JP4082021B2 - テクスチャ画像生成プログラム、テクスチャ画像データ及びデータ処理装置 - Google Patents

テクスチャ画像生成プログラム、テクスチャ画像データ及びデータ処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンピュータ処理によってオリジナル三次元モデルからテクスチャ画像を生成する三次元画像処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
三次元画像処理において、三次元形状モデルの表面に模様等のデータを付加する際、いわゆるテクスチャマッピングと呼ばれる手法が採用される。テクスチャマッピングは、一般的に、三次元形状モデルを構成する多数のポリゴンのそれぞれに対して2次元画像であるテクスチャ画像が対応付けられることによって行われる。そのため、テクスチャマッピングを行う際には事前に三次元モデルの各部位に対応するテクスチャ画像を生成しておくことが望まれる。
【0003】
従来、テクスチャ画像を生成する方法としては主として2つの方法がある。
【0004】
まず、第1の方法は表面に模様等が付された三次元モデルの周囲に円筒面を設定し、三次元モデルの表面模様等をその円筒面に投影することによって2次元画像であるテクスチャ画像を生成する手法である。
【0005】
また、第2の方法は各ポリゴンに割り当てられる個々の微小なテクスチャ画像(以下、これを「単位テクスチャ画像」という。)を各ポリゴン形状に対応する形で抽出し、それらを平面的に並べて敷き詰めることにより2次元画像であるテクスチャ画像を生成する手法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のテクスチャ画像を生成する方法には、以下のような問題点がある。
【0007】
まず、上記第1の方法による場合、三次元モデルの周囲に設定される円筒面に対し、三次元モデルの全ての部分が円筒面上に投影可能であるとは限らない。このため、円筒面に対して影になって投影することができないポリゴンに関しては、テクスチャ画像を生成することができないという問題点を有する。
【0008】
また、上記第2の方法による場合、各ポリゴンに対応する個々の単位テクスチャ画像が平面的に敷き詰められたテクスチャ画像となるため、個々の単位テクスチャ画像をポリゴンに貼り付けた際に、ポリゴン境界付近に画像欠落が生じる可能性がある。このため、第2の方法による場合、個々の単位テクスチャ画像のサイズは対応するポリゴンのサイズよりも若干大きめのサイズとしてポリゴン境界付近での画像の欠落を防止する必要がある。ところが、三次元形状モデルを構成する全てのポリゴンについてポリゴンサイズよりも大きなサイズの単位テクスチャ画像を保持するように構成すると、テクスチャ画像の全体的な画像サイズが大きくなってしまうという問題が生じる。
【0009】
さらに上記第2の方法による場合、個々の単位テクスチャ画像が平面的に敷き詰められたテクスチャ画像となるため、テクスチャ画像の全体を画像表示したとしても、三次元モデルが全体的にどのような模様等を有しているかということを把握することが困難であるという問題を有している。このため、画像処理ソフトウェア等を起動してテクスチャ画像に対する画像修正処理等を行おうとしても、三次元モデルの全体像を把握することができず、全体的な修正作業を行うことが困難であるという問題がある。
【0010】
そこで、この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、三次元形状モデルを構成する全てのポリゴンに対応するテクスチャ画像を生成することができ、かつ、編集又は修正作業を容易に進めることができるテクスチャ画像の生成技術を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、コンピュータを機能させて、オリジナル三次元モデルからテクスチャ画像を生成するためのテクスチャ画像生成プログラムであって、前記コンピュータを、前記コンピュータの演算手段によって設定される前記オリジナル三次元モデルの仮想モデル空間に対し、前記演算手段を用いて、前記オリジナル三次元モデルのオリジナルテクスチャ画像を投影するための所定数の投影面を設定する投影面設定手段、前記演算手段を用いて、前記所定数の投影面に対して、前記オリジナルテクスチャ画像のうちの投影可能な部分の仮想投影を行うことによって、投影テクスチャ画像を生成する投影テクスチャ画像生成手段、前記演算手段を用いて、前記オリジナルテクスチャ画像のうちの前記所定数の投影面に対して投影不可能な部分を抽出した非投影テクスチャ画像を生成する非投影テクスチャ画像生成手段、及び、前記演算手段を用いて、前記投影テクスチャ画像と前記非投影テクスチャ画像とを互いに関連づけて出力する出力手段として機能させる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のテクスチャ画像生成プログラムであって、前記コンピュータが前記出力手段として機能し、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像との関連づけを行う際に、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像とを隣接させた画像配置を行わせることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のテクスチャ画像生成プログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想投影を行う際の前記所定数の投影面に対する縦方向及び横方向の解像度を設定する解像度設定手段として、さらに機能させるとともに、前記コンピュータが前記出力手段として機能し、前記画像配置を行う際に、前記投影テクスチャ画像に対する前記非投影テクスチャ画像の配置位置を前記解像度に応じて変更させることを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明は、オリジナル三次元モデルから生成されるテクスチャ画像データであって、前記オリジナル三次元モデルの仮想モデル空間に対して所定数の投影面が設定され、前記所定数の投影面に対して、前記オリジナル三次元モデルのオリジナルテクスチャ画像のうちの投影可能な部分が仮想投影されて生成される投影テクスチャ画像と、前記オリジナルテクスチャ画像のうちの前記所定数の投影面に対して投影不可能な部分が抽出された非投影テクスチャ画像と、が互いに関連づけられたデータ構造を有している。かかるデータ構造を有することにより、コンピュータにおいてテクスチャ画像データのデータ管理等を行う際に、オリジナル三次元モデルに関して漏れのない形でテクスチャ画像データの管理等を行う処理が実現される。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のテクスチャ画像データにおいて、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像とが隣接した画像配置とされることによって互いに関連づけられることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、オリジナル三次元モデルからテクスチャ画像を生成するデータ処理装置であって、前記オリジナル三次元モデルの仮想モデル空間に対し、前記オリジナル三次元モデルのオリジナルテクスチャ画像を投影するための所定数の投影面を設定する投影面設定手段、前記所定数の投影面に対して、前記オリジナルテクスチャ画像のうちの投影可能な部分の仮想投影を行うことによって、投影テクスチャ画像を生成する投影テクスチャ画像生成手段、前記オリジナルテクスチャ画像のうちの前記所定数の投影面に対して投影不可能な部分を抽出した非投影テクスチャ画像を生成する非投影テクスチャ画像生成手段、及び前記投影テクスチャ画像と前記非投影テクスチャ画像とを互いに関連づけて出力する出力手段を備えることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6の発明に係るデータ処理装置であって、前記出力手段は、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像との関連づけを行う際に、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像とを隣接させた画像配置を行わせることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7の発明に係るデータ処理装置であって、前記仮想投影を行う際の前記所定数の投影面に対する縦方向及び横方向の解像度を設定する解像度設定手段をさらに備え、前記出力手段は、前記画像配置を行う際に、前記投影テクスチャ画像に対する前記非投影テクスチャ画像の配置位置を前記解像度に応じて変更させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態にかかる三次元データ処理装置1の構成を示す図である。三次元データ処理装置1は、一般的なコンピュータと同様に、プログラムを実行することによってそのプログラムに規定される処理手順に基づいた演算処理を行うCPU10と、CPU10から与えられる画像の表示を行う画像表示部20と、ユーザが情報の入力操作を行うためのキーボードやマウス等で構成される操作入力部30と、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体2に対してデータの入出力を行うための記録媒体入出力装置40と、半導体メモリや磁気ディスク装置等で構成される記憶部50と、インターネット等のネットワーク9を介して外部コンピュータ4とデータ通信を行うための通信インタフェース60とを備えて構成される。
【0018】
記憶部50には、オリジナル三次元モデルデータ51及びテクスチャ画像生成プログラム52等が予め記憶されている。このデータ又はプログラムは、CPU10が予め記録媒体2からデータやプログラムを読み取り、三次元データ処理装置1へのインストール動作や保存動作を行うことによって、予め記憶部50に記憶される。また、CPU10が通信インタフェース60を介して外部コンピュータ4とデータ通信を行うことによっても、上記のデータやプログラムを予め記憶部50に記憶されておくことが可能である。
【0019】
オリジナル三次元モデルデータ51とは、この実施の形態においてCPU10がテクスチャ画像生成プログラム52を実行した際に処理対象となる三次元モデルを規定するデータである。また、テクスチャ画像生成プログラム52はCPU10によって読み出され、かつ実行されることにより、三次元データ処理装置1をテクスチャ画像生成装置として機能させるプログラムである。
【0020】
この実施の形態では、三次元データ処理装置1においてCPU10がテクスチャ画像生成プログラム52を実行することにより、記憶部50に記憶されるオリジナル三次元モデルデータ51から新たなテクスチャ画像が生成される。なお、記憶部50に複数種類のオリジナル三次元モデルデータ51が保存されている場合、CPU10は操作入力部30を介してユーザによって指定されるオリジナル三次元モデルデータ51を読み出し、そのオリジナル三次元モデルに対してデータ処理を行うことになる。
【0021】
具体的には、この実施の形態の三次元データ処理装置1では、オリジナル三次元モデルデータ51を読み出して、そのオリジナル三次元モデルを仮想モデル空間に設定し、仮想モデル空間内に配置されたオリジナル三次元モデルの周囲を取り囲むように投影面を設定する。そしてオリジナル三次元モデルを構成するあるポリゴンが仮想モデル空間に設定される投影面に対して投影可能な場合は、そのポリゴンに対応するテクスチャ画像を投影面に仮想投影することにより投影テクスチャ画像を生成する。その一方、オリジナル三次元モデルを構成する複数のポリゴンのうちには、他のポリゴンの影となって投影面に対して投影不可能になるポリゴンも存在する。その場合、三次元データ処理装置1は投影不可能なポリゴンに対応する単位テクスチャ画像を全て抽出して、複数の単位テクスチャ画像からなる非投影テクスチャ画像を生成する。そしてその後、投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とを互いに関連づけることによって、投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とが一体となって一つの三次元モデルの表面模様等を表現するための新たなテクスチャ画像を生成する処理が実現される。
【0022】
図2は、三次元データ処理装置1においてテクスチャ画像生成プログラム52が実行された際にCPU10によって実現される機能を示す図である。図2に示すように、三次元データ処理装置1のCPU10はテクスチャ画像生成プログラム52を実行することにより、テクスチャ画像生成条件設定部11、仮想モデル空間設定部12、投影面設定部13、仮想投影演算部14、及び、画像配置部15として機能する。
【0023】
また、図2に示すようにオリジナル三次元モデルデータ51はオリジナル形状データ51aとオリジナルテクスチャ画像データ51bとを含んで構成される。
【0024】
オリジナルテクスチャ画像データ51bは例えば複数の2次元画像から構成される画像データである。
【0025】
オリジナル形状データ51aはオリジナル三次元モデルの表面形状を表す形状データであり、三次元モデルの表面形状を複数のポリゴンによって表しており、各ポリゴンが三次元モデルにおける各位置の表面形状を表している。このため、オリジナル形状データ51aには、各ポリゴンについてポリゴン情報が設定される。
【0026】
オリジナル形状データ51aの各ポリゴン情報は三次元形状の表面形状を表すとともに、各ポリゴンがどのような表面模様等を有するかを示すために、各ポリゴン情報にテクスチャ画像の一部分を特定する情報(テクスチャ特定情報)が含まれる。これにより、オリジナル三次元モデルにおいて一つのポリゴンが特定されると、それに対応するテクスチャ画像の一部分が特定されることになる。
【0027】
図2に示すようにテクスチャ画像生成条件設定部11は、操作入力部30からの入力情報に基づいて、又は、オリジナル三次元モデルデータ51を解析することによって、テクスチャ画像を生成する際の生成条件を設定する。設定される条件として、例えば、オリジナル三次元モデルを仮想投影するための投影面をどのような投影面とするかといった設定、オリジナル三次元モデルを仮想投影する際の解像度の設定等がある。また、投影面に対して投影不可能なポリゴンに対応する単位テクスチャ画像の配置形態についても設定される。ただし、仮想投影を行う際の解像度が設定された場合には、その解像度に応じて単位テクスチャ画像の配置形態を変更するように構成される。またさらに、投影面として円筒面が選択された場合には円筒の軸や投影面の端部の指定等が含まれる。
【0028】
テクスチャ画像生成条件設定部11において設定される条件は、仮想モデル空間設定部12、投影面設定部13、仮想投影演算部14、及び画像配置部15のそれぞれに対して与えられる。
【0029】
仮想モデル空間設定部12は、テクスチャ画像生成条件設定部11から得られる条件に基づいてオリジナル三次元モデルを仮想的な三次元モデル空間(仮想モデル空間)内に設定する。
【0030】
そして投影面設定部13が機能すると、テクスチャ画像生成条件設定部11で設定された条件に従って、仮想モデル空間内に仮想設置されたオリジナル三次元モデルの周囲に投影面を設定する。なお、以下の説明においては、投影面として円筒面が設定される場合を例示する。
【0031】
次に、仮想投影演算部14が機能し、仮想モデル空間においてオリジナル三次元モデルを構成する複数のポリゴンのうちから投影可能なポリゴンと投影不可能なポリゴンとを判別し、投影可能なポリゴンについてはそのポリゴンに対応する単位テクスチャ画像をオリジナルテクスチャ画像から抽出してそれを投影面上に仮想投影することにより、投影面上に投影テクスチャ画像を形成させる。そして仮想投影演算部14によって最終的に生成される投影テクスチャ画像は、画像配置部15に与えられる。なお、投影テクスチャ画像は、投影面となる円筒面に設定される投影画像を平面状に展開して得られる2次元画像である。
【0032】
また、仮想投影演算部14は、投影不可能なポリゴンであると判断した各ポリゴンに対応する単位テクスチャ画像を抽出する。このとき、仮想投影演算部14は投影不可能なポリゴンのサイズよりも大きいサイズで単位テクスチャ画像を抽出する。これにより、単位テクスチャ画像をポリゴンに貼り付ける際に、ポリゴン境界付近で画像の欠落が生じることを防止することが可能性である。
【0033】
そして仮想投影演算部14は投影不可能なポリゴンごとに抽出した単位テクスチャ画像を、画像配置部15に与える。
【0034】
画像配置部15は、仮想投影演算部14から投影不可能な各ポリゴンに対応する複数の単位テクスチャ画像を入力すると、テクスチャ画像生成条件設定部11において設定された配置形態に基づいて複数の単位テクスチャ画像を配置し、非投影テクスチャ画像を生成する。また、画像配置部15は、投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とをテクスチャ画像生成条件設定部11において設定された配置形態に基づいて配置して一つの2次元画像であるテクスチャ画像を生成する。換言すれば、画像配置部15において生成されるテクスチャ画像は、仮想的な投影面に投影されて形成される投影テクスチャ画像と、投影面に投影されなかった非投影テクスチャ画像とが一つの2次元画像として互いに関連づけられた状態を形成することになる。
【0035】
そして画像配置部15は、投影テクスチャ画像と単位テクスチャ画像とが一つの2次元画像として互いに関連づけられたテクスチャ画像データを出力する。このとき画像配置部15は、テクスチャ画像を記憶部50、画像表示部20、記録媒体入出力装置40又は通信インタフェース60に対して出力する。テクスチャ画像データが記憶部50に出力される場合には、テクスチャ画像データが記憶部50に保存されることになる。また、テクスチャ画像データが画像表示部20に出力される場合には、テクスチャ画像が画像表示部20の表示画面に表示されることになる。また、テクスチャ画像データが記録媒体入出力装置40に出力される場合には、テクスチャ画像データが記録媒体2に保存されることになる。さらに、テクスチャ画像データが記憶部50に出力される場合には、テクスチャ画像データがネットワーク9に接続される外部コンピュータ4に対して送信される。
【0036】
CPU10はオリジナル三次元モデルデータ51から上記のような機能を実現することによって三次元モデルデータ70を生成する。この三次元モデルデータ70にはテクスチャ画像データ71と三次元形状データ72とが含まれる。このうち、テクスチャ画像データ71は上記のテクスチャ画像データ、すなわち投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とが互いに関連づけられた画像データである。また、三次元形状データ72は三次元モデルの表面形状を表す形状データであり、三次元モデルの表面形状を複数のポリゴンによって表しており、各ポリゴンが三次元モデルにおける各位置の表面形状を表している。
【0037】
この実施の形態では、CPU10のデータ処理によって、各ポリゴンによって表される三次元形状が変化するものではないが、各ポリゴンのポリゴン情報が保有する、テクスチャ画像との対応関係に関する情報が変更される。つまり、CPU10が上述したデータ処理を遂行する過程において、オリジナル三次元モデルデータ51に含まれるオリジナル形状データ51aを取得し、各ポリゴンのポリゴン情報に含まれるテクスチャ特定情報を、新たに生成されるテクスチャ画像(投影テクスチャ画像及び非投影テクスチャ画像)に対応させて更新させていくのである。その結果、オリジナル形状データ51aが表現する形状と同形状を示す新たな三次元形状データ72が生成され、その三次元形状データ72のポリゴン情報には新たに生成されたテクスチャ画像データ71が示すテクスチャ画像との対応関係が示されることになる。
【0038】
このようにCPU10がテクスチャ画像生成プログラム52を実行することにより、オリジナル三次元モデルデータ51から新たな三次元モデルデータ70が生成され、その三次元モデルデータ70にはテクスチャ画像データ71と三次元形状データ72とが含まれる。そしてテクスチャ画像データ71と三次元形状データ72とは互いに一体的なデータとして管理されることにより、三次元モデルの表示等を適切に行うことが可能になる。
【0039】
次に、上記のように構成された三次元データ処理装置1において、テクスチャ画像生成プログラム52が実行された際の詳細なデータ処理手順及びデータ処理内容について説明する。
【0040】
図3乃至図6は三次元データ処理装置1におけるテクスチャ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0041】
まず、CPU10においてテクスチャ画像生成プログラム52が実行されると、操作入力部30を介してテクスチャ画像生成条件の入力が行われる(ステップS1)。このとき入力される入力情報に基づいて、テクスチャ画像生成条件の設定が行われる。なお、記憶部50に複数種類のオリジナル三次元モデルデータ51が記憶されている場合には、ステップS1において、ユーザがテクスチャ画像生成処理を実行する対象となるオリジナル三次元モデルデータ51を複数種類のデータのうちから指定することになる。
【0042】
そして仮想モデル空間設定部12が、ユーザから指定されたオリジナル三次元モデルデータ51を記憶部50から読み出す(ステップS2)。図7は、オリジナル三次元モデル80の一例を示す図であり、以下においては、図7のようなカップ形状の表面に横方向のライン模様が付されたオリジナル三次元モデル80をデータ処理対象とする場合について説明する。
【0043】
ステップS3に進み、仮想モデル空間設定部12は仮想モデル空間を設定し、オリジナル形状データ51aに基づいてオリジナル三次元モデル80を仮想モデル空間内に設置する。
【0044】
そして投影面設定部13が、テクスチャ画像生成条件設定部11によって設定される内容に基づいて、仮想モデル空間内の三次元モデル80を仮想投影するための投影面となる円筒面を設定する(ステップS4)。
【0045】
図8は、三次元モデル80に対して設定される円筒面の一例を示す図である。図8に示すように、投影面設定部13はテクスチャ画像生成条件設定部11によって指定される内容に基づいて、仮想モデル空間3内に円筒軸83、及び円筒面を展開する際の端部82を設定し、それによって投影面となる円筒面81を設定する。
【0046】
そして投影面設定部13は仮想モデル空間3内に設定された円筒面81に、テクスチャ画像生成条件設定部11において設定される解像度に応じた投影画像を設定する(ステップS5)。この投影画像は投影テクスチャ画像を作成していくための画像であり、ステップS5においては有効な画像成分を有さない状態(すなわち、白紙の画像状態)に初期設定される。
【0047】
なお、テクスチャ画像生成条件設定部11は予めオリジナル三次元モデル80の縦方向及び横方向のサイズ比や周波数成分等を解析しておき、その解析結果に基づいて、投影画像の解像度を決定しておくことが望ましい。ただし、そのような決定手法に限られるものではなく、ユーザが手動設定する形態であってもよい。
【0048】
ステップS5の処理が終了した状態でオリジナル三次元モデル80を投影面に仮想投影するための前準備が完了することとなる。
【0049】
そしてステップS6に進み、CPU10において仮想投影演算部14が機能し、投影テクスチャ画像生成処理が行われる。投影テクスチャ画像生成処理の詳細な処理手順は図4に示すフローチャートである。投影テクスチャ画像生成処理においては、オリジナル三次元モデル80を構成するポリゴンごとに処理が進められる。
【0050】
まず、仮想投影演算部14はオリジナル三次元モデル80を構成する一つのポリゴン(これを「注目ポリゴン」と呼ぶ。)を処理対象のポリゴンとして選択する(ステップS601)。そして注目ポリゴンの各頂点の座標値を投影面上の位置に変換することにより、注目ポリゴンを投影面に仮想投影する(ステップS602)。
【0051】
図9は仮想投影処理の概念を示す図であり、仮想モデル空間3を上側からみた図である。図9に示すように、注目ポリゴンPGを形成する頂点V1,V2を考える。なお、ポリゴンは仮想モデル空間3における微小平面を表現するため、ポリゴンを形成する頂点は少なくとも3点必要であるが、図9においては説明を簡略化するために2点で注目ポリゴンを表している。
【0052】
仮想投影演算部14は注目ポリゴンPGの頂点V1と円筒軸83上の1点とを結ぶ直線を円筒面81まで延長することによって頂点V1の投影点PS1を求める。同様に注目ポリゴンPGの頂点V2と円筒軸83上の1点とを結ぶ直線を円筒面81まで延長することによって頂点V2の投影点PS2を求める。この結果、注目ポリゴンPGが投影面に投影される領域を特定することが可能になる。
【0053】
そしてステップS603に進み、仮想投影演算部14は投影面に対して投影された注目ポリゴンが表面側を向いているか否かを判断する。一般的にテクスチャ画像が貼り付けられるのは、ポリゴンの表面側であって裏面側ではない。このため、注目ポリゴンが投影面に投影された際に、注目ポリゴンの表面側が投影面の外側を向いているか否かを判断することによって注目ポリゴンが投影面に対して表面側を向いているか否かを特定する。
【0054】
例えば、図7のようなカップ形状の場合には、カップ外側の面は投影面に対して外側を向いているため、カップ外側形状を構成する各ポリゴンは投影面に対して表側を向いていることになるが、カップ内側の面は投影面に対して内側を向いているため、カップ内側形状を構成する各ポリゴンは投影面に対して表側を向いていないことになる。
【0055】
そして注目ポリゴンの表面と投影面とが対向する関係にある場合にはステップS604に進み、対向する関係にない場合にはステップS606に進む。ステップS606に進んだ場合には、仮想投影演算部14は注目ポリゴンを投影面に投影不可能なポリゴン、すなわち非投影ポリゴンとして設定する。
【0056】
ステップS604では、投影テクスチャ画像を生成するための投影画像において、注目ポリゴンが投影される投影位置に対応する領域に既に画像が書き込まれているか否かを判断する。すなわち、他のポリゴンが注目ポリゴンとして処理されたことによって、同じ画像領域に他のテクスチャ画像が既に書き込まれているか否かを判断するのである。ここで、YESと判断された場合には、既に書き込まれているテクスチャ画像に対応するポリゴンと注目ポリゴンとが投影面上の同じ位置に投影されることになるので、いずれか一方のポリゴンが他方のポリゴンの影となる位置に存在することになる。
【0057】
そのため、ステップS604でYESと判断された場合には、ステップS605〜S608で影になったポリゴンに対して非投影ポリゴンとして設定する隠面処理が行われる。この隠面処理は、仮想モデル空間3における注目ポリゴンの位置と、注目ポリゴンが投影面に投影される投影位置との間に、他のポリゴンが存在しない場合には注目ポリゴンに対応する部分を投影可能な部分とし、他のポリゴンが存在する場合には注目ポリゴンに対応する部分を投影不可能な部分とする判定を行う処理であり、この実施の形態では具体的に以下のような処理を行うことにより実現される。
【0058】
まず、ステップS605では、注目ポリゴンが処理済みポリゴンに隠れているか否かを判断する。
【0059】
図10は隠面処理の概念を示す図であり、仮想モデル空間3を上側からみた図である。カップ形状の三次元モデル80において、カップ外側形状を構成し、かつ、把手部分の影になっているポリゴンPG1と、把手部分の外側のポリゴンPG2とを考える。この場合、図10に示すように、ポリゴンPG1の投影位置とポリゴンPG2の投影位置とは円筒面81上の同一位置となる。そのため、いずれのポリゴンが隠れたポリゴンであるかを判断するために、この実施の形態では各ポリゴンと、投影基準位置となる円筒軸83との距離を参酌する。
【0060】
例えば、注目ポリゴンがポリゴンPG1である場合、円筒軸83とポリゴンPG1との距離を求めるとR1となる。また、円筒軸83とポリゴンPG2との距離を求めるとR2となる。そして、これらの距離R1,R2を比較すると、小さい値を示すポリゴンが大きい値を示すポリゴンに隠れているということが判明する。
【0061】
したがって、仮想投影演算部14は、注目ポリゴンと円筒軸との距離を求めるとともに、既に投影画像に書き込まれているテクスチャ画像に対応するポリゴンと円筒軸との距離を求め、それらの大小関係を判定することによって注目ポリゴンが処理済みポリゴンに隠れているか否かを判断する。
【0062】
ただし、処理効率を向上させるために、処理済みポリゴンが注目ポリゴンであったときに予め当該ポリゴンと円筒軸83との距離Rを求めておき、対応するテクスチャ画像を投影画像に上書き処理する際に、投影画像の付属データとして円筒軸83からの距離データを一時的に記憶させておくことが好ましい。このような処理形態とすることで、同一のポリゴンについて距離Rを求める演算を繰り返し行う必要がなく、処理効率が向上する。
【0063】
そしてステップS605の処理において、注目ポリゴンが処理済みポリゴンに隠れていると判定された場合は、ステップS606に進み、注目ポリゴンを非投影ポリゴンとして設定する。
【0064】
一方、ステップS605の処理において、注目ポリゴンが処理済みポリゴンに隠れていないと判定された場合は、処理済みポリゴンが注目ポリゴンに隠れていることになるため、ステップS607において仮想投影演算部14が処理済みポリゴンを非投影ポリゴンとして設定し、ステップS608に進む。
【0065】
注目ポリゴンに対応する投影画像上に未だ画像が書き込まれていなかった場合(ステップS604においてNOと判断された場合)、又は、処理済みポリゴンが注目ポリゴンに隠れていると判断された場合には、ステップS608において仮想投影演算部14は、注目ポリゴンに対応する単位テクスチャ画像を取得し、投影画像の対応する部分に上書き処理する。このとき、仮想投影演算部14は上述したように仮想モデル空間3における注目ポリゴンと円筒軸83との距離Rを算出し、それを投影画像の付属データとして一時的に保存する。
【0066】
そして、ステップS609に進む。なお、ステップS606で注目ポリゴンを非投影ポリゴンに設定した場合には、ステップS608の処理は行われることなく、ステップS609に進むことになる。
【0067】
ステップS609において仮想投影演算部14は、三次元モデル80を構成する全てのポリゴンに対する処理が終了したか否かを判断し、未処理のポリゴンが存在する場合にはステップS601に戻って別のポリゴンを処理対象として処理を進める。これに対し、未処理のポリゴンが存在しない場合には、全ての投影可能なポリゴンに対応するテクスチャ画像が投影画像中に書き込まれたこととなるため、投影テクスチャ画像生成処理(ステップS6)が終了して、図3のステップS7に進んで非投影テクスチャ画像生成処理が行われる。
【0068】
非投影テクスチャ画像生成処理の詳細な処理手順は図5に示すフローチャートである。まず、仮想投影演算部14は投影テクスチャ画像生成処理(ステップS6)で非投影ポリゴンとして設定されたポリゴンを全て抽出する(ステップS701)。
【0069】
そして仮想投影演算部14は各非投影ポリゴンのサイズよりも大きいサイズで各非投影ポリゴンに対応付けられた単位テクスチャ画像を抽出する(ステップS702)。図11乃至図13は、非投影ポリゴンに対応するテクスチャ画像の抽出概念を示す図である。
【0070】
まず、図11に示すようにポリゴンPGaが矩形の場合には、各ポリゴンに対応する単位テクスチャ画像を抽出する際にポリゴンPGaのサイズよりも大きい画像サイズのテクスチャ画像TX1を抽出する。このとき、テクスチャ画像TX1はポリゴンPGaと同形状の矩形として抽出される。
【0071】
また、図12に示すようにポリゴンPGbが三角形の場合には、各ポリゴンに対応する単位テクスチャ画像を抽出する際にポリゴンPGbのサイズよりも大きい画像サイズのテクスチャ画像TX2を抽出する。このとき、テクスチャ画像TX2はポリゴンPGbを含む矩形として抽出される。ポリゴンPGbが三角形の場合、三次元形状に応じてポリゴンの三角形状が異なる。そのため、各ポリゴンに対応するテクスチャ画像をポリゴン形状に相似する三角形で抽出したとしても、後にそれらを配置する際に各テクスチャ画像間に隙間が生じる。そのため、ポリゴンPGbが三角形であってもテクスチャ画像を矩形として抽出することにより、後にそれらを配置する際に隙間無く配置することが可能になる。
【0072】
また、図13に示すように三角形のポリゴンPGcを直角三角形のテクスチャ画像TX3として抽出するようにしてもよい。ここでポリゴンPGc自体の形状が直角三角形でない場合が考えられるが、そのような場合には、ポリゴンPGcの各頂点V1,V2,V3をテクスチャ画像TX3における点TV1,TV2,TV3に対応付け、画素ごとに直角三角形のテクスチャ画像となるようにマッピング処理を行うことで、直角三角形のテクスチャ画像TX3を生成することができる。そして、このようなテクスチャ画像TX3の生成方法を採用すれば、各ポリゴンのサイズが異なっていても、テクスチャ画像TX3は同一のサイズにサイズ調整することができ、複数のテクスチャ画像TX3を配置する上でさらに好ましい状態となる。
【0073】
そして非投影ポリゴンとして設定された全てのポリゴンに対応するテクスチャ画像の抽出処理が終了すると、図3のステップS8に進んでテクスチャ画像生成処理が行われる。
【0074】
テクスチャ画像生成処理の詳細な処理手順は図6に示すフローチャートである。まず、テクスチャ画像生成処理に進むと、CPU10において画像配置部15が機能し、テクスチャ画像生成条件として設定された、投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像との配置形態を特定する(ステップS801)。そしてその特定された配置形態に基づいて投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とを隣接させて配置し、1つの2次元画像であるテクスチャ画像を生成する(ステップS802)。
【0075】
図14乃至図17はテクスチャ画像90における投影テクスチャ画像91と非投影テクスチャ画像92との配置形態を示す図である。
【0076】
まず図14では、非投影テクスチャ画像92として矩形の単位テクスチャ画像が抽出され、かつ、投影テクスチャ画像91の下部に非投影テクスチャ画像92が隣接配置される配置形態を示している。なお、図14における非投影テクスチャ画像92において矩形の単位テクスチャ画像のサイズが異なるのは、それぞれ非投影ポリゴンのサイズがそれぞれに異なっていたことに起因するものである。
【0077】
次に、図15では、非投影テクスチャ画像92として一定の直角三角形状で単位テクスチャ画像が抽出され、かつ、投影テクスチャ画像91の下部に非投影テクスチャ画像92が隣接配置される配置形態を示している。
【0078】
図14及び図15では、投影テクスチャ画像91の下部に非投影テクスチャ画像92を配置する配置形態を示しているが、投影テクスチャ画像91の上部に隣接する形態で非投影テクスチャ画像92を配置してもよいし、また、投影テクスチャ画像91の左右の横方向に隣接する形態で非投影テクスチャ画像92を配置してもよい。さらに、投影テクスチャ画像91の周囲に対して非投影テクスチャ画像92を配置してもよい。
【0079】
図16は、非投影テクスチャ画像92を投影テクスチャ画像91の右側に隣接配置したテクスチャ画像90を示す図である。例えば、オリジナル三次元モデル80が縦方向に長い形状を有していた場合には、投影テクスチャ画像91は縦方向に長くなるので、図16に示すように非投影テクスチャ画像92を投影テクスチャ画像91の横方向に隣接は位置することが好ましい。
【0080】
一般的にテクスチャ画像90をコンピュータ等において表示させる場合、コンピュータにおいて2次元画像のビューワ用ソフトウェアが起動され、そのビューワ用ソフトウェアの機能によってコンピュータの表示画面上にテクスチャ画像90が表示される。このとき、起動するビューワ用ソフトウェアの種類によってはテクスチャ画像90を正方形に近い形で生成しておかないと適切にテクスチャ画像の表示を行うことができないものもある。そのため、オリジナル三次元モデル80が縦方向に長い形状を有している場合には、図16に示すように投影テクスチャ画像91の横方向に隣接させて非投影テクスチャ画像92を配置したテクスチャ画像を生成することが好ましいのである。
【0081】
また、オリジナル三次元モデル80のオリジナルテクスチャ画像を縦方向及び横方向に検査して縦方向及び横方向それぞれの周波数成分を予め求め、各方向の周波数分布において一定周波数以上の周波数成分が所定割合以上含まれている場合には、その方向に関する投影画像の解像度を高くすることが望まれる。例えば、図7に示すオリジナル三次元モデル80においてカップ形状表面に付された横縞模様の各ラインが極めて細いラインである場合、投影画像における縦方向の解像度を低下させてしまうと、細いラインに関するテクスチャ情報が欠落する可能性がある。また、そのような場合、オリジナルテクスチャ画像における縦方向の周波成分は高周波成分を多く含むことになる。このため、投影面に設定する投影画像における縦方向の解像度を高くすることによって、投影テクスチャ画像91を生成する際に、細いラインに関するテクスチャ情報が欠落することを防止することが可能になる。
【0082】
そしてそのような場合にも、投影テクスチャ画像91は縦方向に長い画像となるため、図16に示すように非投影テクスチャ画像92を投影テクスチャ画像91の横方向に隣接は位置することが好ましい。つまり、テクスチャ画像生成条件設定部11によって設定される投影画像の縦方向及び横方向の解像度に応じて投影テクスチャ画像91に対する非投影テクスチャ画像92の配置位置を変更させることにより、より好ましいテクスチャ画像90が生成されることになる。
【0083】
次に、図17は、非投影テクスチャ画像92を投影テクスチャ画像91の下側及び右側に隣接配置したテクスチャ画像90を示す図である。上述したように、コンピュータにおいてテクスチャ画像90を表示する際にテクスチャ画像90は正方形に近い画像であることが望まれる場合がある。そのため、図17に示すように、非投影テクスチャ画像92を投影テクスチャ画像91の下側及び右側に隣接配置することによって、より正方形に近い形状のテクスチャ画像90を生成することが可能になる。
【0084】
図17に示すようなテクスチャ画像90の生成方法としては、非投影テクスチャ画像92を投影テクスチャ画像91の周囲に配置していく際に、テクスチャ画像90の縦方向の長さと横方向の長さとを比較し、縦方向の長さが短ければ、縦方向の長さを増加させるように非投影テクスチャ画像92を配置していき、横方向の長さが短ければ、横方向の長さを増加させるように非投影テクスチャ画像92を配置していくようにすればよい。
【0085】
このようにオリジナル三次元モデル80に対して投影面を設定し、その投影面にオリジナルテクスチャ画像を仮想投影することによって投影テクスチャ画像91を生成するとともに、投影面に対して投影することができないテクスチャ画像については非投影テクスチャ画像92として生成し、これらの投影テクスチャ画像91及び非投影テクスチャ画像92が互いに一体的なデータとして取り扱われるようにテクスチャ画像90を生成することにより、オリジナル三次元モデル80についての漏れのないテクスチャ画像90を生成することができる。
【0086】
このようにしてテクスチャ画像90が生成されることによりテクスチャ画像データ71が生成される。また、このとき新たな三次元モデルデータ70が構築されることになる。
【0087】
そして図3のステップS9に進み、画像配置部15はテクスチャ画像データ71を記憶部50、画像表示部20、記録媒体入出力部40又は通信インタフェース60に対して出力する。ただし、通信インタフェース60を介してネットワーク9に出力する場合は、送信先となる外部コンピュータ4を指定してデータ出力を行う。その結果、外部コンピュータ4においては三次元データ処理装置1において生成されたテクスチャ画像データ71を含む新たな三次元モデルデータ70を入手することが可能になる。
【0088】
以上で、この実施の形態における三次元データ処理装置1における処理が終了する。
【0089】
そして上記のような処理を行うことにより、オリジナル三次元モデル80に関する漏れのないテクスチャ画像90を生成することが可能である。
【0090】
また、投影テクスチャ画像91と非投影テクスチャ画像92との2種類の画像でテクスチャ画像90を管理することにより、投影面に対して投影することのできた部分の画像については、画像表示を行った際に、どのような画像であるかを容易に視認することができ、画像編集等のソフトウェアを起動して画像の編集作業や修正作業をユーザが容易に行うことが可能になるという利点もある。
【0091】
また、非投影ポリゴンに対応する単位テクスチャ画像の抽出が行われる際には、非投影ポリゴンのサイズよりも大きな画像領域を抽出して非投影テクスチャ画像92が生成されるので、非投影テクスチャ画像92の各単位テクスチャ画像を各ポリゴンに貼り付ける際に、ポリゴン境界付近で画像の欠落が生じることを防止することができ、上記のようにして生成されたテクスチャ画像90から良好に三次元モデルを再現することが可能である。
【0092】
また、投影面に対して投影可能なポリゴンについては投影画像によってテクスチャ画像が生成されるので、全てのポリゴンについて各ポリゴンよりも大きなサイズの単位テクスチャ画像を抽出してテクスチャ画像を生成する場合よりも、テクスチャ画像全体でのデータサイズを小さくすることができ、テクスチャ画像のデータ管理やデータ送受信が容易になる。
【0093】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0094】
例えば、上記説明においては、投影面として円筒面81を設定する例について説明したが、これに限定されるものではなく、球面や多面体のような投影面を設定してもよい。
【0095】
図18は投影面を構成する六面体を示す図である。図18に示すように、オリジナル三次元モデル80の周囲を六面体85で取り囲み、六面体85の各面86a〜86eのそれぞれを投影面として設定して仮想投影を行うようにしてもよい。この場合、各投影面のいずれかに仮想投影されるポリゴンのテクスチャ画像については6枚の投影テクスチャ画像のいずれかに含まれることとなり、各投影面のいずれにも投影することができないポリゴンのテクスチャ画像については非投影テクスチャ画像として生成されることになる。
【0096】
また、上記説明においては、主として投影テクスチャ画像91と非投影テクスチャ画像92とが1つのテクスチャ画像90を形成することによって互いに一体的な画像データとして取り扱われるように関連づけられる場合を例示したが、必ずしも投影テクスチャ画像91と非投影テクスチャ画像92とをまとめて1つのテクスチャ画像を生成する必要はない。すなわち、投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とを一体的な画像データとして取り扱うことが可能な状態に互いに関連づけられた形態であれば、これらの画像をそれぞれ別の画像データとして管理しておくようにしてもよい。
【0097】
また、上記説明においては、ネットワーク9に接続された1台のコンピュータである三次元データ処理装置1において全ての処理が実現される例について説明したが、これに限定されるものでもなく、例えば、ネットワーク9に接続される複数のコンピュータによって上述した処理が実行されるように構成されてもよい。
【0098】
なお、上述した実施の形態には、以下の発明概念が含まれる。
【0099】
(1)請求項1乃至3のいずれかに記載のテクスチャ画像生成プログラムであって、前記オリジナル三次元モデルは三次元形状データを構成する複数のポリゴンを含んでおり、前記コンピュータが前記非投影テクスチャ画像生成手段として機能し、前記投影不可能な部分の抽出を行う際に、前記オリジナルテクスチャ画像のうち、前記複数のポリゴンのうちの前記投影面に対して投影不可能なポリゴンに対応する部分であって、該投影不可能なポリゴン領域よりも大きな画像領域を抽出させることを特徴とするテクスチャ画像生成プログラム。
【0100】
これにより、投影不可能だったポリゴンに対してテクスチャ画像を貼り付けた際にもポリゴン境界付近で画像の欠落が生じることを回避することができる。
【0101】
(2)請求項1乃至3のいずれかに記載のテクスチャ画像生成プログラムであって、前記オリジナル三次元モデルは三次元形状データを構成する複数のポリゴンを含んでおり、前記コンピュータが前記投影テクスチャ画像生成手段として機能し、前記仮想投影を行う際に、前記複数のポリゴンのうちの各ポリゴンの位置と、各ポリゴンが前記投影面に投影される各投影位置との間に、他のポリゴンが存在しない場合には前記オリジナルテクスチャ画像のうち該ポリゴンに対応する部分を投影可能な部分とし、他のポリゴンが存在する場合には前記オリジナルテクスチャ画像のうち該ポリゴンに対応する部分を投影不可能な部分とする判定を行わせることを特徴とするテクスチャ画像生成プログラム。
【0102】
これにより、投影面に対して投影可能なポリゴンと投影不可能なポリゴンとを明確に区別して判定を行うことができる。
【0103】
(3)請求項4又は5に記載のテクスチャ画像データにおいて、前記オリジナル三次元モデルは三次元形状データを構成する複数のポリゴンを含み、前記非投影テクスチャ画像は、前記オリジナルテクスチャ画像のうち、前記複数のポリゴンのうちの前記投影面に対して投影不可能なポリゴンに対応する部分であって、該投影不可能なポリゴン領域よりも大きな画像領域が抽出されて形成されることを特徴とするテクスチャ画像データ。
【0104】
これにより、投影不可能だったポリゴンに対してテクスチャ画像を貼り付ける際にもポリゴン境界付近で画像の欠落が生じることのないテクスチャ画像データを実現することができる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、仮想モデル空間に対して設定される所定数の投影面に対して、オリジナルテクスチャ画像のうちの投影可能な部分の仮想投影を行うことによって投影テクスチャ画像を生成するとともに、オリジナルテクスチャ画像のうちの投影不可能な部分を抽出した非投影テクスチャ画像を生成し、投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とを互いに関連づけて出力するように実現されるため、オリジナル三次元モデルに関する漏れのないテクスチャ画像を生成することができるとともに、テクスチャ画像としてのデータ量が低減される。またさらに、ユーザが比較的容易に編集作業や修正作業を行うことのできるテクスチャ画像を生成することが可能である。
【0106】
請求項2に記載の発明によれば、非投影テクスチャ画像と投影テクスチャ画像との関連づけを行う際に、非投影テクスチャ画像と投影テクスチャ画像とを隣接させた画像配置を行わせるため、テクスチャ画像の管理が容易になる。
【0107】
請求項3に記載の発明によれば、画像配置を行う際に、投影テクスチャ画像に対する非投影テクスチャ画像の配置位置を解像度に応じて変更させるため、生成される投影テクスチャ画像に応じた形態のテクスチャ画像を生成することができる。
【0108】
請求項4に記載の発明によれば、テクスチャ画像データが、投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とを互いに関連づけたデータ構造を有するため、オリジナル三次元モデルに関する漏れのないテクスチャ画像データを形成する。また、テクスチャ画像データとしてのデータ量が低減され、さらにユーザが比較的容易にテクスチャ画像の編集作業や修正作業を行うことの可能なテクスチャ画像データとなる。
【0109】
請求項5に記載の発明によれば、非投影テクスチャ画像と投影テクスチャ画像とがテクスチャ画像において隣接した画像配置とされることによって互いに関連づけられるため、テクスチャ画像の管理が容易になる。
請求項6に記載の発明によれば、仮想モデル空間に対して設定される所定数の投影面に対して、オリジナルテクスチャ画像のうちの投影可能な部分の仮想投影を行うことによって投影テクスチャ画像を生成するとともに、オリジナルテクスチャ画像のうちの投影不可能な部分を抽出した非投影テクスチャ画像を生成し、投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像とを互いに関連づけて出力するように実現されるため、オリジナル三次元モデルに関する漏れのないテクスチャ画像を生成することができるとともに、テクスチャ画像としてのデータ量が低減される。またさらに、ユーザが比較的容易に編集作業や修正作業を行うことのできるテクスチャ画像を生成することが可能である。
請求項7に記載の発明によれば、非投影テクスチャ画像と投影テクスチャ画像との関連づけを行う際に、非投影テクスチャ画像と投影テクスチャ画像とを隣接させた画像配置を行わせるため、テクスチャ画像の管理が容易になる。
請求項8に記載の発明によれば、画像配置を行う際に、投影テクスチャ画像に対する非投影テクスチャ画像の配置位置を解像度に応じて変更させるため、生成される投影テクスチャ画像に応じた形態のテクスチャ画像を生成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】三次元データ処理装置の構成を示す図である。
【図2】三次元データ処理装置のCPUによって実現される機能を示す図である。
【図3】テクスチャ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】テクスチャ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】テクスチャ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】テクスチャ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】オリジナル三次元モデルの一例を示す図である。
【図8】三次元モデルに対して設定される円筒面の一例を示す図である。
【図9】仮想投影処理の概念を示す図である。
【図10】隠面処理の概念を示す図である。
【図11】非投影ポリゴンに対応するテクスチャ画像の抽出概念を示す図である。
【図12】非投影ポリゴンに対応するテクスチャ画像の抽出概念を示す図である。
【図13】非投影ポリゴンに対応するテクスチャ画像の抽出概念を示す図である。
【図14】投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像との配置形態の一例を示す図である。
【図15】投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像との配置形態の一例を示す図である。
【図16】投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像との配置形態の一例を示す図である。
【図17】投影テクスチャ画像と非投影テクスチャ画像との配置形態の一例を示す図である。
【図18】投影面を構成する六面体を示す図である。
【符号の説明】
1 三次元データ処理装置
2 記録媒体
3 仮想モデル空間
4 外部コンピュータ
9 ネットワーク
10 CPU
11 テクスチャ画像生成条件設定部(解像度設定手段)
12 仮想モデル空間設定部
13 投影面設定部(投影面設定手段)
14 仮想投影演算部(投影テクスチャ画像生成手段,非投影テクスチャ画像生成手段)
15 画像配置部(出力手段)
20 画像表示部
30 操作入力部
40 記録媒体入出力装置
50 記憶部
51 オリジナル三次元モデルデータ
52 テクスチャ画像生成プログラム
60 通信インタフェース
80 オリジナル三次元モデル

Claims (8)

  1. コンピュータを機能させて、オリジナル三次元モデルからテクスチャ画像を生成するためのテクスチャ画像生成プログラムであって、前記コンピュータを、
    前記コンピュータの演算手段によって設定される前記オリジナル三次元モデルの仮想モデル空間に対し、前記演算手段を用いて、前記オリジナル三次元モデルのオリジナルテクスチャ画像を投影するための所定数の投影面を設定する投影面設定手段、
    前記演算手段を用いて、前記所定数の投影面に対して、前記オリジナルテクスチャ画像のうちの投影可能な部分の仮想投影を行うことによって、投影テクスチャ画像を生成する投影テクスチャ画像生成手段、
    前記演算手段を用いて、前記オリジナルテクスチャ画像のうちの前記所定数の投影面に対して投影不可能な部分を抽出した非投影テクスチャ画像を生成する非投影テクスチャ画像生成手段、及び
    前記演算手段を用いて、前記投影テクスチャ画像と前記非投影テクスチャ画像とを互いに関連づけて出力する出力手段、
    として機能させるテクスチャ画像生成プログラム。
  2. 請求項1に記載のテクスチャ画像生成プログラムであって、
    前記コンピュータが前記出力手段として機能し、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像との関連づけを行う際に、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像とを隣接させた画像配置を行わせることを特徴とするテクスチャ画像生成プログラム。
  3. 請求項2に記載のテクスチャ画像生成プログラムであって、
    前記コンピュータを、前記仮想投影を行う際の前記所定数の投影面に対する縦方向及び横方向の解像度を設定する解像度設定手段として、さらに機能させるとともに、
    前記コンピュータが前記出力手段として機能し、前記画像配置を行う際に、前記投影テクスチャ画像に対する前記非投影テクスチャ画像の配置位置を前記解像度に応じて変更させることを特徴とするテクスチャ画像生成プログラム。
  4. オリジナル三次元モデルから生成されるテクスチャ画像データであって、
    前記オリジナル三次元モデルの仮想モデル空間に対して所定数の投影面が設定され、前記所定数の投影面に対して、前記オリジナル三次元モデルのオリジナルテクスチャ画像のうちの投影可能な部分が仮想投影されて生成される投影テクスチャ画像と、
    前記オリジナルテクスチャ画像のうちの前記所定数の投影面に対して投影不可能な部分が抽出された非投影テクスチャ画像と、
    が互いに関連づけられたデータ構造を有するテクスチャ画像データ。
  5. 請求項4に記載のテクスチャ画像データにおいて、
    前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像とが隣接した画像配置とされることによって互いに関連づけられることを特徴とするテクスチャ画像データ。
  6. オリジナル三次元モデルからテクスチャ画像を生成するデータ処理装置であって、
    前記オリジナル三次元モデルの仮想モデル空間に対し、前記オリジナル三次元モデルのオリジナルテクスチャ画像を投影するための所定数の投影面を設定する投影面設定手段、
    前記所定数の投影面に対して、前記オリジナルテクスチャ画像のうちの投影可能な部分の仮想投影を行うことによって、投影テクスチャ画像を生成する投影テクスチャ画像生成手段、
    前記オリジナルテクスチャ画像のうちの前記所定数の投影面に対して投影不可能な部分を抽出した非投影テクスチャ画像を生成する非投影テクスチャ画像生成手段、及び
    前記投影テクスチャ画像と前記非投影テクスチャ画像とを互いに関連づけて出力する出力手段、
    を備えることを特徴とするデータ処理装置。
  7. 請求項6に記載のデータ処理装置であって、
    前記出力手段は、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像との関連づけを行う際に、前記非投影テクスチャ画像と前記投影テクスチャ画像とを隣接させた画像配置を行わせることを特徴とするデータ処理装置。
  8. 請求項7に記載のデータ処理装置であって、
    前記仮想投影を行う際の前記所定数の投影面に対する縦方向及び横方向の解像度を設定する解像度設定手段、
    をさらに備え、
    前記出力手段は、前記画像配置を行う際に、前記投影テクスチャ画像に対する前記非投影テクスチャ画像の配置位置を前記解像度に応じて変更させることを特徴とするデータ処理装置。
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