JP4080508B2 - 旋光度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料の旋光度を測定する旋光度測定装置に関する。
従来、直線偏光を試料に入射させ、試料を透過した光束を検光子へ入射させ、フォトダイオードにより光電変換して得られた信号から、試料による偏光面の回転角度、すなわち旋光角(「旋光度」ともいう)を求めている。
偏光子の透過軸に対する検光子の透過軸の傾きをθとし、試料による旋光角をαとすると、フォトダイオードで受光する光強度Iは、I=T×I0cos(θ−α)2(式1)となる。ここで、Tは試料、偏光子及び検光子の反射や吸収による減衰すべてを考慮した透過率、I0は入射光の強度をあらわす。
式1から分かるように、検光子の回転に伴い、回転角度π(rad)毎に極小点が得られる。この極小点における検光子の角度から旋光角を求めることができる。
高精度・高感度化のために、偏光面振動方式が一般的に用いられており、以下、図18を用いて説明する。図18は、偏光面振動方式を用いた従来の旋光度測定装置を示す説明図である。図18において、光源1821から出射した単色光は、偏光子駆動回路1829により周波数f、角振幅θで振動している偏光子1822に入射することにより、偏光面が回転振動する直線偏光になる。
この直線偏光の光束を試料1825に入射させ、検光子1823を透過させると、周波数fの信号がフォトダイオード1824から得られる。このとき、試料1825の旋光度により、偏光面がαだけ回転しているとすると、偏光子1822と検光子1823を直交配置しておけば、試料1825が右旋光か左旋光かにより位相の反転した信号が得られる。
そして、フォトダイオード1824から得られる信号を増幅回路1826で増幅し、整流/濾波回路1827で同期・整流し、位相を求める。その位相に応じて、検光子駆動回路1828を介して検光子1823を正逆いずれかに回転させる。これにより、透過光量が最小となるように光学的零位法によって検光子角度を決定する。この平衡点における検光子角度は、試料1825の旋光角に対応する。
また、フォトダイオード1824の信号を変調周波数fで位相検波し、周波数fの信号成分を取り出し、この信号強度を最小にするように検光子角度を調整しても同様の結果が得られる。
偏光面を振動・回転させる方法として、機械的に偏光子を回転させる方法の他、ファラデー効果を利用するファラデーローテータを用いる方法もおこなわれている。例えば、磁場を印加しファラデー効果を利用した旋光度測定方法が、公開されている(例えば、下記特許文献1における図7を参照。)。
また、旋光度を求める同様の手法において、前述のファラデー素子に代表される変調素子として、液晶素子を使う手法も開示されており、低消電駆動、小型化等の利点を持っている(例えば、下記特許文献2における図7を参照。)。
また、直線光を旋光させるために液晶素子を使用することについては、液晶素子と4分の1波長板を組み合わせたセナ―モント旋光器がある。また、この発展形としては、可変電圧印加可能な3つの液晶素子を光照射方向に対して直列に配置させ、より自由度の高い光変調が可能になる装置の発明がある(例えば、下記特許文献3における図3を参照。)。
また、液晶素子の旋光性を用いた濃度測定装置としては、従来の機械的な動作部がないことを特徴としている発明がある(例えば、下記特許文献4における図2を参照。)。
さらなる発展形として、液晶素子による位相変調を周期的に行うことにより、高精度で安定した測定が可能な発明もある(例えば、下記特許文献5における図3を参照。)。図19は、従来の濃度測定装置の光学系を示す説明図である。
図19において、レーザーダイオード1921から出射した光束は、レンズ1922でコリメートされて、平行光となる。そして、この平行光は、偏光子1923Aにより、垂直方向から45°傾斜した方向に振動する直線偏光になる。
つぎに、偏光子1923Aから出射された光の水平方向もしくは垂直方向の偏光成分が、液晶素子1931により位相変調される。液晶素子1931は、水平方向もしくは垂直方向に液晶分子長軸が揃ったホモジニアス配向の液晶素子である。このホモジニアス配向の液晶素子1931では、電圧印加により液晶分子が立ち、分子長軸方向の屈折率が変化し、位相変調をおこなうことができる。ここで、液晶素子1931により一方の偏光成分のみに位相変調を加えると、直交する偏光成分どうしで干渉させることになる。
つぎに、液晶素子1931を透過した透過光は、ハーフミラー1924により反射光と直進光に分岐される。直進光は、水平軸および垂直軸が45°傾斜した4分の1波長板1926Aに入射する。これにより、入射された直進光の水平・垂直方向の振動成分を、それぞれ反対方向に回転する円偏光成分に変換することができる。
さらに、4分の1波長板1926Aを透過した直進光が被検試料1925に入射することにより、被検試料1925の旋光度に伴った右回り円偏光と左回り円偏光間で±θの位相差が与えられる。すなわち、4分の1波長板1926Aを透過した直進光が被検試料1925に入射することにより、被検試料1925の旋光度に伴って、位相差が±θとなる右回り円偏光および左回り円偏光を出射することとなる。
一方、ハーフミラー1924による反射光は、偏光子1923Cに入射する。そして、偏光子1923Cを透過した光は、フォトダイオード1929Bに入射されて電気信号に変換され、ビート信号を生成する。
また、被検試料1925から出射した右回り円偏光および左回り円偏光は、4分の1波長板1926Aと光軸が一致もしくは直交する4分の1波長板1926Bを透過することにより、それぞれ水平もしくは垂直方向に直交する偏光成分に変換される。
そして、4分の1波長板1926Bを透過した透過光が、水平もしくは垂直方向から45°傾斜した偏光子1923Bを透過することにより、上述の直交する偏光成分間の干渉信号を得ることができる。また、この直交する偏光成分のうち一方の光束が位相変調されているためビート信号が得られ、フォトダイオード1929Aにより電気信号に変換される。フォトダイオード1929Bより得られるビート信号は、被検試料1925の旋光度の影響は受けておらず、フォトダイオード1929A、1929Bの信号間の位相差により、被検試料1925の旋光度を求めることができる。
特開平9−145605号公報 特開2002−277387号公報 特開平7−218889号公報 特開2001−356089号公報 特開平2002−277387号公報
しかしながら、上述したように、測定に必要な旋光素子を実現するためには、偏光子を機械的に回転させたり、ファラデーローテータに代表されるように、ファラデー効果を利用した旋光変調をおこなう必要があった。そのため、装置の大型化および高価格化を招いているという問題があった。
一方、液晶素子を用いれば、装置の小型化および低消電駆動が可能であるが、温度、気圧等、外部環境による変動が大きくなるという問題があった。そのため、測定結果の安定性を高めるには、温度コントロール等の付加的な装置が必要となり、やはり、装置の大型化、高価格化を招いているという問題があった。
また、上述のような液晶素子を用いて光測定するシステムを具体的に実現する場合には、液晶素子および光学部品をどのように保持する構造にするかが重要となる。しかしながら、上記従来例ではそれらの点が開示されておらず、安定して精度良く測定することができないという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、簡単な構成によって、装置の小型化かつ旋光度測定の高精度化を図ることができる旋光度測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明の旋光度測定装置は、直線偏光を出力する直線偏光出力手段と、所定方向の第1の偏光軸を有する第1の位相変調部と前記第1の偏光軸に直交する第2の偏光軸を有する第2の位相変調部とによって互いの位相変調量の変化分をキャンセルするように構成され、前記直線偏光出力手段から出力された直線偏光を位相変調する、液晶素子からなる位相変調手段と、前記直線偏光を位相変調する所定振幅の変調信号を、前記第1および第2の位相変調部のうちいずれか一方の位相変調部に供給する信号供給手段と、前記信号供給手段によって前記第1および第2の位相変調部のうちいずれか一方の位相変調部に変調信号が供給されたことにより、前記位相変調手段から旋光性物質を含む試料へ出射される光が、前記旋光性物質によって旋光されて前記試料から透過することによって、その透過してくる光の強度を検出する光強度検出手段と、前記信号供給手段によって供給された変調信号と、前記光強度検出手段によって検出された光の強度と、に基づいて、前記試料の旋光度を算出する旋光度算出手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、外界の温度変化、気圧変化等により、第1の位相変調部および第2の位相変調部の変調特性が変化した場合、偏光軸が直交しているため、その変化分をキャンセルすることができる。
また、上述した発明において、前記信号供給手段は、さらに、所定のオフセット信号を前記第1および第2の位相変調部に供給し、前記光強度検出手段は、さらに、前記信号供給手段によって前記第1および第2の位相変調部に所定のオフセット信号が供給されたことにより、前記位相変調手段から旋光性物質を含む試料へ出射される光が、前記旋光性物質によって旋光されて前記試料から透過することによって、その透過してくる光の強度を検出することを特徴とする。
この発明によれば、第1の位相変調部および第2の位相変調部の動作の安定化を図ることができるとともに、第1の位相変調部および第2の位相変調部の偏光軸が直交しているため、所定のバイアス信号をキャンセルすることができ、所望の位相変調量のみを得ることができる。
また、上述した発明において、前記第1の位相変調部は、前記第1の偏光軸の方向を液晶配向方向とする第1の液晶素子を備え、前記第2の位相変調部は、前記第2の偏光軸の方向を液晶配向方向とする、前記第1の液晶素子と異なる第2の液晶素子を備えることを特徴とする。
この発明によれば、位相変調手段として液晶素子を採用することにより、外界の温度変化、気圧変化等により、第1の液晶素子および第2の液晶素子の変調特性が変化した場合、配向方向が直交しているため、その変化分をキャンセルすることができる。これにより、液晶素子の駆動の安定化を図ることができ、第1の液晶素子と第2の液晶素子に供給された信号の差異の変動量のみの位相変調をおこなうことができる。また、この変化分のキャンセルにより、液晶素子による変調量が最小となり、液晶素子以外の光学部品の光軸の位置を容易に決定することができる。
また、上述した発明において、前記第1および第2の液晶素子は、所定の製造工程によって製造された同一の液晶基板に作製された同一構造の液晶素子であることを特徴とする。特に、前記第1の液晶素子は、前記液晶基板の任意の位置に作製された液晶素子であり、前記第2の液晶素子は、前記液晶基板において前記第1の液晶素子の近傍に作製された液晶素子であることが好ましい。
この発明によれば、第1および第2の液晶素子が同一の仕様で作成されているため、温度変化等の外界の環境の変化により、第1および第2の液晶素子の変調特性が変化した場合、同一の特性変化を示し、互いに直交していることから、変化分を互いにキャンセルする方向に働かせることができる。
また、上述した発明において、前記第1および第2の液晶素子は、ホモジニアス型の液晶素子であることを特徴とする。
この発明によれば、ホモジニアス型の液晶素子を採用することにより、各液晶素子の配向方向を一方向に特定することができ、装置の作成を容易におこなうことができる。
また、上述した発明において、前記第1および第2の液晶素子は、液晶を挟む電極基板および対向基板を備え、前記液晶配向方向が同一方向である同一構造の液晶素子であり、前記第1の液晶素子の液晶配向方向と前記第2の液晶素子の液晶配向方向とが直交するように、前記直線偏光出力手段から前記光強度検出手段へ向かう光路上に直列して配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、第1および第2の液晶素子が同一構造であるため、温度変化等の外界の環境の変化により、第1および第2の液晶素子の変調特性が変化した場合、同一の特性変化を示し、互いに直交していることから、変化分を互いにキャンセルする方向に働かせることができる。
また、上述した発明において、前記第1および第2の液晶素子は、前記電極基板どうしまたは前記対向基板どうしが対向するように配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、信号供給手段に対する配線接続を容易におこなうことができる。特に、第1および第2の液晶素子の液晶配向方向が垂直軸に対し45°傾斜している場合、第1および第2の液晶素子を、電極基板どうしまたは対向基板どうしが対向するように配置することにより、第1および第2の液晶素子の液晶配向方向を直交にすることができる。
また、上述した発明において、前記第1の液晶素子または前記第2の液晶素子のうちの少なくとも一つが、第1の電極を有する矩形状の第1の基板と、前記第1の電極とともに液晶を挟む第2の電極を有する矩形状の第2の基板と、前記信号供給手段からの信号を前記第1の電極に入力する第1の入力電極と、前記信号供給手段からの信号を前記第2の電極に入力する第2の入力電極と、を備え、前記第2の基板の一の端辺の近傍に、当該端辺に沿って前記第1および第2の入力電極を備えるとともに、前記第2の基板の一の端辺とは異なる端辺の近傍にも、前記第1および第2の入力電極を備えることを特徴とする。
特に、前記第1の液晶素子は、第1の電極を有する矩形状の第1の基板と、前記第1の電極とともに液晶を挟む第2の電極を有し、前記第1の基板よりも大きい矩形状の第2の基板と、前記信号供給手段からの信号を前記第1の電極に入力する第1の入力電極と、前記信号供給手段からの信号を前記第2の電極に入力する第2の入力電極と、を備え、前記第2の基板の一の端辺の近傍に、当該端辺に沿って前記第1および第2の入力電極を直列に配列し、前記第2の基板の一の端辺に直交する端辺の近傍に、当該端辺に沿って前記第1および第2の入力電極を直列に配列した構成であり、前記第2の液晶素子は、前記第1の液晶素子と液晶配向方向が同一方向であり、かつ同一構造の液晶素子であり、前記第1および第2の液晶素子は、前記第1の液晶素子の液晶配向方向と前記第2の液晶素子の液晶配向方向とが直交するように、前記直線偏光出力手段から前記光強度検出手段へ向かう光路上に直列して配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、信号供給手段に対する第1および第2の液晶素子の配線引き出し方向の共用化を図ることができる。
また、上述した発明において、さらに、前記第1および第2の液晶素子を保持する液晶素子保持手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、第1および第2の液晶素子を同一条件下で保持することができる。
また、上述した発明において、さらに、前記直線偏光出力手段から前記光強度検出手段へ向かう光路上に前記試料を挟んで直列して配置された一対の4分の1波長板を備えることを特徴とする。
この発明によれば、前記直線偏光出力手段側の4分の1波長板によって、位相変調手段からの光を直線偏光に変換して試料に入射することができるとともに、この4分の1波長板によって生じる誤差を、前記光強度検出手段側の4分の1波長板によってキャンセルすることができる。
また、上述した発明において、前記第1の位相変調部は、単一の液晶素子を構成する複数の画素のうち、一部の画素によって構成される第1の画素群であり、前記第2の位相変調部は、前記単一の液晶素子を構成する複数の画素のうち、一部の画素以外の他の画素によって構成され、前記他の画素を前記一部の画素と交互に配列した第2の画素群であることを特徴とする。
この発明によれば、2つの液晶素子を直列に配列した場合と同様の効果を得ることができる。また、上記位相変調手段を、単一の液晶素子によって構成することができるため、装置内の省スペース化および部品点数の減少を図ることができる。
また、上述した発明において、さらに、前記第1および第2の画素群と前記光強度検出手段との間に設けられ、前記第1および第2の画素群から前記試料に出射されることにより、前記試料内の旋光性物質によって旋光されて前記試料から透過してくる光を集光し、前記光強度検出手段に出射する集光手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、画素数が微小である場合でも、2つの液晶素子を直列に配列した場合と同様の効果を得ることができる。また画素数の少ない単一の液晶素子を採用することができ、液晶素子の低廉化を図ることができる。
また、上述した発明において、前記信号供給手段によって供給される所定のオフセット信号は、前記液晶素子の位相変調量がリニアに変化する区間内の信号であることを特徴とする。
この発明によれば、前記液晶素子の位相変調量がリニアに変化する区間の信号を用いているため、第1の液晶素子と第2の液晶素子に供給された信号の差異の変動量は微小な範囲の変動量でもよい。したがって、この変動量の範囲を狭くすることができ、位相変調の感度を向上することができる。
また、上述した発明において、前記第1の位相変調部は、前記第1の偏光軸の方向を液晶配向方向とする第1の液晶素子を備え、前記第2の位相変調部は、前記第2の偏光軸の方向を液晶配向方向とする、前記第1の液晶素子と異なる第2の液晶素子を備え、前記信号供給手段によって供給される所定のオフセット信号は、前記液晶素子の位相変調量がリニアに変化する区間内の信号であることを特徴とする。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(旋光度測定装置のハードウェア構成)
まず、この発明の第1の実施形態にかかる旋光度測定装置のハードウェア構成について説明する。図1は、この発明の第1の実施形態にかかる旋光度測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1において、旋光度測定装置100は、光源101と、偏光子102Aと、旋光素子103と、偏光子102Bと、フォトダイオード107と、演算処理装置108と、液晶駆動装置109と、を備えている。
光源101は、たとえば、レーザーダイオードと駆動回路と発振回路と直流電源から構成されている。駆動回路は、レーザーダイオードを単一強度、単一周波数となるように駆動する。また、発振回路は、駆動回路に対しクロック信号を出力する。これにより、光源101は、直流電源から電源供給を受けて、偏光子102Aに対し所定波長のレーザー光を照射する。
偏光子102Aは、垂直方向を示すY軸方向の偏光軸を有する。偏光子102Aは、光源101から照射されるレーザー光を直線偏光に変換する。そしてこの直線偏光を旋光素子103に出射する。
また、旋光素子103は、液晶素子104Aと、液晶素子104Bと、4分の1波長板105とを備え、偏光子102Aを透過した直線偏光を変調する。具体的には、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bは、入射されてくる直線偏光を楕円偏光に変換する。また、4分の1波長板105は、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bによって得られた楕円偏光を直線偏光に変換する。そして、この直線偏光を試料106に出射する。
偏光子102Bは、水平方向を示すX軸方向の第2の偏光軸を有する。すなわち、偏光子102Aの偏光軸と偏光子102Bの偏光軸とは、直交している。偏光子102Bは、試料106を透過した光を入射する。この偏光子102Bを透過した光は、フォトダイオード107に出射される。
フォトダイオード107は、入射光を光電変換する。そして、この光電変換により得られた電気信号を演算処理装置108に出力する。
演算処理装置108は、光源101内のレーザーダイオードに対する直流電源の供給入力処理、液晶駆動装置109の駆動入力処理、試料106の旋光度の演算処理、試料106の旋光度の出力処理、試料106内の旋光性物質、たとえば、糖類、アミノ酸、蛋白質、ビタミンなどの濃度の演算処理などを実行する。
液晶駆動装置109は、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bに、所定のバイアス電圧を供給するとともに、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bのうちいずれか一方の液晶素子に、所定のバイアス電圧に重畳する所定振幅の変調電圧を供給する。
(液晶素子の配置構成)
つぎに、図1に示した液晶素子104Aおよび液晶素子104Bの配置構成について具体的に説明する。図2は、図1に示した液晶素子104Aおよび液晶素子104Bの配置構成を示す説明図である。図2において、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bは、光路L上に直列に配置されている。この光路Lは、光源101からフォトダイオード107までの光の進路である。
液晶素子104Aは、対向基板入力電極201Aを有する対向基板202Aと、電極基板入力電極203Aを有する電極対向基板204Aと、を備えたホモジニアス型の液晶素子である。対向基板202Aと電極基板204Aとの間には、図示しない液晶が設けられている。対向基板入力電極201Aおよび電極基板入力電極203Aは、図1に示した液晶駆動装置109と電気的に接続されている。ここで、入射方向をあらわす光路Lに直交する平面において、水平方向をあらわす軸をX軸、当該平面においてX軸に直交する軸をY軸とする。液晶素子104Aの配向方向である偏光軸205Aは、Y軸に対し、右(時計回り方向)に45°旋回している。
同様に、液晶素子104Bは、対向基板入力電極201Bを有する対向基板202Bと、電極基板入力電極203Bを有する電極基板204Bと、を備えたホモジニアス型の液晶素子である。対向基板202Bと電極基板204Bとの間には、図示しない液晶が設けられている。対向基板入力電極201Bおよび電極基板入力電極203Bは、図1に示した液晶駆動装置109と電気的に接続されている。液晶素子104Bの配向方向である偏光軸205Bは、Y軸に対し、左(反時計回り方向)に45°旋回している。
また、液晶素子104Bの対向基板202Bは、液晶素子104Aの電極基板204Aと対向している。すなわち、液晶素子104Bは、液晶素子104Aと同一の液晶素子を90°回転させた液晶素子である。したがって、液晶素子104Aの配向方向である偏光軸205Aと、液晶素子104Bの配向方向である偏光軸205Bとは、直交している。
これにより、光源101から出射した光束は、偏光子102Aにより、直線偏光になる。次に、旋光素子103に入射し、偏光面が僅かに回転する。旋光素子103は液晶素子104Aおよび液晶素子104Bと、4分の1波長板105とより構成されており、液晶駆動装置109により駆動されている。旋光素子103により僅かに旋光した透過光は、試料106に入射し、偏光子102Bを透過し、光電変換素子として機能するフォトダイオード107で光強度に応じた電気信号、すなわち、試料信号に変換される。
ここで、旋光素子103の構成要素として用いた液晶素子104Aおよび液晶素子104Bは、液晶分子長軸がすべて平行に並んだホモジニアス型の液晶素子である。そして、上下の電極間に電圧を印加していない場合は、ガラス基板と平行に液晶分子がならんでいる。液晶分子には屈折率異方性があり、液晶分子長軸及び短軸方向に平行な偏光成分間でΔnだけ屈折率が異なる。ここで、上下の電極間に電圧を印加すると、電界に沿って液晶分子が立ち、電圧可変の複屈折素子として動作する。
この液晶素子104Aおよび液晶素子104Bに、液晶配向方向と45°傾斜した直線偏光を入射させた場合、入射直線偏光は、液晶分子長軸と平行な電界成分と垂直な電界成分で、位相差2πΔn・d/λ(d:液晶層の厚さ、λ:波長)が生じる。これにより、偏光状態が変化し、直線偏光が楕円偏光になる。
このとき、2つの液晶素子104Aおよび液晶素子104Bは、その偏光軸205A、205Bが直交配置されている。2つの液晶素子104Aおよび液晶素子104Bによる位相変調量をそれぞれ、2π・Δn1・d/λおよび2π・Δn2・d/λとすると、透過光に加えられるリタデーション、すなわち直交する偏光成分間の位相差は、2π(Δn1−Δn2)・d/λとなる。
また、楕円偏光の方位角は、入射直線偏光に平行(もしくは直交)となっており、リタデーションがλ/2以下の場合、楕円偏光の楕円軸は入射直線偏光と一致する。ここで、楕円軸と一致するような座標軸をとれば、直交する座標軸間の電界成分の位相差は常にπ(rad)となる。したがって、4分の1波長板105を配置することにより、直線偏光に変換できる。このとき、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bより受けたトータルのリタデーションに比例する角度だけ偏光面が回転し、旋光素子103として動作させることができる。
(液晶素子の位相変調特性)
つぎに、液晶素子の位相変調特性について説明する。図3は、液晶素子の位相変調特性を示すグラフである。図3において、横軸は、液晶駆動装置109から供給される液晶駆動電圧値をあらわす軸であり、縦軸は、液晶素子104(104A、104B)に入射される直線偏光の位相変調量をあらわす軸である。曲線は液晶素子104(104A、104B)の位相変調特性曲線を示している。
一般に液晶素子の変調特性は、図3のようになっており、液晶分子の立ち上がりの部位は動作が不安定であると同時に、駆動電圧とリニアな関係にない。そこで、オフセット電圧Voを中心に駆動するのが望ましいが、所望の位相変調量がtbとしても、オフセット電圧Voに対応する位相変調量toが、余計なオフセット量として位相変調量tbに重畳されてしまう。
このとき、変調をおこなう液晶素子を2つの液晶素子(上述した液晶素子104Aおよび液晶素子104B)から構成し、互いの液晶配向方向を直交させる。図4は、互いの液晶配向方向が直交しあう液晶素子104Aおよび液晶素子104Bに駆動電圧を印加したときの説明図である。ここで、図4において、縦軸は駆動電圧、横軸は時間をあらわす。液晶は分極を防ぐため、直流駆動ではなく液晶分子の応答できない高い周波数で交流駆動している。位相変調量は駆動信号の包絡線に対応して変調される。
波形401は、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bのうち一方の液晶素子に、バイアスとなる直流電圧(「オフセット電圧」ともいう)Voおよび所定振幅の交流電圧Vbを印加した波形である。また、波形402は、他方の液晶素子にオフセット電圧Voのみを印加した波形である。波形403は、波形401および波形402から得られる波形である。
液晶素子104Aおよび液晶素子104Bをオフセット電圧Voで変調するとともに、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bのうちいずれか一方の液晶素子を、所定振幅の交流電圧Vbで変調することにより、波形401および波形402を得ることができる。そして、波形401から波形402、すなわち、オフセット電圧Vo分、相殺されることにより、オフセット電圧Voの位相変調量toをキャンセルすることができ、波形403に示したように、所望の位相変調量tbのみを得ることができる。
このとき、温度変化等の外界の環境の変化により、液晶素子の変調特性が変化した場合、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bを同一の仕様で作成しておけば、同一の特性変化を示し、互いに直交していることから、変化分を互いにキャンセルする方向に働かせることができる。
たとえば、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bを同一電圧によって駆動した場合、一方の液晶素子104A(または液晶素子104B)が同一電圧で位相変調量がΔPだけ増えたとすると、他方の液晶素子104B(または液晶素子104A)の位相変調量もΔPだけ増える。そして、直交する成分によってそれぞれ位相変調量ΔPが加わることになるため、液晶素子104Aの増加した位相変調量ΔPと、液晶素子104Bの増加した位相変調量ΔPとは相殺される。したがって、偏光状態の変化はなく、測定結果への影響をキャンセルすることができる。
また、一個の液晶素子を用いた場合、図3に示した液晶素子の変調特性(曲線)のリニアな部分を使用すると、所望の交流電圧Vbの位相変調量tbを与えるのに、直流電圧Voが同時に印加され、必要のない偏光状態の変調が印加されることとなり、安定性の低下を招いている。
また、液晶素子から出射された光束が入射される光学素子の配置や、液晶素子から出射された光束の光軸方向は、液晶素子から出射された光束の偏光状態によって決められる。したがって、液晶素子から出射された光束の偏光状態をあらかじめ決める必要がある。このとき、オフセット電圧Voによる余計な変調量により、液晶素子から出射された光束の偏光状態の決定が困難になる。したがって、所望の偏光状態を得るには、液晶素子の設計が困難になると同時に、製作に高い精度が要求される。例えば、光電変換素子として機能するフォトダイオード107の前面に置かれる偏光子102Bの偏光軸は、出射直線偏光の光軸に直交されていることが望ましい。
このように、液晶素子の変動の影響をキャンセルすることにより、測定データの安定化を図ることができ、測定精度の向上が期待できる。また、光学系の設計および液晶素子の設計が容易になり、製作精度の緩和を図ることができる。
つぎに、旋光素子103によって旋光された旋光角変調量とフォトダイオード107によって検出された光強度との関係について説明する。図5Aは、旋光素子103によって旋光された旋光角変調量とフォトダイオード107によって検出された光強度との関係を示すグラフであり、図5Bは、図5Aの部分拡大図である。図5Aにおいて、実線で示した波形501、503、506は、試料106がない場合の波形であり、一点鎖線で示した波形504、505、507は、試料106がある場合の波形である。
旋光角度の変調量に対して、光強度は図5Aの大きな正弦波501のように変化する。液晶素子を1つで構成し、オフセット電圧Voおよび所定振幅の交流電圧Vbを印加した場合、液晶素子への変調の位相変調量(「オフセット量」ともいう)toにより、液晶素子の変調周波数fの変調周波数信号502の振動中心502Aが旋光角度0の極小値501Aからオフセット量toに対応する旋光角度Po分ずれ、この旋光角度Poを振動中心として、図3に示した所定振幅の交流電圧Vbの位相変調量tbに対応する旋光角度幅Pbの範囲、たとえば、図5Aの範囲(1)で変調することとなる。
変調周波数信号502をこの範囲(1)で変調すると、フォトダイオード107から得られる信号波形は、試料がない状態では、周波数fの信号波形503となる。ここで、試料106を入れた場合、正弦波501は試料の旋光度Ps分ずれた正弦波形504となる。
この場合、試料106の旋光度Psにより、周波数fの信号波形503の振動中心503Aが振動中心505Aにずれても、得られる信号波形505は信号波形503に対し直流成分の大きさが変化するだけで、光源強度の変動の影響と試料透過率の変動の影響とを分離することができない。したがって、試料106の旋光度Psには光源強度変動分の誤差が含まれることとなる。
このため、変調周波数信号502の振動中心502Aを極小値501Aに一致させる必要がある。一方、オフセット電圧Voに対応する位相変調量toが正確に2πの整数倍である必要がある。したがって、位相変調幅を大きくし、位相変調量の絶対値を精度よく再現しなければならないなど、液晶素子への要求が高くなってしまう。
これに対して、上述のように、液晶素子を2個で構成する。たとえば、液晶素子104Aに印加するオフセット電圧Voを中心に振幅Vbだけ正弦波状に変化させ、位相変調をおこなう(図4の波形401を参照)。一方で液晶素子104Bにより、オフセット電圧Voの位相変調をおこなう(図4の波形402を参照)。これにより、旋光素子103としては、旋光角度が振幅Vbに対応して僅かに正弦波状に振動駆動させることができる(図4の波形403を参照)。
試料106がない状態で、偏光子102A、102Bの透過軸の向きを直交配置し、変調範囲の振幅中心502Aを正弦波501の極小値501Aに一致させると、液晶素子の変調周波数をfとするとき、変調周波数信号502を、図5Aに示した範囲(2)で変調することができ、周波数2fの信号506が得られる。
ここで、試料106を挿入し、試料による旋光が生じると、変調範囲の中心値502Aが極小値501Aから僅かにずれ、信号波形506の形状が信号波形507に変化する。この信号波形507は、隣り合う波高507Aおよび507Bの値が異なっているため、この信号波形507をA/D変換し、演算処理装置108に取り込んで、試料106の旋光度を求めることができる。代表的な演算方法として、周波数2fで同期検波する方法がある。また、信号波形507の振幅、具体的には、波高507Aおよび507Bの波高比から、試料106の旋光度を求めることもできる。
このとき、外界の温度変化、気圧変化等により液晶素子104Aの変調量が、ΔPだけ増えたとすると、液晶素子104Bの変調量もΔPだけ増え、液晶配向方向が直交していることから、変調量の変動は互いにキャンセルする方向に働く。また、オフセット量toのキャンセルにより、液晶素子による変調量が最小となり、液晶素子以外の光学部品の光軸の配置が容易に決定できる。
(演算処理装置のハードウェア構成)
つぎに、図1に示した演算処理装置108の具体的なハードウェア構成について説明する。図6は、図1に示した演算処理装置108の具体的なハードウェア構成を示すブロック図である。
図6において、演算処理装置108は、CPU601と、ROM602と、RAM603と、HDD(ハードディスクドライブ)604と、HD(ハードディスク)605と、ディスプレイ606と、入力キー607と、プリンタ608と、を備えている。また、各構成部は、バス600によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU601は、演算処理装置108の全体の制御を司る。ROM602は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用される。HDD604は、CPU601の制御にしたがってHD605に対するデータのリード/ライトを制御する。HD605は、HDD604の制御で書き込まれたデータを記憶する。
ディスプレイ606は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ606は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を採用することができる。
入力キー607は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーである。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。プリンタ608は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ608には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
(旋光度測定装置の機能的構成)
つぎに、この発明の第1〜第6の実施形態にかかる旋光度測定装置の機能的構成について説明する。図7は、この発明の第1〜第6の実施形態にかかる旋光度測定装置の機能的構成を示すブロック図である。図7において、旋光度測定装置100は、直線偏光出力部701と、位相変調部702と、信号供給部705と、光強度検出部707と、旋光度算出部708と、入力部709と、出力部710と、を備えている。
直線偏光出力部701は、直線偏光を出力する。この直線偏光出力部701は、具体的には、たとえば、図1に示した光源101および偏光子102Aによってその機能を実現する。
位相変調部702は、第1の位相変調部703と第2の位相変調部704とを備える。第1の位相変調部703は、所定方向の第1の偏光軸を有し、直線偏光出力部701から出力された直線偏光を位相変調する。この第1の位相変調部703は、図1に示した液晶素子104Aによってその機能を実現する。また、第2の位相変調部704は、第1の偏光軸に直交する第2の偏光軸を有し、直線偏光出力部701から出力された直線偏光を位相変調する。この第2の位相変調部704は、具体的には、たとえば、図1に示した液晶素子104Bによってその機能を実現する。したがって、第1の偏光軸の方向は、配向方向205Aに対応し、第2の偏光軸の方向は、配向方向205Bに対応する。
信号供給部705は、直線偏光を位相変調する所定振幅の変調信号を、第1の位相変調部703および第2の位相変調部704のうちいずれか一方の位相変調部に供給する。この所定振幅の変調信号は、具体的には、たとえば、図3に示した所定振幅の交流電圧Vbである。
また、信号供給部705は、所定のバイアス信号を、第1の位相変調部703および第2の位相変調部704に供給する。この所定のバイアス信号は、具体的には、たとえば、図3に示したオフセット電圧Voである。この信号供給部705は、具体的には、たとえば、図1に示した液晶駆動装置109によってその機能を実現する。
光強度検出部707は、信号供給部705によって信号が供給された第1の位相変調部703および第2の位相変調部704から旋光性物質を含む試料106へ出射される光が、旋光性物質によって旋光されて試料106から透過することにより、その透過してくる光の強度を検出する。
この光強度検出部707は、具体的には、たとえば、図1に示したフォトダイオード107によってその機能を実現する。また、光強度検出部707は、フォトダイオード107のほか、逆方向バイアスされたシリコン半導体のPN接合素子、ホトトランジスタ素子、硫化カドミウム光伝導素子等を用いることができる。
旋光度算出部708は、信号供給部705によって供給された変調信号と、光強度検出部707によって検出された光の強度と、に基づいて、試料106の旋光度を算出する。具体的には、図5Aに示した信号波形507の波高507Aおよび波高507Bの波高比から、試料106の旋光度を算出する演算式、またはこの波高比と試料106の旋光度との相関関係を示す相関テーブルを用いて、試料106の旋光度を算出する。
すなわち、あらかじめ液晶の位相変調特性を測定しておくことにより、液晶駆動電圧Vbによって変調される位相変調幅Pbが既知の値となる。したがって、試料106の旋光度による波高比の変化は数式によって厳密に算出することができ、逆に波高比から試料106の旋光度を算出する演算式も求めることができる。この演算式を用い、比旋光度が既知である試料濃度を求めることができる。また、より実際には、あらかじめ比旋光度が既知である試料を用い、濃度と波高比の相関関係の検量線を求めておき、これを用い波高比から試料の濃度を求めることができる。
この旋光度算出部708は、具体的には、たとえば、図6に示したROM602またはRAM603に格納されたプログラムをCPU601が実行することによってその機能を実現する。
入力部709は、図1に示した光源101内のレーザーダイオードに対する直流電源の供給入力処理、液晶駆動装置109の駆動入力処理、試料106の旋光度の演算処理などの入力操作をおこなう。この入力部709は、具体的には、たとえば、図6に示した入力キー607によってその機能を実現する。
出力部710は、旋光度算出部708によって算出された試料106の旋光度を出力する。この出力部710は、具体的には、たとえば、図6に示したディスプレイ606またはプリンタ608によってその機能を実現する。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、低消電駆動可能な小型の液晶素子104(104A、104B)を変調素子として用いることにより、試料106の旋光度を高精度に測定することができるという効果を奏する。
また、液晶素子104(104A、104B)の変調特性が安定している駆動電圧範囲、すなわちオフセット電圧Voを利用することにより、微小な変調幅Vbの変調をおこなうことができ、高精度な測定をおこなうことができるという効果を奏する。
さらに、液晶素子104(104A、104B)の変調範囲、変調量の絶対値への要求を緩和できるため、液晶素子104(104A、104B)の設計を容易にし、製造精度を緩和することができるという効果を奏する。
また、液晶素子104(104A、104B)の外部環境による変動をキャンセルでき、測定結果の安定化および測定精度の向上を図ることができるという効果を奏する。
(第2の実施形態)
つぎに、この発明の第2の実施形態について説明する。図8は、この発明の第2の実施形態にかかる旋光度測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。この第2の実施形態にかかる旋光度測定装置800では、光路L上において、試料106を2つの4分の1波長板105A、105Bで挟んだ構成となっている。なお、図1のハードウェア構成と同一構成には同一符号を付している。
図8は、第2の実施形態の構成図を示している。光源101から出射した光束は、偏光子102Aにより直線偏光になる。次に、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bが配置されている。液晶素子104Aおよび液晶素子104Bは、ホモジニアス型の液晶素子を用いている。液晶素子104Aおよび液晶素子104Bの液晶分子配向方向は、互いに直交しており、入射する直線偏光の偏光軸と±45°の角度とされている。液晶素子104Aおよび液晶素子104Bに駆動電圧が印加されると、直交する偏光成分間で位相差を与える位相変調素子として動作させることができる。
これにより、入射した直線偏光は、楕円偏光に変換され、位相変調量を大きくするにつれ、楕円率が小さくなり、位相差がπ/2のときに円偏光となる。さらに変調量を大きくすると、入射した直線偏光と直交している楕円偏光となる。そして、位相差がπのときに再び直線偏光となる。したがって、入射直線偏光に平行な透過軸を持った偏光子を介して光強度を観察すると、位相差2π(rad)毎に明暗を繰り返す正弦波状の信号が得られる。
つぎに、4分の1波長板105Aを透過し、試料106に入射する。液晶素子104Aおよび液晶素子104Bで変調された直交する2つの偏光成分は、4分の1波長板105Aにより、それぞれ右回りと左回りの円偏光に変換される。旋光は右回りと左回りの円偏光間の屈折率差によって生じるので、それぞれの円偏光は試料106の旋光度に見合った位相変調を受ける。これにより、旋光角がθ(rad)の場合、2つの偏光成分間には2θ(rad)の位相差が生じる。
さらに、4分の1波長板105Bを透過し、試料106により位相変調を受けた右回り円偏光と左回り円偏光を直交する直線偏光成分に変換する。これら2つの直線偏光を、その偏光方向に45°傾斜した偏光子102Bに透過させることにより、位相変調量を光強度に変換し、フォトダイオード107によって電気信号として取り出している。
このように第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の信号が得られ、得られた信号から試料の旋光度を求めることができる。このとき、変調素子として、2個の液晶素子を用いてその液晶配向方向を直交させておけば、第1の実施形態と同様にオフセット量のキャンセルができ、同様の効果が得られ、測定精度の向上が可能である。また、これと同一の理由で、2個の4分の1波長板の光軸を直交させておくことにより、温度や湿度等による4分の1波長板の特性の変化をキャンセルすることができ、測定精度の向上を図ることができる。
(第3の実施形態)
つぎに、この発明の第3の実施形態について説明する。図9は、この発明の第3の実施形態にかかる旋光度測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。以下、図9を用いて第3の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかる旋光度測定装置800で2個の液晶素子104A、104Bを使用していたのに変え、第3の実施形態にかかる旋光度測定装置900は、1つの液晶素子104を用い、液晶素子104に画素構造を持たせている。また、集光手段としてのレンズ941を追加し、その焦点面にフォトダイオード107を配置している。なお、図1および図8のハードウェア構成と同一構成には同一符号を付している。
液晶素子104は、複数の画素1005〜1008(図10Aでは4画素)からなっている。図10Aは、液晶素子104を示す正面図である。たとえば、図10Aには4画素からなる液晶素子104を示している。図5Aの矢印は液晶素子104を構成する各画素1005〜1008の配向方向1005A〜1008Aを示しており、各画素1005〜1008の配向方向が直交するように構成されている。具体的には、上下方向または左右方向に隣接する画素どうしでは、配向方向が直交しあい、対角方向の画素どうしでは、配向方向は平行となる。
画素毎に配向方向を変える手段としては、UV照射による手法が知られている。この手法では、任意のマスクを通してUV照射を行うことにより、UV照射された部位の配向方向が回転する。そして、照射時間によりその回転角を制御でき、90度回転させることもできる(例えば、 山口留美子、佐藤進著 「方位角アンカリング力制御による配向パターニング特性」 日本液晶学会討論会講演予稿集、2002年、p.119参照。)。
液晶素子104は、その画素1005〜1008の配向方向1005A〜1008Aにより駆動信号を変え、第1の実施形態の各液晶素子104A、104Bに印加していた信号を印加する。例えば、一方の配向方向1005A、1008Aの画素1005、1008には、オフセット電圧Voに、正弦波状に変化する振幅Vbを重畳した信号を加える。他方の配向方向1006A、1007Aの画素1006、1007には、オフセット電圧Voの信号を印加すればよい。
液晶素子104を透過した光束は、レンズ941により集光する。レンズ941による集光がない場合、各画素1005〜1008にその変調信号に見合った異なる信号が得られるが、レンズ941により集光することにより、焦点面に配置したフォトダイオード107上で干渉し、液晶素子104Aおよび液晶素子104Bを光線進行方向に直列に配置していたときと同様の信号が得られる。
また、図10Bは、画素構造を微細にした液晶素子104の正面図である。この液晶素子104では、N×Mの画素構造を有する。レンズ941により集光する代わりに、液晶素子104の画素構造を微細にし、画素の回折により直交する配向方向を持った画素間の光束が干渉するように構成すれば、第1および第2の実施形態と同様の効果が得られる。また、これにより、レンズ941を配置する必要がなく、部品点数の減少および旋光度測定装置の小型化を図ることができる。また画素構造を微細化するだけで、レンズ941の焦点位置調整をおこなう必要もなく、測定精度の向上を図ることができるという効果が得られる。
このように、上述した第1〜第3の実施形態にかかる旋光度測定装置は、光源と、光源からの光束を変調する旋光素子と、試料を透過した光束の特定の偏光成分を取り出す偏光子と、偏光子を透過した光束の光強度を電気信号に変換する光電変換素子を備え、旋光素子が2つの液晶素子と4分の1波長板からなり、液晶素子の液晶配向方向が互いに直交するように配置されていることとした。
また、光源と、光源からの光束を変調する位相変調素子と、試料の前後に配置した4分の1波長板と、4分の1波長板と試料を透過した光束の特定の偏光成分を取り出す偏光子と、偏光子を透過した光束の光強度を電気信号に変換する光電変換素子を備え、位相変調素子が2つの液晶素子からなり、液晶素子の液晶配向方向が互いに直交するように配置されていることとした。
さらに、光源と、光源からの光束を変調する旋光素子と、試料を透過した光束の特定の偏光成分を取り出す偏光子と、偏光子を透過した光束の光強度を電気信号に変換する光電変換素子を備え、旋光素子が液晶素子と4分の1波長板からなり、液晶素子の液晶配向方向が互いに直交する複数の画素から構成されることとした。
また、光源と、光源からの光束を変調する位相変調素子と、試料の前後に配置した4分の1波長板と、4分の1波長板と試料を透過した光束の特定の偏光成分を取り出す偏光子と、偏光子を透過した光束の光強度を電気信号に変換する光電変換素子を備え、位相変調素子として、液晶配向方向が互いに直交する複数の画素から構成される液晶素子からなることとした。
これにより、液晶素子の変動の影響をキャンセルすることができ、測定データの安定化を図ることができ、測定精度の向上が期待できる。また、光学系の設計及び、液晶素子の設計が容易になり、製作精度の緩和を図ることができる。
(第4の実施形態)
つぎに、この発明の第4の実施形態について説明する。図11は、光学測定装置(この発明の第1〜第3の実施形態にかかる旋光度測定装置)に用いられる液晶素子が作製された液晶基板の平面図である。この第4実施の形態では、液晶基板1100から任意の2つの液晶素子を切り出すこととしている。この液晶基板1100は、周知の製造工程によって製造された基板である。したがって、この液晶基板1100から切り出される2つの液晶素子は、同一の液晶配向方向であり、かつ同一構造の液晶素子となる。したがって、温度変化等の外界の環境の変化により、2つの液晶素子の変調特性が変化した場合、同一の特性変化を示し、互いに直交していることから、変化分を互いにキャンセルする方向に働かせることができる。
たとえば、切り出す2つの液晶素子のうち一方の液晶素子を、図11に示した液晶素子1101とすると、他方の液晶素子を、たとえば、液晶素子1111〜1113とすることができる。これにより、作製された液晶素子どうしは同一の液晶基板から1100から切り出されているため、他の液晶基板に作製された液晶素子の特性よりも近似する。したがって、この液晶素子どうしを背中合わせとすることにより、同一変動量をキャンセルすることができる。
また、液晶素子の作製位置は、互いに近接する位置にすることが好ましい。たとえば、切り出す2つの液晶素子のうち一方の液晶素子を、図11に示した液晶素子1101とすると、他方の液晶素子を、液晶素子1101の近傍位置、具体的には、液晶素子1101を囲む液晶素子1102〜1109の中から切り出すこととしてもよい。液晶素子1102〜1109は、液晶素子1111〜1113、その他液晶基板1100の液晶素子よりも、液晶素子1101に近接している。したがって、液晶素子1101と液晶素子1102〜1109との特性は同一となる。したがって、この液晶素子どうしを背中合わせとすることにより、同一変動量をキャンセルすることができる。
図12は、光学測定装置(この発明の第1〜第3の実施形態にかかる旋光度測定装置)に用いられる液晶素子の外観図である。図12において、左側の図は正面図を示し、右側の図は側面図を示す。
液晶素子1200は、対向基板1204と電極基板1205の間に液晶を挟んだ構成である。対向基板1204に形成された電極(図示せず)と電極基板1205に形成された電極(図示せず)へ電圧印加することにより液晶の状態を変化させて通過する光の状態を変化させる。
電極基板入力電極1202は、電極基板1205に形成された電極に電気的に接続されている。対向基板入力電極1201は、電極移し領域1203において、導電粒子を介して対向基板1204に形成された電極に電気的に接続されている。対向基板入力電極1201および電極基板入力電極1202は、電極取り出し面1207に形成されている。ここで、入射方向をあらわす光路Lに直交する平面において、水平方向をあらわす軸をX軸、当該平面においてX軸に直交する軸をY軸とする。配向方向1206は、正面から見て、Y軸から右45°の方向に液晶が平行配向されていることを示す。
ここで、従来どおり1つの液晶素子を用いて試料の旋光度を求めることができるが、2つの液晶素子を直列配置してその液晶配向方向を直交させておけば、より高精度の測定をすることが可能となる。すなわち、外界の温度変化や気圧変化等により1つ目の液晶素子の変調量が増えたとすると、2つ目の液晶素子の変調量も増え、液晶配向方向が直交していることから、変動は互いにキャンセルする方向に働くからである。
図13は、2つの液晶素子1200(1200A、1200B)を備えた旋光度測定装置における、光源と液晶素子部の配置を示す説明図である。光源1307はレーザーダイオードなどの発光の源である。レンズ1308は、光源1307からの光を平行光にするためのレンズである。偏光子1309は透過光を垂直方向のみの光を透過させるための光学素子である。
第1の液晶素子1200Aは、図12で示した構造であり、電極取り出し面1207Aが入射光側になるように配置されている。第2の液晶素子1200Bは、図12で示した構造であり、電極取り出し面1207Bが出射光側になるように配置されている。
すなわち、第1の液晶素子1200Aの電極基板1205と隣り合わせに第2の液晶素子1200Bの対向基板1204を配置すると、第2の液晶素子1200Bへの配線は第1の液晶素子1200Aの電極基板1205が障害物となるため取り出しにくい。これに対して、図13のように、第1の液晶素子1200Aの電極基板1205と隣り合わせに第2の液晶素子1200Bの電極基板1205を配置すると、障害物もないので、電極取り出し面1207Aと電極取り出し面1207Bからの配線は取り出しやすい。ここで、光路Lは光の経路と出射方向を矢印で示している。
配向方向1315は入射光側から見た第1の液晶素子1200Aの液晶平行配向方向1206を示しており、Y軸から右45°傾斜している。配向方向1316は入射光側から見た第2の液晶素子1200Bの液晶平行配向方向1206を示しており、Y軸から左45°傾斜している。すなわち、入射光から見た第1の液晶素子1200Aの液晶平行配向方向1315と第2の液晶素子1200Bの液晶平行配向方向1316は直交する。すなわち、温度などの外乱に対して安定した測定ができることとなる。
この第4の実施形態によれば、同じ工程で作製され同じ液晶平行配向方向で同じ構造をもつ液晶素子を背中あわせに配置することによって、温度などの外乱に対して安定した測定ができ、実装しやすい省スペースな構造をとることができるという効果を奏する。
(第5の実施形態)
つぎに、液晶素子と光源部の両方の温度制御を考慮した保持構造について説明する。図14は、第4の実施形態で説明した配置を、温度制御装置を備えた熱伝達が可能な保持構造に収めた場合の模式図である。図13に示した構成と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
筐体1455は、レンズ1308、偏光子1309、第1の液晶素子1200Aおよび第2の液晶素子1200Bを保持するとともに、熱伝達が可能な保持機構である。熱変換素子1456は、ペルチエ素子などの温度制御をするための素子である。すなわち、熱交換素子1456によって筐体1455を温度制御することにより、光源1307とともに液晶素子1200も温度制御される。
図15は、具体的な旋光度測定装置の断面図である。レーザーダイオード32は図14で示した光源1307に相当する。コリメートレンズ30は、図14で示したレンズ1308に相当する。偏光子33は、図14で示した偏光子1309に相当する。液晶素子38は、図14で示した第1の液晶素子1200Aに相当する。液晶素子39は、図14で示した第2の液晶素子1200Bに相当する。ここで、偏光子33は液晶素子38に貼り付けられている。
LDホルダー34はアルミ製であり、レーザーダイオード32およびコリメートレンズ30を保持するためのユニットである。LD押さえ31は、レーザーダイオード32をLDホルダー34に固定するための部品である。LD押さえ31は、レーザーダイオード32をLDホルダー34に設置した後、ねじ込むことにより挿入してレーザーダイオード32を固定する。サーミスタ51は温度測定素子であり、LDホルダー34の温度測定をおこなう。
液晶素子ホルダー37はアルミ製であり、偏光子33、液晶素子38および液晶素子39を保持するためのユニットである。スペーサー40は、偏光子33を貼り付けた液晶素子38と液晶素子ホルダー37の間の緩衝材である。スペーサー41は液晶素子38と液晶素子39の間の緩衝材である。スペーサー42は、液晶素子39と液晶素子ホルダー37の間の緩衝材であり、柔軟な材質であるゴム製である。液晶素子押さえ52は、2つの液晶素子38,39を、液晶素子ホルダー37にねじ留め固定(図示せず)するための部品である。
上記LDホルダー34と液晶素子ホルダー37は接続されており、互いにアルミ製であるので熱伝導する。断熱スペーサー48は、基板50とLDホルダー34および液晶素子ホルダー37を断熱するために設けられているプラスチック材である。ペルチエ素子47は、LDホルダー34と基板50の間に設けられており、LDホルダー34の温度を所定の温度に保つよう、サーミスタ51の温度測定結果に応じて基板50を介して外部と熱交換する。
この第5の実施形態にかかる光学測定装置の構造では、LDホルダー34の温度を一定にすると共に、高熱伝導性により、液晶素子ホルダー37も温度が一定となる。さらに、第4の実施形態で示した通り、2つの液晶素子の配置を互いに背中あわせにすることにより、液晶の配向方向が直交となるので精度の高い安定した測定がおこなえると同時に、入力のための配線が容易になるという効果を得ることができる。
以上、第4および第5の実施形態を示したが、光源と液晶素子を同時に温度制御することに関しては、液晶素子の数に制限はなく、1つでも複数でも同様である。また、LDホルダー34と液晶素子ホルダー37に分けた例を示したが、1系列の温度制御であれば勿論一体でもかまわないし、細分化した部位にしても同様である。
さらに、LDホルダー34中にレーザーダイオード32とコリメートレンズ30を含んでおり、液晶素子ホルダー37は液晶素子38、39と偏光子33を含んでいる例を示したが、各々光源と液晶素子が含まれていればよい。
また、液晶素子の配置については電極基板を背中合わせにする例を示したが、対向基板が背中合わせになる配置にすることによっても液晶の配向方向が直交となることは明らかであり、背中合わせになった2つの対向基板の厚みによるスペースが配線を取り出しやすくできるという効果を得ることができる。
(第6の実施形態)
つぎに、図12に示した液晶素子と異なる構造の液晶素子について説明する。図16は、図12に示した液晶素子1200Aおよび液晶素子1200Bと異なる構造の液晶素子1600Aおよび液晶素子1600Bの配置構成を示す説明図である。図16において、液晶素子1600Aおよび液晶素子1600Bは、光路L上に直列に配置されている。この光路Lは、光源からフォトダイオードまでの光の進路である。
液晶素子1600Aは、対向基板1604Aと電極基板1605Aの間に液晶を挟んだ構成である。対向基板1604Aに形成された電極(図示せず)と電極基板1605Aに形成された電極(図示せず)へ電圧印加することにより液晶の状態を変化させて通過する光の状態を変化させる。
対向基板1604Aおよび電極基板1605Aは、同一の矩形状の基板であり、大きさが異なっている。具体的には、たとえば、対向基板1604Aよりも電極基板1605Aの方が大きい基板となっている。ここで、対向基板1604Aおよび電極基板1605Aの対応する角が一致するように、対向基板1604Aと電極基板1605Aの間に液晶を挟むことにより、L字状の電極取り出し領域1607Aが形成される。
電極基板入力電極1602Aは、L字状の電極取り出し領域1607Aの屈曲領域1617Aにおいて略L形状に形成されている。電極基板入力電極1602Aは、電極基板1605Aに形成された電極に電気的に接続されている。
対向基板入力電極1601A、1610Aは、L字状の電極取り出し領域1607Aの両端部1627Aにそれぞれ形成されている。各対向基板入力電極1601A、1610Aは、それぞれ電極移し領域1603A,1630Aから、導電粒子を介して対向基板1604Aに形成された電極に電気的に接続されている。
また、ここで、入射方向をあらわす光路Lに直交する平面において、水平方向をあらわす軸をX軸、当該平面においてX軸に直交する軸をY軸とする。配向方向1606Aは、Y軸から右45°の方向に液晶が平行配向されていることを示す。
すなわち、この図16に示した液晶素子1600Aでは、電極基板1605Aの一の端辺近傍の表面に、当該端辺に沿って対向基板入力電極1601Aと電極基板入力電極1602Aとが直列に配列されている。また、電極基板1605Aの一の端辺に直交する端辺近傍の表面に、当該端辺に沿って対向基板入力電極1610Aと電極基板入力電極1602Aを直列に配列した構成である。
液晶素子1600Bは、液晶素子1600Aと同一構成の液晶素子であり、液晶素子1600Aを左周りに90度回転させた液晶素子である。したがって、液晶素子1600Bの各符号1601B〜1607B、1610B、1617B、1627B、1630Bの構成は、それぞれ、液晶素子1600Aの各符号1601A〜1607A、1610A、1617A、1627A、1630Aの構成と同一構成である。
また、液晶素子1600Bは、対向基板1604Bが液晶素子1600Aの電極基板1605Aと対向するように配置されている。さらに、液晶素子1600Aの対向基板入力電極1601Aと電極基板入力電極1602Aと、液晶素子1600Bの対向基板入力電極1610Bと電極基板入力電極1602Bとが、ともに同一の引き出し方向(図ではY軸方向)とされている。
これにより、液晶素子1600Aおよび液晶素子1600Bは、ともに同一の引き出し方向(図ではY軸方向)から配線接続をおこなうことができるため、液晶素子1600A、1600Bの配線の省スペース化を図ることができ、旋光度測定装置の小型化を図ることができる。
図17は、図16に示した液晶素子1600Aおよび液晶素子1600Bを用いた旋光度測定装置の断面図である。なお、図15に示した構成と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
液晶素子ホルダー37はアルミ製であり、偏光子33、液晶素子1600Aおよび液晶素子1600Bを保持するためのユニットである。スペーサー40は偏光子33を貼り付けた液晶素子1600Aと液晶素子ホルダー37の間の緩衝材である。スペーサー41は液晶素子1600Aと液晶素子1600Bの間の緩衝材である。スペーサー42は、液晶素子1600Bと液晶素子ホルダー37の間の緩衝材であり、柔軟な材質であるゴム製である。液晶素子押さえ52は、液晶素子1600Aおよび液晶素子1600Bを、液晶素子ホルダー37にねじ留め固定(図示せず)するための部品である。
この光学測定装置の構造では、配向方向を直交させるために、同一構造の液晶素子1600Aおよび液晶素子1600Bのうち一方の液晶素子を90度回転させた場合であっても、液晶素子1600Aに形成されている対向基板入力電極1601Aおよび電極基板入力電極1602Aと、液晶素子1600Bに形成されている対向基板入力電極1601Bおよび電極基板入力電極1602Bとは、ともに同一方向(図16および図17では上方向)に位置する。
したがって、液晶素子1600Aに形成されている対向基板入力電極1601Aおよび電極基板入力電極1602Aの配線スペースと、液晶素子1600Bに形成されている対向基板入力電極1601Bおよび電極基板入力電極1602Bの配線スペースとを共用化することができ、配線を取り出しやすくすることができる。また、旋光度測定装置内部の省スペース化および旋光度測定装置の小型化を図ることができる。
このように、上述した第4〜第6の実施形態の旋光度測定装置は、それぞれ電極基板と対向基板との間に液晶を有する第1の液晶素子と第2の液晶素子を保持するための光学測定装置であり、第1の液晶素子および第2の液晶素子は電極基板上に入力電極を形成し、第1の液晶素子と第2の液晶素子の対向基板が背中合わせとした。
また、それぞれ電極基板と対向基板との間に液晶を有する第1の液晶素子と第2の液晶素子を保持するための光学測定装置であり、第1の液晶素子および第2の液晶素子は電極基板上に入力電極を形成し、第1の液晶素子と第2の液晶素子の電極基板が背中合わせになることとした。
また、上述した第4〜第6の実施形態の旋光度測定装置は、光源と液晶素子を保持するための光学測定装置であり、光源を保持する光源保持部と液晶素子を保持する液晶素子保持部は互いに熱を伝達することとした。また、光源保持部または液晶素子保持部に温度制御するための熱交換素子を有することが好ましい。さらに、光源保持部または液晶素子保持部に温度制御するための熱交換素子を設けることが好ましい。
現在までに液晶素子を用いた旋光度測定装置の発明がされてきたが、光学素子や液晶素子を保持する構造は測定精度の向上や小型化において重要である。上述した第4および第5の実施形態の旋光度測定装置は、特に、測定精度向上と安定性を目的として、液晶配向方向が直交する2つの液晶素子を入射光に対して直列配置した場合は背中あわせに配置する。
ここで、第1の液晶素子と第2の液晶素子は同じ工程で作製された同じ配向方向の液晶素子である。すなわち、2つの液晶素子を互いに背中あわせに配置することにより液晶の配向方向が直交となる。
さらには、対向基板を互いに対向する位置に配置することによって、すなわち対向基板どうしを背中あわせにすることにより、電極基板上に形成された対向基板入力電極および電極基板入力電極への配線が容易となる。
また、高精度の測定を行う場合はペルチエ素子などの熱交換素子による液晶素子の温度制御が必要となる。一方、光源であるレーザーダイオード(LD)も発熱を抑え、微妙な波長変動を抑えるために温度制御は必要となる。そこで、液晶素子保持部とLD保持部を一体化、あるいは熱伝導させる筐体を接続することにより、同じペルチエ素子で制御するこが可能となる。以上の工夫を組み合わせることにより、光源と液晶素子がともに温度制御された高精度で安定した測定が可能となる。
以上説明したように、この発明によれば、低消電駆動可能な小型の液晶素子を変調素子として用いることにより、試料の旋光度を高精度に測定することができるという効果を奏する。
また、液晶素子の変調特性が安定している駆動電圧範囲を利用し、微小な変調幅の変調ができ、高精度な測定をおこなうことができるという効果を奏する。
さらに、液晶素子の変調範囲、変調量の絶対値への要求を緩和でき、これにより液晶素子の設計を容易にし、製造精度を緩和することができるという効果を奏する。
また、液晶素子の外部環境による変動をキャンセルでき、測定結果の安定化を図ることができ、測定精度の向上を図ることができるという効果を奏する。
さらに、第1の液晶素子と第2の液晶素子は、同じ配向方向の液晶素子を使用して互いに背中あわせに配置することにより液晶の配向方向が直交となる。したがって、温度などによる外乱の影響を軽減できるという効果を奏する。
また、液晶を挟む電極の対向基板入力電極および電極基板入力電極が、電極基板に形成されているので、対向基板どうしを背中あわせに配置することにより、電極への配線スペースを広くすることができ、配線を容易におこなうことができるという効果を奏する。
さらに、液晶素子の保持部と光源の保持部とを一体化し、熱伝導させる筐体とすることにより、1つの熱交換素子によって液晶素子および光源の温度制御をおこなうことができるという効果を奏する。
以上のように本発明は、生体を含む散乱体、および、尿、汗などの生体由来物質、果汁、薬品などの被検試料中の旋光性物質、たとえば、糖類、アミノ酸、蛋白質、ビタミンなどの濃度を、非接触で測定する旋光度測定装置を提供することに適している。
この発明の第1の実施形態にかかる旋光度測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示した2つの液晶素子の配置構成を示す説明図である。 液晶素子の位相変調特性を示すグラフである。 互いの液晶配向方向が直交しあう2つの液晶素子に駆動電圧を印加したときの説明図である。 旋光子によって旋光された旋光角変調量とフォトダイオードによって検出された光強度との関係を示すグラフである。 図5Aの部分拡大図である。 図1に示した演算処理装置の具体的なハードウェア構成を示すブロック図である。 この発明の第1〜第6の実施形態にかかる旋光度測定装置の機能的構成を示すブロック図である。 この発明の第2の実施形態にかかる旋光度測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 この発明の第3の実施形態にかかる旋光度測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 液晶素子を示す正面図である。 画素構造を微細にした液晶素子の正面図である。 旋光度測定装置に用いられる液晶素子が作製された液晶基板の平面図である。 光学測定装置である第1〜第3の実施形態にかかる旋光度測定装置に用いられる液晶素子の外観図である。 2つの液晶素子を備えた旋光度測定装置における、光源と液晶素子部の配置を示す説明図である。 第4の実施形態で説明した配置を、温度制御装置を備えた熱伝達が可能な保持構造に収めた場合の模式図である。 具体的な旋光度測定装置の断面図である。 図12に示した2つの液晶素子と異なる構造の液晶素子の配置構成を示す説明図である。 図16に示した2つの液晶素子を用いた旋光度測定装置の断面図である。 偏光面振動方式を用いた従来の旋光度測定装置を示す説明図である。 従来の濃度測定装置の光学系を示す説明図である。

Claims (17)

  1. 直線偏光を出力する直線偏光出力手段と、
    所定方向の第1の偏光軸を有する第1の位相変調部と前記第1の偏光軸に直交する第2の偏光軸を有する第2の位相変調部とによって互いの位相変調量の変化分をキャンセルするように構成され、前記直線偏光出力手段から出力された直線偏光を位相変調する、液晶素子からなる位相変調手段と、
    前記直線偏光を位相変調する所定振幅の変調信号を、前記第1および第2の位相変調部のうちいずれか一方の位相変調部に供給する信号供給手段と、
    前記信号供給手段によって前記第1および第2の位相変調部のうちいずれか一方の位相変調部に変調信号が供給されたことにより、前記位相変調手段から旋光性物質を含む試料へ出射される光が、前記旋光性物質によって旋光されて前記試料から透過することによって、その透過してくる光の強度を検出する光強度検出手段と、
    前記信号供給手段によって供給された変調信号と、前記光強度検出手段によって検出された光の強度と、に基づいて、前記試料の旋光度を算出する旋光度算出手段と、
    を備えることを特徴とする旋光度測定装置。
  2. 前記信号供給手段は、
    さらに、所定のオフセット信号を前記第1および第2の位相変調部に供給し、
    前記光強度検出手段は、
    さらに、前記信号供給手段によって前記第1および第2の位相変調部に所定のオフセット信号が供給されたことにより、前記位相変調手段から旋光性物質を含む試料へ出射される光が、前記旋光性物質によって旋光されて前記試料から透過することによって、その透過してくる光の強度を検出することを特徴とする請求項1に記載の旋光度測定装置。
  3. 前記第1の位相変調部は、前記第1の偏光軸の方向を液晶配向方向とする第1の液晶素子を備え、
    前記第2の位相変調部は、前記第2の偏光軸の方向を液晶配向方向とする、前記第1の液晶素子と異なる第2の液晶素子を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の旋光度測定装置。
  4. 前記第1および第2の液晶素子は、所定の製造工程によって製造された同一の液晶基板に作製された同一構造の液晶素子であることを特徴とする請求項3に記載の旋光度測定装置。
  5. 前記第1の液晶素子は、前記液晶基板の任意の位置に作製された液晶素子であり、
    前記第2の液晶素子は、前記液晶基板において前記第1の液晶素子の近傍に作製された液晶素子であることを特徴とする請求項4に記載の旋光度測定装置。
  6. 前記第1および第2の液晶素子は、ホモジニアス型の液晶素子であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の旋光度測定装置。
  7. 前記第1および第2の液晶素子は、
    液晶を挟む電極基板および対向基板を備え、前記液晶配向方向が同一方向である同一構造の液晶素子であり、
    前記第1の液晶素子の液晶配向方向と前記第2の液晶素子の液晶配向方向とが直交するように、前記直線偏光出力手段から前記光強度検出手段へ向かう光路上に直列して配置されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の旋光度測定装置。
  8. 前記第1および第2の液晶素子は、前記電極基板どうしまたは前記対向基板どうしが対向するように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の旋光度測定装置。
  9. 前記第1の液晶素子または前記第2の液晶素子のうちの少なくとも一つが、
    第1の電極を有する矩形状の第1の基板と、
    前記第1の電極とともに液晶を挟む第2の電極を有する矩形状の第2の基板と、
    前記信号供給手段からの信号を前記第1の電極に入力する第1の入力電極と、
    前記信号供給手段からの信号を前記第2の電極に入力する第2の入力電極と、を備え、
    前記第2の基板の一の端辺の近傍に、当該端辺に沿って前記第1および第2の入力電極を備えるとともに、前記第2の基板の一の端辺とは異なる端辺の近傍にも、前記第1および第2の入力電極を備えることを特徴とする請求項3に記載の旋光度測定装置。
  10. 前記第1の液晶素子は、
    第1の電極を有する矩形状の第1の基板と、
    前記第1の電極とともに液晶を挟む第2の電極を有し、前記第1の基板よりも大きい矩形状の第2の基板と、
    前記信号供給手段からの信号を前記第1の電極に入力する第1の入力電極と、
    前記信号供給手段からの信号を前記第2の電極に入力する第2の入力電極と、を備え、
    前記第2の基板の一の端辺の近傍に、当該端辺に沿って前記第1および第2の入力電極を直列に配列し、前記第2の基板の一の端辺に直交する端辺の近傍に、当該端辺に沿って前記第1および第2の入力電極を直列に配列した構成であり、
    前記第2の液晶素子は、
    前記第1の液晶素子と液晶配向方向が同一方向であり、かつ同一構造の液晶素子であり、
    前記第1および第2の液晶素子は、
    前記第1の液晶素子の液晶配向方向と前記第2の液晶素子の液晶配向方向とが直交するように、前記直線偏光出力手段から前記光強度検出手段へ向かう光路上に直列して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の旋光度測定装置。
  11. さらに、前記第1および第2の液晶素子を保持する液晶素子保持手段を備えることを特
    徴とする請求項3〜10のいずれか一つに記載の旋光度測定装置。
  12. さらに、前記直線偏光出力手段から前記光強度検出手段へ向かう光路上に前記試料を挟んで直列して配置された一対の4分の1波長板を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の旋光度測定装置。
  13. 前記第1の位相変調部は、単一の液晶素子を構成する複数の画素のうち、一部の画素によって構成される第1の画素群であり、
    前記第2の位相変調部は、前記単一の液晶素子を構成する複数の画素のうち、一部の画素以外の他の画素によって構成され、前記他の画素を前記一部の画素と交互に配列した第2の画素群であることを特徴とする請求項2に記載の旋光度測定装置。
  14. さらに、前記第1および第2の画素群と前記光強度検出手段との間に設けられ、前記第1および第2の画素群から前記試料に出射されることにより、前記試料内の旋光性物質によって旋光されて前記試料から透過してくる光を集光し、前記光強度検出手段に出射する集光手段を備えることを特徴とする請求項13に記載の旋光度測定装置。
  15. 前記信号供給手段によって供給される所定のオフセット信号は、前記液晶素子の位相変調量がリニアに変化する区間内の信号であることを特徴とする請求項13または14に記載の旋光度測定装置。
  16. 前記第1の位相変調部は、前記第1の偏光軸の方向を液晶配向方向とする第1の液晶素子を備え、
    前記第2の位相変調部は、前記第2の偏光軸の方向を液晶配向方向とする、前記第1の液晶素子と異なる第2の液晶素子を備え、
    前記信号供給手段によって供給される所定のオフセット信号は、前記液晶素子の位相変調量がリニアに変化する区間内の信号であることを特徴とする請求項2に記載の旋光度測定装置。
  17. 直線偏光を出力する直線偏光出力手段と、
    所定方向の第1の偏光軸を有する第1の位相変調部と前記第1の偏光軸に直交する第2の偏光軸を有する第2の位相変調部とによって互いの位相変調量の変化分をキャンセルするように構成され、前記直線偏光出力手段から出力された直線偏光を位相変調する、液晶素子からなる位相変調手段と、
    前記直線偏光を位相変調する所定振幅の変調信号を、前記第1および第2の位相変調部のうちいずれか一方の位相変調部に供給する信号供給手段と、
    前記信号供給手段によって前記第1および第2の位相変調部のうちいずれか一方の位相変調部に変調信号が供給されたことにより、前記位相変調手段から旋光性物質を含む試料へ出射される光が、前記旋光性物質によって旋光されて前記試料から透過することによって、その透過してくる光の強度を検出する光強度検出手段と、
    前記信号供給手段によって供給された変調信号と、前記光強度検出手段によって検出された光の強度と、に基づいて、前記試料の旋光度を算出する旋光度算出手段と、
    を備え、
    前記信号供給手段は、さらに、所定のオフセット信号を前記第1および第2の位相変調部に供給し、
    前記光強度検出手段は、さらに、前記信号供給手段によって前記第1および第2の位相変調部に所定のオフセット信号が供給されたことにより、前記位相変調手段から旋光性物質を含む試料へ出射される光が、前記旋光性物質によって旋光されて前記試料から透過することによって、その透過してくる光の強度を検出し、
    前記第1の位相変調部は、前記第1の偏光軸の方向を液晶配向方向とする第1の液晶素子を備え、
    前記第2の位相変調部は、前記第2の偏光軸の方向を液晶配向方向とする、前記第1の液晶素子と異なる第2の液晶素子を備え、
    前記信号供給手段によって供給される所定のオフセット信号は、前記液晶素子の位相変調量がリニアに変化する区間内の信号であることを特徴とする旋光度測定装置。
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