JP4081124B2 - D−N−カルバモイル−α−アミノ酸の製造法 - Google Patents
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Description
1. バチルス(Bacillus) sp.KNK245(FERM BP−4863)、アグロバクテリウム(Agrobacterium) sp.KNK712(FERM BP−1900)またはシュードモナス(Pseudomonas) sp.KNK003A(FERM BP−3181)に由来するヒダントイナーゼに関与する遺伝子を含むDNA断片と、ベクターDNAとの組換え体DNAを用いエシェリヒア属、シュードモナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア属、アグロバクテリウム属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微生物のような宿主菌体を形質転換して得られる形質転換体の生産する当該酵素を、水性媒体中で5−置換ヒダントインに作用させるD−N−カルバモイル−α−アミノ酸の製造法。
2.宿主微生物が、エシェリヒア属、シュードモナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア属、アグロバクテリウム属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微生物から選ばれる、1記載の形質転換微生物。
3.形質転換微生物がエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pTH102、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pTH103、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pTH104(FERM BP−4864)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pAH1043(FERM BP−4865)またはエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pPHD301(FERM BP−4866)である、2記載の形質転換微生物。
4.1〜3いずれか1項記載の形質転換微生物を使用することを特徴とする、5−置換ヒダントインを不斉的に加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素の製造法。
5.4記載の製造法で得られた酵素を使用することを特徴とする5−置換ヒダントインからD−N−カルバモイル−α−アミノ酸の製造法。
6.5−置換ヒダントインが一般式(1):
7.バチルス sp.KNK245(FERM BP−4863)由来のヒダントイナーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片と、プラスミド(pUCNT)との組換えにより得られ、図2〜4のいずれかに示す制限酵素切断地図を有する組換えプラスミド。
8.組換えプラスミドが、pTH102、pTH103またはpTH104である7記載の組換プラスミド。
9.アグロバクテリウム sp.KNK712(FERM BP−1900)由来のヒダントイナーゼをコードする遺伝子を含むDNA断面とプラスミドpUC18との組換えによって得られ、図1の制限酵素地図を有する組換えプラスミド。
10.組換えプラスミドがpAH1043である9記載の組換えプラスミド。
11.シュードモナス sp.KNK003A(FERM BP−3181)由来のヒダントイナーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片と、プラスミドpUC18の組換えによって得られ、図5の制限酵素地図を有する組換えプラスミド。
12.組換えプラスミドがpPHD301である11記載の組換えプラスミド。
13.配列表配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸番号1〜457のアミノ酸配列の全部または一部をコードする5−置換ヒダントインを不斉的に開裂加水分解して、対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す蛋白質の遺伝子。
14.配列表配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸番号1〜457のアミノ酸配列の全部または一部を含み、5−置換ヒダントインを不斉的に加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する活性を有する酵素蛋白質。
15.配列表配列番号3のアミノ酸配列のアミノ酸番号1〜485のアミノ酸配列の全部または一部をコードする5−置換ヒダントインを不斉的に開裂加水分解して、対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す蛋白質の遺伝子。
16.配列表配列番号1の塩基番号1〜2518の塩基配列の全部または一部もしくはこれと等価の塩基配列を持ち、5−置換ヒダントインを不斉的に開裂加水分解して、対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す蛋白質の遺伝子を含むDNA断片。
17.配列表配列番号3の塩基番号1〜1569の塩基配列の全部または一部もしくはこれと等価の塩基配列を持ち、5−置換ヒダントインを不斉的に開裂加水分解して、対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す蛋白質の遺伝子を含むDNA断片。
18.配列表配列番号3のアミノ酸配列のアミノ酸番号1〜485のアミノ酸配列の全部または一部を含み、5−置換ヒダントインを不斉的に加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する活性を有する酵素蛋白質。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
土壌サンプル0.5gを生理食塩水2mlに懸濁後、放置して上澄液を1滴、分離用寒天平板培地(肉エキス1.0%、ペプトン1.0%、イーストエキス1.0%、塩化ナトリウム0.3%、寒天2.0%;pH7.5)に塗布した。これを50℃で2日間培養し、得られたコロニーを、同分離用平板培地にウラシル0.1%および塩化マンガン20ppmを添加した平板培地に移植して、さらに50℃で1日培養した。こうして得られた菌体を、反応基質液(DL−(パラヒドロキシフェニル)ヒダントイン30mM、亜硫酸ナトリウム0.1%、炭酸緩衝液50mM)100μlに懸濁し、50℃で2時間反応させた。つぎに、反応液をTLCプレートにスポットし、ブタノール:酢酸:水(4:1:1)の展開溶媒で展開後、10%p−ジメチルアミノベンズアルデヒドの濃塩酸溶液を用いて黄色スポットを検出することにより、N−カルバモイルパラヒドロキシフェニルグリシンを生成する菌株を選択した。このようにして2740個のコロニーからヒダントイナーゼ高活性菌であるバチルス sp. KNK245(FERM BP−4863)を分離した。
バチルス sp. KNK245株一白金耳を500ml坂口フラスコ中の種母培地(肉エキス1.0%、ペプトン1.0%、イーストエキス0.5%;pH7.5)100mlに植菌し、55℃で19時間培養した。ついで、その2%を2リットル坂口フラスコの本培養培地(肉エキス1.0%、ペプトン1.0%、イーストエキス0.5%、ウラシル0.1%、塩化マンガン4水和物20ppm;pH7.5)500mlに植菌して55℃で19時間培養した。得られた9リットルの培養ブロスから菌体を遠心分離により集菌した。これを0.2MTris−HCl(pH8.0)20mM硫酸マンガンに懸濁し、超音波粉砕した後、遠心分離を行い。無細胞抽出液を得た。つぎに、硫安沈殿による分画、DEAE−Sepharose、フェニル−Sepharoseを用いて32倍まで精製した。さらに、硫安を用いてヒダントイナーゼの結晶を取得した。この結晶を水に溶解して、470A型気相プロテイン・シーケンサー(アプライド・バイオシステムズ社製)により解析したことろ、ヒダントイナーゼはN末端に、
Met−Lys−Lys−Ile−Ile−Lys−Asn−Gly−Thr−Ile−Val−Thr−
なるアミノ酸配列を持つことが判った。
ヒダントイナーゼ遺伝子は、WO92/10579に記載されているプラスミドpAHD101にクローン化されたDNA断片上に存在していることを以下の方法で検討することにより見出した。pAHD101を常法によりエシェリヒア・コリJM109に形質転換し、100mg/リットルのアンピシリンを含むL−ブロス(ペプトン10g/リットル、イーストエキス5g/リットル、塩化ナトリウム5g/リットル;pH7.0)50mlに植菌し、37℃で16時間培養した。ついで、培養液50mlを集菌し、上澄液を取り除き、50mlの基質溶液(0.5% 5−(パラヒドロキシフェニル)ヒダントイン、0.05%Triton X−100、0.05Mリン酸緩衝液;pH8.7)に菌体を懸濁し、窒素気流下、37℃で3時間反応を行った。この反応液をTLCにスポットし、展開後、p−ジメチルアミノベンズアルデヒドの塩酸溶液で発色したところ、標準品と一致するD−N−カルバモイル−(パラヒドロキシフェニル)グリシンのスポットを示した。以上のことから、pAHD101の形質転換株はヒダントイナーゼをコードする遺伝子を発現していることが確認できた。
プラスミドpAHD101をSacIおよびSalIで切断して、挿入断片を短縮化して得られた2.1kbpの断片を、pUC18のSacI,SalI切断フラグメントと連結してプラスミドpAH1043を得た(図1参照)。
また、DNAシークエンスキット(アプライド・バイオシステムズ社製)を用いて、ヒダントイナーゼ遺伝子の塩基配列の決定を行なった。この結果を配列表配列番号1に示した。
プラスミドpAH1043でエシェリヒア・コリ HB101を形質転換し形質転換株エシェリヒア・コリ HB101 pAH1043(FERM BP−4865)を得た。
2リットルの液体培地(肉エキス10g/リットル、ペプトン10g/リットル、イーストエキス5g/リットル;pH7.5)でバチルス sp.KNK245(FERM BP−4863)を45℃で24時間培養した後、集菌し、菌体を得た。得られた菌体よりMarmur法に従って染色体DNAを抽出した。この染色体DNA1μgにBamHIを10U添加し、37℃で16時間反応させて完全分解を行なった。
一方、別にプラスミドpUC19をBamHIで完全切断し、これを先に得られた染色体からのDNA断片とT4DNAリガーゼによって連結し、多種の組換え体プラスミドの混液を得た。
実施例3に示したアグロバクテリウム sp.KNK712(FERM BP−1900)および特開昭62−87089号に示されたLu1220株由来のヒダントイナーゼ遺伝子の塩基配列をもとに、これらの配列の1155bpの長さの塩基をはさみ、各相補鎖の配列を有する逆向きの2種類のプライマー1および2(表2)を合成した。実施例4で調製した、バチルス sp.KNK245由来の染色体DNAを鋳型として合成した2種類のプライマーを用いてポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)を行なったところ、1.2kbp程度のフラグメントを得ることができた。このフラグメントの塩基配列の決定を、DNAシークエンスキット(アプライド・バイオシステムズ社製)を用いて決定したところ、既知のヒダントイナーゼ遺伝子の塩基配列と相同性が高く、得られたPCRフラグメントはヒダントイナーゼ遺伝子の一部であることがわかった。つぎに、このフラグメントの各相補鎖の配列を有する2種類の逆向きのプライマー3および4(表2)を合成した。
さらに、実施例4の組換え体DNAのベクター部分の配列を有するプライマー5(表2)を合成して、先に合成したプライマーと、このプライマーを用いて、実施例1の組換え体DNAを鋳型にPCRを行ない、ヒダントイナーゼ遺伝子の前半部分と後半部分を含む2種類のDNA断片を得た。そしてこれらのDNA断片の塩基配列を決定した。実施例2で示したヒダントイナーゼ蛋白質のN末端アミノ酸配列から予想される塩基配列から翻訳開始コドンを決定して、先に決定した塩基配列の結果と合わせてヒダントイナーゼをコードする遺伝子の全塩基配列を決定した。
つぎに、このようにして得られた塩基配列をもとに、ヒダントイナーゼ遺伝子の開始コドンの付近の配列に制限酵素NdeIの切断配列をもつプライマー6(表2)とヒダントイナーゼ遺伝子内のPstI切断部位の配列をもつプライマー7(表2)を合成して、これらのプライマーを用い、実施例1の染色体DNAを鋳型としてPCRを行ない、1.2kbのフラグメント1を得た。つぎに、先のPstI切断部位で逆向きのプライマー8(表2)と、終止コドンの後の配列を有し、HindIII切断部位の配列をもつプライマー9(表2)を合成して、実施例1の染色体DNAを鋳型としてPCRを行ない、0.25kbのフラグメント2を得た。フラグメント1を、NdeIとPstIで、フラグメント2を、PstIとHindIIIで、WO94/03613に示されるpUC19の改良ベクタープラスミドpUCNTをNdeIとHindIIIで、それぞれ切断した断片をT4DNAリガーゼにより連結することによりヒダントイナーゼ遺伝子を含むプラスミドpTH102を得た(図2参照)。
実施例5のフラグメント2を得るのと同様の方法でPCRを行ない、0.25kbのフラグメント3を得た。ただし、この時使用した合成プライマーは、フラグメント2を得る時に使用したPstI切断部位をもつプライマーの代わりに、PstI切断部位近くのNdeI切断部位を1塩基置換して、NdeIで切断できなくしたプライマー10(表2)と、終止コドン付近のプライマーのかわりに、終止コドン以降の塩基の数をさらに減少させたプライマー11(表2)を使用した。つぎに、実施例5のpTH102を取得するのと同じ方法でフラグメント1と3とpUCNTからプラスミドpTH103を得た(図3参照)。
さらに、pTH103を得るのと同様の方法で、ただし、終止コドン付近のプライマー11の終止コドンTAGをTAAに変異させたプライマー12(表2)を使用して、pTH104を得た(図4参照)。
pTH104で形質転換されたエシェリヒア・コリHB101をエシェリヒア・コリHB101 pTH104とした。この菌株は、生命工学工業技術研究所にFERM BP−4864の寄託番号の下、1994年11月2日より寄託してある。
実施例3と同様の方法によって、WO92/10579に記載されているプラスミドpPHD301にヒダントイナーゼ遺伝子が存在することを見出した。
エシェリヒア・コリHB101をpPHD301で形質転換してエシェリヒア・コリHB101pPHD301(FERM BP−4866)を得た。また、pPHD301の制限酵素地図を図5に示す。
また、実施例3と同様に、ヒダントイナーゼ遺伝子の塩基配列の決定を行い、その結果を配列表の配列番号3に示した。
実施例6で得られた形質転換株のエシェリヒア・コリHB101pTH104を、アンピシリン100μg/mlと塩化マンガン4水和物400ppmを含む2YT・ブロス(ポリペプトン16g/リットル、イーストエキス10g/リットル、塩化ナトリウム5g/リットル;pH7.0)50mlに植菌し、37℃で24時間培養した。この培養液50mlから菌体を集菌し、0.05M炭酸緩衝液pH8.7に懸濁して50mlとした。これにTritonX−100を終濃度0.05%となるように加えた後、5−(パラヒドロキシフェニル)ヒダントインを1.5g加えて、6N苛性ソーダでpH8.7にpHコントロールしながら、窒素気流下、40℃に保温しながら3時間撹拌して反応を行なった。反応後の反応液を遠心分離して上清の生成D−N−カルバモイル−(パラヒドロキシフェニル)グリシンの比色定量を、10%パラジメチルアミノベンズアルデヒドの濃塩酸溶液による発色で行ったところ変換収率97.5%でD−N−カルバモイル−(パラヒドロキシフェニル)グリシンが生成していた。
この反応液を塩酸でpH5に調整し、遠心分離した後、上澄液を濃縮して、塩酸でpH2に調整した後、4℃に保存して析出した結晶を濾集した。水−エタノールより再結して、970mgのD−N−カルバモイル−(パラヒドロキシフェニル)グリシンを得た。融点176〜177℃、[α]D20=−177.0°(C=0.5、5%エタノール)。
実施例7と同様の方法で得られたエシェリヒア・コリHB101pTH104の培養液1リットルを集菌後、1mM硫酸マンガン水溶液に懸濁後、60mlにしてpH8.5に調整し、超音波により菌体の破砕を行なった。このようにして得られた酵素液にpH8.5に平衡化した陰イオン交換樹脂Duolite A−568を20g加え、15℃で20時間撹拌して、酵素を吸着させた。この液に終濃度0.1%となるようにグルタールアルデヒドを加え、1時間撹拌し、架橋処理を行なった。この後、樹脂を濾集、洗浄して固定化ヒダントイナーゼ20gを得た。
実施例9で得た固定化ヒダントイナーゼ5gを、窒素通気した40℃の1mM硫酸マンガン水溶液100mlに加えた後、5−(パラヒドロキシフェニル)ヒダントイン3gを添加して6N水酸化ナトリウムでpH8.7にコントロールしながら、40℃、窒素通気下3時間撹拌して反応を行なった。反応後、静置して反応液を吸引採取した後、実施例8と同様の方法で生成カルバモイルアミノ酸を精製し、D−N−カルバモイル−(パラヒドロキシフェニル)グリシンを2.2g得た。
実施例5に記載の方法に準じて、バチルス sp.KNK245由来の染色体DNAを鋳型として、プライマー12および13(表2)を用いてPCRを行い、1.7kbのフラグメントを得た。これをBamHIおよびHindIIIで切断し、同様に切断したプラスミドpHY300PLK(宝酒造)とライゲートしてプラスミドpTHB301を得た。その制限酵素地図を図6に示す。
このプラスミドpTHB301をバチルス・サブチルスISW1214(宝酒造より入手)、バチルス・サブチルスYS−11(IAM12019)またはバチルス・サブチルス3115(IAM12020)に、電気穿孔法(島津製作所製GTE−10型使用、10KV/cm,2ms)で導入し、実施例4に示す培地に、MnCl2・4H2Oを0.02g/リットル添加した培地で、37℃、20時間培養した。菌体を集めて、超音波により破砕することにより、無細胞抽出液を調製したところ、バチルス sp.KNK245を同条件で培養したときと比較して、ヒダントイナーゼの比活性は、いずれも約2.2倍高かった。
実施例11で作製したプラスミドpTHB301をプロトプラスト法
(J.Bacteriol.,149,824(1982)に準じる)でバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)IFO12550に形質転換し、実施例11と同様の方法で培養し、無細胞抽出液を調製した。同条件で調製したバチルス sp.KNK245の無細胞抽出液と比較して、ヒダントイナーゼの比活性は約3.6倍高かった。
以上記載したとおり、本発明によれば、ヒダントイナーゼの生産性が極めて高い微生物が創製でき、これを酵素源として使用することにより、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸が効率よく生産できる。
Claims (14)
- バチルス(Bacillus)sp.KNK245(FERM BP−4863)の染色体DNAを鋳型として、下記に示すプライマー6とプライマー7のプライマーセットを用いてPCRを行い、得られたフラグメントをNdeIとPstIで切断したDNA断片と、
バチルス(Bacillus)sp.KNK245(FERM BP−4863)の染色体DNAを鋳型として、下記に示すプライマー8とプライマー9のプライマーセット、プライマー10とプライマー11のプライマーセット、およびプライマー10とプライマー12のプライマーセットからなる群から選択されるプライマーセットを用いてPCRを行い、得られたフラグメントをPstIとHindIIIで切断したDNA断片を、
ベクタープラスミドpUCNTをNdeIとHindIIIで切断したものへT4DNAリガーゼで連結して得られる、
5−置換ヒダントインを不斉的に開裂加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素(以下、ヒダントイナーゼという)をコードする遺伝子を含む組み換えDNAの、lacプロモーター直後のNdeIサイトからHindIIIサイトまでに含まれる、ヒダントイナーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片と、
ベクターDNAとの組換体DNAを用いて宿主微生物を形質転換して得られる形質転換微生物。
- 宿主微生物が、エシェリヒア属、シュードモナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア属、アグロバクテリウム属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微生物から選ばれる請求項1または2記載の形質転換微生物。
- 形質転換微生物がエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pTH104(FERM BP−4864)である、請求項3記載の形質転換微生物。
- 請求項1〜4いずれかに記載の形質転換微生物、またはシュードモナス(Pseudomonas) sp.KNK003A(FERM BP−3181)に由来し、かつ、配列表配列番号3のアミノ酸配列からなる、5−置換ヒダントインを不斉的に開裂加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素(以下、ヒダントイナーゼという)をコードする遺伝子を含むDNA断片と、ベクターDNAとの組換体DNAを用いて、宿主微生物を形質転換して得られる形質転換微生物を使用することを特徴とする5−置換ヒダントインを不斉的に加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素の製造法。
- 宿主微生物が、エシェリヒア属、シュードモナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア属、アグロバクテリウム属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微生物から選ばれる請求項5記載の製造法。
- エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pTH104(FERM BP−4864)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pAH1043(FERM BP−4865)またはエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101 pPHD301(FERM BP−4866)である形質転換微生物を使用することを特徴とする5−置換ヒダントインを不斉的に加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素の製造法。
- 請求項5〜7いずれかに記載の製造法で得られた酵素を使用することを特徴とする5−置換ヒダントインからD−N−カルバモイル−α−アミノ酸の製造法。
- バチルス(Bacillus)sp.KNK245(FERM BP−4863)の染色体DNAを鋳型として、下記に示すプライマー6とプライマー7のプライマーセットを用いてPCRを行い、得られたフラグメントをNdeIとPstIで切断したDNA断片と、
バチルス(Bacillus)sp.KNK245(FERM BP−4863)の染色体DNAを鋳型として、下記に示すプライマー8とプライマー9のプライマーセット、プライマー10とプライマー11のプライマーセット、およびプライマー10とプライマー12のプライマーセットからなる群から選択されるプライマーセットを用いてPCRを行い、得られたフラグメントをPstIとHindIIIで切断したDNA断片を、
ベクタープラスミドpUCNTをNdeIとHindIIIで切断したものへT4DNAリガーゼで連結して得られる、5−置換ヒダントインを不斉的に開裂加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素(以下、ヒダントイナーゼという)をコードする遺伝子を含む組み換えDNAの、lacプロモーター直後のNdeIサイトからHindIIIサイトまでに含まれる、ヒダントイナーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片と、
ベクタープラスミドとの組み換えプラスミド。
- 配列表配列番号3のアミノ酸配列からなる、5−置換ヒダントインを不斉的に開裂加水分解して、対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す蛋白質の遺伝子。
- 配列表配列番号3のアミノ酸配列からなる、5−置換ヒダントインを不斉的に加水分解して対応するD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に変換する活性を有する酵素蛋白質。
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