JP4078985B2 - 導光板成形用金型の製造方法および導光板の製造方法 - Google Patents

導光板成形用金型の製造方法および導光板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルに代表される各種の表示パネルの照明装置に用いられる導光板を製造する方法、およびこの導光板の成形に用いられる金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルなどの表示パネルの背面には、表示画像の明るさを確保するために照明装置(いわゆるバックライト)が配置される。この照明装置は、光を出射する光源と、光源からの光を表示パネル側に導く導光板とを備えるのが一般的である。すなわち、導光板の側面に入射した光源からの光は、その内部において反射を繰り返したうえで、導光板のうち表示パネルと対向する面(以下「光出射面」という)から出射する。ここで、導光板の光出射面をその全面にわたって鏡面状とした場合には、導光板への入射光の多くが当該導光板と外気との境界面にて全反射するために表示パネルに対する照射効率が低下する。この問題を解消するために、導光板の光出射面を多数の微細な凹凸が設けられた粗面に加工することによって、光出射面からの光出射を容易にした構成が提案されている。
【0003】
一般に導光板は金型を用いて射出成形される。上記のように光出射面が粗面化された導光板を成形する場合、この成形に用いられる金型のうち光出射面を成形するための面も粗面化されている必要がある。特許文献1には、金型の表面を粗面化する方法として、金型の表面における多数の微細な部分をエッチングによって除去することによって、導光板の粗面に対応する多数の窪みを形成する方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−43635号明細書(段落0024)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エッチングによって金型表面に多数の窪みを形成した場合には、その窪みの内壁表面が滑らかな面となるため、この金型を用いて成形された導光板の光出射面には表面が滑らかな突起が形成されることとなる。このような導光板を用いた場合、導光板に入射して光出射面に向かう光の一部は突起の表面で全反射するため、表示パネル側に出射することはない。したがって、この導光板によっては、表示パネル側への出射光量すなわち照明装置の輝度を向上させることが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、照明装置の輝度を向上させることができる導光板を製造する方法、およびこの導光板を成形するための金型を製造する方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決するため、本発明は、側面から入射した光を当該側面とは異なる光出射面から出射させる導光板を射出成形するための金型を製造する方法において、素材のうち前記光出射面を成形するための面となるべき加工面にエッチングを施して複数の窪みを形成する第1工程と、前記加工面にブラスト処理を施して当該加工面のうち前記各窪みの内面を含む領域を粗面化する第2工程と、前記加工面を研磨して当該加工面のうち前記窪みの内面以外の領域において表面の粗さが変化するように鏡面化する第3工程と、を有する
ことを特徴としている。
【0008】
この方法によれば、エッチングによって所期の位置に窪みが形成されるとともに、この窪みの内面を粗面とした導光板成形用金型が得られる。したがって、この導光板成形用金型を用いた射出成形によれば、光の主たる出射箇所となる突起が光出射面の所期の位置に配置され、なおかつ各突起の表面が粗面化されて有効に光を出射させ得る導光板を得ることができる。しかも、導光板成形用金型のうち窪み以外の領域が、その表面の粗さが変化するように鏡面化される。したがって、この金型によって成形された導光板においては、突起以外の粗面からも有効に光を出射させることができる。
【0009】
一般に、導光板のうち光源から遠い部分からの出射光量は、光源に近接する部分からの出射光量よりも少なくなりがちである。したがって、本発明においては、導光板のうち光源から離れた部分からの出射光量を十分に確保すべく、上記加工面のうち導光板の上記側面に相当する位置から遠ざかるほど面が粗くなるように当該加工面を研磨することが望ましい。
【0010】
この方法のうち上記第1工程においては、上記加工面の一部に形成される窪みの面積と他の一部に形成される窪みの面積とが異なるように当該加工面にエッチングを施してもよい。また、前記加工面の一の窪みの中心から当該一の窪みに隣接する他の窪みの中心までの距離である窪みピッチと、前記一の窪みの中心から当該一の窪みに隣接する前記他の窪みと異なった窪みの中心までの距離である窪みピッチとが異なるようにエッチングを実施してもよい。
導光板の側面からの入射光は主として粗面たる突起の表面から出射するから、これらの方法によれば、導光板の光出射面からの出射光量の分布を窪みの面積に応じて任意に選定することができる。具体的には、前記加工面に形成される窪みの面積が、前記加工面のうち前記導光板の前記側面に相当する位置から遠ざかるほど大きくなるようにエッチングを施したり、前記加工面に形成される窪みのピッチが、前記加工面のうち前記導光板の前記側面に相当する位置から遠ざかるほど小さくなるようにエッチングを施すことが考えられる。こうすれば、導光板の光出射面のうち光源近傍の部分からの出射光量と光源から離れた部分からの出射光量とを均一化することができるから、当該導光板を用いた照明装置の輝度ムラを抑えることができる。
【0011】
また、本発明に係る方法のうち第2工程においては、前記加工面の一部の面粗さと他の一部の面粗さとが異なるように当該加工面にブラスト処理を実施してもよい。この方法によれば、各突起からの出射光量を当該突起の面粗さに応じて任意に選定することができる。具体的には、加工面のうち前記導光板の前記側面に相当する位置から遠ざかるほど面が粗くなるようにブラスト処理を実施することが考えられる。こうすれば、導光板の光出射面のうち光源近傍に形成された突起からの出射光量と光源から離れた位置に形成された突起からの出射光量とを均一化することができるから、当該導光板を用いた照明装置の輝度ムラを抑えることができる。
【0012】
ところで、第1工程におけるエッチングのために形成したレジストを第2工程におけるブラスト処理の後に除去するとすれば、ブラスト処理によって破壊されたレジストが窪みに入り込んで当該窪みの内面が十分に粗面化されないおそれがある。この問題を解消するために、本発明に係る方法においては、第1工程と前記第2工程との間に、前記第1工程のエッチングに際して前記加工面のうち前記複数の窪みが形成されるべき領域以外の領域を覆っていたレジストを除去する工程を実施することが望ましい。
【0013】
なお、本発明に係る方法においては、第1工程から第3工程の各工程の間に、その他の工程を適宜に実施してもよい。また、本発明は、上述した方法によって製造された導光板成形用金型を用いて導光板を射出成形する工程を有する導光板の製造方法としても特定され得る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図においては、図面が煩雑になるのを防ぐために、各構成要素の寸法や比率などを実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0015】
<A:実施形態の構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る表示装置の構成を説明する。同図に示すように、この表示装置100は表示パネル10と照明装置20とを有する。本実施形態における表示パネル10は液晶表示パネルであり、照明装置20によって照射された光を観察側に出射することによって画像を表示する。この表示パネル10は、相互に対向する面に電極が設けられた一対の基板が枠状のシール材を介して貼り合わされるとともに、双方の基板とシール材とによって囲まれた空間に液晶が封止された構成となっている。
【0016】
照明装置20は、表示パネル10に対して光を照射する装置であり、表示パネル10の背面側(すなわち表示画像を視認する観察者からみて表示パネル10の奥側)に配置されてバックライトとして機能する。照明装置20は光源21と導光板30とを有する。このうち光源21は、例えばLED(Light Emitting Diode)や冷陰極間などであり、導光板30の側面32と対向するように配置されてこの側面32に光を照射する。なお、以下では、導光板30の側面のうち光源21と対向する側面32を特に「光入射面」と表記する。
【0017】
一方、導光板30は、光透過性を有する略長方形の板状部材であり、光源21から光入射面32に入射した光を表示パネル10側に導く。この導光板30のうち表示パネル10と対向する光出射面31には、導光板30からの出射光を散乱させるための散乱板22が貼り付けられている。一方、導光板30のうち光出射面31の裏面には、導光板30から表示パネル10とは反対側に出射した光を表示パネル10側に反射させるための反射板23が貼り付けられている。
【0018】
ここで、図2は導光板30の光出射面31の構成を示す平面図であり、図3は図2におけるIII−III線からみた断面図である。なお、図2および後掲する図6においては、表面の粗さが図面上の点の疎密によって表現されている。すなわち、これらの図面においては、点が密集している部分ほど表面が粗く、点が疎らな部分ほど表面が滑らかであることを示している。
【0019】
図2および図3に示すように、導光板30の光出射面31には多数の突起(凸部)311が設けられている。これらの突起311の表面は多数の微細な凹凸が形成された粗面である。各突起311の表面粗さは、光出射面31の全面にわたって同一である。
【0020】
一方、光出射面31のうち突起311が設けられた領域以外の領域は、部分的に粗面化された平坦部312である。具体的には、図2に示すように、平坦部312のうち光入射面32に近接する部分は滑らかな表面となっている一方、この光入射面32から遠ざかるにつれて平坦部312の表面は粗くなっている。ここで、導光板30に入射した光は、粗い表面からより多く出射しやすいという傾向がある。したがって、光入射面32の近傍においては、光源21から導光板30に入射した光は粗面たる突起311の表面から出射する一方、平坦部312の表面においてはその多くが導光板30の内部で全反射して表示パネル10側には出射しない。これに対し、光入射面32から離れた位置においては、光源21から導光板30に入射した光は突起311および平坦部312の双方の表面(粗面)から出射することとなる。
【0021】
各突起311は、光出射面31と垂直な方向からみると、直径がD1である円形の形状(すなわち突起311の底面に相当する円形)を有する。本明細書においては、この円の面積を単に「突起の面積」と表記する。また、ひとつの突起311に相当する円の中心から、その突起311に隣接する突起311に相当する円の中心までの距離P1を「突起のピッチ」と表記する。本実施形態においては、光出射面31の全面にわたって同一のピッチにて突起311が配置される一方、光出射面31における突起311の位置に応じて当該突起311の面積が異なるようになっている。図4は、導光板30の光出射面31における光源21からの距離と突起311の直径との関係を示したグラフである。ただし、光源21からの距離は、光出射面31のうち光源21に最も近い縁辺を「0」、光源21から最も遠い縁辺を「100」として表示されている。同図に示すように、各突起311の寸法は、光源21から遠い位置に設けられた突起311ほどその径が大きくなるように、すなわち突起311の面積が大きくなるように選定されている。例えば、光出射面31のうち光源21に最も近い位置に設けられた突起311の径は約0.06mmであるのに対し、光源21から最も離れた位置に設けられた突起311の径は約0.32mm程度である。この構成によれば、光源21に近い領域の突起311から出射する光量と、光源21から離れた領域の突起311から出射する光量との差を抑えることができるから、照明装置20の輝度ムラ、ひいては表示パネル10による表示画像の輝度ムラを防止することができる。
【0022】
<B:金型の構成>
本実施形態における導光板30は射出成形によって製造される。以下、この射出成形に用いられる金型(以下「導光板成形用金型」という)の構成を、導光板30の光出射面31を成形するための部分に特に着目して説明する。図5は、導光板成形用金型50の構成を示す断面図である。同図に示すように、この金型50は、略長方形状の枠である側壁部材51と、この側壁部材51の枠内に配置される光出射面成形部材60と、側壁部材51の枠内に光出射面成形部材60から離間して配置される対向部材52とからなる。そして、側壁部材51の内面と、光出射面成形部材60および対向部材52の対向面とによって囲まれた空間が、射出成形のためのキャビティ(成形空間)55となる。
【0023】
光出射面成形部材60のうち対向部材52と対向する面(以下「成形面」という)61は、導光板30の光出射面31を成形する面として用いられる。ここで、図6は成形面61の構成を示す平面図であり、図7は図6におけるVII−VII線からみた断面図である。これらの図に示すように、光出射面成形部材60の成形面61には、当該成形面61と垂直な方向からみて円形の形状を有する多数の窪み(凹部)611が設けられている。この窪み611は導光板30の突起311を成形するためのものである。したがって、窪み611の内壁表面は多数の微細な凹凸が形成された粗面となっている。各窪み611の内壁表面の粗さは成形面61の全面にわたって均一である。一方、成形面61のうち窪み611が設けられた領域以外の領域は、部分的に粗面化された平坦部612である。具体的には、図6に示すように、平坦部612のうち導光板30の光入射面32に相当する周縁62に近接する部分は鏡面となっている一方、この周縁62から遠ざかるにつれて連続的に表面が粗くなっている。
【0024】
光出射面成形部材60において窪み611が配置される位置は、導光板30において突起311が配置される位置に対応している。したがって、窪み611の周縁に相当する円(直径D2)の面積を「窪みの面積」と表記すると、窪み611の面積は成形面61における当該窪み611の位置に応じて異なっている。より具体的には、成形面61のうち導光板30の光入射面32に近接すべき周縁62から遠ざかるほど窪み611の面積が大きくなるように各窪み611の寸法が選定されている。一方、ひとつの窪み611の中心から当該窪み611に隣接する窪み611の中心までの距離P2を「窪みのピッチ」と表記すると、成形面61の全面にわたって同一のピッチにて窪み611が設けられている。
【0025】
<C:製造プロセス>
次に、図8を参照して、導光板成形用金型50の製造方法を説明する。
まず、光出射面成形部材60の素材となる板状部材70に対して、脱脂や洗浄などを含む前処理を施す(工程A)。この板状部材70はステンレス系の焼入れ鋼などからなり、加工後に光出射面成形部材60の成形面61となる加工面71を有する。したがって、この加工面71は、導光板30の光出射面31とほぼ同じ外形寸法となっている。
【0026】
次いで、加工面71のうち光出射面成形部材60の平坦部612となるべき領域のみを覆うレジスト75を加工面71に形成する(工程B)。すなわち、例えばポジ型の感光性樹脂たるレジスト75を加工面71の全面にわたって塗布した後にプリベークを施し、板状部材70のうち光出射面成形部材60の窪み611となるべき領域以外の領域を遮光するマスクを介してレジスト75に紫外線を照射する。この後にレジスト75を現像すると、板状部材70の加工面71のうち紫外線が照射された領域、すなわち窪み611が形成されるべき領域を覆うレジスト75のみが選択的に除去される。すなわち、板状部材70のうち光出射面成形部材60の平坦部612となるべき領域のみを覆うレジスト75が得られる。
【0027】
続いて、加工面71に対してエッチングを施す(工程C)。これにより、板状部材70のうちレジスト75によって覆われていない部分がその厚さの一部にわたって除去されて、深さ20μmから50μm程度の窪み711が形成される。図8に示すように、この窪み711の内面形状は完全な球面とはならず、円形の底面と筒状の側面とが曲面を介して連なった鍋底状の形状となる。この後、板状部材70上のレジスト75を剥離する(工程D)。
【0028】
次に、窪み611が形成された板状部材70の加工面71にブラスト処理を施して、各窪み711の内壁表面を含む加工面71の全面を均等に粗面化する(工程E)。すなわち、吐出口が加工面71と対向するように板状部材70の上方に配置されたブラストノズルから微細な粒子(砥粒)を噴射して加工面71の全面に衝突させるのである。この粒子は、板状部材70よりも硬度の高い材料、例えば酸化アルミナからなる。また、粒子の径は、窪み711の内壁表面も粗面化させるために、面積が最小である窪み611の直径(D2)よりも小さく、例えば数μmから数十μm程度である。
【0029】
続いて、粗面化された加工面71を研磨して部分的に鏡面化する(工程F)。具体的には、加工面71のうち周縁72の近傍は窪み711を残して完全に鏡面化する一方、周縁72から離れるにつれて研磨の程度を少なくし、周縁72とは反対側の周縁の近傍においてはブラスト処理による粗面が完全に残るように加工する。この研磨処理は、研磨砥粒(ラッピングパウダー)を加工面に散布したうえで研磨するハンドラップ技術によって実施される。この結果、一方の周縁62から他方の周縁に向かって粗面の粗さが連続的に変化する平坦部612が得られる。一方、各窪み611の内壁表面には研磨処理が施されず粗面のままとなる。
【0030】
以上の工程を経て光出射面成形部材60が得られる。そして、この光出射面成形部材60と、別途に製造された側壁部材51および対向部材52とが組み合わされて、図5に示した導光板成形用金型50が得られる。この後、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂などを加熱によって溶融させ、この流動化した樹脂を導光板成形用金型50のキャビティ55に流し込む。この樹脂を冷却によって固化させることによって導光板30が射出成形される。
【0031】
以上説明した方法によれば、エッチングによって所期の位置に窪み611が形成されるとともに、この窪み611の内壁表面のみを選択的に粗面とした導光板成形用金型50が得られる。したがって、この導光板成形用金型50を用いた射出成形によれば、突起311が光出射面31の所期の位置に配置され、なおかつ各突起311の表面が粗面化された導光板30を得ることができる。
【0032】
ここで、導光板成形用金型50の窪み611をエッチングのみによって形成した場合には、図8の工程Cにも示したように、その窪み611の内壁表面は滑らかな平坦面となる。このため、この窪み611によって成形された導光板30の突起311の表面も滑らかな平坦面となるから、導光板30に入射して突起311に至った光がその平坦面において全反射して表示パネル10側に出射しない場合がある。これに対し、本実施形態に係る導光板成形用金型50によって得られた導光板30においては突起311が粗面化されているから、導光板30に入射した光を十分に突起311の表面から出射させることができる。したがって、この導光板30を用いた照明装置の輝度を向上させることができる。
【0033】
ところで、光出射面から十分な光を出射させ得る導光板を成形するための金型としては、例えば加工面71をブラスト処理のみによって粗面化した金型を用いることも考えられる。しかしながら、ブラスト処理によって得られる粗面の粗さは、加工面71に吹き付ける粒子の径や噴射の圧力、あるいはブラストノズルと加工面71との距離といった多様なパラメータに依存するため、光出射面における出射光量の分布が定量的に制御された導光板を成形できる金型を得ることは困難である。これに対し、本実施形態に係る導光板成形用金型50においては、エッチングによって所期の位置に窪み611が形成されているから、導光板30の光出射面31のうち所期の位置から光を出射させることができる。したがって、本実施形態によれば、導光板30の光出射面31における出射光量の分布を任意に選定して輝度ムラを有効に防止することができる。
【0034】
なお、窪みを所期の位置に形成する方法としては、例えば切削工具を用いて加工面71の所期の位置を切削して窪みとする方法も考えられる。しかしながら、この方法では、多数の窪みをひとつずつ形成するという極めて煩雑な作業が必要となる。これに対し、本実施形態によれば、多数の窪み611がエッチングによって一括して形成されるから、切削工具を用いた方法と比較して製造工程の簡素化および製造コストの低減を図ることができる。
【0035】
また、光出射面成形部材60の平坦部612をその全面にわたって鏡面化した場合には、導光板30のうち光入射面32から離間した部分における出射光量を十分に確保できない場合が生じ得る。なぜなら、光出射面31のうち光が出射する主な箇所は突起311の表面に限定されるからである。これに対し、本実施形態においては、平坦部612はその一部のみが鏡面化されており、周縁62から離れた部分においては窪み611の内壁表面および平坦部612の双方が粗面化されている。したがって、この部分においては突起311の表面に加えて平坦部312の表面からも光を出射させることができる。この結果、光入射面32から離間しているために出射光量が少なくなりがちな部分においても、十分な出射光量を確保することができるのである。しかも、光出射面成形部材60の平坦部612における表面粗さを任意に微調整できるから、光出射面31における出射光量の分布を精度よく調整することができる。
【0036】
また、窪み611の内壁表面を粗面化する方法としては、例えば、エッチングによって窪み611を形成した後、レジスト75を剥離する前に(すなわち図8の工程Cと工程Dとの間に)ブラスト処理を施すことも考えられる。この方法によれば、レジスト75によって覆われた部分は粗面化されず、窪み611の内壁表面のみを選択的に粗面化することができる。しかしながら、この方法を採用した場合には、ブラスト処理における粒子の衝突によって破壊されたレジスト75が窪み611に入り込んで、窪み611内部の粗面化を阻害するおそれがある。これに対し、本実施形態においては、レジスト75を剥離した後にブラスト処理が実施されるから、このような不具合を回避することができる。
【0037】
<D:変形例>
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0038】
<D−1:変形例1>
上記実施形態においては、光出射面成形部材60の成形面61において、窪み611のピッチを一定とする一方、窪み611の面積をその位置に応じて異ならせる構成としたが、これとは逆に、窪み611のピッチをその位置に応じて異ならせる一方、窪み611の面積を一定とする構成としてもよい。すなわち、例えば、成形面61のうち周縁62から遠ざかるほど窪み611のピッチが小さくなる構成としてもよい。同様に、導光板30の光出射面31において、突起311のピッチをその位置に応じて異ならせる一方、突起311の面積を光出射面31の全面にわたって一定とする構成としてもよい。例えば、光出射面31のうち光源21から遠い位置に設けられた突起311ほどピッチが小さくなるようにしてもよい。さらに、光出射面成形部材60の窪み611について、そのピッチと面積の双方を当該窪み611の位置に応じて異ならせてもよいし、導光板30の突起311について、そのピッチと面積の双方を当該突起311の位置に応じて異ならせてもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、成形面61の平坦部612について周縁62から遠くなるほど表面を粗くした構成を例示したが、この平坦部612における表面粗さの変化の態様はこれに限られない。例えば、図9に示すように、導光板30の光入射面32に設けられた複数の切欠部321にそれぞれ複数の光源21が収容される構成を想定する。この構成のもとでは、各光源21の間に位置する領域Aからの出射光量と各光源21に近接する領域Bからの出射光量との間に大きな差がある。このため、光源21の外形が観察者によって明確に視認され、ひいては画像の表示品位を低下させるおそれがある。そこで、この構成のもとでは、光源21の外形が観察者によって視認されないように、領域Bを鏡面とする一方、領域Aを粗面とする構成としてもよい。すなわち、図8に示した工程Fにおいて、加工面71のうち領域Bに相当する領域については研磨して完全に鏡面化する一方、領域Aに相当する領域についてはブラスト処理による粗面を残しておくようにしてもよい。こうすれば、領域Aと領域Bとについて出射光量の差異を抑えることができるから、光源21の外形が明確に視認されるのを防ぐことができる。また、同様の理由から、光出射面31のうち各光源21の間の領域に位置する突起311の面積がその周辺の突起311と比較して大きく、または突起311のピッチがその周辺の突起311と比較して小さくなるように、光出射面成形部材60の成形面61における窪み611の面積やピッチを選定してもよい。すなわち、成形面61の一部における窪み611のピッチまたは面積と、他の一部における窪み611のピッチまたは面積とが相互に異なっていればよい。
【0040】
<D−2:変形例2>
上記実施形態および変形例においては、図8に示した工程Eにおいて、加工面71の全面にわたって均一にブラスト処理を施す場合を例示したが、面粗さが加工面71の位置に応じて異なるようにブラスト処理を施してもよい。例えば、加工面71のうち周縁62から遠ざかるほど表面が粗くなるように、ブラスト処理による粗面化の程度を適宜に調整してもよい。この場合、光出射面成形部材60の成形面61のうち周縁62から離れた窪み611の内壁表面は粗い粗面となる一方、周縁62に近接する窪み611の内壁表面は滑らかな面となる。この光出射面成形部材60によって成形された導光板30によれば、各突起311の表面粗さに応じて、当該突起311の表面から出射する光量を制御することができるから、さらに有効に輝度ムラを抑えることができる。
【0041】
<D−3:変形例3>
上記実施形態および各変形例においては、成形面61と垂直な方向からみたときの窪み611の形状を略円形状としたが、窪み611の形状はこれに限られず、例えば多角形であってもよい。要するに、窪み611は、平坦部612と比べて低くなった部分であればよい。同様に、光出射面31と垂直な方向からみたときの突起311の形状を略円形状としたが、突起311の形状はこれに限られず、平坦部312と比較して高くなった部分であればよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば照明装置の輝度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】 照明装置における導光板の構成を示す平面図である。
【図3】 図2におけるIII−III線からみた断面図である。
【図4】 導光板の光出射面における突起の寸法を表すグラフである。
【図5】 導光板成形用金型の構成を示す断面図である。
【図6】 光出射面成形部材の構成を示す平面図である。
【図7】 図6におけるVII−VII線からみた断面図である。
【図8】 導光板成形用金型の製造工程を説明するための図である。
【図9】 変形例に係る照明装置の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10……表示パネル、20……照明装置、21……光源、30……導光板、31……光出射面、32……光入射面(側面)、311……突起、312……平坦部、50……導光板成形用金型、60……光出射面成形部材、61……成形面、611……窪み、612……平坦部、70……板状部材(素材)、71……加工面、75……レジスト、711……窪み。

Claims (10)

  1. 側面から入射した光を当該側面とは異なる光出射面から出射させる導光板を射出成形するための金型を製造する方法において、
    素材のうち前記光出射面を成形するための面となるべき加工面にエッチングを施して複数の窪みを形成する第1工程と、
    前記加工面にブラスト処理を施して当該加工面のうち前記各窪みの内面を含む領域を粗面化する第2工程と、
    前記加工面を研磨して当該加工面のうち前記窪みの内面以外の領域において表面の粗さが変化するように鏡面化する第3工程と、を有する
    ことを特徴とする導光板成形用金型の製造方法。
  2. 前記第3工程においては、前記加工面のうち前記導光板の前記側面に相当する位置から遠ざかるほど表面が粗くなるように、当該加工面を研磨する
    ことを特徴とする請求項1に記載の導光板成形用金型の製造方法。
  3. 前記第1工程においては、前記加工面の一部に形成される窪みの面積と他の一部に形成される窪みの面積とが異なるように、当該加工面にエッチングを施す
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の導光板成形用金型の製造方法。
  4. 前記第1工程においては、前記加工面に形成される窪みの面積が、前記加工面のうち前記導光板の前記側面に相当する位置から遠ざかるほど大きくなるように、当該加工面にエッチングを施す
    ことを特徴とする請求項3に記載の導光板成形用金型の製造方法。
  5. 前記第1工程においては、前記加工面の一の窪みの中心から当該一の窪みに隣接する他の窪みの中心までの距離である窪みピッチと、前記一の窪みの中心から当該一の窪みに隣接する前記他の窪みと異なった窪みの中心までの距離である窪みピッチとが異なるように、当該加工面にエッチングを施す
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の導光板成形用金型の製造方法。
  6. 前記第1工程においては、前記加工面に形成される窪みのピッチが、前記加工面のうち前記導光板の前記側面に相当する位置から遠ざかるほど小さくなるように、当該加工面にエッチングを施す
    ことを特徴とする請求項5に記載の導光板成形用金型の製造方法。
  7. 前記第2工程においては、前記加工面の一部の面粗さと他の一部の面粗さとが異なるように当該加工面にブラスト処理を施す
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の導光板成形用金型の製造方法。
  8. 前記第2工程においては、前記加工面のうち前記導光板の前記側面に相当する位置から遠ざかるほど面が粗くなるように、当該加工面にブラスト処理を施す
    ことを特徴とする請求項7に記載の導光板成形用金型の製造方法。
  9. 前記第1工程と前記第2工程との間に、前記第1工程のエッチングに際して前記加工面のうち前記複数の窪みが形成されるべき領域以外の領域を覆っていたレジストを除去する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の導光板成形用金型の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の方法によって製造された導光板成形用金型を用いて導光板を射出成形する工程を有する
    ことを特徴とする導光板の製造方法。
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