JP4081049B2 - 複数の送信機が1っのcdmチャネルを共用できるようにするための方法及びcdmaシステム - Google Patents

複数の送信機が1っのcdmチャネルを共用できるようにするための方法及びcdmaシステム Download PDF

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Description

本発明は、概してスペクトラム拡散通信システムに関し、さらに特定すると、複数の送信機が、このようなシステムの共有資源として、1 つの符号分割多重化(CDM) または符号分割多元接続(CDMA)チャネルを共用できるようにすることに関する。
符号分割多重化(CDM) システムでは、任意の数の受取人を対象にした信号は、コード・チャネルを作成するためにチャネル化符号を適切に割り当てることによって、1 つの周波数バンドつまりCDM チャネルを使用して、1 つの単独サイトから送信される。このようなシステムには、例えば、情報が目標となるさまざまな受取人に送信される、無線呼び出しシステム、メッセージまたは一斉送信(broadcast) システム、および測位システムや位置決定システムが含まれる。スペクトラム拡散符号分割多元接続(CDMA)通信システムのようないくつかのCDM システムは、ウォルシュ符号などの直交チャネル化符号を割り当てたり、各システム・ユーザに対する相関性が低い符号を分散することによって、コード・チャネルを獲得する。
大多数のシステム・ユーザの間で情報を転送するために、さまざまな多元接続通信システムおよび技法が開発されてきた。しかし、(CDMA)通信システムで使用されるようなスペクトル拡散変調技法は、特に大多数の通信システム・ユーザにサービスを提供する場合に、他の変調機構に優る重大な優位点を提供する。このような技法は、ともに本発明の譲り請け人に譲渡され、本明細書中に引用して組み込まれる、「 衛星中継器または地上中継器を使用するスペクトル拡散多元接続通信システム」 と題され、1990年2 月13日に発行された米国特許第4,901,307 号、および「 個々の受取人の位相時間およびエネルギーの追跡調査用のスペクトル拡散通信システム内で完全なスペクトル送信電力を使用するための方法および機
器」 という題で提出された米国特許出願番号08/368,570号の教示に開示される。 前記特許は、一般的には移動システムまたは遠隔システムの大多数のユーザの一人一人が、他のシステム・ユーザまたは公衆電話交換網のような他の接続されたシステムのユーザと通信するために、少なくとも1 つのトランシーバーを利用する多元接続通信システムを開示する。トランシーバーは、ゲートウェイと衛星、または地上の基地局(セル・サイトまたはセルと呼ばれることもある)を通して通信する。
基地局はセルをカバーするが、衛星は地球の表面にフットプリント(footprints)を有する。どちらのシステムでも、容量利得は、カバーされる地理的な地域をセクタ化または細分化することによって達成できる。セルは、基地局で指向性アンテナを使用することによって「 セクタ」 に分割できる。同様に、衛星のフットプリントも、ビーム形成アンテナ・システムを使用することにより地理学的に「 ビーム」 に分割できる。カバレージ領域を細分化するためのこれらの技法は、相対的なアンテナ指向性または空間分割多重化を使用して,分離を作り出すことであると見なすことができる。さらに、使用できる帯域幅があるならば、セクタまたはビームのどちらかであるこれらの細分のそれぞれには、周波数分割多重化(FDM) を使用することによって複数のCDMAチャネルを割り当てることができる。衛星システムでは、各CDMAチャネルは、「 ビーム」 ごとにこれらの複数がある可能性があるため、「 サブ・ビーム(sub-beam)」 と呼ばれる。
典型的なスペクトル拡散通信システムでは、任意の数の事前に選択された擬似雑音(PN)符号列が、通信信号としての伝送のために搬送波信号に変調する前に、ユーザ情報信号を事前に決定されたスペクトル・バンドで変調または「 拡散」 するために使用される。当該分野で周知のスペクトル拡散伝送の1 つの方法であるPN拡散は、データ信号の帯域幅よりはるかに広い帯域幅の、伝送のための信号を作り出す。基地局またはゲートウェイからユーザへの通信リンクでは、PN拡散符号またはバイナリ・シーケンスが、マルチパス信号を区別するだけではなく、異なった基地局によって送信されるか、あるいは異なったビーム上で送信される信号を区別するために使用される。これらのコードは、通常、指定されたセルまたはサブ・ビーム内のすべての通信信号によって共用される。
典型的なCDMAスペクトル拡散通信システムでは、チャネル化符号が、セル内の異なったユーザまたは順方向リンク(つまり、基地局またはゲートウェイからユーザ・トランシーバーへの信号経路)上の衛星サブ・ビーム内で送信されるユーザ信号を区別するために使用される。すなわち、各ユーザ・トランシーバーは、一意の「 チャネル化」 直交符号を使用することによって、順方向リンクに専用の直交チャネルを具備する。ウォルシュ関数は、通常、順方向リンク上での典型的なコード長が、地上システムの場合、約64コード・チップ、衛星システムの場合には128 コード・チップである、チャネル化符号を実現するために使用される。 一般的には、CDMA衛星システムは、システム資源を多くのゲートウェイに割り当てる。もっとも簡単な割当て体系とは、CDMAチャネル全体、つまりサブ・ビームの解像度で資源を分割することである。システムは、個々の衛星のサブ・ビーム全体を指定された時間期間個々のゲートウェイに割り当てる。ただし、使用可能なサブ・ビームをはるかに超える数のゲートウェイがある場合、CDMAチャネル全体の割当ては、おそらくシステム資源を使用する上で非効率的になる。このような状況では、ゲートウェイ間で1 つのサブ・ビームを共用することが有効だと判明するだろう。こうすることによって、割当てに使用可能なシステム資源の解像度が増す。
したがって、複数のゲートウェイが1 つの共有資源として1 つのCDMAチャネルつまりサブ・ビームを共用することが望ましい。ただし、従来の知識によれば、CDMAチャネルまたはCDM チャネルを複数の送信機によって共用すると、受信機での信号干渉が生じる結果となる。当業者にとっては、この説明がゲートウェイではなくむしろ基地局を利用する地上( 例えば、セルラー) 通信システムおよび数種類のメッセージまたは情報一斉送信システムにも適用することは明らかだろう。 したがって、必要とされるのは、複数の送信機(例えば、ゲートウェイ、基地局)が干渉を起こさずに1 つのCDM チャネルを共用できるようにするための方法である。
[発明の概要]本発明は、複数の送信機が、直交波形を使用する1 つのCDM またはCDMAチャネルを共用できるようにするためのシステムおよび方法である。出願人は、従来の技術に反して、ある面での送信機の動作が本発明に従って制約される場合に、複数の送信機が直交波形を使用する1 つのCDM チャネルを共用できることに気付いた。さらに、従来の知識によると、1 つのまたは複数の内のそれぞれの移動受信機で調整できるように、複数の送信機から搬送波位相を制御することは実際的ではない。出願人は、本発明の方法論が利用される場合、相対搬送位相のようなある動作パラメータが、重要な期間中、制御または調整される必要がないことに気付いた。ある送信機運転特性を制御することを要求することによって、本発明は、1 つのCDM チャネルの複数の送信機による共用をきわめて実際的かつ有効なものとする。
本発明の好ましい実施例によると、1 つのCDMAチャネルを共用する各送信機には、ユーザ情報信号をチャネル化するために使用される事前に定義されたウォルシュ・コードの集合の一部が割り当てられている。さらに、共用する送信機のすべてが、同じ擬似雑音(PN)拡散符号およびオフセットを使用してチャネル化されたユーザ信号を拡散する。その後では、送信機は、以下の送信機動作制約が認められる場合、相互の干渉なく、1 つの周波数バンド(CDMチャネルまたはCDMAチャネル) を共用することができる。つまり、各送信機が同じPN拡散符号または直角(quadrature)位相PN符号列と時間オフセット(time offsets)の対を利用する場合、時間オフセットが受信機での時間調整を保証するために事前補正される場合、信号の周波数が受信機での周波数調整を保証するために事前補正される場合、および一度に複数の送信機に1 つの直交チャネル化符号も割り当てられない場合である。
本発明の実施例の目的の1 つは、複数の送信機が、相互干渉を作り出さなくても1 つのCDMAチャネルを共用できるようにすることである。
同様に、本発明によって、複数の送信機は、相互干渉を作り出さずにただ1 つのCDM チャネルを共用できる。
本発明の優位点とは、それによって特定の通信信号およびシステムの信号対雑音比が改善されるという点である。
本発明の他の優位点とは、それによって、信号の時間および位相追跡調査が改善される点である。
本発明更に他の優位点とは、それによって周波数追跡調査が改善される点である。
本発明更に他の優位点とは、それによって取得中の信号同期引き込みが改善される点である。
本発明の他の目的とは、周波数追跡調査用の複数のパイロット信号の使用が可能になる点である。1 つのCDMAチャネルを本発明に従って共用する各送信機はパイロット信号を提供するため、複数のパイロット信号が周波数追跡調査で使用するために受信機で使用できる。周波数を概算するために複数のパイロット信号を使用する第1 の優位点は、この技術を使用すれば、さらに高速の周波数同期引き込みが可能になる点である。この技法の第2 の優位点とは、それを使用すると、さらに低い信号対雑音比での周波数追跡調査が可能になる点である。本発明の第3 の優位点とは、それを使用すると、フェージング・チャネルでの総体的な復調性能が改善できる点である。例えば1 つのパイロット信号がフェージングすると、その電力は搬送波ロックを維持するために別の送信機からのパイロット信号の電力によって補足することができる。この技法の第4 の優位点とは、それによって、さらに低電力のパイロット信号を使用できる点である。
本発明のさまざまな実施例の構造および動作だけではなく、本発明のさらなる特徴および優位点は、添付図面を参照して明らかにされる詳説な記述によりさらに明らかになるだろう。
本発明の第1の観点に従って、それぞれの送信機がデータ信号を送信するための少なくとも1つの通信チャネルを持っており,該送信機を複数を備えるCDM 通信システムにおいて1つのCDM チャネルを共用できるようにする方法が提供される。該方法は下記を具備する:
事前に決定された方法で複数の送信機に直交チャネル化符号の事前に定義された集合を割り当てるステップ;
チャネル化されたデータ信号を作成するために前記直交チャネル化符号を使用して前記データ信号のそれぞれをチャネル化するステップ。
本発明の第1の観点に従って提供される方法は、さらに下記(a1)〜(a11)のいずれか1つ或いはいずれか複数を組み合わせて具備することが好ましい。
(a1)前記直交チャネル化符号がウォルシュ関数であること。
(a2)同時に,1つのウォルシュ関数が複数の送信機に割り当てられないこと。
(a3)さらに、拡散ユーザ信号を作り出すために少なくとも1つのPN符号を使用して前記チャネル化されたデータ信号を拡散するステップ。
(a4)1つのPN拡散符号が複数の送信機に割り当てられること。
(a5)さらに、合成信号を作成するために、送信前に前記拡散データ信号を総計するステップ。
(a6)前記合成信号の前記PN拡散符号が受信時に時間調整されるように、各送信機の前記合成信号が送信前に事前補正されること。
(a7)前記合成信号が受信時に周波数調整されるように、各送信機の合成信号が送信前に事前補正されること。
(a8)前記CDM 通信システムはユーザ信号である各データ信号を持つ無線スペクトラム拡散CDMA通信システムを具備し,チャネル化する前記ステップは,チャネル化されたユーザ信号を作成するために前記直交チャネル化符号の1つを使用して前記ユーザ信号のそれぞれをチャネル化することを具備すること。
(a9)結合済み信号として、ただ1つのチャネルを共用する少なくとも2つのユーザ信号を受信するステップと;
少なくとも1つの事前に決定されたPN拡散符号に関して、前記受信された信号をデスプレッドするステップと;
事前に選択された直交チャネル化符号に関して、前記合成信号を複数の個別データ信号に多重分離するステップと;
前記個別信号に対応する少なくとも2つのパイロット信号のそれぞれをコヒーレントにフィルタリングして除去するステップと;
前記フィルター・パイロット信号のそれぞれからエラー信号を生成するステップと;及び
結果として生じるエラー信号を総計するステップ。
(a10)さらに、多重分離の前に、受信したスペクトラム拡散信号を、回転によってベースバンド周波数にダウンコンバートするステップと;
総計された結果として生じるエラー信号をフィルタリングするステップと;及び
フィルタリングされた総計済みエラー信号に応じて、前記ダウンコンバートすることを調整するステップ。
(a11)エラー信号を生成する前記ステップが、各パイロット信号の現在のサンプルとその過去のサンプルとの間のクロス乗積を形成することを具備する。
本発明の第2の観点に従って、1つのCDM チャネルを共用する少なくとも1つのデータ信号を送信する各送信機を複数備えるCDM 通信システムが提供される。該送信機は下記を具備する:
前記データ信号の内の1つを搬送する少なくとも1つの信号処理経路;
異なった直交チャネル化符号と各データ信号を結合するための乗算器手段。
本発明の第2の観点に従って提供される送信機は、さらに下記(b1)〜(b9)のいずれか1つを、或いはいずれか複数を組み合わせて具備することが好ましい。
(b1)前記直交チャネル化符号がウォルシュ関数であること。
(b2)共通の動作時間期間,いかなるウォルシュ関数も複数の送信機に割り当てられないこと。
(b3)前記信号処理経路が、さらに、少なくとも1つのPN拡散符号を使用する前記乗算器手段によって作成される信号を拡散するために、前記乗算器手段に連結されたスプレッダーを具備すること。
(b4)1つのPN符号が、複数の送信機に割り当てられること。
(b5)送信前に各送信機での前記信号処理経路により作成された信号を総計するために、さらに前記信号処理経路に連結された加算器を具備すること。
(b6)複数の送信機から送信済みの信号のPN符号が受信時に時間調整されるように、前記加算器によって作成された信号を事前補正するために、さらに,前記加算器に連結された時間事前補正器を具備すること。
(b7)複数の送信機から送信済みの信号の搬送周波数が受信時に調整されるように、前記時間事前補正器によって作成された信号を事前補正するために、さらに,前記時間事前補正器に連結された周波数事前補正器を具備すること。
(b8)前記スプレッダーがQPSKスプレッダーであり、前記少なくとも1つのPN符号が、一対の直角位相PN拡散符号を具備していること。
(b9)前記CDM 通信システムは、ユーザ信号であるそれぞれの前記データ信号を持つ無線スペクトラム拡散CDMAを具備し,前記少なくとも1つの信号処理経路が、前記ユーザ信号の1つを搬送し、前記乗算器手段が各ユーザ信号を別の直交チャネル化符号と結合すること。
本発明の第3の観点に従って、各送信機はただ1つのCDM チャネルを共用する少なくとも1つのデータ信号を送信する送信機であり,複数の前記送信機を具備するCDM 通信システムが提供される。このシステムにおける各送信機は下記を具備する:
事前に決定された方法で複数の送信機に直交チャネル化符号の集合を割り当てる手段;
チャネル化されたデータ信号を作成するために前記直交チャネル化符号の1つを使用して、前記データ信号のそれぞれをチャネル化するための手段。
本発明の第3の観点に基づいて提供されるシステムは、さらに下記(c1)〜(c14)のいずれか1つ或いはいずれか複数を組み合わせて具備することが好ましい。
(c1)前記直交チャネル化符号がウォルシュ関数であること。
(c2)同時に,1つのウォルシュ関数が複数の送信機に割り当てられないこと。
(c3)拡散信号を作成するために、少なくとも1つのPN拡散符号を使用して前記チャネル化された信号を拡散するための手段
(c4)1つのPN符号が複数の送信機に割り当てられること。
(c5)合成信号を作成するために、送信前に前記拡散信号を総計するための手段。
(c6)前記合成信号の前記PN符号が受信時に時間調整されるように、送信前に各送信機の前記合成信号を事前補正するための手段。
(c7)前記合成信号が受信時に周波数調整されるように、送信前に各送信機の前記合成信号を事前補正するための手段。
(c8)前記通信システムがCDMAスペクトラム拡散通信システムであり、前記データ信号が1つのCDMAチャネルを共用するユーザ信号であり、チャネル化するための前記手段が、チャネル化されたユーザ信号を作成するために、前記直交チャネル化符号の1つを使用して、それの前記ユーザ信号をチャネル化するための手段。
(c9)結合された信号として、1つのチャネルを共用する少なくとも2つのユーザ信号を受信するための手段と;
少なくとも1つの事前に決定されたPN拡散符号に関して前記受信された信号をデスプレッドするための手段と;
事前に選択された直交チャネル化符号に関して複数の個別データ信号に前記合成信号を多重分離するための手段と;
前記個別データ信号に対応する少なくとも2つのパイロット信号のそれぞれをコヒーレントにフィルタリングして除去するための手段と;
前記パイロット信号のそれぞれからエラー信号を生成するための手段と;
結果として生じるエラー信号を総計するための手段。
(c10)さらに、多重分離の前に、受信されたスペクトラム拡散信号をベースバンド周波数にダウンコンバートするための回転手段と、
総計された結果としてのエラー信号をフィルタリングするための手段と;及び
フィルタリングされた総計済みエラー信号に応じて前記回転手段の動作を調整するための手段。
(c11)エラー信号を生成するための前記手段が、各パイロット信号の現在のサンプルと、その過去のサンプルとの間のクロス乗積を形成するための手段。
本発明の第四の観点に基づいて、各送信機はデータ信号を送信するために少なくとも1つの通信チャネルを備え、1つのCDM チャネルを共用する複数の前記送信機を有するCDM 通信システムにおいて,自動的に周波数を制御するための方法が提供される。該方法は下記を具備する:
事前に決定された方法で複数の該送信機に直交チャネル化符号の事前に定義された集合を割り当てるステップ;
チャネル化されたデータ信号を作成するために、前記直交チャネル化符号の内の1つを使用して、前記データ信号のそれぞれをチャネル化するステップ;
結合された信号として,1つのチャネルを共用する少なくとも2つのユーザ信号を受信するステップ;
少なくとも1つの事前決定されたPN拡散符号に関して、前記受信された信号をデスプレッドするステップ;
事前に選択されたユーザ直交符号に関して、前記合成信号を複数の個別データ信号に多重分離するステップ;
前記個別信号に応じた少なくとも2つのパイロット信号のそれぞれをコヒーレントにフィルタリングして除去するステップ;
前記フィルター・パイロット信号のそれぞれからエラー信号を作成するステップ;及び
結果として生じるエラー信号を総計するステップ。
本発明の第四の観点に基づいて提供される方法は、下記(d1)を具備することが好ましい。
(d1)多重分離の前に、受信したスペクトル拡散信号を回転によってベースバンド周波数にダウンコンバートするステップ;
総計された結果としてのエラー信号をフィルタリングするステップ;
フィルタリングされた総計済みエラー信号に応じて前記ダウンコンバートすることを調整するステップ。
本発明の第5の観点に基づいて、それぞれ少なくとも1つのデータ信号を送信する1つのCDM チャネルを共用する複数の送信機を備えるCDM 通信システムにおいて自動周波数制御のための機器が提供される。該機器は下記を具備する;
直交チャネル化符号の集合を、事前に決定された方法で複数の送信機に割り当てるための手段;
チャネル化されたユーザ信号を作成するために、前記データ信号のそれぞれを前記直交チャネル化符号の1つを使用してチャネル化するための手段;
結合された信号として、1つのチャネルを共用する少なくとも2つのユーザ信号を受信するための手段;
少なくとも1つの事前決定されたPN拡散符号に関して、前記受信した信号をデスプレッドするための手段;
事前に選択された直交チャネル化符号に関して、前記合成信号を複数の前記個別データ信号に多重分離するための手段;
前記個別データ信号に対応する少なくとも2つのパイロット信号のそれぞれをコヒーレントにフィルタリングで除去するための手段;
前記パイロット信号のそれぞれからエラー信号を生成するための手段と;及び
結果として生じるエラー信号を総計するための手段。
本発明は、同様の参照番号が付いた参照が同一または機能的に類似した要素を示す図面を参照することによりもっともよく理解される。加えて、参照番号の最も左側の数字はその参照番号が添付図面で初出する図を参照する。
1.はじめに
本発明は、複数の送信機が、1 つのCDM チャネルまたは1 つの共通広帯域信号資源を共用できるようにするためのシステムおよび方法である。好ましい実施例を説明する。しかしながら、最初に本発明の理解に必要となるその多くの局面を説明する。
特定のステップ、構成、および装置を説明するが、これが実例説明の目的のためだけに行われることを理解する必要がある。当業者であれば、それ以外のステップ、構成、および装置が、本発明の精神および適用範囲から逸脱することなく使用できることを認識するだろう。
前述したように、典型的なCDMA無線通信システムは、スペクトラム拡散CDMA技法を使用して信号を送信するために少なくとも1 つの周波数バンドを利用する。各周波数バンドはCDMAチャネルとして知られている。さまざまなユーザの集合に異なる通信信号を転送するには、異なったCDMAチャネルが使用される。CDMAチャネルは、多様な連邦通信委員会(FCC) 計画の元で再利用するために他のシステムに再割り当てしたり、他のサービスによって使用される中間バンドによって分離することができる。さまざまなCDMAチャネルの地理的なカバレージ領域は、選択された通信システムの設計に応じて、部分的にまたは完全に重複できる。ユーザは、容量、衛星のカバレージや位置、信号強度、干渉、および類似したもののためにCDMAチャネルを切り替えることができる。
CDMA通信システムにおいては、ただ1 つのサイトから送信する複数のユーザは、ウォルシュ符号のような直交チャネル化符号のそれぞれに適切に割り当てられることによって、ただ1 つの周波数バンド(CDMAチャネル)を共用できる。典型的なCDMAシステムでは、使用可能なスペクトルは、そのそれぞれが1 つのCDMAチャネルを表す多くの周波数バンドに分割される。それから、各CDMAチャネルは、チャネル化符号を送信される信号に適用することにより多くのコード・チャネルに解析される。各コード・チャネルは、音声、データなどを搬送する機能を備える別個の通信チャネルである。本発明の好ましい実施例では、1 つのCDMAチャネル内の各コード・チャネルは、ウォルシュ符号のある集合から選択された別のウォルシュ符号でデータ信号を変調することにより作成された。既知の符号の例示的な集合は、本明細書中に引用して組み込まれる「二重モード広帯域スペクトラム拡散セルラー・システム用移動局ベースの局互換性基準」と題するIS-95 システム仕様書に指定される。
2.ウォルシュ符号の作成
直交チャネル化符号の1 つの種類が、本発明の実施例で利用されるウォルシュ符号である。ウォルシュ符号の作成および使用についての説明は、「CDMA セルラー電話システムで信号波形を作成するためのシステムおよび方法」 と題する米国特許第5,103,459 号に記載される。米国特許第5,103,459 号は、本発明の譲り請け人に譲渡され、その開示は本明細書中に引用して組み込まれる。読者の便宜のために、以下に簡略な説明を行う。
技術においては、それぞれがn が2 の乗数である長さn の、n 個の直交バイナリ・シーケンスの集合が構築できることは周知である。また、実際に、直交バイナリ・シーケンス集合は、4 の倍数であり200 を下回る大部分の長さについて既知である。直交チャネル化符号に有効であるだけではなく、作成が比較的に容易な直交バイナリ・シーケンスの1 つのクラスが、ウォルシュ関数と呼ばれる。ウォルシュ関数は、アダマール・マトリックスとしても知られるウォルシュ関数マトリックスから派生する。次数n のアダマール・マトリックスは、以下のように、帰納的に定義することができる。
Figure 0004081049
次に、ウォルシュ関数W n は、ウォルシュ関数マトリックス( アダマール・マトリックス) の行の内の1つにすぎず、次数「n 」のウォルシュ関数マトリックスは、それぞれが長さn チップ( ビット) の、n 個の関数または列を含む1 つの正方マトリックスである。
( 他のすべての直交関数だけではなく) 次数n のウォルシュ関数には、列が互いに時間調整されているならば、n 個の符号記号の間隔で、集合内のすべての異なった列間の相互相関がゼロとなる特性がある。これは、すべての列がちょうどそのビットの半分で列おきに異なる点を注記すれば理解することができる。また、つねにすべての1(実数) を含む1 つの列があり、他のすべての列には半分の1 と半分のマイナス1 が含まれることも注記する必要がある。
ウォルシュ符号の前記特性により、ウォルシュ符号はCDMA通信システムで有効となる。以下に説明するように、2 つのユーザ信号が、それぞれ同じ集合からの2 個の別々のウォルシュ列を使用して変調される場合、結果として生じる信号は相互に干渉しない。

3. 無線情報システム
前述のように、本発明は、さまざまな無線情報通信システムで使用法が見つけられるだろう。このようなシステムには、通常は、呼び出しや位置決定に使用されるような情報一斉送信システムが含まれる。その他のシステムには、衛星および地上のセルラー電話システムのような無線通信システムが含まれる。好ましい用途は、移動電話サービスまたは携帯電話サービス用のCDMAスペクトル拡散通信システムである。
本発明が使用される例示的な無線通信システムが、図1 に図解されている。図1 に示される通信システム110 の一部は、2 つの基地局112 と114 、1 つの衛星116 、および2 つの関連ゲートウェイまたはハブ(hubs)120 と122 を使用する。通信システムのこれらの要素は、2 つの加入者装置124 と126 との通信を確立しているとして示されている。通常、基地局および衛星/ゲートウェイは、地上および衛星をベースにした別個の通信システムの構成要素であるが、これは必要ではない。
加入者装置124 と126 は、それぞれ、セルラー電話、データ・トランシーバー、または呼び出し(paging)受信機や位置決定受信機に限定されない無線通信デバイスを備えるか、あるいは構成され、希望に応じて携帯できるか、車両に搭載できる。ここでは、加入者装置は携帯電話として示される。しかし、本発明の教示が、「戸外」の場所だけではなく「 室内」 も含む、遠隔無線サービスが希望される固定された装置に適用できることも理解される。
一般的には、CDMAチャネルまたは「 サブ・ビーム」 と呼ばれることもある、異なった周波数での衛星116 からの複数のビームは、同じ地域を重複するように向けることができる。また、複数の衛星のビーム・カバレージまたはサービス・エリア、あるいは複数の基地局のアンテナ・パターンが、通信システムの設計および提供されるサービスの種類、ならびにスペース・ダイバシティーが達成されているかどうかに応じて、指定地域内で完全にまたは部分的に重複するように設計されることがあることは、当業者によって容易に理解される。
大多数の加入者装置にサービスを提供するために、低軌道衛星(LEO) での軌道面の使用のような、多様な複衛星(multi-satellite) 通信システムが提案されてきた。当業者は、本発明の教示が、他の軌道距離および星座(constellations)を含む、さまざまな衛星システムおよびゲートウェイの構成にどのように適用できるのかをすぐに理解するだろう。同時に、本発明は、さまざまな基地局の地上ベースのシステムにも等しく適用できる。
加入者装置124 と126 と基地局112 と114 の間で、あるいはゲートウェイ120 と122 のある衛星116 を介して発生する通信のいくつかの考えられる信号経路が、図1 に示される。基地局−加入者装置の通信リンクは、回線130 、132 、134 および136 により説明される。ゲートウェイ120 と122 と衛星116 の間のゲートウェイ−衛星通信リンクは、それぞれ回線140 と142 によって説明される。衛星116 と加入者装置124 と126 の間の衛星加入者装置通信リンクは、それぞれ回線144 と146 により説明される。
上述したように、ゲートウェイ120 と122 および基地局112 と114 は、片方向通信システムまたは双方向通信システムの一部として、あるいは単にメッセージまたはデータを加入者装置124 と126 に転送するために使用できる。どちらのケースでも、ゲートウェイ120 と122 、または基地局112 と114 が、同じCDM チャネルまたはCDMAチャネルを共用を希望することがある。これは、特に、基地局112 と114 が互いに接近して位置する場合、あるいはゲートウェイ120 と122 の現在の資源に対する要求にむらがあるか、あるいはユーザの共通のグループ向けのメッセージがある場合に当てはまる。
4. 拡散およびカバー
情報信号は、システム加入者に転送される前、まず、基本デジタル通信信号を作成するために、必要に応じてデジタル化され、符号化され、希望に応じてインタリーブ(interleave)される。これらの動作は、当該分野で周知の技法を使用する。また、特定のユーザに宛てられた信号は、そのユーザの順方向リンクに割り当てられる別個の直交関数または符号拡散列により変調される。すなわち、一意のカバー直交符号、通常はウォルシュ符号は、1つのセルまたはビーム内の異なったユーザまたは加入者信号を区別するために使用される。指定された搬送周波数の順方向リンクでのこのコーディングによって、チャネルとも呼ばれる加入者信号が作成される。このような直交関数は、チャネル化符号と呼ばれることもある。
データ信号のカバーおよび拡散を実現するための例示的な送信機回路のブロック図は、図2aおよび図2bに示される。図2a中の送信変調器200 は、第1 乗算器202 、第2 乗算器204 、直交コードまたは直交関数発生器206 、およびPN発生器208 を使用する。代わりに、以下に説明するように、変調器200 は、乗算器210 を利用できる。送信変調器200 は、データまたは以前符号化されたデータ記号を受信し、指定された直交符号列、ウォルシュ符号でそれらを直交して符号化またはカバーしてから、カバーされたデータを送信前に拡散する。
今度は図2aを参照すると、情報信号S(t)がウォルシュ関数W(t)を使った乗算によりチャネル化される。直交関数つまりウォルシュ符号の発生器206 は、当該分野では既知である機器を使用して、信号のチャネル化に希望される直交カバー符号を作成する。発生器206 からの符号W i (t) は、通常は乗算器である論理要素202 内の記号データによって乗算されるか、結合される。それ以外の既知の速度も使用できるが、例示的な実施例では、直交関数は、通常、1.2288 MHzの速度で同期される。
乗算器202 により出力される直交でカバーされたデータ信号S(t)W(t)は、PN拡散符号によって信号を乗算する、論理要素つまり乗算器204 に入力される。それから、その結果生じるPN拡散され、直交符号化され、出力された信号は、通常は帯域フィルタリングされ、適切な電力制御増幅回路に送信され、RF搬送波上に変調される。代わりに、PN拡散および直交チャネル化符号は、データと結合される前にまとめて乗算、または結合することができる。これは、送信変調器201 が直交符号発生器206 およびPN発生器208 の出力を乗算器210 に転送される図2bに示される。乗算器210 は、それから再び乗算器204 を使用してデータ信号S(t)W(t)と結合される結合済み符号を作成する。
結果として生じる信号は、他の順方向リンク信号と総計され、アンテナによって放射される前に、さらに増幅され、フィルタリングされる。フィルタリング動作、増幅動作および変調動作は、技術でよく理解されている。既知のように、代わりの実施例では、送信された信号を形成するためのこれらの動作のいくつかの順序を交換してもよい。この種の送信機器の動作の補助的な詳細は、前記米国特許第5,103,459 号に記載される。
PN発生器208 は、このプロセスで使用するために、任意の数の異なったPN拡散符号を発生する。この発生器は、適切なインタフェース要素を使用する複数の送信機の間で時分割されるだろう。これらの列の例示的な発生回路は、1993年7 月13日に発行され、本発明の譲り請け人に譲渡され、本明細書中に引用して組み込まれる「 高速オフセット調整による2長(Two Length)擬似雑音列発生器の電力」 と題する米国特許第5,228,054 号に開示される。代わりに、PN符号は、ROM 回路またはRAM 回路のようなメモリ要素内で事前に記憶することができる。PN発生器208 は、希望に応じて、実数値の列または複素数値列を出力できる。また、これらのPN拡散符号が、いくつかの応用例では、90°位相外れで適用される同じ符号となる場合がある。
各PN列は、拡散されているベースバンド通信信号よりはるかに高い周波数で事前PN符号期間の間発生する「 チップ」 の列から構成される。典型的なチップ速度は、約1.2288 MHzで、 PN 符号列長つまり期間は1024チップである。ただし、この符号長は、当業者には明らかであるように、符号分離を強化するため、あるいは検索回数を減らすために調整できる。各システム設計が、技術で理解される係数に従った通信システム内でのPN拡散符号の分散を指定する。
既知のクロック・ソースは、タイミング情報を提供するために使用され、時間オフセットまたはオフセット値が、通常、これらの動作のタイミングに影響を及ぼすために任意の数の制御プロセッサによって設定される。

V. QPSKスプレッダー
以下に記述される本発明の好ましい実施例は、従来の設計の4位相偏移変調(QPSK)スプレッダー(spreader)を利用する。以下の説明を読んだ後には、関連する技術の当業者にとって、どのようにして他の拡散機構を本発明で利用できるのかは明らかだろう。QPSKスプレッダーのブロック図は、図3 に示される。QPSKスプレッダー300 は、第1 同相乗算器302 と第2 同相乗算器304 、第1 直角位相乗算器306 と第2 直角位相乗算器308 、2 つのフィルター310 と312 、および総和要素つまり加算器314 から構成される。2 つのPN発生器316 と318 は、前記のPN発生器208 と同じである、それぞれ同相の拡散符号および直角位相拡散符号PNI とPNQ を提供するために使用される。
次に図3 を参照すると、情報信号S(t)が、ウォルシュ関数W(t)を用いた乗算によりチャネル化され、チャネル化済み情報信号S(t)W(t)が作り出された。チャネル化された情報信号S(t)W(t)は、乗算器302 と306 ごとに1 つの入力に適用される。一般的には、同じデータは両方の乗算器に入力され、個々の符号との結合または個々の符号による変調にさらされる。乗算器302 は、PN発生器216 からの同相のPN符号PNI によって入力信号S(t)W(t)を乗算する。それから、結果として生じる信号が、通常は、送信された信号の帯域幅を含む目的で、パルス整形を提供するために利用される、従来の設計のフィルターである、フィルター310 によってフィルタリングされる。次に、フィルタリングされた信号は乗算器304 にて適用され、そこで同相の搬送波信号cos(ωt)によって乗算される。同様に、乗算器306 は、PN発生器281 からの直角位相PN符号PNQによって入力信号S(t)W(t)を乗算する。それから、結果として生じる信号は、フィルター312 によってフィルタリングされ、乗算器308 に適用され、そこで直角位相搬送波信号sin (ωt )によって乗算される。関連技術の当業者には明らかとなるように、それ以外の波形も搬送波信号として使用することができる。結果として生じる同相の構成要素および直角位相構成要素は、それから加算器314 によって総計され、以前のように、他の順方向リンク信号と総計されアンテナによって放射される前に、さらに増幅され、フィルタリングされる場合があるQPSK- 拡散信号M(t)を作り出す。
4. 本発明の実施例
本発明の以前には、複数の送信機は、直交チャネル化符号の集合を共用しても1 つのCDM チャネルを共用できないと考えられていた。さらに、チャネル共用を実現するためには、送信された信号の各搬送波位相が受信機で調整されなければならないと考えられていた。
あいにく、地理学上分散したサイトにある複数の送信機からの搬送波位相のこのような調整された事前補正は、重要な搬送周波数では技術的に実現可能と見なされていない。後述するように、出願人は、従来の技術に反して、複数の送信機が、直交チャネル化符号を使用すれば、たとえ各送信機搬送波位相が受信時に調整されていなくても1 つのCDM チャネルを共用できることに気づいた。送信機の信号は、一定の状況下では、搬送波位相には関わりなく、相互に直交したままである。
搬送波位相の無関係の理由は、例によってもっともよく説明される。それぞれ位相「x 」と「y 」がある、それぞれが基本搬送波形を生成する、基地局112 と114 またはゲートウェイ120 と122 内のような2つの送信機、送信機X と送信機Y を考えてみる。送信機X は、ウォルシュ関数Wx (i) を使用してデータ信号Sx をチャネル化し、搬送波を変調し、送信済み信号Tx (i) を作り出す。この場合、iはウォルシュ列のチップ数を表す。この例では、iは、0 から127 の値の範囲に及ぶ。送信機Yは、ウォルシュ関数Wy (i) を使用してデータ信号Sy をチャネル化し、その搬送波を変調し、送信済み信号Ty (i) を作り出す。したがって、送信済み信号は、以下のように表記することができる。
x (i) =Sx x (i) eJφX (4)
及び
Ty (i) =Sy y (i) eJφy (5)

両方の送信済み信号は、受信機X(124 、126)によって受信され、ウォルシュ関数Wx (i) によって発見され(uncover )または逆チャネル化される。周波数事前補正を行うと、到着する信号の信号位相の相対差異は実質上一定であると仮定される。すなわち、位相は異なる場合があるが、位相は使用されるウォルシュ関数期間で比較的一定したままである。ウォルシュ列の同じウォルシュ列との積が単一列であるため、信号Tx の結果は、希望されるデータ信号である以下の関係により指定される。
127 127
ΣTx (i) Wx (i) =ΣSx x (i) Wx (i) eJφX
i=0 i=0
127
=Sx JφX Σ(1)=128 Sx JφX (6)
i=0

同じ集合からのウォルシュ列と別のウォルシュ列の積はゼロであるため、信号Ty の結果は、干渉を生じさせない以下の関係によって指定される。
127 127
ΣTy (i) Wx (i) =ΣSy x (i) Wy (i) eJφy
i=0 i=0
127
=Sy Jφy ΣWx (i) Wy (i)
i=0
=Sy Jφy * (0)=0 (7)
したがって、前記条件が満たされ、周波数調整がウォルシュ関数の短期間で変化しない場合には、搬送波位相は関係ない。
本発明の好ましい実施例によると、各送信機は直角位相PN拡散符号または列とオフセットの同じ対を利用する。(PN符号オフセットは、PN符号列の参照時間と開始時間の間の事前に決定された遅延である。)さらに、複数の送信機に対して、それらがCDMAチャネルを共用している時間期間中、1 つの直交チャネル化符号も割り当てられない。オフセットは、受信機での時間調整を保証するために時間事前補正される。信号の周波数は、受信機での周波数調整を保証するために事前補正される。
図4 に、本発明の実施例を示す回路ブロック図が示される。図4 は、2 つの送信機、送信機400Aと送信機400Bだけがただ1 つのCDMAチャネルを共用する、本発明の簡単な応用例である。好ましい実施例によれば、ウォルシュ符号の1つの事前に定義された集合は、共用する送信機の間で分割される。これは、送信機400Aに割り当てられるウォルシュ符号W1 (t) −Wn (t) および送信機400Bに割り当てられるWn+1 (t) −Ww (t) を示す図4 に描かれている。この場合「W」は、集合内のウォルシュ符号の総数である。
ウォルシュ関数が厳密に連続する番号順で割り当てられたり、グループ化される必要はないが、希望に応じてその他の割当てパターンを使用して割り当てることができることは、当業者にとってはすぐに明らかなはずである。すなわち、本発明では、ウォルシュ関数1-16がある送信機に割り当てられる必要はないが、ウォルシュ関数1-17は、継続的な「 ブロック」 つまり列(1 からn およびn+1 からw )として別の送信機に割り当てられる。例えば、ウォルシュ関数1 、3 、5 、...31 はある送信機に割り当てられるが、別の送信機は使用するためにウォルシュ関数2 、4 、6 、...32 を受け取る。関数は、小さなグループまたは交互の列として、あるいは他の基地のパターンを使用して割り当てることができる。ウォルシュ関数のあらゆる多岐に渡る組み分け、組み合わせ、または順序付けは、各送信機が同じCDM チャネル上で同時に共通のウォルシュ関数を使用していない限り、使用することができる。
このような割当てがどのようにすればうまく行くのかの例は、以下の表I に示される実施例に関して示される。示される割当て機構では、第1 ゲートウェイ(GW)および第2 ゲートウェイ(GW)としてラベルが付けられる2 つのゲートウェイは、CDMAスペクトラム拡散通信システムの共通ビームおよび周波数を共用する。9 つのチャネルから成るある特定の集合に指定された関数が、それぞれのウォルシュ関数割当てとともに一覧されている。
Figure 0004081049
本明細書では、実施例は、2 つの送信機および1 つの受信機を備えると記述される。関連技術の当業者にとっては、本発明の原則が、複数の送信機および複数の受信機が1 つのCDMAチャネルを共用できるようにするために適用できることが明らかだろう。さらに、当業者にとっては、受信機を中継器( 例えば、衛星トランスポンダー、地上中継器) で置き換えることができ、本発明の時間および周波数の事前補正が、送信機または中継器のどちらかによって実行できることは明らかだろう。例えば、時間および周波数の事前補正は、衛星で1 つのトランスポンダー、または中継器を共用し、トランスポンダーによる送信のポイントまで信号を事前補正することによって、ユーザのグループのために実行できる。
本明細書では、本発明は、信号送信に関して説明されている。関連技術の当業者には明らかとなるように、さまざまな受信機が本発明とともに利用できる。典型的な受信機は、本発明の譲り請け人に譲渡され、本明細書中に引用して組み込まれる「CDMA セルラー電話システムで信号波形を形成するためのシステムおよび方法」 と題する米国特許第5,103,459 号に開示されている。
さらに、好ましい実施例によれば、同じPN多項式およびオフセットが、それぞれの共用する送信機に割り当てられる。これは、送信機400Aと送信機400Bの両方に割り当てられる、PN列の1 つの直角位相対PNQとPNIを示す図4 に描かれる。
図4 を参照すると、送信機は、乗算器402A、402B、QPSKスプレッダー300 、加算器404A、404B、時間事前補正器406A、406B、周波数事前補正器408A、408B、およびアンテナ410A、410Bを具備する。
図5 に本発明の実施例の動作を描くフローチャートが示される。今度は、本発明の実施例を図4 と図5 に関して詳細に説明する。
図5 を参照すると、ステップ502 では、多くのユーザ信号がただ1 つのCDM チャネルを共用しなければならない複数の送信機で存在している。ユーザ信号は、音声、データなどである場合がある。 これらの信号は、送信機400AでのSA1−SAX、および送信機400BでのSB1−SBY として図4 に表記される。ステップ504 では、各ユーザ信号は、乗算器402Aと402Bによって別のウォルシュ符号列で乗算される。2 つのユーザ信号SA1−SAX およびSB1−SBY は、同じウォルシュ符号列で乗算されない。ウォルシュ符号は、送信機400Aに割り当てられるW1 (t)-Wn (t) 、および送信機400Bに割り当てられるWn+1 (t) −Ww (t) として図4 に描かれる。
次に、ステップ506 では、各乗算器402A、402Aの出力が、直角位相PN多項式とオフセットの同じ組を使用して、任意の数のQPSKスプレッダーによって拡散される。QPSKスプレッダー300 の動作は、前記第III 項に記述される。それから、ステップ508 では、結果として生じるウォルシュ符号化されたQPSK拡散信号が、それぞれ加算器404Aと404Bによって各送信機で総計される。ステップ510 では、合成信号が、送信機から放射される合成信号のPNオフセットが、受信が望まれる1 つのまたは複数の受信機で時間調整されることを保証するために、それぞれ時間事前補正器406A、406Bによって事前補正される。前述のように、送信機400A、400Bは、通常、基地局またはゲートウェイ内に位置し、さまざまな受信機/トランスポンダーまでの近似距離は既知である。したがって、必要とされるタイミングの事前補正は、容易に計算することができる。
ステップ512 では、時間事前補正された合成信号が、送信機から放射する合成信号が1つのまたは複数の受信機で周波数調整されることを保証するために、周波数事前補正器408A、408Bによって周波数事前補正される。ステップ514 では、合成信号は、アンテナ410A、410Bを介して送信準備が完了している。
前記説明を読んだ後には、関連技術の当業者にとって、他の代替実施例を使用してどのように発明を実現するのかが明らかとなるだろう。
5.複数パイロット信号を使用する周波数見積もり
CDMA受信機では、送信機搬送波の周波数は、通常、CDMAチャネルを占有するただ1 つの送信機のパイロット信号を使用して見積もりされる。一般的には、送信済み信号の電力を最小限に抑えることが望ましい。しかしながら、CDMAシステムでの周波数追跡調査の難しさは、低電力パイロット信号を使用することによって悪化することがある。本発明の特徴は、本発明によって、CDMAチャネルを共用する複数の送信機の複数のパイロット信号を使用すると、送信機の搬送波周波数が見積もりできるようになるという点である。( 上記に注記されるように、CDMAチャネルを共用する送信機の搬送波周波数は、調整される。さらに、共用する送信機の搬送波位相が調整されることが必要とされていないため、各送信機は、コヒーレント(coherent)な復調を可能にするために別個のパイロット信号を送信する。)
図6 に、受信されたQPSK信号の搬送波周波数の見積もりを得るために、複数のパイロット信号を利用する自動周波数制御ループ600 の回路ブロック図が示される。図6 の回路は、アンテナ602 、ローテーター(rotator) 604 、PN デスプレッダ606 、ウォルシュ・デマルチプレクサー608 、コヒーレント・パイロット・フィルター610(610A-610N)、周波数エラー信号生成装置612(612A-612N)、加算器614 、ループ・フィルター616 、および電圧制御発振器(VCO)618を具備する。
自動周波数制御ループ600 の動作を描くフローチャートは、図7 に示される。ここでは、自動周波数制御ループ600 の動作は、図6 と図7 を参照して詳説される。
図7 を参照すると、ステップ702 では、CDMAチャネルを共用する複数の送信機から送信される信号から構成される合成信号が、アンテナ602 で受信される。ステップ704 では、ローテーター604 が、受信された合成信号をベースバンドにダウンコンバート(downconvert) する。ステップ706 では、ベースバンド信号が、PNデスプレッダ 606によって適切な時間オフセットでのPN符号を使用してデスプレッドされる(desptead)。ステップ708 では、デスプレッドベースバンド信号が、ウォルシュ・デマルチプレクサー608 によって、別々のウォルシュ・チャネルA からN に多重分離される(demultiplex) 。結果として生じるウォルシュ・チャネルの内に、CDMAチャネルを共用する送信機ごとの1 つのパイロット・チャネルがある。ステップ710 では、各パイロット・チャネルは、統合とダンプ関数を含む可能性があるコヒーレント・パイロット・フィルター610A-Nによってフィルタリングされる。
ステップ712 では、各エラー信号発生器612A-Nがパイロット信号ごとに周波数エラーに比例する項を計算する。例示的な実施例または好ましい実施例では、周波数エラー信号は、両方とも同相I および直角位相Q のチャネルのパイロット信号の現在のサンプルとパイロット信号の過去のサンプルを表すベクトルの間のクロス乗積(cross product) を取ることによって計算される。Ik 、Qk の現在のパイロット・サンプルおよび過去のパイロットサンプルIk-1 、Qk-1 の場合、結果として生じる周波数エラーは、Ik−1 Qk −Qk -1 Ik によって指定される。エラー信号は正あっても負であってもよい。ゼロというエラー信号は、周波数エラーがないことを示す。
ステップ714 では、パイロット信号のすべての周波数エラー信号が、総和要素つまり加算器614 によって結合される。ステップ716 では、合成エラー信号が、ループ・フィルター616 によってフィルタリングされる。ステップ718 では、フィルタリングされたエラー信号が、VCO618による位相見積もりに変換される。ステップ720 では、位相見積もりは、受信された合成信号の位相を調整するために、ローテーター604 に適用される。
6. 結論
本発明のさまざまな実施例が前述されたが、それらが、制限ではなく、例だけにより提示されていることが理解される必要がある。したがって、本発明の幅および適用範囲は、前記の例示的な実施例のいずれによっても制限されてはならないが、以下の請求項およびそれに同等物に従ってのみ定義される必要がある。
典型的な多元接続通信システムを示す。 従来の設計の1 つの変調器を描く回路ブロック図を示す。 従来の設計の代替信号変調器を描く回路ブロック図を示す。 従来の設計のQPSKスプレッダーを描く回路ブロック図を示す。 本発明の実施例を描く回路ブロック図を示す。 本発明の実施例を描く回路ブロック図を示す。 本発明の実施例の動作を描くフローチャートを示す。 受信されたQPSK信号の搬送周波数の概算を得るために、複数のパイロット信号を利用する自動周波数制御ループの回路ブロック図を示す。 図6の自動周波数制御ループの動作を描くフローチャートを示す。
符号の説明
112‥基地局、114‥基地局、116‥衛星、124‥加入者装置、126‥加入者装置、130‥回線、132‥回線、134‥回線、136‥回線、

Claims (20)

  1. 符号分割多重化(CDM)通信システムにおいて複数の送信機が1つのCDMチャネルを共用できるようにする方法、それぞれの送信機は複数のデータ信号を送信するための複数の通信チャネルを有している、該方法は下記ステップを具備する:
    事前に決定された方法で該複数の送信機に直交チャネル化符号の事前に定義された集合を割り当てるステップ;
    各送信機で、該直交チャネル化符号の1つを使用して該複数のデータ信号のそれぞれをチャネル化して、該複数のチャネル化されたデータ信号を形成するステップ;
    少なくとも1つの擬似雑音(PN)符号を用いて該複数のチャネル化されたデータ信号を拡散して、複数の拡散データ信号を生成するステップ;
    該複数の拡散データ信号を送信前に総計して、合成信号を生成するステップ;
    該合成信号が受信時に周波数−調整されるように、該合成信号を送信前に周波数事前補正するステップ。
  2. 前記直交チャネル化符号がウォルシュ関数である、請求項1に記載の方法。
  3. 同時に、同じウォルシュ関数複数の送信機に割り当てられない、請求項2に記載の方法。
  4. 1つのPN符号が該複数の送信機に割り当てられる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記合成信号の前記PN符号が受信時に時間調整されるように、各送信機の前記合成信号が送信前に時間事前補正されるステップをさらに具備する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記符号分割多重化(CDM)通信システムはユーザ信号である各データ信号を持つ無線スペクトラム拡散符号分割多元接続(CDMA)通信システムを具備し、チャネル化する前記ステップは、チャネル化されたユーザ信号を作成するために前記直交チャネル化符号の1つを使用して前記ユーザ信号のそれぞれをチャネル化することを具備する、請求項1に記載の方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、さらに:
    結合済み信号として、ただ1つのチャネルを共用する少なくとも2つのユーザ信号を受信するステップと;
    少なくとも1つの事前に決定された擬似雑音(PN)拡散符号に関して、前記受信された信号をデスプレッドするステップと;
    事前に選択された直交チャネル化符号に関して、前記合成信号を複数の個別データ信号に多重分離するステップと;
    前記個別信号に対応する少なくとも2つのパイロット信号のそれぞれをコヒーレントにフィルタリングして除去するステップと;
    前記フィルタされたパイロット信号のそれぞれからエラー信号を生成するステップと;及び
    結果として生じるエラー信号を総計するステップと;
    を具備する方法。
  8. さらに、
    多重分離の前に、受信したスペクトラム拡散信号を、回転によってベースバンド周波数にダウンコンバートするステップと;
    総計された結果として生じるエラー信号をフィルタリングするステップと;及び
    フィルタリングされた総計済みエラー信号に応じて、前記ダウンコンバートすることを調整するステップと;
    を具備する、請求項7に記載の方法。
  9. エラー信号を生成する前記ステップが、各パイロット信号の現在のサンプルとその過去のサンプルとの間のクロス乗積を形成することを具備する、請求項8に記載の方法。
  10. 各送信機はただ1つの符号分割多重化(CDM)チャネルを共用する複数のデータ信号を送信する送信機であり、複数の前記送信機を具備するCDM通信システムであって、各送信機は:
    事前に決定された方法で複数の送信機に直交チャネル化符号の集合を割り当てる手段と;
    チャネル化されたデータ信号を作成するために、前記直交チャネル化符号の1つを使用して、前記複数のデータ信号のそれぞれをチャネル化するための手段と;
    複数の拡散信号を作成するために、少なくとも1つの擬似雑音(PN)拡散符号を使用して前記複数のチャネル化された信号を拡散するための手段と;
    合成信号を作成するために、送信前に前記複数の拡散信号を総計するための手段と;
    前記合成信号が受信時に周波数調整されるように、送信前に前記合成信号を周波数事前補正する手段と;
    を具備する、CDM通信システム。
  11. 前記直交チャネル化符号がウォルシュ関数である、請求項10に記載のシステム
  12. 同時に、1つのウォルシュ関数も複数の送信機に割り当てられない、請求項11に記載のシステム。
  13. 1つのPN符号が複数の送信機に割り当てられる、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記合成信号の前記PN符号が受信時に時間調整されるように、送信前に各送信機の前記合成信号を時間事前補正するための手段をさらに具備する、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記通信システムが符号分割多元接続(CDMA)スペクトラム拡散通信システムであり、前記データ信号が1つのCDMAチャネルを共用するユーザ信号であり、チャネル化するための前記手段が、チャネル化されたユーザ信号を作成するために、前記直交チャネル化符号の1つを使用してそれぞれの前記ユーザ信号をチャネル化するための手段を具備する、請求項10に記載のシステム。
  16. 請求項10に記載の通信システムであって、さらに、
    結合された信号として、1つのチャネルを共用する少なくとも2つのユーザ信号を受信するための手段と;
    少なくとも1つの事前に決定された擬似雑音(PN)拡散符号に関して前記受信された信号をデスプレッドするための手段と;
    事前に選択された直交チャネル化符号に関して複数の個別データ信号に前記合成信号を多重分離するための手段と;
    前記個別データ信号に対応する少なくとも2つのパイロット信号のそれぞれをコヒーレントにフィルタリングして除去するための手段と;
    前記パイロット信号のそれぞれからエラー信号を生成するための手段と;
    結果として生じるエラー信号を総計するための手段と;
    を具備する、通信システム。
  17. 請求項16に記載の通信システムであって、さらに、
    多重分離の前に、受信されたスペクトラム拡散信号をベースバンド周波数にダウンコンバートするための回転手段と、
    総計された結果としてのエラー信号をフィルタリングするための手段と;及び
    フィルタリングされた総計済みエラー信号に応じて前記回転手段の動作を調整するための手段と;
    を具備する、通信システム。
  18. エラー信号を生成するための前記手段が、各パイロット信号の現在のサンプルと、その過去のサンプルとの間のクロス乗積を形成するための手段を具備する、請求項16に記載の通信システム。
  19. 前記合成信号の前記PN符号が受信時に時間調整されるよう、各送信機の前記合成信号を送信前に時間事前補正するステップ;
    をさらに具備する請求項1に記載の方法。
  20. 前記合成信号の前記PN符号が受信時に時間調整されるよう、各送信機の前記合成信号を送信前に時間事前補正する手段をさらに具備する、請求項10に記載のシステム。
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