以下、(1.追記型記録媒体)、(2−1.記録装置)、(2−2.記録方法)、(3−1.再生装置)および(3−2.再生方法)において、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
1.追記型記録媒体
図1は、本発明の実施の形態の光ディスク1の構成を示す。
光ディスク1は円盤状である。光ディスク1には、スパイラル状のトラック溝2が形成されている。トラック溝2には、複数のブロック3が形成されている。ブロック3は、エラー訂正の単位であり、情報の記録および情報の再生のための最小の単位である。
光ディスク1は、リードイン領域4とリードアウト領域6とユーザデータが記録されるデータ領域5とを有する。データ領域5は、少なくとも1つの記録領域を含むように構成されるようになっている。データ領域5に対してデータの記録再生が行われる。
リードイン領域4とリードアウト領域6とは、光ヘッド(図示せず)がデータ領域5の端にアクセスする場合に、光ヘッドがデータ領域5からオーバーランしてもトラック溝2に追随できるようなのりしろとしての役割を果たす。
リードイン領域4は、記録状態を管理する管理情報8が記録される管理情報領域7を有する。複数の管理情報8は、例えば、記録済領域と未記録領域とを管理する。複数の管理情報8の各々は、少なくとも1つのブロック3に記録される。
図2は、本発明の実施の形態の管理情報8のデータ構造の一例を示す。
管理情報8は、複数の管理情報8のうちの1つを識別するための管理情報ヘッダ9と、追記可能な記録領域のエントリー番号配列10と、複数の記録領域エントリー11とを含む。エントリー番号配列10は、データを記録可能な記録領域を識別するための情報である。
複数の記録領域エントリー11の各々は、セッションの境界に位置する記録領域を識別するための識別情報と、少なくとも1つの記録領域の記録範囲を示す範囲情報とを含む。
識別情報は、例えば、複数の記録領域エントリー11のうちのどの記録領域エントリーがセッションの境界(例えば、先頭)であるか否かを示すセッション開始フラグ12である。セッション開始フラグ12は、少なくとも1つの記録領域に対応して付与され、値「0」および値「1」のうち何れか一方を有する。例えば、値「1」を有するフラグは、セッションの境界(例えば、先頭)に位置する記録領域に対応して付与される。なお、複数の記録領域エントリー11において、#に続く番号(1〜N)がエントリー番号を示す。このように、少なくとも1つの記録領域には、異なった番号であるエントリー番号が付与される。Nは1以上の整数である。なお、1つのセッションは、少なくとも1つの記録領域のうち少なくとも1つから構成されるようになっている。
範囲情報は、例えば、記録領域の先頭位置13および記録領域の記録終端位置14である。
このように、本発明の記録領域は、CD−RのTRACKおよびDVD−RのRZoneに相当し、本発明のセッションは、CD−RのSESSIONおよびDVD−RのBorderに相当するが、本発明のセッションは、リードイン領域4、リードアウト領域6、Border−In領域(図示せず)およびBorder−Out領域(図示せず)の何れをも含まない(後述する図3参照)。従って、エントリー番号配列10は、Byte0からByte5(図24参照)の情報に相当し、複数の記録領域エントリー11は、Byte16以降(図24参照)およびByte0からByte2047(図25参照)の情報にセッション開始フラグ12を加えた情報に相当する。
DVD−R(従来の追記型媒体)では、最大512個のBorder(本発明のセッションに相当)を管理するために、2048バイトの管理情報が必要であった(図23参照)。本発明においては、記録領域エントリー11の1ビットをセッション開始フラグ12として割り付けることによって、セッションを管理することができる。
以下、本発明の実施の形態のセッションの管理を詳しく説明する。
図3は、光ディスク1の未記録領域、記録済領域および0埋め記録済領域の遷移を示す。図3において、光ディスク1の未記録領域は白い背景色で示され、記録済領域は黒い背景色で示され、0埋め記録済領域は斜めハッチングで示されている。
図4は、エントリー番号配列10および記録領域エントリー11の内容の遷移を示す。
図3(a)および図4(a)は、同時点の状態を示す。図3(b)および図4(b)は、同時点の状態を示す。同様に図3(c)〜図3(g)と図3(c)〜図3(g)に対応する図4(c)〜図4(g)とは、互いに同時点の状態を示す。
図3(a)および図4(a)は、光ディスク1の初期状態を示す。
データ領域5は記録領域#1を含むように構成されており、セッション#1は記録領域#1から構成されている。記録領域#1には未だ情報が記録されていない。
エントリー番号配列10には、記録領域#1が追記可能であることを示す番号「1」が登録されており、エントリー番号配列10の他の箇所には、記録領域#1の他に追記可能な記録領域がないことを示す番号「0」が登録されている。
記録領域エントリー#1では、セッション開始フラグ12が値「1」に、記録領域#1の先頭位置13が位置P1に、記録領域#1の記録終端位置14が未だ記録されていないことを示す値「0」に設定されている。なお、位置P1は、データ領域5の先頭を示す。記録領域エントリー#2および記録領域エントリー#3では、該当する記録領域が存在しないことを示すために、記録領域#2および記録領域#3のセッション開始フラグ12と記録領域#2および記録領域#3の先頭位置13と記録領域#2および記録領域#3の記録終端位置14とは「0」に設定されている。
図3(b)および図4(b)は、上位制御装置からRESERVE TRACK命令を受けた後の状態を示す。RESERVE TRACK命令は、記録領域の予約を示す命令である。なお、上位制御装置からの命令(例えば、RESERVE TRACK命令)は、一般のホストコマンド規格で定義されている(例えば、非特許文献1参照)。
位置P1からデータ領域5の終端までの記録領域#1を位置P1から位置P3までの記録領域#1と、位置P3からデータ領域5の終端までの記録領域#2とに分割するように、管理情報8が生成(変更)されている。記録領域#1と記録領域#2とは、セッション#1に属する。P3は、P1にRESERVE TRACK命令で指定されたサイズを加えた値である。データ領域5には、未だ記録された記録領域はない。
エントリー番号配列10には、記録領域#1が追記可能であることを示す番号「1」と記録領域#2が追記可能であることを示す番号「2」とが登録される。ここで、エントリー番号配列10は、エントリー番号の大きい順にソーティングされる。しかし、エントリー番号配列10のソーティング順序は、エントリー番号の大きい順であることに限らない。逆順にソーティングされてもよいし、ソーティングされなくてもよい。
記録領域エントリー#2では、記録領域#2のセッション開始フラグ12が値「0」に設定され、記録領域#2の先頭位置13が位置P3に設定される。
以下、便宜上、変化のない管理情報の内容の説明は省略する。
図3(c)および図4(c)は、上位制御装置からRESERVE TRACK命令をさらに受けた後の状態を示す。
位置P3からデータ領域5の終端までの記録領域#2を位置P3から位置P5までの記録領域#2と、位置P5からデータ領域5の終端までの記録領域#3とに分割するように、管理情報8が生成(変更)されている。記録領域#1は変わらない。記録領域#1と記録領域#2と記録領域#3とは、セッション#1に属する。P5は、P3にRESERVE TRACK命令で指定されたサイズを加えた値である。データ領域5には、未だ記録された記録領域はない。
エントリー番号配列10には、記録領域#3が加わったことを示すために、記録領域#3が追記可能であることを示す番号「3」が追加登録される。
記録領域エントリー#3では、記録領域#3のセッション開始フラグ12が値「0」に設定され、記録領域#3の先頭位置13が位置P5に設定される。
図3(d)および図4(d)は、上位制御装置からWRITE命令を受けた後の状態を示す。WRITE命令は、記録領域#1および記録領域#2へのデータの記録を示す命令である。
記録領域#1へのデータの記録によって、記録領域#1の記録終端位置14は位置(P2−1)に変化し、記録領域#2へのデータの記録によって、記録領域#2の記録終端位置14は位置(P4−1)に変化する。
なお、記録終端位置14を記録済のブロック3の位置と定義しているため、記録終端位置14は、位置P2から1を減じた位置および位置P4から1を減じた位置である。しかし、例えば、記録終端位置14を記録済の次のブロック3の位置と定義すれば、1を減じる必要はない。説明の便宜上、以下では、記録終端位置14を記録済のブロック3の位置と定義して、本発明の実施の形態のセッションの管理を説明する。
記録領域エントリー#1では、記録領域#1の記録終端位置14が位置(P2−1)に設定され、記録領域エントリー#2では、記録領域#2の記録終端位置14が位置(P4−1)に設定される。
図3(e)および図4(e)は、上位制御装置からTRACK指定(記録領域#1指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令を受けた後の状態を示す。TRACK指定(記録領域#1指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令は、記録領域#1に対して、さらに情報を記録する必要がなくなったことを示す命令である。
記録領域#1のうちの未記録領域(位置P2から位置P3までの領域)に、0埋めデータが記録され、記録領域#1がクローズ済になる。記録領域#1が追記不可能であることを示すために、エントリー番号配列10から、番号「1」が取り除かれる。
図3(f)および図4(f)は、上位制御装置からTRACK指定(記録領域#2指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令をさらに受けた後の状態を示す。TRACK指定(記録領域#2指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令は、記録領域#2に対して、さらに情報を記録する必要がなくなったことを示す命令である。
記録領域#2のうちの未記録領域(位置P4から位置P5までの領域)に、0埋めデータが記録され、記録領域#2がクローズ済になる。記録領域#2が追記不可能であることを示すために、エントリー番号配列10から、番号「2」が取り除かれる。
図3(g)および図4(g)は、上位制御装置からSESSION指定(セッション#1指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令を受けた後の状態を示す。
クローズ済の記録領域#1とクローズ済の記録領域#2とがセッション#1に属し、未だ情報が記録されていない記録領域#3がセッション#2に属する。
記録領域エントリー#3では、セッション開始フラグ12が値「1」に設定される。このように、セッション開始フラグ12は、複数の記録領域に対応して付与され、値「0」および値「1」のうち何れか一方を有する。値「1」を有するフラグは、セッションの先頭に位置する記録領域に対応して付与される。
図5は、光ディスク1の未記録領域、記録済領域および0埋め記録済領域の遷移を示す。図5において、光ディスク1の未記録領域は白い背景色で示され、記録済領域は黒い背景色で示され、0埋め記録済領域は斜めハッチングで示されている。
図6は、エントリー番号配列10および記録領域エントリー11の内容の遷移を示す。
図5は図3の続きを示し、図6は図4の続きを示す。
図5(g’)および図6(g’)は、同時点の状態を示す。図5(h)および図6(h)は、同時点の状態を示す。同様に図5(i)〜図5(l)と図5(i)〜図5(l)に対応する図6(i)〜図6(l)とは、互いに同時点の状態を示す。なお、図5(g’)は、図3(g)と同一の状態を示し、図6(g’)は、図4(g)と同一の状態を示しているので、図5(g’)および図6(g’)の説明は省略する。
図5(h)および図6(h)は、上位制御装置からRESERVE TRACK命令を受けた後の状態を示す。
位置P5からデータ領域5の終端までの記録領域#3を位置P5から位置P6までの記録領域#3と、位置P6からデータ領域5の終端までの記録領域#4とに分割するように管理情報8を生成(変更)する。記録領域#1および記録領域#2は変わらない。記録領域#1と記録領域#2とは、セッション#1に属し、記録領域#3と記録領域#4とは、セッション#2に属する。P6は、P5にRESERVE TRACK命令で指定されたサイズを加えた値である。
エントリー番号配列10には、記録領域#4が加わったことを示すために、記録領域#4が追記可能であることを示す番号「4」が追加登録される。
記録領域エントリー#4では、記録領域#4のセッション開始フラグ12が値「0」に設定され、記録領域#4の先頭位置13が位置P6に設定される。
図5(i)および図6(i)は、上位制御装置からWRITE命令を受けた後の状態を示す。WRITE命令は、記録領域#3および記録領域#4へのデータの記録を示す命令である。
記録領域#3へのデータの記録によって、記録領域#3の記録終端位置14は位置(P7−1)に変化し、記録領域#4へのデータの記録によって、記録領域#4の記録終端位置14は位置(P8−1)に変化する。
記録領域エントリー#3では、記録領域#3の記録終端位置14が位置(P7−1)に設定され、記録領域エントリー#4では、記録領域#4の記録終端位置14が位置(P8−1)に設定される。
図5(j)および図6(j)は、上位制御装置からTRACK指定(記録領域#3指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令を受けた後の状態を示す。TRACK指定(記録領域#3指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令は、記録領域#3に対して、さらに情報を記録する必要がなくなったことを示す命令である。
記録領域#3のうちの未記録領域(位置P7から位置P6までの領域)に、0埋めデータが記録され、記録領域#3がクローズ済になる。記録領域#3が追記不可能であることを示すために、エントリー番号配列10から、番号「3」が取り除かれる。
図5(k)および図6(k)は、上位制御装置からTRACK指定(記録領域#4指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令をさらに受けた後の状態を示す。TRACK指定(記録領域#4指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令は、記録領域#4に対して、さらに情報を記録する必要がなくなったことを示す命令である。
位置P6からデータ領域5の終端までの記録領域#4は、最外の記録領域であった。したがって、位置P6からデータ領域5の終端までの記録領域#4を位置P6から位置P8までの記録領域#4と、位置P8からデータ領域5の終端までの記録領域#5とに分割するように管理情報8を生成(変更)する。記録領域#4がクローズ済になる。記録領域#1、記録領域#2および記録領域#3は変わらない。
記録領域#4が追記不可能であることを示すために、エントリー番号配列10から、番号「4」が取り除かれ、記録領域#5が加わったことを示すために、記録領域#5が追記可能であることを示す番号「5」が追加登録される。
図5(l)および図6(l)は、上位制御装置からSESSION指定(セッション#2指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令を受けた後の状態を示す。
クローズ済の記録領域#3とクローズ済の記録領域#4とがセッション#2に属し、未だ情報が記録されていない記録領域#5がセッション#3に属する。
記録領域エントリー#5では、セッション開始フラグ12が値「1」に設定される。
以降、所望のユーザデータが全て記録されるまで、図5(g’)〜図5(l)および図6(g’)〜図6(l)を参照して説明した処理と同様の処理が繰返される。
READ DISC INFORMATION命令とREAD TRACK INFORMATION命令とは、上位制御装置からSESSIONの状態およびTRACKの状態について尋ねる命令である(例えば、非特許文献1参照)。従来のCD−RやDVD−Rと互換を持たせるために、複数の記録済領域の各々に1つのTRACKが存在するものとして、これらの命令に対して報告すればよい。
具体的には、図5(h)および図6(h)で示された状態であれば、SESSION#1はTRACK#1とTRACK#2とを有し、SESSION#2はTRACK#3とTRACK#4とを有すると報告する。
図5(l)および図6(l)で示された状態であれば、SESSION#1はTRACK#1とTRACK#2とを有し、SESSION#2はTRACK#3とTRACK#4とを有し、SESSION#3はTRACK#5を有すると報告する。
図3と図4と図5と図6で示した遷移を管理できれば、エンドユーザがCD Burningと呼ばれるライティングソフトウェア(例えば、Disc−At−Once、Track−At−OnceおよびSession−At−Onceの記録に対応したアプリケーション)を用いて、ユーザデータを記録できる。
なお、本発明の実施の形態において、TRACK指定のCLOSE TRACK/SESSION命令を受けた場合に対象となる記録領域の未記録領域に0埋めデータを記録する例を説明したが、0埋めデータは任意のデータでよい。さらに、例えば、管理上は記録領域の未記録領域に任意のデータを記録したこととして実際には記録領域の未記録領域に何も記録しなくてもよい。
また、記録領域エントリー11に含まれるセッション開始フラグ12、先頭位置13および記録終端位置14の配置の順番は、この順番に限定されない。
また、所定の記録領域がセッションの先頭であるか否かを認識できる限りは、セッションの先頭を認識するためにセッションの先頭を記録領域の先頭位置13の代わりに、記録領域の記録終端位置を参照してもよい。または記録領域の先頭位置または記録終端位置の代わりに、記録領域のサイズを参照してもよい。
また、管理情報ヘッダ9は、例えば、エントリー番号配列10に登録された記録領域エントリーの個数(即ち追記可能な記録領域の総数)や、記録領域エントリー11に登録されたエントリーの個数(即ち記録領域の総数)や、値「1」を有するセッション開始フラグ12の個数(即ちセッションの総数)を含んでもよい。
このように、本発明の追記型記録媒体によれば、1つのセッションは、少なくとも1つの記録領域のうち少なくとも1つから構成されるようになっており、管理情報には、セッションの境界に位置する記録領域を識別するための識別情報が含まれる。したがって、セッションの区切りをセッションの先頭に位置する記録領域のみに基づいて識別することができる。その結果、セッションの区切りを識別するための情報のサイズを小さくすることができる。
さらに、本発明の追記型記録媒体によれば、どの記録領域がセッションの先頭に位置するかを示す情報を管理情報に含めることによって、管理情報量を少なく抑えることができる。したがって、管理情報を追記する領域のサイズが同じであれば、ユーザが管理情報を追記可能な回数を増すことができる。ユーザが管理情報を追記可能な回数が同じであれば、管理情報を追記する領域のサイズを小さくできる。その結果、ユーザデータの記録可能な容量を増すことができる。
以上、図2〜図6を参照して本発明の実施の形態の追記型記録媒体を説明した。
例えば、図2〜図6に示される実施の形態では、情報管理領域7が「記録状態を管理する管理情報が記録される管理情報領域」に対応し、データ領域5が「ユーザデータが記録されるユーザデータ領域であって、少なくとも1つの記録領域を含むように構成されるようになっている領域」に対応し、セッション#1〜#3の各々が「少なくとも1つの記録領域のうち少なくとも1つから構成されるようになっているセッション」に対応し、セッション開始フラグ12が「セッションの境界に位置する記録領域を識別するための識別情報」に対応し、記録領域の先頭位置13を示す情報および記録領域の記録終端位置14を示す情報が「少なくとも1つの記録領域の記録範囲を示す範囲情報」に対応する。
しかし、本発明の追記型記録媒体が図2〜図6に示される実施の形態に限定されるわけではない。追記型記録媒体が、上述した「記録状態を管理する管理情報が記録される管理情報領域」、「ユーザデータが記録されるユーザデータ領域であって、少なくとも1つの記録領域を含むように構成されるようになっている領域」および「少なくとも1つの記録領域のうち少なくとも1つから構成されるようになっているセッション」を有し、追記型記録媒体に記録されるべき情報が、上述した「セッションの境界に位置する記録領域を識別するための識別情報」および「少なくとも1つの記録領域の記録範囲を示す範囲情報」である限りは、任意の構成を有しえる。
識別情報は、例えば、セッショントグルフラグである(図7参照)。また、識別情報は、セッションの先頭の記録領域のエントリー番号配列でもよい(図9参照)。
図7は、本発明の実施の形態の管理情報8のデータ構造の別の例を示す。図7において、図2に示される管理情報8に含まれる情報と同一の情報には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図2で示される管理情報8と図7で示される管理情報8との違いは、図2で示される管理情報8に含まれるセッション開始フラグ12が、図7で示される管理情報8に含まれるセッショントグルフラグ15に代替されていることである。セッショントグルフラグ15は、少なくとも1つの記録領域に対応して付与され、値「0」および値「1」のうち何れか一方を有する。セッションを構成する記録領域に対応して付与されるフラグの値と、このセッションに隣接するセッションを構成する記録領域に対応して付与されるフラグの値とは、互いに反転している。
図8は、エントリー番号配列10および記録領域エントリー11の内容の遷移を示す。図5(l)および図8(l)は、同時点の状態を示す。
図5(l)および図8(l)は、上位制御装置からSESSION指定(セッション#2指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令を受けた後の状態を示す。
クローズ済の記録領域#1とクローズ済の記録領域#2とがセッション#1に属し、クローズ済の記録領域#3とクローズ済の記録領域#4とがセッション#2に属し、未だ情報が記録されていない記録領域#5がセッション#3に属する。追記可能な記録領域は、記録領域#5だけである。
記録領域エントリー#1および記録領域エントリー#2では、セッショントグルフラグ15が値「1」に設定される。記録領域エントリー#3および記録領域エントリー#4では、セッショントグルフラグ15が値「0」に設定される。記録領域エントリー#5では、セッショントグルフラグ15が値「1」に設定される。
ここで、セッショントグルフラグ15の初期値は値「1」に限定されない。セッショントグルフラグ15の初期値が値「0」である場合には、記録領域エントリー#1および記録領域エントリー#2では、セッショントグルフラグ15が値「0」に設定され、記録領域エントリー#3および記録領域エントリー#4では、セッショントグルフラグ15が値「1」に設定され、記録領域エントリー#5では、セッショントグルフラグ15が値「0」に設定される。
このように、本発明の追記型記録媒体の別の例によれば、どの記録領域がセッションの先頭に位置するかを示す情報を管理情報に含めることによって、管理情報量を少なく抑えることができる。したがって、管理情報を追記する領域のサイズが同じであれば、ユーザが管理情報を追記可能な回数を増すことができる。ユーザが管理情報を追記可能な回数が同じであれば、管理情報を追記する領域のサイズを小さくできる。その結果、ユーザデータの記録可能な容量を増すことができる。
図9は、本発明の実施の形態の管理情報8のデータ構造のさらに別の例を示す。図9において、図2に示される管理情報8に含まれる情報と同一の情報には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図2で示される管理情報8と図9で示される管理情報8との違いは、図2で示される管理情報8に含まれるセッション開始フラグ12が、図9で示される管理情報8に含まれるセッションの先頭の記録領域のエントリー番号配列16に代替されていることである。エントリー番号配列16は、セッションの先頭に位置する記録領域のエントリー番号から構成された配列である。例えば、エントリー番号配列16では、エントリー番号配列16の先頭の番号はセッション#1の先頭に位置する記録領域#1のエントリー番号(即ち、番号「1」)であり、エントリー番号配列16の2番目の番号はセッション#2の先頭に位置する記録領域#3のエントリー番号(即ち、番号「3」)であり、以下、セッション番号の昇順に並ぶ。このように、エントリー番号配列16には、各セッションの先頭の記録領域のエントリー番号が格納され、セッションが存在しない場合には番号「0」が格納される。
図10は、エントリー番号配列10および記録領域エントリー11の内容の遷移を示す。図5(l)および図10(l)は、同時点の状態を示す。
図5(l)および図10(l)は、上位制御装置からSESSION指定(セッション#2指定)のCLOSE TRACK/SESSION命令を受けた後の状態を示す。
クローズ済の記録領域#1とクローズ済の記録領域#2とがセッション#1に属し、クローズ済の記録領域#3とクローズ済の記録領域#4とがセッション#2に属し、未だ情報が記録されていない記録領域#5がセッション#3に属する。追記可能な記録領域は、記録領域#5だけである。
従って、エントリー番号配列16は、記録領域#1のエントリー番号「1」、記録領域#3のエントリー番号「3」、記録領域#5のエントリー番号「5」、および番号「0」から構成される。
このように、本発明の追記型記録媒体のさらに別の例によれば、どの記録領域がセッションの先頭に位置するかを示す情報を管理情報に含めることによって、管理情報量を少なく抑えることができる。したがって、管理情報を追記する領域のサイズが同じであれば、ユーザが管理情報を追記可能な回数を増すことができる。ユーザが管理情報を追記可能な回数が同じであれば、管理情報を追記する領域のサイズを小さくできる。その結果、ユーザデータの記録可能な容量を増すことができる。
例えば、従来では1つのセッションの区切りを示すためには、4バイト必要であったが、本発明の追記型記録媒体のさらに別の例では、1つのセッションの区切りを示すために、1バイトまたは2バイトしか必要としない。
本発明の追記型記録媒体のさらに別の例(図9、図10参照)では、本発明の追記型記録媒体(図3〜図6参照)と比較して、セッションの総数の演算が単純になり、さらに各記録領域が属するセッション番号を求める演算が高速になる。その結果、READ DISC INFORMATION命令とREAD TRACK INFORMATION命令(例えば、非特許文献1参照)とを高速に処理できる。
2−1.記録装置
以下、図を参照して本発明の実施の形態の記録装置を説明する。
図11は、本発明の実施の形態の光ディスク装置100の構成の一例を示す。
光ディスク装置100は、情報記録時には、本発明の実施の形態の記録装置として機能する。
光ディスク装置100は、I/Oバス170に接続されており、I/Oバス170は、上位制御装置(図示せず)に接続されている。上位制御装置は、典型的には、ホストコンピュータである。
光ディスク装置100は、光ディスク1を装着可能に構成されている。光ディスク装置100は、上位制御装置からの命令を処理する命令処理部110と、光ディスク1への記録を制御する記録制御部120と、光ディスク1からの再生を制御する再生制御部130と、管理情報8を格納する管理情報格納バッファ140と、記録データを一時的に格納するデータバッファ150と、管理情報の処理を行う記録管理処理部160とを備える。
記録管理処理部160は、管理情報読み出し部161と、管理情報格納バッファ140に格納されている管理情報8を管理情報領域7に書き込む管理情報書き込み部163と、上位制御装置からの命令に従って管理情報格納バッファ140に格納されている管理情報8を更新する管理情報更新部162と、最新の管理情報8の位置を記憶する管理情報位置メモリ164とを含む。
管理情報読み出し部161は、管理情報領域7に記録されている管理情報8のうち最後に記録された管理情報8をサーチし、最後に管理情報領域7に記録された管理情報8を管理情報格納バッファ140に読み出す。
2−2.記録方法
以下、図を参照して本発明の実施の形態の記録方法を説明する。
図12は、本発明の実施の形態の記録処理手順を示す。
記録処理手順は、記録管理処理部160によって実行される。記録管理処理部160は、ステップ201〜ステップ208を実行する。管理情報読み出し部161は、管理情報の読み込み処理(ステップ201)を実行し、管理情報書き込み部163は、管理情報の書き込み処理(ステップ207)を実行し、管理情報更新部162は、残りの処理(ステップ202〜ステップ206およびステップ208)を実行する。
以下、図11および図12を参照して本発明の実施の形態の記録処理手順をステップごとに説明する。以下、追記型記録媒体に、セッション開始フラグを含む管理情報8を記録する例を説明する。
ステップ201:光ディスク1が、光ディスク装置100に装着されると、管理情報読み出し部161は、最新の管理情報8を読み出し、読み出した最新の管理情報8を管理情報格納バッファ140に格納する。
なお、ステップ201において、最新の管理情報8を読み出した場合に、記録領域の個数が所定値M未満であるか否かを確認してもよい。ここで、Mは2以上の整数である。
ステップ202:光ディスク1が排出されるか、電源がオフされるまで、光ディスク装置100は、光ディスク1に対する命令を上位制御装置から受け付ける。
光ディスク1に対する命令がRESERVE TRACK命令である場合には、処理はステップ203に進む。光ディスク1に対する命令がCLOSE TRACK/SESSION命令である場合には、処理はステップ204に進む。光ディスク1に対する命令がWRITE命令である場合には、処理はステップ208に進む。
RESERVE TRACK命令は上位制御装置から記録領域の予約を要求する命令であり、CLOSE TRACK/SESSION命令は上位制御装置から記録領域の解除を要求する命令であり、WRITE命令は上位制御装置からデータの記録を要求する命令である。
ステップ203:RESERVE TRACK命令を受けると、記録領域を追加するように管理情報格納バッファ140に格納された管理情報8を生成(変更)する。
例えば、図5(h)および図6(h)を参照すれば、位置P5からデータ領域5の終端までの記録領域#3を位置P5から位置P6までの記録領域#3と、位置P6からデータ領域5の終端までの記録領域#4とに分割するように管理情報8を生成(変更)する。エントリー番号配列10には、記録領域#4が加わったことを示すために、記録領域#4が追記可能であることを示す番号「4」が追加登録される。記録領域エントリー#4では、記録領域#4のセッション開始フラグ12が値「0」に設定され、記録領域#4の先頭位置13が位置P6に設定される。
生成(変更)が終了すると、処理はステップ207に進む。
ステップ204:CLOSE TRACK/SESSION命令を受けると、解除の対象がTRACKであるかSESSIONであるかを判定する。解除の対象がTRACKであると判定された場合には、処理はステップ205に進む。解除の対象がSESSIONであると判定された場合には、処理はステップ206に進む。
ステップ205:記録領域(TRACK)をクローズするように管理情報格納バッファ140に格納された管理情報8を生成(変更)する。
例えば、図5(j)および図6(j)を参照すれば、記録領域#3のうちの未記録領域(位置P7から位置P6までの領域)に、0埋めデータが記録され、記録領域#3がクローズ済になる。記録領域#3が追記不可能であることを示すために、エントリー番号配列10から、番号「3」が取り除かれる。
生成(変更)が終了すると、処理はステップ207に進む。
ステップ206:最外のセッションに属する記録領域をクローズするように管理情報格納バッファ140に格納された管理情報8を生成(変更)する。
例えば、図5(l)および図6(l)を参照すれば、クローズ済の記録領域#3とクローズ済の記録領域#4とがセッション#2に属し、未だ情報が記録されていない記録領域#5がセッション#3に属する。記録領域エントリー#5では、セッション開始フラグ12が値「1」に設定される。
生成(変更)が終了すると、処理はステップ207に進む。
ステップ207:管理情報格納バッファ140に格納された管理情報8が変更されると、管理情報領域7のうちの追記可能な領域に、最新の管理情報8を追記する。
ステップ208:WRITE命令を受けると、指定された記録開始位置が、追記可能位置の何れかに一致することを確認して、送られたデータを光ディスク1に記録する。追記可能位置は、エントリー番号配列10に登録されている記録領域エントリー11の記録終端位置14に基づいて求めることができる。記録した位置に基づいて管理情報格納バッファ140に格納された管理情報8の記録終端位置14の値を生成(変更)する。
例えば、図5(i)および図6(i)を参照すれば、記録領域#3へのデータの記録によって、記録領域#3の記録終端位置14は位置(P7−1)に変化し、記録領域#4へのデータの記録によって、記録領域#4の記録終端位置14は位置(P8−1)に変化する。
一般的に、セクタ番号で位置を示す場合、追記可能位置を示す値は、記録終端位置14を示す値に1を加えた値である。但し、記録終端位置14が未登録(値0)の場合は、追記可能位置を示す値は、記録領域の先頭位置13を示す値と同じである。
なお、DVDのようにECC(エラー訂正コード)が16個のセクタから構成される場合、実際の追記可能位置は16の倍数となる。したがって、追記可能位置を示す値を求めるためには、多少の四則演算を伴うが、記録終端位置14もしくは先頭位置13に基づいて追記可能位置を求めることができる。
図13は、管理情報の読み込み処理手順の詳細を示す。
以下、図11および図13を参照して管理情報の読み込み処理手順(ステップ201、図12参照)の詳細をステップごとに説明する。
ステップ301:再生制御部130は、管理情報領域7の中で最後に記録された管理情報8の位置をサーチする。その位置を示す位置情報が管理情報位置メモリ164に記憶される。
ステップ302:再生制御部130は、管理情報位置メモリ164に記憶された位置情報を参照して、管理情報8を再生し、再生した管理情報8を管理情報格納バッファ140に格納する。但し、管理情報領域7に管理情報8が記録されていない場合(例えば、新品の光ディスク1が光ディスク装置100に装着された場合)には、管理情報8は初期化される(図4(a)参照)。
ステップ303:再生制御部130は、記録終端位置14を起点として記録済の領域の終端をサーチすることによって、実際の記録終端位置14を求め、実際の記録終端位置14を示す情報を管理情報格納バッファ140に格納された管理情報8に反映させる。この後、処理は終了する。
管理情報8から再生した各記録領域の記録終端位置14は、実際の記録終端位置とは異なっている場合があり、管理情報8から再生した各記録領域の記録終端位置14には、多少の誤差が含まれる。なぜなら、WRITE命令の度に管理情報8の記録終端位置14を更新すると、非常に多くの管理情報領域7が必要となるので、記録領域が追加されたり解除されたときのみ管理情報8が管理情報領域7に追記されることを想定している(図12参照)からである。したがって、再生制御部130は、記録終端位置14を起点として記録済の領域の終端をサーチすることによって、実際の記録終端位置14を求める。
光ディスク1を排出するとき、または光ディスク装置100がバックアップ電源を有することを前提として光ディスク装置100の電源をオフするとき、管理情報格納バッファ140の最新の内容を管理情報領域7の管理情報8に反映させる保証があるならば、ステップ303を省略してもよい。
図14は、管理情報の書き込み処理手順の詳細を示す。
以下、図11および図14を参照して管理情報の書き込み処理手順(ステップ207、図12参照)の詳細をステップごとに説明する。
ステップ401:記録制御部120は、管理情報位置メモリ164に記憶された位置情報を参照して、管理情報格納バッファ140に格納された管理情報8を管理情報領域7に追記する。
ステップ402:追記した領域を反映して、管理情報位置メモリ164に記憶された位置情報を管理情報領域7のうちの追記可能な位置を示す情報に変更する。その後、処理は終了する。
図15は、記録領域の追加処理手順の詳細を示す。
以下、図11および図15を参照して記録領域の追加処理手順(ステップ203、図12参照)の詳細をステップごとに説明する。
ステップ501:エントリー番号配列10および記録領域エントリー11に空きがあるか否か(即ち、エントリー番号配列10のフィールド、および記録領域エントリー11のフィールドに値「0」が含まれているフィールドがあるか否か、またはエントリー番号配列10のフィールド、および記録領域エントリー11のフィールドのうち使用済みのフィールドの個数が最大数未満か否か)を確認する。
空きがあることが確認された場合には、空きがあるエントリー番号配列10または記録領域エントリー11に対応する記録領域のエントリー番号#mを次の処理に渡すために、処理はステップ502に進む。空きがないことが確認された場合には、処理はステップ503に進む。
ステップ502:上位制御装置によって要求されたサイズ(S)以上の領域が確保できるか否か(即ち、追記可能位置からデータ領域5の終端までの領域のサイズがSより大きいか否か)を確認する。なお、追記可能位置は、記録領域#(m−1)の先頭位置13と記録領域#(m−1)の記録終端位置14とに基づいて求めることができる。
確保できることが確認できた場合には、処理はステップ504に進む。確保できないことが確認できた場合には、処理はステップ503に進む。
ステップ503:エラーの内容を示す情報を上位制御装置に報告し、処理は終了する。
ステップ504:記録領域#(m−1)の追記可能位置にサイズSを加算した値が記録領域エントリー#mの先頭位置13として設定され、処理はステップ505に進む。
例えば、記録領域#(m−1)が全く記録されていない場合(記録終端位置14が0)には、記録領域#(m−1)の先頭位置13にサイズSを加えた値が、記録領域#mの先頭位置13として設定される。
ステップ505:エントリー番号配列10に値mが追加され、処理が終了する。
図16は、記録領域のクローズ処理手順の詳細を示す。
以下、図11および図16を参照して記録領域のクローズ処理手順(ステップ205、図12参照)の詳細をステップごとに説明する。
ステップ601:上位制御装置によって指定された記録領域エントリー番号(TRACK番号)が、エントリー番号配列10を構成する記録領域エントリー番号に該当するか否かを確認する。
該当することが確認された場合には、その記録領域のエントリー番号#mを次の処理へ渡すために、処理はステップ602に進む。該当しないことが確認された場合には、処理はステップ603に進む。
ステップ602:該当する記録領域#mが最外の記録領域であるか否かを確認する。例えば、記録領域エントリー#(m+1)の先頭位置13が0の場合に、記録領域#mが最外の記録領域であると判断できる。
最外の記録領域であることが確認された場合(Yes)には、処理はステップ604に進む。最外の記録領域でないことが確認された場合(No)には、処理はステップ606に進む。
ステップ603:エラーの内容を示す情報を上位制御装置に報告し、処理は終了する。
ステップ604:記録領域エントリー#(m+1)の先頭位置13を追記可能位置に設定し、処理はステップ605に進む。追記可能位置は、記録領域エントリー#mの先頭位置13と記録終端位置14とから求める。(図5(k)および図6(k)参照)
ステップ605:エントリー番号配列10に値(m+1)が追加され、処理はステップ607に進む。
ステップ606:追記可能位置から記録領域エントリー#(m+1)の先頭位置13までの領域に、0埋めデータを記録し、処理はステップ607に進む。
なお、このステップにおいて、記録するデータは、必ずしも0埋めデータでなくてもよい。さらに、このステップ自体を省略してもよい。
ステップ607:エントリー番号配列10において、値mを値0に変更する。
図17は、セッションのクローズ処理手順の詳細を示す。
以下、図11および図17を参照してセッションのクローズ処理手順(ステップ206、図12参照)の詳細をステップごとに説明する。
ステップ701:エントリー番号配列10に最外の記録領域を示す1つの値だけが登録されているか否かを確認する。
最外の記録領域を示す1つの値だけが登録されていると確認された場合(Yes)には、処理はステップ702に進む。最外の記録領域を示す1つの値だけが登録されていることが確認されなかった場合(No)には、処理はステップ703に進む。
一般的に、CD−RやDVD−Rの追記型記録媒体では、SESSIONとしてクローズするためには、TRACKとしてクローズ済であることが条件となっている。例えば、全く記録されていない最外の記録領域を除いて、全ての記録領域が追記不可能な状態(図4(f)、図6(k)参照)は、この条件を満たす。そこで、この条件を満たすか否かを確認するために、ステップ701が実行される。
ステップ702:最外の記録領域エントリーの記録終端位置14が値「0」であるか否かを確認する。
値「0」であることが確認された場合(Yes)には、処理はステップ704に進む。値「0」でないことが確認された場合(No)には、処理はステップ703に進む。
ステップ703:エラーの内容を示す情報を上位制御装置へ報告し、処理は終了する。
ステップ704:最外の記録領域エントリーに対応して付与されたセッション開始フラグ12の値を値「1」に設定し、処理は終了する。
なお、セッションのクローズ処理手順(ステップ701〜ステップ704)のうちステップ702は、新たにセッションの境界を加える場合に、少なくとも1つの記録領域のうち最大のセクタ番号を有するセクタを含む記録領域が記録済みか否かを確認する一例である。
このように、本発明の記録方法および記録装置によれば、本発明の追記型記録媒体に対して管理情報を記録することができる。このように、管理情報を記録するための領域のサイズが小さい追記型記録媒体に対して管理情報を記録することができるため、最新の管理情報をサーチする時間が短縮できる。その結果、ユーザがこの追記型記録媒体を装置に装着してからこの追記型記録媒体のユーザデータ領域にアクセス可能になるまでの時間を短縮することができる。
以上、図12〜図17を参照して本発明の実施の形態の記録方法を説明した。
例えば、図12に示される実施の形態では、ステップ203、ステップ205、ステップ206およびステップ208が「少なくとも1つの記録領域の記録範囲を示す範囲情報と、セッションの境界に位置する記録領域を識別するための識別情報とを含む管理情報を生成するステップ」に対応し、ステップ207が「生成された管理情報を管理情報領域に記録するステップ」に対応する。
しかし、本発明の記録方法が図12に示される実施の形態に限定されるわけではない。記録方法に包含される各ステップが、上述した「少なくとも1つの記録領域の記録範囲を示す範囲情報と、セッションの境界に位置する記録領域を識別するための識別情報とを含む管理情報を生成するステップ」および「生成された管理情報を管理情報領域に記録するステップ」の各々の機能を有する限りは、任意の手順を有しえる。
例えば、追記型記録媒体に、セッショントグルフラグを含む管理情報8を記録する場合(図7、図8参照)には、記録領域の追加処理を実行するステップ(図15のステップ504)に伴って、記録領域#mのセッショントグルフラグ15を直前の記録領域(即ち記録領域#(m−1))のセッショントグルフラグ15と同じ値にするステップを実行する。さらに、セッションのクローズ処理を実行するステップ(図17のステップ704)に換えて、セッショントグルフラグ15を直前の値と反転するステップを実行する。
例えば、追記型記録媒体に、セッションの先頭の記録領域のエントリー番号配列を含む管理情報8を記録する場合(図9、図10参照)には、セッションのクローズ処理を実行するステップ(図17のステップ704)に換えて、エントリー番号配列16に、最外の記録領域のエントリー番号を登録するステップを実行する。
3−1.再生装置
以下、図を参照して本発明の実施の形態の再生装置を説明する。
図18は、本発明の実施の形態の光ディスク装置200の構成の一例を示す。
光ディスク装置200は、情報再生時には、本発明の実施の形態の再生装置として機能する。
光ディスク装置200は、I/Oバス270に接続されており、I/Oバス270は、上位制御装置(図示せず)に接続されている。上位制御装置は、典型的には、ホストコンピュータである。
光ディスク装置200は、光ディスク1を装着可能に構成されている。光ディスク装置200は、上位制御装置からの命令を処理する命令処理部210と、光ディスク1からの再生を制御する再生制御部230と、管理情報8を格納する管理情報格納バッファ240と、再生データを一時的に格納するデータバッファ250と、管理情報の処理を行う記録管理処理部260とを備える。
記録管理処理部260は、管理情報読み出し部261と、管理情報認識部265とを含む。
管理情報読み出し部261は、管理情報領域7に記録されている管理情報8のうち最後に記録された管理情報8をサーチし、最後に管理情報領域7に記録された管理情報8を管理情報格納バッファ240に読み出す。
管理情報認識部265は、上位制御装置からの命令に従って管理情報格納バッファ240の内容に基づいて報告するデータを生成する。
3−2.再生方法
図19は、本発明の実施の形態の再生処理手順を示す。
以下、図18および図19を参照して本発明の実施の形態の再生処理手順をステップごとに説明する。
ステップ1201:光ディスク1が、光ディスク装置200に装着されると、管理情報読み出し部261は、最新の管理情報8を読み出し、読み出した最新の管理情報8を管理情報格納バッファ240に格納する。
ステップ1202:光ディスク1が排出されるか、電源がオフされるまで、光ディスク装置200は、光ディスク1に対する命令を上位制御装置から受け付ける。
光ディスク1に対する命令がREAD DISC INFORMATION命令である場合には、処理はステップ1203に進む。光ディスク1に対する命令がREAD TRACK INFORMATION命令である場合には、処理はステップ1206に進む。光ディスク1に対する命令が他の命令である場合には、処理はステップ1210に進む。
READ DISC INFORMATION命令は、上位制御装置からディスク情報の報告を要求する命令であり、READ TRACK INFORMATION命令は、上位制御装置からトラック情報の報告を要求する命令である。
ステップ1203:読み出された管理情報8に基づいて、セッションの総数を算出する(求める)。
ステップ1204:セッションのうち最終セッションの先頭に位置する記録領域を算出する(求める)。
ステップ1205:その他の情報(例えば、光ディスク1の先頭の記録領域(常に番号「1」)、最終セッションの最終の記録領域(光ディスク1の最終の記録領域に等しい))を算出する。算出後、処理はステップ1211に進む。
ステップ1206:READ TRACK INFORMATION命令を上位制御装置から受け取ると、TRACK指定(記録領域指定)か否かを判定する。
記録領域指定であると判定された場合(Yes)には、処理はステップ1208に進む。記録領域指定でないと判定された場合(No)には、処理はステップ1207に進む。
ステップ1207:指定された論理セクタ番号が属する記録領域を算出する。
ステップ1208:所定の記録領域(指定された記録領域または指定された論理セクタ番号が属する記録領域)が属するセッションを算出する(求める)。
ステップ1209:その他の情報(例えば、記録領域の開始位置(先頭位置13に等しい)、ユーザデータ最終位置(記録終端位置14に等しい)、フリーブロック数)を算出し、処理はステップ1211に進む。なお、フリーブロック数は、先頭位置13および記録終端位置14のうちの少なくとも一方に基づいて四則演算することによって求めることができる。
ステップ1210:上位制御装置から他の命令を受けると、その命令内容に従った処理を実行し、処理はステップ1211に進む。
ステップ1211:データを上位制御装置に転送する。
図20は、本発明の実施の形態の算出処理手順の一例を示す。
この算出処理手順は、セッション開始フラグを含む管理情報8(図2〜図6参照)に応じて、管理情報認識部265によって実現される。この算出処理手順は、セッションの総数の算出(図19のステップ1203)と、最終セッションの先頭に位置する記録領域の算出(図19のステップ1204)と、所定の記録領域が属するセッションの算出(図19のステップ1208)とを実現する。
なお、セッションの総数の算出(図19のステップ1203)および最終セッションの先頭に位置する記録領域の算出(図19のステップ1204)において、記録領域の総数がTspecとして指定される。所定の記録領域が属するセッションの算出(図19のステップ1208)において、所望の記録領域の番号がTspecとして指定される。
以下、図20を参照して本発明の実施の形態の算出処理手順の一例をステップごとに説明する。
ステップ1301:記録領域の番号Tを番号「1」に初期化し、セッションの番号Sを番号「0」に初期化する。
ステップ1302:記録領域の番号Tが、指定された記録領域の番号Tspec以下であるか否かを判定する。
指定された記録領域の番号Tspec以下であると判定された場合(Yes)には、処理はステップ1303に進む。指定された記録領域の番号Tspecより大きいと判定された場合(No)には、処理は終了する。
ステップ1303:記録領域#Tに対応して付与されたセッション開始フラグ12の値をFに代入する(F=記録領域#Tに対応して付与されたセッション開始フラグ12の値)。
ステップ1304:Fの値が値「1」に等しいか否かを判定する。
Fの値が値「1」に等しいと判定された場合には、処理はステップ1305に進む。Fの値が値「1」に等しくないと判定された場合には、処理はステップ1307に進む。
ステップ1305:セッション番号Sに「1」を加える。その後、処理はステップ1306に進む。
ステップ1306:Tfirst(セッションの先頭に位置する記録領域の番号)にTを代入する。
ステップ1307:次の記録領域に進むように記録領域の番号Tに1を加える。
Tspecに記録領域の総数を代入(指定)すれば、Sにセッション総数が格納され、Tfirstに最終セッションの先頭に位置する記録領域の番号が格納される。
Tspecに所望の記録領域の番号を代入(指定)すれば、Sにその記録領域が属するセッション番号が格納され、Tfirstにそのセッションの先頭に位置する記録領域の番号が格納される。
図21は、本発明の実施の形態の算出処理手順の別の一例を示す。
この算出処理手順は、セッショントグルフラグを含む管理情報8(図7、図8参照)に応じて、管理情報認識部265によって実現される。この算出処理手順は、セッションの総数の算出(図19のステップ1203)と、最終セッションの先頭に位置する記録領域の算出(図19のステップ1204)と、所定の記録領域が属するセッションの算出(図19のステップ1208)とを実現する。
Tspecの指定方法、および演算後のSの意味する値とTfirstの意味する値とは、図20を参照して説明した場合と同様である。図21において、図20に示される処理手順のステップと同一のステップには同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
以下、図21を参照して本発明の実施の形態の算出処理手順の別の一例をステップごとに説明する。
ステップ1401:ステップ1302を実行する前に、前回のフラグ値Fpreを値「0」に初期化する。
ステップ1402:ステップ1304(図20参照)の実行に代替して、今回のフラグ値Fと前回のフラグ値Fpreとが反転しているか否かを判定する。
反転していると判定された場合(Yes)には、処理はステップ1305に進む。反転していないと判定された場合(No)には、処理はステップ1403に進む。
ステップ1403:次の記録領域に進む前に(ステップ1307を実行する前に)、前回のフラグ値Fpreを今回のフラグ値Fとして設定する(Fpre=F)。
図22は、本発明の実施の形態の算出処理手順のさらに別の一例を示す。
この算出処理手順は、セッションの先頭の記録領域のエントリー番号配列を含む管理情報8(図9、図10参照)に応じて、管理情報認識部265によって実現される。この算出処理手順は、セッションの総数の算出(図19のステップ1203)と、最終セッションの先頭に位置する記録領域の算出(図19のステップ1204)と、所定の記録領域が属するセッションの算出(図19のステップ1208)とを実現する。
Tspecの指定方法、および演算後のSの意味する値とTfirstの意味する値とは、図20を参照して説明した場合と同様である。
以下、図22を参照して本発明の実施の形態の算出処理手順のさらに別の一例をステップごとに説明する。
ステップ1501:セッションの番号Sを番号「1」に初期化する。
ステップ1502:Tfirstをセッション#Sの先頭に位置する記録領域の番号に初期化する。
ステップ1503:Tnextを次のセッション#(S+1)の先頭に位置する記録領域の番号に設定する。
ステップ1504:Tnextが存在するか否かを判定する。
Tnextが存在すると判定された場合(Yes:Tnext≠0)には、処理はステップ1505に進む。Tnextが存在しないと判定された場合(No:Tnext=0)には、処理は終了する。
ステップ1505:Tnextが、指定された記録領域の番号Tspec以下であるか否かを判定する。
指定された記録領域の番号Tspec以下であると判定された場合(Yes)には、処理はステップ1506に進む。指定された記録領域の番号Tspecより大きいと判断された場合(No)には、処理は終了する。
ステップ1506:TfirstをTnextとして設定する。
ステップ1507:次のセッションに進むようにセッション番号Sに1を加える。
このように、本発明の再生方法および再生装置によれば、本発明の追記型記録媒体に対して管理情報を再生することができる。このように、管理情報を再生するための領域のサイズが小さい追記型記録媒体に対して管理情報を再生することができるため、最新の管理情報をサーチする時間が短縮できる。その結果、ユーザがこの追記型記録媒体を装置に装着してからこの追記型記録媒体のユーザデータ領域にアクセス可能になるまでの時間を短縮することができる。
以上、図19〜図22を参照して本発明の実施の形態の再生方法を説明した。
例えば、図19に示される実施の形態では、ステップ1201が「管理情報領域から管理情報を読み出すステップ」に対応し、ステップ1203、ステップ1204およびステップ1208が「読み出された管理情報に基づいて、セッションに関する情報を認識するステップ」に対応する。
しかし、本発明の再生方法が図19に示される実施の形態に限定されるわけではない。再生方法に包含される各ステップが、上述した「管理情報領域から管理情報を読み出すステップ」および「読み出された管理情報に基づいて、セッションに関する情報を認識するステップ」の各々の機能を有する限りは、任意の手順を有しえる。
以上、図1〜図22を参照して本発明の実施の形態を説明した。
なお、本発明の実施の形態において、追記型記録媒体が有する領域のレイアウトは一例である。例えば、管理情報領域7がリードイン領域4に割り付けられることに限定されない。管理情報領域7がリードイン領域4以外の領域に割り付けられてもよい。例えば、管理情報領域7は、リードアウト領域6またはデータ領域5に割り付けられてもよい。
なお、本発明の実施の形態において、各領域に対する情報の使用順序は一例である。例えば、管理情報8は、管理情報領域7のうち光ディスク1の内周側から外周側に向かって順番に追記されることに限定されない。管理情報8は、管理情報領域7のうち光ディスク1の外周側から内周側に向かって順番に追記されてもよい。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。