従来の追記型光ディスク媒体、光ディスク装置では、特許文献1、特許文献2に示される技術が知られている。特許文献1によれば、書込み装置は、書込み可能型の記録担体上のトラックパターンに情報ブロックを書込む。この書込み装置には、書込みユニットと位置決め手段とが設けられている。書込みユニットは、情報ブロックを表すマークを、電磁放射ビームを介して記録担体の領域に書込む。位置決め手段は、トラックパターンを表すトラック構造に基づいて書込みユニットを記録担体上で位置決めする。この書込み装置に、記録担体の少なくとも1つの領域に書込みが行なわれているという事実を表す状態情報を発生する状態手段が設けられる。この状態情報は、情報ブロックを書込むためのトラックパターン領域の開始部から延在し、中断なく書込まれた初期領域を表す初期領域情報を有するようにしたことを特徴とする書込み装置である。
また、特許文献2によれば、光ディスク装置は、ユーザエリア内の各ユーザバンドに未使用エリアであるゾーン境界未使用エリアおよびバッファエリアおよびテストエリアを有する光ディスクを使用する。光ディスク装置は、SCSIコントローラと、ヘッドと、制御部と、制御用パラメータ情報編集機構部と、ランダムアクセスメモリと、制御用パラメータ書込み機構部と、制御用パラメータ読出し機構部とを備えることを特徴とする。SCSIコントローラは、ホスト装置と接続してホスト装置との間で情報の授受を行う。ヘッドは、光ディスクに対して情報の書込みまたは読出しを行う。制御部は、ヘッドの光ディスクに対する情報の書込み動作または読出し動作の制御を行うと共に光ディスク装置全体の動作の制御を行う。制御用パラメータ情報編集機構部は、制御用パラメータ情報を所定のフォーマットに編集する。ランダムアクセスメモリは、制御用パラメータ情報編集機構部が編集した制御用パラメータ情報を格納する。制御用パラメータ書込み機構部は、光ディスクを光ディスク装置から排出するときランダムアクセスメモリに格納してある制御用パラメータ情報をヘッドを介して光ディスクの未使用エリアに書込む。制御用パラメータ読出し機構部は、前記光ディスク装置に前記光ディスクを挿入したとき前記光ディスクの前記未使用エリアに書込んである前記制御用パラメータ情報を前記ヘッドを介して読出す。
光ディスク記録システムの構成は、図3に示されるように、ホスト装置1と光ディスク記録装置2と光ディスク媒体3とを備える。ホスト装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)であったり、或いはDVD(Digital Video Disc/Digital Versatile Disc)レコーダなどの組み込み装置においてはそのシステム全体を制御する上位システムを意味する。光ディスク記録装置2は、ホスト装置1からの指示によりDVD−R媒体などの光ディスク媒体3にデータを記録する。
非特許文献2には、ホスト装置1と光ディスク装置2との間のコマンドやステータスの授受に関しての規定が記述されている。ホスト装置1は、非特許文献2に示されるようなパケットコマンドを用いて、光ディスク記録装置2とのコマンドやステータスの授受を行う。本発明では、非特許文献2に規定される以下のMMC−4コマンドを用いて説明を行う。
(1)Read(10)コマンドは、ある論理アドレスからセクタ数分のデータを光ディスク記録装置2からリードするコマンドである。
(2)Write(10)コマンドあるいはWrite(12)コマンドは、ある論理アドレスからセクタ分のデータを光ディスク記録装置2にライトするコマンドである。
(3)Synchronize Cacheコマンドは、光ディスク記録装置2内のライトバッファメモリに溜まった記録データを光ディスク媒体3に強制的にライトさせるコマンドである。
(4)Read Disc Informationコマンドは、光ディスク媒体のトラック数またはセッション数や消去可能な光ディスク媒体3か否かを示すフラグや、光ディスク媒体3の記録状態を取得するコマンドである。
(5)Read Track Informationコマンドは、光ディスク媒体3のあるトラックやセッションの開始論理アドレスや次に書き込み可能な論理アドレス、トラックやセッションの状態を取得するコマンドである。
(6)Reserve Trackコマンドは、あるセクタ数の論理アドレス領域をトラックとして予約するコマンドである。
(7)Close Trackコマンドは、あるトラックの書き込み可能な論理アドレス領域をすべてダミーデータで埋めるコマンドである。
(8)Read DVD Structureコマンドおよび、Send DVD Structureコマンドは、通常のRead(10)、Write(10)コマンドでは操作することのできないシステム領域に配置されたデータのリードや設定を行うためのコマンドである。
(9)Request Senseコマンドは、ホスト装置が光ディスク記録装置の状態を取得するために発行するコマンドである。このコマンドは、光ディスク記録装置が与えられたコマンドを実行完了したり、光ディスク記録装置内の状態が変化した際に、光ディスク記録装置が、ホスト装置に通知する情報があることを送信すると発行される。
追記型の大容量光ディスク媒体として、非特許文献1に示すDVD−R規格が一般的に知られている。
図1にDVD−R媒体の物理データ配置を示す。光ディスク媒体3は、内周側から管理情報記録領域130、リードイン領域131、データ領域138、リードアウト領域139を備える。管理情報記録領域130とリードイン領域131とは、システム領域と呼ばれ、光ディスク媒体3を管理するための情報などが記録される。そのため、ホスト装置1からは直接アクセスできないように管理されている。管理情報記録領域130は、データ領域138にデータ記録を行う際の記録管理を行うための情報が記録される領域であり、記録管理を行うための情報は記録状態管理情報と呼ばれる。データ領域138は、光ディスク媒体3に記録すべきユーザのデータが記録される領域である。リードアウト領域139は、光ディスク媒体3の記録領域の終了を示す。
これらの領域は、一連の番号(アドレス)が付与されたセクタと呼ばれる2048バイト毎に管理される。図1ではこれらの領域のアドレスを16進数で表記するため、アドレスの末尾に“h”を付けている。光ディスク媒体3は、データ記録を行う前に光ディスク記録装置2により初期化される。初期化により管理情報記録領域130、リードイン領域131は、物理アドレス30000hまでの領域に、データ領域は物理アドレス30000hからの領域に配置される。通常、ホスト装置1からこの物理アドレス30000h以下の領域を直接アクセスさせないため、物理アドレス30000hは論理アドレス0hと定義され、ホスト装置1は、光ディスク媒体3に対して論理アドレスでアクセスする。したがって、ホスト装置1は、データ領域138より内周側のシステム領域にアクセスすることはできない。ただし、それらの情報の一部はホスト装置1が利用できるように、非特許文献2に記載されるANSI MMC−4の規定にあるRead Disc Informationコマンド、Read DVD StructureコマンドやSend DVD Structureコマンド等のコマンドが用意されている。
追記型光ディスク媒体は、順次記録の制約があるため、記録データの論理アドレスは連続しなくてはならない。そのため、光ディスク記録装置2は、データ領域138を論理トラックと呼ばれる小領域に分割して管理し、論理トラック内で順次記録を行うことにより順次記録の制約を減らしている。DVD−R媒体では、最大3つの論理トラックを同時に管理できるように規定されている。その論理トラックは、各々第1トラック、第2トラック、不可視トラックと呼ばれる。ここで、不可視トラックは領域終端が決まっていないディスクの最外周の論理トラックである。
この論理トラックは、ホスト装置1がアクセスできる光ディスク媒体3のデータ領域138の論理アドレス空間を区切った領域である。即ち、光ディスク媒体3上の光ヘッドの案内溝や、記録されたピット列から構成される物理トラックとは異なる。本発明では論理トラックを制御してユーザデータの記録、記録状態管理情報を管理するため、以降、論理トラックのことをトラックと略す。また、光ディスク記録装置2は追記型光ディスク媒体3上に仮想的なディスク空間である論理ボリュームを複数個作成することができ、それぞれの論理ボリュームをセッションとして管理することが出来る。
DVD−R媒体の3つの論理トラックを用いる例としてDVD−R媒体にDVD−Videoフォーマットで記録を行う場合の動作を説明する。
まず、DVD−Videoのファイル構成を説明する。DVD−Videoは、光ディスク媒体の論理アドレスが若い順番に、ファイルシステム情報、ビデオマネージャファイル群、単数あるいは複数のビデオタイトルファイル群が配置される。ビデオマネージャファイル群は、ビデオマネージャ情報ファイル、ビデオマネージャオブジェクトファイル、ビデオマネージャ情報バックアップファイルの3ファイルで構成される。ビデオマネージャオブジェクトファイルは割愛される例も多い。各ビデオタイトルファイル群はビデオタイトル情報ファイル、ビデオタイトルオブジェクトファイル、ビデオタイトル情報バックアップファイルで構成される。
ホスト装置1と光ディスク記録装置2との間で授受されるANSI MMC−4コマンドおよびコマンドにより起動される動作について図2を参照して説明する。
1.未使用の光ディスク媒体3が光ディスク記録装置2に装填されると、光ディスク記録装置2は物理メディア種別の判別を行い、光ディスク媒体3の初期化を行う。光ディスク媒体3に第1の管理情報記録領域を含むシステム領域とデータ領域を設定し、システム領域に必要な物理・論理情報を記録する。
2.ホスト装置1は、ファイルシステムやビデオマネージャ情報ファイルを記録するためのトラックを予約するため、Reserve Trackコマンドを発行する。光ディスク記録装置2は、Reserve Trackコマンドを受け取ると、Reserve Trackコマンドの引数で渡される予約セクタ数分の領域を第1トラックとして予約し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域の記録状態管理情報を更新する。
3.続いて、ホスト装置1は、ビデオタイトル情報ファイル用の記録領域を予約するため、Reserve Trackコマンドを発行する。光ディスク記録装置2は、Reserve Trackコマンドで与えられたセクタ数の領域を第2トラックとして確保し、記録状態管理情報を更新し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域に記録する。
4.ホスト装置1は、Read Track Informationコマンドを光ディスク記録装置に発行する。光ディスク記録装置2は、Read Track Informationコマンドを受け取ると、与えられたトラック番号の次に書き込み可能な論理アドレスを計算し、ホスト装置1に返答する。ホスト装置1は、コマンド戻り値として不可視トラックの記録可能アドレス(Next Writable Address)を取得する。
5.ホスト装置1は、光ディスク記録装置2に第1タイトルのビデオオブジェクトファイルデータをWrite(10)コマンドを用いて出力する。光ディスク記録装置2は、Write(10)コマンドを受け取ると、コマンドに従って、記録開始論理アドレスから書き込みセクタ数分の記録データを光ディスク媒体3に記録する。記録状態管理情報は、半導体メモリを利用したRAM上に記憶され、Write(10)コマンド毎に順次更新される。
6.ホスト装置1は、Synchronize Cacheコマンドを光ディスク記録装置2に発行し、第1タイトルの記録を終了させる。光ディスク記録装置2は、装置内のライトバッファメモリに残留する未出力の記録データを光ディスク媒体3に記録し、順序5においてRAM上に記憶された記録状態管理情報を更新し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域に記録する。
7.ホスト装置1は、ビデオタイトル情報バックアップファイルデータを光ディスク記録装置2にWrite(10)コマンドを用いて出力する。光ディスク記録装置2は、Write(10)コマンドを受け取ると、記録開始論理アドレスから書き込みセクタ数分の記録データを光ディスク媒体3に記録する。また光ディスク記録装置2は、記録状態管理情報をRAM上に記憶する。
8.ホスト装置1は、Synchronize Cacheコマンドを光ディスク記録装置2に発行する。光ディスク記録装置2は、装置内のライトバッファメモリに残留する未出力の記録データを光ディスク媒体3に記録し、順序7においてRAM上に記憶された記録状態管理情報を更新し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域に記録する。
9.ホスト装置1は、Close Trackコマンドを光ディスク記録装置2に発行する。光ディスク記録装置2は、不可視トラックの終了処理を行う。次に記録可能な領域を設定するため、光ディスク記録装置2は、終了処理がなされた不可視トラックに続いて新たな不可視トラックを生成する。また、光ディスク記録装置2は、終了処理した不可視トラックの情報と新たに生成された不可視トラックの記録状態管理情報を更新し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域に記録する。
10.ホスト装置1は、Read Track Informationコマンドを光ディスク記録装置2に発行する。光ディスク記録装置2は、Read Track Informationコマンドの引数で与えられたトラック番号の次に書き込み可能な論理アドレスを計算し、ホスト装置1に返答する。ホスト装置1は、順序3で予約したトラックの次の書き込み可能アドレスをコマンド戻り値として取得する。
11.ホスト装置1は、Write(10)コマンドを光ディスク記録装置2に発行して、ビデオタイトル情報ファイルデータを送る。光ディスク記録装置2は、Write(10)コマンドを受け取ると、コマンドに従って、記録開始論理アドレスから書き込みセクタ数分の記録データを光ディスク媒体に記録し、記録状態管理情報をRAM上に記憶する。
12.ホスト装置1は、Synchronize Cacheコマンドを光ディスク記録装置2に発行する。光ディスク記録装置2は、装置内のデータ用バッファメモリに残留する未出力の記録データを光ディスク媒体3に記録する。光ディスク記録装置2は、順序11においてRAM上に記憶された記録状態管理情報を更新し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域に記録する。
13.ホスト装置1は、第2トラックをクローズさせるため、Close Trackコマンドを光ディスク記録装置2に発行する。光ディスク記録装置2は、第2トラックの終了処理を行い、記録状態管理情報を更新し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域に記録する。
14.ホスト装置1は、Read Track Informationコマンドを光ディスク記録装置に発行する。光ディスク記録装置2は、Read Track Informationコマンドの引数で与えられたトラック番号の次に書き込み可能な論理アドレスを計算し、ホスト装置1に返答する。ホスト装置1は、順序2で予約したトラックの次の書き込み可能論理アドレスをコマンド戻り値として取得する。
15.ホスト装置1は、ファイルシステム情報、ビデオマネージャファイル群を書き込むため、Write(10)コマンドを光ディスク記録装置2に発行する。光ディスク記録装置2は、Write(10)コマンドを受け取ると、コマンドに従って、記録開始論理アドレスから書き込みセクタ数分の記録データを光ディスク媒体3に記録する。光ディスク記録装置2は、記録状態管理情報をRAM上に記憶する。
16.ホスト装置1は、Synchronize Cacheコマンドを光ディスク記録装置に発行する。光ディスク記録装置2は、装置内のデータ用バッファメモリに溜まっている未出力の記録データを光ディスク媒体3に記録し、順序15においてRAM上に記憶された記録状態管理情報を更新し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域に記録する。
17.ホスト装置1は、第1トラックをクローズさせるため、Close Trackコマンドを光ディスク記録装置に発行する。光ディスク記録装置2は、第1トラックの終了処理を行い、記録状態管理情報を更新し、光ディスク媒体3の管理情報記録領域に記録する。
18.ホスト装置1は、光ディスク媒体3をクローズさせるため、Close Trackコマンドを光ディスク記録装置2に発行する。光ディスク記録装置2は、光ディスク媒体3のファイナライズ処理と呼ばれるディスククローズ処理を行う。即ち、光ディスク記録装置2は、光ディスク媒体3にリードイン領域およびリードアウト領域を付加し、追記型光ディスク媒体3がDVD−ROMと同等に扱えるような処理を行う。
上述したように、光ディスク記録装置2が記録管理を行うために光ディスク媒体3の記録状態管理情報を更新するのは、Reserve Trackコマンドを用いてトラックを新たに設けるときと、Synchronize CacheおよびClose Trackコマンドを用いて一連の記録処理を終了するときである。更に、Write(10)コマンドが複数回発行される場合、一定回数ごとあるいは一定記録セクタ数ごとに光ディスク媒体3の記録状態管理情報を更新することもある。図2の例では、順序2、順序3、順序6、順序8、順序9、順序12、順序13、順序16、順序17で光ディスク媒体3の記録状態管理情報が更新される。
このようにDVD−R媒体をはじめとする従来の光ディスク媒体3は、データの記録管理を行うための管理情報記録領域130がホスト装置1から直接アクセスすることが出来ないシステム領域に固定サイズで配置されている。記録状態管理情報の更新は、ホスト装置1がライトコマンドを連続して発行するとき一定サイズ毎に、ホスト装置1から光ディスク記録装置内のバッファ掃き出しコマンドを発行するときや、トラッククローズコマンド終了するとき行われるため、小さなサイズの記録を繰り返し行うと、その分管理情報記録領域130の消費は早くなる。したがって、データ領域138に空き領域が存在するのに記録状態管理情報を書き込む管理情報記録領域130を使い切るため、光ディスク媒体3に追記が行えなくなる。
特に、青色レーザを利用した追記型光ディスク媒体は、従来のDVD−R媒体の数倍以上の記録容量を持つことから、従来と同じようなサイズのデータの記録であっても、記録できる回数が数倍になるため、システム領域にある管理情報記録領域があふれる可能性がより高くなる。
図3に本発明を実施するための最良の形態に係る光ディスク記録システムの構成例を示す。光ディスク記録システムは、ホスト装置1、光ディスク記録装置2、光ディスク媒体3を具備する。ホスト装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)であったり、DVD(Digital Video Disc/Digital Versatile Disc)レコーダなどの組み込み装置ではシステム全体を制御する上位システムである。光ディスク記録装置2は、光ディスク媒体3を駆動し、ホスト装置1からの指示にしたがってデータを光ディスク媒体3に記録する。
光ディスク記録装置2はホストコントローラ10、CPU11、RAM12、モータコントローラ13、モータ14、リードライト信号処理部15、A/D−D/A変換部16、光ヘッド17を備える。
ホストコントローラ10は、ホスト装置1とのコマンドあるいはデータの送受信を行う。送受信の物理的インタフェース(Interface:以降I/Fと略す)としてSCSI(Small Computer System Interface)やIDE(Integral Device Electronics)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394が一般的であるが、組み込み装置では専用の電気的I/Fの場合もある。コマンド定義は、ホスト装置1がパーソナルコンピュータである場合は非特許文献2のANSI MMC−4コマンド準拠であるが、組み込み系の場合ではMMC−4コマンドをベースにベンダユニークコマンドと呼ばれる独自に拡張されたコマンド定義を持つことが多い。
CPU(Central Processing Unit)11は、光ディスク記録装置2の全体制御を行い、プログラムメモリ、ワークメモリとしてRAM(Random Access Memory)12を使用する。CPU11は、ホストコントローラ10、モータコントローラ13、リードライト信号処理部15とバスあるいはポートで接続されている。CPU11は、それぞれの回路の制御やデータの授受を行いながらホストコントローラ10を通して、ホスト装置1とデータのやりとりを行う。
リードライト信号処理部15は、バッファリング、各種光ディスク媒体に合わせたデータ/チャネルデータ変調、エラー訂正符号の付加や計算を行い、A/D−D/A(Analog to Digital−Digital to Analog)変換部16とデータのやりとりを行う。
光ヘッド17は、A/D−D/A変換部16から与えられた信号を光ディスク媒体3に書き込んだり、光ディスク媒体3から読み込まれた信号をA/D−D/A変換部16に出力する。
モータコントローラ13は、光ディスク媒体3の回転を制御する。CLV(Constant Linear Velocity)の場合は、一定の線速度となるように光ヘッド17の半径方向の位置に基づいてモータ14の回転数制御を行う。
RAM12は、図4に示されるように、記録状態管理情報メモリ121、ライトバッファメモリ122、リードバッファメモリ123、プログラム実行メモリ124、一時的な記録状態管理情報メモリ125、その他のワークメモリ126などのメモリに分割されて使用される。また、RAM12は、光ディスク記録装置2が必要とする情報の一時記憶にも用いられる。
記録状態管理情報メモリ121は、光ディスク媒体3に記録されたデータの記録状態管理情報を格納する。追記型の光ディスク媒体3に記録を行う場合、RAM12は記録されたデータの記録状態管理情報を記録状態管理情報メモリ121に記憶しておく。データの書込処理が終了すると、記録状態管理情報メモリ121の内容を光ディスク媒体3上の管理情報記録領域に記録し、光ディスク媒体3の使用状況を更新する。光ディスク媒体3に記録された記録状態管理情報のうち最新のデータは、光ディスク媒体3の記録状態を全て示している。記録状態管理情報のデータの記録コマンドとしてはWriteコマンドがあり、データの書き込み処理の終了コマンドとしてはSynchronize Cacheコマンドや Close Trackコマンドがある。本発明の光ディスク記録装置2において、データ領域に設定された管理情報記録領域を管理するための変数が記録状態管理情報メモリ121内に設けられる。
ライトバッファメモリ122は、光ディスク媒体3に記録するデータを一時的に格納するメモリである。光ディスク記録装置2は、RAM12のうち1Mバイト程度をライトバッファメモリ122として割り当てる。ホスト装置1が、Write(10)コマンドでデータの書き込みを指示すると、光ディスク記録装置2は、ライトバッファメモリ122に蓄え、ある処理単位でライトバッファメモリ122から光ディスク媒体3に出力して記録データを記録する記録方法が一般的である。よって、ホスト装置1が記録処理を終了していても、ライトバッファメモリ122内に光ディスク媒体3に記録されずに記録データが残留していることがある。そのため、ホスト装置1は記録処理が終了すると、Synchronize Cacheコマンドを発行し、ライトバッファメモリ122に残留する記録データの掃き出し記録を指示する。
リードバッファメモリ123は、光ディスク媒体3から読み出したデータを一時的に格納するメモリである。光ディスク記録装置2は、RAM12のうち1Mバイト程度をリードバッファメモリ123として割り当てる。ホスト装置1がReadコマンドでデータの読み込みを指示すると、光ディスク記録装置2は、指示された読み込みセクタ数より多い予め設定されているセクタ数の記録されたデータを光ディスク媒体3からリードバッファメモリ123に読み込む。次にホスト装置1が光ディスク媒体3からのデータの読み込みを要求した場合、光ディスク記録装置2は実際に光ディスク媒体3から読み込むのではなく、リードバッファメモリ123に蓄えられている記録データをホスト装置1に出力することでコマンド応答時間を短縮する。
プログラム実行メモリ124は、CPU11を制御するプログラムを格納するメモリである。一時的な記録状態管理情報メモリ125は、光ディスク媒体3に記録すべき記録状態管理情報が、光ディスク媒体3に記録できない場合に、一時的に格納しておくメモリである。その他のワークメモリ126は、CPU11がプログラムを実行する上で必要なデータ等を格納する作業用メモリである。
図1、図5を参照して、光ディスク媒体3におけるデータの配置を説明する。図1に示されるように、光ディスク媒体3は、内周側から管理情報記録領域130、リードイン領域131、データ領域138、リードアウト領域139を備える。
管理情報記録領域130とリードイン領域131とは、システム領域と呼ばれ、光ディスク媒体3を管理するための情報などが記録される。管理情報記録領域130は、データ領域138にデータ記録を行う際の記録管理を行うための情報が記録される領域である。記録管理を行うための情報は記録状態管理情報と呼ばれる。
データ領域138は、光ディスク媒体3に記録すべきユーザのデータが記録される領域である。リードアウト領域139は、光ディスク媒体3の記録領域の終了を示す。
これらの領域は、一連の番号(アドレス)が付与されたセクタと呼ばれる2048バイト毎の領域単位で管理される。図1ではこれらの領域のアドレスを16進数で表記するため、アドレスの末尾に“h”を付けている。光ディスク記録装置2によるデータ記録を行う前の初期化により、管理情報記録領域130とリードイン領域131は、物理アドレス30000hまでの領域に、データ領域138は物理アドレス30000hからの領域に配置される。物理アドレス30000hは論理アドレス0hと定義され、ホスト装置1は、光ディスク媒体3に対して論理アドレスでアクセスする。したがって、ホスト装置1は、データ領域138より内周側のシステム領域にアクセスすることはできない。ただし、それらの情報の一部はホスト装置1が利用できるように、非特許文献2に記載されるANSI MMC−4の規定にあるRead Disc Informationコマンド、Read DVD StructureコマンドやSend DVD Structureコマンド等のコマンドが用意されている。
追記型光ディスク媒体3は、順次記録の制約があるため、記録データの論理アドレスは連続しなくてはならない。そのため、光ディスク記録装置2は、データ領域138を論理トラックと呼ばれる小領域に分割して管理し、論理トラック内で順次記録を行うことにより順次記録の制約を減らしている。光ディスク媒体3では、最大3つの論理トラックを同時に管理できるものとする。その論理トラックは、各々第1トラック、第2トラック、不可視トラックと呼ばれる。ここで、不可視トラックは領域終端が決まっていないディスクの最外周の論理トラックである。
この論理トラックは、ホスト装置1がアクセスできる光ディスク媒体3のデータ領域138の論理アドレス空間を区切った領域である。記録される情報によりトラックの長さも変わるため、論理トラックの管理は、セクタアドレスにより行われる。即ち、光ディスク媒体3上の光ヘッドの案内溝や、記録されたピット列から構成される物理トラックとは異なる。本発明では論理トラックを制御してユーザデータの記録、記録状態管理情報を管理するため、以降、論理トラックのことをトラックと略す。また、光ディスク記録装置2は追記型光ディスク媒体3上に仮想的なディスク空間である論理ボリュームを複数個作成することができ、それぞれの論理ボリュームをセッションとして管理することが出来る。
本発明の光ディスク媒体3の構成は、図5に示されるように、システム領域に第1の管理情報記録領域130、リードイン領域131が配置され、データ領域138にトラック(#1)132、…、トラック(#n−1)133、トラック(#n)134、トラック(#n+1)というようにトラックが配置される。トラック(#1)132、…、トラック(#n−1)133、トラック(#n+1)は、ユーザデータが記録されるトラックであり、トラック(#n)134は管理情報記録領域として使用される。
データ領域138に設定される管理情報記録領域134は、第1の管理情報記録領域130を拡張するものであるから、第1の管理情報記録領域130からの情報の連続性を確保する必要がある。そのため、以下に示すデータ管理構造を有する。
図6に示されるように、従来のDVD−Rの記録状態管理情報(非特許文献2 Table18)は、1個あたり1ECCブロックすなわち16セクタで構成される。記録状態管理情報は、1ECCブロックで構成されるため、更新された記録状態管理情報を光ディスク媒体3に記録する毎に1ECCブロックを使用する。16セクタのうち、第0セクタはリンクロスエリアであり、第1セクタから第15セクタまで昇順でField番号が振られ、格納内容が規定される。
リンクロスエリアは、領域間のギャップのための領域で、特に情報を有しない。従来の光ディスク媒体3との互換性のために確保されている。
Field0は、非特許文献2のTable19に示されるように、各種の光ディスク媒体において共通的に管理される共通情報が格納される領域である。Field1は、非特許文献2のTable21に示されるように、光ディスク媒体3に記録する際の記録条件であるレーザ光の強度などのメディアパワー情報が格納される領域である。Field2は、光ディスク記録装置2のベンダが自由に使用できるユーザデータを格納する領域である。Field3は、非特許文献2のTable22に示されるように、セッション情報が格納される領域である。Field4からField12は、生成されたトラックの開始アドレスや最終記録アドレスなどのトラック管理情報が格納される領域である。Field4は、非特許文献2のTable23に示されるように、記録中のトラック情報なども格納され、トラック管理情報のヘッダ部分に相当する。Field5からField12は、非特許文献2のTable24に示されるように、Field4に続くトラック管理情報が格納される。Field13、Field14は、予約領域となっている。
Field4に格納されるトラック管理情報25は、第1トラック、第2トラック、不可視トラックに割り当てられるトラック番号と、生成される各トラックの開始アドレスと記録終了アドレスとで構成される。生成される各トラックの開始アドレスと記録終了アドレスとは、トラック番号に対応させてField4第16バイトから格納される。トラック管理情報26はトラック管理情報25に続くトラック番号からの各トラックの開始アドレスと記録終了アドレスで構成される。
本発明によれば、このように構成される従来の記録状態管理情報は拡張され、データ領域138に記録状態管理情報を格納する領域が設けられる。従来の記録状態管理情報の拡張方法は、以下に示すように5通りある。
第1のデータ領域に拡張される管理情報記録領域の管理方法を、図7と図8を参照して説明する。第1のデータ領域に拡張される管理情報記録領域の管理方法は、図7に示されるように、データ領域に拡張される管理情報記録領域を示すトラック番号を記録状態管理情報のField4に格納されるトラック管理情報25に追加し、トラック管理情報30に替えるものである。
トラック管理情報30は、図8に示されるように、不可視トラック番号、第1トラック番号、第2トラック番号、管理情報記録領域トラック番号、予備領域、各トラックの開始アドレスと最終記録アドレスを含んでいる。不可視トラック番号、第1トラック番号、第2トラック番号は、同時に管理できるように設定される不可視トラック、第1トラック、第2トラックのトラック番号である。管理情報記録領域トラック番号は、データ領域138に拡張される管理情報記録領域として設定されるトラックのトラック番号である。各トラックの開始アドレスと最終記録アドレスは、データ領域138に設定される論理トラックの開始アドレス(セクタアドレス)と最終記録アドレス(セクタアドレス)であり、トラック番号順に格納される。記録が進むにしたがって順にトラックが設定され、その開始アドレスと最終記録アドレスが記録されていくことになる。予約領域は、情報拡張に備えて予約されている予備領域である。
6バイト目から2バイトの領域31は、従来のDVD−R媒体で予約領域であったものをデータ領域に配置された管理情報記録領域トラック番号を記録する領域とするものである。この領域31を設けることにより、ユーザデータが記録されるデータトラック132、133、135…に加え、データ領域138に記録状態管理情報を格納する管理情報記録領域134を配置することができる。
データ領域138に管理情報記録領域134が設定されると、そのトラック番号nが、トラック管理情報30の6バイト目から2バイトの領域に格納される。トラック管理情報30或いはトラック管理情報26をトラック番号nにより検索し、管理情報記録領域134の開始アドレス、最終記録アドレスを得ることができる。
前述したように、従来のDVD−R媒体においてシステム領域に媒体初期化時に生成される管理情報記録領域130を使い切ると、データ領域138に残り領域があってもユーザデータの記録を行うことができなかった。本実施の形態によれば、データ領域138に管理情報記録領域134を拡張し、その拡張した領域に記録状態管理情報を記録することにより、データ領域138に残り領域があればユーザデータの記録を行うことができる。
また、図8の開始バイト位置8バイト目からの予約領域を用いて管理情報記録領域のトラック番号を記録していくことにより、さらに複数の管理情報記録領域を管理することも可能である。予約領域を全て使用することにより、最大5領域まで拡張は可能となる。
第2のデータ領域に拡張される管理情報記録領域の管理方法を、図7と図9を参照して説明する。データ領域に拡張される管理情報記録領域の第2の管理方法は、トラック管理情報30内に管理情報記録領域トラック番号を2つ記録する管理方法である。データ領域に拡張される管理情報記録領域の第1の管理方法は、データ領域138に拡張する管理情報記録領域134を示すトラック番号を1つだけ格納できる領域をトラック管理情報30内に設定する。そのため、第1の管理情報記録領域130に続けてデータ領域138に拡張する管理情報記録領域134を指し示すことが可能となるが、更に拡張させる領域を示す情報を格納することができないため、管理情報記録領域134から更に管理情報記録領域を拡張させることはできない。したがって、第1の管理方法では、管理情報記録領域134の容量を大きく確保する必要がある。第2の管理方法は、記録状態管理情報を複数の管理情報記録領域に分散させ、各管理情報記録領域を比較的小容量として管理するものである。
第2のデータ領域に拡張された管理情報記録領域の管理方法は、図7に示されるField4に格納されるトラック管理情報30を、図9に示されるように、管理情報記録領域を示すトラック番号を2つ保持するようにしたものである。図9に示されるように、第1の管理情報記録領域トラック番号を格納する領域38と第2の管理情報記録領域トラック番号を格納する領域39を設けることで、同時に2つのデータ領域に設けられた管理情報記録領域134、134’の管理を可能にする。
領域38に格納される第1管理情報記録領域トラック番号は、データ領域138に拡張された管理情報記録領域のトラック番号を示す。即ち、第1管理情報記録領域トラック番号は、第1の管理情報記録領域130に記録される記録状態管理情報においては、データ領域138に拡張される最初の管理情報記録領域のトラック番号であり、データ領域138に拡張された管理情報記録領域134に記録される記録状態管理情報においては、管理情報記録領域134のトラック番号である。
領域39に格納される第2管理情報記録領域トラック番号は、次にデータ領域138に拡張される管理情報記録領域のトラック番号である。即ち、第1の管理情報記録領域130に記録される記録状態管理情報においては、第2管理情報記録領域が設定されてない場合、第2管理情報記録領域トラック番号は記録されず、データ領域138に拡張された管理情報記録領域134に記録される記録状態管理情報においては、第2管理情報記録領域トラック番号は次に使用される管理情報記録領域134’のトラック番号である。
通常、光ディスク媒体3の初期化直後からデータ領域138に管理情報記録領域134を拡張することはないため、領域38、39に格納されるトラック番号は未定のまま記録状態管理情報が第1の管理情報記録領域130に順次記録されていく。管理情報記録領域を拡張するため、データ領域138に管理情報記録領域134が設定されると、第1管理情報記録領域トラック番号として管理情報記録領域134のトラック番号が領域38に設定された記録状態管理情報が第1の管理情報記録領域130に記録される。このとき、第2管理情報記録領域が設定されていなければ、領域39は未設定のままである。
さらに記録が進行すると、記録状態管理情報は管理情報記録領域134に記録される。このとき、第1管理情報記録領域トラック番号は、管理情報記録領域134のトラック番号が設定されている。また、第2管理情報記録領域トラック番号は、次に使用される管理情報記録領域134’が設定されるまで未設定のままである。次に使用される管理情報記録領域134’が設定されると、第2管理情報記録領域トラック番号は、管理情報記録領域134’のトラック番号が設定される。
このように領域38、39が設定されて、さらに記録が進行すると、記録状態管理情報は管理情報記録領域134’に記録される。このとき、第1管理情報記録領域トラック番号は、管理情報記録領域134’のトラック番号が設定される。また、第2管理情報記録領域トラック番号は、次に使用される管理情報記録領域が設定されるまで未設定のままである。
以上を繰り返すことにより、データ領域138に管理情報記録領域134を次々拡張していくことができる。拡張される管理情報記録領域は、このように、リスト構造をなすように構成されることになる。
また、ここでは、拡張される管理情報記録領域のトラック番号を2つ管理することにより管理情報記録領域を拡張していく方法を説明したが、データ領域138に拡張される管理情報記録領域が設定されたことを示すフラグと、その領域のトラック番号とを管理することでも同様に拡張が可能である。
第3のデータ領域に拡張される管理情報記録領域の管理方法を、図10と図11を参照して説明する。第3のデータ領域に拡張される管理情報記録領域の管理方法は、図10に示されるように、トラック管理情報領域25、26とは別にField14を管理情報記録領域情報領域40として設け、データ領域138に拡張される管理情報記録領域に関する情報を管理するものである。従来の記録状態管理情報と異なる点は、Field14に管理情報記録領域情報領域40を新たに設けるところにある。また、第1および第2の管理方法は、データ領域138に設定されるトラック番号を利用して管理情報記録領域を管理するが、第3の管理方法は、セクタアドレスを利用して管理する。
管理情報記録領域情報領域40は、データ領域138に拡張される管理情報記録領域に関する情報が記録される領域である。管理情報記録領域情報は、図11に示されるように、データ領域138に内在する管理情報記録領域の数と、各管理情報記録領域の開始アドレスと終了アドレスと最終記録アドレスとを含む。この管理情報記録領域情報領域40は、各管理情報記録領域の開始アドレスと終了アドレスと最終記録アドレスとを169組まで記録することが可能であり、データ領域138に設けられる管理情報記録領域は169領域まで拡張可能となる。
データ領域138に管理情報記録領域134を設けるたびにその管理情報記録領域134の情報を追加していく。管理情報記録領域134が新設される時にその領域の開始アドレスと終了アドレスとが記録され、拡張された管理情報記録領域数が更新されて記録される。記録状態管理情報が記録されるたびに管理情報記録領域134の最終記録アドレスが更新されて記録される。
このように第3の管理方法によれば、複数の管理情報記録領域を管理することができ、さらに各管理情報記録領域のアドレス情報により管理するため、トラック番号からアドレスへの変換も不要であり、処理の簡略化、高速化が可能となる。
ここで、管理情報記録領域の終了アドレスは、管理情報記録領域の開始アドレスと、トラック管理情報25、26に記録される各トラックの開始アドレスとから演算して求めることもできる。そのため、光ディスク記録装置2のCPU11が高速である場合、管理情報記録領域の終了アドレスは、管理情報記録領域情報領域40に記録を行わなくても同等の効果が得られる。
第4のデータ領域に拡張される管理情報記録領域の管理方法を、図12を参照して説明する。第4の管理方法は、図12に示されるように、Field4にトラック管理情報30を設け、Field14に管理情報記録領域情報40を設けて管理する管理方法である。
管理情報記録領域情報40は、図11に示されるように、データ領域138に拡張される管理情報記録領域134のアドレスを保持する。また、トラック管理情報30は、図8または図9に示されるように、管理情報記録領域134のトラック番号を保持する。したがって、第4の管理方法では、管理情報記録領域134は、アドレスとトラック番号とにより管理される。
トラック管理情報30では、最新の管理情報記録領域134のトラック番号を参照することができ、管理情報記録領域情報40では、管理情報記録領域の過去の来歴を参照することが可能となる。管理情報記録領域134を管理する状況に応じて、管理情報記録領域情報40とトラック管理情報30とを使い分けることが可能となる。
即ち、第4のデータ領域に拡張された管理情報記録領域の管理方法によれば、管理情報記録領域情報40を用いて、データ領域内に設けられた複数個の管理情報記録領域を管理できることに加え、トラック管理情報30で、データ領域138に記録された各トラックを同時に管理することができる。
第5のデータ領域に拡張される管理情報記録領域の管理方法を、図13、図14を参照して説明する。第5の管理方法と第4の管理方法との相違点は、Field14に格納される情報が、第4の管理方法では管理情報記録領域情報40であるのに対し、第5の管理方法では図13に示されるように、管理情報記録領域情報60である点である。
図14に示されるように、管理情報記録領域情報60は、管理情報記録領域個数と各管理情報記録領域のトラック番号とを含む。管理情報記録領域個数は、データ領域138に含まれる拡張された管理情報記録領域の数を示す。各管理情報記録領域のトラック番号は、データ領域138に含まれる拡張された管理情報記録領域の各々のトラック番号である。このトラック番号は、トラック管理情報30、26に保持されるトラック情報に対応し、各管理情報記録領域のトラック番号から各管理情報記録領域のアドレスを参照することができる。
管理情報記録領域情報60は、拡張される管理情報記録領域のトラック番号を1016個まで保持することができ、第5の管理方法は、拡張される管理情報記録領域を1016領域まで管理することが可能である。したがって、第5の管理方法は、管理情報記録領域を数多く管理する場合に有効な管理方法である。
前述した管理情報記録領域情報40あるいは管理情報記録領域情報60は、記録状態管理情報のField14に設定して説明したが、記録状態管理情報内に存在していればデータ領域に拡張された管理情報記録領域の管理を行うことが出来る。よって、DVD−Rなどの光ディスク媒体3の規格において内容が規定されているセクタの内容を一部変更して、その空いた部分に配置しても良いし、新たにセクタを指定して配置するようにしても良い。
また、以上説明したトラック管理情報30、管理情報記録領域情報40、管理情報記録領域情報60において設定されるアドレスは、光ディスク記録装置2内部では物理アドレスが一般的に使用されるが、データ領域138に拡張される記録情報管理領域は論理アドレス空間に設定されるため、論理アドレスを用いても良い。
次に、ホスト装置1がデータ領域に拡張された管理情報記録領域を論理トラックとして見える場合と、見えない場合についての制御方法について説明する。
上述のように、データ領域138に管理情報記録領域134を拡張設定することが可能となるが、管理情報記録領域134に記録される記録状態管理情報は、従来システム領域に記録される情報であるため、光ディスク記録装置2内で閉じて管理される情報である。管理情報記録領域134は、データ領域138にあるため、そのままでは通常のユーザデータと同様の扱いとなり、光ディスク記録装置2内で閉じて管理することはできなくなる。したがって、ホスト装置1からの管理情報記録領域134へのアクセスに対し、光ディスク記録装置2内で閉じて管理できるようにホスト装置1と光ディスク記録装置2間の従来のインタフェースに変更を加える。
まず、光ディスク記録装置2の内部で管理されるトラックに関する情報は、ホスト装置1に対してどのように与えられるかについて説明する。図19は、光ディスク記録装置2の内部のトラックと、ホスト装置1からみたトラックの関係を示した図である。
図19に示されるように、光ディスク媒体3のデータ領域138にトラック#1、トラック#2、トラック#3、トラック#4の4トラックが設定され、トラック#1、トラック#2、トラック#4にユーザデータが記録され、トラック#3に記録状態管理情報が記録されたものとする。即ち、トラック#1、トラック#2、トラック#4は、データトラックとして割り当てられ、トラック#3は管理情報記録領域として割り当てられている。
したがって、光ディスク記録装置2は、これら4トラックをデータトラック#1、データトラック#2、管理情報記録領域#1、データトラック#3として管理する。
光ディスク記録装置2において、ホスト装置1からの要求が従来のようにトラック番号に基づくものとして取り扱われる場合、管理情報記録領域#1もユーザデータトラックとして扱われ、トラック#1、トラック#2、トラック#3、トラック#4に対応する情報がホスト装置1に返される。したがって、ホスト装置1に対してデータトラック#1、データトラック#2、管理情報記録領域#1、データトラック#3の情報がホスト装置1に渡される。即ち、管理情報記録領域がトラックとして可視状態となる。
例えば、ホスト装置1がトラック#3をアクセスしたとき、光ディスク記録装置2はホスト装置1にトラック#3が通常のデータトラックと異なることを通知する必要がある。ホスト装置1がトラック#3を通常のデータトラックとして取り扱うことにより管理情報記録領域に対する不要なリード・ライト動作を防止するためである。ホスト装置1も管理情報記録領域の存在を認識して光ディスク媒体2のデータ領域を管理する必要がある。
光ディスク記録装置2において、ホスト装置1からの要求がユーザデータに関するトラック番号に基づくものとして取り扱われる場合、即ち管理情報記録領域がシステム領域もしくはシステム領域に準ずるものとして扱われる場合、管理情報記録領域に関する情報はホスト装置1に返されない。したがって、ホスト装置1に対してデータトラック#1(トラック#1)、データトラック#2(トラック#2)、データトラック#3(トラック#4)に対応する情報がホスト装置1に返される。即ち、管理情報記録領域がトラックとして不可視状態となる。
例えば、光ディスク記録装置2がデータ領域138に存在する管理情報記録領域をデータトラックとして見せない場合、ホスト装置1がトラック#3をアクセスすると、光ディスク記録装置2は、管理する記録状態管理情報からデータ領域138に割り当てられた管理情報記録領域134を排除して並べ直したトラック番号に対応する情報をホスト装置1に返答する。したがって、ホスト装置1において、トラック#4の情報がトラック#3のデータとして見える。このとき、ホスト装置1は、光ディスク媒体2のデータ領域を管理する上でデータ領域138に存在する管理情報記録領域を認識する必要はなくなるが、光ディスク記録装置2は、ホスト装置1に対して管理情報記録領域134を排除して応答する必要がある。
このようにユーザ領域138に拡張される管理情報記録領域134の扱い方により、ホスト装置1、光ディスク記録装置2における光ディスク媒体3の管理方法が異なることになる。そのため、コマンドおよびコマンドに対する応答を拡張する。
光ディスク記録装置2が管理情報記録領域を拡張する際に関連するホスト装置1が発行するコマンドは、Reserve Trackコマンド、Close Trackコマンドである。
Reserve Trackコマンドは、ホスト装置1が指定するセクタ数の論理アドレス領域をトラックとして予約するコマンドである。従来のReserve Trackコマンドのコマンドパケットは、非特許文献2のTable499に示されている。図17に示されるように、このコマンドの1バイト目bit0に、コマンドにより予約されるトラックを管理情報記録領域領域として確保するように指示する管理情報記録領域フラグ70を設ける。コマンドの5〜8バイト目にその管理情報記録領域として確保するセクタ数72を配置しても良い。また、新たにコマンド引数を設け、そこに配置しても良い。光ディスク記録装置2は、Reserve Trackコマンドを受け取り、管理情報記録領域フラグ70が真の場合、新たに管理情報記録領域として確保するセクタ数72のセクタ数分の領域を管理情報記録領域として予約する。
Close Trackコマンドは、指定されたトラックをクローズ即ち記録終了を指示するコマンドである。光ディスク記録装置2は、クローズ処理の後、新たに不可視トラックを設定する。そのため、図18に示されるように、新たに不可視トラックを設定する前に管理情報記録領域領域を設定することを許可するか否かを示す管理情報記録領域の拡張ビット80を従来のコマンドパケットの2バイト目bit3に設ける。
ホスト装置1は光ディスク記録装置2の状態、光ディスク媒体3の状態を取得するために、Request Senseコマンド、Read Disc Informationコマンド、Read Track Informationコマンド等を用いる。
Request Senseコマンドは、ホスト装置1が光ディスク記録装置2の状態を取得するために発行するコマンドである。従来このコマンドは、光ディスク記録装置2が与えられたコマンドを実行完了したり、光ディスク記録装置2内の状態が変化した際に、光ディスク記録装置2が、ホスト装置1に通知する情報があることを送信すると発行されていた。システム領域あるいはデータ領域に設定された記録管理領域の残り数がしきい値以下になると、光ディスク記録装置2はホスト装置1にステータスを通知する。ホスト装置1は、そのステータスを受け取ると、Request Senseコマンドを光ディスク記録装置2に送信するようにコマンド発行の契機を拡張する。ホスト装置1は、Request Senseコマンドの応答により必要な情報を取得する。
ホスト装置1が、データ領域に拡張された管理情報記録領域をデータトラックとして見ることができる場合、ユーザデータの記録されたトラックと、管理情報記録領域のトラックを区別しなければならない。そのため、ディスク状態を取得するRead Disc Informationコマンドと、トラック状態を取得するRead Track Informationコマンドに関して、以下に説明されるように拡張される。
図15を参照して、Read Disc Informationコマンドの戻り値の拡張を説明する。従来のRead Disc Informationコマンドの戻り値は、非特許文献2のTable368に示されている。図15に示されるように、その戻り値に管理情報記録領域フラグ70と、データ領域の管理情報記録領域拡張回数71の値が追加される。
コマンド戻り値の2バイト目bit5は、データ領域138に管理情報記録領域134が存在するとき“1”となる管理情報記録領域フラグ70として使用される。また、コマンド戻り値の32バイト目は、管理情報記録領域が拡張された回数を格納する領域71として使用され、データ領域138に存在する管理情報記録領域の個数を示す情報が付加される。これらのデータ位置は非特許文献2のTable368に記載される他の未使用領域であっても良いし、コマンド戻り値長を変更して34〜nバイトに配置されたEntries of OPC Tableの後に追加しても良い。
図16を参照して、Read Track Informationコマンドの戻り値の拡張を説明する。従来のRead Track Informationコマンドの戻り値は、非特許文献2のTable463に示されている。図16に示されるように、その戻り値に管理情報記録領域フラグ70が追加される。
コマンド戻り値の5バイト目bit6は、コマンドにより指定されるトラックが管理情報記録領域のとき“1”となる管理情報記録領域フラグ70として使用される。ホスト装置1は、Read Track Informationコマンドの戻り値を取得後、管理情報記録領域フラグ70が“1”であればそのトラックは管理情報記録領域トラックであるため、リードライトを行う必要がないことが分かる。
なお、管理情報記録領域のフラグの位置は非特許文献2のTable463の内容が規定されているデータを一部変更して、その空いた部分に配置しても良いし、新たにデータバイトを追加してそこに配置するようにしても良い。
このように拡張される管理情報記録領域とコマンドを使用して動作する光ディスク記録システムにおけるデータ領域に配置される管理情報記録領域の拡張方法について説明する。
光ディスク媒体3は、物理アドレス30000h以下の領域にシステム領域、物理アドレス30000h以上の領域にデータ領域が配置される。システム領域には、管理情報記録領域130と、リードイン領域131とが配置される。データ領域138には、情報を記録するトラック132、133、134、135が配置される。これらのトラックのうちトラック134が管理情報記録領域に設定される。このデータ領域138に管理情報記録領域134を配置して管理情報記録領域を拡張する契機となるのは、ホスト装置1が不可視トラックのClose Trackコマンドを発行するとき、あるいは、管理情報記録領域を確保するコマンドを発行するときである。
即ち、不可視トラックのClose Trackコマンドの発行を行った後、次に不可視トラックにデータを記録するWrite(10)コマンドあるいは論理トラックを予約するReserve Trackコマンド発行する前に管理情報記録領域を確保するコマンドの発行する必要がある。不可視トラックは、ディスクの最外周のトラックであり、その終了アドレスは、トラックをクローズするときまでのデータの書き込み量により定まるためである。
図5、図20を参照して、光ディスク記録装置2が自律的に管理情報記録領域を拡張する第1の拡張方法を説明する。第1の動作は、ホスト装置1が不可視トラックのClose Trackコマンドを発行するとき、光ディスク記録装置2が現在の記録状態管理情報を記憶する管理情報記録領域の残り領域量がしきい値以下になった場合、ホスト装置1からのコマンドに拠らず管理情報記録領域134を新たにデータ領域138に拡張するというものである。
トラック番号#(n−1)の不可視トラック133に対するClose Trackコマンドをホスト装置1が発行すると、コマンドに応答して光ディスク記録装置2はトラック#(n−1)をクローズし、更新された記録状態管理情報を第1の管理情報記録領域130に記録する。
第1の管理情報記録領域130の残り領域量が予め定められたしきい値以下の場合、光ディスク記録装置2はトラック#nに予め定められたセクタ数の管理情報記録領域134を確保する。データ領域138に管理情報記録領域134が新たに確保されると、光ディスク記録装置2はデータ領域に管理情報記録領域が拡張されたことを示すフラグをシステム領域に記録する。また、光ディスク記録装置2はデータ領域138内に存在する管理情報記録領域の個数を更新し、記録状態管理情報を更新して光ディスク媒体3の第1の管理情報記録領域130に記録状態管理情報を記録する。
続いて、光ディスク記録装置2はトラック#(n+1)に新たな不可視トラック135を生成し、記録状態管理情報を更新して光ディスク媒体3の第1の管理情報記録領域130に記録状態管理情報を記録する。光ディスク記録装置2は、Close Trackコマンドの応答として、トラック番号#(n−1)のトラックのクローズが正常に終了し、管理情報記録領域134が新たに拡張されたことを示すステータスをホスト装置1に通知する。ホスト装置1はClose Trackコマンドの戻り値が正常終了だけではなく、管理情報記録領域が拡張されたステータスを受け取ることで、ユーザが管理しているトラック以外のデータが光ディスク媒体3に存在することを検出することができる。また、光ディスク記録装置2内部でホストからのコマンドに拠らずに管理情報記録領域が拡張されるため、光ディスク媒体3のデータ領域138の残りセクタ数はホスト装置1が保持する値と一致しなくなる。そのため、ホスト装置1は光ディスク媒体3の空きセクタ数を取得するコマンドを発行し、光ディスク媒体3の空きセクタ数を確認する。
さらにホスト装置1が光ディスク媒体3にデータを追記する場合、ディスク状態を取得するコマンドやトラック状態を取得するコマンドを使用し、光ディスク媒体3に存在するデータのトラック数やトラックの状態を取得する。ホスト装置1は、取得したデータに基づいて次に書き込み可能な論理アドレスを決定する。
ここでは、第1の管理情報記録領域130の残り領域量がしきい値以下になった場合について説明したが、データ領域138に拡張された管理情報記録領域134の残り領域量がしきい値以下になった場合も、データ領域138に更に管理情報記録領域を拡張できれば同じように動作できることは言うまでもない。
データ領域に管理情報記録領域の拡張する第1の方法におけるCPU11の動作を、図20を参照して説明する。ホスト装置1が光ディスク装置2にコマンドを発行すると、CPU11はコマンド解析を行う。受信コマンドが、Close Trackコマンドか否かを判定する(ステップS202)。受信コマンドがClose Trackコマンドでなければ(ステップS202−偽)、処理を終了する。受信コマンドがClose Trackコマンドであれば(ステップS202−真)、Close Track処理を実行する(ステップS203)。Close Track処理では、予約された領域の未使用セクタをダミーデータで埋める処理を実行し、更新された記録状態管理情報を、光ディスク媒体3上の管理情報記録領域130或いは管理情報記録領域134に記録する。
次に、クローズしたトラックが不可視トラックであったか否かを判定する(ステップS204)。クローズしたトラックが不可視トラックでなければ(ステップS204−偽)、不可視トラックの終了処理ではないため、コマンド戻り値を設定し処理を終了する。
クローズしたトラックが不可視トラックであれば(ステップS204−真)、管理情報記録領域の残り領域量としきい値とを比較する(ステップS205)。比較の結果、管理情報記録領域の残り領域量がしきい値以下の場合(ステップS205−“≦”)、管理情報記録領域設定処理として管理情報記録領域134をデータ領域138に設定する処理を行う(ステップS206)。管理情報記録領域設定処理は、終了した不可視トラック133に続いて、予め定められたセクタ数の管理情報記録領域134を設定し、新たに設定された管理情報記録領域134の開始アドレスや終了アドレスなどの設定情報を記録状態管理情報に設定し、更新する。ここで、新たに設定された管理情報記録領域134以外の管理情報記録領域は、後に詳述するが、所定のデータで埋めたり、使い切るまで新たに設定された管理情報記録領域を使用しない方法がある。
続いて新たな不可視トラックを設定する処理を行い(ステップS207)、コマンド戻り値を設定してコマンドの処理を終了する。管理情報記録領域の残り領域量がしきい値より大きい場合(ステップS205−“>”)、不可視トラック設定処理を行い(ステップS207)、コマンド戻り値を設定してコマンドの処理を終了する。
不可視トラック設定処理(ステップS207)では、次にデータを書き込むための不可視トラックを新たに設定し、新たに設定された不可視トラックの記録状態管理情報を更新し、処理を終える。
第1の動作では、管理情報記録領域の残り領域量としきい値との比較を行い(ステップS205)、管理情報記録領域設定処理(ステップS206)を行うことにより、従来光ディスク記録装置2では行えなかったデータ領域138への管理情報記録領域の設定が可能となる。
本実施例ではCPU11が実行するプログラムとして説明しているが、同じ動作をする論理回路を構成し動作させることも可能である。
次に、上述の光ディスク記録装置2が複数個の管理情報記録領域を同時に管理することができる場合に新たな管理情報記録領域をデータ領域上に設ける際の、2つの記録状態管理情報の記録方法について説明する。
第1の記録方法は、新たな管理情報記録領域134が設けられる際に、それ以前に存在する管理情報記録領域の未使用領域を所定のデータで埋める。このようにすると、光ディスク記録装置2は常に1つの管理情報記録領域を管理すれば良いので、追記中の光ディスク媒体3を光ディスク記録装置2に挿入した際、高速に最新の記録状態管理情報を検索することが出来る。ここで、所定のデータは最新の記録状態管理情報、あるいは、ダミーデータで構成されるデータである。
第2の記録方法は、新たに管理情報記録領域134が設けられても、それ以前に存在する管理情報記録領域の未使用領域を使い切るまで、新たに設けられた管理情報記録領域134を使用せず、以前の管理情報記録領域の未使用領域に記録状態管理情報を記録する。第2の方法は、追記中の光ディスク媒体を挿入した際、複数個の管理情報記録領域から最新の記録上対管理情報を検索するため、第1の方法と比較して検索速度は劣るが、管理情報記録領域を効率よく使用することが出来る。
ここで、管理情報記録領域の残り領域量のしきい値について説明する。前記管理情報記録領域の残り数のしきい値としてはデータ用に同時にオープンできるトラック数の2倍以上の値であることが必要である。これは、光ディスク記録装置2は1つのトラックに対し、データ記録を伴わない場合であっても、Reserve Trackコマンドと、Close Trackコマンドが発行されるため、2つの記録状態管理情報を更新する管理情報記録領域が必要なためである。
例えば、前述の図2に示される動作においては、第1トラック、第2トラックに対してReserve Trackコマンド、Synchronize Cacheコマンド、Close Trackコマンドが発行されるので1つのトラックに対して各々3つ、不可視トラックに対しては手順5から手順9まで4つの記録状態管理情報を管理するため3+3+4=10の残り数が必要となる。実際の動作時は1つのトラックに対し複数回のSynchronize Cacheコマンドが発行されることを考慮し、同時にオープンするトラックの5倍程度の値を設定することが望ましい。よって、本実施の形態の管理情報記録領域の残り数のしきい値は15といった数値が望ましい。
さらに、光ディスク装置2が、記録状態管理情報を頻繁に更新する場合は、残り数のしきい値を通常より大きくして早めにデータ領域に管理情報記録領域を拡張したり、領域の残り数がしきい値より大きくてもデータ領域に管理状態記録領域を拡張することが有効である。
また、管理情報記録領域を拡張する際の予め定められるセクタ数は、第1の管理情報記録領域130に確保されたセクタ数と同程度の値で良い。データ領域138の使用セクタ数、記録状態管理情報数、データ領域の空きセクタ数から適応的な管理情報記録領域領域を確保することも可能である。例えば、(予め定められるセクタ数)=(データ領域の空きセクタ数)/(データの使用セクタ数)×(記録状態管理情報数)、とすることでそれまで記録されている平均の記録サイズとデータ領域138の空き領域から適応的な管理情報記録領域134の確保を行い、光ディスク媒体3の効率的な記録情報管理が行える。また、一般的に光ディスク記録装置2はECCブロック単位で記録を行うため、予め定められたセクタ数はECCブロックを構成するセクタ数の倍数となり、例えば、400ECCブロック(6400セクタ)といった数値が設定される。
さらに、光ディスク記録装置2は、RAM12内部に一時的な記録状態管理情報メモリ125を備え、複数個の記録状態管理情報を記憶させる。データ領域138に管理状態記録領域134を拡張する前に、複数回のSynchronize Cacheコマンドが発行される場合などに備えて、更新する必要のある記録状態管理情報を一時的な記録状態管理情報メモリ125に蓄える。不可視トラックを閉じるまでに管理状態記録領域が不足するような時でも、光ディスク記録装置2を正常に動作させることができる。
図5、図21を参照して、光ディスク記録装置2が管理情報記録領域を拡張する第2の拡張方法を説明する。第2の動作は、ホスト装置1が許可した場合のみ光ディスク記録装置2が管理情報記録領域を拡張するものである。
ホスト装置1が管理情報記録領域の拡張許可フラグを付加した不可視トラックのClose Trackコマンドを発行するとき、光ディスク記録装置2は拡張許可フラグが真で、かつ、現在の記録状態管理情報を記憶する管理情報記録領域の残り領域がしきい値以下になった場合、管理情報記録領域を新たにデータ領域に拡張する。
ホスト装置1がデータ領域138に管理情報記録領域134を拡張しても良いと判断したとき、不可視トラックのClose Trackコマンドを発行する際、コマンド内の管理情報記録領域の拡張許可フラグ80を真とする。図5では、不可視トラックである(n−1)番目のトラックのClose Trackコマンドを発行するとき、拡張許可フラグ80を真とする。光ディスク記録装置2はClose Trackコマンドの引数が、対象トラックが不可視トラック、かつ、拡張許可フラグ80が真、かつ、光ディスク媒体内の管理情報記録領域の残り領域量がしきい値以下の場合、不可視トラックのクローズ処理を行った後、新たな管理情報記録領域134をトラック#nに設け、さらに新たな不可視トラック#(n+1)を続けて設ける。
ここで、ホスト装置1が不可視トラックのClose Trackコマンドを発行するとき、管理情報記録領域の拡張許可フラグ80を真にするかどうかは、ホスト装置1が許可できる処理シーケンスにあるか否かにより決定され、光ディスク記録装置2の状態には影響を受けない。つまり、光ディスク記録装置2の管理情報記録領域がしきい値より小さくても、管理情報記録領域の拡張許可フラグ80が「偽」であれば管理情報記録領域の拡張は行われない。管理情報記録領域の許可フラグ80は、ホスト装置1が管理するアドレス情報が、光ディスク媒体3に記録中に変化してはならない場合に禁止状態を示す。例えば、ホスト装置1が光ディスク媒体3に存在するファイル管理情報を記録しようとする場合、その位置を特定する方法が、ディスクの論理アドレスではなく、ある基準アドレスからのオフセットアドレスなどで示される場合、データトラック間に管理情報記録領域があることによりオフセットアドレスが変わることがあるためである。
また、光ディスク媒体3の管理情報記録領域がしきい値以下の場合、ホスト装置1から発行される不可視トラックに対するWrite(10)コマンドや、Synchronize Cacheコマンドの戻り値に、光ディスク記録装置2が、管理情報記録領域の残り領域量がしきい値以下であることをステータスとして通知する。そのようにすると、ホスト装置1は、不可視トラックの管理情報記録領域の拡張許可フラグを適切に設定することができる。
光ディスク記録装置2は、トラッククローズのコマンドの応答として、トラッククローズが正常に終了し、かつ、管理情報記録領域を新たに拡張したことを示すステータスをホスト装置1に通知する。ホスト装置1はトラッククローズの戻り値が正常終了だけではなく、管理情報記録領域が拡張されたステータスを受け取ることで、ユーザが管理しているトラック以外のデータが光ディスク媒体3に存在することを検出することができる。そのため、ホスト装置がトラック番号を用いてデータ管理をする場合も適切な処理を行うことができる。
さらにホスト装置1が光ディスク媒体3にデータを追記する場合、ディスク状態を取得するコマンドやトラック状態を取得するコマンドを使用し、光ディスク媒体3に存在するデータのトラック数やトラックの状態を取得する。ホスト装置1は取得した状態に基づいてデータをライトする論理アドレスを決定する。
次に、データ領域に管理情報記録領域を拡張する第2の拡張方法におけるCPU11の動作を、図21を参照して説明する。ホスト装置1が光ディスク装置2にコマンドを発行すると、CPU11はコマンド解析を行う。受信コマンドが、Close Trackコマンドか否かを判定する(ステップS212)。受信コマンドがClose Trackコマンドでなければ(ステップS212−偽)、処理を終了する。受信コマンドがClose Trackコマンドであれば(ステップS212−真)、Close Track処理を実行する(ステップS213)。Close Track処理では、予約された領域の未使用セクタをダミーデータで埋める処理を実行し、更新された記録状態管理情報を、光ディスク媒体3上の管理情報記録領域130或いは管理情報記録領域134に記録する。
次に、クローズしたトラックが不可視トラックであったか否かを判定する(ステップS214)。クローズしたトラックが不可視トラックでなければ(ステップS214−偽)、不可視トラックの終了処理ではないため、コマンド戻り値を設定し処理を終了する。
クローズしたトラックが不可視トラックであれば(ステップS214−真)、Close Trackコマンドに設定される管理情報記録領域の拡張許可フラグ80を判定する(ステップS218)。管理情報記録領域の拡張許可フラグ80が許可状態であれば(ステップS218−真)、管理情報記録領域の残り領域量としきい値とを比較する(ステップS215)。
比較の結果、管理情報記録領域の残り領域量がしきい値以下の場合(ステップS215−“≦”)、管理情報記録領域設定処理として管理情報記録領域134をデータ領域138に設定する処理を行う(ステップS216)。管理情報記録領域設定処理は、終了した不可視トラック133に続いて、予め定められたセクタ数の管理情報記録領域134を設定し、新たに設定された管理情報記録領域134の開始アドレスや終了アドレスなどの設定情報を記録状態管理情報に設定し、更新する。ここで、新たに設定された管理情報記録領域134以外の管理情報記録領域は、前述のように、所定のデータで埋めたり、使い切るまで新たに設定された管理情報記録領域を使用しない方法がある。
続いて新たな不可視トラックを設定する処理を行い(ステップS207)、コマンド戻り値を設定してコマンドの処理を終了する。
管理情報記録領域の拡張許可フラグ80が不許可である場合(ステップS218−偽)、或いは管理情報記録領域の残り領域量がしきい値より大きい場合(ステップS215−“>”)は、不可視トラック設定処理を行い(ステップS217)、コマンド戻り値を設定してコマンドの処理を終了する。
不可視トラック設定処理(ステップS217)では、次にデータを書き込むための不可視トラックを新たに設定し、新たに設定された不可視トラックの記録状態管理情報を更新し、処理を終える。
前述の第1の動作におけるCPU11の動作との相違点は、不可視トラックの判定(ステップS214)と管理情報記録領域の残り数としきい値比較(ステップS215)との間に、管理情報記録領域拡張フラグの判定(ステップS218)を追加することである。管理情報記録領域拡張フラグの判定(ステップS208)を設けることで、光ディスク記録装置2はホスト装置1が管理情報領域の拡張を行っても良いタイミングを知ることができるため、光ディスク記録装置2を上位システムが細かく制御を行う場合に特に有効な方法となる。
本実施例ではCPU11が実行するプログラムとして説明しているが、同じ動作をする論理回路を構成し動作させることも可能である。
図5、図22を参照して、光ディスク記録装置2が管理情報記録領域を拡張する第3の拡張方法を説明する。第3の拡張方法は、ホスト装置1の管理下に光ディスク記録装置2が管理情報記録領域を拡張するものである。
ホスト装置1が不可視トラックのClose Trackコマンドに続いて、管理情報記録領域をデータ領域上に予約するコマンドを発行し、光ディスク記録装置2はホスト装置1が要求する領域サイズの管理情報記録領域を新たにデータ領域に拡張する。
また、光ディスク記録装置2が現在の記録状態管理情報を記憶する管理情報記録領域の残り領域量がしきい値以下になった場合、ホスト装置1に管理情報記録領域量がしきい値以下になったことをステータスとして通知することにより、管理情報記録領域をデータ領域上に予約するコマンドを発行することができる。
ホスト装置1が不可視トラックであるトラック#(n−1)に対しWrite(10)コマンドや、Synchronize Cacheコマンドを発行するとき、光ディスク媒体3の管理情報記録領域の残り領域がしきい値以下の場合、光ディスク記録装置2はコマンド戻り値として、管理情報記録領域がしきい値以下であることをステータスとして通知する。ホスト装置1は、コマンド戻り値のステータスをチェックする。ホスト装置1は、記録処理が終了し、トラック#(n−1)のClose Trackコマンドを発行する。
続いて、光ディスク記録装置2により通知されるステータスが、管理情報記録領域の残り領域がしきい値以下であることを示す場合、ホスト装置1は、管理情報記録領域として確保するセクタ数を引数に設定し、管理情報記録領域をデータ領域138に予約するコマンドを発行する。光ディスク記録装置2は、要求された管理情報記録領域のセクタ数分確保されたトラック#nに管理情報記録領域を設定し、不可視トラック#(n−1)を新たに設ける。光ディスク記録装置2は、正常終了したことをコマンド戻り値にセットし、ホスト装置1に返信する。
ホスト装置1は、管理情報記録領域134をデータ領域138に予約するコマンドが正常終了した場合、不可視トラックのトラック番号や不可視トラックの次に書き込み可能な論理アドレスが変更されたことを知ることができる。したがって、Read Disc InformationコマンドやRead Track Informationコマンドを使用し、光ディスク媒体3に存在するデータのトラック数やトラックの状態を取得し、不可視トラックにデータをライトする論理アドレスを決定する。
仮に、ホスト装置1が管理情報記録領域の残り容量がしきい値より大きいにも関わらず、トラック予約コマンドの管理情報記録領域フラグ70に真が設定されている場合、光ディスク記録装置2は、管理情報記録領域の確保を行わずに、エラーをコマンド戻り値としても良いし、ホスト装置1が要求するセクタ数をトラック#nに管理情報記録領域として確保し、続いて不可視トラック#(n+1)としても良い。
管理情報記録領域をデータ領域に予約するコマンドは、前述のように、拡張されたReserve Trackコマンドを用いる。光ディスク記録装置2は、Reserve Trackコマンドを受け取り、管理情報記録領域フラグ70が真の場合、新たに管理情報記録領域として確保するセクタ数72のセクタ数分のトラックを管理情報記録領域134として予約する。
ここで、管理情報記録領域として確保するセクタ数72は、記録がECCブロック単位で行われるためECCブロックの整数倍に設定され、かつ、1回の更新で管理情報記録領域は1ECC使用されるため、しきい値より十分に大きいECCブロック数を確保することが望ましい。なお、記録単位がセクタ単位である場合はECCブロックをセクタで置き換えることができる。
次に、データ領域に管理情報記録領域を拡張する第3の拡張方法におけるCPU11の動作を、図22を参照して説明する。ホスト装置1が光ディスク装置2にコマンドを発行すると、CPU11はコマンド解析を行う。受信コマンドが、Reserve Trackコマンドか否かを判定する(ステップS220)。受信コマンドがReserve Trackコマンドでなければ(ステップS220−偽)、処理を終了する。受信コマンドがReserve Trackコマンドであれば(ステップS220−真)、Reserve Trackコマンドの管理情報記録領域フラグ70を判定する(ステップS221)。
管理情報記録領域フラグ70が管理情報記録領域設定を示していると(ステップS221−真)、新たな管理情報記録領域134をデータ領域138に設定する管理情報記録領域設定処理を実行し(ステップS222)、コマンド処理を終了する。
管理情報記録領域フラグ70が管理情報記録領域設定を示していない場合(ステップS221−偽)、第1トラックが未使用であるか否か判定する(ステップS223)。第1トラックが未使用であれば(ステップS223−真)、第1トラックの予約処理を行う。第1トラック予約処理は、第1トラックが未使用なので、Reserve Trackコマンド引数で与えられたセクタ数を第1トラックとして予約し、記録状態管理情報を更新する(ステップS224)。その後コマンド処理を終了する。
第1トラックが使用されていれば(ステップS223−偽)、第2トラックが未使用であるか否か判定する(ステップS225)。第2トラックが未使用であれば(ステップS225−真)、第2トラックの予約処理を実行する。第2トラック予約処理は、第2トラックが未使用なので、Reserve Trackコマンド引数で与えられたセクタ数を第2トラックとして予約し、記録状態管理情報を更新する(ステップS226)。その後コマンド処理を終了する。
第2トラックも使用されていれば(ステップS225−偽)、エラー処理を行う。エラー処理は、発生したエラーステータスをコマンド戻り値に設定し(ステップS227)、コマンド処理を終了する。
第3のデータ領域に管理情報記録領域の拡張方法は、Reserve Trackコマンドの管理情報記録領域フラグ70を判定する処理(ステップS221)と、新たな管理情報記録領域134をデータ領域138に設定する管理情報記録領域設定処理(ステップS222)とを設けることにより、従来光ディスク記録装置では行えなかったデータ領域への管理情報記録領域の設定を可能とする。
本実施の形態ではCPU11が実行するプログラムとして説明しているが、同じ動作をする論理回路を構成し動作させることも可能である。
以上説明したように、不可視トラックをクローズする際に管理情報記録領域が不足すると、不可視トラックに続いて新たにデータ領域138に管理情報記録領域134を設定する。セッションと呼ばれる複数の論理ボリュームを光ディスク媒体3上に設定する場合、それぞれのセッションの境界はシステム領域として割り当てられるため、第1の管理情報記録領域130と同等の機能を持つ管理情報記録領域をセッション境界に配置することができる。
追記型光ディスク媒体3に複数個のセッションを設ける場合、追記可能な状態のセッションに対してデータ記録を行うデータ領域が設定される。そのデータ領域に対しても、本発明の管理情報記録領域を配置することが可能である。
また、光ディスク記録装置2が管理する管理情報記録領域にホスト装置1が直接アクセスしようとした場合、光ディスク記録装置2は、エラーを返す。即ち、ホスト装置1が、管理情報記録領域領域に割り当てられたトラック内の論理アドレスに対してWrite(10)コマンドやRead(10)コマンドを発行した場合、光ディスク記録装置2は、ライト動作やリード動作を行わずに、エラーを返す。このようにすることで、本来、システム領域にしか無かった記録状態管理情報がデータ領域に配置されている場合に、ユーザが誤ってデータ領域に配置された管理情報記録領域に対してアクセスすることを防ぐことができる。特に、エラーを返す際、論理アドレスが管理情報記録領域であることを示すことを通知すると、ホスト装置1は、リトライ動作等を行わないようにできるため、効率よく光ディスク記録装置2の制御を行うことができる。
図23に、光ディスク記録装置2が管理情報記録領域の論理アドレスに入出力を行うコマンドを受けた際のフローチャートを示す。従来の入出力処理と異なる点は、入出力を行う論理アドレスが管理情報記録領域であるか否かを判断する管理情報記録領域判定(ステップS241)と、管理情報アクセス制限通知処理(ステップS244)を備える点である。
光ディスク記録装置2は、ホスト装置1からコマンドを受信すると、コマンド解析を行う。受信コマンドが、ReadコマンドやWriteコマンドのような入出力コマンドか否か判定する(ステップS240)。受信コマンドが入出力コマンドでなければ(ステップS240−偽)、処理は終了される。受信コマンドが入出力コマンドであれば(ステップS240−真)、入出力を行う論理アドレスが管理情報記録領域内のアドレスか否かを判定される(ステップS241)。入出力を行う論理アドレスが管理情報記録領域内のアドレスでなければ(ステップS241−偽)、管理情報記録領域に対する入出力ではないため、光ディスク記録装置2は通常の入出力処理を行う。入出力処理では、ユーザデータが光ディスク媒体3から読み出され、光ディスク媒体3にユーザデータが書き込まれる入出力が行われる(ステップS242)。その後、入出力状態通知処理で、入出力が終了したときの状態がコマンド戻り値に設定されてホスト装置1に通知され(ステップS243)、終了する。
入出力を行う論理アドレスが管理情報記録領域内のアドレスであれば(ステップS241−真)、管理情報記録領域に対する入出力であるから、管理領域アクセス制限通知処理を行う。管理領域アクセス制限処理では、アクセスアドレスが管理情報記録領域内を指し示していることを示す情報がコマンド戻り値に設定されてホスト装置1に通知され(ステップS244)、終了する。
前述したRead Disc Informationコマンド、Read Track Informationコマンドを使用して、光ディスク媒体3のデータ領域138に管理情報記録領域134がある場合の管理情報をホスト装置1が取得する方法を次に述べる。
Read Disc Informationコマンドのコマンド戻り値には、図15に示されるように、管理情報記録領域を含むディスク全体のトラック数と、データ領域に管理情報記録領域が存在するか否かのフラグ情報と、データ領域の管理情報記録領域の個数などが設定されている。これらの情報を用いてホスト装置1は、光ディスク媒体3内の総トラック数と、操作できないトラックの存在と、その数とを判別することができる。どのトラックが管理情報記録領域かを判別するためには、トラック番号#1から光ディスク媒体3内の総トラック数まで順次Read Track Informationコマンドを発行する。Read Track Informationコマンドの戻り値には図16に示されるように、そのトラックが管理情報記録領域であるか否かを示す管理情報記録領域フラグ70が設定されている。
n番目のトラックが管理情報記録領域領域である場合、n番目のトラックに対して発行されるRead Track Informationコマンドの戻り値には、そのトラックが管理情報記録領域であることを示すフラグ情報が設定される。そのフラグ情報によりホスト装置1は、n番目のトラックが管理情報記録領域であることを識別でき、n番目のトラックに対してリードライトを行わないようすることができるため、ホスト装置1が光ディスク記録装置2の制御を効率良く行うことができる。
データ領域に拡張された管理情報記録領域が光ディスク記録装置2により隠蔽され、ホスト装置1からデータトラックとしてデータ領域に拡張された管理情報記録領域を扱えない場合、ホスト装置1は、従来の光ディスク記録装置2と同じように記録・再生制御を行える。
特に、不可視トラックのClose Trackコマンドを受信した光ディスク記録装置2が、現在の記録状態管理情報を記憶する管理情報記録領域の残り領域がしきい値以下になったと判断して、ホスト装置1からのコマンドによらずに管理情報記録領域をデータ領域に拡張する方法を用いる場合、光ディスク記録装置2を制御するホスト装置1の制御プログラムは、従来のものから少ない変更で対応可能となるいう優れた効果を有する。
以上、説明したように、光ディスク媒体の記録管理を行うための管理情報記録領域を単数あるいは複数回データ領域に拡張することにより、従来管理情報記録領域を使い切ったために、データ領域に未使用領域があるにも関わらずデータを追記することができなかった光ディスク媒体に対しても、記録を行うことができるようになる。そのため、ユーザはより有効に光ディスク媒体を使用することができる効果がある。