JP4081493B2 - 光学補償層付偏光板の製造方法および光学補償層付偏光板を用いた画像表示装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の好ましい実施形態による光学補償層付偏光板の概略断面図である。この光学補償層付偏光板100は、偏光板10と光硬化樹脂層20と光学補償層30とをこの順に有する。偏光板10は、少なくとも偏光子11と保護フィルム12とを有する。偏光子保護フィルム12は、偏光子11の光学補償層30側に配置されている。
上記偏光子11としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
上記偏光子保護フィルム12は、任意の適切なフィルムから形成される。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。上記ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。TAC、ポリイミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ガラス質系ポリマーが好ましく、特に、TACが好ましい。
上記光硬化型接着剤層20を形成する光硬化型接着剤は、光照射により硬化し得るモノマー類および/またはポリマーと光重合開始剤とを含む。本発明において、「モノマー類」は、モノマーおよびオリゴマーを含む。
上記光学補償層30の構成は、単層であってもよく、二層以上の積層体であってもよい。光学補償層は、フィルム(延伸フィルムを含む)であってもよく、コーティング層であってもよい。
上記コーティング層の形成材は、非液晶性材料であっても、液晶性材料であってもよい。非液晶性材料としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等のポリマーが挙げられる。液晶性材料としては、ネマチック液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物、ディスコチック液晶を含む液晶組成物等が挙げられる。
本発明の1つの実施形態における光学補償層付偏光板の製造方法は、偏光子保護フィルムの一方の側に光硬化型接着剤層を介して光学補償層を積層する工程と;空気流動下または不活性ガス雰囲気下で当該偏光子保護フィルムの他方の側から紫外線を照射する工程と;当該偏光子保護フィルムの該光学補償層が形成されない側に偏光子を積層する工程とを含む。
偏光子保護フィルムと光学補償層とは、光硬化型接着剤層を介して積層される。まず、偏光子保護フィルムの一方の側に光硬化型接着剤層を形成する。光硬化型接着剤層は、上記光硬化型接着剤を偏光子保護フィルムの一方の側に塗工することにより形成され得る。光硬化型接着剤層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは0.05〜5μmであり、最も好ましくは0.1〜3μmである。
偏光子保護フィルムの他方の側(光学補償層が形成されない側)から紫外線を照射する。紫外線照射に用いられる光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、フラッシュUVランプ、低圧水銀ランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ等が挙げられる。
偏光子保護フィルムと偏光子の積層は、任意の適切な積層方法(例えば、接着)が採用され得る。接着は、任意の適切な接着剤または粘着剤を用いて行われ得る。接着剤または粘着剤の種類は、被着体(すなわち、透明保護フィルムおよび偏光子)の種類に応じて適宜選択され得る。接着剤の具体例としては、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー系接着剤、イソシアネート系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられる。粘着剤の具体例としては、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、イソシアネート系、ゴム系等の粘着剤が挙げられる。
ポリビニルアルコールフィルム〔クラレ社製、商品名:VF−PS〕を、30℃の純水に1分間浸漬しながら2.7倍に延伸した。次いで、30℃、ヨウ素濃度3重量%の水溶液中に1分間浸漬しながら1.4倍に延伸した。次いで、55℃、ホウ酸濃度4重量%・ヨウ素濃度3%の混合水溶液中に2分間浸漬しながら1.7倍に延伸した。延伸後のフィルムを、30℃、ヨウ素濃度3.4重量%の水溶液中に5秒間浸漬した。その後、空気中(27℃)で7分間乾燥させ偏光子を得た。
下記式(1)で表されるネマチック液晶性化合物90重量部、下記式(2)で表されるカイラル剤10重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバスペシャリティーケミカル社製)5重量部、およびメチルエチルケトン300重量部を均一に混合し、液晶塗工液を調製した。この液晶塗工液を基板(PETフィルム、厚み:75μm程度)上にスピンコーティング法よりコーティングし、80℃で3分間熱処理して残存溶剤を除去した。次いで、紫外線(20mJ/cm2、波長365nm)を照射して重合処理し、厚み2μmのカイラルネマチック(コレステリック)液晶層からなる光学補償層を形成した。なお、得られた光学補償層の面内位相差Reは0nm、厚み方向位相差Rthは110nmであった。
偏光子保護フィルム〔トリアセチルセルロースフィルム、富士写真フィルム製、商品名:富士タック〕の片面に、光硬化型接着剤〔日本合成化学製、商品名:紫光UV−6100B〕を塗工して、厚み2μmの光硬化型接着剤層を形成した。光硬化型接着剤層表面に、上記の基板上に形成された光学補償層を貼り付けて、積層体を得た。その際、光学補償層が光硬化型接着剤層側になるように貼り付けた。その後、図2に示すように、得られた積層体Lを、バットB(縦24cm、横31cm、高さ3.6cm)の中央付近に、光学補償層が形成されない側が上面となるように載置した。次いで、バットBの横方向に対向する側板上それぞれにチューブT,T(径0.5cm)を載置した。その際、チューブTの片端がバットB外方に突出するように載置した。次いで、バットBの上方開口部を紫外線吸収剤等の紫外線遮断剤を含まないトリアセチルセルロースフィルム〔富士写真フィルム製、商品名:クリアTAC FT−80SH〕(図示せず)で覆い、バットB内部を密閉した。その後、一方のチューブTから流量3L/minとなるように空気を流通させた。この状態で、上方から高圧水銀灯〔ウシオ電機製、商品名UVL−3200−0〕で紫外線を照射した。ここで、総照射量が500mJ/cm2となるように紫外線を照射した。その後、バットB内から積層体Lを取り出し、基板を光学補償層から剥離した。
偏光子保護フィルム〔トリアセチルセルロースフィルム、富士写真フィルム製、商品名:富士タック〕の片面に、光硬化型接着剤〔日本合成化学製、商品名:紫光UV−6100B〕を塗工して、厚み2μmの光硬化型接着剤層を形成した。光硬化型接着剤層表面に、実施例1と同様の基板上に形成された光学補償層を貼り付けて、積層体を得た。その際、光学補償層が光硬化型接着剤層側になるように貼り付けた。その後、図2に示すように、得られた積層体Lを、バットB(縦24cm、横31cm、高さ3.6cm)の中央付近に、光学補償層が形成されない側が上面となるように載置した。次いで、バットBの横方向に対向する側板上それぞれにチューブT,T(径0.5cm)を載置した。その際、チューブTの片端がバットB外方に突出するように載置した。次いで、バットBの上方開口部を紫外線吸収剤等の紫外線遮断剤を含まないトリアセチルセルロースフィルム〔富士写真フィルム製、商品名:クリアTAC FT−80SH〕(図示せず)で覆い、バットB内部を密閉した。その後、一方のチューブTから流量3L/minとなるように窒素を30秒間流通させた後、チューブTを抜き取ってバットB内を密閉した。この状態で、上方から高圧水銀灯〔ウシオ電機製、商品名UVL−3200−0〕で紫外線を照射した。ここで、総照射量が500mJ/cm2となるように紫外線を照射した。その後、バットB内から積層体Lを取り出し、基板を光学補償層から剥離した。
偏光子保護フィルム表面で空気を流通させずに紫外線を照射したこと以外は実施例1と同様にして、光学補償層付偏光板を作製した。
偏光子保護フィルム表面で空気を流通させずに紫外線を照射したこと、および、総照射量が250mJ/cm2となるように紫外線を照射したこと以外は実施例1と同様にして、光学補償層付偏光板を作製した。
偏光子保護フィルム表面で空気を流通させずに紫外線を照射したこと、および、総照射量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射したこと以外は実施例1と同様にして、光学補償層付偏光板を作製した。
偏光子保護フィルム表面で空気を流通させずに紫外線を照射したこと、および、総照射量が350mJ/cm2となるように紫外線を照射したこと以外は実施例1と同様にして、光学補償層付偏光板を作製した。
偏光子保護フィルム表面で空気を流通させずに紫外線を照射したこと、および、総照射量が400mJ/cm2となるように紫外線を照射したこと以外は実施例1と同様にして、光学補償層付偏光板を作製した。
(1)位相差の測定
光学補償層の屈折率nx、nyおよびnzを、自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA21−ADH)により計測し、面内位相差Reおよび厚み方向位相差Rthを算出した。測定温度は23℃、測定波長は590nmであった。
(2)総照射量の測定
偏光子保護フィルムの紫外線照射面に、紫外線照度計〔オーク製作所製、商品名:UV−M02〕を載置し、320〜390nmの波長領域における照度を測定した。この測定値に照射時間(秒)をかけて総照射量を算出した。
(3)密着性の評価
上記で得られた光学補償層付偏光板の端部において、偏光子と偏光子保護フィルムとの間にカッターの刃先を挿入した。当該挿入部において、偏光子と偏光子保護フィルムとを掴み、それぞれ反対方向に引っ張った。このとき、偏光子および/または偏光子保護フィルムが破断して剥離できなかった場合は、密着性が良好と判断した。一方、偏光子と偏光子保護フィルムとの間で一部または全部剥離した場合は、密着性に乏しいと判断した。
11 偏光子
12 偏光子保護フィルム
20 光硬化型接着剤層
30 光学補償層
100 光学補償層付偏光板
Claims (4)
- 偏光子保護フィルムの一方の側に光硬化型接着剤層を介して光学補償層を積層する工程と、
不活性ガス雰囲気下で該偏光子保護フィルムの他方の側から紫外線を照射する工程と、
該偏光子保護フィルムの該光学補償層が形成されない側に偏光子を積層する工程とを含む、光学補償層付偏光板の製造方法。 - 前記光学補償層が液晶材料の配向状態を固定化して形成された層である、請求項1に記載の光学補償層付偏光板の製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法により製造された、光学補償層付偏光板。
- 請求項3に記載の光学補償層付偏光板を含む、画像表示装置。
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