JP4078492B2 - 生体組織の非侵襲的処置のための装置 - Google Patents

生体組織の非侵襲的処置のための装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織の非侵襲的処置、具体的には、生体組織の変質あるいは変性を目的とした生体組織の非侵襲的処置のための装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
座骨神経痛の罹患率は40%に至っており、また、その患者の1〜2%が、40〜50代の年齢層にて、侵襲的処置(外科的処置)を必要とする腰部の円盤状ヘルニアによる神経圧迫を被っている。 この70年間にわたって、円盤状ヘルニアの外科的除去は、円状切除に頼っているのが実情である。 ヘルニアの診断方法は、従来のオイルを用いた脊髄造影法に代わって、コンピューター断層撮影法(CT)や磁気共鳴画像(MRI)のような非イオン性のコントラスト媒体が利用されるようになり、また、外科処置方法の多様化とも相俟って、脊髄手術の手術数が飛躍的に増大している。
【0003】
円盤状ヘルニアの処置にあたって予め見定めておく4つの項目がある。 すなわち、▲1▼膝から下の神経を刺激して足の痛みが感知できるか否か、▲2▼神経根の神経学的異常の有無、▲3▼4〜8週間にわたる臨床処置による症状の改善の有無、および▲4▼画像検診などによる診断確認である。
【0004】
非侵襲的処置あるいは最小限の侵襲的外科処置は、1964年のキモパパイン処置および化学的髄核分解処置の導入から始まり、これは円盤状ヘルニアの経皮的処置の時代の幕開けでもあった。 このキモパパイン処置の臨床上の成功率は60〜75%という良好な数値を呈したこともあって、この処置方法は普及したものの、一方で、過敏症の発症率は約1%と見積もられていた。 酵素によって長鎖のプロテオグリカンが髄核中で重合し、次いで、水に対する結合力が失われていく。
【0005】
これにより、髄核とヘルニアの体積と圧力が減少し、ついには、化学的髄核分解処置した患者から座骨神経痛が解消することになる。 ほとんどの研究者は、キモパパイン処置した後の足の痛みの軽減が、外科処置した後と大して変わりない意見に同意的である。 内視鏡のような経皮的手段を用いた新しい処置方法が1975年から提案されており、最近では、組織を経皮的に自動吸取する装置とプローブを用いた内視鏡に依らない方法も提案されている。 また、最近になって、レーザー媒体を外部から刺激することで発生するレーザー(電磁気)の放射も利用されている。 しかしながら、患部にレーザーを照射するためには、プローブ、すなわち、侵襲的処置が必要となる。
【0006】
これらいずれの方法も(外科的処置を必要とする)侵襲的処置によるものであり、また、外科手術に依った場合と比較すれば頻度は小さいものの、感染症の発症や神経の損傷などの問題点がある。
【0007】
椎間板は、血管新生化していない他の生体組織と同類である。 椎間板は、中央にゼラチン状の髄核があり、それは硬い輪状組織で囲まれている。 椎間板の構成組織は、異なる転換率とエネルギー要求性を有する幾つかのタンパク質を含んでいる。
【0008】
今日まで、髄核の体積と圧力を減少させることで、円盤状ヘルニアが消失するよう椎間板に作用する非侵襲的な処置手段は無かった。
【0009】
癌研究の分野で、数年間にわたって、高強度集束化超音波(HIFU)を用いた組織の変性について研究が行われている [Bush N L, Rivers I, ter Haar G R and Bamber J C, "Acoustic Properties of Lesions Generated with an UltrasoundTherapy System", Ultrasound in Med. & Biol., 19 (9), pp.789-801 (1993);Billard BE, Hynynen K and Roemer R B, "Effects of Physical Parameters onHigh Temperature Ultrasound Hyperhtermia", Ultrasound in Med. & Biol.,16 (4), pp.409-420 (1990); Lele P P, "Induction of Deep, Local Hyperthermia by Ultrasound and Electromagnetic Fields.-Problems & Choices", Radiation and Environmental Biophysics, 17, pp.205-217 (1980);Linke C A, Carstensen E L, Frizzell L A, Elbadawi A and Fridd C W,"Localized Tissue Destruction by High-Intensity Focused Ultrasound", Arch Surg, 107 (6), pp.887-891 (1973); Sibille A, Prat F, Chapelon J-Y, El Fadil F A, Henry L, Theillere Y, Ponchon T and Cathignol D,"Extracorporeal Ablation of Liver Tissues byHigh Intensity FocusedUltrasound", Oncology, 50, pp.375-379 (1993)]。 例えば、電磁界と比較して、非侵襲的処置の場合、エネルギー発生源として超音波を用いることで、深層部組織が加熱でき、これが利点となっている。 超音波を集束させ、処置する組織に焦点を当てることで、皮膚内の所望の位置および組織に加熱効果が及ぶことになる[前出のLele P Pの文献]。 また、超音波発生器の出力部の表面が球状をなしていれば、その発生器自体が固有の焦点を持つことになる[前出のLele P Pの文献]。 また、整相列を用いることで可変焦点を持たせることも可能である
[Diederich C J and Hynynen K, "The Feasibility of Using Electrically focused Ultrasound Arrays to Induce Deep Hyperthermia via Body Cavities", IEEE Transactionson Ultrasonics, Ferroelectrics,and Frequency Control, 38 (3), pp.207-219(1991); EbbiniE S, Umemura S-I,Ibbini M and Cain C A, "A Cylindrical-Section Ultrasound Phased-Array Application for Hyperthermia Cancer Therapy", IEEE Transactions on Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control,35 (5), pp.561-572 (1988); Ebbini E S and Cain C A, "A Spherical-SectionUltrasound Phased Array Application for Deep Localized Hyperthermia", IEEE Transactions onBiomedical Engineering, 38 (7), pp.634-643 (1991); Holmer N-G and Lindstrom K, "Fran A-mode till Phased Array i Diagnostiskt Ultraljud-Grunderna", editerad av Holmer, pp. s65-67 (198?)]。
【0010】
従来技術として、所定の治療効果を得るために超音波を利用した(いかなるタイプの外科的処置も含まない)方法や装置に関する数々の特許がある。 かような特許の一つに、例えば、胆石や腎石のような様々なタイプの結石や、悪性腫瘍の治療のために用いる「超音波治療システム」に関する米国特許第5,435,311号がある。 「超音波治療装置」に関する米国特許第4,787,394号の装置も、同様の用途で使用されるものである。
【0011】
相応の治療目的のために超音波を利用した他の装置および方法が、米国特許第5,327,884号および米国特許第5,501,655号に開示されている。
【0012】
超音波を用いた同様の組織変性は、他の方法、例えば、レーザー切除や焼灼器具を用いた高周波凝固などによって達成されているが[Buchelt M, KutscheraH-P, Katterschafka T, Kiss H, Schneider B and Ulrich R, "Erb.YAG and Hol.YAG Laser Ablation of Meniscus and Intervertebral Discs", Lasers in Surgery and Medicine, 12, pp. 375-381 (1992); Troussier B, Lebas J F, Chirossel J P, Peoc'h M, Grand S, Leviel J L and Phelip X, "PercutaneousIntradiscal Radio-Frequency Thermocoagulation - A Cadaveric Study", Spine, 20 (15), pp.1713-1718 (1995)]、これら方法はいずれも侵襲的処置である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑みて発明されたものであり、非侵襲的処置のための装置を提供することを目的とする。 すなわち、本発明の要旨とするところは、椎間板または髄核に作用する超音波を発生する超音波発生器を少なくとも一つ含む、生体組織の非侵襲的処置のための装置にある。 これにより、超音波発生器から伝播した超音波によって形成された焦点領域に置かれた組織が加熱されて変性し、椎間板の内圧が下がり、ひいては脊髄に対して負荷されている圧力が減少することになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0015】
生体組織、すなわち、椎間板1、好ましくは髄核1aを処置するための本発明の装置の概略を図1に示した。 本発明の装置は、二つの超音波発生器3、4を備えた装置本体2を含む。 これら超音波発生器3、4は、互いの焦点領域5が重なるように、超音波3aと4aを発生する。 処置を実行している間、焦点領域5を椎間板1、好ましくは髄核1aに定め、焦点領域5にある組織は変性するに十分な温度で処置される。 これによって、椎間板1の内圧が下がり、ひいては脊髄6を圧迫している圧力負荷が小さくなる。
【0016】
超音波発生器3、4は、焦点領域5以外の生体組織を変性しないように、超音波3aと4aを伝播する。 少なくとも二つの超音波発生器3、4を用いることで、超音波効果を広範囲に及ぼすことが可能となり、また、各超音波発生器の出力の低減が図れる。 この構成を採用することで、椎間板1に向けて伝播した超音波によって皮膚内に生じる熱量を最小化できる。
【0017】
超音波3a、4aの出力と周波数、焦点領域5に置かれた組織の処置温度、および超音波3a、4aの負荷時間は、様々な因子を考慮して変化させることができる。
【0018】
しかしながら、好ましくは、周波数は0.5〜2.5 MHzの範囲、焦点領域5に置かれた組織の処置温度は45〜80℃の範囲、そして、超音波3aと4aの出力時間は5〜60分間とする。
【0019】
図3を参照すると、椎間板1を取り巻く椎骨9、10の終板7と8との離間距離Mの間に焦点領域5が定まるように、超音波発生器3、4が配置されている。 このように超音波発生器3、4を配置することで、焦点領域5が終板7と8の間に形成され、そして、終板7と8が加熱による変性から免れる。
【0020】
また、図3を参照すると、伝播手段11として、超音波発生器の表面(超音波発生面)を湾曲した凹設面とした超音波発生器3、4を用いることで、終板7と8の間に焦点領域5が形成される。 これによって、広範囲にわたる焦点調節が可能となり、また、図3に示したように、実質的に平面P上に焦点領域5が形成される。
【0021】
超音波発生器3、4は、必要に応じて、椎間板1、好ましくは髄核1aに、前述した終板7と8との離間距離Mの間に焦点領域5を形成する配向手段12を備えることができる。 これら配向手段12として、整相列タイプの変換エレメントが使用できる。
【0022】
椎間板1、好ましくは髄核1aに焦点領域5を定め、また、(往々にして、超音波発生器3、4と椎間板1との相対位置関係にもよるが)椎間板1の外側の組織が加熱されないように、超音波3aと4aの一方または双方を弱化または加減することが、好ましく、また必要である。 複数の配向手段12を備えた超音波発生器、好ましくは整相列タイプの超音波発生器3、4において、超音波3a、4aを弱めるための操作を瞬時に中断あるいは遅延させることで、超音波3aと4aの一方または双方を弱化または加減することが可能となる。
【0023】
超音波発生器3、4は、好ましくは、椎間板1との相対関係で取り付け位置を決定する。 こうすることで、超音波発生器3、4は、実質的に平面上の焦点領域5を規定し、かつ椎間板1が位置する平面上と、この平面に対して実質的に平行な空間に超音波3a、4aをもたらす。
【0024】
超音波発生器3、4は、焦点領域5に超音波3a、4aが伝播するように据え付ける。 超音波3a、4aの伝播のパターンは、椎間板1および/または髄核1aの大きさに合わせて調整する。
【0025】
さらに、図1を参照すると、診断装置13は少なくとも一つの超音波発生器14を備えており、この超音波発生器14は、超音波処置に先駆けて、椎間板1の位置を登録するために超音波14aを伝播するためのものである。 超音波発生器14に対する超音波発生器3、4の位置関係が決まると、これに基づいて、椎間板1との相対位置関係も決定する。 超音波発生器3、4を、診断装置13に登録された椎間板1、好ましくは髄核1aの現在位置に関する情報によって制御する構成とすることもできる。 こうすることで、焦点領域5は、椎間板1、好ましくは髄核1aに応じて動かせることが可能となる。 超音波発生器3、4の位置を、例えば、超音波発生器の付属品との相対位置関係によって制御することも可能であり、また、この制御を、コンピューターで行うことも可能である。
【0026】
焦点領域5が置かれる髄核1a中の箇所/部分が、自動的にあるいは医師によって、スクリーン(図示せず)上に入力されるタイプの制御装置15で、超音波発生器3、4の制御を行うこともできる。 焦点領域5を適正ならしめるために、超音波発生器3、4に必要なパラメーターを、コンピューター(図示せず)によって決定することもできる。
【0027】
処置中の患者の動きによって生じる、超音波発生器3、4に対する椎間板1の位置関係のずれを検知するための検知器16を設けることもできる。 超音波発生器3、4に対する椎間板1の位置関係にずれが生じた場合、椎間板1、好ましくは髄核1aに焦点領域5が改めて定まるよう、超音波発生器3、4の位置を自動的に設定する調節器17を設けることもできる。
【0028】
処置中の椎間板1内の温度をモニターするための温度計測器18を取り付けることも可能である。 処置中の椎間板1内での異常な温度変化を防ぐために超音波発生器3、4を制御する制御ユニット19を、温度計測器18と連絡する。
【0029】
椎間板1内の温度を超音波によってモニターあるいは観察するために、温度計測器18を、診断装置13に備えられた超音波発生器14と連絡する。
【0030】
超音波発生器3、4は、好ましくは、脊髄6の背中側斜め後方に配置する。
【0031】
このように配置することで、背中側から脊髄6の近傍に向けて超音波発生器3、4から超音波3a、4aが伝播し、そして、脊髄6の腹側にある椎間板1、好ましくは髄核1aに焦点領域5が形成されることになる。
【0032】
また、図2を参照すると、処置を行うにあたって、患者22が横たわる支持面21を備えた処置台20を使用する。 この支持面21は、湾曲形状あるいは湾曲可能な形状とする。 こうすることで、患者22が支持面21に横たわった時に、処置される椎間板1の椎骨9と10の離間距離Mが大きくなる。
【0033】
超音波発生器3、4、14は固定枠23に取り付けることができ、また、これにより、超音波発生器3、4、14の相互の位置関係が決まる。 処置台20に横たわった患者22の椎間板1、好ましくは髄核1aと超音波発生器3、4、14との相対位置関係を設定するために、超音波発生器3、4、14を取り付けた固定枠23と、処置台20および患者22との位置関係を調整する。
【0034】
超音波発生器3、4、14からの超音波3a、4aの伝播を円滑なものとするために、超音波発生器と患者の皮膚との間に、液体収容部24にあるガス成分を含まない液体を介在することができる。
【0035】
同様の理由で、超音波発生器3、4、14、液体収容部24および患者の皮膚との間にある空気を除去するために、(図2中に太破線で概略的に示した)ゲル25を介在させることもできる。
【0036】
上述した構成の装置を用いた本発明の処置手順を、図4の流れ図に示した。
【0037】
なお、この流れ図は、椎間板1を処置する必要があると診断された患者の処置例を示すものである。
【0038】
診断装置13によって得られた「超音波写真」(図5)に基づいて、超音波発生器3、4の入射角度を適正にすべく、固定枠23、患者22、そして超音波発生器3、4の位置を個別に調整する。 こうすることで、超音波発生器3、4から伝播した超音波3a、4aが、処置される椎間板1と同一面上に到達し、患者の背後から処置箇所/部分に超音波3a、4aが作用することになる。 前述したスクリーン上に、髄核1aの箇所に印が付けられ、超音波発生器3、4によって作用を受ける焦点領域5(配向手段12によって定まる可変焦点)が決まる。 次に、コンピューターによって、超音波発生器3、4の様々なパラメーター要素を決定する。 最後に、超音波3a、4aが及ばない、近接する骨の部分に印をつける。
【0039】
このコンピューターは、例えば、最も近似する変換エレメントを除外し、そして、超音波3aまたは4aの出力を小さくするよう処理する。 このように出力を抑えた超音波3aおよび/または4aは、処置時間を延長したり、処置効果を見るなどして出力調整することができる。 なお、図4の流れ図に記した「設定した焦点」とは、伝播手段11によって得られた焦点領域である。
【0040】
本発明の超音波発生器に代えて、他の治療用および/または診断用変換器、発信器あるいはアプリケーター、例えば、電磁気を放射する変換器や発信器なども使用できる。
【0041】
本発明の装置と共に、および/または、本発明による処置を行った後に薬剤を用いることも可能である。 すなわち、ステロイドやコルチコン(corticon(登録商標))のような減圧剤/体積減少剤、イムプガン(impugan(登録商標))のような脱水剤、そして、ヴォルタレン(voltaren(登録商標))のような抗炎症剤などが使用できる。 減圧剤/体積減少剤を超音波と併用および/または超音波処置後に使用することで、髄核に負荷されている圧力の減少、あるいは髄核中の液体の体積減少が図れる。 また、脱水剤を超音波と併用および/または超音波処置後に使用することで、処置部分から液体を除去することが可能となる。 さらに、抗炎症剤を超音波と併用および/または超音波処置後に使用することで、処置部分の炎症を抑えることが可能となる。
【0042】
本発明によれば、一つ以上の処置装置2、任意の数の超音波発生器、および診断装置13を、超音波以外の伝播手段と組み合わせて使用することもできる。
【0043】
また、患者22を処置台20に仰向けに横たえ、患者の背後に処置装置を装着する態様に代えて、患者22と処置装置の配置を反対にすることもできる。 すなわち、患者22を俯せに横たえ、所定の位置関係になるように処置装置を、例えば、腕に取り付ける態様も可能である。
【0044】
【発明の効果】
このように、本発明の装置によると、椎間板、好ましくは髄核が温和な条件下、すなわち、椎間板を取り囲む組織を変性させずに、椎間板、好ましくは髄核に対して所定の超音波処置が実施できるのである。 また、本発明の処置は、非侵襲的的に実施できるので、体内に異物(器具など)を挿入する外科的処置が不要となるばかりか、それによって生じるリスクやコストを解消するなどの優れた効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】 図1の部分拡大図である。
【図3】 本発明の超音波発生器の実施例を示す概略図である。
【図4】 本発明の処置手順を示す流れ図である。
【図5】 本発明の装置によって処置した椎間板の写真である。
【符号の説明】
1……椎間板
1a……髄核
2……装置本体
3、4、14……超音波発生器
5……焦点領域
6……脊髄
7、8……終板
9、10……椎骨
11……伝播手段
12……配向手段
13……診断装置
15……制御装置
16……検知器
17……調節器
18……温度計測器
19……制御ユニット
20……処置台
21……支持面
22……患者
23……固定枠
24……液体収容部
25……ゲル

Claims (9)

  1. 椎間板の組織の非侵襲的処置のための装置であって、
    前記処置は前記組織を変質または変性させるものであり、
    前記装置は、少なくとも二つの超音波発生器を含み、
    前記超音波発生器は伝播手段及び配向手段を有し、
    前記伝播手段は、湾曲した凹設面を有し、椎間板を囲む椎骨の一対の終板の離間距離に応じた平面からなりかつ前記一対の終板の間に位置する焦点領域が形成されるように超音波を伝播し、
    前記配向手段は、前記焦点領域を移動させて焦点領域の広がりを変える整相列タイプの変換エレメントであり、
    前記超音波発生器は、前記焦点領域が椎間板の位置する平面に平行となるように設けられている。
  2. 前記超音波発生器から伝播した超音波が、0.5〜2.5 MHzの周波数の超音波である請求項1に記載の装置。
  3. 前記焦点領域に置かれた組織が、45〜80℃の温度で加熱される請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記超音波発生器の一つまたは二つ以上を停止させて、椎間板の外側の生体組織が変性する温度まで超音波により加熱されることを防ぐ手段を備える、請求項1乃至3いずれかに記載の装置。
  5. 処置中の椎間板内の温度を超音波によってモニターする非侵襲的な温度計測器と、処置中の椎間板内での異常な温度変化を防ぐために前記超音波発生器を制御する制御ユニットとをさらに備える、請求項1乃至4いずれかに記載の装置。
  6. 前記超音波発生器に対する椎間板の位置関係を登録するための診断装置を備え、
    超音波によって形成される焦点領域が椎間板に一致するように、前記超音波発生器が前記診断装置に記録された情報によって制御される、請求項1乃至5いずれかに記載の装置。
  7. 前記診断装置が、前記非侵襲的処置のための装置に対する椎間板の位置関係を定めるための超音波を伝播する超音波発生器を具備している請求項6に記載の装置。
  8. 前記非侵襲的処置のための装置が、処置中の患者の動きによって生じた前記超音波発生器と椎間板との位置関係のずれを検知する検知器と、
    前記ずれが生じた後に、椎間板に前記焦点領域が定まるように前記超音波発生器を制御する調節器を備えている請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
  9. 患者が横たわるための処置台と、
    前記処置台に対応して、前記超音波発生器と前記診断装置とを所定の位置に取り付けた固定枠とを備え、
    前記固定枠は、前記超音波発生器が患者の椎間板に対応するように可動である、請求項7に記載の装置。
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