図1および図2は、本発明による実施例1のゲートウェイ装置の概略構成を示す模式図であり、図1はゲートウェイ装置を適用したネットワークの構成例を示す図、図2はゲートウェイ装置の内部の構成例を示す図である。
本実施例1のゲートウェイ装置101は、アドレス体系の異なるネットワークに接続された端末を相互接続するための装置であり、例えば、図1に示すように、第1ネットワーク1の情報通信装置102A,102B,102C,102D,102Eと接続されるとともに、インターネット等の前記第1ネットワーク1の外部のネットワーク(以下、第2ネットワークという)に設けられた情報通信装置2,3と接続されている。このとき、前記ゲートウェイ装置101は前記第1ネットワーク1に属し、かつ、前記情報通信装置102A,102B,102C,102D,102Eを含む前記第1ネットワーク1に接続された全ての情報通信装置のなかで唯一、前記第2ネットワークと直接接続されている端末であるとする。すなわち、前記第1ネットワーク1の情報通信装置102A,102B,102C,102D,102Eから前記第2ネットワークの情報通信装置2,3にパケットを送信するには、前記パケットを前記ゲートウェイ装置101に送信する必要があるとする。
また、前記ゲートウェイ装置101は、受信したパケットのIPヘッダに記述されている宛先を参照し、その宛先に対して前記パケットを転送することができる機能を備えている。また、前記第1ネットワーク1の情報通信装置102A,102B,102C,102D,102Eのうち、図1に示したように、複数の端末が接続された装置102Aは、例えば、スイッチング・ハブ等の集線装置であり、前記ゲートウェイ装置101と同様に、受信したパケットのIPヘッダに記述されている宛先を参照し、その宛先に対して前記パケットを転送することができる機能を備えている。
またこのとき、前記ゲートウェイ装置101には、前記第1ネットワーク1のアドレス体系に基づいた第1IPアドレスと、前記第2ネットワークのアドレス体系に基づいた第2IPアドレスが割り当てられている。以下の説明では、例えば、前記第1ネットワーク1をホームネットワーク、前記第2ネットワークをインターネットとし、前記第1IPアドレスはプライベートIPアドレス、前記第2IPアドレスはグローバルIPアドレスとする。また、前記第1ネットワーク1に接続された情報通信装置(スイッチング・ハブ)102Aおよび情報通信装置(端末)102B,102C,102D,102E、ならびに前記ゲートウェイ装置101に割り当てられたプライベートIPアドレスはそれぞれ、図1に示したように、192.168.0.1,192.168.0.2,192.168.0.3,192.168.0.4,192.168.0.5,192.168.0.9 とする。また、前記ゲートウェイ装置101に割り当てられたグローバルIPアドレスは、例えば、130.0.0.1 とする。
また、本発明のゲートウェイ装置101は、SIP(Session Initiation Protocol)に対応しており、他のSIPに対応した端末(以下、SIP対応端末という)との間でSIPメッセージの送受信を行い、音声や動画等のメディアの送受信を行うためのセッションを確立することができる。このとき、前記ゲートウェイ装置101は、図2に示すように、前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2の間のSIPコネクションを確立するSIP UA10101A、前記第1端末102B,102C,102D,102EがSIPに対応した端末の場合に前記ゲートウェイ装置101と前記第1端末102B,102C,102D,102Eの間のSIPコネクションを確立するSIP UA10102Aを生成するSIP UA生成手段101Aと、前記第1端末102B,102C,102D,102EがSIPに対応していない端末の場合に、メディアの送受信に必要な情報を前記第1端末102B,102C,102D,102Eから取得するバンドルを保持するバンドル保持手段101Bおよび前記バンドルを実行するバンドル実行手段101Cと、前記第2端末2から前記第1端末102B,102C,102D,102Eにメディアを送信するときに利用するメディア転送手段10101D、前記第1端末102B,102C,102D,102Eから前記第2端末2にメディアを送信するときに利用するメディア転送手段10102Dを生成するメディア転送手段生成手段101Dおよび生成したメディア転送手段を管理するメディア転送手段管理手段101Eと、前記第1端末からメディアを受信するときに使用するIPアドレスおよびポート番号の組とそのメディアを前記第2端末に転送するときに使用するIPアドレスおよびポート番号の組の関連づけ、前記第2端末からメディアを受信するときに使用するIPアドレスおよびポート番号の組とそのメディアを前記第1端末に転送するときに使用するIPアドレスおよびポート番号の組の関連づけを行い、前記第2端末2、あるいは前記第1端末102B,102C,102D,102Eから受信したSIPメッセージのSDPを変換するとともに、前記メディア転送手段生成手段101Dにメディア転送手段を生成させるSDP変換手段101Fと、前記SIP UAの生成命令、ならびに前記SDP変換手段にSDPの変換依頼および前記メディア転送手段の生成依頼を行うSIPマネージャ101Gと、受信したパケットに応じた処理を前記各手段に行わせるパケット処理手段101Hとを備える。
また、前記バンドルは、前記第1端末と前記第2端末の間でメディアを送受信するときの開始および終了などの処理を命令するプログラムや、前記第1端末がSIPにしていない端末の場合に、前記第1端末と前記ゲートウェイ装置の間でメディアを送受信するときに必要となる、符号化情報、メディアの転送レート等のパラメータを前記第1端末から取得するプログラムである。このとき、前記バンドルは、磁気的、電気的、光学的な記録媒体、あるいはインターネット等のネットワークを通してあらかじめ取得し、前記バンドル管理手段101Bで保持しているとする。
また、前記SIP UA生成手段で生成するSIP UAは、SIPのシグナリング機能を提供するものである。
また、前記SIPマネージャは、SIPメッセージの受信、前記バンドルと前記SIP UA間のパラメータ交換の仲介、SIPメッセージ中のIDの管理、SIP UAの生成および削除等の管理をする手段である。また、前記SIPマネージャは、それらの処理に加え、例えば、前記SDP変換手段101Fに対して、前記メディア転送手段の生成および削除命令、SIPメッセージのSDPの変換命令等の処理も行う。
また、前記SDP変換手段は、前記SIPマネージャからのSDPの変換命令に基づいてSIPメッセージの変換を行うほか、メディアの送受信に使用するポート番号の予約、前記メディア転送手段生成手段にメディア転送手段を生成させるといった処理を行う。
以下、本実施例1のゲートウェイ装置101を利用して、前記第1端末102B,102C,102D,102Eと前記第2端末2との間でメディアの送受信を行うときの前記ゲートウェイ装置101の動作について、まず、前記第1端末がSIPに対応していない端末の場合を例に挙げて説明する。
図3乃至図11は、本実施例1のゲートウェイ装置101を用いたメディア送受信方法を説明するための模式図であり、図3はSIPに対応していない端末を示す図、図4乃至図6はゲートウェイ装置が第2端末とSIPコネクションを確立する手順を示す図、図7はゲートウェイ装置から第2端末に送信するSIPメッセージの例を示す図、図8は前記第2端末が応答した後の手順を示す図、図9は第2端末からゲートウェイ装置に送信するSIPメッセージの例を示す図、図10はゲートウェイ装置と第1端末の間でメディアを送受信するときのIPアドレスおよびポート番号を設定する手順を示す図、図11は第1端末と第2端末の間でのメディアの送受信方法を説明する図である。
以下の前記ゲートウェイ装置の動作の説明では、まず、図3に示すように、前記第1ネットワークの端末(第1端末)102B,102C,102D,102Eのうち、プライベートIPアドレスが 192.168.0.2 の端末102Bが前記第2端末2とメディアの送受信をするときの前記ゲートウェイ装置101の動作を説明する。また、以下の説明では、特別なことわりがない限り、第1端末は、前記プライベートIPアドレスが 192.168.0.2 の端末102Bのことを指すものとする。
またこのとき、前記第1端末102Bは、SIP非対応端末であるとする。また、前記第1端末102Bは、任意のIPアドレスおよび任意のポート番号で音声や映像等のメディアを送受信することができるとする。また、前記ゲートウェイ装置101はプライベートIPアドレスが 192.168.0.9 、グローバルIPアドレスが 130.0.0.1 であるとする。また、前記第1端末102Bとメディアの送受信を行う第2端末2のグローバルIPアドレスは 130.0.0.2 であるとする。
本実施例1のようなネットワークにおいて、前記第1端末102Bが前記第2端末2とメディアの送受信を行うときには、まず、お互いに、どのようなメディアをどのような方法で送受信するか決定するためにSIPのコネクションを張る必要がある。
ただし、前記第1端末102BはSIP非対応端末であるため、INVITEのようなSIPメッセージを作成して送信することができない。そのため、例えば、前記第1端末102Bが、前記第2端末2とメディアの送受信を行いたい場合、前記第1端末102Bは、まず、図4に示すように、前記ゲートウェイ装置101に対して、前記バンドル実行要求を送信する。このとき、前記バンドル実行要求は、前記ゲートウェイ装置101の前記パケット処理手段101Hから前記バンドル実行手段101Cに渡される。
前記バンドル実行手段101Cは、まず、受け取ったバンドル実行要求で指定されているバンドルを前記バンドル管理手段101Bから取得する。次に、取得したバンドルを利用して、前記第1端末102Bから、前記第1端末102Bに固有の符号化情報、メディア転送レート情報、通信相手のSIPアドレス等のパラメータを取得する。そして、前記バンドル実行手段101Cは、取得したパラメータとSIPコネクションの生成要求を、図5に示すように、前記SIPマネージャ101Gに渡す。
前記SIPマネージャ101Gは、前記第1端末102Bから取得したパラメータおよびSIPコネクションの生成要求を受け取ったら、図5に示すように、SIPメッセージのフォーマットを生成するために、前記SIP UA生成手段10101にSIP UA10101Aを生成させる。そして、前記SIPマネージャ101Gは、生成したSIP UA10101Aを受け取る。次に、前記SIPマネージャ101Gは、前記SDP変換手段101Fに、受け取ったSIP UA10101AのSDPの変換を依頼する。このとき、前記SIPマネージャ101Gは、前記SDPの変換依頼とともに、前記バンドルを利用して取得した前記第1端末102BのパラメータやIPアドレス、メディア受信用のポート番号を前記SDP変換手段101Fに渡し、前記メディア転送手段の生成を依頼する。またこのとき、前記メディア受信用のポート番号が指定されている場合はその番号を渡し、指定されていない場合は任意に選んでよいことを通知する。
このとき、前記SDP変換手段101Fでは、受け取った前記第1端末102Bのパラメータを参照し、メディア受信用のポート番号が指定されている場合はそのポート番号を、指定されていない場合はあいているポート番号を検索し、任意のポート番号を選択する。また、前記SDP変換手段101Fは、前記ゲートウェイ装置101が前記第2端末からメディアを受信するためのポート番号を任意に選択する。そして、前記メディア転送手段生成手段101Dに対して、前記第2端末から受信したメディアを前記第1端末に転送するためのメディア転送手段10101Dを生成させる。
また、前記SDP変換手段101Fは、前記メディア転送手段10101Dが正常に生成されたら、前記ゲートウェイ装置101が第2端末2からメディアを受信するときに使用するポート番号および前記ゲートウェイ装置101のグローバルIPアドレス(130.0.0.1)を利用してSDPを書き換えて前記SIPマネージャ101Gに返すとともに、前記メディア転送手段10101Dが正常に生成されたことを通知する。
前記SIPマネージャ101Gは、前記SDP変換手段101Fから書き換えられたSDPを受け取ったら、図6に示すように、受け取ったSDPおよびSIPヘッダを前記SIP UA10101Aに渡す。そして、前記SIP UA10101Aは、受け取ったSDPおよびSIPヘッダを利用して、図7に示すようなSIPメッセージ(INVITE)を作成し、前記パケット処理手段101Gから外部ネットワークに送信する。前記外部ネットワークに送信されたSIPメッセージ(INVITE)は、図6に示すように、例えば、前記外部ネットワークに設置された情報通信装置(SIPプロキシ)3(図示しない)を介して、前記第2端末2で受信される。このとき、前記第2端末2は、図7に示したようなSIPメッセージを受信するので、前記SIPメッセージのSDPを参照することで、IPアドレスが130.0.0.1の端末、すなわち前記ゲートウェイ装置101のポート番号101にメディアを送信すればよいことがわかる。また、前記第2端末2は、前記ゲートウェイ装置101からのSIPメッセージを受信したら、前記ゲートウェイ装置101に対して、例えば、呼び出し中であることを示すSIPメッセージ(180 ringing)を返信する。
次に、前記第2端末2は、呼び出しに応じたら、図8に示すように、前記ゲートウェイ装置101に対して、SIPメッセージ(200 OK)を返信する。このとき、前記第2端末2は、自身に割り当てられたグローバルIPアドレス 130.0.0.2、任意に選択したメディア送受信用のポート番号100、前記第2端末102Bに固有の符号化情報、およびメディアの転送レート情報を用いて、例えば、図9に示すような返信用のSIPメッセージ(200 OK)を返信する。
前記ゲートウェイ装置101は、前記第2端末2からの返信メッセージを前記パケット処理手段101Hで受信したら、そのメッセージを前記SIPマネージャ101Gに渡す。そして、前記SIPマネージャ101Gは、前記返信されたSIPメッセージを参照することで、前記第2端末2にメディアを送信するときには送信先のIPアドレスおよびポート番号を 130.0.0.2、100 にすればよいことがわかる。その後、前記ゲートウェイ装置101は、SIPコネクションを確立させるために、前記第2端末2に対してACKメッセージを送信する。この結果、前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2の間でSIPコネクションが確立する。
また、前記第2端末2は、図9に示したようなSIPメッセージ(200 OK)を返信した後、音声や映像等のメディアの送信を開始する。このとき、前記メディアは前記ゲートウェイ装置101で受信され、パケット処理手段101Hからメディア転送手段生成手段101Dに渡される。そして、前記メディア転送手段生成手段101Dにより、すでに生成されているメディア転送手段10101Dを利用して、前記第2端末から送信されたメディアのIPヘッダに記述されているIPアドレスおよびポート番号を変換する。IPアドレスおよびポート番号が変換されたメディアは、前記パケット処理手段101Hを介して、前記第1端末に転送される。
また、前記SIPマネージャ101Gは、前記第2端末2からのSIPメッセージ(200 OK)のヘッダを参照し、前記SIP UA10101Aに対する応答であると認識したら、前記SDP変換手段101Fに、前記第2端末のIPアドレスおよびメディアを受信するポート番号、前記第1端末がメディアを送信するポート番号を渡し、SDPの変換処理およびメディア転送手段の生成を依頼をする。
前記SDP変換手段101Fは、前記SIPマネージャ101Gが受け取った前記第2端末のIPアドレスおよびメディアを受信するポート番号、前記第1端末がメディアを送信するポート番号を前記メディア転送手段生成手段101Dに渡し、前記第1端末102Bから受信したメディアを前記第2端末2に転送するためのメディア転送手段10102Dを生成させる。その後、前記SDP変換手段101Fは、前記メディア転送手段10101Dが正常に生成されたら、前記ゲートウェイ装置101が第2端末2からメディアを受信するときに使用するポート番号および前記ゲートウェイ装置101のグローバルIPアドレス(130.0.0.1)を利用してSDPを書き換えて前記SIPマネージャ101Gに返すとともに、前記メディア転送手段10101Dが正常に生成されたことを通知する。
前記SIPマネージャ101Gは、前記SDP変換手段101Fから書き換えられたSDPを受け取ったら、前記第2端末2からのSIPメッセージ(200 OK)を受信したことを前記SIP UA10101Aに通知するとともに、書き換えられたSDPを前記SIP UA10101Aに渡す。またこのとき、前記SIPマネージャ101Gは、前記バンドル実行手段101Cに、前記第1端末102Bと前記ゲートウェイ装置101の間でメディアの送受信が行えるようになったことを通知する。このとき、前記第1端末102Bは、任意のポート番号で前記メディアの送受信を行うことができる端末なので、前記SDP変換手段で設定したポート番号をあわせて通知する。そして、前記バンドル実行手段101Cから前記パケット処理手段101Hを介して前記第1端末102Bにメディア送受信用のポート番号が通知されると、前記第1端末102Bから前記ゲートウェイ装置101(第2端末2)にメディアを送信できるようになる。
以上のような処理を行うと、前記第1端末102Bから前記第2端末2にメディアを送信するときには、図11に示すように、前記第2端末2に対してではなく、前記ゲートウェイ装置101に対して、言い換えると送信先のIPアドレスおよびポート番号をプライベートIPアドレス(192.168.0.9)およびポート番号2としたメディアを送信する。そして、前記メディアを受信した前記ゲートウェイ装置101は、前記メディア転送手段10102Dを利用して受信したメディアのIPヘッダに記述された送信先IPアドレスおよびポート番号を前記第2端末2のグローバルIPアドレス(130.0.0.2)およびポート番号100に変換するとともに送信元IPアドレスおよびポート番号を前記ゲートウェイ装置101のグローバルIPアドレス(130.0.0.1)およびポート番号101に書き換えて前記第2端末2に転送する。同様に、前記第2端末2から前記第1端末102Bにメディアを送信するときは、前記第1端末102Bに対してではなく、前記ゲートウェイ装置101に対して送信する。そして、前記ゲートウェイ装置101が、前記メディア転送手段10101Dを利用して、そのメディアを前記第1端末102Bにメディアを転送する。
つまり、本実施例1のゲートウェイ装置101を用いたメディアの送受信方法では、前記第1端末102Bは前記ゲートウェイ装置101を前記第2端末2とみなしてメディアの送受信を行い、前記第2端末は前記ゲートウェイ装置101を前記第1端末102Bとみなしてメディアの送受信を行う。そのため、前記第1端末102BがSIP非対応端末であっても、前記第2端末(SIP対応端末)2との間でSIPによるセッションを確立し、メディアの送受信を行うことができる。
また、前記第2端末2は、前記ゲートウェイ装置101を前記第1端末102Bとみなしてメディアの送受信を行うため、前記第2端末2が前記第1ネットワーク1の内部の端末と直接的な通信を行うことはできない。そのため、前記第2端末2に対して前記第1ネットワーク1の内部の情報を隠蔽することができ、セキュリティレベルが向上する。
また、メディアの送受信を終了するときには、まず、前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2の間でSIPメッセージの送受信を行い、確立させたセッションSIPコネクションを終了させる。そして、SIPコネクションが終了したら、前記バンドル実行手段101Cを利用して前記ゲートウェイ装置101から前記第1端末102Bに、メディアの送受信が終了したことを通知し、メディア送受信用に設定していたポートを開放する。またこのとき、SIPコネクション終了後、前記メディア転送手段生成手段101Dに生成した各メディア転送手段10101D,10102Dを削除する。
なお、ここまでの説明では、前記第1端末が、SIPには対応していないが、前記ゲートウェイ装置101等の前記第1端末102Bとメディアの送受信を行う端末側のメディア送受信に使用するポート番号を、任意に選択することができる端末102Bとして説明したが、これに限らず、前記ゲートウェイ装置101等のメディアの送受信を行う端末側のメディア送受信に使用するポート番号として、ある特定のポート番号だけを使用できる端末であってもよい。
図12は、本実施例1の変形例を説明するための模式図であり、メディアの送受信に使用できるポート番号が固定されている場合の例を説明する図である。
ここまでの説明では、プライベートIPアドレスが 192.168.0.2 の端末102Bを第1端末とし、前記第1端末はメディアの送受信で使用するポート番号を任意に選択することができる端末としてメディアの送受信方法を説明したが、以下の説明では、図1に示した第1ネットワークの端末102B,102C,102D,102Eのうち、プライベートIPアドレスが 192.168.0.3 の端末102Cを第1端末とする。このとき、前記第1端末102Cは、SIP非対応端末であるとする。また、前記第1端末102Cは、メディアの送受信をするときにIPアドレスは任意に選択できるが、ポート番号はある特定の番号に固定されているとする。この場合も、前記ゲートウェイ装置101の基本的な動作は前記端末102Bの場合と同様である。ただし、前記第1端末102Cからバンドル実行要求を送信するときに、前記端末102Bが指定したバンドルとは異なるバンドルを利用するように要求する。
このとき指定するバンドルは、前記第1端末102Cに固有の符号化情報、メディアの転送レート情報、通信相手のSIPアドレスに加え、前記ゲートウェイ装置101が前記第1端末102Cとの間でメディアを送受信するときに使用できるポート番号3を取得するようなプログラムである。そして、取得した情報のうちの、前記第1端末102Cに固有の符号化情報、メディアの転送レート情報、通信相手のSIPアドレスと、前記ゲートウェイ装置101のグローバルIPアドレスおよびメディア送受信用のポート番号を用いてSIPメッセージ(INVITE)を作成し、送信する。またこのとき、前述のように、前記第2端末2から受信したメディアを前記第1端末102Cを転送するためのメディア転送手段を生成する。その後は、前述のような手順で前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2の間にSIPコネクションを確立する。
前記ゲートウェイ101と前記第2端末2の間にSIPコネクションを確立した後は、前述の手順と同様に、前記ゲートウェイ装置101と前記第1端末102Cの間でメディアの送受信をするときに使用する前記ゲートウェイ装置101側のIPアドレスおよびポート番号と前記第1端末102C側のIPアドレスおよびポート番号を設定し、前記第2端末2から受信したメディアを前記第1端末102Cに転送するためのメディア転送手段を生成する。このとき、前記ゲートウェイ装置101側のIPアドレスはプライベートIPアドレス(192.168.0.9)とする。また、ポート番号は、前記バンドルを利用して取得したポート番号3とする。一方、前記第1端末102C側のIPアドレスはプライベートIPアドレス(192.168.0.2)とする。また、メディア送受信用のポート番号は、前記ゲートウェイ装置101側で任意に選択したポート番号4とする。
こうすると、図12に示すように、前記第1端末102Cと前記ゲートウェイ装置101の間はプライベートIPアドレスおよびポート番号でメディアの送受信を行い、前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2の間では、グローバルIPアドレスおよびポート番号でメディアの送受信を行うことになる。その結果、前記第1端末102Bは前記ゲートウェイ装置101を前記第2端末2とみなしてメディアの送受信を行い、前記第2端末は前記ゲートウェイ装置101を前記第1端末102Bとみなしてメディアの送受信を行う。そのため、前記第1端末102BがSIP非対応端末であっても、前記第2端末(SIP対応端末)2との間でSIPによるセッションを確立し、メディアの送受信を行うことができる。
また、前記第2端末2は、前記ゲートウェイ装置101を前記第1端末102Bとみなしてメディアの送受信を行うため、前記第2端末2が前記第1ネットワーク1の内部の端末と直接的な通信を行うことはできない。そのため、前記第2端末2に対して前記第1ネットワーク1の内部の情報を隠蔽することができ、セキュリティレベルが向上する。
次に、前記第1端末がSIPに対応した端末である場合の前記ゲートウェイ装置101の動作について説明する。
図13乃至図21は、本実施例1のゲートウェイ装置を用いたメディア送受信方法を説明するための模式図であり、図13はSIPに対応していない端末を示す図、図14乃至図16は第1端末から第2端末にSIPメッセージを送信する手順を示す図、図17乃至図20は前記第2端末が応答しメディアの送受信が可能になるまでの手順を示す図、図21は第1端末と第2端末の間でのメディアの送受信方法を説明する図である。
以下の説明では、例えば、図13に示すように、前記第1ネットワーク1内の端末(第1端末)102B,102C,102D,102Eのうち、プライベートIPアドレスが 192.168.0.4 の端末102Dが前記第2端末2とメディアの送受信をするときの前記ゲートウェイ装置の動作を説明する。また、以下の説明では、特別なことわりがない限り、第1端末は、前記プライベートIPアドレスが 192.168.0.4 の端末102Dのことを指すものとする。
またこのとき、前記第1端末102Dは、SIP対応端末であるとする。また、前記第1端末102Dは、任意のIPアドレスおよび任意のポート番号をメディアの送受信を行うことができるとする。また、前記ゲートウェイ装置101のプライベートIPアドレスおよびグローバルIPアドレス、ならびに前記第1端末102Dとメディアの送受信を行う第2端末2のグローバルIPアドレスはそれぞれ、前記実施例1と同様に、192.168.0.9, 130.0.0.1, 130.0.0.2 であるとする。
このように、SIPに対応した前記第1端末102Dが前記第2端末2とメディアの送受信を行うときには、まず、お互いに、どのようなメディアをどのような方法で送受信するかを決定するためにSIPのコネクションを張る必要がある。
前記第1端末102DはSIPに対応した端末であるため、まず、例えば、図14に示すように、前記第1端末102Dにおいて、前記第2端末2に対してSIPコネクションの確立を要求するSIPメッセージ(INVITE)を作成し、送信する。このとき、前記第1端末102Dは、メディアを任意のポート番号で受信できるため、例えば、メディア受信用としてポート番号6を選択し、その情報と、前記第1端末102Dに固有の符号化情報およびメディアの転送レート情報と、通信相手である第2端末2のSIPアドレスを用いて、例えば、図15(a)に示すようなSIPメッセージを作成する。前記第1端末102Dは、前記SIPメッセージを作成したら、前記第2端末2に対して、前記SIPメッセージを送信する。このとき、送信された前記SIPメッセージは情報通信装置(スイッチ)102Aを介して、前記ゲートウェイ装置101に転送される。
前記ゲートウェイ装置101は、受信した前記SIPメッセージを、前記パケット処理手段101Hから前記SIPマネージャ101Gに渡す。このとき、前記SIPマネージャ101Gは、まず、前記SDP変換手段101Fに、前記受信したSIPメッセージのSDPの変換、および前記ゲートウェイ装置が前記第2端末2からメディアを受信するときに使用するポート番号の設定、ならびに前記第2端末2から受信したメディアを前記第1端末102Dに転送するためのメディア転送手段の生成を依頼する。前記依頼を受けた前記SDP変換手段101Fは、あいているポート番号を検索し、前記第2端末からのメディアを受信するポートを予約し、前記メディア転送手段生成手段101Dに前記第2端末2から受信したメディアを前記第1端末102Dに転送するためのメディア転送手段10101Dを生成させる。
また、前記SDP変換手段101Fは、前記メディア転送手段10101Dが正常に生成されたら、前記ゲートウェイ装置101が第2端末2からメディアを受信するときに使用するポート番号および前記ゲートウェイ装置101のグローバルIPアドレス(130.0.0.1)を利用してSDPを書き換えて前記SIPマネージャ101Gに返すとともに、前記メディア転送手段10101Dが正常に生成されたことを通知する。
またこのとき、前記SDP変換手段101Fでは、前記第2端末2から前記第1端末1に対してメディアを正しく転送するための対応関係を設定するように、まず、例えば、任意に選択したポート番号104を用いて、グローバルIPアドレス(130.0.0.1)でメディアを受信することを設定する。そして、その設定と、受信したメディアを、前記第1端末102Dから受信したSIPメッセージのSDPから得られるポート番号6とプライベートIPアドレス(192.168.0.4)に転送することとを関連づける。この処理の後、前記SDP変換手段101Dは、ポート番号104とグローバルIPアドレス(130.0.0.1)を利用して、前記第1端末102Dが送信したSIPメッセージにおけるSDPのOriginフィールド、Connection Dataフィールド、Media Announcementsフィールドを書き換える。そして、前記SDP変換手段101Dで書き換えられたSDPは、前記SIPマネージャ101Gに返却される。またこのとき、前記第1端末102Dから受信したSIPメッセージのSDPにおいて、前記Originフィールド、Connection Dataフィールド、Media Announcementsフィールドのうち、どこかのフィールドが記述されていない場合は、メディアを正しく交換するために、前記ゲートウェイ装置101のポート番号104とグローバルIPアドレス(130.0.0.1)を用いて補間する。
前記SIPマネージャ101Gは、前記SDP変換手段101Fから書き換えられたSDPを受け取ったら、図14に示したように、前記SIP UA生成手段101Aに、前記第2端末2との間でSIPコネクションを確立し管理するSIP UA10101Aを生成させ、受け取ったSDPおよびSIPヘッダを前記SIP UA10101Aに渡す。そして、前記SIP UA10101Aは、受け取ったSDPおよびSIPヘッダを利用して、図15(b)に示すようなSIPメッセージ(INVITE)を作成する。その後、作成したSIPメッセージ(INVITE)を、図16に示すように、前記パケット処理手段101Gから外部ネットワークに送信する。前記外部ネットワークに送信されたSIPメッセージ(INVITE)は、図16に示すように、例えば、前記外部ネットワークに設置された情報通信装置(SIPプロキシ)3(図示しない)を介して、前記第2端末2で受信される。このとき、前記第2端末2は、図15(b)に示したようなSIPメッセージを受信するので、前記SIPメッセージのSDPを参照することで、IPアドレスが130.0.0.1の端末、すなわち前記ゲートウェイ装置101のポート番号104にメディアを送信すればよいことがわかる。また、前記第2端末2は、前記ゲートウェイ装置101からのSIPメッセージを受信したら、前記ゲートウェイ装置101に対して、例えば、呼び出し中であることを示すSIPメッセージ(180 ringing)を返信する。
前記ゲートウェイ装置101では、受信したSIPメッセージ(180 ringing)が前記パケット処理手段101Hから前記SIPマネージャ101Gに渡される。前記第2端末2からのSIPメッセージ(180 ringing)を受け取った前記SIPマネージャ101Gは、受け取ったのが前記SIP UA10101Aに対する返信メッセージであることを認識したら、前記SIP UA生成手段101Aに、そのSIPメッセージ(180 ringing)を前記第1端末102Dに送信するためのSIP UA10102Cを生成させ、前記第1端末102Dに送信する。
次に、前記第2端末2は、呼び出しに応じたら、図18に示すように、前記ゲートウェイ装置101に対して、SIPメッセージ(200 OK)を返信する。このとき、前記第2端末2は、自身に割り当てられたグローバルIPアドレス 130.0.0.2、任意に選択したメディア送受信用のポート番号100、前記第2端末102Bに固有の符号化情報、およびメディアの転送レート情報を用いて、例えば、図19(a)に示すような返信用のSIPメッセージ(200 OK)を返信する。
また、前記第2端末2は、図18に示したようなSIPメッセージ(200 OK)を返信した後、音声や映像等のメディアの送信を開始する。このとき、前記メディアは前記ゲートウェイ装置101で受信され、パケット処理手段101Hからメディア転送手段生成手段101Dに渡される。そして、前記メディア転送手段生成手段101Dにより、すでに生成されているメディア転送手段10101Dを利用して、前記第2端末から送信されたメディアのIPヘッダに記述されているIPアドレスおよびポート番号を変換する。IPアドレスおよびポート番号が変換されたメディアは、前記パケット処理手段101Hを介して、前記第1端末102Dに転送される。
また、前記SIPマネージャ101Gは、前記第2端末2からのSIPメッセージ(200 OK)のヘッダを参照し、前記SIP UA10101Aに対する応答であると認識したら、前記SDP変換手段101Fに、前記第2端末のIPアドレスおよびメディアを受信するポート番号、前記第1端末がメディアを送信するポート番号を渡し、SDPの変換処理およびメディア転送手段の生成を依頼をする。
前記SDP変換手段101Fは、前記SIPマネージャ101Gが受け取った前記第2端末のIPアドレスおよびメディアを受信するポート番号、前記第1端末がメディアを送信するポート番号を前記メディア転送手段生成手段101Dに渡し、前記第1端末102Bから受信したメディアを前記第2端末2に転送するためのメディア転送手段10102Dを生成させる。その後、前記SDP変換手段101Fは、前記メディア転送手段10101Dが正常に生成されたら、前記ゲートウェイ装置101が第2端末2からメディアを受信するときに使用するポート番号および前記ゲートウェイ装置101のグローバルIPアドレス(130.0.0.1)を利用してSDPを書き換えて前記SIPマネージャ101Gに返すとともに、前記メディア転送手段10101Dが正常に生成されたことを通知する。
またこのとき、前記SDP書き換え手段10101dでは、前記SDPのOriginフィールド、Connection Dataフィールド、Media Announcementsフィールドをポート番号5とプライベートIPアドレス(192.168.O.9)の情報を使って書き換える。また、必要な箇所が不足している場合は、補間する。
前記SIPマネージャ101Gは、前記SDP変換手段101Fから書き換えられたSDPを受け取ったら、前記第2端末2からのSIPメッセージ(200 OK)を受信したことを前記SIP UA10102Aに通知するとともに、書き換えられたSDPを前記SIP UA10102Aに渡す。そして、前記SIP UA10102Aは、受け取ったSDPおよびSIPヘッダを利用して、図15(b)に示すようなSIPメッセージ(200 OK)を作成し、前記パケット処理手段101Gを介して前記第1端末102Dに送信する。そして、図19(b)に示したようなSIPメッセージ(200 OK)を受信した第1端末102Dが、それに対するSIPメッセージ(ACK)を前記ゲートウェイ装置101に返信前記ゲートウェイ装置101では、前記SIPメッセージ(ACK)が前記SIPマネージャ101Gに渡される。そして、前記SIPマネージャ101Gは、SIPメッセージ(ACK)を受け取ったら、前記SIP UA10101A,10102Aにそのことを通知する。その通知を前記SIP UA10102Aが受け取ると、前記第1端末102Dと前記ゲートウェイ装置101の間のSIPコネクションが確立する。また、前記その通知を前記SIP UA10101Aが受け取ると、前記SIP UA10101Aは、前記第2端末が送信したSIPメッセージ(200 OK)に対する返信としてSIPメッセージ(ACK)を前記第2端末に送信する。そして、前記第2端末2が前記SIPメッセージ(ACK)を受信すると、前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2のSIPコネクションが確立する。
また、前記第1端末102Dは、前記ゲートウェイ装置101からのSIPメッセージ(200 OK)に対する返信(ACK)を送信した後、前記ゲートウェイ装置101(第2端末2)に対してメディアを送信することが可能になる。このとき、前記第1端末102Dから前記ゲートウェイ装置101に送信されたメディアは、前記パケット処理手段101Hから前記メディア転送手段生成手段101Dに渡される。そして、前記メディア転送手段生成手段101Dにすでに生成されているメディア転送手段10102Dを利用して、前記第2端末から送信されたメディアのIPヘッダに記述されているIPアドレスおよびポート番号を変換する。IPアドレスおよびポート番号が変換されたメディアは、前記パケット処理手段101Hを介して、前記第2端末に転送される。
以上のような処理を行うと、前記第1端末102Dから前記第2端末2にメディアを送信するときには、図21に示すように、前記第2端末2に対してではなく、前記ゲートウェイ装置101に対して、言い換えると送信先のIPアドレスおよびポート番号をプライベートIPアドレス(192.168.0.9)およびポート番号5としたメディアを送信する。そして、前記メディアを受信した前記ゲートウェイ装置101は、前記メディア転送手段10102Dを利用して受信したメディアのIPヘッダに記述された送信先IPアドレスおよびポート番号を前記第2端末2のグローバルIPアドレス(130.0.0.2)およびポート番号105に変換するとともに送信元IPアドレスおよびポート番号を前記ゲートウェイ装置101のグローバルIPアドレス(130.0.0.1)およびポート番号104に書き換えて前記第2端末2に転送する。同様に、前記第2端末2から前記第1端末102Bにメディアを送信するときは、前記第1端末102Bに対してではなく、前記ゲートウェイ装置101に対して送信する。そして、前記ゲートウェイ装置101が、前記メディア転送手段10101Dを利用して、そのメディアを前記第1端末102Bにメディアを転送する。
つまり、本実施例1のゲートウェイ装置101を用いたメディアの送受信方法では、SIPに対応した前記第1端末102Dの場合も、前記ゲートウェイ装置101を前記第2端末2とみなしてメディアの送受信を行い、前記第2端末は前記ゲートウェイ装置101を前記第1端末102Bとみなしてメディアの送受信を行う。そのため、前記第2端末2が前記第1ネットワーク1の内部の端末と直接的な通信を行うことはできない。そのため、前記第2端末2に対して前記第1ネットワーク1の内部の情報を隠蔽することができ、セキュリティレベルが向上する。
また、ここまでの説明では、SIPに対応した前記第1端末102Dは、前記ゲートウェイ装置101等の前記第1端末とメディアの送受信を行う端末側のメディア送受信に使用するポート番号を、任意に選択することができる端末として説明したが、これに限らず、メディア送受信に使用できるのが、ある特定のポート番号だけである端末であってもよい。
図22は、本実施例1の変形例を説明するための模式図であり、メディアの送受信に使用できるポート番号が固定されている場合の例を説明する図である。
ここまでの説明では、プライベートIPアドレスが 192.168.0.4 の端末102Dを第1端末とし、前記第1端末102Dはメディアの送受信で使用するポート番号を任意に選択することができる端末としてメディアの送受信方法を説明したが、以下の説明では、図1に示した第1ネットワーク内の端末のうち、プライベートIPアドレスが 192.168.0.5 の端末102Eを第1端末とする。このとき、前記第1端末102Eは、SIP対応端末であるとする。また、前記第1端末102Eは、メディアの送受信をするときにIPアドレスは任意に選択できるが、ポート番号はある特定の番号に固定されているとする。この場合も、前記ゲートウェイ装置101の基本的な動作は前記端末102Dの場合と同様である。ただし、前記第1端末102Eは、SIPメッセージを作成して送信する前に、例えば、前記ゲートウェイ装置101に対して、バンドル実行命令を送信し、前記第1端末102Eがメディアの送受信に使用できるポート番号を前記ゲートウェイ装置101に取得させる。このとき、前記バンドルは、前記SIPに対応していない端末が使用するバンドルとは異なり、例えば、前記第1端末102Eがメディアの送受信に使用できるポート番号を取得することを命令するプログラムである。そして、前記SIPマネージャ101Gは、前記バンドルを利用して、前記第1端末102Eがメディアを送信するときに使用できる送信ポート番号7と、メディアを受信するときに使用できる受信ポート番号8を取得する。
また、前記第1端末102Eは、前記通知をした後、メディアの受信に使用できる受信ポート番号8、IPアドレス(192.168.0.5)、前記第1端末102Eに固有の符号化情報、転送レート情報、前記第2端末2のSIPアドレスを用いてSIPメッセージを作成し、前記ゲートウェイ装置101に送信する。
その後、前記端末102Dのときと同様の手順で、前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2の間、および前記ゲートウェイ装置101と前記第1端末102Eの間のそれぞれにSIPコネクションを確立する。
ただし、前記第1端末102Eとゲートウェイ装置101の間のSIPコネクションを確立させるときに、前記SDP変換手段101Fにおいて、前記ゲートウェイ装置101から前記第1端末102Eに対して送信するSIPメッセージ前記SDPのOriginフィールド、Connection Dataフィールド、Media Announcementsフィールドを変換するときには、前記バンドルを利用して取得した前記第1端末102Eの送信ポート番号7とプライベートIPアドレス(192.168.O.9)の情報を使って書き換える。必要な箇所が不足している場合は、補間する。
そして、作成した前記返信用のSIPメッセージを前記第1端末102Eに送信し、前記第1端末102Eから前記ゲートウェイ装置101に対してACKメッセージを送信される、前記第1端末102Eと前記ゲートウェイ装置101の間のSIPコネクションが確立される。
このような手順により、前記第1端末102Eと前記ゲートウェイ装置101のSIPコネクションおよび前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2のSIPコネクションを確立すると、図22に示すように、前記ゲートウェイ装置101と前記第2端末2の間でメディアを送受信するときに使用するIPアドレスおよびポート番号の組み合わせ、前記ゲートウェイ装置101と第1端末102Eの間でメディアを送受信するときに使用するIPアドレスおよびポート番号の組み合わせが設定される。そのため、前記第1端末102Eと前記第2端末2の間で正しくメディアの送受信をできるとともに、前記第2端末2に対して前記第1ネットワーク1内を隠蔽することができる。
以上説明したように、本実施例1のゲートウェイ装置101を用いたメディアの送受信方法では、前記ゲートウェイ装置101があらかじめ保持しているバンドルを利用することで、前記第1ネットワーク内のSIPに対応していない端末も、前記第2端末2と容易にメディアの送受信を行うことができる。
また、前記第1ネットワーク内の端末が前記第2端末とメディアの送受信を行うとき、前記第2端末2は、前記ゲートウェイ装置101を前記第1端末、すなわち実際にメディアの送受信を行っている端末とみなしており、前記第2端末2が前記第1ネットワーク内の端末と直接的にメディアの送受信を行うことはない。そのため、前記第2端末2に対して前記第1ネットワーク内の情報を隠蔽することができ、前記第1ネットワークのセキュリティレベルが向上する。
図23乃至図25は、本発明による実施例2のゲートウェイ装置の概略構成を示す模式図であり、図23はゲートウェイ装置を適用したネットワークの構成例を示す図、図24は第1ゲートウェイ装置の内部の構成例を示す図、図25は第2ゲートウェイ装置の内部の構成例を示す図である。
前記実施例1では、1つのゲートウェイ装置を利用して、前記第1端末102B,102C,102D,102Eと前記第2端末2の間でメディアの送受信に関する設定をし、送受信を行う例を説明したが、これに限らず、前記実施例1で説明したゲートウェイ装置101が備える各構成要素を2つ以上の装置に分散してもよい。
本実施例2では、そのような例として、例えば、図23に示すように、第1ネットワーク11の情報通信装置113A、113B、113C、113Dと接続されるとともに、インターネット等の第1ネットワーク11の外部のネットワーク(以下、第2ネットワークという)に設けられた情報通信装置12、13と接続されている第1ゲートウェイ装置(ホームゲートウェイ)111と、前記第1ネットワーク11内に設置され、情報通信装置113Aを介して前記第1ゲートウェイ111と接続されている第2ゲートウェイ装置により、前記実施例1と同様の機能を実現する方法について説明する。このとき、ゲートウェイ装置111は第1ネットワーク1に属し、かつ、情報通信装置113A、113B、113C、113D、112を含む第1ネットワーク11に接続されたすべての情報通信装置のなかで唯一、第2ネットワークと直接接続されている端末であるとする。すなわち、第1ネットワーク11の情報通信装置113A、113B、113C、113D、112から第2ネットワークの情報通信装置12、13にパケットを送信するには、パケットをゲートウェイ装置111に送信する必要があるとする。
また、ゲートウェイ装置111は、受信したパケットのIPヘッダに記述されているあて先を参照し、そのあて先に対してパケットを転送することができる機能を備えている。また、第1ネットワーク11の情報通信装置113A、113B、113C、113D、112のうち、図14に示したように、複数の端末が接続された装置113Aは、例えば、スイッチング・ハブ等の集線装置であり、ゲートウェイ装置111と同様に、受信したパケットのIPヘッダに記述されている宛先を参照し、その宛先に対してパケットを転送することができる機能を備えている。
またこのとき、ゲートウェイ装置111には、第1ネットワーク11のアドレス体系に基づいた第1IPアドレスと、第2ネットワークのアドレス体系に基づいた第2IPアドレスが割り当てられている。以下の説明では、例えば、第1ネットワーク11をホームネットワーク、第2ネットワークをインターネットとし、第1IPアドレスはプライベートIPアドレス、第2IPアドレスはグローバルIPアドレスとする。また、第1ネットワーク11に接続された情報通信装置(スイッチング・ハブ)113A、および情報通信装置(サービスゲートウェイ装置)112、情報通信装置(端末)113B、113C、113D、ならびにゲートウェイ装置111に割り当てられたプライベートIPアドレスはそれぞれ、図14に示したように、192.168.1.1,192.168.1.2,192.168.1.3,192.168.1.4,192.168.1.10,192.168.1.9 とする。また、ゲートウェイ装置111に割り当てられたグローバルIPアドレスは例えば、130.0.1.1 とする。
また、前記第1ゲートウェイ装置111は、図24に示すように、前記実施例1で説明したSDP変換手段101F、前記メディア転送手段生成手段101D、前記メディア転送手段管理手段101Eを備える。また、前記第1ゲートウェイ装置111は、それらの構成要素に加え、受信したSIPメッセージを前記第2ゲートウェイ装置112あるいは前記第2端末2に転送するSIPメッセージ転送手段111Jおよびパケット処理手段111Hを備える。
また、前記第2ゲートウェイ装置112はSIP(Session Initiation Protocol)に対応しており、SIP対応端末との間でSIPメッセージの送受信を行い、音声や動画等のメディアの送受信を行うためのSIPコネクションを確立することができる。このとき、前記第2ゲートウェイ装置112は、図25に示すように、前記実施例1で説明したSIP UA生成手段101A、前記バンドル管理手段101Bおよびバンドル実行手段101C、前記SIPマネージャ101G、前記パケット処理手段112Hを備える。
以下、本実施例2の第1ゲートウェイ装置111および第2ゲートウェイ装置112を利用して、前記第1端末113B,113C,113Dと前記第2端末との間でメディアの送受信を行うときの各ゲートウェイ装置111,112の動作について説明する。
図26乃至図31は、本実施例2のゲートウェイ装置を用いたメディアの送受信方法を説明するための模式図である。
以下の説明では、まず、第1ネットワークの端末113A、113B、113C、113Dのうち、プライベートアドレスが 192.168.1.2 である113Bが、前記第2端末とメディアの送受信するときの第1ゲートウェイ装置および第2ゲートウェイ装置112の動作を説明する。以下、第1端末は、プライベートアドレスが 192.168.1.2 である113Bを指すものとする。
また、このとき、第1端末113BはSIPに対応した端末であるとする。また、前記第1端末113Bは、任意のIPアドレス、ポート番号でメディアを送受信できるとする。
第1端末113Bはメディアの送受信を行うために、まず、インターネットに向けてSIPメッセージ(INVITE)を送信する。このとき、送信したSIPメッセージ(INVITE)は、図26に示すように、第1ゲートウェイ装置111で受信される。そして、前記第1ゲートウェイ装置111では、受信したSIPメッセージを前記パケット処理手段111HからSIPメッセージ転送手段111Jに送られる。前記SIPメッセージ転送手段111JはIPヘッダを見て、第1ネットワーク11内部の第2ゲートウェイ112以外の装置からのSIPメッセージであると判断する。そして、第2ゲートウェイ装置112に対して、SIPメッセージ(INVITE)をリルーティングする。
前記第2ゲートウェイ装置112はリルーティングされたSIPメッセージを受信すると、そのメッセージは前記パケット処理手段112HからSIPマネージャ101Gに送られる。そして、SIPマネージャ101Gはそのメッセージが外部の端末に対する新しいコネクション確立要求であると判断する。
このとき、SIPマネージャ101Gは、まず、前記第1ゲートウェイ装置111において、メディア転送手段の生成と、SDP変換を行ってもらうために、図27に示すように、第1ゲートウェイ装置111上のSDP変換手段101Fに対して、通信パラメータ(IPアドレスとポート番号)、コネクションID、受信したSIPメッセージのSDPの部分、を引き渡すとともに、メディア転送手段生成およびSDP変換処理依頼を行う。
前記第1ゲートウェイ装置111上のSDP変換手段101Fは、処理依頼を受けると、まず通信パラメータに示されたポート番号が使用されていないかどうか検索する。そして、使われていないなら予約する。予約後、SDP変換手段101FはSIPマネージャ101Gから受信した通信パラメータとコネクションIDをメディア転送手段生成手段101Dに渡すとともに、メディア転送手段を新しく起動してもらうよう依頼する。
メディア転送手段生成手段101Dは通信パラメータに基づき、メディア転送手段を生成し、メディア転送手段に固有のIDとともに正常応答をメディア転送手段生成手段に対して返す。
メディア転送手段生成手段101Dは受け取った固有IDとコネクションIDを関連付けて管理してもらうようにメディア転送手段管理手段101Eに対して依頼する。メディア転送手段管理手段101Eはそれらを関連付け管理した後、正常応答をメディア転送手段生成手段101Dに対して返す。
メディア転送手段生成手段101Dは以上の処理を行った後、SDP変換手段101Fに対して応答を返す。SDP変換手段101Fは応答を受け取ると、通信パラメータを利用してSDPを書き換え、書き換えたSDPを、図28に示すように、前記第2ゲートウェイ装置112上のSIPマネージャ105Gに対して返す。
前記SIPマネージャ101GはSDPを受け取ると、新しくSIP UA10101Aを生成させ、それに対して、SIPヘッダとSDPを渡す。SIP UA10101Aは受け取ったSIPヘッダとSDPからSIPメッセージ(INVITE)を生成し、第1ゲートウェイ装置111に送信する。
前記第1ゲートウェイ装置11上のSIPメッセージ転送手段111Jは前記第2ゲートウェイ装置112が送信したSIPメッセージを受信し、IPヘッダからそのSIPメッセージが第2ゲートウェイ装置112から送信されたものであると判断する。そして、インターネットに対して、SIPメッセージをリルーティングする。
リルーティングされたSIPメッセージは最初にSIPプロキシ3が受信する。SIPプロキシ3はSIPメッセージ中より、第2端末2にそのSIPメッセージを転送する。
第2端末2はそのSIPメッセージを受信したら、図29に示すように、前記第1ゲートウェイ装置111に対してSIPメッセージ(180 ringing)を送信する。このSIPメッセージ(180 ringing)はSIPプロキシ3を介して、第1ゲートウェイ装置111に送信される。前記第1ゲートウェイ装置111上のSIPメッセージ転送手段111JはそのSIPメッセージ(180 ringing)を第2ゲートウェイ装置112に対して転送する。
前記第2ゲートウェイ装置112は、SIPメッセージ(180 ringing)を受信すると、そのヘッダのIDを見てSIP UA10101Aが送信したINVITEに対する返答であると判断し、新しくSIP UA10102Aを生成し、その180 ringingを渡す。SIP UA10102Aはその180 ringingを第1端末に対して送信する。
前記第2端末2はSIPメッセージ(180 ringing)を送信したあと、しばらくすると、図30に示すように、SIPメッセージ(200 OK)を送信する。SIPプロキシ3は第2端末2からの200 OKを受信し、第1ゲートウェイ装置111に対して、リルーティングする。リルーティングされたSIPメッセージ(200 OK)は第1ゲートウェイ装置111上のSIPメッセージ転送手段111Jにより、前記第2ゲートウェイ装置112に転送される。
前記第2ゲートウェイ装置112は、SIPメッセージ(200 OK)を受信すると、SIPヘッダのIDを見てSIP UA10102AのINVITEに対する返答であると判断する。そしてメディア転送手段生成とSDP変換のための、前述と同じような方法で第1ゲートウェイ装置111に対して処理依頼を送る。
前記第1ゲートウェイ装置111は、前述と同じような方法でメディア転送手段を生成し、SDPを変換し、前記第2ゲートウェイ装置112上のSIPマネージャ101Gに対して、それを返す。前記第2ゲートウェイ装置112上のSIPマネージャ101Gは、前記第1ゲートウェイ装置111から受け取ったSDPと200 OKのSIPヘッダをSIP UA10102Aに返す。また200 OKそのものをSIP UA10101Aに返す。
前記SIP UA10102Aは、受け取ったSDPとSIPヘッダからSIPメッセージ(200 OK)を作成し、第1端末113Bに対して、その200 OKを送信する。
第1端末113BはSIPメッセージ(200 OK)を受けとった後にACKメッセージを生成し、図31に示すように、前記第1ゲートウェイ装置111に対して送信する。前記第1ゲートウェイ装置111は前述と同じようにACKメッセージを第2ゲートウェイ装置112に対して転送する。
第2ゲートウェイ装置112は受け取ったACKのヘッダ中のIDより、SIP UA10101A,10102Aに対してそれぞれ送る。
前記SIP UA10102Aは、第1端末113Bとのコネクションを確立する。またSIP UA10101AはACKメッセージを第2端末2に向けて転送する。前記第1ゲートウェイ装置111は受け取ったACKメッセージをインターネットに対して転送する。SIPプロキシ3はそのACKメッセージを第2端末2に対してリルーティングする。第2端末2はACKメッセージを受け取り、前記第1ゲートウェイ装置111とのコネクションを確立させる(見かけ上は)。
このように、前記実施例1で説明した各構成要素を前記第1ゲートウェイ装置111および前記第2ゲートウェイ装置112に分散しても、前記第1ゲートウェイ装置111と前記第2ゲートウェイ装置112を連携させることで、前記実施例1と同様に前記第1端末113Bと前記第2端末2の間でメディアの送受信を行うことができる。またこのとき、前記第2端末2は、前記第1ゲートウェイ装置111を前記第1端末113Bとみなしてメディアの送受信を行うので、前記第2端末2に対して前記第1ネットワーク内の情報を隠蔽することができる。
また、前記メディアの送受信を実現するための各構成要素を前記第1ゲートウェイ装置111および前記第2ゲートウェイ装置112に分散させることで、各ゲートウェイ装置111,112にかかる負荷を低減することができる。そのため、処理能力が低い装置(コンピュータ)でも、前記各ゲートウェイ装置111,112として用いることができる。
また、前記第1端末がSIPに対応していない端末の場合も、前記第1ゲートウェイ装置111と前記第2ゲートウェイ装置112を連携させて、前記実施例1で説明したような手順で、前記第1ゲートウェイ装置111と前記第2端末2の間にSIPコネクションを確立するとともに、前記第1ゲートウェイ装置111と前記第1端末の間でメディアを送受信するときに使用するIPアドレスおよびポート番号を設定するとともに、前記メディア転送手段を生成すればよいので、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本実施例2のゲートウェイ装置111,112を用いたメディアの送受信方法によれば、前記実施例1と同様に、前記第1ネットワーク内のSIPに対応していない端末も、前記第2端末2と容易にメディアの送受信を行うことができる。
また、前記第1ネットワーク内の端末が前記第2端末とメディアの送受信を行うとき、前記第2端末2は、前記第1ゲートウェイ装置111を前記第1端末、すなわち実際にメディアの送受信を行っている端末とみなしており、前記第2端末2が前記第1ネットワーク内の端末と直接的にメディアの送受信を行うことはない。そのため、前記第2端末2に対して前記第1ネットワーク内の情報を隠蔽することができ、前記第1ネットワークのセキュリティレベルが向上する。
また、前記前記メディアの送受信を実現するための各構成要素を前記第1ゲートウェイ装置111および前記第2ゲートウェイ装置112に分散させることで、各ゲートウェイ装置111,112にかかる負荷を低減することができる。そのため、処理能力が低い装置(コンピュータ)でも、前記各ゲートウェイ装置111,112として用いることができる。
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
例えば、本発明のゲートウェイ装置を用いたメディア送受信方法は、例えば、コンピュータとプログラムによっても実現することができる。このとき、前記プログラムは、例えば、前記コンピュータ(ゲートウェイ装置)に、前記実施例1および実施例2で説明したような手順でSIPコネクションを確立する処理、メディア転送手段を生成する処理、SDPを書き換える処理を行わせるプログラムとすればよい。
図32および図33は、本発明のゲートウェイ装置を用いたメディア送受信方法をコンピュータとプログラムによって実現する方法を説明するための模式図であり、図32はコンピュータ上におけるソフトウェア構成の一例を示す図、図33(a)はコンピュータにおけるソフトウェアが実現する機能のうち前記実施例1の場合に相当する機能の一例を示す図、図33(b)はコンピュータにおけるソフトウェアが実現する機能のうち前記実施例1の場合に相当する機能の一例を示す図である。
前記実施例1のゲートウェイ装置101を用いたメディア送受信方法を、前記コンピュータとプログラムによって実現する場合、前記コンピュータ10は、例えば、図32に示すように、共通プラットフォームを提供するJVM(Java Virtual Machine)10Aが動作可能なOS(Operating System)10Bが搭載されている必要がある。そして、前記OS10B上で前記JVM10Aを動作させ、また前記JVM10B上にはOSGiバンドル10Cをネットワーク経由でダウンロードしたり、削除したりすることのできるOSGiバンドルの管理プログラムであるOSGi Service Platformプログラム10Dを動作させる。このとき、前記JVM10B、前記OSGi Service Platformプログラム10Dは、前記実施例1で説明したバンドル管理手段101Bおよび前記バンドル実行手段101Cで行う処理に相当する動作をする。
また、前記OSGi Service Platformプログラム10Dで管理するバンドル10Cは、前記第1端末102B,102C,102D,102Eに対して、外部との通信に必要な符号化情報、IPアドレス情報、ポート番号情報、パケット転送レート情報を取得することのできるプログラムである。
また、前記コンピュータ10では、前記JVM10Aとは別に、OS10B上でSDP変換プログラム10Eとメディアパケット転送プログラム10Fを動作させる。このとき、前記SDP変換プログラム10Eは、前記SDP書き換え手段101Fで行う処理に相当する動作をする。また、前記メディアパケット転送プログラム10Fは、前記メディア転送手段生成手段101Dで行う処理に相当する動作をする。
このとき、前記実施例1で説明したように、SIPに対応していない第1端末102Bから前記セッションの確立要求を受信した場合、図33(a)に示すように、前記SIPエージェント10GのSIP UA10Hが機能し、前記JVM10A、前記OSGi Service Platformプログラム10Dを利用して指定されたバンドル10Cを取得し、前記バンドル10Cを利用してSIPメッセージを作成する。そして、前記SIPメッセージを前記第2端末2に送信した後、前記ゲートウェイ装置(コンピュータ)10と前記第2端末2の間でセッションを確立したら、前記SIPエージェント10Gは、前記メディアパケット転送機能生成エンジン10Fに前記第2端末2から送信されたメディアを前記第1端末102Bに転送するためのメディア転送機能10Jを設定させる。またこのとき、前記メディアパケット転送機能生成エンジン10Fは、前記第1端末102Bから送信されたメディアを前記第2端末に転送するためのメディア転送機能10Kを設定する。またこれらのメディア転送機能10L,10Kはメディア転送制御データベース10Lで管理する。
一方、前記ゲートウェイ装置(コンピュータ)10は、SIPに対応した第1端末102Dから前記SIPメッセージを受信した場合、図33(b)に示すように、前記SIPエージェント10GのB2BUA10Mが機能し、前記メディアパケット転送機能生成エンジン10Fに、前記第2端末から送信されたメディアを前記第1端末に転送するためのメディア転送機能10Jを生成させる。またこのとき、前記メディアパケット転送機能生成エンジン10Fは、前記SDP書き換えエンジン10Eに、前記第1端末102Dが送信したSIPメッセージのSDPを書き換えさせる。そして、前記SIPエンジン10GはSDPが書き換えられたSIPメッセージを前記第2端末2に送信し、前記ゲートウェイ101と第2端末2の間のセッションを確立する。
またこのとき、前記第1端末102Dが、前記プライベートIPアドレスが 192.168.0.5 の端末102Eのように、メディアの送受信に使用できるポート番号が固定されている場合、前記第1端末102Eは、前記SIPメッセージを送信する前に、前記バンドル101Cを利用してセッションを確立したいという要求を通知する。その場合、前記SIPエージェント101Gは、前記JVM101A、前記OSGi Service Platformプログラム101Dを利用して指定されたバンドル101Cを取得し、取得したバンドル101Cを利用して、メディアを送受信するために必要な情報(ポート番号)を取得する。
前記ゲートウェイ装置(コンピュータ)10は、前記第2端末2の間でセッションを確立させる一方で、前記SIPエージェント10Gが、前記メディアパケット転送機能生成エンジン10Fに前記第1端末が送信したメディアを前記第2端末に転送するためのメディア転送機能10Kを生成させる。そして、これらのメディア転送機能10J,10Kは、メディア転送制御データベース10Lで管理する。またこのとき、前記メディアパケット転送機能生成エンジン10Fは、前記前記SDP書き換えエンジン10Eに、前記第2端末2が返信したSIPメッセージのSDPを書き換えさせる。そして、前記SIPエンジン10GはSDPが書き換えられたSIPメッセージを前記第1端末102D(102E)に送信し、前記ゲートウェイ装置10と第1端末102D(102E)の間のセッションを確立する。
そして、前記ゲートウェイ装置10は、前記第1端末102Dあるいは前記第2端末2から送信されたメディアを受信したら、前記メディア転送制御データベース101Lを参照し、それぞれのメディアの転送先を特定し、IPアドレスおよびポート番号を変換した後、前記第2端末2あるいは前記第1端末102Dに転送する。
また、本発明のゲートウェイ装置を用いたメディア送受信方法では、前記実施例1で説明したような処理に加えて、例えば、前記第1ネットワークに接続されるSIPに対応した端末が指定したパラメータをゲートウェイ装置が受け取る処理と、前記指定されたパラメータにより設定されたSIPメッセージを作成する処理と、前記指定されたパラメータにより設定されたメディアパケットを転送する処理を行ってもよい。このようにすると、SDP書き換えによって設定されたメディアパケットが通過するパス上の分岐点に存在するゲートウェイにおいて、そのパス上に正しくメディアパケットを転送させ、メディアパケットを相手先のメディアエンジンと正しく交換することが可能となる。また、前記OSGiプラットフォームとは独立に動作しているため、例えば、前記OSGiプラットフォームプログラムが異常終了したとしても引き続きメディアを正しく交換することが可能となる。
また、その他にも、例えば、前記第1端末と第2端末の間でメディの送受信をしているときに、前記第1ネットワーク内のセッション状態が変化した場合、セッションの位置検出機能を提供する共通プラットフォーム上の機能、あるいはそれ自体で動作する機能を利用し位置情報を取得する処理と、その情報を用いて、第1端末とゲートウェイ装置の間で確立したセッションだけを変更する処理を行っても。このようにすると、第1ネットワーク内においてセッションの切換が発生しても、ゲートウェイ第2端末の間のセッションはそのままの状態でよい。そのため、第1ネットワーク内部の端末とゲートウェイ装置の間に確立されているSIPコネクションを変更するだけでセッションの切換が完了し、速やかなセッション切換が可能となる。
また、その他にも、例えば、前記SDPを書き換えるステップにおいて、BandwidthフィールドがSDP中に存在する場合、空きネットワーク帯域を測定するための帯域測定機能を持つ共通プラットフォーム上の機能あるいはそれ自体で動作する機能により、空き帯域情報を取得する処理と、その空き帯域情報とSDPで要求される転送レートとを比較する処理と、空き帯域がSDPで要求される転送レートより少ない場合にBandwidthフィールドを書き換える処理とを有してもよい。このようにすると、第1ネットワーク内部あるいはゲートウェイ装置から外部ネットワークに直接つながるネットワークの空き帯域がSIPメッセージで要求するメディアの転送レートよりも少ない場合に、SDPの転送レートが記述されている箇所を低い値に書き換えることで、パケットロスを抑制することが可能となる。