JP2902112B2 - D―α―アミノ酸の製造法 - Google Patents

D―α―アミノ酸の製造法

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JP2902112B2
JP2902112B2 JP4502173A JP50217392A JP2902112B2 JP 2902112 B2 JP2902112 B2 JP 2902112B2 JP 4502173 A JP4502173 A JP 4502173A JP 50217392 A JP50217392 A JP 50217392A JP 2902112 B2 JP2902112 B2 JP 2902112B2
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carbamoyl
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pseudomonas
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弘憲 難波
勇喜雄 山田
昌行 ▲高▼野
康裕 池中
里美 ▲高▼橋
麗嘉 矢島
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はD−α−アミノ酸の製造法、特にD−N−カ
ルバモイル−α−アミノ酸を対応するD−α−アミノ酸
に変換する酵素に関与する遺伝子を有する新規形質転換
体を使用したD−α−アミノ酸の製造法に関する。
背景技術 光学活性なD−α−アミノ酸類は医薬中間体として重
要な化合物であり、特に半合成ペニシリン類や半合成セ
ファロスポリン類の製造中間体としての、D−フェニル
グリシン、D−パラヒドロキシフェニルグリシンなどが
工業的に有用な化合物として挙げられる。このようなD
−α−アミノ酸類の製造法としては、対応するD−N−
カルバモイル−α−アミノ酸類のカルバモイル基を除去
してこれを得る方法が知られており、この際のカルバモ
イル基の除去は化学的方法(特公昭58−4707号明細書)
や微生物の酵素反応を利用する方法(特公昭57−18793
号明細書、特公昭63−20520号明細書、特公平1−48758
号明細書)によって行われている。
発明が解決しようとする課題 上記カルバモイル基の除去のために採用される化学的
方法は、硫酸などの鉱酸を多量に使用するため、その処
理などに関連して環境上の問題が存在する。また、酵素
反応を利用する方法は、これまでに酵素の供給源として
知られている微生物ではいずれも酵素生産量が十分でな
く、さらに酵素の生産に高価なヒダントイン化合物やN
−カルバモイルアミノ酸化合物が必要であるなどの欠点
を有していた。
課題を解決するための手段 本発明は、このような問題点を解決すべく、酵素の生
産性が高い微生物を創製するとともに、このようにして
得られた酵素源を使用して、D−α−アミノ酸を効率よ
く生産することを目的とする。
類似の技術には特開昭63−24894号があるが、この発
明は、L−α−アミノ酸の製法に関わる技術であり、D
−α−アミノ酸の製造についての実験例は示されていな
い。
本発明は、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸のカ
ルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸に変
換する酵素に関与する遺伝子を含むDNA断片とベクターD
NAとの組換体DNAを用い、エシェリヒア属、シュードモ
ナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア
属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属
に属する微生物から選ばれた宿主菌体を形質転換して得
られる形質転換体の産生する当該酵素の作用によって、
D−N−カルバモイル−α−アミノ酸を水性媒体中で対
応するD−α−アミノ酸に変換せしめ、生成したD−α
−アミノ酸を採取することを特徴とするD−α−アミノ
酸の製造法を提供するものである。
なお、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバ
モイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸に変換す
る酵素に関与する遺伝子とベクターからなる組換体DNA
を微生物に導入して該遺伝子の形質を発現させた例は、
これまで全く知られておらず、本発明により初めて成功
したものである。
本発明で使用する、D−N−カルバモイル−α−アミ
ノ酸のカルバモイル基を除去して対応するD−α−アミ
ノ酸に変換する酵素は、D−異性体に特異的に作用する
ものであっても、D−体、L−体いづれに作用する酵素
であっても、実際上差支えない。なお、D−N−カルバ
モイル−α−アミノ酸に対する立体選択性の厳しい酵素
は、 D−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミドヒド
ロラーゼと呼ばれることがある。
本発明に用いる遺伝子を含むDNA断片としては、真核
生物、原核生物、ウイルス、バクテリオファージまたは
プラスミドに由来し、D−N−カルバモイル−α−アミ
ノ酸アミドヒドロラーゼに関与する遺伝子を含むDNA断
片があげられる。原核生物に由来する遺伝子としては、
細菌、特にシュードモナス属、アグロバクテリウム属、
アエロバクター属、アエロモナス属、ブレビバクテリウ
ム属、バチルス属、フラボバクテリウム属、セラチア
属、ミクロコッカス属、アースロバクター属、アルカリ
ゲネス属、アクロモバクター属、モラキセラ属、パラコ
ッカス属などに属する細菌に由来する遺伝子であって、
D−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミドヒドロラー
ゼに関与するものが好適にあげられる。かかる菌株の具
体例は以下のとおりである:アエロバクター・クロアカ
エ(Aerobacter cloacae)IAM 1221、バチルス・マクロ
イデス(Bacillus macroides)ATCC 12905、バチルス・
アルベイ(Bacillus alvei)IFO 3343、ブレビバクテリ
ウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagene
s)IFO 12071、フラボバクテリウム・フラベセンス(Fl
avobacterium flavescens)IFO 3086、サルシナ・ルテ
ア(Sarcina lutea)IFO 1099、セラチア・マルセサン
ス(Serratiamarcescens)IFO 3054、ミクロコッカス・
ルテウス(Micrococcus luteus)IFO 12708、アエロモ
ナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)IFO 382
0、アグロバクテリウム・スピーシーズ(Agrobacterium
species)KNK 712(FERM BP−1900)、シュードモナス
(Pseudomonas)sp.KNK 003A(FERM BP−3181)、シュ
ードモナス(Pseudomonas)sp.KNK505(FREM BP−318
2)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)1302 NRRL
B11291、アルカリゲネス・アクアマリヌス(Alkaligene
s aquamarinus)AJ 11199、アクロモバクター・リクェ
ファシエンス(Achromobacter liquefaciens)AJ 1119
8、モラキセラ・ノンリクェファシエンス(Moraxella n
onliquefaciens)AJ 11221、パラコッカス・デニトリフ
ィカンス(Paracoccus denitrificans)AJ 11222、アー
スロバクター・フラジルス(Arthrobacter fragilus)A
J 11223など。
上記の細菌の代表例として、アグロバクテリウムsp.K
NK 712(FERM BP−1900)、シュードモナスsp.KNK 003A
(FERM BP−3181)およびシュードモナスsp.KNK 505(F
ERM BP−3182)の菌学的諸性質を次に示す。
アグロバクテリウムsp.KNK 712(FERM BP−1900) (a)形態 (1)細胞の形および大きさ:0.5〜1.0×2.0〜4.0μ
m、桿菌 (2)細胞の多形成の有無:なし (3)運動性の有無、鞭毛の着生状態:あり、サブポー
ラー (4)胞子の有無:なし (5)グラム染色性:陰性 (b)各培地における生育状態 (1)肉汁寒天平板培養:良好な生育、円形、隆起性、
辺縁平滑、表面平滑湿潤、白〜クリーム色、光沢、不透
明、液状 (2)肉汁寒天斜面培養:旺盛な生育、接種線にM様に
生育、隆起厚、表面平滑湿潤、辺縁平滑、白〜クリーム
色、光沢、不透明、培地に変化なし (3)肉汁ゼラチンせん刺培養:微弱な生育、せん刺線
に沿った生育、せん刺線周辺に生育、ゼラチンを液化し
ない、白〜クリーム色、透明度変化なし、培地に変化な
し (4)肉汁液体培養:中程度の生育、にごり不均一、フ
ロック形成、表面生育なし (5)リトマス・ミルク:弱酸 (c)生理学的性質 (1)硝酸塩の還元:+ (2)脱窒反応:+ (3)MRテスト:+ (4)Vpテスト:− (5)インドールの生成:− (6)硫化水素の生成:− (7)デンプンの加水分解:− (8)クエン酸の利用:−(シモンズ培地) (9)無機窒素源:+(硝酸塩、アンモニウム塩) (10)ウレアーゼ:− (11)オキシダーゼ:+ (12)カタラーゼ:+ (13)生育の範囲:20〜37℃、pH6.5〜8.5 (14)酸素に対する態度:好気性 (15)O−Fテスト:0 (16)糖からの酸およびガスの生成:酸の生成−、ガス
の生成−(D−グルコース) (17)マロン酸の利用:− (18)フェニルアラニンのデアミナーゼ反応:− (19)デカルボキシラーゼ反応:−(リジン) (20)アルギニンジヒドロラーゼ反応:− (21)カゼインの分解性:− (22)DNAの分解性:− (23)栄養要求性:なし (24)炭水化合物の資化性: D−グルコース:+ L−アラビノース:+ サッカロース:+ D−フラクトース:+ マロンネート:− セロビオース:+ エタノール:− D−キシロース:+ D−タートレート:− ソルビトール:+ サイトレート:− ラクトース:+ D−マンニトール:+ メソ−インシトール:+ ラフイノース:+ L−ラムノース:+ マルトース:+ α−メチル−D−グルコシド:+ D−マンスノース:+ ザリチン:− N−アセチルグルコサミン:+ グルコネート:− カプレート:− アジペート:− フェニルアセテート:− メタノール:− (25)卵黄反応:− (26)β−ガラクトシダーゼ:+ (27)エクスリンの加水分解:+ (28)チトクローム・オキシダーゼ:+ (29)ツインの分解:−(ツイン80) (30)3−ケト乳糖の生成:− シュードモナスsp.KNK 003A(FERM BP−3181) (a)形態 (1)細胞の形および大きさ:0.5〜0.7×1.2〜2.5μ
m、桿菌 (2)細胞の多形性の有無:なし (3)運動性の有無:あり (4)胞子の有無:なし (5)グラム染色性:陰性 (6)コロニーの形態:円形、正規、全面、平滑、輝
状、半透明、淡黄 (b)生理学的性質 (1)3%KOHによる溶菌:+ (2)アミノペプチダーゼ:+ (3)オキシダーゼ:+ (4)カタラーゼ:+ (5)菌の生育 嫌気的条件:− 37/40℃:+/+ pH5.6:− Mac−Conkey寒天:− SS寒天:− Cetrimid寒天:− (6)酸の生成(O−Fテスト) グルコース 好気的条件:− グルコース 嫌気的条件:− (7)グルコースからのガスの生成:− (8)酸の生成(ASS) グルコース:+ フルクトース:− キシロース:+ (9)ONPG:− (10)ADH:− (11)ODC:− (12)VP:− (13)インドールの生成:− (14)硝酸塩の還元:− (15)脱窒反応:− (16)フェニルアラニンデアミナーゼ:− (17)シュークロースからレバンの生成:− (18)レシチナーゼ:− (19)ウレアーゼ:− (20)加水分解 デンプン:− ゼラチン:− カゼイン:− DNA:− ツイン80:− エスクリン:− (21)チロシンの分解:− (22)各種化合物の資化性 アセテート:弱 アジペート:− カプレート:− シトレート:− シトラコネート:− グリコレート:− ラクテート:+ レブリネート:− マレート:− マロネート:− メサコネート:− フェニルアセテート:− スベレート:− m−タートレート:− D−タートレート:− L−アラビノース:+ フルクトース:+ グルコース:+ マンノース:+ マルトース:− キシロース:+ サッカロース:− トレハロース:− リボース:− サッカレート:− ヒドロキシブチレート:− ベンゾエート:− マンニトール:+ グルコネート:+ 2−ケトグルコネート:+ N−アセチルグルコサミン:− L−セリン:− L−ヒスチジン:− L−バリン:− (23)主な呼吸のキノン型:ユビキノン10 シュードモナスsp.KNK 505(FERM BP−3182) (a)形態 (1)細胞の形および大きさ:0.5〜0.7×1.2〜2.5μ
m、桿菌 (2)細胞の多形性の有無:なし (3)運動性の有無:あり (4)胞子の有無:なし (5)グラム染色性:陰性 (6)コロニーの形態:円形、正規、全面、平滑、輝
状、半透明、淡黄 (b)生理学的性質 (1)3%KOHによる溶菌:+ (2)アミノペプチダーゼ:+ (3)オキシダーゼ:+ (4)カタラーゼ:+ (5)菌の生育 嫌気的条件:− 37/40℃:+/+ pH5.6:− Mac−Conkey寒天:− SS寒天:− Cetrimid寒天:− (6)酸の生成(O−Fテスト) グルコース 好気的条件:− グルコース 嫌気的条件:− (7)グルコースからのガスの生成:− (8)酸の生成(ASS) グルコース:+ フルクトース:− キシロース:+ (9)ONPG:− (10)ADH:− (11)ODC:− (12)VP:− (13)インドールの生成:− (14)硝酸塩の還元:− (15)脱窒反応:− (16)フェニルアラニンデアミナーゼ:− (17)シュークロースからレバンの生成:− (18)レシチナーゼ:− (19)ウレアーゼ:− (20)加水分解 デンプン:− ゼラチン:− カゼイン:− DNA:− ツイン80:− エスクリン:− (21)チロシンの分解:− (22)各種化合物の資化性 アセテート:弱 アジペート:− カプレート:− シトレート:− シトラコネート:− グリコレート:− ラクテート:+ レブリネート:− マレート:− マロネート:− メサコネート:− フェニルアセテート:− ズベレート:− m−タートレート:− D−タートレート:− L−アラビノース:+ フルクトース:+ グルコース:+ マンノース:+ マルトース:− キシロース:+ サッカロース:− トレハロース:− リボース:− サッカレート:− ヒドロキシブチレート:− ベンゾエート:− マンニトール:+ グルコネート:+ 2−ケトグルコネート:+ N−アセチルグルコサミン:− L−セリン:− L−ヒスチジン:− L−バリン:− (23)主な呼吸のキノン型:ユビキノン10 かかる菌株からD−N−カルバモイル−α−アミノ酸
のカルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸
に変換する酵素に関与する遺伝子を得るのは、通常、微
生物の染色体より遺伝子DNAを抽出する操作に従って、
抽出した後、目的とする遺伝子を含むDNA断片を得てそ
の塩基配列を解析する。また、D−N−カルバモイル−
α−アミノ酸のカルバモイル基を除去して対応するD−
α−アミノ酸に変換する酵素を生産する微生物および、
この酵素遺伝子を導入した組換え微生物を培養して、生
産した酵素を精製し、その蛋白の分子量を決定するとと
もに、アミノ末端付近のアミノ酸配列を気相プロテイン
・シークエンサーなどで決定する。次いで、これらのDN
A塩基配列と蛋白のアミノ末端配列とを比較し、カルバ
モイル基の除去に関与する酵素蛋白をコードした塩基配
列部分の蛋白への翻訳開始部位を決定し、この部位より
翻訳終止コドンまでの遺伝子部分に酵素蛋白がコードさ
れていることを蛋白の分子量との関係も考慮して確か
め、目的とする遺伝子であることを確認する(Molecula
r Cloning,A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring
Harbor Laboratory Press第4章、第13章)。これによ
り、アグロバクテリウムsp.KNK712およびシュードモナ
スsp.KNK003Aより、配列表、配列番号1および2のDNA
断片を得た。こうして得られた当該酵素をコードした遺
伝子および/またはこれを含むDNA断片は、通常1つの
アミノ酸に複数の塩基コドンが対応していることから、
当該遺伝子および/またはDNA断片に対応するアミノ酸
配列をコードした他の塩基配列を持つDNA断片と等価で
あり、この事実は自明である。
本発明に用いるベクターとしては、エシェリヒア属、
シュードモナス属、フラボバクテリウム属、バチルス
属、セラチア属、コリネバクテリウム属またはブレビバ
クテリウム属に属する細菌の細胞内で自律複製できる微
生物由来のプラスミド、ファージまたはその誘導体が使
用出来る。たとえば、「組換DNA実験指針」(科学技術
庁研究開発局ライフサイエンス課編:昭和62年9月16日
改訂)55頁に記載の宿主−ベクター系を用いることが出
来る。また、酵素の生産量を上昇させるために強力な構
造プロモーターをもつように改質したベクターを使用す
ることも出来る。
遺伝子を含むDNA断片トベクターDNAとの組換体の作製
は、公知の試験管内組換DNA技法を駆使することにより
実施できる。試験管内のDNA組換は、通常、目的の遺伝
子を含む供与体DNAとベクターDNAの断片と結合(リガー
ゼ反応)により行なわれる(たとえば特願昭56−211908
号明細書、米国特許第4,237,224号明細書参照)。リガ
ーゼ反応により、目的の組換体DNAの他に、多種の組換
体DNAが生成するが、目的の組換体DNAを選択取得するた
めには、リガーゼ反応液を用いてエシェリヒア属、シュ
ードモナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セ
ラチア属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリ
ウム属に属する微生物を直接形質転換し、目的遺伝子の
遺伝情報に由来する遺伝形質を付与された形質転換株を
選択分離し、その培養菌体から抽出単離すればよい。
前記属菌種を直接形質転換しないで、たとえば大腸菌
のような他の微生物の宿主ベクター系にて目的遺伝子を
一旦クローン化し、しかる後に適当なベクターとの組換
体DNAを試験管内で作製してから、前記属菌種を形質転
換し、前記と同様に形質転換体を選択分離しても組換体
を取得できる。
組換体製造のためには、次の文献の記載が広く応用で
きる:S.N.Cohen et al.米国特許第4,237,224号明細書:
遺伝子操作実験法〔高木康敬編著、講談社サイエンティ
フィック(1980)〕;Method in Enzymdogy,68,Recombin
ant DNA〔Ray Mv編、Academic Press(1979)〕;特願
昭56−211908号明細書など。
多種の組換体DNAによって形質転換されたエシェリヒ
ア・コリの場合、形質転換株から目的の遺伝子、すなわ
ちD−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミドヒドロラ
ーゼの遺伝子を含み、その遺伝子が発現されている形質
転換株を選択する方法は、まずアンピシリンのような選
択マーカーを含むプレート上に形質転換株のコロニーを
生育させる。次いで、これらの組換体DNAを含む多種の
形質転換株のコロニーを集め、生理食塩水に懸濁し、こ
の懸濁液をD−N−カルバモイル−α−アミノ酸を単一
N源とする液体の最少培地に植菌する。この培地では、
D−N−カルバモイル−α−アミノ酸を資化できる形質
転換株、つまりD−N−カルバモイル−α−アミノ酸ア
ミドヒドロラーゼ活性を新たに付与された形質転換株の
みが生育可能である。このようにして生育した培養株
を、前記の最少培地に植菌し、この操作を繰り返すこと
により、目的の形質転換液が集積される。この集積培養
液から常法により菌を分離し、分離した形質転換株を培
養し、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸を基質とし
て菌体反応を行ない、D−α−アミノ酸が生成すること
を確認することにより、目的の遺伝子を含む形質転換株
を得ることができる。
このようにして得られた形質転換株から、アルカリ変
性を用いる方法(Molecularl Cloningg A Laboratory M
anual、2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press
第1章参照)などの常法により、組換体DNAを抽出し、
クローン化した目的遺伝子を含むDNA断片のうち目的酵
素の構造遺伝子をサブクローニングし、不要なDNAを取
り除き、またベクターに強力なプロモーターをもつよう
に改質した組換体DNAを創製し、前記の宿主菌を形質転
換し、得られる形質転換株を用いることにより、目的酵
素の生産量を上昇させることができる。
形質転換株は通常の栄養培地に培養することにより導
入した組換体DNAの形質を発現させることができる。組
換体DNAに遺伝子DNAまたはベクターDNA由来の性質が付
与されている場合は、その性質にあわせて培地に薬剤を
補ってもかまわない。
このようにして得られた形質転換株を酵素源として得
るには、通常の培地を用いて培養を行なえばよいが、必
要に応じてヒダントイン化合物、D−N−カルバモイル
−α−アミノ酸、イソプロピル−1−チオ−β−D−ガ
ラクトサイド(IPTG)などの添加、温度上昇など、酵素
誘導のための処理を行なうこともできる。
形質転換株の培養のために用いられる培地は、通常、
炭素源、窒素源および無機イオンを含有する普通の培地
であってよい。これにビタミン、アミノ酸なの有機微量
栄養素を添加すると、好ましい結果が得られる場合が多
い。炭素源としては、グルコースやシュクロースのよう
な炭水化物、酢酸のような有機酸、アルコール類などが
適宜使用される。窒素源としては、アンモニアガス、ア
ンモニア水、アンモニウム塩などが用いられる。無機イ
オンとしては、リン酸イオン、マグネシウムイオン、カ
リウムイオン、鉄イオンなどが使用されてよい。
培養は好気的条件下にpH4〜8、温度25〜45℃の適当
な範囲に制御しつつ、1〜10日間培養を行なえば望まし
い結果が得られる。
形質転換株の産生する酵素を作用する態様としては、
当該転換株の培養液、菌体、菌体処理物、菌体から抽出
した酵素、固定化菌体などを挙げることができる。
菌体としては、培養終了後の培養液そのまま、培養液
より分離された菌体、洗浄された菌体などいずれも使用
可能である。菌体処理物としては凍結乾燥菌体、アセト
ン乾燥菌体、トルエンや界面活性剤と接触させた菌体、
リゾチームで処理した菌体、超音波にさらした菌体、機
械的に摩砕した菌体などの他、これら菌体の処理物から
得られたD−N−カルバモイル−α−アミノ酸の当該カ
ルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸に変
換する酵素活性を有する酵素抽出液、皿にはこれらの菌
体の固定化物、菌体処理物の不溶化物、酵素蛋白の固定
化用担体(たとえば陰イオン交換樹脂)への固定化物な
どが使用出来る。なお、固定化法については、たとえば
特開昭63−185382号明細書が参考になる。
固定化に使用される支持体としては、デュオライト
(Duolite)A568またはDS17186(ローム・アンド・ハー
ス社:登録商標)などのフェノール−ホルムアルデヒド
陰イオン交換樹脂、アンバーライト(Amberlite)IRA93
5、IRA945、IRA901(ローム・アンド・ハース社:登録
商標)、レワタイト(Lewatatit)OC1037(バイエル
社:登録商標)、ダイアイオン(Diaion)EX−05(三菱
化成工業:登録商標)などのポリスチレン樹脂のような
各種アミンやアンモニウム塩あるいはジエタノールアミ
ン型の官能基を持つ各種の陰イオン交換樹脂が適してい
る。その他DEAE−セルロースなどの支持体も使用するこ
とができる。
さらに、酵素の吸着をより強固かつ安定にするため、
通常、架橋剤を用いるが、好適な例として、グルタルア
ルデヒドをあげることができる。使用する酵素は、精製
酵素だけではなく、部分精製酵素、菌体破砕液、無細胞
抽出液など種々の精製度のものが使用できる。
固定化酵素の調製は酵素液と支持体に酵素を吸着後、
架橋処理をする等の通常の調製法が使用できる。
本発明における酵素反応の基質となるD−N−カルバ
モイル−α−アミノ酸は、式:R−CH(NHCONH2)−COOH
で表わされるが、実際に反応を供する態様としては、使
用する酵素がD−N−カルバモイル−α−アミノ酸に対
し厳密な立体選択性を持つ場合には、D−体として、あ
るいはD−体とL−体の混合物として使用することがで
きる。また、酵素がL−カルバモイルアミノ酸にも作用
して立体選択性の厳しくない場合や、L−体にも作用す
る酵素の混合物として使用する場合には、D−体のみを
使用し、生成するα−アミノ酸がD−体となるように配
慮するのが好ましい。
置換基Rは、特公昭57−18793号明細書、特公昭63−2
0520号明細書、特公平1−48758号明細書などに述べら
れているように広範囲にわたることが出来るが、特に医
薬中間体のように産業上有用な化合物を与えるために
は、Rがフェニル基、水酸基で置換されたフェニル基、
アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基またはチエ
ニル基であるのが好ましい。水酸基で置換されたフェニ
ル基の場合、水酸基は1つもしくはそれ以上であって、
o,m,pいづれの位置に置換していてもよいが、p−ヒド
ロキシフェニル基が代表的である。アルキル基は炭素数
1〜4であって、対応するアミノ酸がD−アラニン、D
−バリン、D−ロイシン、D−イソロイシンなどとなる
基である。置換アルキル基は炭素数1〜4のアルキル基
が水酸基、アルキルチオ基、カルボキシル基、アミノ
基、フェニル基、水酸基で置換されたフェニル基、アミ
ド基などで置換されたものであって、対応するアミノ酸
がD−セリン、D−スレオニン、D−メチオニン、D−
システイン、D−アスパラギン、D−グルタミン、D−
チロシン、D−トリプトファン、D−アスパラギン酸、
D−グルタミン酸、D−ヒスチジン、D−リジン、D−
アルギニン、D−シトルリンなどとなる基である。アラ
ルキル基は炭素数7〜8のたとえばベンジル、フェネチ
ル基であって、対応するアミノ酸がD−フェニルアラニ
ンなどとなる基である。
水性媒体としては、水、バッファー、エタノールのよ
うな有機溶媒を含むものが使用できる。更に必要に応じ
て、微生物の成育に必要な栄養素、抗酸化剤、界面活性
剤、補酵素、ヒドロキシルアミン、金属などを水性媒体
に添加することもできる。
上記微生物の菌体を水溶性媒体中で培養しながら、菌
体とD−N−カルバモイル−α−アミノ酸を接触せしめ
て作用させる場合には、D−N−カルバモイル−α−ア
ミノ酸を含み、かつ微生物の生育に必要な炭素源、窒素
源、無機イオンなどの栄養素を含む水性媒体が用いられ
る。更に、ビタミン、アミノ酸などの有機微量栄養素を
添加すると、好ましい結果が得られる場合が多い。炭素
源としては、グルコース、シュークロースのような炭水
化物、酢酸のような有機酸、アルコール類などが適宜に
使用される。窒素源としては、アンモニアガス、アンモ
ニア水、アンモニアウム塩などが用いられる。無機イオ
ンとしてはリン酸イオン、マグネシウムイオン、カリウ
ムイオン、鉄イオンなどが使用されてよい。
培養は好気条件下に、pH4〜8、温度25〜45℃の適当
な範囲に制御しつつ行う。1日〜10日間も培養を行なえ
ば、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸はD−α−ア
ミノ酸のみに効率よく変換される。
これに対し上記微生物の培養液をそのまま、培養菌
体、菌体処理物、酵素抽出液、菌体の固定化物、菌体の
不溶化物あるいは酵素蛋白質の固定化物と、D−N−カ
ルバモイル−α−アミノ酸を溶解または懸濁した水性媒
体中で反応を行う場合は、10〜80℃の適当な温度に調節
し、pHを4〜9.5に保ちつつ、暫時静置または撹拌すれ
ばよい。かくして5〜100時間も経過すれば水性媒体中
に多量のD−α−アミノ酸が生成、蓄積される。また、
D−N−カルバモイル−α−アミノ酸は反応の進行に伴
って分割添加してもよい。生成したD−α−アミノ酸
は、常套の分離方法により分離、精製することができ
る。
なお、ここに得られたD−α−アミノ酸は、式:R−CH
NH2−COOH(Rは前記と同意義)。で表すことができ
る。
実施例 以下に本発明の具体的な実施の態様を示す。なお、生
成D−α−アミノ酸は高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)または薄層クロマトグラフィ(TLC)により検出、
定量した。
実施例1 アグロバクテリウムsp.KNK 712(FERM BP−1900)の染
色体DNAとベクターDNAの組換体DNAの創製:− 2リットルのL−ブロス(ペプトン10g/リットル、イ
ーストエキス5g/リットル、塩化ナトリウム5g/リット
ル;pH7.0)でアグロバクテリウムsp.KNK 712(FEFM BP
−1900)を33℃で27時間培養した後、集菌し、菌体20g
を得た。得られた菌体よりMarmur法に従って染色体DNA
を抽出した。この染色体DNA250μgにSau3AIを2U添加
し、37℃で30分間反応させて部分分解を行った。部分分
解DNAからアガロースゲル電気泳動を用いて4〜9kbpのD
NA断片を得た。一方、別にプラスミドpUC18をBamHIで完
全切断し、これを先に得られた染色体からのDNA断片とT
4DNAリガーゼによって連結し、多種の組換体プラスミド
の混液を得た。
実施例2 アグロバクテリウムsp.KNK 712(FERM BP−1900)由来
の、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸の対応するD
−α−アミノ酸への変換に関与する遺伝子を含むプラス
ミドの選出:− 実施例1のプラスミド混液を用いて、常法によりエシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM109を形質転換
した。これを選択マーカーのアンピシリンを含む表1の
培地にプレーティングした。
表1 ポリペプトン 10g イーストエキス 5g 塩化ナトリウム 5g アンピシリン 100mg 寒天 15g 水を加えて1リットルとする(pH7.0) 生育したコロニーを集め、D−N−カルバモイル−ア
ラニンを単一N源とする表2の液体培地に植菌し、培養
を行なった。
表2 Na2HPO4 6g KH2PO4 3g NaCl 0.5g MgSO4 0.12g CaCl2 11mg グルコース 2g アンピシリン 50mg チアミン 1mg D−N−カルバモイル−アラニン 1g 水を加えて1リットルとする(pH7.0) ここで、目的遺伝子が発現した形質転換株のみが表2
の培地でD−N−カルバモイル−アラニンをN源として
資化、生育することができる。表2の培地で生育した培
養液を同じ培地に植菌し、この操作を繰り返すことによ
り、目的の形質転換株が集積された。この集積培養液か
ら表1の培地を用いて、形質転換株を純粋分離した。こ
の純粋分離菌を、100mg/リットルのアンピシリンを含む
L−ブロス(ペプトン10g/リットル、イーストエキス5g
/リットル、塩化ナトリウム5g/リットル;pH7.0)10mlに
植菌し、37℃で16時間培養した後、培養液1mlを集菌
し、上澄をとり除き、0.5mlの基質溶液(0.5%D−N−
カルバモイル−パラヒドロキシフェニルグリシン、0.05
%Triton X−100、0.1Mリン酸緩衝液(以下KPBとい
う);pH7.0)に菌体を懸濁し、37℃で3時間反応を行な
った。この反応液をTLCにスポットし、展開後、ニンヒ
ドリンで発色したところ、標準品と一致するD−パラヒ
ドロキシフェニルグリシンのスポットを示した。以上の
ことから純粋分離した形質転換株は目的の酵素に関与す
る遺伝子を含むプラスミドを含有していることが確認で
きた。この株が含有しているプラスミドをpAHD 101とし
た。
次に上記形質転換株からアルカリ変性法によりpAHD 1
01を大量調製し、マッピングしたところ、図1に示す構
造を有することが明らかになった。
pAHD 101で形質転換されたエシェリヒア・コリJM 109
をエシェリヒア・コリJM109pAHD 101とした。
実施例3 シュードモナスsp.KNK 033A(FERM BP−3181)由来の、
D−N−カルバモイル−α−アミノ酸の対応するD−α
−アミノ酸への変換に関与する遺伝子を含むプラスミド
の選出:− 実施例1と同様の方法で、シュードモナスsp.KNK 003
A(FERM BP−3181)の染色体DNA断片とプラスミドpUC18
との、多種の組換体プラスミド混液を得た。この混液を
用いて、常法によりエシェリヒア・コリJM109を形質転
換した。この多種の形質転換株から、表2の液体培地の
かわりに、100mg/リットルのIPTGを含む表2の液体培地
を用いる他は実施例2と同様の方法で、D−N−カルバ
モイル−α−アミノ酸を対応するD−α−アミノ酸へ変
換する酵素に関与する遺伝子を含むプラスミドを含有す
る形質転換株が得られた。この株が含有しているプラス
ミドをpPHD301とした。
次に上記形質転換からpPHD 301を大量調製し、マッピ
ングしたところ図2に示す構造を有していることが明ら
かになった。
pPHD 301で形質転換されたエシェリヒア・コリJM109
をエシェリヒア・コリJM109pPHD 301とした。
実施例4 pAHD 101のサブクローニング:− 実施例2で得たpAHD 101をSmaIとEcoRIで完全分解
し、アガロースゲル電気泳動により2.7kbpのSmaI−EcoR
I断片を得た。これとは別にプラスミドpUC19をSmaIとEc
oRIで完全分解し、pAHD 101のSmaI−EcoRI断片とT4DNA
リガーゼにより抽出し、この連結されたプラスミドでエ
シェリヒア・コリJM109を形質転換し、形質転換株をイ
ソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトサイド(IPT
G)、5−クロロ−4−ブロモ−3−インドリル−β−
D−ガラクトース(Xgal)およびアンピシリンを含むL
−培地(1%ペプトン、0.5%イーストエキス、0.5%塩
化ナトリウム、1.5%寒天;pH7.0)上で培養した。
ここで、pUC19にpAHD 101のSmaI−EcoRI断片を含むプ
ラスミドは青色を呈さないで白色コロニーとなるので、
白色コロニーを選択した。この選択した菌が目的の酵素
活性を有していることを確認するために、100mg/リット
ルのアンピシリンを含むL−ブロス(1%ペプトン、0.
5%イーストエキス、0.5%塩化ナトリウム)10mlに植菌
し、培養後培養液1mlを集菌し、上澄をとり除き、0.5ml
の基質溶液(0.5%D−N−カルバモイル−パラヒドロ
キシフェニルグリシン、0.05%Triton X−100、0.1Mリ
ン酸緩衝液;pH7.0)に菌体を懸濁し、37℃で3時間反応
を行なった。この反応液をTLCにスポットし、展開後ニ
ンヒドリンで発色したところ、標準品と一致するD−パ
ラヒドロキシフェニルグリシンのスポットを示した。こ
の形質転換株が含有するプラスミドをpAD 107とした。
次にプラスミドpAD 107を調製し、SalIで部分加水分
解し、pUC19部分を含む4.5kbpの断片をアガロースゲル
電気泳動により得た。この断片をT4DNAリガーゼを用い
て環状化し、このプラスミドを用いてエシェリヒア・コ
リJM 109を形質転換した。形質転換株をアンピシリンを
含むL−培地上から取得し、前述と同様の方法で菌体反
応を行ない、D−N−カルバモイル−パラヒドロキシフ
ェニルグリシンをD−パラヒドロキシフェニルグリシン
に変換する能力を有する形質転換株を得た。この形質転
換株が含有するプラスミドをpAD 108とした。pAD 108を
上記形質転換株から調製し、マッピングしたところ、図
3に示す構造を有していることが明らかとなった。
pAD 108で形質転換されたエシェリヒア・コリJM 109
をエシェリヒア・コリJM 109pAD 108とした。微工研受
託番号はFERM BP−3184である。
実施例5 pPHD 301のサブクローニング:− 実施例3で得たpPHD 301をAccIで完全分解し、pUC18
部分を含む5.2kbpの断片をアガロースゲル電気泳動によ
り得た。この断片をT4DNAリガーゼを用いて環状化し、
このプラスミドを用いてエシェリヒア・コリJM 109を形
質転換した。形質転換株をアンピシリンを含むL−培地
上から取得し、実施例4と同様の方法で菌体反応を行な
い、D−N−カルバモイル−パラヒドロキシフェニルグ
リシンをD−パラヒドロキシフェニルグリシンに変換す
る能力を有する形質転換株を得た。この形質転換株が含
有するプラスミドをpPD 302とした。
次にプラスミドpPD 302を調製し、SphIとAccIで完全
分解した後、アガロースゲル電気泳動により、1.8kbpの
SphI−AccI断片を得た。これとは別にプラスミドpUC19
をSphIとAccIで完全分解し、pPD 302のSphI−AccI断片
とT4DNAリガーゼにより連結し、この連結されたプラス
ミドでエシェリヒア・コリJM 109を形質転換した。形質
転換株をアンピシリンを含むL−培地上から取得し、実
施例4と同様の方法で菌体反応を行ない、D−N−カル
バモイル−パラヒドロキシフェニルグリシンをD−パラ
ヒドロキシフェニルグリシンに変換する能力を有する形
質転換株を得た。この株質転換株が含有するプラスミド
をpPD 304とした。pPD 304を上記形質転換株から調製
し、マッピングしたところ、図4に示す構造を有してい
ることが明らかとなった。
pPD 304で形質転換されたエシェリヒア・コリJM 109
をエシェリヒア・コリJM 109pPD 304とした。微工研受
託番号はFERM BP−3183である。
実施例6 形質転換株から得られた酵素によるD−N−カルバモイ
ル−α−アミノ酸のD−α−アミノ酸への変換: 実施例4で得られたプラスミドpAD 108をもちいて、
エシェリヒア・コリJM109を形質転換した。この株をア
ンピシリン10μg/mlとIPTG100μg/mlを含むL−ブロス
で37℃で16時間培養した。この培養液100mlから菌体を
集菌し、0.1M KPB(pH7.0)に懸濁して10mlとした。こ
れを氷冷中、超音波破砕した後、遠心し、上澄を粗酵素
液として得た。この粗酵素液を用いて表3に示す各種D
−N−カルバモイル−α−アミノ酸を基質として反応を
行なった。反応は40mM D−N−カルバモイル−α−アミ
ノ酸(表3)、0.2M KPB(pH7.0)2mlに上記粗酵素液を
100μl加え、40℃で20分間行ない、生成したD−α−
アミノ酸をHPLCで定量した。この結果を表3に示す。ま
た、このときのJM 109 pAD 108のD−N−カルバモイル
−α−アミノ酸アミドヒドロラーゼの比活性は、アグロ
バクテリウムsp.KNK 712(FERM BP−1900)の粗酵素液
の10倍に向上していた。
実施例7 形質転換株から得られた酵素によるD−N−カルバモイ
ル−α−アミノ酸のD−α−アミノ酸への変換:− 実施例5で得られたプラスミドpPD 304を用いて、エ
シェリヒア・コリJM109を形質転換した。この株から実
施例6と同様にして粗酵素液を得た。この粗酵素液を用
いて実施例6と同様に反応を行なった。この結果を表3
に示す。また、このときのJM 109 pPD 304のD−N−カ
ルバモイル−α−アミノ酸アミドヒドロラーゼの比活性
は、シュードモナスsp.KNK 003A(FERM BP−3181)の粗
酵素液の40倍に向上していた。
実施例8 形質転換株から得られた酵素によるD−N−カルバモイ
ル−パラヒドロキシフェニルグリシンのD−パラヒドロ
キシフェニルグリシンへの変換:− 実施例4で得られたプラスミドpAD 108を用いてエシ
ェリヒア・コリJM 109を形質転換した。この株を実施例
6と同様の方法で培養した。培養液100mlから菌を集菌
し、0.1M KPB(pH7.0)で洗浄後、5%D−N−カルバ
モイル−パラヒドロキシフェニルグリシン、0.05%Trit
on X−100、0.1M KPB(pH7.0)100mlに懸濁後、40℃で2
0時間攪拌して反応を行なった。このようにして得た反
応液を6000rpm、10分間遠心して菌体を除き、濃塩酸に
てpHを2.7まで下げてカチオン交換樹脂IR−120B(H
+型)に吸着させて、5%NH4OHで溶出した。ついで、IR
C−84(H+型)で脱塩し、AF樹脂にて脱色した。この脱
色液を濃縮晶析し、水から再結晶して3.8gの白色粉末を
得た。この結晶は〔α〕D 20=−158(C=1、1NHCl)
の比旋光度を示し,TLCで単一スポットを与え、そのIRは
標準品のD−パラヒドロキシフェニルグリシンと一致し
た。
実施例9 固定化D−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミドヒ
ドロラーゼの調製:− 実施例6と同様の方法で得たエシェリヒア・コリJM 1
09のpAD 108による形質転換株の培養液200mlを集菌後、
0.1M KPB(pH7.0)で洗浄し、20mlの0.1M KPB(pH7.0)
に懸濁し、超音波により菌体の破砕を行なった。この菌
体破砕液を12000rpmで20分間遠心し、上澄を粗酵素液と
して得た。この粗酵素液に0.1M KPB(pH7.0)で平衡化
した陰イオン交換樹脂DuoliteA−568を2g加え、4℃で1
5分間攪拌し、酵素を吸着させた。この液に終濃度0.1%
となるようにグルタールアルデヒドを加え、1時間攪拌
し、架橋処理を行なった後、樹脂を濾集、0.1M KPBで洗
浄し、固定化D−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミ
ドヒドロラーゼ2gを得た。
実施例10 固定化酵素によるD−N−カルバモイル−パラヒドロキ
シフェニルグリシンのD−パラヒドロキシフェニルグリ
シンへの変換:− 実施例9で得た固定化D−N−カルバモイル−α−ア
ミノ酸アミドヒドロラーゼ2gを2%D−N−カルバモイ
ル−パラヒドロキシフェニルグリシン、0.1M kpb(pH7.
0)100mlに添加し、1NHClでpHを7.0に保ちながら40℃で
20時間攪拌して反応を行なった。反応後静置して、反応
液を吸引採取した後、実施例8と同様の方法で生成アミ
ノ酸を精製し、D−パラヒドロキシフェニルグリシンを
1.5g得た。
実施例11 アグロバクテリウムsp.KNK712(FERM BP−1900)由来の
D−N−カルバモイル−α−アミノ酸を対応するD−α
−アミノ酸へ変換する酵素の遺伝子のDNA塩基配列の解
析: アグロバクテリウムsp.KNK712(FERM BP−1900)由来
のD−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミドヒドロラ
ーゼ(以下、アミドヒドロラーゼという)の遺伝子を含
むプラスミドpAD108を制限酵素EcoRIおよびHindIII(宝
酒造製)で切断し、アガロースゲル電気泳動によって1.
8kbのDNA断片を分離、調製した。この断片を、種々の制
限酵素で切断し、M13mp18またはM13mp19にT4−DNAリガ
ーゼ(宝酒造製)を用いて連結し、エシェリヒア−コリ
JM109に感染させて溶菌斑(プラーク)を得た。この単
一プラークを、2YT培地(16g/1バクトトリプトン(Difc
o社)、10g/l酵母エキス(Difco社)、5g/1NaCl)に一
夜培養したJM109のブロスを1%植菌したもの1.5mlに植
え、37℃、5時間振とう培養した。遠心分離後、上清に
20%ポリエチレングリコール6000および2.5MNaCl溶液20
0μlを添加し、室温で15分間放置後、遠心分離してフ
ァージ粒子を沈殿として回収した。これを100μlTE溶液
[10mM Tris HCl(pH8.0)、1mME DTA]に溶解し、50μ
lフェノール(TE溶液で飽和)で抽出後、10μl 3M酢酸
ナトリウム溶液および250μlエタノールを添加し、−2
0℃にて一晩放置し、遠心分離した。沈殿を乾燥後、50
μlTE溶液に溶解した。この7μlを用い、SEQUENASE
(登録商標)ver.2を用いたDNAシークエンスキット(Un
ited States Biochemicald Corp.製)により、その取扱
説明書に従って反応および電気泳動、オートラジオグラ
フィーを行なった。そしてその結果より配列表配列番号
1に示すKNK712株のアミドヒドロラーゼ遺伝子のDNA塩
基配列を決定した。
実施例12 シュードモナスsp.KNK003A(FERM BP−3181)由来のD
−N−カルバモイル−α−アミノ酸を対応するD−α−
アミノ酸へ変換する酵素の遺伝子のDNA塩基配列解析: KNK003A株由来のアミドヒドロラーゼ遺伝子を含むプ
ラスミドpPD304を制限酵素BamHIおよびHindIII(宝酒造
製)で切断し、アガロースゲル電気泳動によって1.8kb
のDNA断片を分離、調製した。この断片を、種々の制限
酵素で切断し、M13mp18またはM13mp19にてT4−DNAリガ
ーゼ(宝酒造製)を用いて連結し、エシェリヒア−コリ
JM109に感染させて溶菌斑(プラーク)を得た。この単
一プラークを、2YT培地(16g/1バクトトリプトン(Difc
o社)、10g/l酵母エキス(Difco社)、5g/1NaCl)に一
夜培養したJM109のブロスを1%植菌したもの1.5mLに植
え、37℃、5時間振とう培養した。遠心分離後、上清に
20%ポリエチレングリコール6000および2.5MNaCl溶液20
0μlを添加し、室温で15分間放置後、遠心分離してフ
ァージ粒子を沈殿として回収した。これを100μlTE溶液
[10mM Tris HCl(pH8.0)、1mMEDTA]に溶解し、50μ
lフェノール(TE溶液で飽和)で抽出後、10μl 3M酢酸
ナトリウム溶液および250μlエタノールを添加し、−2
0℃にて一晩放置し、遠心分離した。沈殿を乾燥後、50
μlTE溶液に溶解した。これの7μlを用い、SEQUENASE
(登録商標)ver.2を用いたDNAシークエンスキット(Un
ited States Biochemical Copy.製)により、その取扱
説明書に従って反応および電気泳動、オートラジオグラ
フィーを行った。そしてその結果より配列表配列番号2
に示すKNK003A株由来のアミドヒドロラーゼ遺伝子のDNA
塩基配列を決定した。
実施例13 アグロバクテリウムsp.KNK712(FERMBP−1900)由来の
D−N−カルバモイル−α−アミドヒドロラーゼの精
製:− アグロバクテリウムsp.KNK712(FERMBP−1900)を表
4に示す培地で33℃、25時間培養した。
表4 グリセリン 25g シュークロース 5g KH2PO4 5g Na2・HPO4 5g MgSO4・7H2O 1g MnCl2・4H2O 10mg イースト・エキストラクト 4g 尿素 2g D−N−カルバモイル−P−ヒドロキシフェニルグリシ
ン 1g 水を加えて1リットルとする。(pH6.5) この培養液21lを集菌し、超音波により菌体を破砕
し、残渣を遠心で除いた後、プロタミン硫酸処理(0.1m
g/mg蛋白)により除核酸した。そして遠心した上清を50
℃、20分間の熱処理を行ない、沈殿を除いた後、硫安を
添加して蛋白を沈澱させ、活性を有する15%から35%飽
和硫安で沈澱してくる蛋白画分を回収した。この画分を
溶解し、DEAE−5pwカラム(東ソー社製)を用いたHPLC
を行ない、NaClの濃度勾配によって溶出し、活性画分を
回収した。この段階で菌体破砕液と比較して、アミドヒ
ドロラーゼの比活性が約20倍上昇していた。これをSDS
−ポリアクリルアミド電気泳動によって分析したとこ
ろ、このアミドヒドロラーゼは分子量約35,000付近に泳
動された。
実施例14 アグロバクテリウムsp.KNK712(FERMBP−1900)由来の
D−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミドヒドロラー
ゼの蛋白アミノ末端のアミノ酸配列の決定:− 実施例13で得られたアグロバクテリウムsp.KNK712(F
ERM BP−1900)の生産するアミドヒドロラーゼ精製標品
を逆相HPLCカラム(AP−303;YMC社製)にチャージし、
アセトニトリルの濃度勾配により溶出させた。このアミ
ドヒドロラーゼを含む画分を気相プロテイン・シーケン
サー(アプライド・バイオシステムズ社製)にチャージ
し、解析したところ、アミドヒドロラーゼは、配列表配
列番号1のアミノ酸番号1から20の配列をアミノ末端に
持つ蛋白であることがわかった。
実施例15 シュードモナスsp.KNK003A(FERM BP−3181)由来のD
−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミドヒドロラーゼ
の精製:− シュードモナスsp.KNK003A(FERM BP−318)を表5に
示す培地で45分、3日間培養した。
表5 グリセリン 10g グルコース 5g KH2PO4 3.5g Na2HPO4 3.5g MgSO4・7H2O 0.5g MnCl2・4H2O 20mg FeSO4 10mg CaCO3 1g 肉エキストラクト 2g エキストラクト・エールリッヒ 2g ポリペプトン 2g D−N−カルバモイル・アラニン 1g 水を加えて1リットルとする(pH7.0) この培養液26lを集菌し、実施例13に示す方法と同様
にして超音波による菌体の破砕、プロタミン硫酸処理に
よる除核酸、熱処理(65℃、20min)、硫安沈澱による
分画(50%から70%飽和硫安により沈澱してくるアミド
ヒドロラーゼ活性を有する蛋白画分を分離)、DEAE−5p
wカラムによるHPLCを行なった。この活性画分をバイオ
ゲル−HT(バイオラッド・ラボラリトーズ社製)カラム
に吸着させ、硫安の濃度勾配により溶出させ、活性画分
を濃縮してSephacryl S−300(ファルマシア・LKB・バ
イオテクノロジー社製)カラムによるゲル濾過を行なっ
た。
つぎに、等電点電気泳動(pH4からpH6.5)を行なった
ところ、当該アミドヒドロラーゼはpH5.7付近に泳動さ
れてきたので、この活性を示すバンド部分のゲルを切出
して、これより蛋白を抽出した。この段階で菌体破砕液
と比較してアミドヒドロラーゼの比活性は約100倍に上
昇していた。このサンプルをSDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動により分析したところアミドヒドロラーゼ
は分子量約38,000付近に泳動された。またこのサンプル
をSephacryl S−200カラムによりゲル濾過を行なったと
ころ、分子量約67,000の位置に溶出された。
実施例16 シュードモナスsp.KNK003A(FERM BP−3181)由来のD
−N−カルバモイル−α−アミノ酸アミドヒドロラーゼ
蛋白アミノ末端のアミノ酸配列の決定:− 実施例15で得られたシュードモナスsp.KNK003A(FERM
BP−3181)のアミドヒドロラーゼ精製標品を逆相HPLC
カラムにチャージし、アセトニトリルの濃度勾配により
溶出した。のアミドヒドロラーゼを含む画分を気相プロ
テイン・シーケンサーにチャージし解析したところ、ア
ミドヒドロラーゼは配列表配列番号2のアミノ酸番号1
から20の配列をアミノ末端に持つ蛋白であることがわか
った。
実施例17 組換えエシェリヒア・コリが作るD−N−カルバモイル
−α−アミノ酸アミドヒドロラーゼの精製:− 実施例4で得られたエシェリヒア・コリJM109・pAD10
8および実施例5で得られたエシェリヒア・コリJM109・
pPD304を実施例6に示す方法で培養した。培養液から遠
心によって菌体を集め、超音波により菌体を破砕し、残
渣を除いた後、これらの粗酵素液をSDS−ポリアクリル
アミド電気泳動によって分析した。エシェリヒア・コリ
JM109・pAD108の培養菌体破砕液ではアミドヒドロラー
ゼは分子量約35,000の位置に泳動され、染色後のデンシ
トメーターによる解析では全可溶性菌体蛋白の約50%が
アミドヒドロラーゼで占められていた。また、エシェリ
ヒア・コリJM109・pPD304培養菌体破砕液ではアミドヒ
ドロラーゼは分子量約38,00の位置に泳動され染色後の
デンシトメーターによる解析では、全可溶性菌体蛋白の
約15%がアミドヒドロラーゼで占められていた。
実施例18 組換えエシェリヒア・コリが作るD−N−カルバモイル
−α−アミノ酸アミドヒドロラーゼの蛋白アミノ末端配
列の決定:− 実施例17で得られたエシェリヒア・コリJM109・pAD10
8の培容菌体破砕液を50℃で30分間熱処理し、遠心によ
って沈澱を除いた後、硫安を30%飽和になる様に添加し
て、蛋白を沈澱させた。沈澱した蛋白を遠心によって分
離し、脱イオン水に溶解した後、NAP−10カラム(ファ
ルマシア・LKB バイオテクノロジー社製)を用いて脱塩
し、気相プロテイン・シーケンサーにチャージした。そ
の結果、配列表配列番号1のアミノ酸番号1から16の配
列およびこの配列の前にメチオニン残基が1個付加した
配列をそれぞれアミノ末端に有する蛋白がほぼ等量ずつ
混在していることがわかった。
発明の効果 以上から明らかなように、本発明は遺伝子技術を応用
してD−N−カルバモイル−α−アミノ酸類から効率良
くD−α−アミノ酸類を生産することを可能ならしめた
ものである。
図面の簡単な説明 図1は、本発明で得られるプラスミドpAHD 101の制限
酵素による切断地図を示す。
図2は、本発明で得られるプラスミドpPHD 301の制限
酵素による切断地図を示す。
図3は、本発明で得られるプラスミドpAD 108の制限
酵素による切断地図を示す。
図4は、本発明で得られるプラスミドpPD 304の制限
酵素による切断地図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 13/06 C12P 13/08 13/08 13/22 13/22 C12N 15/00 ZNAA //(C12P 13/04 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/80 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:38) (C12P 13/06 C12R 1:19) (C12P 13/08 C12R 1:19) (C12P 13/22 C12R 1:19) 微生物の受託番号 FERM BP−3181 微生物の受託番号 FERM BP−3182 微生物の受託番号 FERM BP−3183 微生物の受託番号 FERM BP−3184 (72)発明者 ▲高▼橋 里美 兵庫県神戸市垂水区神和台1丁目13―13 (72)発明者 矢島 麗嘉 兵庫県神戸市須磨区中落合1丁目1― 413―305

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エシェリヒア・コリJM109pAD108(FERM BP
    −3184)が保有し、下記の制限酵素地図: にて特定されるプラスミドpUC19pAD108に由来し、D−
    N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除
    去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素に関与
    する遺伝子を含むDNA断片、またはアグロバクテリウム
    属細菌に由来し、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸
    のカルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸
    に変換する遺伝子を含むDNA断片とベクターDNAとの組換
    体DNAを用い、エシェリヒア属、シュードモナス属、フ
    ラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア属、コリネ
    バクテリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微
    生物から選ばれた宿主菌体を形質転換して得られる形質
    転換体の産生する当該酵素の作用によって、D−N−カ
    ルバモイル−α−アミノ酸を水性媒体中で対応するD−
    α−アミノ酸に変換せしめ、生成したD−α−アミノ酸
    を採取することを特徴とするD−α−アミノ酸の製造
    法。
  2. 【請求項2】該アグロバクテリウム属由来の細菌がアグ
    ロバウテリウムsp.KNK 712(FERM BP−1900)である請
    求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】エシェリヒア・コリJM109pPD304(FERM BP
    −3183)が保有し、下記の制限酵素地図: にて特定されるプラスミドpUC19pPD304に由来し、D−
    N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除
    去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素に関与
    する遺伝子を含むDNA断片、またはシュードモナス属細
    菌に由来し、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸のカ
    ルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸に変
    換する酵素に関与する遺伝子を含むDNA断片とベクターD
    NAとの組換体DNAを用い、エシェリヒア属、シュードモ
    ナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア
    属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属
    に属する微生物から選ばれた宿主菌体を形質転換して得
    られる形質転換体の産生する当該酵素の作用によって、
    D−N−カルバモイル−α−アミノ酸を水性媒体中で対
    応するD−α−アミノ酸に変換せしめ、生成したD−α
    −アミノ酸を採取することを特徴とするD−α−アミノ
    酸の製造法。
  4. 【請求項4】該シュードモナス属由来の細菌がシュード
    モナスsp.KNK003A(FERM BP−3181)またはシュードモ
    ナスsp.KNK505(FERM BP−3182)である請求項3記載の
    製造法。
  5. 【請求項5】エシェリヒア・コリJM109pAD108(FERM BP
    −3184)が保有し、下記の制限酵素地図: にて特定されるプラスミドpUC19pAD108に由来し、D−
    N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除
    去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素に関与
    する遺伝子を含むDNA断片、またはアグロバクテリウム
    属細菌に由来し、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸
    のカルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸
    に変換する遺伝子を含むDNA断片とベクターDNAとの組換
    体DNAを用い、エシェリヒア属、シュードモナス属、フ
    ラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア属、コリネ
    バクテリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微
    生物から選ばれた宿主菌体を形質転換して得られる形質
    転換体。
  6. 【請求項6】該アグロバクテリウム属由来の細菌がアグ
    ロバウテリウムsp.KNK712(FERM BP−1900)である請求
    項5記載の形質転換体。
  7. 【請求項7】該形質転換体がエシェリヒア・コリJM109p
    AHD101、エシェリヒア・コリJM109pAD108(FERM BP−31
    84)である請求項5または6記載の形質転換体。
  8. 【請求項8】エシェリヒア・コリJM109pPD304(FERM BP
    −3183)が保有し、下記の制限酵素地図: にて特定されるプラスミドpUC19pPD304に由来し、D−
    N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除
    去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素に関与
    する遺伝子を含むDNA断片、またはシュードモナス属細
    菌に由来し、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸のカ
    ルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸に変
    換する酵素に関与する遺伝子を含むDNA断片とベクターD
    NAとの組換体DNAを用い、エシェリヒア属、シュードモ
    ナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア
    属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属
    に属する微生物から選ばれた宿主菌体を形質転換して得
    られる形質転換体。
  9. 【請求項9】該シュードモナス属由来の細菌がシュード
    モナスsp.KNK003A(FERM BP−3181)またはシュードモ
    ナスsp.KNK505(FERM BP−3182)である請求項8記載の
    形質転換体。
  10. 【請求項10】該形質転換体がエシェリヒア・コリJM10
    9pPHD301またはエシェリヒア・コリJM109pPD304(FERM
    BP−3183)である請求項8または9記載の形質転換体。
  11. 【請求項11】シェリヒア・コリJM109pAD108(FERM BP
    −3184)が保有し、下記の制限酵素地図: にて特定されるプラスミドpUC19pAD108に由来し、D−
    N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除
    去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素に関与
    する遺伝子を含むDNA断片、またはアグロバクテリウム
    属細菌に由来し、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸
    のカルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸
    に変換する遺伝子を含むDNA断片とベクターDNAとの組換
    体DNAを用い、エシェリヒア属、シュードモナス属、フ
    ラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア属、コリネ
    バクテリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微
    生物から選ばれた宿主菌体を形質転換して得られる形質
    転換体を用いることを特徴とするD−N−カルバモイル
    −α−アミノ酸アミドヒドロラーゼの製造法。
  12. 【請求項12】該アグロバクテリウム属由来の細菌がア
    グロバウテリウムsp.KNK 712(FERM BP−1900)である
    請求項11記載の製造法。
  13. 【請求項13】該形質転換体がエシェリヒア・コリJM10
    9pAHD101、エシェリヒア・コリJM109pAD108(FERM BP−
    3184)である請求項11または12記載の製造法。
  14. 【請求項14】エシェリヒア・コリJM109pPD304(FERM
    BP−3183)が保有し、下記の制限酵素地図: にて特定されるプラスミドpUC19pPD304に由来し、D−
    N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除
    去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素に関与
    する遺伝子を含むDNA断片、またはシュードモナス属細
    菌に由来し、D−N−カルバモイル−α−アミノ酸のカ
    ルバモイル基を除去して対応するD−α−アミノ酸に変
    換する酵素に関与する遺伝子を含むDNA断片とベクターD
    NAとの組換体DNAを用い、エシェリヒア属、シュードモ
    ナス属、フラボバクテリウム属、バチルス属、セラチア
    属、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属
    に属する微生物から選ばれた宿主菌体を形質転換して得
    られる形質転換体を用いることを特徴とするD−N−カ
    ルバモイル−α−アミノ酸アミドヒドロラーゼの製造
    法。
  15. 【請求項15】該シュードモナス属由来の細菌がシュー
    ドモナスsp.KNK 003A(FERM BP−3181)またはシュード
    モナスsp.KNK505(FERM BP−3182)である請求項14記載
    の製造法。
  16. 【請求項16】該形質転換体がエシェリヒア・コリJM10
    9pPHD301またはエシェリヒア・コリJM109pPD304(FERM
    BP−3183)である請求項14または15記載の製造法。
  17. 【請求項17】配列表配列番号1のアミノ酸配列のアミ
    ノ酸番号1〜303のアミノ酸配列をコードするD−N−
    カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除去し
    て対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す
    蛋白質の遺伝子。
  18. 【請求項18】請求項16記載のDNA断片の5′末端の前
    に、配列表配列番号1の塩基番号167〜232の塩基配列ま
    たはこれと等価の塩基配列が結合したDNA断片。
  19. 【請求項19】配列表配列番号1の塩基番号233〜1114
    の塩基配列、もしくは、これと等価の塩基配列を持ち、
    D−N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基
    を除去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素活
    性を示す蛋白質の遺伝子を含むDNA断片。
  20. 【請求項20】配列表配列番号1の塩基番号1〜1785の
    塩基配列、もしくは、これと等価の塩基配列を持ち、D
    −N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を
    除去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素活性
    を示す蛋白質の遺伝子を含むDNA断片。
  21. 【請求項21】配列表配列番号2のアミノ酸配列のアミ
    ノ酸番号1〜311のアミノ酸配列をコードするD−N−
    カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除去し
    て対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す
    蛋白質の遺伝子。
  22. 【請求項22】配列表配列番号2の塩基番号701〜1636
    の塩基配列、もしくは、これと等価の塩基配列を持ち、
    D−N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基
    を除去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素活
    性を示す蛋白質の遺伝子を含むDNA断片。
  23. 【請求項23】配列表配列番号2の塩基番号1〜1820の
    塩基配列、もしくは、これと等価の塩基配列を持ち、D
    −N−カルバモイル−α−アミノ酸のカルバモイル基を
    除去して対応するD−α−アミノ酸に変換する酵素活性
    を示す蛋白質の遺伝子を含むDNA断片。
  24. 【請求項24】請求項17の遺伝子を含む組換えプラスミ
    ド。
  25. 【請求項25】請求項18、19もしくは20のDNA断片を含
    む組換えプラスミド。
  26. 【請求項26】ベクタープラスミドがpUC18またはpUC19
    である請求項24もしくは25記載の組み換えプラスミド。
  27. 【請求項27】組換えプラスミドがpUC108pAHD101もし
    くはpUC19pAD108である請求項26記載の組換えプラスミ
    ド。
  28. 【請求項28】請求項21の遺伝子を含む組換えプラスミ
    ド。
  29. 【請求項29】請求項22もしくは23のDNA断片を含む組
    換えプラスミド。
  30. 【請求項30】ベクタープラスミドがpUC18またはpUC19
    である請求項28もしくは29記載の組み換えプラスミド。
  31. 【請求項31】組換えプラスミドがpUC108pPHD301もし
    くはpUC19pPD304である請求項30記載の組換えプラスミ
    ド。
  32. 【請求項32】配列表配列番号1に示されるアミノ酸番
    号1から303のアミノ酸配有し、D−N−カルバモイル
    −α−アミノ酸のカルバモイル基を除去して対応するD
    −α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す蛋白質。
  33. 【請求項33】配列表配列番号2に示されるアミノ酸番
    号1から311のアミノ酸配列を有し、D−N−カルバモ
    イル−α−アミノ酸のカルバモイル基を除去して対応す
    るD−α−アミノ酸に変換する酵素活性を示す蛋白質。
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EP1275723A1 (en) 2001-07-10 2003-01-15 Ajinomoto Co., Inc. Recombinant D-hydantoin hydrolases and N-carbamyl-D-amino acid hydrolases, and DNA encoding them; uses thereof for producing D-amino acids
CN114015731A (zh) * 2021-06-30 2022-02-08 安徽华恒生物科技股份有限公司 一种高效的氨基酸发酵液的脱色方法

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