JP4080994B2 - カルシウム塩スケール抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学パルプ化プロセスの水性アルカリ性系におけるスケール形成を抑制する組成物、および方法に関する。本発明は、化学パルプ化装置におけるカルシウム塩スケール析出物の形成、析出、および付着を抑制する組成物、および方法に関する。より具体的には、本発明は、化学パルプ化プロセスの黒液回収区域におけるカルシウム塩スケール析出物の形成、析出、および付着を抑制する組成物、および方法に関する。
紙は、商工業に、また家庭において世界中で広く使用され、様々な用途を有する。したがって、パルプ製造は、十分な量の紙を生産するため、大きな工業的規模により世界中で行われている。したがって,このようなパルプ製造作業は、製造装置の休止時間を最小とし、またパルプ製造工程の効率低下期間を最小として、費用効果的な、効率的な操作で行うことが、高度に望ましいことである。
工業的パルプ製造の基本的ステップは、植物繊維をチップに変換し、チップをパルプに変換し、(場合によって)パルプを漂白し、パルプを洗浄し、かつパルプを、筆記用紙、新聞用紙、文書用紙などの紙製品として使用できる適正な紙に変換することである。
典型的には、工業的パルプ製造作業では、いくつかの化学パルプ化プロセスが使用されている。よく知られている工業的アルカリ性化学パルプ化プロセスには、クラフト(または硫酸塩)法、ソーダ法、およびアルカリ性亜硫酸法が含まれる。クラフト法により、どんなパルプ生産プロセスの中でも最も強い繊維が作られ、一部には蒸解薬品の効率的な回収法のために、クラフト法は最も一般的に使用されるパルプ製造プロセスである。本発明は、どんな上記のアルカリ性化学パルプ化プロセスにも適用可能性を有するが、本発明はクラフト法について特に有用であり、したがってクラフト法をより詳細に下記に記述する。
最初に、適切な木を収穫し、樹皮を剥ぎ、次いで適切な大きさのフレークまたはチップに刻む。これらの木材チップは、選別し、小さいチップと、大きいチップが除かれる。次いで、残った適切な木材チップは、蒸解がま(チップと蒸解組成物溶液とを保持する容器またはタンクであり、このようなタンクはバッチまたは連続操作向けに設計することができる)に投入される。
例えば、バッチ型蒸解がまでは、木材チップ、ならびに、前述の蒸解がまによる蒸解からの使用済み排液である「弱黒液」と、新規か、または薬剤回収プラントからかいずれかの、水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウム溶液である「白液」との混合物を、蒸解がま中にポンプ送りする。蒸解工程では、木材繊維と結合しているリグニンが、白液中に溶解し、パルプと黒液とを生成する。
蒸解がまを密封し、高圧下で、適切な蒸解温度まで、蒸解がま組成物を加熱する。蒸解がま内における特別な温度および圧力(Hファクタ)による所定の蒸解時間の後、蒸解がま内容物(パルプおよび黒液)を、保持タンクに移す。保持タンク内のパルプを褐色紙料洗浄機に移し、一方液体(蒸解がま内で生成された黒液)は黒液回収区域、すなわち黒液蒸発缶に送られる。黒液は、例えば、多効蒸発缶を使用して、通常は固形分60〜80%の、高固形分含量まで蒸発される。固形分含量が高いほど、黒液をポンプ送りするのが困難になり、製紙工場はより著しいスケール問題を抱えるであろう。蒸解がま、黒液蒸発缶区域、および褐色紙料洗浄区域を含むパルプ工場の種々の区域で生じる炭酸カルシウムスケールは、最も厄介なスケール問題の一つである。
大抵の商業的製紙工場は、黒液蒸発缶として多重効用蒸発缶(MEE)を使用している。これらの蒸発缶は一般に、4から8段の効用範囲を有する長さのものである。一般に、望ましくない炭酸カルシウムのスケールは、1または2段でだけ発生する。現在、大抵の工場は、全くスケール抑制剤を使用していない。むしろ黒液蒸発缶部門を操業停止し、熱酸、すなわち酸洗浄で、炭酸カルシウムのスケールを洗浄除去することにより、スケール問題に対処している。この熱酸の吹出しは、製紙工場の生産に悪影響をおよぼし、また、使用される酸が、工場配管および装置を腐食させるので、懸念すべき問題になっている。
クラフト蒸解液は、高度にアルカリ性であり、通常10から14、より詳細には12から14のpHを有する。蒸解がま組成物は、大量の亜硫酸ナトリウムを含有し、亜硫酸ナトリウムは、蒸解液の脱リグニン速度を増加させる促進剤として使用する。この作用で、木材チップ中のリグニンが放出され、したがってセルロースが、パルプとして利用可能になる。
クラフト法における操作条件の組合せが、スケール生成および析出を助長し、蒸解液と接触するに至る範囲内の金属表面および他の表面に炭酸カルシウムスケールを形成し、析出し、かつ付着させる傾向を増加させる。このような工程条件のもとで、水中に存在し、またクラフト法により木材から浸出するカルシウムが、炭酸塩と反応し、かなり急速にスケール化をもたらして、炭酸カルシウムスケールを付着させる。このようなスケールはしばしば、黒液蒸発器、蒸解がま、関連の配管、熱交換器などの中に付着され、これら全てのものが、炭酸カルシウムが析出し、かつ付着することができる表面を有している。このような析出物は、時間が経つと蓄積されて、熱酸洗浄によりスケール析出物を除去するため、下流におけるパルプ製造ラインの望ましくない時期尚早の操業停止を招く可能性がある。
いくつかの特許および技術論文が、スケール形成の問題を開示している。「An Effective Sequestrant For Use In Controlling Digester Scale」、R.H.Windhager、Paper Trade Journal、pp.42〜44、November 5,1973において、蒸解がま内における、蒸解がま蒸解液からのスケール析出を抑制するため、炭酸カルシウムスケール抑制剤として、少量のモノアミノメチレンホスホン酸(ATMP)を使用することが開示されている。
米国特許第4799995号(1989年1月24日Druce K.Crump他に発行)は、パルプ蒸解がま内で見出される条件下におけるカルシウムスケールの抑制が、非イオン界面活性剤と一緒にパルプ液に添加して、ポリアミノ(ポリアルキレンホスホン)酸の混合物を使用することにより達成されていることを、開示している。この米国特許はまた、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(「NTMP」または「ATMP」)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(「HEDP」)、および1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム(「NaHEDP」)などのホスホン酸が、スケールを制御するために通常使用されていると言われていることを、開示している。しかし、‘995特許は、黒液中でのHEDPの使用により、実際にスケールが助長され、また黒液中での、非イオン界面活性剤の存在なしでのジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(「DTPMP」)の使用により、限定されたスケールの減少が得られるだけであったことを、開示している。‘995特許は、非イオン界面活性剤の使用が、スケール減少を改善させることを開示しているが、化学パルププロセスでは、詳細には蒸解がまでは、界面活性剤の使用を避けることが好ましい。本発明の組成物は、アルカリ性化学パルププロセス蒸解がまに添加する場合、非イオン界面活性剤の必要性がなく化学パルププロセスにおけるカルシウム塩スケールを抑制するのに有効である。
カナダ特許第1069800号(Philip S.Davis他、1980年1月15日)は、黒液への、オルガノホスホン酸塩、例えば1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)のアミノオルガノホスホン酸塩、例えばアミノトリ(メチレンホスホン酸)(AMP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTPA)、およびヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(HMDTA)、とのブレンドの添加が、9を超えるpHで、黒液蒸発缶中の炭酸カルシウムスケールを減少させることを開示している。この特許はまた、開示されたブレンドの代わりに個々の(単一の)ホスホン酸塩を使用することは、9を超えるpHで炭酸カルシウムの晶出を抑制するのに有効ではなかったことも開示している。
米国特許第4851490号(1989年7月25日Fu Chen他に発行)は、冷却、ボイラ、コンバージョンコーティング、紙およびパルプ処理、ならびにガス洗浄などのいくつかの水系に有効な、析出制御剤としての用途を有すると言われているヒドロキシアルキレンアミノアルキレンホスホン酸塩官能基を含有する水溶性ポリマーを開示している。
米国特許第5534157号(1996年7月9日Craig D.Iman他に発行)は、ポリエーテルポリアミンメチレンホスホン酸塩を使用して、高pHの処理水におけるスケール形成塩の形成、析出、および付着性を抑制する方法を開示している。その4欄、35〜51行において、この米国特許は、HEDPおよびATMPなどの抑制剤は、アルカリ性pH条件ではスケール抑制剤として役に立たないことを開示している。
米国特許第5562830号(1996年10月8日Davor F.Zidovec他に発行)は、ポリエポキシコハク酸またはその塩、およびホスホノカルボン酸またはその塩を組み合わせたものを添加することにより、水性系における腐食、ならびにスケール形成および析出を抑制する方法を開示している。
米国特許第5552018号(1996年9月3日Johan Devenynsに発行)は、過オキシ酸を使用して、既に化学試薬の存在における脱リグニン処理、すなわちクラフト蒸解、にかけられている化学紙パルプの脱リグニン選択性を改善する方法を開示している。この方法において、安定剤としてホスホン酸塩が開示されている。
前述の特許および技術論文にもかかわらず、詳細には工業的化学パルプ処理装置における、金属表面へのスケールの形成、析出、および付着を抑制するための強化された方法および組成物が高度に望まれている。
本発明の目的は、化学パルププロセス施設の設備、容器および/または配管内の金属表面および他の表面への、カルシウム塩スケールの形成、析出、および付着を抑制する組成物を提供することである。本発明の他の目的は、化学パルププロセス施設の設備、容器および/または配管内の表面への、カルシウム塩スケールの形成、析出、および付着を抑制する方法を提供することである。
これらの、および他の目的は、本明細書において以後、より非限定的な詳細について記述される本発明において達成されるものである。
本発明により、化学パルプ化プロセスのアルカリ性水性混合物におけるカルシウム塩スケールの形成を抑制するスケール抑制組成物であって、化学パルプ化プロセスの黒液に組成物を添加し、組成物が、式:
P−CH−N(R)−(CH−N(R)−CHPO (I)
を有する化合物、
式:
−C(OH)(PO (II)
を有する化合物、
式:
N−(CHPO (III)
を有する化合物、
式:
Figure 0004080994
を有するホスホン酸塩、
式(I)および(III)のホスホン酸塩のアミンオキシド、またはそれらの混合物(上式においてMは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウムから独立に選択され、RおよびRは、−CHPOまたは−(CH−N−(CHPOから独立に選択され、mは2または3であり、nは2または3であり、また、Rは、炭素原子1から17個を有するアルキル基であり、Rが場合によって分枝しており、場合によって不飽和である。)から選択される少なくとも1つのホスホン酸塩のスケール抑制有効量を含み、
ただし、
(a)ホスホン酸塩は、式(II)のホスホン酸塩と式(III)のホスホン酸塩とのブレンドではなく、
(b)ホスホン酸塩は、式(II)のホスホン酸塩と式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩とのブレンドではなく、
(c)ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、スケール抑制組成物は非イオン界面活性剤を含有せず、
(d)ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準のホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して25ppmを超え、かつ、
(e)ホスホン酸塩が、式(IV)のホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準のホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して20ppmを超えるという条件を有する組成物を提供している。
さらに本発明により、化学パルプ化プロセスにおけるカルシウム塩スケール形成を抑制する方法であって、化学パルプ化プロセスの蒸解がまから回収される黒液に、スケール抑制有効量の上記の組成物を混和するステップを含む方法を提供している。
本発明の第1の実施形態は、化学パルプ化プロセスのアルカリ性水性混合物におけるカルシウム塩スケールの形成を抑制するスケール抑制組成物であって、化学パルプ化プロセスの黒液に組成物を添加し、その組成物が、式:
P−CH−N(R)−(CH−N(R)−CHPO (I)
を有する化合物、
式:
−C(OH)(PO (II)
を有する化合物、
式:
N−(CHPO (III)
を有する化合物、
式:
Figure 0004080994
を有するホスホン酸塩、
式(I)および(III)のホスホン酸塩のアミンオキシド、またはそれらの混合物(上式においてMは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウムから独立に選択され、RおよびRは同一とし、もしくは異なることができ、−CHPOまたは−(CH−N−(CHPOから独立に選択され、mは2または3であり、nは2または3であり、また、Rは、炭素原子1から17個を有するアルキル基であり、Rが場合によって分枝し、場合によって不飽和である。)から選択される少なくとも1つのホスホン酸塩のスケール抑制有効量を含み、
ただし、
(a)ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩との、式(II)のホスホン酸塩のブレンドではなく、
(b)ホスホン酸塩が、式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩との、式(II)のホスホン酸塩のブレンドではなく、
(c)ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、スケール抑制組成物は非イオン界面活性剤を含有せず、
(d)ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準のホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して25ppmを超え、かつ、
(e)ホスホン酸塩が、式(IV)のホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準のホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して20ppmを超えるという条件を有する組成物に関する。
本発明のホスホン酸塩において、Mは水素、またはアルカリ金属であることが好ましく、またアルカリ金属はナトリウムまたはカリウムが好ましく、Rは、炭素原子1から5個を有するアルキル基であることが好ましく、メチルであることがより好ましく、また、mは2であることが好ましい。
本発明のスケール抑制組成物には、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩、少なくとも1つの式(II)のホスホン酸塩、少なくとも1つの式(III)のホスホン酸塩、少なくとも1つの式(IV)のホスホン酸塩、少なくとも1つの、式(I)もしくは(III)のホスホン酸塩のアミンオキシド、少なくとも2つの式(I)のホスホン酸塩の混合物、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩と、少なくとも1つの式(II)、式(III)、もしくは式(IV)のホスホン酸塩との混合物、少なくとも2つの式(II)のホスホン酸塩の混合物、または、少なくとも1つの式(I)もしくは(III)のホスホン酸塩のアミンオキシドと、少なくとも1つの式(I)もしくは(III)のホスホン酸塩との混合物が含まれるが、それらに限定されない。本発明のスケール抑制組成物は、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩、少なくとも2つの式(I)のホスホン酸塩の混合物、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩と、少なくとも1つの式(II)もしくは式(III)のホスホン酸塩との混合物、または、少なくとも1つの式(II)のホスホン酸塩と、少なくとも1つの式(IV)のホスホン酸塩との混合物が好ましい。
適切なホスホン酸塩の例は、下記の表1中のホスホン酸塩を含むが、それらに限定されるものではない。下記の表1は、式(I)、(II)、および(III)の代表的なホスホン酸塩の式を提供する。表1中のホスホン酸塩は、商標Dequest(登録商標)のもとにSolutia Inc.社、ミズーリ州、セントルイス、575 Maryville Centre Drive、から入手可能であり、それらのDequest(登録商標)ホスホン酸塩製品番号により識別される。
Figure 0004080994
表1に掲げるDequestホスホン酸塩の式および、対応する名称を下記に示す。
Dequest2000−アミノトリス(メチレンホスホン酸)
N(CHPO
Dequest2006−アミノトリス(メチレンホスホン酸)のナトリウム塩
NaH[N(CHPO
Dequest2010−1−ヒドロキシエチリデン(1,1−ジホスホン酸)
CHC(OH)(PO
Dequest2016−1−ヒドロキシエチリデン(1,1−ジホスホン酸)のナトリウム塩
Na[CHC(OH)(PO
Dequest2041−エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)
[(OPCHNCHCHN(CHPO
Dequest2046−エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)5ナトリウム塩
Na[(OPCHNCHCHN(CHPO
Dequest2060−ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)
(HPCHNCHCHN(CHPOCH)CHCHN(CHPO
Dequest2066−ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)のナトリウム塩
Na[(OPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO
Dequest7000−2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸
Figure 0004080994
他の好ましい式(I)のホスホン酸塩は、化合物N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、またはその塩であり、その塩はナトリウム、カリウム、アンモニウムなどである。化合物がナトリウム塩である場合、化合物は式Na[(OPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPO]を有し、式中x+yは12であり、本明細書において4NHMPと称する。この化合物は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5261491号の実施例1中に開示される手順により調製することができる。
好ましい式(I)のホスホン酸塩は、(MPCHNCHCHN(CHPO、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO、または(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOであり、より好ましくは(MPCHNCHCHN(CHPO、または(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOであり、また最も好ましくは(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOである。
好ましい式(II)のホスホン酸塩は、HC−C(OH)(POであり、HC−C(OH)(PONaがより好ましい。
本発明により、式(I)、(II)、(III)、(IV)のホスホン酸塩、ならびに、式(I)および(III)のホスホン酸塩のアミンオキシドから独立に選択される少なくとも2つのホスホン酸塩のブレンドが使用できる。2つのホスホン酸塩のブレンドを使用するのが、現在好ましく、式(I)のホスホン酸塩の、式(I)、式(II)、式(III)、または式(IV)いずれかのホスホン酸塩とのブレンドがより好ましく、また2つの式(I)のホスホン酸塩のブレンドが、最も好ましい。ブレンドの組成は、各ホスホン酸塩が少なくとも約1重量%の量で存在する場合、各成分の百分率によって、広く1から99重量%まで広い範囲にわたって変動する可能性がある。各ホスホン酸塩が、少なくとも約10重量%の量で存在するのが好ましい。2つの成分のブレンドの場合、各ホスホン酸塩が、約10から約90重量%の量で存在するのが好ましく、約20から約80重量%の量で存在するのがより好ましい。
本発明において使用するために好ましいブレンドは、式(I)、(II)、(III)、もしくは(IV)のホスホン酸塩から選択したホスホン酸塩との、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの塩から選択したホスホン酸塩のブレンド、または式(I)、もしくは(III)のホスホン酸塩から選択したホスホン酸塩との、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの塩から選択したホスホン酸塩のブレンドである。より好ましいブレンドは、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの塩から選択したホスホン酸塩の、式(I)のホスホン酸塩から選択した他のホスホン酸塩とのブレンドであり、また、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの塩の、式(II)のホスホン酸塩から選択したホスホン酸塩との、ブレンドである。
本発明のスケール抑制組成物の製造、および使用において、ホスホン酸塩、またはホスホン酸塩の混合物の有効な量を使用する。この有効な量は、本発明を実施するのに使用する1種または複数の特定のホスホン酸塩、ならびに、蒸解がまにおける組成、蒸解がまの操作条件(すなわちHファクタ)、黒液組成、および褐色紙料洗浄区域および黒液回収区域における操作条件、ならびに、当分野の通常の技術者に知られている他の因子を含むが、それらに限定しない他の因子によって決まる。ホスホン酸塩の有効な量の選択は、本明細書読了後の当分野の技術者には容易に明らかであろう。
本発明のスケール抑制組成物が、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩である場合、1種または複数のホスホン酸塩、および、有効にスケールを抑制する各ホスホン酸塩の量は、下記の通りである。
本明細書で使用する、スケール抑制剤のppm使用レベルは、密度1g/mlを有すると仮定した液を投入した全液重量に基づいている。
ホスホン酸塩が(MPCHNCHCHN(CHPOである場合、活性酸基準のホスホン酸塩の有効な量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppm、好ましくは約20ppmから約500ppm、またより好ましくは約30から約500ppmである。
ホスホン酸塩が(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOである場合、活性酸基準のホスホン酸塩の有効な量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppm、好ましくは約40ppmから約500ppmである。
ホスホン酸塩が(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOである場合、活性酸基準のホスホン酸塩の有効な量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppm、好ましくは約20ppmから約500ppmである。
本発明のスケール抑制組成物が、少なくとも1つの、式(II)のホスホン酸塩である場合、ホスホン酸塩はCHC(OH)(POが好ましく、また活性酸基準のホスホン酸塩のスケール抑制有効量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約200ppm、好ましくは約30ppmから約100ppmである。
本発明のスケール抑制組成物が、少なくとも1つの、式(III)のホスホン酸塩である場合、活性酸基準のホスホン酸塩のスケール抑制有効量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約50から約1000ppm、好ましくは約80から約500ppmである。
本発明のスケール抑制組成物が、少なくとも1つの、式(IV)のホスホン酸塩である場合、活性酸基準のホスホン酸塩のスケール抑制有効量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約50から約500ppm、好ましくは約100から約200ppmである。
本発明のスケール抑制組成物が、少なくとも1つの、式(I)または式(III)のホスホン酸塩のアミンオキシドである場合、アミンオキシドのスケール抑制有効量は、対応する式(I)または式(III)のホスホン酸塩の有効な量に等しい、活性酸基準の量である。
本発明のスケール抑制組成物が、少なくとも2つの、式(I)のホスホン酸塩の混合物である場合、または、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩と、少なくとも1つの式(III)のホスホン酸塩との混合物である場合、各ホスホン酸塩、および各々のスケール抑制有効量は下記の通りである。
第1のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOである場合、第2のホスホン酸塩は、N(CHPO、(MPCHNCHCHN(CHPO、または(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOから選択されるのが好ましい。第2のホスホン酸塩が、N(CHPOである場合、活性酸基準の混合物の量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppm、好ましくは約200ppmから約500ppmである。第2のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOである場合、活性酸基準の混合物の量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約1000ppm、好ましくは約30ppmから約500ppmである。第2のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOである場合、活性酸基準の混合物の量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppm、好ましくは約30ppmから約500ppmである。
第1のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOである場合、第2のホスホン酸塩は、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO、またはN(CHPO、から選択されるのが好ましい。第2のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOである場合、活性酸基準の混合物の量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約1000ppm、好ましくは約40ppmから約500ppmである。第2のホスホン酸塩が、N(CHPOである場合、活性酸基準の混合物の量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppm、好ましくは約50ppmから約500ppmである。
第1のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOであり、第2のホスホン酸塩が、N(CHPOである場合、活性酸基準の混合物の量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約50ppmから約1000ppm、好ましくは約150ppmから約500ppmである。
少なくとも2つの式(1)のホスホン酸塩の好ましいブレンド、または、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩と、少なくとも1つの式(III)のホスホン酸塩との好ましいブレンドは、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOの、N(CHPO、(MPCHNCHCHN(CHPO、もしくは(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOとのブレンドであり、または、(MPCHNCHCHN(CHPOの、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPO、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO、またはN(CHPO、とのブレンドである。
少なくとも2つの式(1)のホスホン酸塩の最も好ましいブレンド、または、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩と、少なくとも1つの式(III)のホスホン酸塩との最も好ましいブレンドは、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOの、N(CHPO、(MPCHNCHCHN(CHPO、または(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOとのブレンドである。
本発明のスケール抑制組成物が、少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩と、少なくとも1つの式(II)のホスホン酸塩との混合物である場合、各ホスホン酸塩および各々のスケール抑制有効量は、下記の通りである。
好ましいブレンドは、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPO、または(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO、から選択される第1のホスホン酸塩と、CHC(OH)(POから選択される第2のホスホン酸塩との混合物である。
第1のホスホン酸塩が、MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOである場合、活性酸基準の混合物の量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約500ppm、好ましくは約30ppmから約150ppmである。第1のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOである場合、活性酸基準の混合物の量は、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppm、好ましくは約50ppmから約200ppmである。
少なくとも1つの式(I)のホスホン酸塩と、少なくとも1つの式(II)のホスホン酸塩との最も好ましいブレンドは、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOと、CHC(OH)(POとのブレンドである。
本発明の第2の実施形態は、アルカリ性化学パルプ化プロセスにおいてカルシウム塩スケールの形成を抑制する方法であって、化学パルプ化プロセスの黒液に、スケール抑制有効量の少なくとも1つのホスホン酸塩を添加するステップを含む方法であり、その組成物が、式:
P−CH−N(R)−(CH−N(R)−CHPO (I)
を有する化合物、
式:
−C(OH)(PO (II)
を有する化合物、
式:
N−(CHPO (III)
を有する化合物、
式:
Figure 0004080994
を有するホスホン酸塩、
式(I)および(III)のホスホン酸塩のアミンオキシド、またはそれらの混合物(上式においてMは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウムから独立に選択され、RおよびRは、−CHPO、または−(CH−N−(CHPOから独立に選択され、mは2または3であり、nは2または3であり、また、Rは、炭素原子1から17個を有するアルキル基であり、Rが場合によって分枝しており、場合によって不飽和である。)から選択される、少なくとも1つのホスホン酸塩を含み、
ただし、
(a)ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩との、式(II)のホスホン酸塩のブレンドではなく、
(b)ホスホン酸塩が、式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩との、式(II)のホスホン酸塩のブレンドではなく、
(c)ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、スケール抑制組成物は非イオン界面活性剤を含有せず、
(d)ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準のホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して25ppmを超え、かつ、
(e)ホスホン酸塩が、式(IV)のホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準のホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して20ppmを超えるという条件を有する方法に関する。
化学パルプ化プロセス、例えばクラフト法、における、本発明の方法の実用において、本発明の水性ホスホン酸塩組成物は、蒸解がまから回収される黒液に混和される。本発明の水性ホスホン酸塩組成物は、当分野の通常の技術者に知られている任意の従来の手段を使用して、黒液に添加することができる。さらに、本発明の水性ホスホン酸塩組成物は、黒液回収段階の前、すなわち黒液蒸発缶の前で直接添加することができ、または、黒液回収段階中に、例えば多重効用蒸発缶(MEE)の効用段の間に添加することができる。黒液蒸発缶内の典型的な温度範囲は、効用段によって、通例約80℃と180℃の範囲にある。アルカリ性化学パルプ化プロセスにおける黒液のpHは、少なくとも9である。クラフト法の場合、黒液のpHは、典型的に約10から約14、より典型的に約12から約14である。本発明の水性ホスホン酸塩組成物は、当分野の通常の技術者に知られている任意の従来のやり方で、黒液に添加することができる。例えば、バッチ蒸解がま作業では、本発明の水性ホスホン酸塩組成物の添加は、黒液回収段階の最初、もしくは黒液蒸発缶サイクル中でのバルク添加とすることができ、または本発明の水性ホスホン酸塩組成物は、黒液蒸発缶サイクルの全体にわたる多数回の投入として、もしくは黒液が回収されるときに連続的に添加することができる。黒液蒸発缶サイクルの最初、もしくは最初に近いバルク添加として、本発明の水性ホスホン酸塩組成物を添加するのが現在は好ましい。連続的な蒸解がま作業の場合、黒液内のホスホン酸塩の有効濃度を維持するため、本発明の水性ホスホン酸塩組成物は、連続的に添加することができ、または、黒液蒸発缶段階の前に貯蔵容器内に黒液を保持している場合は、上述のように添加することができる。
使用される本発明のスケール抑制組成物の量は、黒液回収区域内において、かつさらに蒸解がま、および/または褐色紙料洗浄機内において、カルシウム塩スケール、詳細には炭酸カルシウムもしくは硫酸カルシウムスケールの形成、析出、および付着が十分に抑制されている期間にわたって、黒液蒸発缶内においてホスホン酸塩の有効なスケール抑制濃度を提供するのに十分な量である有効な量とする。本発明を使用する当分野の通常の技術者には、特定の化学パルプ化施設の蒸解がま、褐色紙料洗浄機、および黒液回収区域内における、カルシウム塩スケールの受入れ可能なレベルが分かるであろうし、本明細書の開示に基づいて、所要の期間についての所望のスケール抑制を達成するため、黒液に添加する適切なホスホン酸塩および濃度を、容易に選択することができるであろう。本明細書読了後の当分野の技術者には、本明細書において言及している型の、および他の多くの因子によって、所望の抑制性を達成するのに必要な本発明のホスホン酸塩量が決定されることが明らかであろう。これらの量の決定は、不適当な実験を行うことなく、本明細書において提供する指示を考慮した、当分野の技術者の通常のスキルの範囲内にあるものである。
本発明の第3の実施形態は、選択されたアルカリ性化学パルプ化プロセスの水性系においてカルシウム塩スケールの形成を抑制する方法であり、(a)化学パルプ化プロセスの蒸解がまから回収される黒液組成物に混和するホスホン酸塩組成物についての、時間の関数としての、ホスホン酸塩濃度および工程温度のカルシウム塩スケール抑制プロフィルを決定するステップと(b)時間、温度、および圧力、ならびに黒液組成物についてのプロセス操作条件に基づいて、選択された化学パルプ化プロセスが必要とするカルシウム塩スケール抑制能力を特定するステップと、(c)ステップ(a)および(b)に基づいて、選択されたアルカリ性化学パルプ化プロセスにおける蒸解がまから回収される黒液組成物にホスホン酸塩を混和する場合の、選択された化学パルプ化プロセスにおけるカルシウム塩スケール形成を有効に抑制する、適切なホスホン酸塩組成物およびホスホン酸塩使用濃度を選択するステップと、(d)化学パルプ化プロセスの黒液回収段階の間に、選択されたアルカリ性化学パルプ化プロセスにおける黒液組成物に、選択されたホスホン酸塩組成物を混和するステップとを含み、選択されたホスホン酸塩組成物が、本発明につき上記において定義されているものである方法に関する。
本発明の第4の実施形態は、選択されたアルカリ性化学パルプ化プロセスの水性系においてカルシウム塩スケールの形成を抑制する方法であり、(a)時間、温度、および圧力、ならびに黒液組成物についてのプロセス操作条件に基づいて、選択された化学パルプ化プロセスが必要とするカルシウム塩スケール抑制能力を特定するステップと、(b)ステップ(a)に基づいて、また、化学パルプ化プロセスの蒸解がまから回収される黒液組成物に混和するホスホン酸塩組成物についての、時間の関数としての、ホスホン酸塩濃度および工程温度のカルシウム塩スケール抑制プロフィルに基づいて、選択されたアルカリ性化学パルプ化プロセスにおける蒸解がまから回収される黒液組成物にホスホン酸塩を混和する場合の、選択されたアルカリ性化学パルプ化プロセスにおけるカルシウム塩スケール形成を有効に抑制する、適切なホスホン酸塩組成物およびホスホン酸塩使用濃度を選択するステップと、(c)化学パルプ化プロセスの蒸解段階の間に、選択されたアルカリ性化学パルプ化プロセスにおける蒸解がまから回収される黒液組成物に、選択されたホスホン酸塩組成物を混和するステップとを含み、選択されたホスホン酸塩組成物が、本発明につき上記において定義されているものである方法に関する。
本発明の第3および第4の実施形態において、化学パルプ化プロセスの蒸解がまの黒液組成物に混和されるホスホン酸塩組成物についての、時間の関数としての、ホスホン酸塩濃度および工程温度のカルシウム塩スケール抑制プロフィルは、本明細書に記述するものなどの実験室実験を行うことによって、または大規模試験を行うことによって決定することができる。処理される木材の種類、使用している特定の操作条件、黒液組成物、蒸解がま内の組成物などによって、それぞれの化学パルプ化プロセスが異なるので、所望のスケール抑制性を達成するために必要な特定のホスホン酸塩、またはホスホン酸塩のブレンド、および同品の所要使用濃度は、特定の化学パルプ化プロセスに依存するであろう。時間、温度、および圧力のプロセス操作条件、黒液組成物、ならびに水性蒸解がま組成物に基づいて、選択された化学パルプ化プロセスが必要とするカルシウム塩スケール抑制能力に関連したカルシウム塩スケール抑制プロフィルを利用することにより、当分野の通常の技術者は、選択された化学パルプ化プロセスにおける黒液組成物にホスホン酸塩を混和する場合の、選択された化学パルプ化プロセスにおけるカルシウム塩スケール形成を有効に抑制する、適切なホスホン酸塩組成物およびホスホン酸塩使用濃度を選択できる。
本発明は、本発明を限定しまたは制限するためではない下記の実施例においてさらに記述される。特に示していない限り全ての量およびパーセントを、重量で表している。
(実施例)
以下に記述し、本発明のプロセスにおける本発明の組成物の使用を例示する下記の実施例において、米国中西部北部のクラフトパルプ工場から得られた黒液のカルシウム塩スケール試験を行った。これらの試験を実施する際、試験中の選択した時刻に黒液の組成物について、試料を採取した。全カルシウム、および抑制されたカルシウムの濃度を、原子吸光分光法(AA)を使用して分析的に測定した。抑制されたカルシウムは、0.45μmフィルタを通過することができるカルシウムの量としている。下記に記述する一般的手順に従った。さらに、試験は一般に、試験した各ホスホン酸塩組成物について、黒液の量に対して活性酸100ppm(100万分の1)の選択された抑制剤レベルで、また抑制剤が存在しない場合について、行った。
黒液試験
本明細書において使用している黒液試験は、黒液組成物中における、本発明の組成物のスケール抑制性能を評価するため計画した。黒液組成物の温度は、周囲温度から150℃まで約45分から1時間で立上げ、次いで150℃でさらに1から2時間保持した。試験の間、圧力および温度のもとに種々の時間間隔で、液体冷却型抽出器を使用しParr型ボンベ反応器(Parr Bomb Reactor)の凝縮器ラインから試料を採取して、下記に概略を述べる原子吸光測定の手順を用い、カルシウム濃度を監視した。
Parr型ボンベ反応器投入手順および試験条件
上記で記述しているクラフト法における黒液蒸発缶の前の試験場所から、弱黒液試料(固形分約15重量%)を採取した。
使用したホスホン酸塩の投入は、Parr型ボンベ反応器に投入した黒液重量に対する活性酸基準による。本明細書において使用している、活性酸基準のレベルは、使用している特定の1種または複数のホスホン酸塩の、実際投入量のモル当量に当る純粋な遊離酸の量(ppm)である。
黒液試料の調製
およそ1.5Lの上記で得られた弱黒酸を、2Lメスフラスコに移した。
対照標準の試験実施では、黒液に対して抑制剤を添加しなかった。本発明の試験実施では、フラスコの内容物に、2Lで所望の濃度に到達するのに十分な抑制剤を添加し、かつ弱黒液を添加して2L標線まで満たした。
Parr型ボンベ反応器投入およびカルシウム放出試験の監視
上記の手順によって、黒液を調製した。
各試験を実施する前に、10%硫酸溶液を使用しParr型ボンベ反応器を酸洗浄して、どんな既存の析出物も除去した。酸洗浄の後、脱イオン水で蒸解がまをすすいだ。
抑制剤を含む黒液、または抑制剤を含まない黒液(1.5L)を、Parr型ボンベ反応器(2L)に移し、最初の温度を記録した。抽出器ラインを窒素でパージし、AA分析のため5mLの試料を採取した。加熱シーケンスを開始し、t=0として時刻を記録した。加熱シーケンスは、Parr型ボンベ反応器の内容物を室温から150℃まで1時間で加熱し、試験の残り(およそ1〜2時間)について150℃に保持するためであった。
(AA分析は、Perkin Elmer100型分光計を用いフレーム測光法による原子吸光によって行った;Instrumental Methods of Analysis、Hobart H.Willard,Lynn L.Merritt,Jr.;John A Dean、4th Eddition、D. Van Nostrand Company,Inc.August 1965を一般的に参照されたい)
試料1ミリリットル(1mL)を、4%HCl溶液5mLと共に遠心管に定量的に移し、AAを用いて、試料のカルシウム含量、すなわち全カルシウム、を測定した。残りの試料を、10mLシリンジ中に吸入し、0.45μmシリンジフィルタを通して濾過した。濾液1mLを、4%HCl溶液5mLと共に遠心管に定量的に移し、AAを用いて、濾液のカルシウム含量、すなわち抑制されたカルシウム、を測定した。
試験の期間、例えばおよそ2〜3時間について、10分毎に凝縮器ライン内の液を除去し、温度を測定し、液体試料約5mLを引き出した。上述のAA分析手順を繰り返した。試験の終わりに、カルシウム含量および温度データを、時間に対してプロットした。
下記の各実施例は、上に挙げた一般的手順によって実施した。全てのレベルは、黒液重量に対する活性酸基準のホスホン酸塩のppmで示している。
実施例において使用しているホスホン酸塩は、Solutia Inc.社(ミズーリ州、セントルイス)から入手した。本明細書において指定しているものを除いて、実施例において使用している薬品はFisher Scientific社から入手した。
以下の本明細書において、下記の表3〜7は、種々のホスホン酸塩を使用している黒液について行った、一連の試験実施についてのデータを提供するものである。試験しているホスホン酸塩は、下記の各表の見出しにおける製品名(本明細書において表1および表2において定義している)により特定される。温度は、摂氏度である。カルシウムのppm(100万分の1)は、黒液に対する重量によるppmにおけるものである。
実施例の節において記述している試験における、抑制剤を添加しない黒液試料(対照標準)を試験した。下記の表3に結果を示している。
Figure 0004080994
活性酸100ppmにおける、実施例節において記述している試験において、Dequest2006を試験した。下記の表4に結果を示している。
Figure 0004080994
本実施例のデータは、使用レベル100ppmにより、抑制剤を使用しないものに比べて、カルシウム抑制の著しい改良がもたらされることを示している。本実施例のデータは、本発明によりカルシウム塩スケールを抑制するのに、Dequest2000およびDequest2006が有効であることを示唆している。
活性酸100ppmにおける、実施例節において記述している試験において、Dequest2016を試験した。下記の表5に結果を示している。
Figure 0004080994
本実施例のデータは、使用レベル100ppmにより、抑制剤を使用しないものに比べて、カルシウム抑制の著しい改良がもたらされることを示している。本実施例のデータは、本発明によりカルシウム塩スケールを抑制するのに、Dequest2010およびDequest2016が有効であることを示唆している。
活性酸10ppm、および100ppmにおける、実施例節において記述している試験において、Dequest2066を試験した。下記の表6および表7に結果を示している。
Figure 0004080994
Figure 0004080994
本実施例のデータは、使用レベル100ppmにより、抑制剤を使用しないもの、および10ppmの抑制剤を使用しているものに比べて、カルシウム抑制の著しい改良がもたらされることを示している。本実施例のデータは、本発明によりカルシウム塩スケールを抑制するのに、Dequest2060およびDequest2066について約40ppmから約500ppmの使用レベルが有効であることを示唆している。
上記の説明は例示のためであり、限定するものと解釈すべきではない。当分野の技術者には、種々の改変および変更が容易に示唆されるであろう。したがって、前述のものは例示にすぎないとみなし、かつ本発明の範囲は、上記の特許請求の範囲から確認されるべきものと考えている。また、それぞれの、かつあらゆる特許請求の範囲の限定は、従来技術中に存在する変形形態を除いて、逐語的に列挙しているものとはわずかに異なる任意の、かつ全ての変形形態を含むものと文字通り解釈されるべきであると考えている。

Claims (79)

  1. スケール抑制組成物を化学パルプ化プロセスの黒液に添加し、前記組成物が、式:
    P−CH−N(R)−(CH−N(R)−CHPO (I)
    を有する化合物、
    式:
    −C(OH)(PO (II)
    を有する化合物、
    式:
    N−(CHPO (III)
    を有する化合物、
    式:
    Figure 0004080994
    を有するホスホン酸塩、
    式(I)および(III)のホスホン酸塩のアミンオキシド、またはそれらの混合物(上式においてMは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウムから独立に選択され、RおよびRは、−CHPOまたは−(CH−N−(CHPOから独立に選択され、mは2または3であり、nは2または3であり、また、Rは、炭素原子1から17個を有するアルキル基であり、Rが場合によって分枝しており、場合によって不飽和である。)から選択される、少なくとも1つのホスホン酸塩スケール抑制有効量を含み、
    ただし、
    (a)前記ホスホン酸塩は、式(II)のホスホン酸塩の式(III)のホスホン酸塩とのブレンドではなく、
    (b)前記ホスホン酸塩は、式(II)のホスホン酸塩の式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩とのブレンドではなく、
    (c)前記ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、前記スケール抑制組成物は非イオン界面活性剤を含有せず、
    (d)前記ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して25ppmを超え、かつ、
    (e)前記ホスホン酸塩が、式(IV)のホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して20ppmを超えるという条件を有する、化学パルプ化プロセスのアルカリ性水性混合物におけるカルシウム塩スケール形成を抑制するスケール抑制組成物。
  2. Mが、水素またはアルカリ金属から独立に選択される請求項1に記載の組成物。
  3. Mがアルカリ金属である場合、Mがナトリウムまたはカリウムである請求項2に記載の組成物。
  4. およびRが、CHPOである請求項1に記載の組成物。
  5. mが2である請求項4に記載の組成物。
  6. およびRが、(CH−N−(CHPOである請求項1に記載の組成物。
  7. mが2であり、nが3である請求項6に記載の組成物。
  8. がCHPOであり、Rが(CH−N−(CHPOである請求項1に記載の組成物。
  9. mが2であり、nが2である請求項8に記載の組成物。
  10. が、炭素原子1から5個を有するアルキル基である請求項1に記載の組成物。
  11. が、メチルである請求項10に記載の組成物。
  12. 前記ホスホン酸塩が、式(I)の少なくとも1つのホスホン酸塩である請求項1に記載の組成物。
  13. 前記ホスホン酸塩が、式(II)の少なくとも1つのホスホン酸塩である請求項1に記載の組成物。
  14. 前記ホスホン酸塩が、式(III)の少なくとも1つのホスホン酸塩である請求項1に記載の組成物。
  15. 前記ホスホン酸塩が、式(IV)の少なくとも1つのホスホン酸塩である請求項1に記載の組成物。
  16. 前記ホスホン酸塩が、式(I)および(III)の少なくとも1つのホスホン酸塩のアミンオキシドである請求項1に記載の組成物。
  17. 前記ホスホン酸塩が、式(I)の少なくとも2つのホスホン酸塩の混合物である請求項1に記載の組成物。
  18. 前記ホスホン酸塩が、式(I)の少なくとも1つのホスホン酸塩と、式(II)の少なくとも1つのホスホン酸塩との混合物である請求項1に記載の組成物。
  19. 前記ホスホン酸塩が、式(I)の少なくとも1つのホスホン酸塩および式(III)の少なくとも1つのホスホン酸塩の混合物である請求項1に記載の組成物。
  20. 前記ホスホン酸塩が、式(II)の少なくとも2つのホスホン酸塩の混合物である請求項1に記載の組成物。
  21. 前記ホスホン酸塩が、式(IV)の少なくとも1つのホスホン酸塩と、式(I)、式(II)、または式(III)の少なくとも1つのホスホン酸塩との混合物である請求項1に記載の組成物。
  22. 前記ホスホン酸塩が、N(CHPOであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約50ppmから約1000ppmである請求項14に記載の組成物。
  23. 前記ホスホン酸塩が、CHC(OH)(POであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約200ppmである請求項13に記載の組成物。
  24. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppmである請求項12に記載の組成物。
  25. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppmである請求項12に記載の組成物。
  26. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppmである請求項12に記載の組成物。
  27. 前記ホスホン酸塩が、
    Figure 0004080994
    であり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約50ppmから約500ppmである請求項15に記載の組成物。
  28. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOと、N(CHPO、(MPCHNCHCHN(CHPO、または(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOから選択される第2のホスホン酸塩との混合物である請求項17に記載の組成物。
  29. 前記第2のホスホン酸塩が、N(CHPOであり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppmである請求項28に記載の組成物。
  30. 前記第2のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOから選択され、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約1000ppmである請求項28に記載の組成物。
  31. 前記第2のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOから選択され、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppmである請求項28に記載の組成物。
  32. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOと、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約1000ppmである請求項17に記載の組成物。
  33. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOと、N(CHPOとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppmである請求項17に記載の組成物。
  34. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOと、N(CHPOとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約50ppmから約1000ppmである請求項19に記載の組成物。
  35. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOと、CHC(OH)(POとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約500ppmである請求項18に記載の組成物。
  36. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOと、CHC(OH)(POとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppmである請求項18に記載の組成物。
  37. 前記黒液のpHが少なくとも9である請求項1に記載の組成物。
  38. 化学パルプ化プロセスの黒液に少なくとも1つのホスホン酸塩のスケール抑制有効量を添加するステップを含み、前記組成物が、式:
    P−CH−N(R)−(CH−N(R)−CHPO (I)
    を有する化合物、
    式:
    −C(OH)(PO (II)
    を有する化合物、
    式:
    N−(CHPO (III)
    を有する化合物、
    式:
    Figure 0004080994
    を有するホスホン酸塩、
    式(I)および(III)のホスホン酸塩のアミンオキシド、またはそれらの混合物(上式においてMは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウムから独立に選択され、RおよびRは、−CHPO、または−(CH−N−(CHPOから独立に選択され、mは2または3であり、nは2または3であり、また、Rは、炭素原子1から17個を有するアルキル基であり、Rが場合によって分枝しており、場合によって不飽和である。)から選択される少なくとも1つのホスホン酸塩を含み、
    ただし、
    (a)前記ホスホン酸塩は、式(II)のホスホン酸塩の式(III)のホスホン酸塩とのブレンドではなく、
    (b)前記ホスホン酸塩は、式(II)のホスホン酸塩の式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩とのブレンドではなく、
    (c)前記ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、スケール抑制組成物は非イオン界面活性剤を含有せず、
    (d)前記ホスホン酸塩が、式(III)のホスホン酸塩、または式(MP−CH−N−(CH−N−(CHPO)−(CH−N−(CHPOのホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して25ppmを超え、かつ、
    (e)前記ホスホン酸塩が、式(IV)のホスホン酸塩から選択される場合、活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して20ppmを超えるという条件を有する、アルカリ性化学パルプ化プロセスにおいてカルシウム塩スケールの形成を抑制する方法。
  39. Mがアルカリ金属である場合、Mがナトリウムまたはカリウムである請求項38に記載の方法。
  40. およびRが、CHPOである請求項38に記載の方法。
  41. mが2である請求項40に記載の方法。
  42. およびRが、(CH−N−(CHPOである請求項38に記載の方法。
  43. mが2であり、nが3である請求項42に記載の方法。
  44. がCHPOであり、Rが(CH−N−(CHPOである請求項38に記載の方法。
  45. mが2であり、nが2である請求項44に記載の方法。
  46. が、炭素原子1から5個を有するアルキル基である請求項38に記載の方法。
  47. が、メチルである請求項38に記載の方法。
  48. 前記ホスホン酸塩が、式(I)の少なくとも1つのホスホン酸塩である請求項38に記載の方法。
  49. 前記ホスホン酸塩が、式(II)の少なくとも1つのホスホン酸塩である請求項38に記載の方法。
  50. 前記ホスホン酸塩が、式(III)の少なくとも1つのホスホン酸塩である請求項38に記載の方法。
  51. 前記ホスホン酸塩が、式(IV)の少なくとも1つのホスホン酸塩である請求項38に記載の方法。
  52. 前記ホスホン酸塩が、式(I)および(III)のホスホン酸塩の少なくとも1つのアミンオキシドである請求項38に記載の方法。
  53. 前記ホスホン酸塩が、式(I)の少なくとも2つのホスホン酸塩の混合物である請求項38に記載の方法。
  54. 前記ホスホン酸塩が、式(I)の少なくとも1つのホスホン酸塩と、式(II)の少なくとも1つのホスホン酸塩との混合物である請求項38に記載の方法。
  55. 前記ホスホン酸塩が、式(I)の少なくとも1つのホスホン酸塩と、式(III)の少なくとも1つのホスホン酸塩との混合物である請求項38に記載の方法。
  56. 前記ホスホン酸塩が、式(II)の少なくとも2つのホスホン酸塩の混合物である請求項38に記載の方法。
  57. 前記ホスホン酸塩が、式(IV)の少なくとも1つのホスホン酸塩と、式(I)、式(II)、または式(III)の少なくとも1つのホスホン酸塩との混合物である請求項38に記載の方法。
  58. 前記ホスホン酸塩がN(CHPOであり、活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収した黒液重量に対して、約50ppmから約1000ppmである請求項50に記載の方法。
  59. 前記ホスホン酸塩が、CHC(OH)(POであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約200ppmである請求項49に記載の方法。
  60. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppmである請求項48に記載の方法。
  61. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppmである請求項48に記載の方法。
  62. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOであり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppmである請求項48に記載の方法。
  63. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOと、N(CHPO、(MPCHNCHCHN(CHPO、または(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOから選択される第2のホスホン酸塩との混合物である請求項53に記載の方法。
  64. 前記第2のホスホン酸塩が、N(CHPOであり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppmである請求項63に記載の方法。
  65. 前記第2のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOであり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約1000ppmである請求項63に記載の方法。
  66. 前記第2のホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOであり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約1000ppmである請求項63に記載の方法。
  67. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOと、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約20ppmから約1000ppmである請求項53に記載の方法。
  68. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPOと、N(CHPOとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppmである請求項53に記載の方法。
  69. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOと、N(CHPOから選択される第2のホスホン酸塩との混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約50ppmから約1000ppmである請求項55に記載の方法。
  70. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPO)CHCHCHN(CHPOと、CHC(OH)(POとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約10ppmから約500ppmである請求項54に記載の方法。
  71. 前記ホスホン酸塩が、(MPCHNCHCHN(CHPO)CHCHN(CHPOと、CHC(OH)(POとの混合物であり、また活性酸基準の前記混合物の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約30ppmから約1000ppmである請求項54に記載の方法。
  72. 前記ホスホン酸塩が、
    Figure 0004080994
    であり、また活性酸基準の前記ホスホン酸塩の量が、前記蒸解がまから回収される黒液の重量に対して、約50ppmから約500ppmである請求項51に記載の方法。
  73. 前記化学パルプ化プロセスが、クラフトプロセスである請求項38に記載の方法。
  74. カルシウム塩スケールが蒸解がま内で抑制される請求項73に記載の方法。
  75. カルシウム塩スケールが、褐色紙料洗浄区域内で抑制される請求項73に記載の方法。
  76. カルシウム塩スケールが、黒液回収区域内で抑制される請求項73に記載の方法。
  77. 前記カルシウム塩スケールが、炭酸カルシウムまたは硫酸カルシウムである請求項38に記載の方法。
  78. 前記カルシウム塩スケールが、炭酸カルシウムである請求項77に記載の方法。
  79. 前記黒液のpHが少なくとも9である請求項38に記載の方法。
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