JP4077338B2 - 下膳トレイの食器落下装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大規模食堂等や学校・病院等の大規模配膳を行う場所に設置される食器洗浄装置の前段階で、喫食後の食器や残飯類を載せた下膳トレイを搬送しながら傾斜させて、食器と残飯類とを分別するトラフにトレイ上の食器や残飯類を落下させる下膳トレイの食器落下装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の落下装置として、トラフの一側に設置されるフレーム台と、該フレーム台のトラフ側に略水平状態にて配置されて前記トラフに沿って延在して下膳トレイのトラフ側下面を支持して搬送する無端ベルトと、上昇傾斜部と下降傾斜部とこれら両傾斜部間の山部を有して前記フレーム台の反トラフ側に配置されて前記トラフに沿って延在して下膳トレイの反トラフ側を順次上方に持ち上げて前記下膳トレイを所定量傾斜させる傾斜無端ベルトと、前記搬送無端ベルトと前記傾斜無端ベルトとを略同じ送り速度で駆動させる駆動装置と、前記搬送ベルトの前記トラフ側にて前記フレーム台に設けられて傾斜状態の前記下膳トレイの一端を滑動可能に支えるガイドレールとを備えて、コンベア装置によって搬入される下膳トレイをその上に載せた食器や残飯類とともにトラフの一側に沿って搬送させ、その搬送中に下膳トレイを傾斜させて食器や残飯類を前記トラフに落下させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3086914号公報(第1〜5頁、図1〜6)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の構造では、トレイを徐々に持ち上げて所定の角度に傾斜させるので、食器や残飯類がトレイから落下するまでに時間と距離を要し、装置全体が大型化する。また、トレイが徐々に傾斜するので、トレイ上の食器の種類によって落下速度が異なりトラブルが生じやすい。さらに、長さの異なるトラフ側の無端ベルトと反トラフ側の無端ベルトの送り速度を同期させるから、ベルト駆動装置の構成が複雑になり、送り速度も遅いものであった。
【0005】
そこで本発明は、食器や残飯類の落下時間と距離を短くして装置全体の小型化と、ベルト駆動装置の構成の簡略化及びベルト送り速度の向上を図った下膳トレイの食器落下装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明は、トラフの一側に設置されるフレーム台に懸架された無端ベルトにて下面を支持された略水平状態の下膳トレイを、トラフ上を通過する際に傾斜させて、下膳トレイ上の食器を前記トラフに落下させる下膳トレイの食器落下装置において、前記無端ベルトのうち、反トラフ側に懸架される搬送用無端ベルトは、トラフ搬入部からトラフ搬出部に亘って懸架し、トラフ側に懸架される搬入用無端ベルトは、トラフ搬入部からトラフの入口位置に亘って懸架し、前記搬送用無端ベルトのトラフの入口位置からトラフの出口位置に亘る上方に、下膳トレイの反トラフ側縁内面に接触する転動ローラを複数設け、トラフ側下面が非保持状態になった下膳トレイの反トラフ側を搬送用無端ベルトと転動ローラとで挟持して、下膳トレイをトラフ上で傾斜させながら搬送することを特徴としている。また、前記トラフ搬出部のトラフ側には、傾斜した下膳トレイのトラフ側下面を支持して下膳トレイを略水平状態に復帰させる上昇傾斜部を有する搬出用無端ベルトが設けられていることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態例に基づいて詳細に説明する。喫食後の食器1を載せた下膳トレイ2を搬送しながら、トラフ3上を通過する際に下膳トレイ2を傾斜させて、食器1をトラフ3に落下させる食器落下装置4は、前記トラフ3の一側方上部に沿って配置されたフレーム5と、該フレーム5に懸架した搬送用無端ベルト6、搬入用無端ベルト7及び搬出用無端ベルト8と、搬送無端ベルト6の上部に設けられた複数の転動ローラ9とで構成されている。
【0008】
前記下膳トレイ2は、角形で、周囲の縁が上方へ向かって拡開するよう斜めに立ち上がっている。前記トラフ3は、トレイ2から落下した食器1と残飯類とを分別するすのこ状コンベア10を有し、分別した食器1を隣接する食器洗浄水槽11へ搬送する。前記フレーム5は、トラフ3の手前から食器洗浄水槽11の先に亘るトラフ搬入部からトラフ搬出部に亘って反トラフ側に配置される第1フレーム12と、該第1フレーム12に対向してトラフ3の手前からトラフ3の入口位置からやや内側位置までに亘ってトラフ側に配置される第2フレーム13と、前記第1フレーム12に対向してトラフ3の出口位置から食器洗浄水槽11の先に亘って前記第2フレーム13の延長線上に配置される第3フレーム14とで構成され、トラフ3の入口位置から出口位置に亘るトラフ3上にはフレームが存在しない構成である。
【0009】
前記搬送用無端ベルト6は、前記第1フレーム12に沿ってトラフ搬入部からトラフ搬出部に亘って、前記第1フレーム12と前記第2フレーム13の搬入側上部に設けた支軸15のプーリーと、前記第1フレーム12と前記第3フレーム14の搬出側上部に設けた支軸16のプーリーとの間に懸架されている。前記搬入用無端ベルト7は、前記第2フレーム13に沿って前記搬送無端ベルト6と平行でかつ同高に配置され、前記支軸15のプーリーと、前記第2フレーム13のトラフ3側と前記第1フレーム12とに設けた支軸17のプーリーとの間に懸架されている。なお、支軸17のもう一方のプーリーは、前記搬送無端ベルト6の途中を支承している。
【0010】
前記搬出用無端ベルト8は、前記トラフ3の出口よりやや内側位置の前記第1フレーム12下部に設けた支軸18のプーリーと、前記第1フレーム12と前記第3フレーム14の搬出側上部に設けた支軸19のプーリーとの間に懸架され、中間部分を前記第1フレーム12と前記第3フレーム14のトラフ側上部に設けた支軸20のプーリーにて支承され、前記支軸18のプーリーと支軸20のプーリーとの間の上面を上昇傾斜部8aに、支軸20のプーリーと支軸19のプーリーとの間の上面を前記搬送用無端ベルト6と同高の水平部8bとしている。なお、前記支軸18は、傾斜した下膳トレイ2のトラフ側下面よりも下方に設けられている。また、支軸20のもう一方のプーリーは、前記搬送無端ベルト6の途中を支承している。
【0011】
前記転動ローラ9は、前記搬送用無端ベルト6の上部にトラフ3の入口位置から出口位置の前記支軸20の上部に亘って複数(本実施形態例では15個)設けられている。この転動ローラ9は、前記第1フレーム12のサブフレーム21にボルト22にて設けた軸23に軸受24を介して回転可能に設けられるローラ25と、該ローラ25のトラフ側に設けられる偏心円盤26とで構成され、該偏心円盤26は、前記軸23のトラフ側にボルト27にて取り付けられる抜け止め部材28の軸よりも大径の偏心孔26aを有している。
【0012】
なお、前記搬送用無端ベルト6の支軸17と支軸18との間には、下膳トレイ2の傾斜に伴って傾斜する搬送用無端ベルト6を下方から支承するガイド板29が設けられている。また、前記搬送用無端ベルト6の下部に張度調節器30,31が、前記搬入用無端ベルト7の下部に張度調節器32が、前記搬出用無端ベルト8の上下のベルト間に張度調節器33,34がそれぞれ設けられている。
【0013】
このように構成された食器落下装置4は、喫食後の食器1を載せた下膳トレイ2を搬送用無端ベルト6にて反トラフ側下面を、搬入用無端ベルト7にてトラフ側下面をそれぞれ支持して略水平状態で搬送し、下膳トレイ2の先端側縁2aが最初の転動ローラ9に差し掛かると、偏心円盤26は先端側縁2aに押されて上昇して先端側縁2aの通過を許容し、下膳トレイ2の反トラフ側縁2b上縁がローラ25に接触してローラ25が転動する。下膳トレイ2の搬送に伴い2番目以降の転動ローラ9も同様に動作し、下膳トレイ2は、搬送用無端ベルト6と各ローラ25とで挟持されて搬送される。なお、この状態では、偏心円盤26は反トラフ側縁2bの内側に位置している。
【0014】
下膳トレイ2のさらなる搬送によって下膳トレイ2のトラフ側下面が搬入用無端ベルト7の先端から外れると、下膳トレイ2は、トラフ側が非保持状態となるため急激に低くなって傾斜し、食器1が下膳トレイ2からトラフ3に落下する。この際に、下膳トレイ2は、下膳トレイ2の傾斜に伴って傾斜する搬送用無端ベルト6によって反トラフ側下面を支持されるとともに、反トラフ側縁2b上縁を前記ローラ25に接触し、反トラフ側縁2b内側を偏心円盤26に接触することによって、搬送用無端ベルト6と転動ローラ9とによって挟持されて傾斜状態で搬送される。
【0015】
傾斜状態で搬送された下膳トレイ2の先端側下面が前記搬出用無端ベルト8の上部に差し掛かると、下膳トレイ2のトラフ側下面が前記搬出用無端ベルト8の上昇傾斜部8aに支持され、上昇傾斜部8aの傾斜に伴ってトラフ側下面が徐々に持ち上げられ、搬出用無端ベルト8の水平部9bで略水平状態に復帰して、前記搬送用無端ベルト6と搬出無端ベルト8とで食器落下装置4に続くトレイ洗浄装置(図示せず)に送られる。
【0016】
このように、食器落下装置4は、搬送用無端ベルト6と搬入用無端ベルト7とで搬送されていく下膳トレイ2が搬入用無端ベルト7から外れてトラフ側が非保持状態となると、下膳トレイ2の反トラフ側を搬送無端ベルト6と転動ローラ9とによって挟持して下膳トレイ2を急激に傾斜させるから、食器や残飯類が下膳トレイ2から落下する時間と距離が従来よりも短くなり、装置全体の小型化が図れる。また、下膳トレイ2が急激に傾斜するから、下膳トレイ2上の食器1は種類が異なっても一斉に落下する。さらに、下膳トレイ2上に粘性の強い残飯類が載っていてもトラフ3に落下させることができる。しかも、搬入用無端ベルト7と搬出用無端ベルト8の送り速度は搬送用無端ベルト6に同期させればよいからベルト駆動装置の構成を簡略化できるとともに、ベルトの送り速度を早くすることで処理能力を向上させることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、食器や残飯類の下膳トレイからの落下時間と距離が短くなるから、装置全体の小型化が図れるとともに、下膳トレイの傾斜時に1本の搬送ベルトで搬送するので、他のベルトと送り速度を同期させる必要がなく、ベルト駆動装置の構成を簡略化でき、ベルトの送り速度を早くして処理能力を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 食器落下装置の平面図
【図2】 食器落下装置の断面正面図
【図3】 搬送用無端ベルトとローラの位置関係を示す一部断面正面図
【図4】 図2のIV−IV断面図
【図5】 傾斜した下膳トレイの挟持状態を示す拡大断面図
【図6】 傾斜した下膳トレイの挟持状態を示す平面図
【符号の説明】
1…食器、2…下膳トレイ、3…トラフ、4…食器落下装置、5…フレーム、6…搬送用無端ベルト、7…搬入用無端ベルト、8…搬出用無端ベルト、8a…上昇傾斜部、9…転動ローラ、25…ローラ、26…偏心円盤
Claims (2)
- トラフの一側に設置されるフレーム台に懸架された無端ベルトにて下面を支持された略水平状態の下膳トレイを、トラフ上を通過する際に傾斜させて、下膳トレイ上の食器を前記トラフに落下させる下膳トレイの食器落下装置において、前記無端ベルトのうち、反トラフ側に懸架される搬送用無端ベルトは、トラフ搬入部からトラフ搬出部に亘って懸架し、トラフ側に懸架される搬入用無端ベルトは、トラフ搬入部からトラフの入口位置に亘って懸架し、前記搬送用無端ベルトのトラフの入口位置からトラフの出口位置に亘る上方に、下膳トレイの反トラフ側縁内面に接触する転動ローラを複数設け、トラフ側下面が非保持状態になった下膳トレイの反トラフ側を搬送用無端ベルトと転動ローラとで挟持して、下膳トレイをトラフ上で傾斜させながら搬送することを特徴とする下膳トレイの食器落下装置。
- 前記トラフ搬出部のトラフ側には、傾斜した下膳トレイのトラフ側下面を支持して下膳トレイを略水平状態に復帰させる上昇傾斜部を有する搬出用無端ベルトが設けられていることを特徴とする請求項1記載の下膳トレイの食器落下装置。
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