JP4081539B2 - 高圧反応システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧条件下において高効率で多品種の物質製造・反応を行うことを可能とする高圧反応システムに関するものであり、更に詳しくは、バッチ式で被反応物を高圧下で反応させ、目的化合物を製造する反応システムであって、超臨界流体等の高圧流体中で種々の物質製造・反応等を並列して同時的に複数実施することを可能とする新しい高圧反応システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高圧条件下で物質製造・反応等を行う方法は、大きく分けてバッチ式と流通式の2方式がある。例えば、超臨界流体を用いる物質製造装置は、従前から行われてきている反応装置1個を用いるバッチ式装置か、あるいは流通式装置のどちらかに属する。これらのうち、流通式装置は、連続的に反応の追跡が可能であるため、先行技術として、例えば、カラムクロマトグラフィー(例えば、特開平08−313505等)や多くの製造装置(例えば、特開平07−313987等)で構築されている。しかしながら、例えば、生成物質が超臨界流体に溶解せず、抽出できない場合や、生成物質が高沸点で、蒸留等でも反応系外に導出できない場合には、流通式装置はそれらの製造に適さない欠点がある。
【0003】
一方、バッチ式装置は、様々な反応に適応することができ、先行技術として、例えば、多くの条件下での製造が可能である(例えば、特開平10−244147等)。このバッチ式装置は、特に、ろ過行程等で物質の分離が必要な場合には有効である。しかしながら、バッチ式装置は、反応容器が1個であるため、反応毎に製造装置を停止し、開閉して原料を入れたり、あるいは生成物を取り出す必要があり、効率は非常に悪く、例えば、温度、流速、圧力、反応時間等の条件を目的に対応させて、様々な条件下で行う多品種の物質製造・反応や大量合成には不向きであるという欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、様々な反応に適用することができ、多くの条件下での製造が可能である上記バッチ式装置の利点を生かし、しかも、効率よく、温度、流速、圧力、反応時間等の条件を目的に対応させて自由に制御して多品種の物質製造・反応や大量合成を行うことを可能とする新しい高圧反応システムを開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、高圧流体用ボンベとポンプを有する高圧流体送液部と、反応容器を有する高圧反応部と、及び試料回収容器を含む圧力制御部とを、切り替えバルブを介して並列に配設することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、様々な製造や反応、反応条件に適応可能なバッチ式装置の利点を活用し、同時に多種多様な条件で効率的な物質製造・反応等を可能にする高圧反応システムを提供することを目的とするものである。
また、本発明は、超臨界流体又は亜臨界流体等の高圧流体中で種々の製造・反応等を並列して同時的に複数実施することにより多品種の物質製造・反応等を可能とする新しい高圧反応システムを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)原料の異なる高圧反応が可能で、かつ圧力の異なる高圧反応、及び/又は反応温度の異なる高圧反応が可能な高圧反応によりバッチ式で被反応物を高圧下で反応させ、目的化合物を製造する反応システムであって、超臨界流体又は亜臨界流体からなる高圧流体用ボンベとポンプを有する高圧流体送液部、該高圧流体送液部のポンプに切り替えバルブを介して並列に配設した複数の反応容器を有する高圧反応部、反応試料回収容器を含む圧力制御部、及び各反応容器に反応原料を導入する配管を構成要素として含み、1個の高圧流体導入ポンプに複数の反応容器を切り替えバルブを介して並列に配設し、切り換えバルブにより、複数の反応容器に高圧流体の導入ができ、かつ反応容器ごとに異なった反応原料による反応が可能となるようにしたことを特徴とする高圧反応システム。
(2)1個の圧力制御系と複数の反応容器を切り替えバルブを介して並列に配設し、各反応容器内の圧力をほぼ同時に制御できるようにしたことを特徴とする前記(1)に記載の高圧反応システム。
(3)1個の高圧流体導入ポンプに複数の反応容器を1個ないし複数個の切り替えバルブを介して並列に配設し、同時に1個の圧力制御系と複数の反応容器を1個ないし複数個の切り替えバルブを介して並列に配設し、各反応容器内の圧力を制御しながら高圧流体の導入ができるようにしたことを特徴とする前記(1)に記載の高圧反応システム。
(4)第一の切り替えバルブの下位に、2個の切り替えバルブを介して複数の反応容器を並列に設置し、これらを一つの高圧反応系として第一の切り替えバルブに接続したことを特徴とする前記(3)に記載の高圧反応システム。
(5)個々の反応容器を恒温浴に入れ、それぞれ独立に温度制御を行うようにしたことを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の高圧反応システム。
(6)反応容器が2〜100個であることを特徴とする前記(1)から(5)のいずれかに記載の高圧反応システム。
(7)反応圧力が1〜50MPaの範囲であることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の高圧反応システム。
(8)反応温度が30〜300℃の範囲であることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の高圧反応システム。
【0006】
本発明者らは、従来の、超臨界流体等の高圧流体を用いた、使い勝手が悪く、多数の反応を実施するのに長時間を要する、バッチ式製造装置の効率を向上すべく鋭意研究を行った結果、本発明を開発するに至ったものであり、本発明の高圧反応システムは、高圧流体用ボンベとポンプを有する高圧流体送液部と、複数の反応容器を有する高圧反応部と、試料回収容器を有する圧力制御部と、及び配管構成要素として含み、1個の高圧流体導入ポンプに複数の反応容器を切り替えバルブを介して並列に配設し、複数の反応容器に高圧流体の導入ができるようにしたことを特徴としている。
【0007】
本発明では、1個の高圧流体導入ポンプに複数の反応容器を並列に接続することで、上記ポンプで各反応容器に高圧流体を導入することが可能となり、バッチ式でありながら、上記反応容器ごとに、種々の条件下での反応が可能となる。
本発明では、上記各反応容器に、温度調節手段、圧力調節手段を設置することが可能であり、それにより、反応容器ごとに、異なった温度、圧力での反応が可能となる。また、上記各反応容器に、反応原料を導入する配管を設置することができ、それにより、反応容器ごとに、異なった反応原料による反応が可能となる。更に、本発明では、高圧流体を反応容器に導入するための配管を設置すること、切り替えバルブと反応容器の間にストップバルブを設置すること、反応容器内の反応生成物を排出する配管を設置すること、これらの系の圧力を制御するための圧力制御装置を設置すること、が適宜可能であり、これらの構成により、反応容器の圧力を一定に保持し、反応生成物を回収することが可能となる。
【0008】
本発明の高圧反応システムは、例えば、切り替えバルブ2個の間に、複数の反応容器を並列に接続することにより、バッチ式でありながら、種々の条件下での物質製造・反応を同時に行うことができ、これにより、製造時間を大幅に短縮でき、効率的な物質生産が可能になるという特徴を有する。また、本発明に使用する反応容器は、従来の反応容器でも、また、新しい適宜のタイプの反応容器でも使用することが可能であり、かつ、ポンプ1台で2〜100個の反応容器に高圧流体を導入できる高圧反応システムを提供することができる。また、各反応容器に、例えば、温度調節器、圧力計を設置することにより、それぞれ異なった温度、圧力で物質製造・反応が可能な高圧反応システムを提供することができる。また、各反応容器に反応原料を導入する配管を設置することにより、それぞれ異なった原料を用いた物質製造・反応が可能な高圧反応システムを提供することができる。更に、反応容器と切り替えバルブの間に、ストップバルブを設置することにより、異なる設定反応時間で、適宜、反応を終了できる高圧反応システムを提供することができる。更に、反応容器内の生成物等の試料を排出するための配管、高圧流体を導入するための配管、及び圧力制御装置を設置することにより、反応容器の圧力を一定に保持しながら試料を分取できる高圧反応システムを提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の高圧反応システムの一例である実施例を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の高圧反応システムの一例の全体の模式図、及び図2は、本発明の高圧反応システムで用いた反応容器の一例の模式図を示す。
【0010】
図1における高圧反応システムは、大きく分けて3つの構成要素から成っている。すなわち、上記高圧反応システムは、高圧流体用ボンベとポンプを有する高圧流体送液部(ボンベ1〜配管5の部分)、複数の反応容器を有する高圧反応部(切り替えバルブ6〜配管32の部分、及び切り替えバルブ6〜システム35の部分)、及び試料回収容器を含む圧力制御部(圧力制御弁33〜試料回収容器34の部分)から構成されている。これらの各部は、高圧流体を使用するに十分な機械的強度があれば良く、高価な耐腐食性の材質で構成される必要はない。すなわち、これらの各部の材質は、特別の材質とする必要はなく、従来用いられているものと同じ材質を使用することができ、例えば、炭素鋼、ステンレススチール等の材質を好適に使用することができる。
【0011】
本発明において、使用する高圧流体としては、例えば、二酸化炭素が代表的なものとして例示されるが、これ以外にも、例えば、、水素、メタン、エタン、プロパン、メタノール、エタノール等を好適に用いることができ、更には、一酸化炭素、塩素、フッ素、臭化水素、塩化水素、フッ化水素、水、硫化水素、ヘリウム、ヨウ素、クリプトン、窒素、アンモニア、ネオン、酸素、二酸化硫黄、三酸化硫黄、キセノン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、エチレン、プロピレン、1, 3−ブタジエン、アセチレン、フレオン−13、フレオン−12、フレオン−11、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、フレオン−22、フレオン−21、フレオン−114、フレオン−113、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、アリルアルコール、メチルエーテル、メチルメチルエーテル、エチルエーテル、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、エチルメチルケトン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン等も用いることができる。
【0012】
上記高圧流体として、超臨界流体、亜臨界流体のいずれも用いることができる。本発明では、使用する高圧流体としては、超臨界流体が最も好ましいが、亜臨界流体も用いることも可能である。例えば、二酸化炭素を用いる場合、これを7.4MPa以上の圧力下で使用することができ、更に、亜臨界流体の領域である5.0MPa以上7.4MPaの圧力下で好適に使用することができる。
【0013】
本発明の高圧反応システムについて、高圧流体として、超臨界二酸化炭素を用いた場合の例を図1及び図2に基づいて説明すると、超臨界二酸化炭素は、二酸化炭素ボンベ1よりストップバルブ2と配管3を通してポンプ4に接続され、更に、配管5を通して第一切り替えバルブ6に導入される。更に、第一切り替えバルブ6から配管7、ストップバルブ8及び配管9を通り、切り替えバルブ10に導入される。この時、超臨界二酸化炭素の供給速度、供給量をポンプ4とストップバルブ8の併用で制御することができる。この際、第一切り替えバルブ6は、必要でない場合もあり得るが、例えば、同種の反応システムを多段階に接続する場合、すなわち、別経路や多くの流通経路を使用する場合には、第一段階の切り替えバルブとして接続する必要が出てくる。また、必要に応じて、この第一切り替えバルブ6を多段階にし、更に多くの流通経路を確保することもできる。
【0014】
第一切り替えバルブ6による流路の確保数は、2経路から100経路まで可能であるが、反応条件の設定等の前準備や故障対策の点から、好ましくは2経路から70経路、更に好ましくは2経路から40経路、最も好ましくは2経路から20経路である。
次に、切り替えバルブ10に導入された超臨界流体は、配管11から反応装置17に、配管12から反応装置18に、配管13から反応装置19に、配管14から反応装置20に、配管15から反応装置21に、及び/又は配管16から反応装置22に導入される。
この切り替えバルブ10により、更に多くの流路を確保することも可能であり、それに付随して、同時に、反応装置も2個から100個まで装備することが可能であり、好ましくは2〜70個、更に好ましくは2〜40個、最も好ましくは2〜20個の反応装置を用いることが可能である。
【0015】
図2に、それぞれ、反応装置17、反応装置18、反応装置19、反応装置20、反応装置21、及び反応装置22の詳細を模式図として示す。超臨界二酸化炭素は、図1に示されている切り替えバルブ10から図2の配管36を通り、ストップバルブ37に接続される。ストップバルブ37から配管38を通り、反応容器39に接続され、ストップバルブ37の開閉で超臨界流体の導入が調節できる。反応容器39には、配管40、ストップバルブ41を通り、配管42から図1に示される切り替えバルブ29に接続され、ストップバルブ41の開閉を通して、超臨界二酸化炭素、及び試料等の排出が可能である。また、反応容器には、温度センサー43、圧力センサー44が接続されており、常に、反応容器内の温度と圧力が測定できるようになっている。更に、配管45とストップバルブ46が接続されており、個々に高圧シリンジポンプ等を接続することで別々に試料を導入でき、また、検出器を接続することで各種測定を行うことが可能となり、あるいは反応中のサンプリング等も可能となる。更に、この反応容器39全体を恒温浴47で覆い、温度センサー49と冷却手段及び発熱体48を用いることで反応温度の制御を行うことができる。
【0016】
図1において、各反応容器からの超臨界流体は、配管23、配管24、配管25、配管26、配管27、及び/又は配管28を通り、切り替えバルブ29に排出される。上記切り替えバルブ10と切り替えバルブ29は、電気的に連動しており、バルブ10の出力aとバルブ29の入力g、バルブ10の出力bとバルブ29の入力h、バルブ10の出力cとバルブ29の入力i、バルブ10の出力dとバルブ29の入力j、バルブ10の出力eとバルブ29の入力k、及びバルブ10の出力fとバルブ29の入力l、とが必ず組になって接続されている。但し、切り替えバルブ10と切り替えバルブ29は、それぞれ手動に切り替えができ、個々の入出力を自由に選択することも適宜可能である。一方、切り替えバルブ29は、配管30を通してストップバルブ31に接続される。すなわち、ストップバルブ8からストップバルブ31までが、第一の高圧反応部を構成している。
【0017】
このストップバルブ31は、第一切り替えバルブ6に接続され、最後に配管32を経由して圧力制御弁33から試料回収容器34に繋がっている。この圧力制御弁33は、第一の高圧反応部における切り替えバルブ29で選択された反応容器の内圧を制御できる。更に、切り替えバルブ10で流通経路を選択し、ストップバルブ8とポンプ4を組み合わせれば、流通式の反応も行うことが可能となる。
第一切り替えバルブ6には、第二の高圧反応システム35が接続され、第一切り替えバルブ6を制御することによって、高圧条件下での多品種の物質製造・反応を可能とすることができる。
【0018】
【作用】
本発明は、バッチ式の高圧反応システムとして、1 個のポンプに複数の反応容器を切り替えバルブを介して並列に配設し、複数の反応容器に高圧流体の導入ができるようにしたことを特徴とする高圧反応システムであり、1)通常のバッチ式あるいは流通式では困難であった異なる圧力下での物質製造を同時に行うことができる、2)通常のバッチ式あるいは流通式では困難であった異なる温度での物質製造・反応を同時に行うことができる、3)通常のバッチ式あるいは流通式では困難であった異なる基質を用いた物質製造・反応を同時に行うことができる、4)通常のバッチ式あるいは流通式では困難であった異なる反応時間での物質製造・反応を同時に行うことができる、及び5)前記の1)〜4)の組み合わせによる多様な多品種の物質製造・反応を同時に行うことができる、などの従来の方式では到底得られない格別の効果を奏する新しい高圧反応システムを実現することを可能とするものである。
【0019】
【実施例】
次に、本発明の高圧反応システムによる高圧反応を実施例に基づいて具体的に説明するが、本実施例は、本発明の好適な一例を説明したものであり、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
(1)圧力の異なる高圧反応
図1に示した構造の高圧反応システムを用いて、12個の反応装置(反応容器の内容積50ml)に、それぞれ、スチレンオキシド(1mmol)とジメチルホルムアミド(1mmol)を仕込み、バルブで切り替えて1〜50MPaの所定圧力の二酸化炭素を導入し、反応温度120℃で15時間反応させた。その後、反応温度を0℃に急速に冷却し、反応を停止させた後、バルブで切り替えながら脱圧し、各反応容器に残った反応生成物をガスクロマトグラフィーによって調べ、原料と生成物のスチレンカーボネートの定量、定性を行った。
【0020】
(2)結果
表1に、カーボネート収率の結果を示す。本発明の高圧反応システムを用いることにより、1個の反応容器を付属した従来型製造装置で12日かかっていた圧力の異なる行程についての製造日数を1日に短縮することができ、最適圧力を知るための製造工程の日程を著しく効率化できることがわかった。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例2
(1)原料の異なる高圧反応
図1の高圧反応システムを用い、6個の反応装置(反応容器の内容積50ml)に、それぞれ、表2に示す各種アルキレンオキシド(1mmol)とジメチルホルムアミド(1mmol)を仕込み、バルブで切り替えながら圧力8.0MPaの二酸化炭素を導入し、反応温度120℃で15時間反応させた。その後、温度を0℃に急速に冷却し、反応を停止させた後、バルブで切り替えながら脱圧し、各反応容器に残った反応生成物をガスクロマトグラフィーによって調べ、原料と生成物の各種カーボネートの定量、定性を行った。
【0023】
(2)結果
表2に、カーボネート収率結果を示す。スチレンオキシドからスチレンカーボネートが、(S)−スチレンオキシドから(S)−スチレンカーボネートが、(R)−スチレンオキシドから(R)−スチレンカーボネートが、フェノキシエチレンオキシドからフェノキシエチレンカーボネートが、メトキシエチレンオキシドからメトキシシエチレンカーボネートが、及び1, 2−オクチルエポキシオクタンから1, 2−オクチルカーボネートが生成した。この高圧反応システムを用いることにより、1個の反応容器を付属した従来型製造装置で6日かかっていた原料の異なる行程についての製造日数を1日に短縮することができ、原料の異なる製造工程の日程を著しく効率化できることがわかった。
【0024】
【表2】
【0025】
実施例3
(1)反応温度の異なる高圧反応
図1の高圧反応システムを用い、6個の反応装置(反応容器の内容積50ml)にスチレンオキシド(1mmol)とジメチルホルムアミド(1mmol)を仕込み、バルブで切り替えながら圧力8.0MPaの二酸化炭素を導入し、30〜300℃の所定反応温度で15時間反応させた。その後、温度を0℃に急速に冷却し、反応を停止させた後、バルブで切り替えながら脱圧し、各反応容器に残った反応生成物をガスクロマトグラフィーによって調べ、原料と生成物のスチレンカーボネートの定量、定性を行った。
【0026】
(2)結果
表3に、スチレンカーボネート収率結果を示す。本発明の高圧反応システムを用いることにより、1個の反応容器を付属した従来型製造装置で6日かかっていた反応温度の異なる製造行程についての製造日数を1日に短縮することができ、反応温度の異なる製造工程の日程を著しく効率化できることがわかった。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、1ポンプ、1圧力制御装置を切り替えバルブを用いて複数の反応容器と並列に配設し、複数の反応容器に高圧流体の導入ができるようにした高圧反応システムに係るものであり、本発明により、1)バッチ式の高圧反応システムでありながら付属した反応容器数に対応して作業時間を短縮、効率化することができる、2)また、バッチ式であるため、反応容器は、従来使用されている通常の反応容器でも新たに開発した反応容器でも付属させることができ、目的に応じた選択により、様々な物質製造・反応に用いることができる、3)従って、1ポンプ、1圧力制御装置のみで、同時に温度、圧力、原料等の異なった多くの条件下で物質製造・反応を行うことができ、システムのコストも大幅に低減できる、4)また、本発明の高圧反応システムは、超臨界二酸化炭素や超臨界メタノール等の超臨界液体を用いる物質製造・反応に好適に用いられ得るが、他の高圧液相反応や、高圧気相反応等にも反応装置として用いることができる、という格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧反応システムの模式図を示す。
【図2】本発明の高圧反応システムのに使用する反応装置の模式図を示す。
Claims (8)
- 原料の異なる高圧反応が可能で、かつ圧力の異なる高圧反応、及び/又は反応温度の異なる高圧反応が可能な高圧反応によりバッチ式で被反応物を高圧下で反応させ、目的化合物を製造する反応システムであって、超臨界流体又は亜臨界流体からなる高圧流体用ボンベとポンプを有する高圧流体送液部、該高圧流体送液部のポンプに切り替えバルブを介して並列に配設した複数の反応容器を有する高圧反応部、反応試料回収容器を含む圧力制御部、及び各反応容器に反応原料を導入する配管を構成要素として含み、1個の高圧流体導入ポンプに複数の反応容器を切り替えバルブを介して並列に配設し、切り換えバルブにより、複数の反応容器に高圧流体の導入ができ、かつ反応容器ごとに異なった反応原料による反応が可能となるようにしたことを特徴とする高圧反応システム。
- 1個の圧力制御系と複数の反応容器を切り替えバルブを介して並列に配設し、各反応容器内の圧力をほぼ同時に制御できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高圧反応システム。
- 1個の高圧流体導入ポンプに複数の反応容器を1個ないし複数個の切り替えバルブを介して並列に配設し、同時に1個の圧力制御系と複数の反応容器を1個ないし複数個の切り替えバルブを介して並列に配設し、各反応容器内の圧力を制御しながら高圧流体の導入ができるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高圧反応システム。
- 第一の切り替えバルブの下位に、2個の切り替えバルブを介して複数の反応容器を並列に設置し、これらを一つの高圧反応系として第一の切り替えバルブに接続したことを特徴とする請求項3に記載の高圧反応システム。
- 個々の反応容器を恒温浴に入れ、それぞれ独立に温度制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の高圧反応システム。
- 反応容器が2〜100個であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の高圧反応システム。
- 反応圧力が1〜50MPaの範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の高圧反応システム。
- 反応温度が30〜300℃の範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の高圧反応システム。
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