JP4077994B2 - 電気集塵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス中に含有された固体(ダスト)、液体(ミスト)及び霧体(フューム)(以下、単に「ダスト等」という)を円滑に且つ確実に除去することができる電気集塵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から空気中に含有されたダスト、ミスト又はフュームを除去するための電気集塵装置が種々提供されている。これら電気集塵装置の一例として、例えば、長尺の放電電極を上下方向に指向した状態に配設し、この放電電極を挟んだ状態に二枚の平板状集塵電極を並設することによって構成されたものを挙げることができる。
【0003】
しかしながら、上記電気集塵装置では放電電極と集塵電極との間に発生する放電電流はそれ程大きなものではないことから、上記放電電極と上記集塵電極との間に生ずる電場は十分なものではない。
【0004】
従って、ガス中のダスト等を完全に除去するには、ダスト等を含有する空気を上記放電電極と上記集塵電極との間に長時間に亘って通過させる必要があり、このために従来の電気集塵装置は大型にならざるを得ず、コンパクトで且つ集塵能力に優れた電気集塵装置が所望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、放電電極と集塵電極との間に大きな放電電流を発生させることによって放電電極と集塵電極との間に強力な電場を発生させて、ガス中に含まれるダスト、ミスト及びフュームを短時間の間に完全に且つ確実に除去することができるコンパクトな電気集塵装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の電気集塵装置は、長尺の放電電極にはその長さ方向に所定間隔毎に先端が尖鋭に形成された複数の突片部を放射状に突設してなる放電部材が配設されているとともに、この放電電極の周囲には該放電電極と平行にして複数本の集塵電極が周方向に所定間隔毎に配設されてなる電気集塵装置であって、上記放電電極は、角棒状の放電芯棒と、この放電芯棒の頂角部に外接し且つ上記放電芯棒の軸芯回りに回動自在に被嵌された複数の鞘管部材と、これら鞘管部材間に挟着された放電部材とからなることを特徴とする。
【0007】
【作用】
本発明の電気集塵装置の使用要領を説明する。電気集塵装置の集塵電極で囲まれたガス流通路内にダスト、ミスト又はフュームを含有するガスを流通させるとともに、その放電電極と集塵電極との間に数万ボルトの電圧を印加する。すると、上記放電電極における放電部材の突片部の尖鋭端とこの尖鋭端に最も近接した集塵電極との間にコロナ放電が発生し、空気の絶縁が破壊される。
【0008】
しかして、上記放電電極と上記集塵電極との間にはコロナ放電に伴う電場が発生し、上記ガス中のダスト等は帯電される。そして、この帯電したダスト等はクーロン力によって集塵電極に補集される。
【0009】
この際、発生するコロナ放電は上記放電部材の突片部の尖鋭端から発生することから非常に大きな放電電流が得られ、よって、上記放電電極と上記集塵電極との間に発生する電場は非常に大きいものとなり、この大きな電場によりガス中のダスト等は確実に帯電させられ、この帯電したダスト等はクーロン力によって集塵電極側に移動し確実に補集される。
【0010】
又、上記の如く、ガス中のダスト等は大きな電場によって帯電させられて集塵電極に強固に補集されることから、上記集塵電極に一度補集されたダスト等は再度集塵電極から離脱して飛散したりすることはなく、よって、ガス中のダストを確実に補集、除去することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の電気集塵装置の一例を図面を参照しつつ説明する。電気集塵装置の集塵部1は、図1に示したように、上下方向に全面的に開口した円筒状容器1a内に上下方向に所定間隔毎に枠体2、2を配設し、この上下枠体2、2間に複数の集塵電極41〜43を立設状態に配設、支持させるとともに、複数の集塵電極41〜43で囲まれた空間中心部に放電電極3を枠体2、2間を上下方向に貫いた状態に配設することによって構成されている。なお、上記円筒状容器1aの下端部は処理ガス流入口Aに連結、連通されているとともに、その上端部は処理ガス流出口Bに連結、連通されている。
【0012】
詳細に説明するに、上記枠体2は、その外周端を上記円筒状容器1aの内周面に内接状態にして一体に固定している。そして、この枠体2は、図1乃至図4に示したように、一定厚みを有する側面横長長方形状の金属プレートを組み合わせることによって平面ハニカム状に形成されている。そして、上記ハニカム状の枠体2を3つ用意し、これらハニカム状の枠体2が上下方向に所定間隔を存して、即ち、後述する集塵電極42、43の上下方向の長さよりも若干長い間隔を存して並設されているとともに、これら枠体2、2を構成するハニカム単位21、21同士が上下方向に合致した状態に配設されている。又、上記円筒状容器1aの周壁部には、その内外面に亘って貫通した状態に複数のスリット部1bが貫設されており、このスリット部1bを通じて上記枠体2の一部を外部に突出させている。そして、この突出部2aを上記円筒状容器1aの外周面に一体的に設けられた殴打部材6によって殴打することにより上記枠体2、即ち、後述する集塵電極41〜43を振動させるように構成している。なお、上記枠体2には、上記円筒状容器1aを介してプラス電圧が印加されている。
【0013】
そして、上記枠体2を構成するハニカム単位21の夫々の中心部には、最上部の枠体2と最下部の枠体2との間を貫いた状態に垂直方向に指向した放電電極3が配設されている。
【0014】
上記放電電極3は、図5及び図6に示したように、垂直方向に指向した四角棒状の金属製放電芯棒31と、この放電芯棒31の頂角部に外接し且つ該放電芯棒31の軸芯回りに回動自在にして該放電芯棒31の長さ方向に直列状態に該放電芯棒31に被嵌させた短円筒状の一定長さを有する複数の金属製鞘管部材32と、これら上下方向に隣接する鞘管部材32、32の対向上下端面間に中心部を挟着されて該鞘管部材32と一体的に上記放電芯棒31の軸芯回りに回動自在な金属製の逆皿状放電部材33とからなる。
【0015】
なお、上記放電芯棒31にはマイナス電圧が印加されており、このマイナス電圧は該放電芯棒31の頂角部に外接する鞘管部材32を介して該鞘管部材32、32間に挟着された上記放電部材33に印加されている。
【0016】
上記鞘管部材32、32間に挟着されている逆皿状放電部材33は、図5乃至図7に示したように、その円環状の水平部330 の中心部に上下面間に貫通し且つ上記鞘管部材32の内径に合致した直径を有する平面円形状の取付け孔330aに上記放電芯棒31を挿通させているとともに上記取付孔330aの周縁部を上下方向に隣接した上記鞘管部材32、32の対向上下端面間に挟着させており、更に、上記水平部330 から外方に向かって延設された下向き傾斜部331 における外周縁部には平面三角形状の突片部332 が周方向に放射状に連続的に突設されており、該突片部332 の先端の夫々は尖鋭端332aに形成されている。なお、本実施例では、一つの放電部材33に十二個の突片部332 を形成している。
【0017】
更に、上記放電部材33は、上下方向に互いに隣接する放電部材33の突片部332の尖鋭端332a同士が互いに垂直方向に合致した状態、即ち、同一方向に突出した状態にして上記鞘管部材32、32間に挟着されている。
【0018】
一方、図3に示したように、上下方向に隣接する枠体2、2間における各ハニカム単位21の上下対向内隅部間の夫々には、一定厚みを有する金属製細幅帯状体がその幅方向を上記枠体2のハニカム単位21の中心方向に向けた状態で連設されており、この金属帯状体を集塵電極41としている。
【0019】
更に、上下方向に隣接する枠体2、2間における該枠体2、2の各ハニカム単位21、21の上下対向枠辺211 、211 間にも水平方向に一定間隔毎に複数本の一定長さを有する金属製筒状集塵電極42、43が立設状態にして着脱自在に配設、支持されている。このように、集塵電極42、43を着脱自在に配設していることから、枠体2を分解することなく集塵電極42、43のみを枠体2から円滑且つ簡単に取り外して交換することができる。
【0020】
詳細には、上記集塵電極42、43は、図2に示したように、上下方向に隣接する枠体2、2における各ハニカム単位21、21の上下方向に対向する枠辺211 、211の辺長を四等分割した部分間に夫々に配設されている。
【0021】
そして、各ハニカム単位21における各枠辺211 に等間隔を存して配設された上記3本の集塵電極42、43のうちの両外側の集塵電極42の夫々を上記放電部材33の突片部332 の尖鋭端332aの夫々に該突出部332 の突出方向に対向させた位置に設けている。
【0022】
更に、上記3本の集塵電極42、43のうちの中央の集塵電極43を小径とする一方、両外側の集塵電極42、42を大径に形成している。このように、集塵電極41〜43を大径若しくは小径の二種類の筒状体又は所定幅を有する金属製細幅帯状体の何れかから形成、即ち、集塵電極41〜43を三種類の異形状のものから形成することによって、上記放電部材3の突片部332 における尖鋭端332aとこの突片部332 の突出方向に上記尖鋭端332aと対向している上記集塵電極42との間の距離L1と、該集塵電極42に隣接する集塵電極41、43と上記突片部332 の尖鋭端332aとの間の距離L2とが等しくなるように構成している(図2参照)。
【0023】
上記の如く、上記放電部材3の一つの突片部332 の尖鋭端332aに対して最短距離にある集塵電極41、42、43を3つ配設することによって、一の突片部332 の尖鋭端332aからのコロナ放電を3つの集塵電極41、42、43に向かって生じさせることができ、よって、上記放電部材3と上記集塵電極4との間に生じる電場の電界強度をより大きくさせてガス中に含まれるダスト等を強力に帯電させて集塵電極41、42、43に補集させ、ガス中からダスト等を完全に且つ確実に除去することができる。
【0024】
なお、上記集塵電極42、43は、図8に示したように、上下方向に隣接する枠体2、2間における各ハニカム単位21、21の上下対向枠辺211 、211 の対向端縁にそれぞれ対向して突設された上下支持突部211a、211aに該集塵電極4の上下開口部の夫々を着脱自在に被嵌させることによって上記枠体2、2間に着脱自在に起立状態に配設されている。又、各ハニカム単位21の中心部に配設された放電電極3は円筒状容器1aの上端部に吊支された吊支フレーム50にその上端を吊り下げ部材51を介して吊り下げられてあり、その下端に重錘52を連結してこの重錘52によって垂直状態に保持されている。
【0025】
次に、上記電気集塵装置の使用要領について説明する。上記放電電極3にマイナス電圧を印加するとともに、上記集塵電極41〜43に上記円筒状容器1aを通じてプラス電圧を印加し、更に、上記処理ガス流入口Aから上記円筒状容器1a内、即ち、上記集塵電極41〜43で囲まれた空間部内にダスト等を含有するガスを下方から上方に向かって流通させる。
【0026】
すると、上記放電電極3の放電部材33の尖鋭端332aと、該尖鋭端332aから最短距離にある3つの上記放電電極41〜43との間にコロナ放電が生じて電界が発生する。この際、上記放電電極33の尖鋭端332aといった非常に尖鋭な部分から放電されているので、生じる放電電流としては非常に大きな電流が得られる。
【0027】
しかも、上記放電部材3の一の尖鋭端332aから3つの集塵電極41〜43に対して放電電流が流れることから、上記放電部材3と上記集塵電極41〜43との間に生ずる電界の電界強度は非常に大きいものとなる。
【0028】
従って、各ハニカム単位21における上記集塵電極41〜43で囲まれた空間部内を流通するガス中のダスト等は、上記電界によって直ちに且つ確実にマイナスに帯電させられ、このマイナスに帯電したダスト等は上記集塵電極41〜43に補集されてガス中から除去される。そして、上記ダスト等が除去されたガスは上記円筒状容器1aの処理ガス流出口Bを通じて外部に排出される。
【0029】
このように、ガス中のダスト等は非常に強い電界によって帯電して集塵電極41〜43に強固に補集されることから、該集塵電極41〜43に一旦補集された固体状のダストは集塵電極41〜43から再度離脱して浮遊するといった不測の事態は発生せず、ガス中に含まれるダストは完全に且つ確実にガス中から除去される。
【0030】
一方、上記放電部材3と上記集塵部材41〜43との間において上述の如き大きなコロナ放電を発生させるためには、上記放電電極3を上記集塵部材42に対して所定位置、即ち、枠体2のハニカム単位21の中心部に位置させておく必要がある。
【0031】
そこで、上記電気集塵装置では、上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間でコロナ放電が生ずる際、上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間に互いに反発する力が発生し、この反発力は上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が狭い程大きいことに着目し、この反発力を利用して上記放電電極3を自動的に枠体2のハニカム単位21の中心部に位置させるようにしている。
【0032】
即ち、上記放電電極3の放電芯棒31は、その長さが比較的長いことからその一部が湾曲して、上記放電部材33が上記集塵電極41〜43に対して偏在した状態となることがある。このような状態となっても、上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が狭くなっている箇所では大きな反発力が発生する一方、上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が広くなっている箇所では小さな反発力しか発生しないことから、上記放電部材33は、その先鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が狭くなっている箇所では大きな反発力によってその先鋭端332aが上記集塵電極41〜43に対して離間する方向に変位するとともに、その先鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が広くなっている箇所では小さい反発力であるが故に上記大きな反発力に押されて、その先鋭端332aが上記集塵電極41〜43に対して近接する方向に変位し、上記放電部材33の全ての尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の夫々に生ずる反発力が全て等しい状態、即ち、上記放電芯棒31の撓みを是正し、上記放電電極3が枠体2のハニカム単位21の中心部に自動的に常時位置するように構成しており、上記電気集塵装置によれば、上記放電電極3と上記集塵電極4との間に電界強度の強い電場を常時安定的に発生させることができ、ガス中に含まれるダスト等の除去作業を完全に且つ確実に行うことができる。
【0033】
更に、上記放電部材33と上記集塵部材41〜43との間において上述の如き大きなコロナ放電を発生させるためには、上記放電部材3の突片部332 の尖鋭端332aと上記大径の集塵部材42とを上記突片部332 の突出方向に対向した状態に常時維持しておく必要がある。
【0034】
そこで、上記電気集塵装置では、上記と同様に、上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間でコロナ放電が生ずる際に上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間には互いに反発し合う力が生ずることに着目し、上記放電部材33を挟着一体化している上記鞘管部材32を上記放電芯棒31の軸芯回りに回動自在とするとともに該鞘管部材32、32間に挟着している放電部材33をその周方向に回動自在に配設している。
【0035】
従って、上記放電部材33の突片部332 の尖鋭端332aと上記大径の集塵電極42とが該突片部332 の突出方向に対向していないずれた状態となっていても、上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が狭くなっている箇所では大きな反発力が発生する一方、上記放電部材33の尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が広くなっている箇所では小さな反発力しか発生しないことから、上記放電部材33は、その先鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が狭くなっている箇所では大きな反発力によってその先鋭端332aが上記集塵電極41〜43に対して離間する方向に、又、その先鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の距離が広くなっている箇所では小さな反発力であるが故に上記大きな反発力に押された状態にその先鋭端332aが上記集塵電極41〜43に対して近接する方向に該放電部材33の周方向に回動、変位する。そして、上記放電部材33の全ての尖鋭端332aと上記集塵電極41〜43との間の夫々に生ずる反発力が全て等しい状態、即ち、上記放電部材33の突片部332 の尖鋭端332aと上記大径の集塵電極42とが該突片部332 の突出方向に対向した状態に自動的に位置するように構成されており、上記電気集塵装置によれば、常時上記放電電極3と上記集塵電極4との間に電界強度の強い電場を常時安定的に発生させることができ、ガス中に含まれるダスト等の除去作業を完全に且つ確実に行うことができる。
【0036】
更に、上記放電部材33は上述の如く逆皿形状に形成されて、その水平部の面積をできるだけ小さくしているので、ガス中に含まれたダストが上記放電部材33の上面に堆積して放電電極の放電作用を阻害するといった不測の事態を最小限に抑えており、よって、ガス中のダスト等を完全に且つ確実に除去することができる。
【0037】
加えて、上記放電部材33は逆皿形状といった簡単な形状から形成されていることから、上記放電部材33の製作はプレス成形といった簡単な製法でしかも精密に作製することができるので、上記放電部材33の尖鋭端332aも常時非常に尖鋭なものとすることができ、よって、上記放電部材33と上記集塵電極41〜43との間に大きな電界強度を有する電界を確実に発生させてガス中のダスト等を完全に且つ確実に除去することができる。
【0038】
最後に、上記電気集塵装置の集塵部1に処理ガスを供給して集塵電極41〜43に一定量のダストが付着した場合には、上記枠体2の突出部2aを上記殴打部材6によって殴打して、この枠体2に一体的に設けられ或いは着脱自在に支持されてなる上記集塵電極41〜43を振動させることによって該集塵電極41〜43に付着したダストを該集塵電極41〜43から離脱させて除去する。又、ガス中に含まれているものが液体状のミストである場合には、集塵電極41〜43表面に水膜を流下させることによって集塵電極41〜43に付着したミストを連続的に除去している。
【0039】
なお、上記では、枠体2を三つ用いて上記集塵電極42、43を上下方向に複数層状に配設させた場合を説明したが、枠体2を二つだけ用いて、これら枠体2、2間に上記集塵電極42、43を単層状に配設させた場合であってもよく、或いは、枠体2を四つ以上用いて、これら枠体2、2間に上記集塵電極42、43を三層以上に配設させた場合であってもよい。
【0040】
又、上記では、放電部材33の水平部330 に平面円形状の取付孔330aを形成し、この取付孔330aの周縁部を上記鞘管部材32、32の対向上下端面間に挟着させた場合を説明したが、図9及び図10に示したように、上記平面円形状の取付孔330aの代わりに、上記放電部材33の水平部330 の中心部に、その上下面間に亘って貫通し且つ上記放電芯棒31の水平断面形状に略合致した平面四角形状の取付孔330aを貫設したものであってもよい。
【0041】
そして、上記放電部材33の取付孔330aに上記放電芯棒31を挿通させて、複数の放電部材33を上記放電芯棒31に該放電芯棒31の長さ方向に所定間隔毎に配設するとともに、上下方向に隣接する放電部材33、33間の夫々に上記鞘管部材32を上記放電芯棒31に外接させた状態に被嵌させて介装させ、即ち、上記放電部材33と上記鞘管部材32とを上下方向に交互に上記放電芯棒31に被嵌させて、上記放電部材33を上下方向に上記鞘管部材32の上下方向の長さ分だけ存した状態に配設させるとともに、上下方向に隣接する鞘管部材32、32の対向上下端面間に上記放電部材33の水平部330 を挟持させたものであってもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明の電気集塵装置は、長尺の放電電極にはその長さ方向に所定間隔毎に先端が尖鋭に形成された複数の突片部を放射状に突設してなる放電部材が配設されているとともに、この放電電極の周囲には該放電電極と平行にして複数本の集塵電極が周方向に所定間隔毎に配設されていることを特徴とするので、放電部材の突片部の尖鋭端と集塵電極との間において非常に大きな電界強度を有する電場を発生させることができ、よって、ガス中に含まれるダスト等を短時間の間に帯電させて集塵電極に円滑に且つ確実に補集させることができ、電気集塵装置のコンパクト化も図ることができる。
【0043】
又、本発明の電気集塵装置は、その放電電極が、角棒状の放電芯棒と、この放電芯棒の頂角部に外接し且つ上記放電芯棒の軸芯回りに回動自在に被嵌された複数の鞘管部材と、これら鞘管部材間に挟着された放電部材とからなることを特徴とするので、上記放電芯棒がその長さ方向の一部で湾曲して放電部材が上記集塵電極に対して偏在した場合にあっても、上記放電部材と上記集塵電極との間に生じるコロナ放電に起因する反発力によって上記放電部材は上記集塵電極に対して正しい位置に自動的に修正、変位し、よって、上記放電電極と上記集塵電極との間に常時非常に大きい電界強度を有する電場を発生させてガス中のダスト等を円滑に且つ確実に集塵電極に補集、除去することができる。
【0044】
しかも、上記放電部材を上記放電芯棒の軸芯回りに回動自在に構成することによって、上記放電部材の突片部の尖鋭端を上記集塵電極に対して該突片部の突出方向に常時対向させた状態に自動的に修正、保持させることができ、よって、上記放電電極と上記集塵電極との間に常時非常に大きい電界強度を有する電場を発生させてガス中のダスト等を円滑に且つ確実に集塵電極に補集、除去することができる。
【0045】
又、上記電気集塵装置において、放電部材に形成されている複数の突片部と各突片部に対向した集塵電極との間において、上記突片部からこの突片部の突出方向に対向する集塵電極に至る距離と、該集塵電極に隣接する集塵電極から上記突片部に至る距離とが互いに等しくなるように構成されている場合には、一の放電電極の突片部の尖鋭端から3つの集塵電極に対してコロナ放電が生じ、よって、上記放電電極と上記集塵電極との間に非常に大きな電界密度を有する電界を発生させることができ、ガス中に含まれるダスト等を円滑に且つ確実に集塵電極に補集、除去することができる。
【0046】
そして、上記電気集塵装置において、放電部材は逆皿形状に形成され、その下向き傾斜部の外周縁部にその周方向に所定間隔毎に先端が尖鋭端にしている突片部を形成している場合には、放電部材の上面にダスト等が堆積するのを最小限に抑えてガス中のダストを完全に且つ確実に集塵電極に補集させて、ガス中からダスト等を完全に且つ確実に除去することができる。
【0047】
更に、上記電気集塵装置において、平面ハニカム状に形成された上下枠体間にそれらの枠辺に沿って所定間隔毎に複数本の集塵電極が上下方向に指向して配設されているとともに、上記上下枠体のハニカム中心の夫々には上下方向に指向した放電電極が配設されて構成されている場合には、単位面積当たりに配設される放電電極及びこの放電電極を囲む集塵電極の本数を多くすることができるので、集塵能力を落とすことなく電気集塵装置をコンパクトなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気集塵装置を示した縦断面図である。
【図2】 集塵部内を示した平面図である。
【図3】 放電電極と集塵電極とを示した斜視図である。
【図4】 集塵部内を示した平面図である。
【図5】 放電部材部分を示した横断面図である。
【図6】 放電電極と集塵電極とを示した側面図である。
【図7】 放電部材部分を示した縦断面図である。
【図8】 集塵電極を示した縦断面図である。
【図9】 放電部材部分を示した縦断面図である。
【図10】 放電部材部分を示した横断面図である。
【符号の説明】
1 集塵部
1a 円筒状容器
2 枠体
21 ハニカム単位
211 枠辺
3 放電電極
31 放電芯棒
32 鞘管部材
33 放電部材
332 突片部
332a尖鋭端
41〜43 集塵電極
Claims (1)
- 長尺の放電電極にはその長さ方向に所定間隔毎に先端が尖鋭に形成された複数の突片部を放射状に突設してなる放電部材が配設されているとともに、この放電電極の周囲には該放電電極と平行にして複数本の集塵電極が周方向に所定間隔毎に配設されてなる電気集塵装置であって、上記放電電極は、角棒状の放電芯棒と、この放電芯棒の頂角部に外接し且つ上記放電芯棒の軸芯回りに回動自在に被嵌された複数の鞘管部材と、これら鞘管部材間に挟着された放電部材とからなることを特徴とする電気集塵装置。
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