JP4077599B2 - マニホールドコンバータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両排気系に装着されるマニホールドコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両排気系には、エンジンの各気筒から放出される排ガスを1本に纏めて消音器に送る排気マニホールドがエンジンのシリンダヘッドに装着されており、今日では、軽量化,高耐熱性等の要請から、鋳鉄製の排気マニホールドに代えてステンレス製の排気マニホールドが広く使用されるようになっている。
【0003】
また、従来、車両排気系には、排ガス中の有害成分を浄化する触媒コンバータが車両の床下に装着されていたが、近年、斯かる触媒コンバータに代え、実開平6−80815号公報または図9に示すように排気マニホールド1に直接装着するマニホールドコンバータ3が多くの車両に装備されている。
そして、上記マニホールドコンバータ3の下流側ディフューザ5にフランジ7,9と図示しないボルト,ナットを介してフロントチューブ11が接続されており、エンジンから放出された排ガスがマニホールドコンバータ3で浄化されて、フロントチューブ11を介して車両排気系の下流側に導かれるようになっている。
【0004】
而して、上記フランジ7,9は、下流側ディフューザ5の排ガス流出口5aとフロントチューブ11の排ガス流入口11aの外周に夫々挿入した後、これらを排ガス流出口5aと排ガス流入口11aの外周に全周溶接して取り付けられており、フランジ7,9には、夫々、排ガス流出口挿入孔7aとフロントチューブ挿入孔9aが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、一般にマニホールドコンバータ3は地面に対して略垂直方向に配置され、そして、フロントチューブ11を介して排ガスを車両後方の消音器に導く構造上、図示するように下流側ディフューザ5の排ガス流出口5aは車両後方へ屈曲した形状となっている。
【0006】
このため、フランジ7を排ガス流出口5aの外周に溶接する際に、フランジ7の下流側ディフューザ5側が平坦に形成されていることもあって、排ガス流出口5aの屈曲部の内側(図中、A部)は下流側ディフューザ5とフランジ7との間隙が狭くなって、溶接トーチが入れ難く溶接作業がスムーズに行えないといった不具合が指摘されていた。
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、一方向へ屈曲して形成された下流側ディフューザの排ガス流出口にフランジを溶接する際に、その作業性の向上を図ったマニホールドコンバータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、一方向へ屈曲して形成された下流側ディフューザの排ガス流出口の外周に、フロントチューブ接続用のフランジを溶接したマニホールドコンバータに於て、上記フランジに形成された排ガス流出口挿入孔の周縁部に、溶接トーチ挿入用の凹部を設けたことを特徴とする。
【0009】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1記載のマニホールドコンバータに於て、排ガス流出口挿入孔の周縁部に補強リブを設けたものである。
【0010】
(作用)
請求項1に係る発明によれば、一方向へ屈曲した下流側ディフューザの排ガス流出口にフランジを溶接するに当たり、排ガス流出口挿入孔の周縁部に形成された凹部に溶接トーチを挿入すれば、排ガス流出口へのフランジの全周溶接がスムーズに行えることとなる。
【0011】
そして、請求項2に係る発明によれば、フランジの変形を補強リブが防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1及び図2は請求項1及び請求項2の一実施形態に係るマニホールドコンバータを装着した排気マニホールドを示し、図中、13は4本のブランチ管15,17,19,21を2本宛纏めた所謂デュアルタイプの排気マニホールドで、当該排気マニホールド13の2つの排ガス流路に、夫々、マニホールドコンバータ23,25が装着されている。
【0013】
そして、図示するようにマニホールドコンバータ23,25の下流側ディフューザ(以下、「ディフューザ」という)27は、両マニホールドコンバータ23,25の集合管として兼用されており、従来と同様、その排ガス流出口29は車両の後方へ屈曲し、そして、当該排ガス流出口29にフランジ31と球面継ぎ手33を介してフロントチューブ35が接続されている。
【0014】
また、図3及び図4に示すようにディフューザ27とフロントチューブ35の上流側には、夫々、排気干渉を防止するために仕切板37,39が対向配置されており、一方のマニホールドコンバータ23を流下した排ガスGが、仕切板37,39で仕切られた一方の排ガス流路41を通ってフロントチューブ35の下流側に導かれ、また、他方のマニホールドコンバータ25を流下した排ガスGが、仕切板37,39で仕切られた他方の排ガス流路43を通ってフロントチューブ35の下流側に導かれるようになっている。
【0015】
そして、ディフューザ27内に装着された仕切板37は、先端側全体が円弧状に形成されてフロントチューブ35側に突出し、一方、これに対応して仕切板39の排ガス上流側端部は、球面継ぎ手33の摺動時に仕切板37と干渉しないように全体が円弧状に切り欠かれて、当該仕切板37との間に隙間45を開けてフロントチューブ35内に組み付けられている。
【0016】
尚、図3中、47はシールベアリングである。
而して、上記フランジ31は、図5乃至図8に示すように排ガス流出口29を挿入する円形状の排ガス流出口挿入孔49が中央に形成された平面略翼形状のプレート部51と、当該排ガス流出口挿入孔49と中心軸を同じくしてプレート部51の下部に一体成形された筒状部53とからなり、当該筒状部53の外周に上記シールベアリング47が環装されるようになっている。
【0017】
そして、図5及び図7に示すようにプレート部51には、排ガス流出口挿入孔49の周縁部に沿って、環状の凹部55が左右の固定片57,59から下方へ屈折して設けられており、図5,図6及び図8に示すように当該凹部55はフランジ31の上下方向に開口し、そして、当該凹部55の左右方向に上記固定片57,59が、夫々、屈曲部61を介して連接されている。
【0018】
また、上述したように本実施形態は、環状の凹部55を左右の固定片57,59から下方へ屈折させて設けたため、図5及び図6に示すように排ガス流出口挿入孔49の周縁部に沿って補強リブ63を両屈曲部61の両側縁部に設けており、当該各補強リブ63によってフランジ31全体の補強を図っている。
その他、図6に於て、65,67は固定片57,59に設けたボルト挿入孔で、当該ボルト挿入孔65,67にボルトを挿通させて球面継ぎ手33との接続がなされるようになっている。
【0019】
本実施形態はこのように構成されているから、排気マニホールド13に装着したマニホールドコンバータ23,25のディフューザ27にフランジ31と球面継ぎ手33を介してフロントチューブ35を接続すれば、エンジンから放出されてマニホールドコンバータ23,25で浄化された排ガスGが、仕切板37,39で仕切られた排ガス流路41,43を通ってフロントチューブ35の下流側に導かれることとなる。
【0020】
そして、車両の後方へ屈曲したディフューザ27の排ガス流出口29にフランジ31を溶接するに当たり、図6に示すように凹部55が開口するフランジ31の上下方向を排ガス流出口29の屈曲方向に配置すると、排ガス流出口29の屈曲部の内側はディフューザ27とフランジ31との間隙が狭いにも拘わらず凹部55が開口するため、溶接トーチが入り易くなって溶接作業がスムーズに行えるし、また、排ガス流出口挿入孔49のその他の周縁部にも凹部55が形成されているため、溶接トーチが入り易くなって排ガス流出口29へのフランジ31の全周溶接がスムーズに行えることとなる。
【0021】
そして、斯様に溶接されたフランジ31の変形を補強リブ63が防止する。
このように本実施形態は、排ガス流出口挿入孔49の周縁部に凹部55を設けたので、従来に比し溶接トーチを溶接部位に入れ易くなって溶接作業がスムーズに行えることとなった。
また、排ガス流出口挿入孔49の周縁部に補強リブ63を設けたので、フランジ31全体の強度が確保されることとなった。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る発明によれば、排ガス流出口挿入孔の周縁部に凹部を設けたので、排ガス流出口とフランジの溶接作業に当たり、溶接部位に溶接トーチを入れ易くなって従来に比し作業性が向上することとなった。
そして、請求項2に係る発明によれば、排ガス流出口挿入孔の周縁部に補強リブを設けたことで、従来と同様なフランジの強度が確保できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の一実施形態に係るマニホールドコンバータを装着した排気マニホールドの正面図である。
【図2】図1に示す排気マニホールドの側面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】ディフューザに溶接するフランジの側面図である。
【図6】図5に示すフランジの底面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図である。
【図9】従来のマニホールドコンバータを装着した排気マニホールドの正面図である。
【符号の説明】
13 排気マニホールド
23,25 マニホールドコンバータ
27 ディフューザ
29 排ガス流出口
31 フランジ
35 フロントチューブ
49 排ガス流出口挿入孔
51 プレート部
53 筒状部
55 凹部
63 補強リブ

Claims (2)

  1. 一方向へ屈曲して形成された下流側ディフューザ(27)の排ガス流出口(29)の外周に、フロントチューブ(35)接続用のフランジ(31)を溶接したマニホールドコンバータ(23,25)に於て、
    上記フランジ(31)に形成された排ガス流出口挿入孔(49)の周縁部に、溶接トーチ挿入用の凹部(55)を設けたことを特徴とするマニホールドコンバータ。
  2. 排ガス流出口挿入孔(49)の周縁部に、補強リブ(63)を設けたことを特徴とする請求項1記載のマニホールドコンバータ。
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