JP4080865B2 - 色の組と受容体との組み合わせにおけるインクジェットインクおよび受容体の選択方法 - Google Patents

色の組と受容体との組み合わせにおけるインクジェットインクおよび受容体の選択方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良された、像形成領域および非像形成領域における光沢差並びに色間の光沢差を有する画像を提供する、インクジェット印刷のためのインクジェットカラーインクの組と多孔質インクジェット記録要素との組み合わせに関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的なインクジェット記録システムまたはインクジェット印刷システムにおいては、インク液滴が、記録要素または記録媒体に向かってノズルから高速で噴射され、媒体上に画像を生ずる。インク液滴(または記録液体)は、一般に、記録薬剤(例えば、染料または顔料)および大量の溶媒を含んでなる。溶媒(またはキャリヤー液体)は、概して、水および有機材料(例えば、一価アルコール、多価アルコール、またはこれらの混合物)から作られている。
【0003】
インクジェット記録要素は、概して、少なくとも一方の表面に、インク受容層または画像受容層を担持している支持体を含んでなり、このような要素には、不透明な支持体を有する、反射式観察を目的とするもの、および透明な支持体を有する、透過光による観察を目的とするものが含まれる。
【0004】
インクジェット記録要素の重要な特性は、それらが印刷後に素速く乾燥する必要があるということである。この目的のために、液体インクを有効に含有するのに十分な厚みおよび孔隙量を有する限り、ほぼ瞬間的な乾燥を提供する多孔質記録要素が開発されてきた。例えば、多孔質記録要素は、微粒子含有コーティングを支持体に適用して、磨かれた平滑面と接触させた状態で乾燥させる、キャストコーティングによって製造することができる。
【0005】
現行のインクジェット記録要素の大きな不都合の1つは、特に、顔料系インクを使用して印刷される画像上での「光沢差」である。顔料系インクにおいては、着色剤は、別個の粒子として存在する。これらの顔料粒子は、通常は、顔料粒子が凝集および/または沈降しないように保つのに役立つ分散剤または安定剤として知られる添加剤で処理される。ゆえに、光沢面を有する記録要素上に顔料系インクを印刷する場合、像形成領域上のインクは、受容体の表面上に留まる傾向を有する。「光沢差」には、「像形成および非像形成の光沢差」および「色間での光沢差」の両方が含まれる場合がある。「像形成および非像形成の光沢差」とは、非像形成領域の光沢が像形成領域の光沢とは非常に異なる画像アーティファクトを意味する。「色間での光沢差」とは、異なる色の像形成領域の光沢レベルが互いに非常に異なる画像アーティファクトを意味する。いずれのタイプの画質上の欠陥も、通常の観察者に対してさえ、極めて目立つ場合がある。「光沢差」を改良するように設計されている訳ではないけれども、この問題に対する1つの可能な解決策は、印刷された画像を積層すること、または受容体の頂部可融性高分子層を融着させて連続的なオーバーコート層とすること(例えば、Wexlerの、2001年9月18日に出願された、米国特許出願第09/954,779号明細書において開示されているもの)、または欧州特許第 1057646号および同 1048466号の各明細書に記載されているように、像形成された領域の上に保護層を塗布すること、などの技法によって、保護層で受容体全体を覆うことである。しかしながら、これらの取り組みはいずれも、印刷後に別個の工程を必要とし、過程全体を複雑で高価なものとする。
【0006】
当該技術分野において要求されているものは、像形成領域および非像形成領域における光沢レベル変動並びに受容体上に種々のインクが付着および乾燥される場合の種々の色の間での光沢レベルの変動を最小化する方法である。この方法は、印刷後の別個の工程としてではなく、印刷過程の一部として行われるべきである。
【0007】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】
米国特許第 4,597,794号明細書
【特許文献2】
米国特許第 5,026,427号明細書
【特許文献3】
米国特許第 5,085,698号明細書
【特許文献4】
米国特許第 5,086,698号明細書
【特許文献5】
米国特許第 5,141,556号明細書
【特許文献6】
米国特許第 5,160,370号明細書
【特許文献7】
米国特許第 5,169,436号明細書
【特許文献8】
米国特許第 5,172,133号明細書
【特許文献9】
米国特許第 5,853,965号明細書
【特許文献10】
米国特許第 5,866,282号明細書
【特許文献11】
米国特許第 5,874,205号明細書
【特許文献12】
米国特許第 5,888,643号明細書
【特許文献13】
米国特許第 5,888,681号明細書
【特許文献14】
米国特許第 5,888,683号明細書
【特許文献15】
米国特許第 5,888,714号明細書
【特許文献16】
米国特許第 6,268,101号明細書
【0008】
【特許文献17】
欧州特許出願公開明細書第 1 057 646号
【特許文献18】
欧州特許出願公開明細書第 1 048 466号
【特許文献19】
米国特許出願公開第10/034,721号明細書
【特許文献20】
米国特許出願公開第10/034,285号明細書
【特許文献21】
米国特許出願公開第10/032,931号明細書
【特許文献22】
米国特許出願公開第10/034,281号明細書
【特許文献23】
米国特許出願公開第09/954,779号明細書
【非特許文献1】
リサーチディスクロージャー、アイテム308119、1989年12月、1007〜 1008頁
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、像形成領域と非像形成領域との間での光沢レベル変動並びにカラー画像における種々の色の間での光沢レベル変動が同時に最小化されている画像を生ずることが可能なインクジェットカラーインクの組と受容体との組み合わせを選ぶための方法を提供する。光沢変動は、インクが受容体上に付着および乾燥された後に判断されるけれども、本発明は、インクおよび受容体の選択並びに印刷過程の一部であって、印刷後の別個の工程ではない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、受容体上の単色パッチから測定されて、インクの光沢レベルが予め測定される。また、受容体の光沢レベルも、同様の測定条件下で測定される。種々のインクの間での光沢レベル変動並びに像形成領域と非像形成量との間での相対光沢差の両方が計算される。インクと受容体との組み合わせの相対光沢差並びに上記光沢変動を特定の範囲に同時に保つことによって、画質が改良される。
【0011】
【発明の実施の形態】
このゆえに、本発明は、インクジェットカラー印刷のための顔料インクの組と受容体との組み合わせを選ぶ方法であって、
a)各々のインクがキャリヤーおよび顔料を含んでなる少なくとも2色のインクを用意すること、
b)Dmax 濃度( 100%ドット付着量)の単色パッチからなる試験画像を使用して受容体の組に上記インクを印刷すること、
c)予め規定された反射角で各々のパッチおよび上記受容体の光沢レベルを測定すること、
d)上記インクの組と受容体との組み合わせの相対光沢差(RGD)(%)値を計算すること、並びに
e)反射角として60°を使用した場合のRGD値が40%未満となるように、上記インクの組と受容体との組み合わせを選ぶこと、
を含み、
上記RGD値が、方程式(A)に従って計算され、
【0012】
【数12】
Figure 0004080865
【0013】
上式中、
Iは、評価において使用される特定のカラーパッチを識別する変数であり、
Nは、評価において使用されるカラーパッチの総数である、
方法を開示する。
【0014】
もう1つの態様は、インクジェットカラー印刷のための顔料インクの組と受容体との組み合わせを選ぶ方法であって、
a)各々のインクがキャリヤーおよび顔料を含んでなる少なくとも2色のインクを用意すること、
b)Dmax 濃度( 100%ドット付着量)の単色パッチからなる試験画像を使用して受容体の組に上記インクを印刷すること、
c)予め規定された反射角で各々のパッチおよび上記受容体の光沢レベルを測定すること、
d)上記インクの組と受容体との組み合わせの相対光沢差(RGD)(%)値および相対光沢変動(RGV)(%)値を計算すること、並びに
e)反射角として60°を使用した場合の、RGD値が40%未満となり、かつ、インク間のRGV値が10%未満となるように、色の組のためのインクと受容体との組み合わせを選ぶこと、
を含み、
上記RGD値およびRGV値が、それぞれ、方程式(A)および(B)に従って計算され、
【0015】
【数13】
Figure 0004080865
【0016】
【数14】
Figure 0004080865
【0017】
上式中、
AGは、以下の式によって定義され、
【0018】
【数15】
Figure 0004080865
【0019】
Iは、評価において使用される特定のカラーパッチを識別する変数であり、
Nは、評価において使用されるカラーパッチの総数である、
方法を開示する。
【0020】
さらにもう1つの態様は、インクジェットカラー印刷のための顔料インクの組と受容体との組み合わせを選ぶ方法であって、
a)各々のインクがキャリヤーおよび顔料を含んでなる少なくとも2色のインクを用意すること、
b)上記インクの顔料粒子の大きさを調整して、所望の光沢を達成すること、
c)Dmax 濃度( 100%ドット付着量)の単色パッチからなる試験画像を使用して受容体の組に上記インクを印刷すること、
d)予め規定された反射角で各々のパッチおよび上記受容体の光沢レベルを測定すること、
e)上記インクの組と受容体との組み合わせの相対光沢差(RGD)値および相対光沢変動(RGV)値を計算すること、並びに
f)反射角として60°を使用した場合の、RGD値が40%未満となり、かつ、インク間のRGV値が10%未満となるように、色の組のためのインクと受容体との組み合わせを選ぶこと、
を含み、
上記RGD値およびRGV値が、それぞれ、上記方程式(A)および(B)に従って計算される、
方法が開示される。
【0021】
もう1つの態様は、インクジェットカラー印刷のための顔料インクの組と受容体との組み合わせを選ぶ方法であって、
a)各々のインクがキャリヤーおよび顔料を含んでなる少なくとも2色のインクを用意すること、
b)所望の光沢を達成するように選ばれた粒径を有する非フィルム形成性粒子をインクに添加すること、
c)Dmax 濃度( 100%ドット付着量)の単色パッチからなる試験画像を使用して受容体の組に上記インクを印刷すること、
d)予め規定された反射角で各々のパッチおよび上記受容体の光沢レベルを測定すること、
e)上記インクの組と受容体との組み合わせの相対光沢差(RGD)値および相対光沢変動(RGV)値を計算すること、並びに
f)反射角として60°を使用した場合の、RGD値が40%未満となり、かつ、インク間のRGV値が10%未満となるように、色の組のためのインクと受容体との組み合わせを選ぶこと、
を含み、
上記RGD値およびRGV値が、それぞれ、上記方程式(A)および(B)に従って計算される、
方法が開示される。
【0022】
さらにもう1つの態様は、インクジェットインクの組と記録要素との組み合わせであって、
A)少なくとも約5の60°鏡面光沢度を有する多孔質インクジェット記録要素、および
B)少なくとも2種のインクを含む顔料系インクジェットインクの組、
を含んでなり、
反射角として60°を使用した場合の上記RGD値が40%未満であり、
上記RGD値が、上記方程式(A)に従って計算される、
組み合わせが開示される。
【0023】
また、印刷方法も開示される。
【0024】
本発明の利点は、上記受容体上での、像形成領域と非像形成領域との間での光沢差並びに印刷されるカラー画像における種々の色の間での光沢差を最小化することであり、このことは、初期印刷過程の一部として行われる。
【0025】
インクの組および受容体の光沢の整合
表面の光沢(一般的には鏡面光沢と称される)は、鏡状の表面に近付く度合いであると定義される。それは、入射角に等しい反射角または入射角に近い反射角において反射されるエネルギーの量の尺度である。鏡面光沢は、種々の角度(例えば、表面法線から20°、30°、45°、60°、75°、および80°)において、光沢単位によって測定することができる。光沢度計を使用して、種々の角度における試料の光沢を測定する。BYK-Gardner micro-TRI-glossmeterは、このような機器の例である。
【0026】
本発明において使用される多孔質受容体は、5以上の60°鏡面光沢度を有するインク記録要素を指す。インクジェット記録要素は、概して、少なくとも一方の表面に、インク受容層または画像形成層を担持している支持体を含んでなり、インク受容層は、毛管作用によってインクを吸収する多孔質層である。受容体の光沢レベルは、受容体層の設計および各々の層における各成分の性質(例えば、表面コーティングの粒径、支持体の表面粗さなど)によって達成することができる。例えば、インク受容層中の無機粒子の大きさを変更することによって、 Kodak Instant-Dry Photographic Glossy Media(カタログ番号 8103137)の60°光沢レベルは、64の値に達する。
【0027】
一方、 Epson Photoglossy Paper(商標)SP91001 の60°光沢レベルは、34しかない。さらに、当該技術分野において知られているように、受容体内の支持体の表面平滑性を変えることによっても、光沢レベルを変更することができる。例えば、Kodak Instant-Dry Photographic媒体は、支持体製造の樹脂塗布工程において使用される冷却ロールの表面平滑性を変えることによって(例えば、F−表面対テクスチャード加工されたE−表面)、30の60°光沢レベル( Satin Media、カタログ番号 8648263)から64の60°光沢レベル(Glossy Media、カタログ番号 8103137)までの、広範囲の光沢レベルを有する。
【0028】
受容体上にインクを印刷する場合、印刷される画像の光沢レベルは、インクおよび受容体の両方によって定まる。例えば、インク中のポリマーの屈折率、印刷後のインク中のポリマーのフィルム形成特性、および受容体上でのインク装填付着などのインク特性は、個々にまたは組み合わさって、印刷される画像の光沢に影響を及ぼす場合がある。顔料系インクについては、例えば、2001年12月28日に出願された、Chen他の米国特許出願公開第10/034,721号明細書において開示されているもののように、顔料の粒径および粒径分布、および非フィルム形成姓粒子の使用もまた、光沢レベルに大きい影響を及ぼし得る。本発明は、受容体の光沢レベルを、インクの組から生ずる光沢レベルと整合するように設計すると、印刷される画像の像形成領域と非像形成領域との間の光沢差がより目立たなくなることを発見した。そのうえ、種々のインクの間での光沢レベルの変動を特定の範囲に保つことによって、印刷される画像の色間の光沢差がより目立たなくなる。これらの両方により、全体としてのプリントの画質の改良が助けられる。
【0029】
本発明において、受容体とインクの組との間の整合性は、方程式Aにおいて定義されている相対光沢差(RGD)(%)と呼ばれるパラメーターによって特徴付けられる。色間の光沢差は、方程式Bにおいて定義されている平均光沢(AG)から導かれる、相対光沢変動(RGV)(%)と呼ばれるパラメーターによって特徴付けられる。
【0030】
【数16】
Figure 0004080865
【0031】
【数17】
Figure 0004080865
【0032】
上式中、
AGは、以下の式によって定義され、
【0033】
【数18】
Figure 0004080865
【0034】
Iは、評価において使用される特定のカラーパッチを識別する変数であり、
Nは、評価において使用されるカラーパッチの総数である。
【0035】
本発明において、RGDおよびRGVは、以下の手順に基づいて得られる。少なくとも2種のインクを含んでなる選ばれたインクの組をプリンター中に装填し、試験画像を使用して本発明の記録要素上に印刷する。この試験画像は、Dmax 濃度( 100%ドット付着量)の単色パッチを含むように設計されている。ばらつきのない光沢測定のためには、このパッチの大きさが十分に大きい(例えば、およそ3×3cmの大きさ)必要がある。また、画素レベルでインクによって覆われていない局所的な領域からの光沢への寄与を最小化するためには、ドット付着量も重要である。通常は、 100%ドット付着量において、 1.5の反射濃度(Dmax )を達成し得る。上記評価において使用される色は、原色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)または任意選択的な第二色(例えば、赤、緑、青)、プロセスブラック(シアン、マゼンタ、およびイエローの組み合わせ)または 400%ブラック(シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの組み合わせ)などの、選ばれたインクの組によって生じさせることが可能な色のいずれの組み合わせを含んでいてもよい。印刷された試験画像を周囲温度および周囲湿度において24時間にわたって乾燥させた後、次に、特定の反射角(例えば、60°)における各々のカラーパッチの光沢レベルを、光沢度計(例えば、BYK-Gardner micro-TRI-glossmeter)を使用して測定する。また、同じ条件下で、受容体(非像形成領域)の光沢レベルをも測定する。
【0036】
インクの組と多孔質インクジェット記録要素との組み合わせは、(反射角として60°を使用した場合に)40%未満のRGD値および(反射角として60°を使用した場合に)10%未満のインク間のRGV値を生ずることが可能であるのが好ましい。インクの組と多孔質インクジェット記録要素との組み合わせは、(反射角として60°を使用した場合に)30%未満のRGD値および(反射角として60°を使用した場合に)7%未満のインク間のRGV値を生ずることが可能であるのがさらに好ましい。
【0037】
インクジェット記録要素
本発明において使用されるインクジェット記録要素のための支持体は、樹脂コート紙、紙、ポリエステル、または微孔質材料(例えば、Pittsburgh, PennsylvaniaのPPG Industries, Inc.によってTeslin(商標)という商品名で販売されているポリエチレンポリマー含有材料)、 Tyvek(商標)合成紙(DuPont Corp.)、およびOPPalyte(商標)フィルム(Mobil Chemical Co.)、並びに米国特許第 5,244,861号明細書に列挙されている他の複合フィルムなどの、インクジェット受容体に通常使用されるもののいずれにすることもできる。不透明な支持体には、普通紙、コート紙、合成紙、写真印画紙支持体、溶融押出コート紙、および積層紙(例えば、二軸配向支持体積層物)が含まれる。二軸配向支持体積層物は、米国特許第 5,853,965号、同 5,866,282号、同 5,874,205号、同 5,888,643号、同 5,888,681号、同 5,888,683号、および同 5,888,714号の各明細書に記載されている(これらの開示は、引用により、本明細書に取り入れられる)。これらの二軸配向支持体には、紙ベースおよび紙ベースの片面または両面に積層された二軸配向ポリオレフィンシート(概してポリプロピレン)が含まれる。透明支持体には、ガラス、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ -1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびこれらのコポリマー)、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、およびこれらの混合物が含まれる。上記に列挙されている紙には、高品位紙(例えば、写真印画紙)から低品位紙(例えば、新聞用紙)までの広範囲の紙が含まれる。好ましい態様においては、ポリエチレンコート紙が用いられる。
【0038】
本発明において使用される支持体は、50〜 500μm 、好ましくは75〜 300μm の厚みを有していてもよい。望まれる場合には、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、および他の既知の添加剤を支持体に導入してもよい。
【0039】
本発明において使用されるインクジェット記録要素のためのインク受容層は、多孔質であってもよい。本発明の好ましい態様において、上記多孔質インク受容層は、粒子を含有している。本発明において有用な粒子の例には、アルミナ、ベーマイト、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼成クレー、アルミノ珪酸塩、シリカ、硫酸バリウム、または高分子ビーズが含まれる。これらの粒子は、多孔質であっても、非多孔質であってもよい。本発明の好ましい態様において、上記粒子は、金属酸化物、好ましくはヒュームド金属酸化物である。多くのタイプの無機粒子および有機粒子が、種々の方法によって製造されており、画像受容層のために市販されているけれども、非常に速いインク乾燥を得るためには、画像受容層の多孔性が必要である。これらの粒子の間に形成される孔隙は、印刷用インクがこの層を素速く通過して、外面から過ぎ去って、速乾の印象を与えるように、十分に大きく、かつ十分に連続的でなければならない。同時に、これらの粒子は、それらの間に形成される孔隙が、可視光を散乱させないように、十分に小さいものとなるように配置されなければならない。
【0040】
上記粒子は、一次粒子の形であっても、二次的な凝集粒子の形であってもよい。上記凝集体は、直径が7〜40nmの、より小さい一次粒子を含んでなり、凝集して、直径が 300nmにも及ぶ。このような凝集体の乾燥コーティングにおける細孔は、低い光学的散乱および十分なインク溶媒吸収を確保するのに必要な範囲に入る。
【0041】
本発明においては、いずれのヒュームド金属酸化物粒子を使用してもよい。このような粒子の例には、ヒュームドアルミナ、シリカ、チタニア、カチオン性シリカ、酸化アンチモン(III) 、酸化クロム(III) 、酸化鉄(III) 、酸化ゲルマニウム(IV)、酸化バナジウム(V)、または酸化タングステン(VI)が含まれる。本発明において使用してもよいヒュームド金属酸化物の好ましい例には、シリカおよびアルミナのヒュームド酸化物が含まれる。ヒュームド酸化物は、上述の凝集体の乾燥形態または分散体として入手可能である。
【0042】
また、上記画像受容層は、媒染剤をも含有していてもよい。使用してもよい媒染剤の例には、水溶性カチオン性ポリマー、金属塩、ラテックスの形の水不溶性カチオン性高分子粒子、水分散性ポリマー、ビーズ、またはコアが有機物もしくは無機物であって、シェルは、いずれの場合においてもカチオン性ポリマーであるコア/シェル粒子が含まれる。このような粒子は、付加重合もしくは縮合重合、または両者の組み合わせの生成物であってもよい。それらは、直鎖、枝分かれ鎖、超枝分かれ鎖、グラフト、ランダム、ブロックであっても、または当業者によく知られている他の微細構造を有するものであってもよい。また、それらは、部分的に架橋されていてもよい。
【0043】
粒子を含んでなる多孔質画像受容層において、その空隙率は、印刷用インクのすべてを吸収するのに十分なものでなければならない。例えば、多孔質層が60容量%の開放孔を有する場合に、32cm3/m2(32 cc/m2)のインクを即座に吸収するためには、多孔質層は少なくとも54μm の物理的厚みを有していなければならない。
【0044】
インク受容層の支持体に対する接着性を改良するために、画像受容層を適用する前に、支持体の表面をコロナ放電処理に付してもよい。
【0045】
本発明において用いられるコーティング組成物を、例えば、浸漬コーティング、線巻きロッドコーティング、ドクターブレードコーティング、グラビアおよび反転ロールコーティング、スライドコーティング、ビードコーティング、押出コーティング、カーテンコーティングなどの周知の技法のいくつかによって適用してもよい。既知の塗布方法および乾燥方法は、1989年12月に発行されたリサーチディスクロージャー(Research Disclosure) 、第308119号の1007〜1008頁に、さらに詳細に記載されている。ベース層とオーバーコートとを同時に適用することができるスライドコーティングが好ましい。塗布後、これらの層を単純な蒸発によって乾燥させるのが一般的であるけれども、対流加熱などの既知の技法によって乾燥を促進してもよい。
【0046】
着色剤の退色を改良するために、当該技術分野においてよく知られている紫外線吸収剤、ラジカル失活剤、または酸化防止剤を上記画像受容層にさらに添加してもよい。他の添加剤には、pH調節剤、接着性促進剤、レオロジー調節剤、界面活性剤、殺生剤、滑剤、色素、蛍光増白剤、艶消し剤、帯電防止剤などが含まれる。妥当な塗工性を得るために、例えば、界面活性剤、脱泡剤、アルコールなどの、当業者に知られている添加剤を使用してもよい。コーティング助剤の一般的な量は、全溶液質量に対して、0.01〜0.30質量%の活性コーティング助剤である。これらのコーティング助剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性のものであってもよい。具体例は、MCCUTCHEONの第1巻、Emulsifiers and Detergents, 1995, North American Editionに記載されている。
【0047】
上記コーティング組成物は、水または有機溶媒のいずれから塗布することもできるけれども、水からの方が好ましい。全固形分は、もっとも経済的な方法において有用なコーティング厚を生ずるように選ばれるべきであり、微粒子コーティング調合物においては、10〜40質量%の固形分が典型的である。
【0048】
顔料の粉砕およびインクの配合
顔料からインクを調製するための方法には、一般的に、以下の2つの工程が含まれる。(a)顔料を一次粒子までバラバラにするための分散工程または粉砕工程、および(b)上記分散された顔料濃厚物をキャリヤーおよび他の添加剤で希釈して使用濃度のインクとする希釈工程。上記粉砕工程において、顔料は、通常は、硬く、不活性な粉砕媒体といっしょに、キャリヤー(概して、完成インク中のキャリヤーと同じキャリヤー)中に懸濁される。この顔料分散体に機械的エネルギーを供給して、粉砕媒体と顔料との間の衝突により、顔料をその一次粒子まで解凝集させる。分散剤もしくは安定剤、またはこれらの両方を、上記顔料分散体に添加して、粗顔料の解凝集を促進し、コロイド状粒子の安定性を維持し、そして粒子の再凝集および沈降を遅らせるのが一般的である。
【0049】
粉砕媒体として使用してもよい材料には、ガラス、セラミック、金属、およびプラスチックなどの多くの異なるタイプがある。好ましい態様において、粉砕媒体は、本質的に高分子樹脂からなる、好ましくは形状が球形の、粒子(例えば、ビーズ)を含んでなることができる。一般に、粉砕媒体として使用するのに好適な高分子樹脂は、化学的かつ物理的に不活性であり、金属、溶媒、およびモノマーが実質的に無く、そしてそれらが粉砕時に欠けたり潰れたりするのを回避することができるのに十分な硬度および破砕性を有するものである。好適な高分子樹脂には、架橋ポリスチレン(例えば、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレン)、スチレンコポリマー、ポリアクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル)、ポリカーボネート、ポリアセタール(例えば、Derlin(商標))、塩化ビニルのポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(商標))および他のフルオロポリマー、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースエーテルおよびセルロースエステル(例えば、酢酸セルロース)、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、シリコーン含有ポリマー(例えば、ポリシロキサン)などが含まれる。上記ポリマーは、生分解性であってもよい。例示的な生分解性ポリマーには、ポリラクチド、ポリグリコリド、ラクチドおよびグリクリドのコポリマー、ポリ無水物、ポリイミノカーボネート、ポリ (N-アシルヒドロキシプロリン) エステル、ポリ (N-パルミトイルヒドロキシプロリノ) エステル、エチレン−酢酸ビニルのコポリマー、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトン、およびポリホスファゼンが含まれる。上記高分子樹脂は、 0.9〜 3.0 g/cm3の密度を有することができる。より有効に粒径を低減させると信じられているので、より高密度の樹脂ほど好ましい。もっとも好ましいのは、架橋されているかまたは架橋されていないスチレン系高分子媒体である。
【0050】
粉砕は、いずれの粉砕機においても行うことができる。好適な粉砕機には、エアジェットミル、ローラーミル、ボールミル、磨砕ミル(attritor mill) 、およびビードミルが含まれる。高速ミルが好ましい。高速ミルとは、5m/秒を超える速度まで粉砕媒体を加速することが可能な粉砕装置を意味する。十分な粉砕媒体速度は、例えば、40mmの直径を有するCowlesタイプの鋸歯羽根車において、 9,000 rpmで動作している場合に達成される。粉砕媒体、顔料、液体分散媒体、および分散剤の好ましい割合は、広い限度内で変化することができ、例えば、選ばれる個々の材料並びに粉砕媒体の大きさおよび密度などに依存する。粉砕が完了した後に、活性材料の分散体を、単純な篩い分けまたは濾過によって、粉砕媒体から分離する。上記方式のいずれにおいても、ミル粉砕物の成分の好ましい量および比は、特定の材料および目的とする用途に応じて幅広く変化するであろう。粉砕混合物の内容物は、ミル粉砕物および粉砕媒体を含んでなる。ミル粉砕物は、顔料、分散剤、および水などの液体キャリヤーを含んでなる。水性インクジェットインクにおいて、顔料は、通常は、ミル粉砕物中に1〜50質量%(粉砕媒体を除く)の量で存在する。顔料の分散剤に対する質量比は、20:1〜1:2である。上記高速ミルは、Morehouse-Cowles、Hockmeyer などによって製造されるものなどの高速撹拌装置である。
【0051】
分散剤は、上記ミル粉砕物における、もう1つの重要な成分である。本発明において使用される好ましい分散剤には、ドデシル硫酸ナトリウム、アクリル系コポリマーおよびスチレン−アクリル系コポリマー(例えば、米国特許第 5,085,698号および同 5,172,133号の各明細書において開示されているもの)、並びにスルホン化ポリエステルおよびスチレン系誘導体(例えば、米国特許第 4,597,794号明細書において開示されているもの)が含まれる。また、顔料の入手可能性に関連して上記において参照されている他の特許明細書において、多種多様な分散剤の選択肢も開示されている。例において使用される分散剤は、N-メチル -N-オレイルタウレート (taurate)(K−OMT)である。
【0052】
粉砕時間は、幅広く変化することができ、選ばれる顔料、機械的手段、および滞留条件、初期粒径および所望の最終的な粒径などに依存する。水性ミル粉砕物において、上述の好ましい顔料、分散剤、および粉砕媒体を使用すると、粉砕時間は、概して、1〜 100時間の範囲にわたるであろう。粉砕された顔料濃厚物は、濾過によって粉砕媒体から分離するのが好ましい。
【0053】
本発明において有用な顔料粒子は、プリントヘッドを通して射出することができるならば、いずれの粒径を有していてもよい。顔料粒子は、好ましくは 0.5μm 未満、より好ましくは 0.2μm 未満の平均粒径を有する。
【0054】
多種多様な有機顔料および無機顔料を、単独でまたは組み合わせとして、本発明における使用のために選ぶことができる。本発明において用いてもよい着色剤粒子には、例えば、米国特許第 5,026,427号、同 5,086,698号、同 5,141,556号、同 5,160,370号、および同 5,169,436号の各明細書において開示されている顔料が含まれる(これらの開示は、引用により、本明細書に取り入れられる)。顔料の厳密な選択は、特定の用途および性能要求条件(例えば、色再現および画像安定性)に依存するであろう。本発明における使用に好適な顔料には、例えば、アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料レーキ、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、ジスアゾ濃縮顔料、金属錯体顔料、イソインドリノン(isoindolinone) 顔料およびイソインドリン(isoindoline) 顔料、多環式顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料およびペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラピリミドン顔料、フラバントロン顔料、アントアントロン(anthanthrone)顔料、ジオキサジン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、二酸化チタン、酸化鉄、並びにカーボンブラックが含まれる。
【0055】
使用してもよい顔料の典型例には、カラーインデックス(C.I.)ピグメントイエロー1、2、3、5、6、10、12、13、14、16、17、62、65、73、74、75、81、83、87、90、93、94、95、97、98、99、100、101、104、106、108、109、110、111、113、114、116、117、120、121、123、124、126、127、128、129、130、133、136、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、191、192、193、194;C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、6、13、15、16、17、17:1、19、22、24、31、34、36、38、40、43、44、46、48、49、51、59、60、61、62、64、65、66、67、68、69;C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、49:3、50:1、51、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、68、81、95、112、114、119、122、136、144、146、147、148、149、150、151、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、192、194、200、202、204、206、207、210、211、212、213、214、216、220、222、237、238、239、240、242、243、245、247、248、251、252、253、254、255、256、258、261、264;C.I.ピグメントバイオレット1、2、3、5:1、13、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、50;C.I.ピグメントブルー1、2、9、10、14、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15、16、18、19、24:1、25、56、60、61、62、63、64、66;C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、36、45;C.I.ピグメントブラック1、7、20、31、32、およびC.I.ピグメントブラウン1、5、22、23、25、38、41、42が含まれる。
【0056】
本発明の好ましい態様において、顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントブラック7、または米国特許第 4,311,775号明細書(この内容は、引用により、本明細書に取り入れられる)に記載されているビス (フタロシアニルアルミノ) テトラフェニルジシロキサンである。
【0057】
本発明の要素において使用される顔料は、上記インクジェットインクにおいて、いずれの有効な量で存在していてもよく、一般には、 0.1〜10質量%、好ましくは 0.5〜6質量%の量で存在する。
【0058】
概して、上記インク組成物のための水性キャリヤーは、水または水と少なくとも1種の水混和性補助溶媒との混合物である。好適な混合物の選択は、特定の用途の要求条件(例えば、所望の表面張力および粘度、選ばれる顔料または染料、インクジェットインクの乾燥時間、並びにインクが印刷される紙のタイプ)に依存する。選んでもよい水混和性補助溶媒の代表例には、(1)アルコール(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、フルフリルアルコール、およびテトラヒドロフルフリルアルコール)、(2)ケトンまたはケトアルコール(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、およびジアセトンアルコール)、(3)エーテル(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサン)、(4)エステル(例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、炭酸エチレン、および炭酸プロピレン)、(5)多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、2-メチル -2,4-ペンタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、およびチオグリコール)、(6)アルキレングリコールから誘導される低級アルキルモノエーテルおよび低級アルキルジエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノブチル(またはエチル)エーテル、プロピレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ポリエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、およびジエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル)、(7)窒素含有環式化合物(例えば、ピロリドン、N-メチル -2-ピロリドン、および1,3-ジメチル -2-イミダゾリジノン)、並びに(8)硫黄含有化合物(例えば、ジメチルスルホキシド、 2,2'-チオジエタノール、およびテトラメチレンスルホン)が含まれる。
【0059】
概して、用いられる水性キャリヤーの量は、インクの全質量に対して、およそ70〜98質量%、好ましくはおよそ90〜98質量%の範囲にある。水と多価アルコール(例えば、ジエチレングリコール)との混合物は、水性キャリヤーとして有用である。好ましい態様において、インクは、5〜60質量%の水混和性有機溶媒を含有している。百分率は水性キャリヤーの全質量に対するものである。
【0060】
インクジェットインク中に任意選択的に存在していてもよい他の添加剤には、増粘剤、導電性増強剤、コゲーション防止剤、乾燥剤、耐水堅牢剤、色素可溶化剤、キレート剤、バインダー、光安定剤、ビスコシファイヤー(viscosifier) 、緩衝剤、防カビ剤、抗カール剤、安定剤、および脱泡剤が含まれる。さらに、インク組成物は、用途よって必要とされるように、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤、殺生剤などを含むこともできる。
【0061】
通常は、本発明のインクジェット組成物において湿潤剤を用いて、インクが乾固したり、プリントヘッドのオリフィス中で固まったりするのを防ぐのを助ける。使用することができる湿潤剤の種類には、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、2-メチル -2,4-ペンタンジオール、2-エチル -2-ヒドロキシメチル -1,3-プロパンジオール(EHMP)、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、およびチオグリコール)、アルキレングリコールから誘導される低級アルキルのモノエーテルまたはジエーテル(例えば、エチレングリコールのモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、ジエチレングリコールのモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、プロピレングリコールのモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、トリエチレングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、またはモノブチルエーテル(TEGMBE)、ジエチレングリコールのジメチルエーテルまたはジエチルエーテル、ポリエチレングリコールのモノブチルエーテル(PEGMBE)、およびジエチレングリコールのモノブチルエーテル(DEGMBE))、窒素含有化合物(例えば、尿素、2-ピロリジノン、N-メチル -2-ピロリジノン、および1,3-ジメチル -2-イミダゾリジノン)、および硫黄含有化合物(例えば、ジメチルスルホキシドおよびテトラメチレンスルホン)などが含まれる。
【0062】
本発明のインクに好ましい湿潤剤には、DEG、グリセロール、DEGMBE、TEGMBE、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール、尿素、2-ピロリジノン、EHMP、およびこれらの混合物が含まれる。湿潤剤は、各々のインクにおいて、5〜60質量%の量で用いることができる。
【0063】
上記インクに界面活性剤を添加して、表面張力を適切なレベルに調整してもよい。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性、または非イオン性であってもよく、インク組成物の0.01〜1%の量で使用してもよい。好ましい界面活性剤には、Surfynol(商標)465 (Air Products Corp.から入手可能)およびTergitol(商標)15-S-5( Union Carbideから入手可能)が含まれる。
【0064】
また、受容基材が高度にサイジング処理された紙である場合はとりわけ、本発明の方法において用いられるインク組成物に浸透剤(0〜10質量%)を添加して、インクが受容基材に浸透するのを助けてもよい。このような浸透剤の例には、アルコール(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、フルフリルアルコール、およびテトラヒドロフルフリルアルコール)、ケトンまたはケトアルコール(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、およびジアセトンアルコール)、エーテル(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサン)、およびエステル(例えば、乳酸エチル、炭酸エチレン、および炭酸プロピレン)が含まれる。
【0065】
本発明において用いられるインク組成物に殺生剤を添加して、水性インク中での微生物(例えば、カビ、真菌など)の生育を抑制してもよい。本発明において用いられるインク組成物に好ましい殺生剤は、最終濃度が0.0001〜 0.5質量%のProxel(商標)GXL (Avecia Corp.)である。
【0066】
有機または無機の酸または塩基の添加によって、本発明において用いられる水性インク組成物のpHを調整してもよい。有用なインクは、使用されている色素のタイプに応じて、2〜10の好ましいpHを有していてもよい。典型的な無機酸には、塩化水素酸、燐酸、および硫酸が含まれる。典型的な有機酸には、メタンスルホン酸、酢酸、および乳酸が含まれる。典型的な無機塩基には、アルカリ金属の水酸化物および炭酸塩が含まれる。典型的な有機塩基には、アンモニア、トリエタノールアミン(TEA)、およびテトラメチルエチレンジアミンが含まれる。
【0067】
上記インク組成物にフィルム形成性高分子樹脂を添加して、印刷される画像の湿潤耐摩擦性および乾燥耐摩擦性を改良してもよい。好ましくは、上記フィルム形成性高分子樹脂は、水分散性である。本発明の要素において使用される上記ポリマーは、一般に、水性媒体中で安定化され得るいずれの組成の疎水性ポリマーであってもよい。このような疎水性ポリマーは、一般に、縮合ポリマーまたは付加ポリマーのいずれかに分類される。縮合ポリマーには、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル、ポリカーボネート、多酸無水物、および上述のタイプの組み合わせを含んでなるポリマーが含まれる。付加ポリマーは、例えば、アリル化合物、ビニルエーテル、ビニル複素環式化合物、スチレン、オレフィンおよびハロゲン化オレフィン、エチレン系不飽和カルボン酸およびそれらから誘導されるエステル、不飽和ニトリル、ビニルアルコール、アクリルアミドおよびメタクリルアミド、ビニルケトン、多官能価モノマーなどのビニルタイプのモノマーの重合から形成されるポリマー、またはこれらのモノマーの種々の組み合わせから形成されるコポリマーである。
【0068】
好ましいフィルム形成性高分子樹脂には、水性エマルジョン中でのビニルモノマーのラジカル重合によって調製されるスチレン/アクリル系ポリマー、Eastman AQ(商標)ポリエステル(Eastman Chemical Company)(例えば、Eastman のポリエステル、 AQ 29、 AQ 38、および AQ 55)、およびポリウレタン(例えば、2000年4月13日に出願された Yacobicci他の米国特許第 6,268,101号明細書において開示されているもの(この開示は、引用により、本明細書に取り入れられる)、Witco Corp. による Witcobond(商標)ポリウレタン分散体、および BF Goodrich Companyによる Sancure(商標)ポリウレタン)が含まれる。
【0069】
本発明のインクの組において使用される水分散性フィルム形成性高分子樹脂は、上記組成物において、いずれの有効な量で存在していてもよく、一般には 0.1〜10質量%、好ましくは 0.5〜5質量%の量で存在する。
【0070】
上記インクは、ポリマー粒子および無機粒子(例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、または酸化亜鉛)などの非フィルム形成性粒子をさらに含んでなっていてもよい。上記ポリマー粒子は、60℃よりも高いガラス転移温度を有するのが好ましい。より好ましくは、上記ポリマーは、80℃よりも高いガラス転移温度を有するべきである。
【0071】
本発明のインクの組において使用される非フィルム形成性粒子は、上記組成物において、いずれの有効な量で存在していてもよく、一般には 0.1〜10質量%、好ましくは 0.5〜5質量%の量で存在する。本発明において使用される非フィルム形成性粒子の平均粒径は、一般に0.01〜1μm 、より好ましくは0.03〜 0.5μm の範囲にある。
【0072】
本明細書において開示されている記録要素は主にインクジェットプリンターにおいて有用であると言及したけれども、それらをペンプロッター集成装置のための記録媒体として使用することもできる。ペンプロッターは、インク溜めと接触している毛管の束からなるペンを使用して、記録媒体の表面に直接筆記することによって作動する。
【0073】
本発明を説明するために、以下の例を提供する。
【0074】
【実施例】
顔料分散体の調製
シアン顔料分散体
シアン顔料分散体には、8000gの平均直径50μm の高分子ビーズ(粉砕媒体)、1600gの橋かけアルミニウムフタロシアニン顔料 (Eastman Kodak)、 960gのオレイルメチルタウリン(OMT)カリウム塩、および5440gの脱イオン水を含有させた。
【0075】
上記各成分を、Morehouse-Cowles Hochmeyerによって製造された高エネルギー媒体ミルを使用して、BYK-Gardner から得た40リットルの二重壁容器中で、粉砕した。このミルは、室温において、およそ8時間にわたって運転した。上記粉砕過程の間に、顔料のメジアン粒径が、Leeds & Northrupによって製造されたMICROTRAC II超微粒子分析装置(UPA)によって測定された場合に、約30nmおよび 100nmとなるように、PC−1およびPC−2として、2種のバッチの顔料試料(各々15.0g)を得た。上記メジアン粒径は、試料の50容量%が、示されている大きさよりも小さいことを表す。VWR Scientific Products から得た4〜8μm の KIMAX(商標)ブフナー漏斗を通して上記ミル粉砕物を濾過することによって、上記分散媒体から分散体を分離した。この濾過された分散体に、さらに8000gの希釈水を添加し、次いで殺生剤Proxel(商標)GXL (Zeneca Corp.)を添加した。顔料は、最終的な全分散体の約10質量%であり、殺生剤は、最終的な全分散体の約 230 ppmである。
【0076】
イエロー顔料分散体
この分散体は、橋かけアルミニウムフタロシアニン顔料の代わりに、ピグメントイエロー155 (Clariant Corp.) を使用したことを除き、シアン顔料分散体と同じに調製した。OMTカリウム塩の量は、顔料に対して25質量%とした。粉砕過程の間に、顔料のメジアン粒径が、Leeds & Northrupによって製造されたMICROTRAC II超微粒子分析装置(UPA)によって測定された場合に、約 110nmおよび 130nmとなるように、PY−1およびPY−2として、2種のバッチの顔料試料(各々15.0g)を得た。
【0077】
インク−Y1
インクY−1を調製するために、 2.5gの顔料分散体PY−1(活性10%)、0.05gのSurfynol(商標)465 (Air Products Inc.) 、 0.8gのグリセロール、 1.0gのトリエチレングリコール、および 0.3gのジプロピレングリコールメチルエーテル ( Dowanol(商標)DPM)、並びに0.33gのAQ55(商標)(活性30.5%)を蒸留水といっしょに添加して、インクの最終的な質量が10.0gとなるようにした。最終的なインクは、 2.5%のピグメントイエロー155、0.50%のSurfynol(商標)465 、 8.0%のグリセロール、10.0%のトリエチレングリコール、3%のジプロピレングリコールメチルエーテル、および1%のAQ55(商標)を含有していた。この溶液を、3μm のポリテトラフルオロエチレンフィルターに通して濾過し、空の Epson 660インクジェットカートリッジに充填した。
【0078】
インク−Y2
インク−Y2は、顔料分散体PY−1の代わりに、顔料分散体PY−2を使用したことを除き、インク−Y1と同様に調製した。
【0079】
インク−C1
インク−C1は、顔料分散体PY−1の代わりに、 2.2gの橋かけアルミニウムフタロシアニン顔料分散体PC−1(活性10%)を使用したことを除き、インク−Y1と同様に調製した。最終的なインクは、 2.2質量%の橋かけアルミニウムフタロシアニン顔料を含有していた。
【0080】
インク−C2
インク−C2は、顔料分散体PC−1の代わりに、顔料分散体PC−2を使用したことを除き、インク−C1と同様に調製した。
【0081】
インク−M1
インク−M1は、Epson 2000P カラーカートリッジ(カタログ番号 T106201)の暗マゼンタチャネルから得た。次に、このインクを、空の Epson 660カートリッジに再び充填した。
【0082】
インク−M2
インク−M2は、Epson C80 マゼンタカートリッジ(カタログ番号 T032320)から得た。次に、このインクを、空の Epson 660カートリッジに再び充填した。
【0083】
インクの組1(S−1)
インクの組1は、Epson C80 カートリッジ(それぞれ、カタログ番号 T032220、 T032320、および T032420)から得たシアン、マゼンタ、およびイエローからなる3色インクの組である。
【0084】
インクの組2(S−2)
インクの組2は、Epson 2000P カラーカートリッジ(カタログ番号 T106201)から得た暗シアン、暗マゼンタ、およびイエローのインクからなる3色インクの組である。
【0085】
インクの組3(S−3)
インク−C1、M1、およびY1を、シアン、マゼンタ、およびイエローの組として使用し、それぞれ、空の Epson 660カートリッジのC、M、およびYのチャネルに充填した。
【0086】
インクの組4(S−4)
インクC2、M2、およびY2を、シアン、マゼンタ、およびイエローの組として使用し、それぞれ、空の Epson 660カートリッジのC、M、およびYのチャネルに充填した。
【0087】
受容体1(R−1)
受容体R−1は、多孔質の光沢受容体である、 Kodak Instant-Dry Photographic Glossy Media(カタログ番号 8103137)とした。
【0088】
受容体2(R−2)
受容体R−2は、多孔質の光沢受容体である、 Epson Photoglossy Paper(商標)SP91001 (Epson Corporation) とした。
【0089】
本発明の要素1(I−1)
本発明の要素1(I−1)は、インクの組3(S−3)と受容体1(R−1)との組み合わせである。
【0090】
本発明の要素2(I−2)
本発明の要素2(I−2)は、インクの組4(S−4)と受容体1(R−1)との組み合わせである。
【0091】
比較用要素1(Comp−1)
比較用要素1(Comp−1)は、インクの組1(S−1)と受容体2(R−2)との組み合わせである。
【0092】
比較用要素2(Comp−2)
比較用要素2(Comp−2)は、インクの組2(S−2)と受容体2(R−2)との組み合わせである。
【0093】
比較用要素3(Comp−3)
比較用要素3(Comp−3)は、インクの組3(S−3)と受容体2(R−2)との組み合わせである。
【0094】
比較用要素4(Comp−4)
比較用要素4(Comp−4)は、インクの組4(S−4)と受容体2(R−2)との組み合わせである。
【0095】
比較用要素5(Comp−5)
比較用要素5(Comp−5)は、インクの組2(S−2)と受容体1(R−1)との組み合わせである。
【0096】
印刷並びにRGD(%)およびRGV(%)の評価
使用した試験画像は、Dmax 濃度( 100%ドット付着量)を有する、大きさがおよそ3×3cmのシアン、マゼンタ、イエロー、赤、緑、および青の単色パッチからなるものとした。上記3色インクの組が装填されている Epson 660インクジェットプリンターを使用して、上記試験画像を、上述の記録要素上に印刷した。試験画像を、周囲温度および周囲湿度において、24時間にわたって乾燥させた。BYK-Gardner micro-TRI-glossmeterを使用して、各々のパッチに由来する光沢レベルを、60°の反射角において測定した。同じ色の3つの個々のパッチを使用して多重測定を実行した平均値を使用した。同じ条件下で、非像形成領域に由来する光沢レベルも測定した。方程式Aおよび方程式Bを使用して、上記データに基づいて、RGD(%)値およびRGV(%)値を計算した。これらの結果を、表Iに示す。
【0097】
画質の評価
インクの組1、インクの組2、インクの組3、およびインクの組4を使用して、十分な量の「非像形成」または「白色」を含有している写真画像をも、上述の記録要素上に印刷した。これらの試験画像を、周囲温度および周囲湿度において、24時間にわたって乾燥させた。次に、これらの試験画像を、画質評価試験に付した。4人の中立の観察者を選択し、普通の事務所の灯りの下で、同じ画像を独立に観察させた。1〜5の格付け等級を使用して、各観察者が、とりわけ像形成領域と非像形成領域との間の位置における光沢差並びに色間での光沢差に基づいて、画質を評価した。上記1〜5の格付けは、以下の定義に基づくものである。1:強く目立つ光沢差がある、2:若干の目立つ光沢差がある、3:許容可能な光沢差がある、4:僅かに目立つ光沢差がある、5:目立つ光沢差は無い。これらの評価結果を、表IIに示す。
【0098】
【表1】
Figure 0004080865
【0099】
【表2】
Figure 0004080865
【0100】
上記結果は、本発明において用いられる多孔質インクジェット記録要素の光沢レベルが、インク間での光沢レベルを整合させつつ、顔料系インクの組の光沢レベルと整合しており、印刷される画像が、比較例に由来する相対光沢差(RGD)(%)値および相対光沢変動(RGV)(%)値と比較して、はるかに小さいRGD値およびRGV値を有することを示している。そのうえ、本発明において定義されるRGD(%)およびRGV(%)の数値は、人間による観察に基づく画質評価から得られる結果と一致している。
【0101】
本明細書の記載は、特に、本発明に係る装置および方法の一部を形成する要素に、または本発明に係る装置および方法とより直接的に協力する要素に関するものである。具体的に示されたり、記載されたりしていない要素も、当業者によく知られている種々の形態を取り得ることが理解されるべきである。

Claims (4)

  1. インクジェットカラー印刷のための顔料インクの組と受容体との組み合わせを選ぶ方法であって、
    a)各々のインクがキャリヤーおよび顔料を含んでなる少なくとも2色のインクを用意すること、
    b) 100%ドット付着量であるDmax 濃度の単色パッチからなる試験画像を使用して受容体の組に上記インクを印刷すること、
    c)予め規定された反射角で各々のパッチおよび上記受容体の光沢レベルを測定すること、
    d)上記インクの組と受容体との組み合わせの相対光沢差(RGD)(%)値を計算すること、並びに
    e)反射角として60°を使用した場合のRGD値が40%未満となるように、上記インクの組と受容体との組み合わせを選ぶこと、
    を含み、
    上記RGD値が、方程式(A)に従って計算され、
    Figure 0004080865
    上式中、
    Iは、評価において使用される特定のカラーパッチを識別する変数であり、
    Nは、評価において使用されるカラーパッチの総数である、
    方法。
  2. インクジェットカラー印刷のための顔料インクの組と受容体との組み合わせを選ぶ方法であって、
    a)各々のインクがキャリヤーおよび顔料を含んでなる少なくとも2色のインクを用意すること、
    b) 100%ドット付着量であるDmax 濃度の単色パッチからなる試験画像を使用して受容体の組に上記インクを印刷すること、
    c)予め規定された反射角で各々のパッチおよび上記受容体の光沢レベルを測定すること、
    d)上記インクの組と受容体との組み合わせの相対光沢差(RGD)(%)値および相対光沢変動(RGV)(%)値を計算すること、並びに
    e)反射角として60°を使用した場合の、RGD値が40%未満となり、かつ、インク間のRGV値が10%未満となるように、色の組のためのインクと受容体との組み合わせを選ぶこと、
    を含み、
    上記RGD値およびRGV値が、それぞれ、方程式(A)および(B)に従って計算され、
    Figure 0004080865
    Figure 0004080865
    上式中、
    AGは、以下の式によって定義され、
    Figure 0004080865
    Iは、評価において使用される特定のカラーパッチを識別する変数であり、
    Nは、評価において使用されるカラーパッチの総数である、
    方法。
  3. インクジェットカラー印刷のための顔料インクの組と受容体との組み合わせを選ぶ方法であって、
    a)各々のインクがキャリヤーおよび顔料を含んでなる少なくとも2色のインクを用意すること、
    b)上記インクの顔料粒子の大きさを調整して、所望の光沢を達成すること、
    c) 100%ドット付着量であるDmax 濃度の単色パッチからなる試験画像を使用して受容体の組に上記インクを印刷すること、
    d)予め規定された反射角で各々のパッチおよび上記受容体の光沢レベルを測定すること、
    e)上記インクの組と受容体との組み合わせの相対光沢差(RGD)値および相対光沢変動(RGV)値を計算すること、並びに
    f)反射角として60°を使用した場合の、RGD値が40%未満となり、かつ、インク間のRGV値が10%未満となるように、色の組のためのインクと受容体との組み合わせを選ぶこと、
    を含み、
    上記RGD値およびRGV値が、それぞれ、方程式(A)および(B)に従って計算され、
    Figure 0004080865
    Figure 0004080865
    上式中、
    AGは、以下の式によって定義され、
    Figure 0004080865
    Iは、評価において使用される特定のカラーパッチを識別する変数であり、
    Nは、評価において使用されるカラーパッチの総数である、
    方法。
  4. インクジェットカラー印刷のための顔料インクの組と受容体との組み合わせを選ぶ方法であって、
    a)各々のインクがキャリヤーおよび顔料を含んでなる少なくとも2色のインクを用意すること、
    b)所望の光沢を達成するように選ばれた粒径を有する非フィルム形成性粒子をインクに添加すること、
    c) 100%ドット付着量であるDmax 濃度の単色パッチからなる試験画像を使用して受容体の組に上記インクを印刷すること、
    d)予め規定された反射角で各々のパッチおよび上記受容体の光沢レベルを測定すること、
    e)上記インクの組と受容体との組み合わせの相対光沢差(RGD)値および相対光沢変動(RGV)値を計算すること、並びに
    f)反射角として60°を使用した場合の、RGD値が40%未満となり、かつ、インク間のRGV値が10%未満となるように、色の組のためのインクと受容体との組み合わせを選ぶこと、
    を含み、
    上記RGD値およびRGV値が、それぞれ、方程式(A)および(B)に従って計算され、
    Figure 0004080865
    Figure 0004080865
    上式中、
    AGは、以下の式によって定義され、
    Figure 0004080865
    Iは、評価において使用される特定のカラーパッチを識別する変数であり、
    Nは、評価において使用されるカラーパッチの総数である、
    方法。
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