JP4078405B2 - シリコーンコート方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般用及び工業用の表面処理技術に係り、特に2液以上の成分を混合することにより反応硬化するシリコーン組成物を、液滴状に射出するスプレーガンを用いて霧状にしてスプレーガンの内部ではなく、吐出先で混合して塗布することにより、シリコーン組成物の混合後の作業可能時間に左右される事無く、またスプレー装置の清掃作業が極めて簡略化され、且つ十分に硬化の速い事を特徴とするシリコーンコート方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
反応型シリコーン組成物をスプレーを用いて塗布する従来の方法は、例えばSiビニル基とSiH基を含むオルガノポリシロキサンとからなる組成物に、Siビニル基とSiH基の反応触媒である白金系化合物を混合した後、スプレーにより被着体に塗布するものである。
【0003】
この方法では、これらを混合した時点からシリコーン組成物の効果反応が始まり、原料タンク、配管、スプレーガン等の中でシリコーン組成物が固まってしまうため、何らかの反応制御剤を添加する事が不可欠であり、例えばアセチレンアルコール類等の反応制御剤を添加する事が必要である。
【0004】
反応制御剤を添加する事で、反応型シリコーン組成物のポットライフが長くなりスプレー塗布の作業ができるようになるが、塗布したシリコーン組成物の硬化も遅れるという欠点がある。塗布したシリコーンの反応硬化を促進し、生産性を上げるためには通常の場合塗布面を加熱する等の手段が更に必要となるという不便を伴うものであった。
【0005】
また、加熱以外の反応硬化の促進手段として、紫外線照射による方法がある。この方法は、上記のシリコーン組成物に更に増感剤あるいは添加剤としてランタン系希土類化合物を追加添加する事で可能となる。増感剤あるいはランタン系希土類化合物を添加した場合は、塗布したシリコーンに紫外線ランプを照射することで反応を促進することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の加熱により上記反応型シリコーン組成物の硬化反応を促進する方法では、例えば加熱温度が100℃にもなると、電気製品、低融点のプラスチック製品などの物品にあっては、これらの物品自体の熱的障害による品質劣化、変形を招くほか、大型の建築資材などは加熱炉に入れることができないため、このようなコート作業を行えないという課題があった。
【0007】
また、一般家庭や屋外等、加熱装置の無いところでのコート作業は不可能である。
【0008】
紫外線照射により反応を促進する方法では、加熱硬化の場合と同様にポットライフがあり、しかも紫外線ランプを保有する硬化設備が必要という不利な点がある。
【0009】
更に、上記の如く反応制御剤の添加によってポットライフを長くした場合でも、塗布したシリコーンの反応性を下げ過ぎないよう調整しているため、原料タンクに残ったシリコーン原料はポットライフを持ち、通常の場合数時間から数日で固まってしまう。従って、取り扱い性から一般家庭用シリコーンコート剤として販売に適さない。また、工業用として使用する場合でも、塗布作業終了後はタンクに残ったシリコーン原液を硬化する前に廃棄する必要があり、材料歩留りが悪くなりコストアップとなる。
【0010】
更にこれらの点を考慮した反応型シリコーン組成物のスプレーによるコート方法として、公開特許公報平4−354565号には衝突混合室を設けたスプレーガンを用い、その衝突混合室内に少なくとも2成分からなる発砲型液状シリコーン組成物を噴霧し、混合室内で衝突混合した後外部へ吐出してシリコーンフォームを得る方法が開示されている。しかしながらこの方法では混合室内に残ったシリコーン硬化物が堆積するため、繁雑な除去清掃作業が必須という欠点があった。
【0011】
本発明の発明者らは上記の問題点を解決する方法として、特に加熱を必要とせず常温で素早くスプレーコートすることができ、尚かつタンク内シリコーンのポットライフが半永久的に長く、さらにはスプレー装置の清掃作業が極めて簡便可能な反応型シリコーン組成物とその塗布方法を開発した。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、2液以上を混合することにより反応硬化するシリコーン組成物を、それぞれ個別に液滴状に射出するスプレーガンを用いて適宜の交叉角度で霧状に射出して、スプレーガンの吐出口から離れた吐出先で混合して塗布することを特徴とする。
【0013】
本発明に用いられる前記シリコーン組成物は、室温にて硬化できるものが使用され、その組成を2成分に分け、それぞれ個別に液滴状に射出してスプレーガンの吐出口から離れた吐出先で混合して塗布し、硬化させる。
【0014】
すなわち、請求項1に係るシリコーンコート方法は、a)分子中に少なくとも2つ以上のシラノール基を有し、有機基が炭素数1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物100重量部と、b)無機充填剤0〜300重量部と、c)a)成分のシラノールに対して加水分解性基がモル比で1/5〜5の範囲になるような一般式R SiX 4−a (式中、Rは炭素数が1から10の非置換、置換一価の炭化水素基、aは0≦a≦2の範囲の価、Xは加水分解性基を示す。)で示されるシランもしくはその部分加水分解物もしくはこのような官能基を分子中に含むオルガノポリシロキサン化合物と、d)縮合触媒0〜10重量部とでなるシリコーン組成物を用いている。
【0015】
上記組成を2成分に分けるには、1液側のみにc)成分およびd)成分が配合されるようにして、a)成分およびb)成分はスプレー吐出がし易いように配分を決めればよい。この場合、できる限り1:1の配合になるようにすることが望ましい。
【0016】
a)成分は一分子中に少なくとも二つ以上のシラノール基が有しているオルガノポリシロキサンで、液状もしくは溶剤にて可溶なレジン状の物質であり、有機基が炭素数1から10までの置換、非置換の一価の炭化水素基であるものを有している。有機基の例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フエニル基、トリル基などのアリール基あるいはこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子などで置換された基である。
【0017】
b)成分は必須成分ではないが補強性、機能性を付与するために添加するものであり、例としては粉砕シリカ、煙霧状シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、湿式シリカなどが挙げられる。添加量としては、スプレーを妨げない程度にすることが必要であり、また、物性の面からa)成分100重量部に対して300重量部まで好ましくは200重量部までの添加がよい。
【0018】
c)成分は本組成物を架橋するために必要な成分であり、下記一般式RSiX4−aで示される化合物である。本式中Rは炭素数が1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であり、aは0≦a≦2の範囲の価を取る。Xは加水分解性基を示す。Rの例としてはチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フエニル基、トリル基などのアリール基あるいはこれらの基の水素原子が部分的にハゲロン原子などで置換された基が例示され、加水分解性基Xの例としてはメトキシ基、エトキシ基のようなアルコシキ基、アセトキシ基のようなアシル基、メチルエチルケトオキシミノ基などのイミノキシ基、1−メチルビニロキシ基などのビニロキシ基、ジメチルアミノ基、n−ブチルアミノ基などのアミノ基、ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基などのアミノキシ基などが例示される。また、これらの部分加水分解物であってもかまわない。添加量はa)成分のシラノール量によって必要量が左右されるがシラノールに対して加水分解性基が1/5〜5の範囲であることが必要となる。これ以上もしくはこれ以下でも架橋反応自体は進行するが、硬化まで時間がかかってしまったり、目的とする機械強度が得られない等の問題が起こる。
【0019】
d)成分は、加水分解反応および架橋反応を促進するために添加するものであり、当業界において公知であるものが使用される。例えば、有機錫化合物、アルコキシチタン、アミン化合物などが挙げられる。
【0020】
請求項に係るシリコーンコート方法は、a)分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基を有し、有機基が炭素数1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物100重量部と、b)無機充填剤0〜300重量部と、c)活性水素基を有する化合物0〜50重量部と、d)一分子中に2個以上のヒドロシリル基を有し、有機基が炭素数1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物を、a)成分のアルケニル基とc)成分の活性水素基の合計に対してモル比で1/5〜20の範囲になる量と、e)架橋触媒0.00001〜10重量部とでなるシリコーン組成物を用いている。
【0021】
上記組成を2成分に分けるには、1液側にc)成分とd)成分が配合されないようにし、a)成分およびb)成分はスプレー吐出がし易いように配分を決めればよい。この場合、できる限り1:1の配合になるようにすることが望ましい。
【0022】
このタイプの硬化機構はa)成分のアルケニル基とd)成分のヒドロキシ基がヒドロシリル化反応を伴い硬化することから付加タイプと呼ばれているものである。a)成分としては、一分子中に少なくとも二つ以上のアルケニル基を有しているオルガノポリシロキサンで、液状もしくは溶剤にて可溶なレジン状の物質であり、有機基が炭素数1から10までの置換、非置換の一価の炭化水素基であるものを有している。有機基の例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フエニル基、トリル基などのアリール基あるいはこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子などで置換された基である。アルケニル基の例としてはビニル基、アリル基などが例示される。
【0023】
b)成分は必須成分ではないが補強性、機能性を付与するために添加するものであり、例としては粉砕シリカ、煙霧状シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、湿式シリカなどが挙げられる。添加量としては、スプレーを妨げない程度にすることが必要であり、また、物性の面からa)成分100重量部に対して300重量部まで好ましくは200重量部までの添加がよい。
【0024】
c)成分として添加される活性水素基を有する化合物は、この系に任意に添加されるものであり、この成分を添加することによりd)成分と反応し脱水素反応をおこし、a)成分とd)成分との架橋反応と同時に進行し、できあがった組成物を発砲体にするために添加するものである。本成分の例としては、水、アルコール、シラノール基を有するシランもしくはシロキサンが挙げられる。
【0025】
d)成分は本組成の中で架橋剤として使用されるものであり、架橋するためにa)成分及びc)成分の官能量に対してヒドロシリル基の量が1/5〜20になるよう設定することが必要である。
【0026】
e)成分としては、遷移金属およびその化合物、錯体が一般に使用されており、その中でも白金化合物および錯体がよく使用される。添加量としては、反応に必要な最小量でよく、その範囲はa)成分100重量部に対して0.00001〜10重量部の範囲である。
【0027】
請求項に係るシリコーンコート方法は、a)分子中に少なくとも2つ以上のシラノール基を有し、有機基が炭素数が1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガ ノポリシロキサン化合物100重量部と、b)無機充填剤 0〜300重量部と、c)活性水素基を有する化合物 0〜50重量部と、d)一分子中に2個以上のヒドロシリル基が有し、有機基が炭素数が1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物を、a)成分のシラノール基とc)成分の活性水素基の合計に対してモル比で1/5〜20の範囲になる量と、e)架橋触媒 0.00001〜10重量部とでなるシリコーン組成物を用いている。
【0028】
上記組成を2成分に分けるには、原則として1液側にc)成分とd)成分が配合されないようにしてa)及びb)はスプレー吐出がし易いように配分を決めればよい。この場合、できる限り1:1の配合になるようにすることが望ましい。
【0029】
請求項3の組成は請求項の組成に非常に似ているが、架橋の仕方がa)成分のシラノール基とd)成分のヒドロシリル基が脱水素縮合を起こすことによって硬化する点が異なる。b)成分、c)成分は前述のものと同じものが使用できる。また、脱水素縮合の触媒としてのe)成分としては、請求項)成分と同じ遷移金属が使用されるほか、錫化合物、アミン化合物、アミノキシ化合物などが使用される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、2液以上を混合することにより反応硬化するシリコーン組成物を、それぞれ個別に液滴状に射出するスプレーガンを用いて適宜の交叉角度で霧状に射出して、スプレーガンの吐出口から離れた吐出先で混合して塗布する。
【0031】
この時、本発明においては、原則的に反応制御剤の添加を行わず、2種の原液に分けた上でそれぞれの原液をスプレーガンを用いて吐出し、吐出先及び被着体上で混合することで反応硬化し反応型シリコーン組成物のコート作業を完成する。原液の数に特別な制限はないが、混合効果及び配合作業の繁雑さを避けるために2液配合とするのが一般的である。
【0032】
本発明のシリコーンコート方法の一例を図面について説明すると、図1は本発明のシリコーンコート方法の一例を示す概略説明図、図2は図1のスプレーガン部分の拡大図であり、1a,1bはタンク、2a,2bはエアレスユニット、3,4はホース、5a,5bはスプレーガンを示す。
【0033】
しかして、第1の液と第2の液を、別々のタンク1a,1bに入れ、エアレスユニット2a,2bおよびホース3,4を介してスプレーガン5a,5bから被着体に向けて吐出させる。
【0034】
本発明で使用されるスプレーガンは本業会では一般的に使用されているものであり、特に方式を選ぶものではなく、シリコーン組成物のスプレー塗布の作業場の換気が整えば、エアーガンでも良い。例えば、磐田塗装工業株式会社SG590が使用できる。通常は作業環境を良好に保つためにエアレスガンの使用がより望ましいものである。実際の使用に当たっては、使用される原液の数に相当する必要な数の原液タンク及びそれぞれのエアレスユニットを介してホースで接続されたスプレーガンが有れば良く、更にスプレーガンの吐出状態と吐出先が同一空間及び同一の被コート物品の表面に向け調整されている事が必要であり、スプレーガンから吐出された液滴がそれの吐出先で混合され該被コート物品上に塗布されれば良い。
【0035】
この様なスプレー装置は当業界では広く使用されているが例えばエアレスユニット:岩田塗装機工業(株)製「ALS−33型エアレススプレーガン」(商品名):岩田塗装機工業(株))製「ALG−5型(ノズルチップNT1003)」(商品名)が使用可能である。
【0036】
実際のスプレー作業に於いては第1の液と第2の液用のスプレーガンは、約20°の角度で斜めに向き合わせるのが最も効果的であり、被着体に向けて、両方のスプレーガンから同時に液を吐出させると、吐出口の外で各々霧状となった液が混合されて被着体に塗布できた。
【0037】
また、本発明における原液の吐出量は任意に設定する事が可能であり、特に吐出量比を1:1に調整する必要はなく、スプレーガンの調整能力範囲内で調整すれば良い。更に、本発明のシリコーンコート剤組成物に於いては各種希釈剤の使用は任意でありシリコーン組成物の塗膜の厚さ調整、常態で粘凋なシリコーン組成物あるいは常態で固体または半固体状のシリコーン組成物を液滴状に噴霧できるように希釈するために各種の有機溶剤類を必要に応じ使用する事が出来る。
【0038】
これらの有機溶剤類には特に限定はなく当該シリコーン組成物を溶解希釈できるものならば良い。例えば、ナフサ、LPG、ミネラルスピリットに代表される石油系溶剤、トルエン、キシレンの様な芳香族系溶剤、必要に応じフロン141bの様なフッ素系溶剤、あるいは塩化メチレン、トリクロリエチレンの様な塩素系溶剤等が使用される。また、シリコーン組成物の良溶媒である低分子状シリコーンポリマー(いわゆるシリコーン溶剤)も使用可能である。
【0039】
更には、乾燥速度が遅く効果が若干遅れるという欠点はあるが、適当な乳化剤を用いて当該硬化型シリコーン組成物を水中に乳化分散し水系コート剤組成物として使用する事も可能である。
【0040】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。使用原料の内容は次の通りである。
原料オイルA:量末端がビニル機で封鎖された25℃に於ける粘度が900csであり、官能基量が0.0125mol/100gであるポリジメチルシロキサン。
原料オイルB:量末端が水酸基で封鎖された25℃に於ける粘度が800csであり、官能基量が0.01mol/100gであるポリジメチルシロキサン。
原料オイルC:量末端がトリメチルシリル基で封鎖された25℃に於ける粘度が100csであるポリジメチルシロキサン。
原料オイルD:量末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリハイドロジェンメチルシロキサンで繰り返し単位が40のもの(官能基量が1.56mol/100g)。
原料レジンA:トリメチルシリル基で水酸基の一部が封鎖されたテトラメトキシシランの加水分解縮合物であり、トルエンにて50%に希釈されたポリジメチルシロキサンレジン(水酸基量が0.03mol/100g;溶解物として)。
白金触媒:ジビニルテトラメチルジシロキサンの塩化白金酸錯体を25℃に於ける粘度が1万cpの両末端がビニル基で封鎖されたポリジメチルシロキサンで白金原子が1Wt%になるように希釈したもの。
煙霧状シリカ:比表面積が130mである煙霧状シリカをジメチルジクロルシランで処理したもの。
炭酸カルシウム:表面をステアリン酸で処理したコロイダル炭酸カルシウム。
【0041】
実施例1:
A液:原料オイルA100重量部と原料オイルD2重量部とを均一に混合した後、この混合物をナフサ系のドライソルベント(日本石油株式会社)に原料オイルの混合物の濃度が20重量%となるように均一に溶解希釈した。これをA液とした。
【0042】
B液:白金触媒(白金原子として1Wt%含有品)の1重量%ドライソルベント溶液を調整しB液とした。
【0043】
A液とB液を図1に示すように別々のタンク1a,1bに入れ、各々からホース3,4でエアレスユニット2a,2bを経由してスプレーガン5a,5bに結合した。ここで使用した機器は、(a)エアレスユニット:岩田塗装機工業(株)製「ALS−33型」(商品名)(b)エアレススプレーガン:岩田塗装機工業(株)製「ALG−5型(ノズルチップNT1003)」(商品名)
【0044】
A液とB液が各々等量ずつ吐出されるように調整した後に、A液とB液用のスプレーガン5a,5bを、約20°の角度で斜めに向かえ合わせ(図2)、両方のスプレーガンから同時にA液とB液を吐出させると、吐出口の外で各々霧状となったA,B液が混合されてスプレーガンの前方に置かれた被着体に塗布され、被着体の表面で直ちに硬化反応が始まり1分以内にシリコーンのゴム状硬化皮膜を生成した。
【0045】
A液とB液との合計吐出量が被着体上において1.5g/cm及び3.0g/cmの場合には形成された膜はほぼ透明で表面のべたつきもない良好なものであった。
【0046】
また、本実施例で使用した後タンクに充填されたままの液及びスプレーガンと吐出装置を3ケ月後に全く同様な作業を行ったところ、スプレーガンノズル部の詰まりもなく全く同様な結果が得られた。
【0047】
実施例2〜5の各々の使用原料及びその量を表1に、また得られた結果を表2に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004078405
【0049】
【表2】
Figure 0004078405
【0050】
実施例2:
AサイドにはオイルAのみ、BサイドにはオイルC98.2重量部およびメチルトリメトキシシラン1.5重量部、ジブチル錫ジラウレート0.1重量部を混合し均一にした液を用いた。
【0051】
実施例1と同様にスプレーガンで吐出後、本実施例の組成物は20分で硬化し、表2に示す物性を有する均一なコーティング膜が得られた。
【0052】
表2に示された硬化物の物性は、JISK−6301に準ずる方法で測定し、何れも吐出後20℃・55%RHの恒温室で7日間静置された後に測定された。
【0053】
実施例3:
AサイドにはレジンAのみ、Bサイドにはビニルトリメトキシシラン8.9重量部、テトライソプロポキシチタン0.3重量部をトルエン91.8重量部に混合溶解し均一にした。
【0054】
本組成物を実施例1と同様にスプレーガンで吐出後、本実施例の組成物は15分で硬化し、表2に示すような均一なシリコーンワニスコーティング膜が得られた。
【0055】
実施例4:
AサイドはオイルBを96.0重量部に煙霧質シリカを3.0重量部添加し万能ミキサーを用いて均一に混合攪拌した後、イソプロパノール1.0重量部、白金触媒を0.5重量部添加し、更に均一に撹拌混合した。
【0056】
BサイドはオイルB87.0重量部、煙霧質シリカ3.0重量部をミキサーによって均一に攪拌した後、オイルDを10.0重量部添加し、更に均一に攪拌した。
【0057】
本組成物を実施例1と同様な装置を用いてA,B各液を異なる2つのスプレーガンから同時に同一表面に吐出噴霧したところ、スプレー吐出後1分間で発砲硬化し、表2に示すような物性の均一なシリコーン発砲体コーティング皮膜を得た。
【0058】
実施例5
AサイドはオイルA85.0重量部、炭酸カルシウム10.0重量部を万能混合機で均一に撹拌混合した後、水0.5重量部、及びジエチルヒドロキシアミン4.5重量部を添加し、更に均一に混合した。
【0059】
BサイドはオイルA90.0重量部、及びオイルD10.0重量部を均一に混合攪拌して得られた。
【0060】
本組成物を他の実施例と同様にスプレーガンを用いて吐出噴霧したところ、吐出後30分で発砲硬化し、均一なシリコーン発砲体コーティングが可能であった。得られた発砲体の物性は表2に示されるような2.8倍の発砲率を有するものであった。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明した通り、本発明によれば、被コート物品を特に加熱しなくても短時間でシリコーンコートができ、このため、電気製品、低融点のプラスチック等の加熱により被コート物品を痛める危険がある製品でも生産性良くシリコーンコートできるほか、乾燥炉に入れる事のできない建築資材、看板等の大きい物品も簡便に生産性良くシリコーンコートできる。また、比較的硬質なシリコーンゴム皮膜をコートする事による離型性保護皮膜、撥水防水皮膜、硬質な硬化型シリコーンレジンの皮膜による耐擦傷性の有る保護皮膜、さらには、スプレーコートする事により物品上に極めて簡便に良好なシリコーン発砲体からなる膜を塗布する事が可能である。
【0062】
また、吐出装置をエアーゾール缶にし、2本を一組としてスプレーすれば、加熱装置の無い一般家庭用としても使用でき、屋外で塗布する場合も、生産性良くシリコーンコートできる。
【0063】
更に、原則的に反応制御剤を添加しないので、ポットライフが半永久的に長くできる。このため、取扱い性が良くなり、一般家庭用シリコーンコート剤としても使用可能である。
【0064】
また、工業用として使用する場合でも、塗布作業後に原液タンクに残ったシリコーン原液を廃棄する必要がなくなり、次の作業までそのままの状態で保存できるため材料歩留まりが良くなるほか、スプレーガンの中で固まる事がなく、硬化物の付着が発生し易い混合室が存在しないため、スプレーガンのメンテナンスが極めて容易になるなどの大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコーンコート方法の一例を示す概略説明図である。
【図2】図1のスプレーガン部分の拡大図である。
【符号の説明】
1a,1b; タンク
2a,2b; エアレスユニット
3,4; ホース
5a,5b; スプレーガン

Claims (3)

  1. a)分子中に少なくとも2つ以上のシラノール基を有し、有機基が炭素数1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物100重量部と、b)無機充填剤0〜300重量部と、c)a)成分のシラノールに対して加水分解性基がモル比で1/5〜5の範囲になるような一般式R SiX 4−a (式中、Rは炭素数が1から10の非置換、置換一価の炭化水素基、aは0≦a≦2の範囲の価、Xは加水分解性基を示す。)で示されるシランもしくはその部分加水分解物もしくはこのような官能基を分子中に含むオルガノポリシロキサン化合物と、d)縮合触媒0〜10重量部とでなるシリコーン組成物を、1液側のみにc)成分およびd)成分が配合されるように前記各成分を2液に分け、前記2液をそれぞれ個別に液滴状に射出するスプレーガンを用いて適宜の交叉角度で霧状に射出して、前記スプレーガンの吐出口から離れた吐出先で混合して塗布することを特徴とするシリコーンコート方法。
  2. a)分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基を有し、有機基が炭素数1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物100重量部と、b)無機充填剤0〜300重量部と、c)活性水素基を有する化合物0〜50重量部と、d)一分子中に2個以上のヒドロシリル基を有し、有機基が炭素数1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物を、a)成分のアルケニル基とc)成分の活性水素基の合計に対してモル比で1/5〜20の範囲になる量と、e)架橋触媒0.00001〜10重量部とでなるシリコーン組成物を、1液側にc)成分とd)成分が配合されないように前記各成分を2液に分け、前記2液をそれぞれ個別に液滴状に射出するスプレーガンを用いて適宜の交叉角度で霧状に射出して、前記スプレーガンの吐出口から離れた吐出先で混合して塗布することを特徴とするシリコーンコート方法。
  3. a)分子中に少なくとも2つ以上のシラノール基を有し、有機基が炭素数が1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物100重量部と、b)無機充填剤 0〜300重量部と、c)活性水素基を有する化合物 0〜50重量部と、d)一分子中に2個以上のヒドロシリル基が有し、有機基が炭素数が1から10の非置換、置換一価の炭化水素基であるオルガノポリシロキサン化合物を、a)成分のシラノール基とc)成分の活性水素基の合計に対してモル比で1/5〜20の範囲になる量と、e)架橋触媒 0.00001〜10重量部とでなるシリコーン組成物を、1液側にc)成分とd)成分が配合されないように前記各成分を2液に分け、前記2液をそれぞれ個別に液滴状に射出するスプレーガンを用いて適宜の交叉角度で霧状に射出して、前記スプレーガンの吐出口から離れた吐出先で混合して塗布することを特徴とするシリコーンコート方法。
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