JP4080391B2 - 土壌保護マット及びその施工方法 - Google Patents

土壌保護マット及びその施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4080391B2
JP4080391B2 JP2003270980A JP2003270980A JP4080391B2 JP 4080391 B2 JP4080391 B2 JP 4080391B2 JP 2003270980 A JP2003270980 A JP 2003270980A JP 2003270980 A JP2003270980 A JP 2003270980A JP 4080391 B2 JP4080391 B2 JP 4080391B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
degrees
protection mat
soil protection
soil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003270980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005023760A (ja
Inventor
隆行 大月
佳代子 山嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Landes Co Ltd
Original Assignee
Landes Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Landes Co Ltd filed Critical Landes Co Ltd
Priority to JP2003270980A priority Critical patent/JP4080391B2/ja
Publication of JP2005023760A publication Critical patent/JP2005023760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4080391B2 publication Critical patent/JP4080391B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Revetment (AREA)

Description

本発明は、土壌面に敷設して施工する土壌保護マットに関する。とくに、法面に施工する土壌保護マット(法面保護マット)に関する。また、土壌保護マットの施工方法に関する。
河川や湖沼の護岸工事や護床工事に使用される土壌保護マットとして、図14に示すような、複数のブロック24が、該ブロック24に埋設されたメッシュ状のシート30によって連結支持されてなる土壌保護マット12が従来知られている。この土壌保護マット12は、ブロック相互間の境界部で屈撓性を有するものであるために、図15に示すように、吊り具70で吊り下げたり、土壌面に沿わせて敷設することなどが可能なものである。
例えば、特開平11−117314号公報(特許文献1)には、樹脂繊維又は鋼材からなる連結材と、複数のコンクリートブロックとからなる土壌保護用ブロックスパンであって、前記連結材が、各コンクリートブロックの内部に層状に挟み込まれているとともに、前記連結材によって隣り合った各コンクリートブロックが互いに連結されてなることを特徴とする土壌保護用ブロックスパンが記載されている。これにより、土壌保護用ブロックスパンに可撓性を付与することや、連結材が配筋効果を奏することが可能となる旨が記載されている。また、コンクリートブロックが連結材から剥離するのを防止することができる旨についても記載されている。
特開平11−117314号公報 (特許請求の範囲、発明の効果、図1、図2)
しかし、特許文献1に記載された土壌保護用ブロックスパンは、目地部が上方に大きく開いたものであるために、連結材が樹脂繊維からなる場合には、コンクリートブロック相互間の目地部の連結材が、日中の長い時間に亘って日光に晒されて劣化するおそれがある。また、連結材が鋼材からなる場合には、雨などによって錆が生じるおそれがある。連結材が劣化して破断すると、該部から土壌が流出するだけでなく、土壌面が崩落することも考えられるために危険である。また、いずれの場合も、ブロックの目地部から雑草が生えてくるのを効果的に防止することができない。さらに、コンクリートブロックの全ての側面が連結材に対して同じ傾斜角で傾いたものであるために、敷設する向きを変えたとしても、一様な効果しか得られないものである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、シートが劣化しにくい土壌保護マットを提供することを目的とする。また、雑草が成長しにくい土壌保護マットを提供することも本発明の目的である。さらに、敷設する向きを変えることによって、多様な施工が可能な土壌保護マットを提供することも本発明の目的である。さらにまた、様々な土壌面において好適に使用することが可能な土壌保護マットの施工方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、複数のブロックが、該ブロックに埋設されたメッシュ状のシートによって連結支持されてなる土壌保護マットにおいて、前記ブロックのうち前記シートの上面側に位置するブロック上部が、前記シート面に対してなす傾斜角がθ度の側面αと、前記シート面に対してなす傾斜角がθ度よりも小さいφ度の側面βとを少なくとも1組有する形状からなり、一のブロック上部の側面αと、該一のブロック上部に隣接する他のブロック上部の側面βとが対になって、ブロック上部相互間に溝が形成されてなることを特徴とする土壌保護マットを提供することによって解決される。このように、ブロック上部を非対称な形状にすることによって、土壌保護マットの向きを、敷設する場所や目的に応じて、適宜選択することが可能となる。また、傾斜角θや傾斜角φの値によっては、ブロック上部相互間の溝の底部を日陰として、シートの劣化や、その溝から雑草が生えてくるのを効果的に防止することも可能となる。
このとき、θが90度よりも大きいことが好ましい。これにより、ブロック上部相互間の溝の底部に日陰を形成することが容易になり、紫外線によるシートの劣化を防止することが可能となる。θは、100度以上であるとより好適であり、110度以上であるとさらに好適である。115度以上であると最適である。しかし、θが大きすぎると、ブロック上部が外力によって破壊されやすくなるために、θは150度以下であることが好ましい。θは、140度以下であるとより好適であり、130度以下であるとさらに好適である。125度以下であると最適である。
また、φが20度以上であることが好ましい。φが20度より小さいと、ブロック上部が外力によって破壊しやすくなる。φは、30度以上であるとより好適であり、35度以上であるとさらに好適である。40度以上であると最適である。しかし、φが大きすぎると、土壌保護マットの屈撓性が不十分となるおそれがあるために、φは80度以下であることが好ましい。φは、65度以下であるとより好適であり、55度以下であるとさらに好適である。50度以下であると最適である。
さらに、θとφの差が、5度以上であることが好ましい。これにより、ブロック上部相互間の溝を傾けて、その底部に日光が届きにくいものとすることが可能となる。θとφの差は、30度以上であるとより好適であり、50度以上であるとさらに好適である。60度以上であると最適である。しかし、θとφの差が大きすぎると、ブロック上部が外力によって破壊されやすくなるために、θとφの差は140度以下であることが好ましい。θとφの差は、120度以下であるとより好適であり、100度以下であるとさらに好適である。90度以下であると最適である。
さらにまた、θとφの和が120度以上であることも好ましい。θとφの和が120度より小さいと、ブロック上部相互間の溝の底部が、日中の長い時間に亘って日光に晒されるおそれがある。θとφの和は、140度以上であるとより好適であり、155度以上であるとさらに好適である。160度以上であると最適である。しかし、θとφの和が大きすぎると、土壌保護マットの屈撓性が不十分になるだけでなく、ブロックの型抜きが困難になるおそれもあるために、θとφの和は180度以下であることが好ましい。θとφの和は、175度以下であるとより好適であり、170度以下であるとさらに好適である。
ブロック上部において、側面α側と側面β側とで厚さが異なることも好ましい。これにより、土壌保護マットを、敷設する向きによって大きく作用が異なるものとすることができるとともに、土壌保護マットに様々な機能を持たせることも可能となる。例えば、土壌保護マットを法面に施工する場合には、ブロック上部でステップを形成することもできる。側面α側を側面β側よりも厚く形成すると、ブロック上部相互間の溝の底部付近のさらに広い範囲において日陰を形成することも可能となるために好ましい。
前記ブロックがシートを覆う部分の形状は、三角形や四角形などの敷き詰めることが可能な形状であれば特に限定されないが、平行四辺形であることが好ましい。これにより、ブロックの形状を1種類に統一できるだけでなく、ブロックを配する向きも1方向に統一できるために、土壌保護マットを、製造と施工が容易なものとすることが可能となる。ブロックがシートを覆う部分の形状は、長方形や菱形であるとより好適であり、正方形であるとさらに好ましい。
このとき、ブロック上部が、側面αと側面βとをそれぞれ2面ずつ有する形状からなることが好ましい。これにより、ブロック上部相互間の溝の底部を全て日陰とすることも可能となる。このとき、側面α同士が隣接して配されるとより好ましい。これにより、複数のブロック上部の型抜きを1つの型枠で同時に行うことが可能となる。
また、上記課題は、複数のブロックが、シートの上面に固着されることによって連結支持されてなる土壌保護マットにおいて、前記ブロックは、前記シートの上面に固着される底面に対してなす傾斜角がθ’度の側面α’と、前記底面に対してなす傾斜角がθ’度よりも小さいφ’度の側面β’とを少なくとも1組有する形状からなり、一のブロックの側面α’と、該一のブロックに隣接する他のブロックの側面β’とが対になって、ブロック相互間に溝が形成されてなることを特徴とする土壌保護マットを提供することによっても解決される。この土壌保護マットを構成するブロックは、上述の土壌保護マットを構成するブロック上部と実質的に同一だからである。この土壌保護マットにおける、傾斜角θ’、傾斜角φ’、側面α’、側面β’は、それぞれ、上述の土壌保護マットにおける、傾斜角θ、傾斜角φ、側面α、側面βに対応する。
さらに、上記課題は、上記の土壌保護マットを法面に敷設する土壌保護マットの施工方法を提供することによっても解決される。これにより、侵食や崩落のおそれのある法面を、強度の高い土壌保護マットで長期間に亘って保護することが可能となる。
本発明の土壌保護マットは、ブロック上部相互間あるいはブロック相互間の溝が傾けられたものであるために、敷設する向きを変えることによって、施工の目的や場所に応じた多様な施工が可能なものである。また、ブロックを連結支持するシートに日光が到達しにくいものであるために、シートが劣化しにくく、施工面の安定性を高めることが可能なものである。また、施工面から雑草が生えてくるのを防止することも可能なものである。このため、施工後のメンテナンス費用などを削減することが可能となる。
以下、図面を使用して、本発明の土壌保護マットをより詳細に説明する。図1は、埋設タイプの土壌保護マットの斜視図である。図2は、埋設タイプの土壌保護マットの平面図である。図3は、埋設タイプの土壌保護マットの底面図である。図4は、埋設タイプの土壌保護マットの正面図である。図5は、埋設タイプの土壌保護マットの右側面図である。図6は、ブロック上部の斜視図である。図7は、図5におけるA部を拡大した図である。図8は、本発明の土壌保護マットの他の態様を示した右側面図である。図9は、図8に示す土壌保護マットを法面に敷設した状態を示した図である。
本発明の土壌保護マットは、好適な実施態様として、複数のブロックが該ブロックに埋設されたメッシュ状のシートによって連結支持されてなるもの(埋設タイプ)と、複数のブロックがシートの上面に固着されることによって連結支持されてなるもの(貼着タイプ)とがある。以下においては、埋設タイプの土壌保護マットを中心に説明するが、その中で言及された構成は、貼着タイプの土壌保護マットにおいて採用することが不可能なものであるということが本発明の趣旨から自明でない限り、貼着タイプの土壌保護マットにおいても採用することが可能なものである。
埋設タイプの土壌保護マット10は、図1〜図5に示すように、複数のブロック20が、該ブロックに埋設されたメッシュ状のシート30によって連結支持されてなる。1枚のシート30に連結支持されるブロック20の個数は、施工する土壌面の広さやブロック20の寸法によって適宜調整され、特に限定されないが、本実施態様においては、25個のブロック20を5行5列に配している。埋設タイプの土壌保護マット10においては、一のブロック上部21と一のブロック下部22とが1組になったものをブロック20と呼んでいる。このとき、シート30の周縁部に余裕を持たせておくことが好ましい。これにより、隣接する土壌保護マット10との重ねしろや、施工の際に吊り具で保持する部分を確保することが可能となる。
この土壌保護マット10は、シート30の上面側に位置するブロック上部21と、シート30の下面側に位置するブロック下部22とが、メッシュ状のシート30を介して一体的に成形されたものであるために、ブロック20とシート30との固着強度に優れたものである。また、ブロック下部22が、アンカーの役割を果たすために、設置安定性にも優れており、敷設する土壌面が複雑な形状である場合や、急な法面である場合にも好適に使用することができるものである。
ブロック上部21は、図6に示すように、1つの上面50と4つの側面(52〜55)とを有する形状に成形されている。図6は、説明の便宜上、ブロック上部21だけを抜粋して示したものであり、実際には、仮想底面51の下側に、シート30とブロック下部22が存在する。仮想底面51は、ブロック20がシート30を覆う部分と一致し、シート面と平行である。上面50と仮想底面51は、共に正方形となっている。上面50は、意匠が施されたものであってもよい。仮想底面51の1辺の長さは、通常50〜500mmであり、本実施態様においては200mmとなっている。また、ブロック上部21の厚さは、通常5〜50mmであり、本実施態様においては20mmとなっている。
また、隣り合う2つの側面(52、53)は、シート面に対してなす傾斜角θが120度の側面αとなっており、残りの2つの側面(54、55)は、シート面に対してなす傾斜角φが45度の側面βとなっている。一のブロック上部の側面αは、図7に示すように、該一のブロック上部に隣接する他のブロック上部の側面βと対になって、ブロック上部相互間に溝40を形成する。図においては、側面αの下端と側面βの下端とが溝の底部41で接しているが、これは模式的に示したものであり、実際には、側面αの下端と側面βの下端との間に隙間が生じて、その隙間からシート30が覗く場合がある。また、ブロック上部相互間にアンカーピンを打ちたいときなどには、意識的に隙間を設ける場合もある。θとφの差は、本実施態様において、75度となっており、溝40の傾き角(側面αと側面βとがなす角を2等分する平面がシート面に対してなす角)が52.5度(=90−(θ−φ)/2)となっている。また、θとφの和は、165度となっており、溝40の開き角(側面αと側面βとがなす角)が15度(=180−(θ+φ))となっている。
ブロック上部の形状は、上記のものに限定されず、上面や仮想底面が、三角形や六角形であってもよい。このような形状として、例えば、三角柱や六角柱(高さの低い板状のものを含む)を例示することができる。また、ブロック上部は、上面を有さない形状であってもよい。このような形状として、例えば、仮想底面が四角形であり、仮想底面の各辺に接続する2対の側面のうち1対の側面が三角形で残りの1対の側面が四角形である五面体などが例示される。
また、本実施態様のブロック上部21は、上面50と仮想底面51とが平行となっており、側面α側の厚さと側面β側の厚さとが等しいものであるが、図8に示す土壌保護マット11のように、側面α側の厚さL1と側面β側の厚さL2とが異なるものも好適である。土壌保護マット11のブロック上部23は、側面α側の厚さL1が側面β側の厚さL2よりも厚いものとなっている。これにより、図9に示すように、ブロック上部23の上面を段違いにして、法面60にステップを形成することも可能となる。また、土壌保護マット11を、図9の向きと逆向きに(側面αが法面の傾斜の上方を向くように)敷設すると、法面60に手掛りを形成することも可能となる。このため、土壌保護マット11は、人が集まる湖沼や河川の護岸工事に使用するものとして好適である。これにより、水中に転落した人が陸上まで容易に上ってくることができる。
ブロック下部22は、図3〜図5に示すように、土壌保護マット10の屈撓性や敷設面への設置安定性などを考慮して、四角錐台形状に成形している。ブロック下部22の厚さや底面の形状は、土壌保護マット10を敷設する土壌面の硬さや傾斜などを考慮して決定される。ブロック下部22の厚さは、通常5〜50mmであり、本実施態様においては20mmとなっている。また、ブロック下部22の底面は、1辺の長さが180mmの正方形となっている。また、ブロック下部22の仮想上面は、1辺の長さが200mmの正方形となっており、ブロック上部21の仮想底面51と一致している。
ブロック20の素材は、土壌を保護するのに十分な耐久性を有するものであればよく、コンクリートやモルタルを例示することができる。本実施態様においては、コンクリートを使用している。また、土壌保護マット10を施工する場所や目的によっては、モルタルや樹脂に、木片、灰、炭化物などを混ぜたものを使用してもよいし、これらの素材を多孔質に成形してもよい。ブロック20の成形は、通常、型枠に素材を流し込むことによって行われる。
シート30は、貼着タイプの土壌保護マットに使用する場合には、密に織られた織物を使用しても構わないが、埋設タイプの本実施態様においては、ブロック上部21とブロック下部22との繋がりや通水性を考慮して、メッシュ状の織物を使用している。シート30の素材は、土壌を保護するのに十分な強度を有するものであればよく、ビニロンやナイロンなどの繊維素材や、ポリプロピレンやポリエチレンなどのフラットヤーン素材を例示することができる。このような素材を使用して製織することによってシート30が製造される。紫外線遮蔽の目的で、シート30の表面に樹脂コーティングを施すことも好ましい。シート30の寸法は、本実施態様において、縦が1600mmで横が1300mmである。
ブロック20とシート30の固着は、貼着タイプの土壌保護マットであれば、通常、接着剤を使用して行うが、埋設タイプの土壌保護マットの場合には、以下の方法により行うのが好ましい。まず、下型の内部に素材を流し込み、それにメッシュ状のシート30を被せる。次に、シート30に上型を載せて、その内部に素材を流し込み、その後、素材を固化させる。上下が逆であっても構わない。これにより、上型内部の素材と下型内部の素材とを、シート30に設けられた網目を通じて繋がった状態で固化させることが可能となり、ブロック20とシート30との一体性を高めることが可能となる。
このとき、ブロック相互間の境界部に素材が流入して固化すると、隣り合うブロック同士が一体的に繋がった状態で固化されることもあり得るが、これは、土壌保護マット10の屈撓性に大きな影響を与えるものではない。境界部で固化した素材は、土壌保護マット10を吊り具で吊り下げる際や土壌面に敷設する際に、自然に割れる程度の厚さしか有していないためである。その割れ目は、シート30が覗いた目地部となる。目地部の幅(溝の底部41の幅)は、通常5〜20mmに形成される。この目地部は、土壌保護マット10を土壌面に固定するためのアンカーピンを打ち込む箇所としても活用される。
上記の固着方法において、上型と下型を、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルに代表される生分解性プラスチックによって成形しておき、土壌保護マット10に埋め込んだまま目地部の被覆材として使用することも好ましい。これにより、土壌保護マット10の製造工程を単純化できるだけでなく、シート30の劣化をさらに防止することも可能となる。
続いて、本発明の土壌保護マットの施工方法について具体的に説明する。本発明の土壌保護マットは、それを敷設する向きを変えることによって、得られる効果の種類や大小を調節することが可能なものである。以下においては、このことを、2つの施工例を用いて説明するが、本発明の土壌保護マットの施工方法は、これに限定されるものではなく、土壌保護マットをその他の向きに敷設するものであってもよい。また、図1に示す埋設タイプの土壌保護マット10を使用して説明するが、他の態様の土壌保護マットを使用するものであってもよい。さらに、土壌保護マット10を敷設する土壌面は、北緯35度に位置する南向きの法面(傾斜角30度)としているが、その他の土壌面であっても使用可能である。
まず、第1の施工例について説明する。図10は、土壌保護マット10を、北緯35度に位置する南向きの法面61(傾斜角30度)に、側面αが法面61の傾斜の下方を向くように敷設した状態を示した図である。ブロック下部22は、土壌中に沈み込んでいるために、図示されていない。土壌保護マット10の目地部には、アンカーピンが打ち込まれている。アンカーピンを打ち込む本数は、土壌保護マット10の重量や法面の傾斜角によって異なるが、面密度が125〜140kg/mの土壌保護マットを、傾斜角が30度の法面に敷設する場合には、1mにつき0.6本以上打ち込むと好ましい。これにより、土壌保護マット10を法面にさらに強く固定することが可能となる。土壌保護マット10をこのような向きに施工すると、溝40が法面61の傾斜の下方を向く。このため、溝40に土やゴミがたまるのを防止したい場合に好適である。
また、図11は、図10におけるB部を拡大したものであるが、これを見ると、15度(矢印82)〜30度(矢印83)の高度の太陽から照射される日光は溝の底部41に到達するものの、それ以外の高度の太陽から照射される日光は溝の底部41に到達できないことが分かる。とくに、30度(矢印83)よりも高い高度の太陽から照射された日光は、溝の底部41に全く到達できないことが分かる。このことは、シート30の劣化防止に好都合である。日光は、それが照射された太陽の高度が高ければ高いほど、紫外線を吸収するオゾン層を通過する距離が短くなり、紫外線を多く含んだ状態で到達するが、それが照射された太陽の高度が低ければ低いほど、紫外線量が少ない状態で地表に到達するためである。法面61の傾斜角や向きなどによっては、年中の全ての時間帯において溝の底部41を日陰とすることも可能である。
一方、図16は、図14に示す従来の土壌保護マット12を、図10と同様の法面61に敷設した状態を示した、図11に相当する図である。従来の土壌保護マット12のブロック相互間の溝の開き角は、図10に示す土壌保護マット10と同じ15度に設定している。これを見ると、0度(矢印80)〜52.5度(矢印84)の高度の太陽から照射された日光と、67.5度(矢印85)〜78.5度(矢印81)の高度の太陽から照射された日光は、溝の底部41に到達できないものの、52.5度(矢印84)〜67.5度(矢印85)といった比較的高い高度の太陽から照射された日光が溝の底部41に到達することが分かる。このため、シート30の劣化はあまり防止されない。従来使用されている土壌保護マットには、ブロック相互間の溝の開き角が15度よりも大きいものも多く、この場合には、シート30の劣化はさらに激しいものとなる。
次に、第2の施工例について説明する。図12は、土壌保護マット10を、北緯35度に位置する南向きの法面61(傾斜角30度)に、側面αが法面61の傾斜の上方を向くように敷設した状態を示した図である。土壌保護マット10をこのような向きに施工すると、溝40が法面61の傾斜の上方を向く。このため、法面61に足場や手掛りを形成したい場合に好適である。
また、図13は、図12におけるC部を拡大したものであるが、これを見ると、0度(矢印80)〜78.5度(矢印81)の高度の太陽から照射される全ての日光が、溝の底部41に到達できないことが分かる。このことは、年中の全ての時間帯において溝の底部41が日陰となることを意味している。北緯35度の地点において、太陽の高度が、夏至の南中時の78.5度より高くなることはないためである。溝の底部41が年中の全ての時間帯において日陰となることに関しては、法面61の傾斜角が30度の場合だけでなく、41.5度より小さい場合であれば同様である。土壌保護マットを敷設する法面の傾斜角は、40度以下であることが多く、なかでも25度〜35度であることが多いが、本例の土壌保護マットの施工方法は、これらの法面全てにおいて好適に使用することが可能である。
このように、傾斜角がθ−x度よりも小さい赤道向きの法面に土壌保護マットを敷設する場合には、側面αが斜面の傾斜の上方を向くように敷設すると好ましい。ここで、赤道向きとは、北半球においては南向き、南半球においては北向きを意味する。また、xは、太陽の最高高度を意味し、北半球においては、夏至の太陽の南中高度を意味する。xの値は、90度に地軸の傾き23.5度を加えた値から、土壌保護マットを敷設する地点の緯度を引くことによって、求めることができる。これにより、年中の全ての時間帯において、溝の底部を日陰とすることが可能となる。
本発明の土壌保護マットの施工方法は、施工する土壌面が陸上である場合は勿論のこと、水中や水際部である場合にも好適に使用することができる。具体的には、河川、湖沼又は溜池などの護岸工事や護床工事にも好適に使用することができる。また、施工する土壌面が法面である場合は勿論のこと、土壌面が水平である場合にも好適に使用することができる。
埋設タイプの土壌保護マットの斜視図である。 埋設タイプの土壌保護マットの平面図である。 埋設タイプの土壌保護マットの底面図である。 埋設タイプの土壌保護マットの正面図である。 埋設タイプの土壌保護マットの右側面図である。 ブロック上部の斜視図である。 図5におけるA部を拡大した図である。 本発明の土壌保護マットの他の態様を示した右側面図である。 図8に示す土壌保護マットを法面に敷設した状態を示した図である。 図1に示す埋設タイプの土壌保護マットを、北緯35度に位置する南向きの法面(傾斜角30度)に、側面αが法面の傾斜の下方を向くように敷設した状態を示した図である。 図10におけるB部を拡大した図である。 図1に示す埋設タイプの土壌保護マットを、北緯35度に位置する南向きの法面(傾斜角30度)に、側面αが法面の傾斜の上方を向くように敷設した状態を示した図である。 図12におけるC部を拡大した図である。 従来の土壌保護マットの斜視図である。 従来の土壌保護マットを吊り具で吊り上げた状態を示した図である。 従来の土壌保護マットを、北緯35度に位置する南向きの法面(傾斜角30度)に敷設した状態を示した図11に相当する図である。
符号の説明
10 埋設タイプの土壌保護マット
11 他の態様の土壌保護マット
12 従来の土壌保護マット
20 ブロック
21 ブロック上部
22 ブロック下部
23 ブロック上部
24 ブロック
25 ブロック上部
26 ブロック下部
30 シート
40 溝
41 溝の底部
50 ブロック上部の上面
51 ブロック上部の仮想底面
52 ブロック上部の側面(側面α)
53 ブロック上部の側面(側面α)
54 ブロック上部の側面(側面β)
55 ブロック上部の側面(側面β)
60 法面
61 北緯35度に位置する南向きの法面(傾斜角30度)
70 吊り具
80 高度が0度の太陽から照射された日光
81 高度が78.5度の太陽から照射された日光
82 高度が15度の太陽から照射された日光
83 高度が30度の太陽から照射された日光
84 高度が52.5度の太陽から照射された日光
85 高度が67.5度の太陽から照射された日光

Claims (7)

  1. 複数のブロックが、該ブロックに埋設されたメッシュ状のシートによって連結支持されてなる土壌保護マットにおいて、前記ブロックのうち前記シートの上面側に位置するブロック上部の仮想底面が平行四辺形とされ、ブロック上部における少なくとも一対の対向する側面が、前記シート面に対してなすブロック内側での傾斜角θが90度よりも大きく150度以下の側面αと、前記シート面に対してなすブロック内側での傾斜角φが20度以上80度以下の側面βとで構成され、一のブロック上部の側面αと、該一のブロック上部に隣接する他のブロック上部の側面βとが対向する位置に配されてブロック上部相互間に溝が形成されてなることを特徴とする土壌保護マット。
  2. θとφの差が、30度以上120度以下である請求項記載の土壌保護マット。
  3. θとφの和が、120度以上180度以下である請求項1又は2記載の土壌保護マット。
  4. ブロック上部において、側面α側と側面β側とで厚さが異なる請求項1〜いずれか記載の土壌保護マット。
  5. ブロック上部が、側面αと側面βとをそれぞれ2面ずつ有する形状からなる請求項1〜4いずれか記載の土壌保護マット。
  6. 複数のブロックが、シートの上面に固着されることによって連結支持されてなる土壌保護マットにおいて、前記ブロック前記シートの上面に固着される底面が平行四辺形とされ、前記ブロックにおける少なくとも一対の対向する側面が、前記底面に対してなすブロック内側での傾斜角θ’が90度よりも大きく150度以下の側面α’と、前記底面に対してなすブロック内側での傾斜角φ’ が20度以上80度以下の側面β’とで構成され、一のブロックの側面α’と、該一のブロックに隣接する他のブロックの側面β’とが対向する位置に配されてブロック相互間に溝が形成されてなることを特徴とする土壌保護マット。
  7. 請求項1〜いずれか記載の土壌保護マットを法面に敷設する土壌保護マットの施工方法。
JP2003270980A 2003-07-04 2003-07-04 土壌保護マット及びその施工方法 Expired - Fee Related JP4080391B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003270980A JP4080391B2 (ja) 2003-07-04 2003-07-04 土壌保護マット及びその施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003270980A JP4080391B2 (ja) 2003-07-04 2003-07-04 土壌保護マット及びその施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005023760A JP2005023760A (ja) 2005-01-27
JP4080391B2 true JP4080391B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=34190782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003270980A Expired - Fee Related JP4080391B2 (ja) 2003-07-04 2003-07-04 土壌保護マット及びその施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4080391B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5090060B2 (ja) * 2007-03-28 2012-12-05 浜田 高史 海岸の侵食防止方法
JP6322365B2 (ja) * 2013-03-27 2018-05-09 三菱ケミカル株式会社 保護部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005023760A (ja) 2005-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6877932B2 (en) Drainage system and method for artificial grass using spacing grid
CA2713304C (en) Erosion control ballast and soil confinement mat
US3344609A (en) Prevention of beach erosion and encouragement of land restoration
US20110033237A1 (en) Device and method for floor protection, coastal protection, or scour protection
EP0064543A1 (en) FLEXIBLE EROSION PROTECTION ARRANGEMENT.
MX2014013815A (es) Esterilla de refuerzo del terreno que se ancla por si sola y esterilla de filtracion del sedimento reutilizable.
US5823706A (en) Pavements
JP4080391B2 (ja) 土壌保護マット及びその施工方法
RU2321701C2 (ru) Способ возведения запруды
JPH01111999A (ja) 防水シート
CN115538495B (zh) 一种海上风电多边形基础防冲刷系统施工方法
KR100665858B1 (ko) 해안선 침식방지 및 친수시설을 겸한 호안용 블록체 및이를 이용한 호안의 시공방법
KR100828222B1 (ko) 육각형상의 다기능 블럭
CA2393240C (en) Drainage system and method for artificial grass using spacing grid
JP2517972B2 (ja) 防水シ−ト
ES2935061T3 (es) Sistema de cobertura de suelo sintético para el control de la erosión
JP2809262B2 (ja) 土砂吸出防止用土木シート
JP2852879B2 (ja) 河川用覆土ブロックおよびコンクリート覆土ブロック護岸
KR102264637B1 (ko) 바이오 폴리머 피복 다공성 골재를 이용한 콘크리트 블록 존치형 수변사면 침식방지 구조체 및 그 시공방법
JP3357641B2 (ja) 護岸ブロック
KR200284981Y1 (ko) 식생식물활착안정과 구조유지를 가능하게하는 호안블록
JP2001098526A (ja) 半透水性土木シート及び堤防強化工法
EP1275784A2 (en) Improved element for bank protection
JP2708733B2 (ja) 擬石覆工ブロック
JP2516715Y2 (ja) 植栽構築体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees