ethanol concentration of 20 mM or more can be detected by an analysis tool having a G6P concentration of 15 mM, and a sample having a concentration of 30 mM or more can be detected from an analysis tool having a G6P concentration of 25 mM, and a sample having 40 mM or more can be detected from an analysis tool having a G6P concentration of 35 mM. I was able to. From the above results, it can be seen that by changing the G6P concentration in this way, it is possible to quantitatively determine whether or not a certain amount or more of alcohol exists in the sample and to what extent the alcohol concentration is. In the case of the No. 1 analytical tool (comparative example), color development is observed even when the alcohol concentration is 0 mM. This is because the ABTS solution exhibits a light blue color due to air oxidation. This is probably because the color was developed as it was because G6P was not present. However, it can be understood that the analysis tool of the present invention has no influence on the measurement due to the air oxidation of ABTS as can be seen from the results of FIG.
[0060]
【The invention's effect】
As described above, according to the alcohol analysis method of the present invention, the degree of color development of the chromogenic substrate can be adjusted by carrying out the reaction in the presence of GSH. Even for a sample that cannot be determined, the alcohol concentration can be sufficiently determined. Such a method is useful, for example, for alcohol analysis in the control of drunk driving, which requires a determination as to whether or not the alcohol concentration is above a certain level.
[0061]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an embodiment of the analysis method of the present invention.
FIG. 2 is a photograph showing the result of color change when G6P concentration and ethanol concentration are changed in an example of the present invention.
Claims (19)
酸化により発色する発色基質の存在下、前記過酸化水素をペルオキシダーゼで還元することによって、前記発色基質を還元型から酸化型に変換し、
前記発色基質の発色程度からアルコールを定性分析もしくは定量分析する方法であって、
還元型グルタチオンにより前記酸化型の発色基質を還元し、
酸化型の前記発色基質を還元することによって生成した酸化型グルタチオンを、還元型補酵素の存在下、グルタチオンレダクターゼにより還元し、前記還元型グルタチオンで、残存する酸化型の発色基質をさらに還元し、
還元グルタチオンへの変換によって生成した酸化型補酵素を、電子供与体の存在下、酸化還元酵素により還元し、
前記電子供与体の量を調整することによって、前記発色程度を調整する分析方法。 The alcohol in the sample is oxidized with alcohol oxidase to produce hydrogen peroxide,
In the presence of a chromogenic substrate that develops color by oxidation, the hydrogen peroxide is reduced with peroxidase to convert the chromogenic substrate from a reduced form to an oxidized form,
A method for qualitative analysis or quantitative analysis of alcohol from the degree of color development of the chromogenic substrate,
Reducing the oxidized chromogenic substrate with reduced glutathione ,
The oxidized glutathione produced by reducing the oxidized chromogenic substrate is reduced by glutathione reductase in the presence of a reduced coenzyme, and the remaining oxidized chromogenic substrate is further reduced with the reduced glutathione,
The oxidized coenzyme produced by the conversion to reduced glutathione is reduced by oxidoreductase in the presence of an electron donor,
An analysis method for adjusting the degree of color development by adjusting the amount of the electron donor.
少なくとも、酸化により発色する発色基質、還元型グルタチオン、アルコールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、還元型補酵素、グルタチオンレダクターゼ、電子供与体、および前記電子供与体を酸化して、前記酸化型補酵素を還元する酸化還元酵素を含む分析試薬。A reagent used in a method for qualitative analysis or quantitative analysis of the alcohol according to any one of claims 1 to 10 ,
At least a chromogenic substrate that develops color by oxidation, reduced glutathione, alcohol oxidase , peroxidase , reduced coenzyme, glutathione reductase, electron donor, and redox that reduces the oxidized coenzyme by oxidizing the electron donor An analytical reagent containing an enzyme .
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