JP4082417B2 - 電子装置、無線通信端末及びデータ伝送方法 - Google Patents
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Description
すなわち、デジタル無線通信方式では、BPSKやQPSKなどの位相変調がよく用いられる。この位相変調された送信データを受信側で受信ミキサで局部発振出力によって周波数変換して受信ベースバンド信号を得、この受信ベースバンド信号をローバスフィルタに供給してノイズを消去した後に、リミッタで2値化してベースバンド処理部に供給することが考えられているが、この場合には、受信ミキサにおいて乗算する受信局部発振出力の位相が、送信側の搬送波位相と一致するときには、ローパスフィルタでフィルタ処理された後の受信ベースバンド信号は、図8(a)に示すように、振幅が最大となり、これをリミッタで2値化した2値化ベースバンド信号は図8(b)に示すように正常なベースバンド信号となり、受信局部発信出力と送信搬送波との位相が45°ずれている場合には、ローパスフィルタでフィルタ処理された後の受信ベースバンド信号は図9(a)に示すように、振幅が多少小さくなるが、リミッタで2値化した2値化ベースバンド信号は図9(b)に示すように略正常なベースバンド信号を再生することができる。
しかしながら、アナログフィードバック系は、回路の時定数などの細かな調整が難しく、またフィードバック用のフィルタ回路等がコスト及び消費電力上昇に繋がってしまうという未解決の課題ある。
この第2の技術手段では、送信データのプリアンブル部をBPSK変調して送信することにより、受信側で1ビットA/D変換器を構成するリミッタ部で容易に疑似雑音信号を再生することができる。
この第3の技術手段では、プリアンブル部が複数の疑似雑音信号列で構成されているので、各疑似雑音列に対して受信側で位相の異なる受信局部発振出力によって形成した位相の異なる参照用疑似雑音信号列との相関をとることにより、受信局部発振出力の位相調整を瞬時に正確に行うことができる。
なおさらに、第5の技術手段に係る電子装置は、第1乃至第4の何れか1つの技術手段において、前記有線通信部は、前記プリアンブル部の送信タイミングを表す制御信号を電源ライン上に重畳させる混合器と、該混合器で混合された制御信号を電源ライン上から分離する分離器とを備えていることを特徴としている。
また、第6の技術手段に係る無線通信端末は、第1筐体部と、前記第1筐体部に連結された第2筐体部と、前記第1筐体部と前記第2筐体部との間の位置関係を変えられるように前記第1筐体部と前記第2筐体部とを連結する連結部と、前記第1筐体部及び前記第2筐体部の何れか一方に搭載された外部無線通信用アンテナと、前記第1筐体部に搭載され、前記外部無線通信用アンテナを介して行われる外部無線通信の制御を主として司る外部無線通信制御部と、前記第2筐体部に搭載された表示部と、前記第1筐体部に搭載された第1の内部無線通信用アンテナと、前記第2筐体部に搭載された第2の内部無線通信用アンテナと、前記第1筐体部に搭載され、前記第1の内部無線通信用アンテナを介して実送信データ部と予め設定されたパターンの疑似雑音信号で構成されるプリアンブル部とを混在させた送信データの送信が行われる内部無線通信の制御を司る第1の内部無線通信制御部と、
前記第2筐体部に搭載され、前記第2の内部無線通信用アンテナを介して前記送信データを受信したときに、前記プリアンブル部の疑似雑音信号に基づいて受信局部発振出力の位相制御を行う位相調整制御部を有する第2の内部無線通信制御部と、
前記第1の内部無線通信制御部で送信する送信データ中のプリアンブル部の送信タイミングを前記第2の内部無線通信制御部に有線通信する有線通信部とを備えていることを特徴としている。
図1はクラムシェル型携帯電話機を開いたときの状態を示す斜視図、図2はクラムシェル型携帯電話を閉じたときの状態を示す斜視図である。
図1および図2において、第1筐体部1の表面には、操作ボタン4が配置されるとともに、第1筐体部1の下端にはマイク5が設けられ、第1筐体部1の上端には外部無線通信用アンテナ6が取り付けられている。また、第2筐体部2の表面には、表示体8が設けられるとともに、第2筐体部2の上端にはスピーカ9が設けられている。また、第2筐体部2の裏面には、表示体11および撮像素子12が設けられている。なお、表示体8、11としては、例えば、液晶表示パネル、有機ELパネルまたはプラズマディスプレイパネルなどを用いることができる。また、撮像素子12としては、CCDまたはCMOSセンサなどを用いることができる。また、第1筐体部1および第2筐体部2には、第1筐体部1と第2筐体部2との間で内部無線通信を行う内部無線通信用アンテナ7、10がそれぞれ設けられている。
また、内部無線通信用アンテナ7、10を第1筐体部1および第2筐体部2にそれぞれ設けることにより、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第1筐体部1と第2筐体部2との間のデータ伝送を行うことができる。例えば、外部無線通信用アンテナ6を介して第1筐体部1に取り込まれた画像データや音声データを、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第2筐体部2に送り、表示体8に画像を表示させたり、スピーカ9から音声を出力させたりすることができる。また、撮像素子12にて撮像された撮像データを、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第2筐体部2から第1筐体部1に送り、外部無線通信用アンテナ6を介して外部に送出させることができる。
そして、第1筐体部1及び第2筐体部2間のデータ伝送が図3に示すように行われる。すなわち、第1筐体部1には、外部無線通信用アンテナ6に接続されて外部の基地局との間で無線通信を行って携帯電話機能、電子メール送受信機能、データダウンロード機能等を有する外部無線通信部20Aと、第2筐体部2との間で画像データ等の授受を内部無線通信で行う内部無線通信部20Bとを備えている。
RF送受信部23は、後述する第2筐体部2のRF送信部33及びRF受信部34と同様の処理を行い、ベースバンド処理部12で処理されたベースバンド信号が入力されると、このベースバンド信号をBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調処理を行ってから局部発振出力に基づいてアップコンバートする周波数変換を行った送信信号を内部無線通信用アンテナ7に出力すると共に、内部無線通信用アンテナ7から入力される受信信号を局部発振出力に基づいてベースバンド信号にダウンコンバートしてベースバンド信号に周波数変換してベースバンド部22に供給する。
また、RF受信部34は、送受信切換スイッチ32から入力される受信信号を位相調整制御部37から供給される位相調整された局部発振出力が供給されてダウンコンバートしてベースバンド信号に周波数変換するミキサ38と、このミキサから出力されるベースバンド信号の雑音を除去するローバスフィルタ39と、このローパスフィルタ39のフィルタ出力が入力される1ビットA/D変換器で構成されるベースバンド信号を2値化するリミッタ40とを有し、リミッタ40の出力がベースバンド処理部35及び位相調整制御部37に供給される。
今、第1筐体部1の電源がオフ状態にあるものとすると、電源線LPを介して第2筐体部2に供給される電源もオフ状態にあり、第1筐体部1の各部が駆動停止状態にあると共に、第2筐体部2の各部も駆動停止状態にある。
この状態で、第1筐体部1の操作ボタン4に形成されている電源ボタンを操作して電源をオン状態とすると、第1筐体部1の各部に電力が供給されると共に、電源線LPを介して第2筐体部2の各部に電力が供給される。
このRF受信部34では、受信信号がミキサ38でベースバンド信号にダウンコンバートされ、次いでローパスフィルタ39で雑音を除去されてリミッタ40で1ビットA/D変換されて2値化されベースバンド処理部35及び位相調整制御部37に供給される。
このため、相関器41から出力される相関値は、受信信号が弱いときには、図6で破線図示のように、位相調整部43から出力される遅延局部発振出力に基づいて生成される参照用疑似雑音信号列と実際のプリアンブル部に含まれる疑似雑音信号列との位相差が270°から90°の範囲で正値となり、位相差0°で正のピーク値となり、位相差が90°〜270°の範囲で負値となり、180°で負のピークとなる。受信信号が弱い状態で、位相調整部33で局部発振器の局部発振出力を順次遅延させた遅延発振出力を出力することにより、図5に示すように、受信したプリアンブル信号を構成する疑似雑音信号列と順次位相を遅らせた参照用疑似雑音信号と相関値は、両者の位相差に応じて正及び負の値をとることになり、図5の例では、疑似雑音信号列PN2の相関値が正の最大値となることから最適位相ポイントとしてこのときの遅延局部発振出力として設定され、これがミキサ38に供給されて、実送信データ部のダウンコンバートが行われてベースバンド信号に周波数変換され、これがローバスフィルタ39で雑音が除去され、リミッタ40で1ビットA/D変換が行われてベースバンド処理部35に供給される。
一方、デジタルカメラ12で撮像した画像データを不揮発性メモリ27に格納する場合には、上記とは逆に、第2筐体部12のデジタルカメラ12で撮像した画像データを制御部で実送信データ部と複数の疑似雑音信号列で構成されるプリアンブル部とで形成される送信データフレームを形成し、これをベースバンド処理部35でベースバンド信号に変換し、このベースバンド信号をRF送信部33に供給して、このRF送信部33でBPSK変調を行うと共に、局部発振出力でアップコンバートすることによりベースバンド信号を送信信号に周波数変換して送受信切換スイッチ32を介して内部無線通信用アンテナ10に供給することにより、第1筐体部1に送信される。
このように、上記第1の実施形態によると、送信側で、送信データを実送信データ部に格納し、この実送信データ部DTに対して所定間隔で複数の疑似雑音信号列を含むプリアンブル部DPとを混在させた送信データフレームを形成して、これをBPSK変調して送信すると共に、プリアンブル部DPの送信タイミングを表す制御信号を重畳器21aで電源線LPに重畳して第2筐体部2の制御部26に有線通信することにより、第2筐体部2の制御部36では、受信データのプリアンブル部DPを監視して検出するプリアンブル部検出処理を行うことなく、制御信号に従って位相調整部43で遅延局部発振出力を順次選択して相関器41でリミッタ40から出力されるプリアンブル部DPの疑似信号列PNiの相関検出を行うことにより、受信局部発振出力を簡易な構成で正確に且つ短時間で位相同期させることができ、良好な受信状態を確保することができる。
本発明では、上述したように、プリアンブル部の送信タイミングを表す制御信号を有線通信で受信側に送出することにより、小さな回路規模の位相調整制御部37で位相同期を短時間で正確に行うことができ、受信側での消費電力を大幅に低減することができる。
なお、上記実施形態においては、電源線LPを使用して制御信号を有線通信する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、制御信号を有線通信する専用通信配線を制御部21及び36間に配線するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、クラムシェル型の携帯電話機に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図7に示すように、回転式携帯電話機に本発明を適用するようにしてもよい。
Claims (7)
- 実送信データ部と所定パターンの疑似雑音信号で構成されるプリアンブル部とを混在させた送信データを無線送信する無線送信部と、該無線送信部の近傍で当該無線送信部から送信される送信データを受信して前記プリアンブル部の疑似雑音信号に基づいて受信局部発振出力の位相調整を行う位相調整制御部を有する無線受信部と、前記無線送信部で送信する送信データ中のプリアンブル部の送信タイミングを前記無線受信部に有線通信する有線通信部とを備えたことを特徴とする電子装置。
- 前記無線送信部は、前記プリアンブル部をBPSK変調して送信するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
- 前記プリアンブル部は、所定ビット数で構成される疑似雑音信号列を複数回繰り返して構成されていることを特徴とする請求項1又は第2に記載の電子機器。
- 前記無線受信部は、前記無線送信部からの送信データを受信したときに、受信データを周波数変換する周波数変換部と、該周波数変換部から出力される周波数変換信号を2値化するリミッタ部と、前記有線通信部から入力されるプリアンブル部の送信タイミングに基づいて前記リミッタ部から出力されるプリアンブル部の疑似雑音信号と入力される局部発振出力に基づいて生成される参照用疑似雑音信号との相関検出を行う相関器と、局部発振出力を生成する局部発振器と、該局部発振器の位相を調整して前記相関器及び周波数変換部に出力すると共に、前記相関器からの相関検出信号に基づいて出力する局部発振出力の位相を確定する位相調整制御部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子装置。
- 前記有線通信部は、前記プリアンブル部の送信タイミングを表す制御信号を電源ライン上に重畳させる混合器と、該混合器で混合された制御信号を電源ライン上から分離する分離器とを備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子装置。
- 第1筐体部と、前記第1筐体部に連結された第2筐体部と、前記第1筐体部と前記第2筐体部との間の位置関係を変えられるように前記第1筐体部と前記第2筐体部とを連結する連結部と、前記第1筐体部及び前記第2筐体部の何れか一方に搭載された外部無線通信用アンテナと、前記第1筐体部に搭載され、前記外部無線通信用アンテナを介して行われる外部無線通信の制御を主として司る外部無線通信制御部と、前記第2筐体部に搭載された表示部と、前記第1筐体部に搭載された第1の内部無線通信用アンテナと、前記第2筐体部に搭載された第2の内部無線通信用アンテナと、前記第1筐体部に搭載され、前記第1の内部無線通信用アンテナを介して実送信データ部と予め設定されたパターンの疑似雑音信号で構成されるプリアンブル部とを混在させた送信データの送信が行われる内部無線通信の制御を司る第1の内部無線通信制御部と、
前記第2筐体部に搭載され、前記第2の内部無線通信用アンテナを介して前記送信データを受信したときに、前記プリアンブル部の疑似雑音信号に基づいて受信局部発振出力の位相制御を行う位相調整制御部を有する第2の内部無線通信制御部と、
前記第1の内部無線通信制御部で送信する送信データ中のプリアンブル部の送信タイミングを前記第2の内部無線通信制御部に有線通信する有線通信部とを備えていることを特徴とする無線通信端末。 - 無線送信部から実送信データ部と予め設定されたパターンの疑似雑音信号で構成されるプリアンブル部とを混在させた送信データを無線送信するステップと、前記無線送信部で送信する送信データ中のプリアンブル部の送信タイミングを前記無線送信部の近傍に配置された無線受信部に有線通信するステップと、前記無線送信部から送信される送信データを、有線通信された前記プリアンブル部の送信タイミングに基づき前記前記プリアンブル部の疑似雑音信号に基づいて受信局部発振出力の位相調整を行いながら受信するステップと備えていることを特徴とするデータ伝送方法。
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